JP3205271B2 - 転写箔用フィルム - Google Patents

転写箔用フィルム

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JP3205271B2 JP27216396A JP27216396A JP3205271B2 JP 3205271 B2 JP3205271 B2 JP 3205271B2 JP 27216396 A JP27216396 A JP 27216396A JP 27216396 A JP27216396 A JP 27216396A JP 3205271 B2 JP3205271 B2 JP 3205271B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転写箔用フィルムに
関し、更に詳しくは射出成形等において成形と同時に転
写印刷するインモールド成形転写用の転写箔(インモー
ルド成形転写箔)の支持フィルムとして有用なポリエス
テルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インモールド成形転写箔として、
ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル
フィルムをベースフィルムとし、このベースフィルムの
表面に離型層(メジューム層)を設け、更にその上に印
刷層を塗工した積層フィルムが用いられている。
【0003】このインモールド成形転写箔は、成形転写
の後に離型層面と印刷層面との間で剥がされ、分離され
る。即ち、成形転写の後に印刷層は成形品の表面に接着
して製品として取出され、離型層はベースフィルムに積
層した状態で成形後取り除かれる。
【0004】しかし、従来のインモールド成形転写箔
は、離型層とベースフィルムとの接着力が不十分であっ
たり、離型層面と印刷層面との離型性が不十分であった
りすることが多く、成形転写後の前記剥離処理で離型層
面とベースフィルム面との間で剥離が生じて、離型層が
印刷層と共に成形品の表面に残って取出されてしまうこ
とが頻発する。このような欠点は、インモールド成形転
写において、積層フィルムが変形される際の歪みにより
離型層とベースフィルムとが剥れることを要因としてい
ることが多い。
【0005】この点を改良するには、ベースフィルムと
離型層の間にポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ア
クリル樹脂等からなる接着層を設けてベースフィルムと
離型層との接着性を改良する方法が有効である。しか
し、この接着層を構成する樹脂は通常、接着特性の点か
ら分子設計されていて、耐溶剤性の低いものである。こ
のため、離型層を塗工する際溶剤によって溶けたり、軟
らかくなった接着層が離型層塗工具にて部分的に剥ぎ取
られ、離型層とベースフィルムとの接着強度が低下する
という新たな問題が生じる。また、接着層を積層したフ
ィルムはフィルム同士が粘着し易く(耐ブロッキング性
が悪く)、このフィルムに離型層を更に積層する際のハ
ンドリング性に支障をきたす欠点もある。
【0006】また、インモールド成形転写箔は、成形/
転写印刷の工程中で平面の状態から成形物と同じ形状に
まで立体的に変形される。その際、ベースフィルムの成
形性が低いと、成形時に転写箔を十分変形、延伸するこ
とが出来ず、時には転写箔の破れなどが発生することも
あるため、成形物の外観形状を損ない、また印刷層が正
しく転写されない等のトラブルが発生する。
【0007】このようなトラブルを防ぐ方法として、フ
ィルムの分子配向や結晶化度を低下させてベースフィル
ムの成形性を向上させる方法、例えばフィルム製膜の際
に延伸温度、倍率、その他熱処理温度を最適化させる方
法が知られている。しかし、この方法において接着層を
製膜工程において形成させる場合、接着層を構成する樹
脂の種類によっては製膜の過程でベースフィルムと接着
層とが剥離してしまう等の問題が生じる。
【0008】また、近年は成形転写される印刷の絵柄
も、より繊細、複雑なものとなってきている。成形転写
前の印刷面状態は、通常印刷面の反対面(ベースフィル
ム面)を通して確認されるが、従来の成形転写箔のベー
スフィルムは光線透過率の低いものが多く、複雑な絵柄
や文字を確認することが難しい状況にある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
転写の際に離型層とベースフィルムの剥離がなく、成形
時の接着性にも優れ、フィルムの取扱性、成形性に優
れ、かつまた印刷時の視認性に優れた転写箔用フィルム
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に平
均粒径100〜20nmの微粒子として塗剤中に分散す
る、金属塩基を有するジカルボン酸成分を2〜8mol
%共重合した二次転移点が40〜85℃の共重合ポリエ
ステルを主たる固形成分とする塗剤を用いて、乾燥被膜
の厚みが0.05〜0.3μmである被膜層を塗設し、
かつ該フィルムのdF10/dSが0.10〜0.30K
g/mm2/伸度%であることを特徴とする転写箔用フ
ィルムによって達成される。
【0011】本発明においてベースフィルムを形成する
ポリエステルとは、芳香族二塩基酸またはそのエステル
形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導
体とから合成される、結晶性の線状飽和ポリエステルで
ある。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシ
レンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレート等が例示できる。こ
れらは共重合体またはこれらと小割合の他樹脂とのブレ
ンド物などを包含する。これらの中、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカル
ボキシレートが特に好ましい。
【0012】そして、これらポリエステルは必要に応じ
て有機や無機の微粒子を含有することができる。かかる
微粒子としては、通常ポリエステルフィルムに添加され
るものが使用され、例えば酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等のような
無機フィラー、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン
樹脂、架橋アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の
ような耐熱性樹脂からなる有機フィラー等を挙げること
ができる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン・プロピレンターポリマー、オレフィン系アイオノ
マーのような他の樹脂、着色剤、帯電防止剤、触媒、安
定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等を必要
に応じて含有することもできる。
【0013】本発明においてポリエステルフィルムは、
転写箔用フィルムとして使用される厚さを有していれば
良く、好ましくは10〜150μm、特に好ましくは2
0〜100μmである。
【0014】本発明においてポリエステルフイルムは、
dF10/dSが0.10〜0.30Kg/mm2/伸度
%であり、特に0.15〜0.25Kg/mm2/伸度
%であることが好ましい。ここで、dF10/dSとはフ
ィルムの荷伸曲線において10%伸長時の曲線の勾配の
ことである。このdF10/dSが0.30Kg/mm2
/伸度%を超えると、成形時の応力が高くなり、破れな
どのトラブルの原因となることがある。他方0.10K
g/mm2/伸度%未満ではフィルムの表面性や耐熱
性、寸法安定性が悪化するため好ましくない。
【0015】かかるポリエステルフィルムの製造では、
非晶未延伸フイルムを温度60〜130℃、好ましくは
90〜125℃で縦方向に2.0〜4.0倍、好ましく
は2.5〜3.5倍延伸し、ついで横方向に温度60〜
130℃、好ましくは90〜125℃で2.0〜4.0
倍、好ましくは3.0〜4.0倍延伸するのが好まし
い。なお、二軸延伸後の面積倍率は13以下であること
が好ましい。また、一方向の延伸は2段以上の多段で行
なう方法を用いることもできるが、二軸方向に延伸した
後中間熱処理をしてから、再度一段目と同じ方向及び
/または二段目と同じ方向に延伸しても良い。これらの
場合、最終的な延伸倍率は前記した範囲内にあることが
好ましい。
【0016】延伸後の熱固定処理は最終延伸温度より高
く融点以下の温度内で1〜30秒の時間内行なうのが好
ましい。例えばポリエチレンテレフタレートフィルムで
は150〜250℃の温度、2〜30秒の時間から選択
して熱固定するのが好ましい。その際、20%以内の制
限収縮もしくは伸長、または定長下で行ない、また2段
以上で行なってもよい。
【0017】本発明においては、ポリエステルフィルム
の少なくとも片面に平均粒径100〜20nmの微粒子
として塗剤中に分散する、金属塩基を有するジカルボン
酸成分を2〜8mol%共重合した二次転移点が40〜
85℃の共重合ポリエステルを主たる固形成分とする塗
剤を用いて、乾燥被膜の厚みが0.05〜0.3μmで
ある被膜層を塗設させている。
【0018】上記共重合ポリエステルは、塗剤、特に水
性塗剤中で平均粒径が100〜20nm、好ましく80
〜20nmの微粒子を形成する特性を有する。この微粒
子状共重合ポリエステルは塗付、乾燥処理で被膜を形成
して微粒子の形態をとることはないが、この平均粒径が
100nmを超えると粒子形状の影響が残り、塗膜表面
に凹凸が形成され、或はその頻度が大きく光線透過率が
低下するため、ベースフィルムを透かしての印刷面の観
察が困難となるため望ましくない。他方20nm未満で
は耐ブロッキング性が不足し易いため望ましくない。
【0019】この共重合ポリエステルは、さらに、二次
転移点(Tg)が40〜85℃、好ましくは45〜80
℃の特性を有する。共重合ポリエステルのTgが40℃
未満の場合得られるフィルムは耐熱性、耐ブロッキング
性が劣り、他方85℃を超えると接着性が劣り、望まし
くない。
【0020】さらに、この共重合ポリエステルはジカル
ボン酸成分とポリオール成分からなり、金属塩基を有す
るジカルボン酸成分を2〜8mol%共重合成分として
含む線状ポリエステルである。この金属塩基を有するジ
カルボン酸成分の共重合割合が2mol%未満の場合、
被膜層の溶剤親和力が高くなり過ぎるため耐溶剤性が低
くなるので不利であり、他方8mol%を超えると耐ブ
ロッキング性が劣るので望ましくない。また、この共重
合成分の割合が4〜8mol%であると、共重合ポリエ
ステルが水に分散性の良好な水性ポリエステルとなり、
かつ耐ブロッキング性が更に良好となるため好ましい。
【0021】前記金属塩基を有するジカルボン酸は、酸
化合物中にSO3M基やCOOM基(MはNa、K、L
i、NH4等)等の官能基を有するものであり、具体例
としては5−Naスルホイソフタル酸、5−アンモニウ
ムスルホイソフタル酸、4−Naスルホイソフタル酸、
4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸、2−Na
スルホイソフタル酸、5−Kスルホイソフタル酸、4−
Kスルホイソフタル酸、2−Kスルホイソフタル酸、N
aスルホコハク酸等のスルホン酸アルカリ金属塩系また
はスルホン酸アミン塩系化合物等や、無水トリメリット
酸、トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ピロメリッ
ト酸、トリメシン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、
ジメチロールプロピオン酸等、あるいはこれらのモノア
ルカリ金属塩等を挙げることができる。なお、遊離カル
ボキシル基は共重合後にアルカリ金属化合物やアミン化
合物を作用させてカルボン酸塩基とする。これらの中、
スルホン酸の金属塩基を有するものが好ましく、さらに
スルホン酸のアルカリ金属塩基を有するものが好まし
い。
【0022】本発明において前記共重合ポリエステルを
形成する、金属塩基を有するジカルボン酸成分以外のジ
カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、2,6ーナフタレンジカルボン酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、フェニルインダンジカルボン酸、ダイマー酸等を
例示することができる。これら成分は2種以上を用いる
ことができる。更に、これら成分とともにマレイン酸、
フマール酸、イタコン酸等の如き不飽和多塩基酸やp−
ヒドロキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)
安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸を少割合用いる
ことができる。不飽和多塩基酸成分やヒドロキシカルボ
ン酸成分の割合は高々10モル%、好ましくは5モル%以
下である。
【0023】また、共重合ポリエステルを形成するポリ
オール成分としては、エチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシ
リレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキ
シ)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコ
ール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物
等を例示することができる。これらは2種以上を用いる
ことが好ましい。かかるポリオール成分の中でもエチレ
ングリコール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイ
ド付加物、1,4−ブタンジオールが好ましい。
【0024】また共重合ポリエステル樹脂として、変性
ポリエステル共重合体、例えば前記ポリエステル共重合
体をアクリル、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、
フェノール樹脂等で変性したブロック重合体、あるいは
グラフト重合体を用いることもできる。
【0025】これら共重合ポリエステルは、被膜層を形
成させるために水分散液あるいは乳化液の形態で使用す
るのが好ましい。塗膜層を形成するために、前記共重合
ポリエステル以外に他の樹脂、着色剤、帯電防止剤、触
媒、安定剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等
を必要に応じて含有することもできる。
【0026】上記被膜層中には、下記式(1)、好まし
くは下記式(2)を満足するフィラー粒子が0.1〜2
0重量%、更には0.1〜12重量%含まれることが好
ましい。
【0027】
【数2】0.25<D/t<3 ・・・・・(1) 0.3 <D/t<2 ・・・・・(2)
【0028】ここで、Dは上記被膜層中に含まれるフィ
ラー粒子の平均粒子径(μm)、tは上記被膜層の厚み
(μm)である。
【0029】上記式(1)の値が0.25未満の場合は
耐ブロッキング性、特に湿熱時、露結時の耐ブロッキン
グ性が劣るようになり、他方上記式(1)の値が3を超
える場合は後の工程での粒子脱落によるメジューム層、
印刷層の欠点のトラブルが生じるようになるので、望ま
しくない。また、フィラー粒子の添加量が20重量%を
超える場合は、被膜層の強度が低下し、後の工程で塗膜
削れ等のトラブルを生じるようになり、望ましくない。
【0030】フィラー粒子の種類としては、例えば酸化
珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カル
シウム、カオリン、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、硫
酸バリウム等のような無機フィラーや、架橋シりコーン
樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂等のような耐熱性樹脂からなる有機
フィラーを挙げることができる。これらの中、酸化珪
素、酸化アルミニウム、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架
橋アクリル樹脂粒子が特に好ましい。
【0031】本発明においては被膜形成塗剤をポリエス
テルフィルムの少なくとも片面に塗布するが、塗布時の
フィルムとしては結晶配向が完了する前のポリエステル
フィルムが好ましい。この場合、塗布後はフィルムに結
晶配向を完了させる延伸処理、更には熱固定処理を施
す。
【0032】この結晶配向が完了する前のポリエステル
フィルムとしては、ポリエステルを熱溶融してそのまま
フィルム状となした未延伸フィルム、未延伸フィルムを
縦方向または横方向の何れか一方に延伸せしめた一軸延
伸フィルム、縦方向及び横方向の二方向に低倍率で延伸
せしめたもの(最終的に縦方向または横方向に再延伸せ
しめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィル
ム)等を例示することができる。
【0033】ポリエステルフィルムへの塗剤の塗布方法
としては、任意の塗工法が適用できる。例えばロールコ
ート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート
法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレー
コート法、エアーナイフコート法、含浸法及びカーテン
コート法等を単独または組合せて適用すると良い。
【0034】本発明における塗剤は水性塗剤であること
が好ましいが、有機溶剤を溶媒とすることも可能であ
る。水性塗剤には、塗剤の安定性または塗剤の塗工性を
助ける目的で若干量の有機溶剤を含ませてもよい。有機
溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エ
チル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサ
ノン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、メタノー
ル、エタノール、n−プロパンノール、イソプロパノー
ル等等を例示することができる。これらは単独で、もし
くは2種以上を組合せて用いることができる。
【0035】本発明における塗剤、特に水性液には、本
発明の目的を損なわない範囲において、芳香族ポリエス
テルフィルムへの濡れ性を向上させるために他の界面活
性剤を組合せることもできる。該塗剤の表面張力を50dy
ne/cm以下、好ましくは40dyne/cm以下にすることが好ま
しい。本発明における塗剤の固形分濃度は、通常0.5〜3
0重量%であることが好ましい。
【0036】更に本発明の目的を損なわない範囲におい
て、紫外線吸収剤、顔料、潤滑剤、ブロッキング防止
剤、メラミン、エポキシ、アジリジン等の架橋剤や帯電
防止剤等の他の添加剤を混合することができる。
【0037】塗布量は走行しているフィルム1m2当た
り3〜50g、さらには5〜40gが好ましい。最終乾燥塗膜
(被膜)の厚さとしては、0.05〜0.3μmが必要
であり、好ましくは0.07〜0.2μmである。塗膜
の厚さが0.05μm未満であると、接着性が不十分と
なり、他方0.3μmを超えるとブロッキングを起こし
易くなるので好ましくない。
【0038】塗布はフィルムの用途に応じて片面のみに
行うことも両面に行うこともできる。塗布後、乾燥する
ことにより、均一な塗膜となる。
【0039】本発明においては、ポリエステルフィルム
に塗剤を塗布した後、乾燥、好ましくは延伸処理を行な
うが、この乾燥は90〜130℃で2〜20秒間行なう
のが好ましい。この乾燥は延伸処理の予熱処理ないし延
伸時の加熱処理を兼ねることができる。
【0040】かくして得られた塗布処理フィルムは、通
常メラミン樹脂等の溶液を塗布乾燥して作られるインモ
ールド成形転写箔の離型層(メジューム層)と良好に接
着し、実用性の高いものとなる。
【0041】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。なお、例中の特性は、次の方法で求めた。
【0042】1.粒子径(D、単位:μm) 粒子の200ppm水性液をサンプルとし、微粒子アナ
ライザー Nicomp Model 270(Pac
ific Scientific社製)を用いて光散乱
法により求められる全粒子の等価球形直径の内、全体の
50重量%の点にある粒子のものを平均粒子径とする。
【0043】2.dF10/dS(単位:Kg/mm2/
伸度%) フィルムを、幅10mm、長さ150mmにサンプリン
グし、周知の引張試験機にてチャック間100mm、速
度100mm/minで引張る。得られた応力−伸度曲
線の10%伸度に対応する位置での接線勾配を求める。
【0044】3.フィルムの実用特性 a)接着力評価 フィルムの塗布面の上にメラミン樹脂のメチルエチルケ
トン/トルエン溶液を塗布し1μm厚さの離型層の膜を
形成させ、ホットプレス法により積層体として空型に乗
せて成形したときの離型層の状況を観察する。 A:変化無し B:一部分が剥離 C:全体的に剥離 ・・・・Aまでが実用性能を満足する。
【0045】b)耐溶剤性評価 フィルムの塗布面に、メチルエチルケトン/トルエン混
合液に浸漬したガーゼを重ね、0.2Kgの荷重を掛け
ながら擦過し、塗布面の状況を観察する。 A:変化無し B:一部分が欠落 C:全体的に欠落 ・・・・Aまでが実用性能を満足する。
【0046】c)耐ブロッキング性評価 フィルムを重ね合せて0.3Kg/mm2の張力を掛け
ながら金属製コアに巻付けたものを水中に浸漬し、取出
した後に50℃で17時間経時させる。コアからはずし
たフィルムについて引張試験機を用いT型ピール試験を
行ない、剥離力を測定する。 A:コアからはずした際に自然剥離する B:剥離力が5g/cm巾未満 C:剥離力が5g/cm巾以上 D:完全にブロッキングし、剥離時にフィルムが破断す
る ・・・・A〜Bまでが実用性能を満足し、特にAが好ま
しい。
【0047】d)成形性評価 フィルムの塗布面の上に、a)と同様に離型層の膜を形
成させ、型に乗せて成形したときのベースフィルムの状
況を観察する。 A:フィルム破断、クラック発生等なく、均等な厚さで
成形される B:破断はしないが、局所的にフィルムが極めて薄い部
分が存在する C:フィルムが破断する ・・・・A〜Bまでが実用性能を満足し、特にAが好ま
しい。
【0048】e)光線透過率(透明性) 村上色彩技術研究所製 HR−100型ヘーズメーカー
により、ASTM・D1003に準じて測定する。 A:87%以上 B:87%未満〜85%以上 C:85%未満 ・・・・A〜Bまでが実用性能を満足し、特にAが好ま
しい。
【0049】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
(固有粘度0.64)を20℃に維持した回転冷却ドラ
ム上に溶融押出して未延伸フィルムとし、次いで該未延
伸フィルムを機械軸方向に3.4倍延伸し、その後テレ
フタル酸、イソフタル酸、5−Naスルホイソフタル
酸、エチレングリコール及びビスフェノールAのプロピ
レンオキサイド付加物からつくられた固有粘度0.53
の共重合ポリエステル(Tg=79℃)を用いた固形分
濃度10%、平均粒径65nmの水分散液A 80重量
%、シリカ粒子(平均粒子径90nm)の水分散体(濃
度10重量%)10重量%及び界面活性剤であるポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテルの水溶液(濃度1
0重量%)10重量%からなるプライマー塗液をキスコ
ート法にてフィルム片面に塗布した。引き続き乾燥しつ
つ横方向に3.5倍延伸し、更に215℃で熱固定して
厚さ0.20μmの塗膜を有する二軸延伸ポリエステル
フィルム(厚さ35μm)を得た。
【0050】このフィルムの特性を表2及び表3に示
す。表3より明らかなように実施例1のフィルムは全て
の要求特性を満足するものであった。
【0051】[実施例2および比較例1〜2]水分散液
Aの替わりに表1に示す水分散液B〜Dを用いた以外は
実施例1と同様にして厚さ0.20μmの塗膜を有する
二軸延伸ポリエステルフィルム(厚さ35μm)を得
た。これらフィルムの特性を表2及び表3に示す。表3
より明らかなように実施例2のフィルムは全ての要求特
性を満足するものであった。一方、本発明での二次転移
点の要件を満たしていない比較例1〜2のフィルムは表
3より明らかなように耐ブロッキング性、光線透過率を
満足しないものであった。
【0052】[実施例3および比較例3〜4]塗膜の厚
みを表2に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様
にして二軸延伸ポリエステルフィルム(厚さ35μm)
を得た。これらフィルムの特性を表2及び表3に示す。
表3より明らかなように実施例3のフィルムは全ての要
求特性を満足するものであった。一方、本発明での塗膜
厚みの要件を満たしていない比較例3〜4のフィルムは
表3より明らかなように接着性、耐ブロッキング性を満
足しないものであった。
【0053】[実施例4〜5]添加したシリカ粒子の粒
子径を表2に示すとおりの変更する以外は実施例1と同
様にして厚さ0.20μmの塗膜を有する二軸延伸ポリ
エステルフィルム(厚さ35μm)を得た。これらフィ
ルムの特性を表2及び表3に示す。表3より明らかなよ
うに実施例4〜5のフィルムは全ての要求特性を満足す
るものであった。
【0054】[実施例6および比較例5]水分散液Aの
替わりに表1に示す平均粒径を有する水分散液E〜Fを
用いた以外は実施例1と同様にして厚さ0.20μmの
塗膜を有する二軸延伸ポリエステルフィルム(厚さ35
μm)を得た。これらフィルムの特性を表2及び表3に
示す。表3より明らかなように実施例6のフィルムは全
ての要求特性を満足するものであった。一方、本発明で
の平均粒径の要件を満たしていない比較例5のフィルム
は表3より明らかなように光線透過率を満足しないもの
であった。
【0055】[比較例6]比較例6は縦方向及び横方向
の延伸倍率を4.1倍及び4.4倍とした以外は実施例
1と同様にして厚さ0.20μmの塗膜を有する二軸延
伸ポリエステルフィルム(厚さ35μm)を得た。これ
らフィルムの特性を表2及び表3に示す。本発明のフィ
ルムの要件を満たしていない比較例6のフィルムは表3
より明らかなように成形性を満足しないものであった。
【0056】[比較例7]実施例1において、プライマ
ーコーティングをせずに得た二軸配向ポリエステルフィ
ルム(厚さ35μm)の特性を表2及び表3に示す。表
3より明らかなように塗膜を塗設していないため接着性
に劣るものであった。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】本発明による転写箔用フィルムは、被膜
層の上に離型層を設け、更にその上に印刷層を塗工した
際に、該フィルムの透明性が高いために印刷面の観察が
容易にでき、さらに積層フィルムとしてインモールド成
形転写に用いた場合、被膜層と離型層との接着性が高
く、成形の際に被膜層と離型層との界面が剥離すること
がないので印刷層を製品側に均一に転写することができ
る。また、本発明の転写箔用フィルムは、成形性に優れ
るので成形の際にフィルムの破れなどによる成形不良や
転写不良等のトラブルを防ぐことができる。さらに、本
発明の転写箔用フィルムの被膜層は耐ブロッキング性、
耐溶剤性に優れるので、転写箔用フィルムの上に離型層
を塗工する際の作業性に優れ、また離型層を塗工する際
に溶剤系の塗液を用いた場合でも、溶剤により離型層と
ベースフィルムとの接着強度が低下することがない。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 45/14 - 45/16 C08J 7/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に平均粒径100〜20nmの微粒子として塗剤中に分
    散する、金属塩基を有するジカルボン酸成分を2〜8m
    ol%共重合した二次転移点が40〜85℃の共重合ポ
    リエステルを主たる固形成分とする塗剤を用いて、乾燥
    被膜の厚みが0.05〜0.3μmの被膜層を塗設し、
    かつ該フィルムのdF10/dSが0.10〜0.30K
    g/mm2/伸度%であることを特徴とする転写箔用フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 被膜層が下記式(1)を満足するフィラ
    ー粒子を0.1〜20重量%含有する請求項1記載の転
    写箔用フィルム。 【数1】0.25<D/t<3 ・・・・・(1) [式中、Dは被膜層に含まれるフィラー粒子の平均粒径
    (μm)、tは被膜層の厚み(μm)である。]
  3. 【請求項3】 共重合ポリエステルを構成するジカルボ
    ン酸成分の金属塩基がスルホン酸アルカリ金属塩基であ
    る請求項1記載の転写箔用フィルム。
  4. 【請求項4】 フィルムの光線透過率が85%以上であ
    る請求項1記載の転写箔用フィルム。
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