JP3214811B2 - 冷凍機作動流体用組成物 - Google Patents

冷凍機作動流体用組成物

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JP3214811B2
JP3214811B2 JP14497196A JP14497196A JP3214811B2 JP 3214811 B2 JP3214811 B2 JP 3214811B2 JP 14497196 A JP14497196 A JP 14497196A JP 14497196 A JP14497196 A JP 14497196A JP 3214811 B2 JP3214811 B2 JP 3214811B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機作動流体用
組成物に関し、さらに詳しくは、1,1,1,2−テト
ラフルオロエタン(HFC134a)、ジフルオロメタ
ン(HFC32)及びペンタフルオロエタン(HFC1
25)からなる混合ハイドロフルオロカーボンまたはジ
フルオロメタン(HFC32)及びペンタフルオロエタ
ン(HFC125)からなる混合ハイドロフルオロカー
ボンを冷媒として用いる圧縮式冷凍機の作動流体用組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ルームエアーコンディショナーやパッケ
ージエアーコンディショナーの冷媒として1,1,1,
2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、ジフル
オロメタン(HFC32)及びペンタフルオロエタン
(HFC125)からなる混合ハイドロフルオロカーボ
ンまたはジフルオロメタン(HFC32)及びペンタフ
ルオロエタン(HFC125)からなる混合ハイドロフ
ルオロカーボンが候補に挙げられている。これらの混合
ハイドロフルオロカーボンは、冷凍能力の点から好まし
いが、ジフルオロメタン(HFC32)の極性が高いた
め、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC1
34a)のみを冷媒として用いた圧縮式冷凍機に使用さ
れているエステルとは低温で相溶しないという問題があ
る。この問題はジフルオロメタン(HFC32)及びペ
ンタフルオロエタン(HFC125)からなる混合ハイ
ドロフルオロカーボンを冷媒として用いた場合に顕著で
あり、特にジフルオロメタン(HFC32)の比率が4
5重量%以上になると顕著に相溶性が低下する。また、
1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134
a)のみを用いる場合に比べ、これらの混合冷媒は蒸気
圧の高いジフルオロメタン(HFC32)を含むため圧
縮機内の圧力が高くなり、特にルームエアーコンディシ
ョナーやパッケージエアーコンディショナーに用いた
り、あるいはロータリー型コンプレッサーやスクロール
型コンプレッサーに用いる場合は、高圧力下での運転に
より摺動面で摩擦熱が発生し、使用される冷凍機油は熱
的に厳しい条件にさらされるため、基油としてエステル
を用いた場合は熱分解を起こし、カルボン酸を発生さ
せ、さらに金属と反応してカルボン酸金属塩を発生さ
せ、キャピラリーチューブを閉塞させる可能性がある。
従って酸素が存在しない冷媒雰囲気下、かつ金属共存下
での熱安定性が要求され、また金属を摩耗させないこと
が要求される。特に、250℃程度の高温下での熱安定
性は重要である。
【0003】特開平5−239480号公報及び特開平
6−17073号公報には、ジフルオロメタン(HFC
32)を含むハイドロフルオロカーボンとエステルの相
溶性について述べられているが、1,1,1,2−テト
ラフルオロエタン(HFC134a)、ジフルオロメタ
ン(HFC32)及びペンタフルオロエタン(HFC1
25)からなる混合ハイドロフルオロカーボンまたはジ
フルオロメタン(HFC32)及びペンタフルオロエタ
ン(HFC125)からなる混合ハイドロフルオロカー
ボンについての記載はなく、これらの混合ハイドロフル
オロカーボンと共に用いることのできるエステルについ
ては言及されていない。
【0004】また、特開平6−184575号公報には
ジフルオロメタン(HFC32)40重量%とペンタフ
ルオロエタン(HFC125)60重量%からなる混合
ハイドロフルオロカーボンとエステルの相溶性について
は記載されているが、ジフルオロメタン(HFC32)
の比率が45重量%以上の混合ハイドロフルオロカーボ
ンとの相溶性については言及されていない。しかも、上
記の3つの公報はいずれも1,1,1,2−テトラフル
オロエタン(HFC134a)、ジフルオロメタン(H
FC32)及びペンタフルオロエタン(HFC125)
からなる混合ハイドロフルオロカーボンまたはジフルオ
ロメタン(HFC32)及びペンタフルオロエタン(H
FC125)からなる混合ハイドロフルオロカーボンを
用いた冷凍機作動流体用組成物の熱安定性については言
及されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特定
のエステルを含有させることによって、1,1,1,2
−テトラフルオロエタン(HFC134a)、ジフルオ
ロメタン(HFC32)及びペンタフルオロエタン(H
FC125)からなる混合ハイドロフルオロカーボンま
たはジフルオロメタン(HFC32)及びペンタフルオ
ロエタン(HFC125)からなる混合ハイドロフルオ
ロカーボンとの相溶性に優れると共に、特に250℃程
度の高温下においても熱安定性を示し、さらに耐摩耗性
に優れた冷凍機作動流体用組成物を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のエステル
と混合ハイドロフルオロカーボンを含有する冷凍機作動
流体用組成物が前記課題を解決し得ることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、(1) ペンタエ
リスリトールと、少なくとも3−メチルヘキサン酸、5
−メチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサ
ン酸を含む脂肪酸成分より得られるエステルを基油とす
る冷凍機油と、1,1,1,2−テトラフルオロエタン
(HFC134a)、ジフルオロメタン(HFC32)
及びペンタフルオロエタン(HFC125)からなる混
合ハイドロフルオロカーボンまたはジフルオロメタン
(HFC32)及びペンタフルオロエタン(HFC12
5)からなる混合ハイドロフルオロカーボンを含有する
冷凍機作動流体用組成物、(2) 3−メチルヘキサン
酸/5−メチルヘキサン酸の組成比率が5/95〜95
/5重量比である前記(1)記載の冷凍機作動流体用組
成物、(3) エステル中の全アシル基数に対する3−
メチルヘキサン酸及び5−メチルヘキサン酸に由来する
アシル基数の比が10〜70%である前記(1)又は
(2)記載の冷凍機作動流体用組成物、(4) エステ
ル中の全アシル基数に対する分岐鎖を持つアシル基数の
比が80%以上であるエステルを基油とする前記(1)
〜(3)いずれか記載の冷凍機作動流体用組成物、
(5) エステル中の全アシル基数に対するカルボニル
基のα位に分岐鎖を持つアシル基数の比が30%以下で
あるエステルを基油とする前記(1)〜(4)いずれか
記載の冷凍機作動流体用組成物、並びに(6) エステ
ル中の全アシル基数に対するカルボニル基のα位に存在
する分岐鎖の炭素数の合計が2以上であるアシル基数の
比が20%以下であるエステルを基油とする前記(1)
〜(5)いずれか記載の冷凍機作動流体用組成物、に関
する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明は、ペンタエリスリトールと、少なくと
も3−メチルヘキサン酸、5−メチルヘキサン酸及び
3,5,5−トリメチルヘキサン酸を含む脂肪酸成分よ
り得られるエステルを基油とする冷凍機油と、1,1,
1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、ジ
フルオロメタン(HFC32)及びペンタフルオロエタ
ン(HFC125)からなる混合ハイドロフルオロカー
ボンまたはジフルオロメタン(HFC32)及びペンタ
フルオロエタン(HFC125)からなる混合ハイドロ
フルオロカーボンを含有する冷凍機作動流体用組成物で
ある。
【0009】本発明におけるエステルは、アルコール成
分としてペンタエリスリトールを用いる。ペンタエリス
リトールはネオペンチルポリオールであるため、他の多
価アルコールに比べて耐熱性に優れている。またトリメ
チロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジトリメ
チロールプロパン、ジペンタエリスリトール等のネオペ
ンチルポリオールに比べ、得られるエステルの電気絶縁
性に優れるために好ましい。また4価アルコールである
ため、得られるエステルはルームエアーコンディショナ
ーやパッケージエアーコンディショナー用あるいはロー
タリー型コンプレッサー、スクロール型コンプレッサー
用冷凍機作動流体に適切な粘度を有する。
【0010】ここで用いられるペンタエリスリトール
は、一般に市販されている高純度品であり、純度は90
重量%以上、好ましくは95重量%以上のものであれ
ば、不純物としてペンタエリスリトールの二量体、三量
体等が含まれていても、本発明の効果に影響しないため
使用できる。本発明におけるエステルは、アルコール成
分として、ペンタエリスリトールが用いられるが、得ら
れるエステルの粘度、混合ハイドロフルオロカーボンと
の相溶性や冷凍機作動流体の熱安定性に影響を与えない
範囲で他のアルコールを併用して用いてもよい。その場
合、ペンタエリスリトールの使用量は、全アルコール量
に対して50重量%以上が好ましく、70重量%以上が
さらに好ましく、90重量%以上が特に好ましい。
【0011】本発明におけるエステルは、脂肪酸成分と
して炭素数7の分岐脂肪酸及び炭素数9の分岐脂肪酸を
用いるが、炭素数7の分岐脂肪酸としては3−メチルヘ
キサン酸及び5−メチルヘキサン酸、炭素数9の分岐脂
肪酸としては3,5,5−トリメチルヘキサン酸を用い
る。これらの分岐脂肪酸は3位または5位に分岐を持つ
ため、2−エチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、
2−メチルヘキサン酸、2−エチルブタン酸等の2位に
分岐を持つ分岐脂肪酸に比べ、得られるエステルは混合
ハイドロフルオロカーボンとの相溶性に優れ、また融点
が低く低温特性に優れ、さらに粘度指数が高く粘度特性
にも優れている。また直鎖脂肪酸と比較しても、混合ハ
イドロフルオロカーボンとの相溶性に優れ、熱安定性に
も優れる。
【0012】得られるエステルの耐加水分解性、熱安定
性の観点から、3−メチルヘキサン酸/5−メチルヘキ
サン酸の組成比率は5/95重量比以上であることが好
ましく、15/85重量比以上であることがさらに好ま
しく、30/70重量比以上であることが特に好まし
い。また得られるエステルの粘度指数の観点から、95
/5重量比以下であることが好ましく、90/10重量
比以下であることがさらに好ましく、85/15重量比
以下であることが特に好ましい。このような3−メチル
ヘキサン酸/5−メチルヘキサン酸の組成比率の好適範
囲は前記の観点から適宜決定され、特に限定されない
が、5/95〜95/5重量比、好ましくは15/85
〜90/10重量比、さらに好ましくは30/70〜8
5/15重量比である。
【0013】本発明におけるエステル中の全アシル基数
に対する3−メチルヘキサン酸及び5−メチルヘキサン
酸に由来するアシル基数の比は、得られるエステルの耐
摩耗性の観点から、70%以下が好ましく、60%以下
がさらに好ましく、55%以下が特に好ましい。また省
エネルギー性、混合ハイドロフルオロカーボンとの相溶
性、粘度指数の観点から、3−メチルヘキサン酸及び5
−メチルヘキサン酸に由来するアシル基数の比は、10
%以上が好ましく、20%以上がさらに好ましく、30
%以上が特に好ましい。このような3−メチルヘキサン
酸及び5−メチルヘキサン酸に由来するアシル基数の比
の好適範囲は前記の観点から適宜決定され、特に限定さ
れないが、10〜70%、好ましくは20〜60%、さ
らに好ましくは30〜55%である。
【0014】得られるエステルの耐加水分解性、熱安定
性の観点から、3−メチルヘキサン酸及び5−メチルヘ
キサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の組成比
率は、2/98重量比以上であることが好ましく、10
/90重量比以上であることがさらに好ましく、30/
70重量比以上であることが特に好ましい。また、得ら
れるエステルの粘度指数の観点から、98/2重量比以
下であることが好ましく、90/10重量比以下である
ことがさらに好ましく、70/30重量比以下であるこ
とが特に好ましい。このような3−メチルヘキサン酸及
び5−メチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキ
サン酸の組成比率の好適範囲は前記の観点から適宜決定
され、特に限定されないが、2/98〜98/2重量
比、好ましくは10/90〜90/10重量比、さらに
好ましくは、30/70〜70/30重量比である。
【0015】本発明におけるエステル中の全アシル基数
に対する3−メチルヘキサン酸、5−メチルヘキサン酸
及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸に由来するアシ
ル基数の比は、得られるエステルの耐摩耗性、省エネル
ギー性、混合ハイドロフルオロカーボンとの相溶性、熱
安定性の観点から、50%以上が好ましく、70%以上
がさらに好ましく、80%以上が特に好ましい。
【0016】本発明におけるエステルは、脂肪酸成分と
して3−メチルヘキサン酸、5−メチルヘキサン酸及び
3,5,5−トリメチルヘキサン酸のみからなるエステ
ルが好ましいが、場合により他の脂肪酸を併用して用い
ても良い。その際、混合ハイドロフルオロカーボンとの
相溶性、熱安定性の観点から、エステル中の全アシル基
数に対する分岐鎖を持つアシル基数の比は80%以上が
好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上が
特に好ましい。また混合ハイドロフルオロカーボンとの
相溶性の観点から、エステル中の全アシル基数に対する
カルボニル基のα位に分岐鎖を持つアシル基数の比が3
0%以下が好ましく、20%以下がさらに好ましく、1
0%以下が特に好ましい。また同様に、混合ハイドロフ
ルオロカーボンとの相溶性の観点から、エステル中の全
アシル基数に対するカルボニル基のα位に存在する分岐
鎖の炭素数の合計が2以上であるアシル基数の比は、特
に小さい方が好ましく、20%以下が好ましく、10%
以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。
【0017】本発明におけるエステルは、無溶媒あるい
は溶媒を用いて、無触媒あるいは触媒の存在下、通常の
エステル化反応やエステル交換によって得ることができ
る。
【0018】本発明におけるエステルは、省エネルギー
性及び耐摩耗性の観点から、40℃における動粘度は4
0〜100mm2 /sの範囲が好ましく、50〜85m
2/sの範囲がより好ましい。本発明におけるエステ
ルをルームエアーコンディショナーやパッケージエアー
コンディショナー用あるいはロータリー型コンプレッサ
ー、スクロール型コンプレッサー用冷凍機作動流体用組
成物に用いる場合は、50〜85mm2 /sの範囲が特
に好ましい。また、100℃における動粘度は、省エネ
ルギー性及び耐摩耗性の観点から、1〜20mm2/sの
範囲が好ましく、1〜10mm2/sの範囲がより好まし
い。また、粘度指数は、省エネルギー性の観点から、8
0以上が好ましく、90以上がより好ましく、95以上
がさらに好ましい。
【0019】本発明におけるエステルを基油とする冷凍
機油には、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(H
FC134a)、ジフルオロメタン(HFC32)及び
ペンタフルオロエタン(HFC125)からなる混合ハ
イドロフルオロカーボンまたはジフルオロメタン(HF
C32)及びペンタフルオロエタン(HFC125)か
らなる混合ハイドロフルオロカーボンとの相溶性を損な
わない範囲で、鉱物油やポリα−オレフィン、アルキル
ベンゼン、上記以外のエステルやポリエーテル、パーフ
ルオロエーテル、リン酸エステル等を混合しても良い。
尚、本発明におけるエステルは基油として用いるもので
あり、冷凍機油に配合される潤滑油の50%以上、好ま
しくは80%以上を占めるものである。
【0020】本発明におけるエステルを基油とする冷凍
機油には、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(H
FC134a)、ジフルオロメタン(HFC32)及び
ペンタフルオロエタン(HFC125)からなる混合ハ
イドロフルオロカーボンまたはジフルオロメタン(HF
C32)及びペンタフルオロエタン(HFC125)か
らなる混合ハイドロフルオロカーボンとの相溶性を損な
わない範囲で、通常使用される酸化防止剤、極圧剤、油
性向上剤、消泡剤、清浄分散剤、防錆剤、抗乳化剤、粘
度指数調整剤、金属不活性化剤、流動点降下剤等の各種
潤滑油添加剤を添加して使用することができる。
【0021】本発明に用いられる1,1,1,2−テト
ラフルオロエタン(HFC134a)、ジフルオロメタ
ン(HFC32)及びペンタフルオロエタン(HFC1
25からなる混合ハイドロフルオロカーボンの混合比率
は、冷凍効率及び安全性の観点から、1,1,1,2−
テトラフルオロエタン(HFC134a)は10〜80
重量%が好ましく、20〜70重量%がさらに好まし
い。ジフルオロメタン(HFC32)は5〜40重量%
が好ましく、10〜30重量%がさらに好ましい。ペン
タフルオロエタン(HFC125)は5〜80重量%が
好ましく、10〜70重量%がさらに好ましい。最も好
ましい混合比率の一つとして、1,1,1,2−テトラ
フルオロエタン(HFC134a)52重量%、ジフル
オロメタン(HFC32)23重量%、ペンタフルオロ
エタン(HFC125)25重量%が挙げられる。
【0022】本発明に用いられるジフルオロメタン(H
FC32)及びペンタフルオロエタン(HFC125)
からなる混合ハイドロフルオロカーボンの混合比率は、
冷凍効率及び安全性の観点から、ジフルオロメタン(H
FC32)は45〜70重量%が好ましく、45〜60
重量%がさらに好ましい。ペンタフルオロエタン(HF
C125)は30〜55重量%が好ましく、40〜55
重量%がさらに好ましい。最も好ましい混合比率の一つ
として、ジフルオロメタン(HFC32)50重量%、
ペンタフルオロエタン(HFC125)50重量%が挙
げられる。
【0023】本発明におけるエステルを基油とする冷凍
機油と、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HF
C134a)、ジフルオロメタン(HFC32)及びペ
ンタフルオロエタン(HFC125)からなる混合ハイ
ドロフルオロカーボンまたはジフルオロメタン(HFC
32)及びペンタフルオロエタン(HFC125)から
なる混合ハイドロフルオロカーボンを含有する冷凍機作
動流体用組成物において、それらの配合比率は、混合ハ
イドロフルオロカーボン/冷凍機油=20/1〜1/1
0重量比、好ましくは10/1〜1/5重量比、特に好
ましくは5/1〜1/5重量比である。
【0024】このようにして得られる本発明の冷凍機作
動流体用組成物において、二相分離温度は低いことが望
ましく、10℃以下が好ましく、0℃以下がさらに好ま
しく、−10℃以下が特に好ましい。
【0025】
【実施例】以下、製造例および試験例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの試験例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0026】製造例1 攪拌機、温度計、窒素吹き込み管及び冷却器付きの脱水
管を取り付けた1リットルの四つ口フラスコに、ペンタ
エリスリトール72.5g(0.53モル)、3−メチ
ルヘキサン酸/5−メチルヘキサン酸(=68/32重
量比)151.4g(1.16モル)及び3,5,5−
トリメチルヘキサン酸185.0g(1.17モル)を
加えて、窒素気流下、240℃で常圧反応を3時間行っ
た。その後、400Torrで減圧反応を5時間行った。反
応終了後、未反応の脂肪酸を減圧除去し、本発明品に用
いるエステルAを得た。得られたエステルAを一部加水
分解して、酸組成をガスクロマトグラフィー分析で調べ
た結果、表1に示す酸組成であった。また上記と同様な
反応を行い、表1、2に示す酸組成の本発明品に用いる
エステルB〜F及び比較品に用いるエステルa〜lを得
た。
【0027】試験例1 製造例で得られた本発明品に用いるエステル及び比較品
に用いるエステルの40℃、100℃の動粘度及び粘度
指数(JIS K-2283) を測定した。その結果、表1、2に
示したように比較品に用いるa、b、d及びfの40℃
動粘度は、ルームエアーコンディショナーやパッケージ
エアーコンディショナー用冷凍機油として好ましい範囲
の粘度ではなかった。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】試験例2 製造例で得られた本発明品に用いるエステルA、B及び
比較品に用いるエステルcの電気絶縁性を調べるため、
JIS C-2101に準拠して、25℃における体積抵抗率を測
定した。その結果、表3に示すように本発明品は比較品
よりも電気絶縁性に優れていた。
【0031】
【表3】
【0032】試験例3 製造例で得られた本発明品に用いるエステルA〜Fまた
は比較品に用いるエステルb、e、h、i、k、lと
1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134
a)、ジフルオロメタン(HFC32)及びペンタフル
オロエタン(HFC125)からなる混合ハイドロフル
オロカーボンまたはジフルオロメタン(HFC32)及
びペンタフルオロエタン(HFC125)からなる混合
ハイドロフルオロカーボンとの相溶性を調べた。エステ
ルA〜Fまたはエステルb、e、h、i、k、lと1,
1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134
a)、ジフルオロメタン(HFC32)及びペンタフル
オロエタン(HFC125)からなる混合ハイドロフル
オロカーボンまたはジフルオロメタン(HFC32)及
びペンタフルオロエタン(HFC125)からなる混合
ハイドロフルオロカーボンの低温での二相分離温度を測
定した。その結果、表4〜7に示すように本発明品は比
較品よりも相溶性に優れていた。また、表7に示すよう
に比較品に用いるエステルにおいてもジフルオロメタン
(HFC32)/ペンタフルオロエタン(HFC12
5)=40/60重量比からなる混合ハイドロフルオロ
カーボンとの相溶性は良好なものがあるが、表5及び表
6に示すように冷凍効率の観点から好ましい組成である
ジフルオロメタン(HFC32)が45重量%以上の混
合ハイドロフルオロカーボンとの相溶性では、いずれの
比較品も満足するものはなかった。これに対し本発明品
は、表6および表7からわかるようにジフルオロメタン
(HFC32)が40重量%でも45重量%であっても
優れた相溶性を示した。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】試験例4 製造例で得られた本発明品に用いるエステルA〜Fまた
は比較品に用いるエステルd、f、g、j〜lと1,
1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134
a)、ジフルオロメタン(HFC32)及びペンタフル
オロエタン(HFC125)からなる混合ハイドロフル
オロカーボンまたはジフルオロメタン(HFC32)及
びペンタフルオロエタン(HFC125)からなる混合
ハイドロフルオロカーボンの熱安定性を調べるため、以
下に示す条件でシールドチューブ試験を行った。予め水
分濃度を10ppm以下、酸価を0.01mgKOH/
g以下の表8、9に示したエステルA〜F及びエステル
d、f、g、j〜lを10gと1,1,1,2−テトラ
フルオロエタン(HFC134a)、ジフルオロメタン
(HFC32)及びペンタフルオロエタン(HFC12
5)からなる混合ハイドロフルオロカーボンまたはジフ
ルオロメタン(HFC32)及びペンタフルオロエタン
(HFC125)からなる混合ハイドロフルオロカーボ
ン5gと触媒として直径1.6mmφ・長さ150mm
の銅、鉄及びアルミニウムをガラス管に加えて封管し、
ステンレス製オートクレーブに入れて密封した。250
℃で3日間試験した後、本発明品の色相(JIS K-258
0)、酸価(JIS K-2501)及び析出物の有無を調べた。
その結果、表8、9に示すように本発明品は比較品より
も熱安定性に優れていた。
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
【0040】試験例5 製造例で得られた本発明品に用いるエステルA、Bまた
は比較品に用いるエステルaと1,1,1,2−テトラ
フルオロエタン(HFC134a)、ジフルオロメタン
(HFC32)及びペンタフルオロエタン(HFC12
5)からなる混合ハイドロフルオロカーボンまたはジフ
ルオロメタン(HFC32)及びペンタフルオロエタン
(HFC125)からなる混合ハイドロフルオロカーボ
ンを含有する冷凍機作動流体用組成物の耐摩耗性を調べ
るため、FALEX試験を用いて調べた。エステル10
0mlを80℃に加温し、1,1,1,2−テトラフル
オロエタン(HFC134a)、ジフルオロメタン(H
FC32)及びペンタフルオロエタン(HFC125)
からなる混合ハイドロフルオロカーボンまたはジフルオ
ロメタン(HFC32)及びペンタフルオロエタン(H
FC125)からなる混合ハイドロフルオロカーボンの
流通下(10リットル/時間)、150lbの荷重で4時
間運転し、運転後のVブロックとピンの摩耗量を測定し
た。その結果、表10に示すように本発明品は比較品よ
りも耐摩耗性に優れていた。
【0041】
【表10】
【0042】
【発明の効果】本発明の冷凍機作動流体用組成物は、従
来物よりも相溶性に優れると共に、熱安定性及び耐摩耗
性に優れたものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−17073(JP,A) 特開 平6−184575(JP,A) 特開 平5−239480(JP,A) 特開 平5−209171(JP,A) 特開 平6−330061(JP,A) 特開 平3−217493(JP,A) 特表 平8−503975(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 105/34 C09K 5/04 C10N 40:30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペンタエリスリトールと、少なくとも3
    −メチルヘキサン酸、5−メチルヘキサン酸及び3,
    5,5−トリメチルヘキサン酸を含む脂肪酸成分より得
    られるエステルを基油とする冷凍機油と、1,1,1,
    2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、ジフル
    オロメタン(HFC32)及びペンタフルオロエタン
    (HFC125)からなる混合ハイドロフルオロカーボ
    ンまたはジフルオロメタン(HFC32)及びペンタフ
    ルオロエタン(HFC125)からなる混合ハイドロフ
    ルオロカーボンを含有する冷凍機作動流体用組成物。
  2. 【請求項2】 3−メチルヘキサン酸/5−メチルヘキ
    サン酸の組成比率が5/95〜95/5重量比である請
    求項1記載の冷凍機作動流体用組成物。
  3. 【請求項3】 エステル中の全アシル基数に対する3−
    メチルヘキサン酸及び5−メチルヘキサン酸に由来する
    アシル基数の比が10〜70%である請求項1又は2記
    載の冷凍機作動流体用組成物。
  4. 【請求項4】 エステル中の全アシル基数に対する分岐
    鎖を持つアシル基数の比が80%以上であるエステルを
    基油とする請求項1〜3いずれか記載の冷凍機作動流体
    用組成物。
  5. 【請求項5】 エステル中の全アシル基数に対するカル
    ボニル基のα位に分岐鎖を持つアシル基数の比が30%
    以下であるエステルを基油とする請求項1〜4いずれか
    記載の冷凍機作動流体用組成物。
  6. 【請求項6】 エステル中の全アシル基数に対するカル
    ボニル基のα位に存在する分岐鎖の炭素数の合計が2以
    上であるアシル基数の比が20%以下であるエステルを
    基油とする請求項1〜5いずれか記載の冷凍機作動流体
    用組成物。
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