JP3173902B2 - 超音波リニアモータ及びその製造方法 - Google Patents

超音波リニアモータ及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層型圧電素子等の電気
−機械エネルギー変換素子を駆動源とする超音波リニア
モータ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁型モータに代わる新しいモー
タとして超音波モータが注目されている。この超音波モ
ータは、従来の電磁型モータに比べ、以下のような利点
を有している。 (1)ギアなしで低速高推力が得られる。 (2)保持力が大きい。 (3)ストロークが長く、高分解能である。 (4)静粛性に富んでいる。 (5)電磁的ノイズを発生せず、またノイズの影響も受
けない。 ここで、超音波モータは回転型とリニア型に分けられ、
リニア型の超音波モータとしては、例えば昭和63年電
子情報通信学会春期全国大会(2.21縦−屈曲多重モ
ード振動子利用平板状モータによる紙送りデバイスN
o.A−223(S63.3))において発表されたも
のが知られている。
【0003】かかるリニア型超音波モータにおける振動
子では、図13に示すように、ステンレス鋼板等からな
る弾性体101とシリコンラバー等の支持体102との
間に3枚の圧電セラミック103、104、105が接
着されている。ここで、圧電セラミック104は縦振動
モード(Longitudinal−mode:以下L
モードと記す)用、圧電セラミック103、105の2
枚は屈曲振動モード(Bending−mode:以下
Bモードと記す)用である。これらの両モードの共振周
波数が一致する形状に振動子を設計し、共振周波数の交
番電圧(交流)を各圧電セラミック103〜105に印
加する。そして、これらの交番電圧に適当な位相差を設
ければ、図14及び図15中の斜線部に示す部分に楕円
振動を励起することができる。そして、プレッシャーロ
ール106により被駆動体としての紙107を押圧すれ
ば、紙107を左右に搬送することができるものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来
の超音波リニアモータでは、圧電セラミック103〜1
05の圧電横効果を利用して振動を励起ししていたた
め、効率が低いという問題点があった。すなわち、一般
に圧電セラミックでは、圧電縦効果による電気−機械結
合係数が60〜70%であるのに対し、圧電横効果では
30〜40%とかなり低い値となる。ここで電気−機械
結合係数が低いことは、電気−機械変換効率が低いこと
を意味し、駆動入力電圧も数十Vrms〜100Vrm
s程度の高い電圧を要することになる。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、圧電素子の圧電縦効果を利用することにより、電気
−機械変換効率が高く、低電圧で駆動することのできる
超音波リニアモータ及びその製造方法を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に係る本発明の超音波リニアモータでは、電
気−機械エネルギー変換素子を駆動源とし、弾性体に縦
振動及び屈曲振動を発生させて、それらの振動を合成し
超音波楕円振動を起こす超音波振動子と、この超音波振
動子の一部に押圧されて、超音波振動子に対して相対的
に移動する被駆動部材とを具備する超音波リニアモータ
において、上記超音波振動子は、駆動源としての少なく
とも2つの積層型圧電素子と、弾性体としての基本弾性
体及び該基本弾性体に対して接合された保持用弾性体と
を備え、該各々の積層型圧電素子の両端部は前記保持用
弾性体に対しつき当てて接合保持されていることを特徴
としている。
【0007】そして、請求項2に係る本発明の超音波リ
ニアモータは、上記請求項1に加え、前記基本弾性体に
おける弾性波の節線と直交する面または弾性波の進行す
る方向を含む面に、該基本弾性体の縦振動と屈曲振動と
を独立に検出するための厚み方向に全面分極された振動
検出用圧電素子または厚み方向に対してその向きが交互
に分極された振動検出用圧電素子が接合されているもの
である。
【0008】また、請求項3に係る本発明の超音波リニ
アモータは、上記請求項1に加え、前記超音波振動子の
前記基本弾性体と前記被駆動部材との接触する部分の近
傍に、その厚み方向に全面分極され接触圧を検出する検
出用圧電素子が接合されていることを特徴とするもので
ある。
【0009】そして、請求項4は、請求項1乃至3記載
の超音波リニアモータの製造方法であって、前記積層型
圧電素子の前記保持用弾性体間に突き当てて保持し、前
記保持用弾性体の両側面から機械的な圧力をかけつつ前
記保持用弾性体を固定することで超音波リニアモータを
製造すること特徴とするものである。
【0010】
【作用】上記構成からなる本発明の超音波リニアモータ
は、以下のように作用する。即ち、請求項1記載の超音
波リニアモータでは、振動子の縦振動の共振周波数の交
番電圧を積層型圧電素子に印加する。ここで、2個の積
層型圧電素子に印加する交番電圧の位相差を適当にとる
と、超音波振動子の各部は楕円振動を起こす。この楕円
振動を発生している部分に被駆動体を圧接すれば、被駆
動体はリニアに駆動される。なお、積層型圧電素子には
交番電圧に重畳して直流電圧を印加するとよい。これに
より積層型圧電素子に常時圧縮力が加わり、圧電素子の
破壊が防止される。
【0011】また、超音波モータは弾性体の共振現象を
利用するので、温度上昇により共振周波数が変化したと
きに駆動周波数を追尾しなければならない。そこで請求
項2記載の超音波リニアモータでは、弾性体の表面接合
した圧電素子により、弾性体の縦振動または屈曲振動の
検出を行う。この検出信号は振動の振幅、位相に相関し
ているので、これをフィードバックして駆動周波数を追
尾する。特に本発明では、縦振動と屈曲振動とを独立に
検出できるようにしたので、どちらの振動の共振周波数
にも追尾が可能である。
【0012】また、請求項3記載の超音波リニアモータ
では、弾性体の摺動部材近傍に接合した検出用圧電素子
により、超音波振動子と被駆動部材との接触圧を検出す
る。従って、経時変化により共振周波数が変化した場合
の接触圧の変化を直接検出する。この信号を検出してフ
ィードバックすれば、超音波振動子の振動を制御でき
る。また、超音波リニアモータを作るときに接触圧を一
定に作り込むことができる。
【0013】以下、添付図面を参照して本発明に係る超
音波リニアモータのいくつかの実施例を説明する。な
お、図面の説明において同一の要素には同一符号を付
し、重複する説明を省略する。
【0014】
【実施例1】まず、本発明の実施例1を説明する。図1
は超音波振動子を示す斜視図、図2は正面図である。図
示の通り、この超音波振動子10は、基本弾性体11の
上面に3つの保持用弾性体12を固定し、それぞれの保
持用弾性体12の間に積層型圧電素子13を挟持固定し
たものである。
【0015】基本弾性体11は、黄銅材料を直方体形状
に加工したもので、上面の両端と中央部の3箇所(2次
の屈曲振動の節に相当する部分)に保持用弾性体12を
エポキシ系接着剤で固定した上、さらにネジ14止めし
ている。そして、各々の保持用弾性体12の間に積層型
圧電素子13をつき当てて保持している。即ち、積層型
圧電素子13は基本弾性体11とは接触しないように保
持用弾性体12に接着固定されている。また、積層型圧
電素子13の側面部は樹脂被覆がなされている。ここ
で、図2の左側の積層型圧電素子13への電極をA、G
としA相と呼ぶことにする。同様に右側の積層型圧電素
子13への電極をB、GとしB相と呼ぶことにする。
【0016】基本弾性体11の底面両端部には、摺動部
材15が接着されている。この摺動部材15はポリイミ
ドに充填剤としてカーボンファイバー(20重量%)と
マイカ(30重量%)とを混入したもので、厚さ約0.
1mmのものである。
【0017】なお、上記超音波振動子の諸元を参考に記
すと、基本弾性体11の寸法は幅30mm、高さ8m
m、奥行4mmであり、保持用弾性体12の寸法は幅4
mm、高さ3mm、奥行4mmであり、積層型圧電素子
13はトーキン(株)のNLA−2×3×9で、寸法は
2mm×3.1mm×9mmである。
【0018】次に、超音波振動子の動作について説明す
る。上記寸法の超音波振動子は、コンピュータシミュレ
ーションによれば、図3(a)に示すような1次の共振
縦振動、及び図3(b)に示すような2次の共振屈曲振
動がほぼ同一周波数で励起できる。その周波数は53.
5kHzである。そこで、A相及びB相に30Vの直流
電圧を印可して積層型圧電素子13に圧縮予圧を加えた
上、A相及びB相に周波数53.5kHz振幅10Vp
−pの交番電圧を印可する。ここで、A相とB相の位相
を同位相にすると、図3(a)に示すような1次の共振
縦振動が励起される。つぎに、A相とB相の位相を逆位
相にすると、図3(b)に示すような2次の共振屈曲振
動が励起される。つぎに、A相とB相の位相を90度ず
らすと、摺動部材15付近に超音波楕円振動を励起する
ことができた。
【0019】つぎに、上述の超音波振動子を使用した超
音波リニアモータについて説明する。図4は超音波リニ
アモータの正面図である。図示の通り、この超音波リニ
アモータでは、超音波振動子10がレール21上を左右
に自走するようになっており、これをガイドするために
レール21の裏面にリニアガイド固定部22を設ける一
方、超音波振動子10の支持機構の下端にリニアガイド
移動部23を設けたものである。
【0020】超音波振動子10は厚さ1mmのシリコン
ゴム(図示せず)を介してアルミニウム材からなる振動
子保持部材24により保持されている。振動子保持部材
24はコの字形状のもので、連結棒25が連結されてい
る。この連結棒25の上端にはバネ受け26が形成され
ている。一方、レール21は表面を焼入硬化されたステ
ンレス材からなり、表面は滑らかに研磨されており、裏
面にはリニアガイド固定部22が一体に固定されてい
る。リニアガイド移動部23には枠30が固定されてお
り、上枠31と一体をなしている。上枠31の中央部に
はタップが切られ、ボルト29が螺入している。ボルト
29にはバネ押さえ28が取り付けられ、バネ27の長
さを調節し、超音波振動子10とレール21との間の接
触圧を調節できるようになっている。
【0021】つぎに、この超音波リニアモータの動作を
説明する。前述のように超音波振動子10のA相とB相
に交番電圧を印可し、位相差を90度(または−90
度)とする。すると超音波振動子10の摺動面に超音波
楕円振動が励起されて、レールに対して右方向に(また
は左方向に)移動する。本実施例のモータ特性は、無負
荷速度150mm/sec、起動推力2Nであった。こ
の性能は10万回の往復動作後も維持された。
【0022】なお、本実施例は以下のように変形して実
施してもよい。 (1)上記実施例では積層型圧電素子に予圧をかけるた
めに直流電圧を重畳したが、組立時に保持用弾性体の両
側面から機械的な圧力をかけつつ保持用弾性体を固定す
ること。 (2)同様に予圧をかけるために、組立前に積層型圧電
素子を脱分極の状態で組み付け、その後DC100Vの
電圧を印可して分極すること。この時点で、積層型圧電
素子に予圧が加わるので、駆動時に直流電圧を印可する
必要はなくなる。 (3)また、小さな振動振幅で駆動する場合には積層型
圧電素子に加わる引張力は小さいので、予圧をかけなく
てもよい。
【0023】以上説明したように、本実施例の超音波リ
ニアモータによれば、圧電縦効果を利用したので、電気
−機械変換効率が大幅に向上する。また、積層型圧電素
子に予圧をかけつつ動作させるので、超音波振動子の耐
久性も向上する。
【0024】
【実施例2】次に、本発明の実施例2を説明する。図5
は超音波振動子を示す正面図、図6は超音波リニアモー
タを示す正面図である。図5の超音波振動子が、実施例
1と異なる点は、摺動部材16を共振屈曲振動の別の腹
に取り付けた点と、材質をアモルファスカーボンとした
点である。また、図6の超音波リニアモータでは、超音
波振動子10を固定して、棒状の被駆動体34を左右に
駆動することにした。
【0025】超音波振動子10は、固定部材32により
基台(図示せず)に固定される。固定部材32は、図6
(b)の側面図で示すように、断面コの字状で超音波振
動子を保持する内面には防振用にウレタンゴム33が貼
着されている。次に、被駆動体34は図6(c)の断面
図で示す形状で、ステンレス材を焼入処理後、超音波振
動子10との接触面41を滑らかに研磨したものであ
る。そして、接触面と上面42とは薄肉部39、40で
連結されている。このようにすることで、薄肉部39、
40で振動が反射されるので、振動エネルギーが外部に
漏れることがなくなり超音波リニアモータの効率を向上
させることができる。
【0026】次に、被駆動体34の上面にはリニアガイ
ド移動部35が一体に固定され、リニアガイド固定部3
6により下方に押圧されている。37は押圧力を与える
板バネ、38は基台(図示せず)に固定されたバネ保持
部である。
【0027】つぎに、この超音波リニアモータの動作を
説明する。実施例1と同様に超音波振動子10のA相と
B相に交番電圧を印可し、位相差を90度(または−9
0度)とする。すると超音波振動子10の摺動面に超音
波楕円振動が励起されて、被駆動体34が右方向に(ま
たは左方向に)移動する。本実施例のモータ特性は、無
負荷速度200mm/sec、起動推力3Nであった。
この性能は10万回の往復動作後も維持された。
【0028】
【実施例3】次に、本発明の実施例3を説明する。図7
は超音波振動子を示す正面図である。図示の通りこの超
音波振動子10では、振動検出用の圧電素子17、18
を基本弾性体11の側面に接着した。検出用圧電素子1
7、18はPZTセラミックスからなり、両面に銀電極
処理が施された厚さ0.2mmのものである。そして、
検出用圧電素子17は全面に渡り同じ向きに分極されて
おり、検出用圧電素子18は中央部を境に逆向きに分極
されている。それぞれの検出用圧電素子17、18には
リード線F1、F2が接続されており、これと対をなす
共通のグランド線が基本弾性体11に接続されている。
【0029】次に、この実施例の作用を説明する。実施
例1と同様に積層型圧電素子13に交番電圧を印可して
1次の縦振動を励起すると、F1端子からは振動振幅に
比例する正弦波状の信号が得られ、F2端子からは信号
が得られなかった。次に、積層型圧電素子13に2次の
屈曲振動を励起すると、F1端子からは信号が得られな
かったが、F2端子からは振動振幅に比例した正弦波状
の信号が得られた。次に、1次の縦振動と2次の屈曲振
動とを同時に励起して超音波楕円振動を励起すると、F
1及びF2端子の両方から正弦波信号が得られた。そし
て、この場合のF1端子からの信号は1次の縦振動に比
例し、F2端子からの信号は2次の屈曲振動に比例して
いる。
【0030】超音波振動子を長時間駆動すると、振動子
の温度が上昇し、共振周波数が変化する。従って、振動
子の振動状態を一定に保つためには周波数を追尾しなけ
ればならない。本実施例では、図8のような回路構成に
より追尾を行う。即ち、発振器からの交番電圧の出力
は、増幅されてA相に印可されるとともに、移相器を通
った後増幅されてB相にも印可される。そしてF1端子
(又はF2端子)の信号を増幅し、モニター電圧として
発振器の信号と比較して、両者の位相差が一定になるよ
うに発振周波数を調整するか、またはモニター電圧を常
に最大となるように発振周波数を調整すればよい。
【0031】なお、検出用圧電素子の取付位置は図9の
ようにしてもよい。即ち、図9では検出用圧電素子1
7、18を基本弾性体11の底面に接着した。また、モ
ニター信号としては、F2信号を利用してもよいし、F
1信号とF2信号との和を利用しても周波数追尾が可能
である。
【0032】以上のように本実施例によれば、振動子の
温度上昇に関わりなく振動状態を一定に保つことがで
き、モータ特性を安定化することができた。
【0033】
【実施例4】次に、本発明の実施例4を説明する。図1
0は超音波振動子の正面図である。図示の通りこの実施
例では、検出用の圧電素子19、20を基本弾性体11
と摺動部材15との間に介在させることとした。検出用
の圧電素子19、20はPZTセラミックスからなり、
両面に銀電極処理が施された厚さ0.2mm×幅2mm
×奥行き4mmのもので、厚み方向に分極されている。
そして、分極の向きが検出用の圧電素子19と20とで
逆向きになるように接着した。これらの底面には、実施
例1と同様の摺動部材15を接着した。さらに、それぞ
れの圧電素子19、20にはリード線F3、F4が接続
されており、これと対をなす共通のグランド線が基本弾
性体11に接続されている。
【0034】本実施例の超音波振動子を用いて、図4と
同様な超音波リニアモータを構成した。超音波リニアモ
ータを駆動すると、摺動部材15とレールとの接触圧に
より圧電効果が生じ、F3、F4の端子に電圧が発生す
る。この電圧は、図11(a)に示す波形となってい
る。また、F3とF4とでは出力電圧の位相が180度
異なり符号は反対であるので、両者の和は図11(b)
のような正弦波となる。
【0035】本実施例では、この信号を利用して図12
のような回路構成により周波数追尾を行う。即ち、発振
器からの交番電圧の出力は、増幅されてA相に印可され
るとともに、移相器を通った後増幅されてB相にも印可
される。そしてF3端子とF4端子との信号を加え合わ
せて増幅し、モニター電圧として発振器の信号と比較し
て、両者の位相差が一定になるように発振周波数を調整
するか、またはモニター電圧を常に最大となるように発
振周波数を調整すればよい。
【0036】以上のように本実施例によれば、簡単な構
造で振動子と被駆動体との接触圧を検出することが可能
である。それにより周波数を追尾して、振動子の温度上
昇に関わりなく振動状態を一定に保つことができ、モー
タ特性を安定化することができた。また、本実施例では
振動子と被駆動体との接触圧を検出して、両者の接触圧
を調整コントロールすることができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超音波リ
ニアモータによれば、次のような効果がある。すなわ
ち、積層型圧電素子を用いて圧電縦効果を利用したの
で、電気−機械変換効率が向上し、低電圧駆動が可能と
なった。また、きわめて簡易な構成でコンパクトであり
ながら、出力の大きい超音波リニアモータを得ることが
できるとともに、積層型圧電素子に予圧をかけながら使
用するので、超音波リニアモータの耐久性を向上させる
ことができる。さらに、超音波振動子の縦振動と屈曲振
動とを独立に検出することが可能であり、その信号によ
り駆動周波数の自動追尾が可能である。また、超音波振
動子と被躯動体との接触圧を検出して、周波数自動追尾
を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例1の超音波振動子を示す斜
視図である。
【図2】本発明による実施例1の超音波振動子を示す正
面図である。
【図3】実施例1の超音波振動子の作用を説明する図で
ある。
【図4】本発明による実施例1の超音波リニアモータを
示す正画図である。
【図5】本発明による実施例2の超音波振動子を示す正
面図である。
【図6】本発明による実施例2の超音波リニアモータを
示す正面図である。
【図7】本発明による実施例3の超音波振動子を示す正
面図である。
【図8】実施例3の超音波振動子の駆動回路図である。
【図9】実施例3の超音波振動子の変形例を示す底面図
である。
【図10】本発明による実施例4の超音波振動子を示す
正面図である。
【図11】実施例4の超音波振動子の作用を説明する図
である。
【図12】実施例4の超音波振動子の駆動回路図であ
る。
【図13】従来の超音波リニアモータを示す正面図であ
る。
【図14】従来の超音波リニアモータの縦振動モードを
示す図である。
【図15】従来の超音波リニアモータの屈曲振動モード
を示す図である。
【符号の説明】
10 超音波振動子 11 基本弾性体 12 保持用弾性体 13 積層型圧電素子 14 ネジ 15,16 摺動部材 17,18 検出用圧電素子 19,20 検出用圧電素子 21 レール 22 リニアガイド固定部 23 リニアガイド移動部 24 振動子保持部材 25 連結棒 26,28 バネ受け 27 バネ 29 ボルト 30 枠 31 上枠 32 固定部材 33 ウレタンゴム 34 被駆動体 35 リニアガイド移動部 36 リニアガイド固定部 37 板バネ 38 バネ保持部 39 薄肉部 40 薄肉部 41 接触面 42 上面 101 弾性体 102 支持体 103,104,105 圧電セラミック 106 プレッシャーロール 107 紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 孝司 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 谷口 芳久 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−261385(JP,A) 特開 平6−6989(JP,A) 特開 平3−178581(JP,A) 特開 昭63−277477(JP,A) 特開 平2−7876(JP,A) 特開 平3−142888(JP,A) 実開 平4−68495(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/08 H02N 2/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気−機械エネルギー変換素子を駆動源
    とし、弾性体に縦振動及び屈曲振動を発生させて、それ
    らの振動を合成し超音波楕円振動を起こす超音波振動子
    と、この超音波振動子の一部に押圧されて、超音波振動
    子に対して相対的に移動する被駆動部材とを具備する超
    音波リニアモータにおいて、 上記超音波振動子は、駆動源としての少なくとも2つの
    積層型圧電素子と、弾性体としての基本弾性体及び該基
    本弾性体に対して接合された保持用弾性体とを備え、該
    各々の積層型圧電素子の両端部は前記保持用弾性体に対
    しつき当てて接合保持されていることを特徴とする超音
    波リニアモータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の超音波リニアモータにお
    いて、前記基本弾性体における弾性波の節線と直交する
    面または弾性波の進行する方向を含む面に、該基本弾性
    体の縦振動と屈曲振動とを独立に検出するための厚み方
    向に全面分極された振動検出用圧電素子または厚み方向
    に対してその向きが交互に分極された振動検出用圧電素
    子が接合されていることを特徴とする超音波リニアモー
    タ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の超音波リニアモータにお
    いて、前記超音波振動子の前記基本弾性体と前記被駆動
    部材との接触する部分の近傍に、その厚み方向に全面分
    極され接触圧を検出する検出用圧電素子が接合されてい
    ることを特徴とする超音波リニアモータ。
  4. 【請求項4】 前記積層型圧電素子を前記保持用弾性体
    間に突き当てて保持し、前記保持用弾性体の両側面から
    機械的な圧力をかけつつ前記保持用弾性体を固定するこ
    とを特徴とする請求項1乃至3記載の超音波リニアモー
    タの製造方法。
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