JP3184374B2 - タイヤ−リム組立体 - Google Patents

タイヤ−リム組立体

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JP3184374B2 JP22728593A JP22728593A JP3184374B2 JP 3184374 B2 JP3184374 B2 JP 3184374B2 JP 22728593 A JP22728593 A JP 22728593A JP 22728593 A JP22728593 A JP 22728593A JP 3184374 B2 JP3184374 B2 JP 3184374B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ハイドロプレーニン
グ現象の発生を抑制する目的の下で、トレッド部中央区
域に広幅の環状溝を設けた空気入りラジアルタイヤとリ
ムとの組立体に関するものであり、とくには、小舵角時
におけるコーナリングパワーの増加をもたらすものであ
る。
【0002】
【従来の技術】すぐれたウエット排水性を確保してハイ
ドロプレーニング現象の発生を抑制する従来技術として
は、トレッド踏面部に複数本の直線状周方向溝を設ける
ことが最も一般的である。しかしながら、このことによ
れば、十分大きな溝ボリュームを確保してすぐれたウエ
ット性能をもたらすために、ネガティブ率を大きくする
ことが必須となって、陸部剛性が自ずと小さくなるた
め、ウエット性能と、ドライ路面での操縦安定性とを高
い次元で両立させることが甚だ困難である。
【0003】そこで、近年においては、たとえば特開昭
61−60304号公報、特開平4−243601〜3
号公報などに開示されているように、トレッド部中央区
域に、幅も深さもともに大きい周方向溝を形成すること
によって、トレッド接地面積のそれほどの減少なしに、
大きな溝ボリュームを確保することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この後
者の従来技術にあっては、一般的には接地圧が最も高く
なるはずのトレッド部中央区域に陸部が存在しないこと
に起因して、とくに小舵角時におけるコーナリングパワ
ーが不足し勝ちであった。そこでこの発明は、トレッド
部中央区域に、幅も深さもともに大きい周方向溝を形成
することによって、トレッド接地面積のそれほどの減少
なしに大きな溝ボリュームを確保してなお、タイヤビー
ド部の改良の下で、タイヤ車輪のユニフォミティを高
め、この結果として、小舵角時におけるコーナリングパ
ワーの不足分を十分に補うことができるタイヤ−リム組
立体を提供する。
【0005】すなわち、この発明は、タイヤビード部を
改良することによって、タイヤ−リム組立体として満足
な車輪ユニフォミティを実現して、ラジアルランナウト
(以下「RRO」と略す)を小さくするとともに、ラジ
アルフォースバリエーション(以下「RFV」と略す)
を有効に抑制することにより、タイヤ車輪の転動時にお
ける、接地面形状、接地面積、幅方向接地面位置など
の、車輪周方向での変動を十分小ならしめて、そのタイ
ヤ車輪が発生する力を、周方向のどの位置にても均等化
させ、これによって、コーナリングパワーを有効に向上
させるものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のタイヤ−リム
組立体は、トレッド部に連なる一対のサイドウオール部
を設けるとともに、各サイドウオール部の半径方向内端
に連続するビード部を設け、そして、少なくとも一枚の
カーカスプライからなるラジアルカーカスおよび、少な
くとも二層のベルト層からなるベルトのそれぞれを埋設
し、また、トレッド部中央区域に、トレッド接地幅の1
0〜40%の幅の環状溝を形成してなる空気入りラジア
ルタイヤとリムとの組立体であって、規格リムの傾斜ビ
ードシートに緊密に嵌合される前記ビード部に、その規
格リムの幅方向の最外側に位置する湾曲フランジとそれ
に対向するビード部外面との接触に先だって、傾斜ビー
ドシートの幅方向外側に隣接する隅丸凹部にその全周に
わたって密着する膨出ヒールを設け、この膨出ヒールの
膨出量を2mm以上とするとともに、その膨出ヒールのゴ
ム硬度を、JIS硬度で65度以上としたものである。
ここで好ましくは、空気入りラジアルタイヤの前記環状
溝と対応する部分で、ラジアルカーカス、ベルトおよび
トレッド部のそれぞれに括れ部を形成する。
【0007】なおここで、規格リムとは、二つ割りリ
ム、5°深底リム、15°深底リム、広幅深底リム等
の、JATMAやTRA等で規格が定められたリムをい
うものとし、この規格リムは、傾斜ビードシートと、こ
の傾斜ビードシートの幅方向の外側に順次に連なる隅丸
凹部および、外向きに反曲する湾曲フランジとを具え、
場合によっては、湾曲フランジと隅丸凹部との間に張出
しフランジを具えることもある。またここで、膨出ヒー
ルの膨出量とは、ビード基点を通る、タイヤ中心軸線へ
の垂線を基準として測定したときの膨出ヒールの側方迫
出量をいうものとする。
【0008】
【作用】この発明に係るタイヤ−リム組立体のタイヤ
は、トレッド部中央区域に、トレッド接地幅の10〜4
0%の幅を有するとともに、所要の溝ボリュームを確保
するに足る深さを有する環状溝を設けることによって、
ハイドロプレーニング現象の発生を有効に抑制し得るウ
エット性能をもたらすことができるとともに、トレッド
接地面積の大幅な減少、トレッド陸部の剛性低下などを
十分に回避して、すぐれた操縦安定性をもたらすことも
できる。
【0009】ところでこの一方において、前述した環状
溝の存在の故に、トレッド部中央区域が、接地圧の負担
に寄与し得ないことに起因する、小舵角時におけるコー
ナリングパワーの低下は、タイヤビード部の改良に基づ
く、タイヤ−リム組立体の、タイヤ中心軸線とリム中心
軸線との常に適正なる整合を実現することによって完全
に補うことができる。
【0010】すなわち、このタイヤ−リム組立体によれ
ば、タイヤビード部に、タイヤのリム組みに当たって、
規格リムの湾曲フランジと、それに対向するビード部外
面との接触に先だって、リムの傾斜ビードシートに隣接
する隅丸凹部にその全周にわたって密着する膨出ヒール
を設けることにより、そのリム組みの進行に際し、はじ
めに、膨出ヒールが隅丸凹部に密着し、次いで、その膨
出ヒールの圧縮変形下で、ビード部外面が湾曲フランジ
に接触することになるので、ビード部外面と湾曲フラン
ジ等との接触状態を全周にわたって十分均一なものとし
て、タイヤの中心軸線を規格リムの中心軸線に高い精度
で整合させることができ、従って、RRO、すなわち、
タイヤ車輪の外周のれが小さくなり、また、タイヤ車
輪を一定のたわみの下で回転させたときの半径方向反力
の変動、すなわち、RFVが有効に抑制されて、車輪の
ユニフォミティが大きく向上されることになる。そし
て、車輪ユニフォミティのこのような向上は、転動時の
タイヤ車輪の接地状態を、前述したように、その全周に
わたって十分均一なものとして、タイヤ車輪が発生する
力を周方向のどの位置にてもほぼ一定のものとするの
で、タイヤ車輪全体としてみたときに、発生されるコー
ナリングパワーの、周方向位置による変動は極めて小さ
くなり、この結果として、前述したコーナリングパワー
の低下を十分に補うことができる。
【0011】なおここでは、膨出ヒールの膨出量を2mm
以上とすることによって、膨出ヒールによる隅丸凹部の
完全なる埋込みを担保することができるが、その膨出量
が大きくなりすぎると、ビード部外面の、湾曲フランジ
に対する動きが大きくなって、リム擦れが激しくなるお
それがあるので、4mmを限度とすることが好ましい。ま
た、膨出ヒールのゴム硬度は、JIS硬度で65度以上
とすることによって、膨出ヒールの、隅丸凹部への十分
強固な嵌込み固定をもたらし、また、その膨出ヒール
の、隅丸凹部に対する全周での均等接触を導くことがで
きるが、その硬度は、硬すぎると、膨出ヒールの、リム
との間での十分な圧縮変形量を確保することができず、
気密性に問題が生じるおそれがあるため、80度までと
することが好ましい。
【0012】ところで、このタイヤ−リム組立体におい
て、タイヤの環状溝と対応する部分で、ラジアルカーカ
ス、ベルトおよびトレッド部のそれぞれに括れ部を形成
した場合には、環状溝の幅および深さのそれぞれを、他
の構成部分にほとんど影響を与えることなしに所望に応
じて大ならしめることができる。しかもここでは、トレ
ッド部それ自体の括れにより、トレッド部がそれの完全
摩耗状態となって、周方向溝もしくは幅方向溝の溝深さ
が、少なくとも部分的に1.6mmとなるに至ってもな
お、環状溝の溝ボリュームを十分に確保することがで
き、従って、トレッド部の完全な摩耗後においてもすぐ
れたウエット性能を確保することができる。
【0013】加えて、このことによれば、ラジアルカー
カス、ベルトおよびトレッド部をほぼ円筒形状とし、そ
こに所要の溝ボリュームを有する環状溝を形成する場合
に比して、トレッド部の体積を少ならしめて、タイヤ−
トレッド組立体重量の低減および、トレッド部剛性の増
加を図ることができる。
【0014】
【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、この発明の実施例を、タイヤ−リム組
立体の空気入りラジアルタイヤについて示す幅方向断面
図であり、図中1はトレッド部を、2は、このトレッド
部1のそれぞれの側部に連続する左右一対のサイドウオ
ール部を、そして3は、各サイドウオール部2の半径方
向内端に連続するビード部をそれぞれ示す。
【0015】この例では、タイヤ周方向に対して実質的
に90°の角度で延びる、たとえばポリエステルコード
からなる一枚のカーカスプライでラジアルカーカス4を
形成して、このラジアルカーカス4のそれぞれの側端部
分を、ビード部3に埋設したビードコア5の周りで内側
から外側に向けて巻き上げ、また、ラジアルカーカス4
の外周側に、タイヤ周方向に対して比較的小さい角度で
延在するスチールコードよりなり、層間でコードが相互
に交差する二層のベルト層6a,6bにて構成したベル
ト6を配設し、そして、そのベルト6のさらに外周側
に、実質的にタイヤ周方向に延びる有機繊維コードから
なり、ベルト6をその全幅にわたって覆う一枚のベルト
補強層7を配設する。
【0016】またここでは、トレッド部1の中央区域と
対応する部分で、ラジアルカーカス4、ベルト6、ベル
ト補強層7およびトレッド部1のそれぞれに、半径方向
内方に窪む環状の括れ部8を設け、そして、この括れ部
8と対応する位置に、トレッド接地幅Wの10〜40%
の幅を有し、かつ、所要の溝ボリュームを確保するに必
要な深さHを有する環状溝9を形成する。なお、このト
レッド部1には、所要に応じて、環状溝9の他に、周方
向溝10および図示しない幅方向溝を形成することもで
きる。
【0017】ところで、このタイヤ−リム組立体では、
ビード部3のビードヒール部に、タイヤのリム組みに当
たって、規格リムの湾曲フランジと、それに対向するビ
ード部外面との接触に先だって、傾斜ビードシートの幅
方向外側に隣接する隅丸凹部にその全周にわたって密着
する膨出ヒール11を設ける。図2は、このことを、膨
出ヒール11を設けたビード部3、ひいては、タイヤ
の、規格リムへの組付け要領との関連で示す要部断面図
であり、図中12は規格リム、13はそれの傾斜ビード
シート、14は、傾斜ビードシート13の幅方向外側に
隣接して位置する隅丸凹部をそれぞれ示し、また、15
は、隅丸凹部14から半径方向外方へ張出す張出しフラ
ンジを、16は、その張出しフランジ15の、幅方向お
よび半径方向のそれぞれの外方に連続して外向きに反曲
する湾曲フランジをそれぞれ示す。なお、張出しフラン
ジ15は、規格リム12の種類によっては省かれること
もある。
【0018】ここにおいて膨出ヒール11とは、規格リ
ム12の、図示のような幅方向断面内で、傾斜ビードシ
ート13を隅丸凹部側へ延長した仮想の直線lと、隅丸
凹部14に連なる張出しフランジ15もしくは湾曲フラ
ンジ16に接して規格リム12の中心軸線と直交する、
これも仮想の直線mとの交点Pに対応し、タイヤ設計上
予定されるビード基点Qを通り、そこからタイヤ中心軸
線に下した垂線nよりも突出したビードヒールをいうも
のとし、それの膨出量dは、垂線nからの迫出代をもっ
て定め、ここではそれを2mm以上とする。
【0019】しかもここでは、かかる膨出ヒール11の
ゴム硬度をJIS硬度で65度以上とし、加えて、ビー
ド部3の傾斜ビードシート13に沿う幅方向内端部分に
位置するビードトウのトウ先ゴム17、図では、傾斜ビ
ードシート13に沿う部分を隅丸凹部側へ幾分長く延在
させた鈎形状のトウ先ゴム17の、破断時の伸びを42
0±50%とし、300%モジュラスを200±20kg
f/cm2 として、そのトウ先ゴム17に、硬さと靭性とを
付与する。
【0020】ところで、タイヤビード部3には通常、前
述した直線1と直線mとの交点Pから、規格リム12の
中心軸線までの距離を半径とする円の直径で定義される
リム径Dに対して適切な締め代が付与されており、かか
るビード部3を有するタイヤの、規格リム上への配設
は、それぞれのビード部3につき、規格リム12の湾曲
フランジ16の外周で、それを部分的に逐次に乗越えさ
せて、両ビード部3を規格リム12のドロップ又はウェ
ル内に一旦落とし込むことによって行なわれ、その後に
続く、タイヤのリム12への組付けは、そのタイヤ内
へ、規格内圧に達するまで空気を充填して、ビード部3
を、図2に矢印で示すように、傾斜ビードシート13に
沿って、その外面が湾曲フランジ16に接触するまで外
側方向へ押し進めることにより行われる。
【0021】このようなリム組みの進行状況を、図3に
示す、膨出ヒールを有しない従来の空気入りタイヤにつ
いみるに、ビード部21は、それが傾斜ビートシート上
を外側へ移動するにつれて、それに対する締め代が増加
して緊締嵌合の度合いを高められることになるが、その
移動の妨げとなるビード部21の摩擦抵抗は、その全周
にわたって必ずしも均等とはならないので、摩擦抵抗の
大きい部分では、ビードヒール22が隅丸凹部14に達
するより先に、ビード部21の外面が、リム12の湾曲
フランジ16に接触することになり、そこに始まる圧縮
変形に対する抵抗の作用下でビードヒール22が隅丸凹
部14に接近することになる。しかしながら、この場合
には、ビードヒール22と隅丸凹部14との間にしばし
ば生じる隙間23の発生位置および体積が規格リム12
の周上で不均等となることが多く、このような状態が一
旦発生すると、その隙間内に封じ込められた空気が、ビ
ード部21の、傾斜ビードシート13に沿うそれ以上の
移動を、それの圧力増加によって拘束するので、リム組
み作業がそのまま打切られ勝ちであり、それ故に、空気
入りタイヤそれ自体は十分なユニフォミティをもって加
硫成形されているにも拘わらず、タイヤ車輪としてのR
ROが大きくなり、この結果としてRFVが大きくなっ
ていた。
【0022】これに対し、タイヤに膨出ヒール11を設
けたこのタイヤ−リム組立体によれば、上述したような
リム組みの進行に当たり、はじめに、膨出ヒール11が
規格リム12の隅丸凹部14に、図2に示すように密着
し、次いで、その膨出ヒール11の圧縮変形下でビード
部外面が湾曲フランジ16に接触し、そこに適度な圧迫
が加わった状態でリム組み作業が終了されることになる
ので、ビード部外面と規格リム12との間に、前述した
ような隙間が発生することがなく、タイヤの中心軸線が
規格リム12の中心軸線に容易に、かつ高い精度で整合
することになり、従って、タイヤ車輪としてのRROが
低減され、RFVが十分に抑制されることになる。
【0023】かくして、このタイヤ−リム組立体では、
とくにはそのビード部構造によれば、車輪ユニフォミテ
ィのこのような向上に基づき、前述したように、タイヤ
車輪が発生する力を、周方向のどの位置にてもほぼ均等
ならしめて、コーナリングパワーの実質的な増加をもた
らすことができる。
【0024】またこの組立体では、膨出ヒール11の膨
出量dを、通常の乗用車用タイヤにおいては2〜4mmと
することが、ビード部外面のリム擦れを阻止しつつ車輪
ユニフォミティを向上させる上で好ましく、また、その
膨出ヒール11のゴム硬度は、JIS硬度で65〜80
度とすることが膨出ヒールと隅丸凹部との間での気密性
を十分に確保しつつ、車輪ユニフォミティを向上させる
上で好適である。
【0025】加えて、ここでは、トウ先ゴム17の破断
時の伸びを420±50%とし、300%モジュラスを
200±20kgf/cm2 とすることによって、ビード部の
倒れ込みを阻止して、操縦安定性の一層の向上をもたら
し、併せて、ビード部3のリム擦れを有効に防止する。
なおここで、破断時の伸びを370%未満としたとき
は、ビートトウにトウ欠けが生じるおそれが高くなる一
方、それを470%を越える値としたときは、ビード部
の倒れ込みを有効に阻止することができず、これらのこ
とは、300%モジュラスを、220kgf/cm2 を越える
値としたときおよび180kgf/cm2 未満としたときのそ
れぞれにおいてもまた同様である。
【0026】ところで、膨出ヒール11は、たとえば、
そこに輪状芯を埋設することによって補強することもで
き、スチールコード、有機繊維コードなどを用いた非伸
長性の無端バンドとすることができる輪状芯によって膨
出ヒール11を補強した場合には、膨出ヒール11の硬
度を適宜に高めて、よりすぐれた位置決め精度をもたら
すことができる。
【0027】従って、このタイヤ−リム組立体によれ
ば、とくには、トレッド部中央区域に形成した、トレッ
ド接地幅Wの10〜40%の幅を有する環状溝9によっ
て、ウエット性能およびドライ路面での操縦安定性の両
者を高い次元で両立させることができる一方、その環状
溝9が存在することによる、コーナリングパワーの不足
傾向を、タイヤ車輪としてのユニフォミティの向上によ
って十分に補うことができる。
【0028】〔比較例〕 以下に発明に係るタイヤ−リム組立体と、比較組立体と
の車輪ユニフォミティ、ウエット性能およびコーナリン
グパワーに関する比較試験について説明する。 ◎供試組立体 サイズが225/50R16の、タイヤを用い、これを
16×8JJの規格リムにリム組みし、充填内圧を2.
5kgf/cm2 とした。
【0029】○発明組立体1 図1で述べたところに加えて、図4(a)に示すよう
に、ベルト補強層のそれぞれの側端部分に重ねて側部補
強層をさらに配設したタイヤを用いた。なおここでは、
環状溝の幅をトレッド幅の25%とするとともに、その
深さを14mmとして、その環状溝を含む、全ての周方向
溝の、全周にわたるボリュームを1160cc、ネガティ
ブ率を30%、膨出ヒールの膨出量を2.5mm、そして
それのJIS硬度を70とした。 ○発明組立体2 ラジアルカーカス、ベルト、ベルト補強層およびトレッ
ド部のそれぞれを、図4(b)に示すようにほぼ円筒形
状に成型した状態の下で、トレッド部中央区域の環状溝
の深さを8.5mmとした点を除き、先のタイヤと同一の
構成を有するタイヤを用いた。なおここでは、環状溝の
幅をトレッド幅の25%とするとともに、その環状溝を含
む、全ての周方向溝の、全周にわたるボリュームを72
0cc、ネガティブ率30%とした。
【0030】○比較組立体1 図4(c)に示すように、図4(a)に示すタイヤから
膨出ヒールを省いた点を除いて、それと同一の構成を有
するタイヤを用いた。 ○比較組立体2 図4(d)に示すように、ラジアルカーカス、ベルト、
ベルト補強層およびトレッド部のそれぞれを、ほぼ円筒
形状に成型し、幅および深さがともに大きい環状溝に代
えて四本の直線状周方向溝を形成した従来の一般的なタ
イヤを用いた。ここで、ネガティブ率は35%、全ての
直線状周方向溝の溝ボリュームは500ccとした。
【0031】◎試験方法 車輪ユニフォミティは、RROおよびRFVのそれぞれ
を測定することによって求め、ウエット性能について
は、車重1.5tの後輪駆動車で、水深3mmのところを
走行して、ハイドロプレーニング現象の発生車速を検知
して指数評価し、そして、コーナリングパワーは、F/
Bマシーンで荷重450kgにて測定して求めた。
【0032】◎試験結果 上記試験の結果を表1に示す。なお、表中の指数値は大
きいほどすぐれた結果を示すものとする。
【表1】 表1によれば、発明に係るタイヤ−リム組立体では、十
分なウエット性能、なかでも耐ハイドロプレーニング性
能を確保してなお、小舵角時のコーナリングパワーを、
比較組立体1に対して大幅に増大させ、又、比較組立体
2に対しても、同等以上に発生させ得ることが明らかで
ある。
【0033】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、とくに
は、タイヤの環状溝の作用下で、ウエット性能と操縦安
定性とを高い次元で両立させることができ、また、その
環状溝の存在に起因する、小舵角時のコーナリングパワ
ーの低下を、ビード部の改良による、車輪ユニフォミテ
ィの向上に基づいて十二分に補うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を、タイヤ−リム組立体の
空気入りラジアルタイヤについて示す幅方向断面図であ
る。
【図2】 図1に示すタイヤのリム組み態様を示す要部
断面図である。
【図3】 従来タイヤのリム組み態様を示す図である。
【図4】 供試組立体のタイヤを示す幅方向略線断面図
である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 サイドウォール部 3 ビード部 4 ラジアルカーカス 5 ビードコア 6 ベルト 6a,6b ベルト層 7 ベルト補強層 8 括れ部 9 環状溝 10 周方向溝 11 膨出ヒール 12 規格リム 13 傾斜ビードシート 14 隅丸凹部 15 張出しフランジ 16 湾曲フランジ 17 トウ先ゴム P 交点 Q ビード基点 D リム径 d 膨出量

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド部と、このトレッド部に連なる
    一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部の半径
    方向内端に連続するビード部とを具えるとともに、少な
    くとも一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカス
    と、少なくとも二層のベルト層からなるベルトとを具
    、トレッド部中央区域に、トレッド接地幅の10〜4
    0%の幅を有する環状溝を設けてなる空気入りラジアル
    タイヤとリムとの組立体であって、 規格リムの傾斜ビードシートに緊密に嵌合される前記ビ
    ード部に、その規格リムの、幅方向の最外側に位置する
    湾曲フランジとそれに対向するビード部外面との接触に
    先だって、傾斜ビードシートの幅方向外側に隣接する隅
    丸凹部にその全周にわたって密着する膨出ヒールを設
    け、この膨出ヒールの膨出量を2mm以上とするととも
    に、その膨出ヒールのゴム硬度を、JIS硬度で65度
    以上としてなるタイヤ−リム組立体
  2. 【請求項2】 空気入りラジアルタイヤの前記環状溝と
    対応する部分で、ラジアルカーカス、ベルトおよびトレ
    ッド部のそれぞれに括れ部を形成してなる請求項1記載
    タイヤ−リム組立体
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