JPH05137359A - 超音波振動子および超音波駆動装置 - Google Patents

超音波振動子および超音波駆動装置

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Publication number
JPH05137359A
JPH05137359A JP3324741A JP32474191A JPH05137359A JP H05137359 A JPH05137359 A JP H05137359A JP 3324741 A JP3324741 A JP 3324741A JP 32474191 A JP32474191 A JP 32474191A JP H05137359 A JPH05137359 A JP H05137359A
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JP
Japan
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vibration
elastic body
piezoelectric element
ultrasonic
laminated
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Withdrawn
Application number
JP3324741A
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English (en)
Inventor
Yukihiko Sawada
之彦 沢田
Tomoki Funakubo
朋樹 舟窪
Takenao Fujimura
毅直 藤村
Hiroyuki Imabayashi
浩之 今林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】コンパクトでエネルギー変換効率がよく、しか
も大きな振動出力を取り出すことができ、リニアモータ
として用いた場合に、駆動対象物を可逆的に移動可能で
ある上、設計上の制約が少なく、製作容易な超音波振動
子およびこの振動子を有する超音波駆動装置を提供する
ことを目的とする。 【構成】圧電素子2a,2b,2c,2dが固定され、
定在波型の屈曲振動を発生させる弾性体1と、一端を上
記弾性体1に固定され、該屈曲振動の振幅に対し、略垂
直な方向に積層されて、該積載方向に往復振動を発生さ
せる積層型圧電素子4,5とを具備したことを特徴と
し、また、超音波駆動装置は、上記超音波振動子10を
有し、上記弾性体1もしくは積層型圧電素子4,5の他
端に対し、上記屈曲振動の振幅方向に圧接され、上記屈
曲振動および往復振動により該弾性体1および積層型圧
電素子4,5に対して相対移動される圧接部材とを具備
したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波振動子および超
音波駆動装置、詳しくは、定在波型の屈曲振動を発生さ
せる弾性体を有する超音波振動子および超音波駆動装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁型モータに代わる新しいモー
タとして、超音波モータが脚光を浴びている。この超音
波モータは原理的に新しいというだけでなく、従来のモ
ータに比べて、次のような利点を有している。
【0003】(1)薄型、軽量、コンパクトである。
【0004】(2)ギヤーなしで低速、高トルクが得ら
れる。
【0005】(3)部品構成が単純で信頼性が高い。
【0006】(4)磁気的影響の授受がない。
【0007】(5)バックラッシがなく位置決めが容易
である。
【0008】かくしてこれらの利点を生かすべき、種々
の応用技術の研究が進められている。
【0009】そして、この超音波モータは大きく回転型
とリニア型に分けられる。
【0010】図24〜図27は、従来のリニア型の超音
波モータを示した図である。
【0011】図24は第1の従来例を示したものであっ
て、図中、左側のランジュバン型圧電振動子101を振
動させて、ホーン102の先端を弾性体からなる伝搬棒
103につき当てる。すると、伝搬棒103には屈曲進
行波が発生する。この屈曲進行波は実線矢印Dで示すよ
うに伝搬棒103を右方向に伝搬していく。そして、こ
の進行波は伝搬棒103の右端につき当てられている上
記ホーン102と同様なホーン104を介してランジュ
バン型圧電振動子105を励振させる。
【0012】このとき、図中、インダクタンス成分Lと
抵抗成分Rとを適当に選択してインピーダンス整合をさ
せ、上記進行波のエネルギーをすべて吸収させる。こう
すると上記進行波は、常に定常的に左から右方に進むこ
とになる。
【0013】ここで、このような屈曲進行波の生じてい
る伝搬棒103の表面に、スライダー106をある一定
の押圧力で圧接保持させると、該スライダー106は実
線矢印Hで示すように図中、左方向へと移動していく。
【0014】図25は、上記伝搬棒103の屈曲進行波
とスライダー106との関係を模式的に示す斜視図であ
る。なお、図中、符号103Aは上記伝搬棒103(図
24参照)に相当する弾性体、符号106Aは、上記ス
ライダー106に相当する移動体である。図示の如く、
該弾性体103Aの質点Pは楕円軌跡を描いている。し
たがって、この図中、左回りの楕円軌道を描いている同
弾性体103Aの上に該移動体106Aを所定の圧力で
圧接させると、同移動体106Aはその進行波の進行方
向Dとは逆方向、すなわち、図中、左方向に駆動され
る。なお、進行波の伝搬方向を逆にすれば、上記移動体
106Aは図中、右方向に駆動される。
【0015】図26は、第2の従来例の構成を示す図で
ある。ランジュバン型圧電振動子107の先端には振動
体108が取り付けられている。そして、上記振動体1
08の先端がスライダー106Bに対し、このスライダ
ー106Bの面の法線に対して所定の角度θだけ傾斜し
た状態で、一定の押圧力で接触している。該ランジュバ
ン型圧電振動子107に対して、交流電源109からラ
ンジュバン型振動子の固有振動数と同一の周波数の交流
電圧を印加すると、同ランジュバン型圧電振動子107
は縦振動を行う。このとき、振動体108の先端がスラ
イダー106Bに所定の角度θで当接していることか
ら、該振動体108は横振動をも行う。これらの振動の
合成により該振動体108の先端は楕円軌道を描く。か
くして、スライダー106Bは、図中、矢印で示すよう
に左方向に移動する。
【0016】図27は、第3の従来例を示す図で、特開
昭62−135278号公報により開示された超音波振
動子の構成を示している。矩形状をなす導電体の振動子
110の両面には、圧電素子111,112が接着され
ている。この圧電素子111,112からは、電圧印加
用のリード端子AA,BBが引き出されており、該振動
子110からは、接地端子Eが引き出されている。該振
動子110の形状は、同振動子110の縦振動の共振周
波数とたわみ振動の共振周波数とが一致するような形状
となっている。
【0017】かくして、上記リード端子AA,BBに上
記共振周波数を有する交流電圧を一定の位相差をもって
印加すると、該振動子110の端面Sの質点が楕円運動
を行う。そこでスライダー106Cを上記端面Sに対し
て一定の圧力で押圧すると、このスライダー106C
は、図中、矢印HHの方向に移動する。この移動方向は
上記端子AAと端子BBとに印加する電圧の位相差によ
り決定される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記図24〜図27に
示した超音波モータは、振動子の質点における楕円軌跡
運動のエネルギーを移動体(スライダー)への摩擦によ
り伝達することを基本原理としている。
【0019】図24に示した第1の従来例では、伝搬棒
103の全体に進行波を発生させなければならないた
め、効率が悪い上、装置全体が大型化してしまうという
問題点があった。
【0020】また、図26に示した第2の従来例では、
スライダー106Bの進行方向が一方向に限定される
上、上記第1の従来例と同様に装置全体が大型化してし
まうという問題点があった。
【0021】さらに、図27に示す第3の従来例では、
振動子110の両面に接着した圧電素子111と同11
2とで振幅出力を得るものであるため、スライダー10
6Cを移動するための大きな力を確保することが困難で
ある。したがって、より大きな振動出力を得るべく上記
振動子110の側面に接着する圧電素子111,112
の枚数を増やすと、その分だけ装置が大型化してしまう
欠点があった。また、この従来例は、振動子110の縦
振動とたわみ振動とを合成して楕円運動を発生させよう
とするものであるが、両振動が何れも共振状態でないと
大きな出力が得られない。よって、縦振動の共振周波数
とたわみ振動の共振周波数を一致させる必要がある。こ
のために、トライアンドエラーで振動子110の形状を
決めていかなければならず、多大な労力を要し、かつ、
製作が容易でないという問題点があった。
【0022】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、コンパクトでエネルギー変換効率がよく、し
かも大きな振動出力を取り出すことができ、リニアモー
タとして用いた場合に、駆動対象物を可逆的に移動可能
である上、設計上の制約が少なく、製作容易な超音波振
動子およびこの振動子を有する超音波駆動装置を提供す
ることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明による超音波振動子は、圧電素子が固定さ
れ、定在波型の屈曲振動を発生させる弾性体と、一端を
上記弾性体に固定され、該屈曲振動の振幅に対し、略垂
直な方向に積層されて、該積載方向に往復振動を発生さ
せる積層型圧電素子とを具備したことを特徴とし、ま
た、超音波駆動装置は、上記超音波振動子を有し、上記
弾性体もしくは積層型圧電素子の他端に対し、上記屈曲
振動の振幅方向に圧接され、上記屈曲振動および往復振
動により該弾性体および積層型圧電素子に対して相対移
動される圧接部材とを具備したことを特徴とする。
【0024】
【作用】本発明においては、弾性体の側面に貼付された
圧電素子に、該弾性体が有する固有の屈曲共振周波数と
同じ周波数の交番電圧を印加し、同弾性体に共振屈曲振
動を発生させる。また、これと同時に、上記弾性体の上
記共振屈曲振動の振幅に対し略垂直方向に積層された積
層型圧電素子に、上記共振周波数と同じ周波数の交番電
圧を印加し、同弾性体を上記共振屈曲振動に対し垂直な
方向の振動をも与える。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0026】図1は、本発明の第1実施例を示す超音波
振動子10の斜視図である。
【0027】図において、矩形で薄い短冊状の弾性体1
は、たとえば、ステンレス鋼,りん青銅,黄銅,アルミ
ニウム等の弾性を有する金属で形成されている。この弾
性体1の上面の中央部には、矩形板状の、たとえば、P
ZT等で形成された圧電セラミックス(以下、圧電素子
という)2aが、その一面において接着剤、たとえば、
エポキシ樹脂系等の接着剤で接着されている。また、上
記弾性体1の下面の中央部の、上記圧電素子2aが接着
されている位置の対称位置には、該圧電素子2aと同様
な形状、材質である圧電素子2cが、その一面を接着面
に固着されている。また、この圧電素子2cを挟んで図
中、左右対称位置には、上記圧電素子2aよりやや小型
で同様な材質である圧電素子2bおよび2dが、その一
面を接着面として固着されている。
【0028】これら4枚の圧電素子2a〜2dの分極方
向は、図中、矢印X1〜X4で示す方向となっている。
また、各圧電素子2a〜2dの他面である表面には銀等
を焼き付けることで表面電極が形成されていて、これら
各圧電素子2a〜2dは、接続線Y1〜Y3で図示の如
く電気的に接続されているとともに、圧電素子2cの表
面からは電気端子Aが引き出されていて、超音波振動子
の駆動回路、たとえば図9に示すような駆動回路内の増
幅器36bの出力端に接続されている。
【0029】また、上記弾性体1の上面の、上記圧電素
子2aを挟んで図中、左右対称位置には、該弾性体1の
長手方向に垂直な向きに矩形の突起部3a,3bが突設
されていて、同弾性体1の、図中、手前側の正面の一側
方寄りの表面からは電気端子Gが引き出されていて、駆
動回路のグランドに接続されている。
【0030】上記弾性体1の図中、左右両端面にはそれ
ぞれ、該端面とほぼ同一形状の端面を有する薄板状の矩
形の圧電セラミックスが、互いに分極の向きが逆方向に
なるように、図示の如く数枚〜数百枚程、その端面を接
着面として積層接着されている。ここで、図中、左側の
積層圧電体を左積層圧電体4、同右側を右積層圧電体5
と称す。また、図示しないが、各積層圧電体はその側面
で1層おきに接続手段(図示しない)で接続されてい
て、該積層圧電体4および5の両側面からは図示の如く
電気端子B,B’,Gが引き出されていて、これら端子
はそれぞれ、上記駆動回路内の増幅器36c,36dの
出力端子およびグランドに接続されている。なお、該積
層圧電体の各圧電体の間には図示しない絶縁手段が配設
されている。
【0031】上記左積層圧電体4および右積層圧電体5
の各端面にはそれぞれ、該端面とほぼ同一形状の端面を
有する、たとえば、ステンレス鋼,りん青銅,黄銅,ア
ルミニウム等の金属材料で形成されている固定部6,7
が、その端面を接着面として固着されている。この各固
定部6,7の上面のほぼ中央には、固定基台等(図示し
ない)にビス等により該超音波振動子10を固定するた
めのタップ孔8a,8bが穿設されている。
【0032】図2は、上記超音波振動子10を手前側か
ら見た正面図である。
【0033】再び図1に戻り、この超音波振動子10の
作用について説明する。
【0034】上記弾性体1の上下面に接着固定された圧
電素子2a〜2dに交番電圧を印加する。すると、上記
振動子10には、その両端が上記固定基台等に固定され
た状態で該振動子10全体に亘って屈曲振動(ベンディ
ング振動)が発生する。そして、上記交番電圧の周波数
が、該振動子10が有するある特定の固有周波数frに
なると、同振動子10には定在波が発生し振幅の大きな
振動を起こす。
【0035】図3は上記定在波の振動モードを示した線
図であり、(a),(b),(c)はそれぞれ、1次モ
ード,2次モード,3次モードの振動モードを示してい
る。本第1実施例の超音波振動子10においては上記3
次モードを用いるため、上記交番電圧は3次モードの固
有周波数frを有する電圧を印加する。すると、該超音
波振動子10には上記図3(c)に示す3次モードの振
動が励起され、3カ所の腹α,β,γがある振動を発生
する。上記突起部3a,3b(図1参照)は、超音波振
動子10に生ずる上記3カ所の腹α,β,γのうち、2
カ所の腹α,βの位置、すなわち、最も大きく振幅を生
じる位置に設けられていて、図1の図中、矢印Nの方向
に互いに同位相の振動をするようになっている。
【0036】再度、図1に戻り左右の積層圧電体の作用
について説明する。
【0037】上記左右の積層圧電体4,5にそれぞれ、
互いに位相が逆のある周波数fの交番電圧を印加する。
すると、たとえば、左積層圧電体4は図中、矢印Mの方
向に縮み、逆に右積層圧電体5は同矢印Mの方向に伸び
て、上記弾性体1は図中、左方向に移動する。次の瞬
間、すなわち、上記周波数fの1/2周期後には左積層
圧電体4が矢印Mの方向に伸び、右積層圧電体5が同矢
印Mの方向に縮んで、同弾性体1は図中、右方向に移動
する。このとき、上記突起部3a,bは、上述したよう
に図中、矢印Nの方向に固有周波数frで振動するとと
もに、上記左右の積層圧電体4,5の伸縮振動により、
上記周波数fで図中、矢印Mの方向にも振動することに
なる。なお、上記積層圧電体4,5に印加する交番電圧
の周波数fは、上記圧電素子2a〜2dに印加する交番
電圧の周波数frと同じ周波数を用いてもよいことはい
うまでもない。
【0038】このような交番電圧を印加することにより
生じる、上記弾性体1の屈曲振動と上記積層圧電体4,
5による振動を位相差を変位させて合成することで、上
記突起部3a,3bの先端部に、図4(a)〜(d)に
示すような種々のモードの振動を発生させることが可能
である。なお、図4に示す振動モードのうち、(b)お
よび(d)に示す振動モードを超音波楕円振動と呼ぶ。
【0039】いま、上記突起部3a,3bの先端に上記
図4(b)に示すような超音波楕円振動が生じていると
き、この突起部3a,3bの先端に、図1の矢印Mの方
向に可動自在となるようにスライダー(図示しない)を
圧接させると、このスライダーは、超音波楕円振動をし
ている該突起部3a,3bの先端部に生じる押圧力によ
って図中、右方向に移動させられる。また、上記突起部
3a,3bの先端に、上記図4(d)に示すような超音
波楕円振動を発生させると、該スライダーは図中、左方
向に移動することとなる。
【0040】図5は、本第1実施例の超音波振動子を用
いた、本発明の超音波駆動装置の1実施例を示した図
で、該超音波振動子の手前側から見た正面図である。
【0041】図に示すように、超音波振動子10を固定
するための基台11の上面には、該超音波振動子10を
該基台11の上面に載置する際、この振動子10の固定
部6,7に対向する位置にそれぞれ突出部11a,11
bが形成されていて、超音波振動子10を載置した際
に、同振動子10の下面の、固定部6と固定部7との間
の部分と該基台11の上面との間には、圧電素子2b〜
2dの振動を妨げない程度以上の隙間が空くようになっ
ている。また、この突出部11a,11bには該超音波
振動子10のタップ孔8a,8bに対向する位置に穿設
孔が設けられていて、該超音波振動子10は、たとえば
ビス12a,12b等を用いて、図示の如く該基台11
に載置、固定されるようになっている。
【0042】上記基台11に載置、固定された超音波振
動子10の上面の突起部3a,3bの先端には、ベアリ
ング14,付勢ばね15,固定支持部16からなる圧接
手段でスライダー13が圧接されている。このとき、上
記圧接手段は、該スライダー13が、図中、左右方向と
上下方向に、ある程度可動できるように適当な力をもっ
て同スライダー13を上記突起部3a,3bに押しつけ
ている。
【0043】いま、上記突起部3a,3bの先端に上述
したような超音波楕円振動を与えると、上記スライダー
13は上述した作用により図中、左右方向に直線運動を
行う。なお、該突起部3a,3bは、必ずしも図1に示
すような突条の形状でなくてもよく、たとえば、図6に
示すような突起形状を有していてもよい。同図におい
て、(a)には突起部3aA,3bAの幅を短くした例
を、(b)には突起部3aB,3bBを半球状にした例
を挙げてある。これらの形状を採用した場合において
も、図1に示される形状の場合と同様な効果を得ること
ができる。
【0044】図7は、本発明の第2実施例を示す超音波
振動子20の正面図である。
【0045】この第2実施例の上記第1実施例との相違
点は、弾性体1の、圧電素子2a〜2dが接着固定され
ている部分21の断面積を、該弾性体1の両端に位置す
る左右の積層圧電体4,5の断面積に比べて相対的に小
さくした点にあり、その他の構成、作用は上記第1実施
例と同様である。これにより、本第2実施例の超音波振
動子20は、上記第1実施例の超音波振動子10より大
きな超音波楕円振動を得ることができる。
【0046】図8は、本発明の第3実施例を示す超音波
振動子30の正面図である。
【0047】この第3実施例の上記第1実施例との相違
点は、弾性体1の所定の位置に、この弾性体1の振動を
検出する振動検出圧電素子31が設けられた点にあり、
その他の構成は上記第1実施例と同様である。
【0048】一般に、超音波振動子は温度係数を有して
おり、温度変化によって共振振動周波数が変化する。し
たがって、実際に超音波振動子を用いる際には、常に最
大の振幅が得られるように工夫する必要があり、これを
実現する手段として該超音波振動子の振動状態を検知し
て最適な周波数で同振動子を駆動する方法が考えられ
る。
【0049】上記振動検出圧電素子31は、弾性体1の
所定の位置、たとえば、本実施例においては同弾性体1
の上面の、圧電素子2aと突起部3aとの間に、1面を
接着面として同弾性体1に固着されており、他面である
表面からは電気端子Fが引き出されていて、後述する駆
動回路内の増幅器36a(図9参照)の入力端に接続さ
れている。そして、該弾性体1の振動を該駆動回路にフ
ィードバックするようになっている。
【0050】図9は、本第3実施例の超音波振動子30
の駆動回路の電気回路をブロックで示した図である。
【0051】上記超音波振動子30の各圧電素子に印加
される交番電圧を生成する発振回路32の出力端は、増
幅器36cを介して左積層圧電素子4から引き出されて
いる電気端子B(図8参照)に接続されているととも
に、位相反転回路35,増幅器36dからなる直列回路
を介して、右積層圧電素子5から引き出されている電気
端子B’(図8参照)に接続されていて、この左右の積
層圧電素子には互いに位相が逆である交番電圧が印加さ
れるようになっている。また、上記発振回路32の出力
端は、移相回路34,増幅器36bからなる直列回路を
介して、圧電素子2cから引き出されている電気端子A
(図8参照)に接続されているとともに、上記振動検出
圧電素子31からの出力振動信号より位相を検出する位
相検出回路33の一入力端子に接続されている。
【0052】また、上記振動検出圧電素子31の電気端
子Fからの出力信号が入力する上記増幅器36aの出力
端は、整流回路37を介して上記発振回路32の入力端
に接続されていて、該出力信号に基づいて該発振回路3
2の交番電圧の生成を制御するようになっている。ま
た、上記増幅器36aの出力端は、上記位相検出回路3
3の一入力端にも接続されており、さらに、この位相検
出回路33の出力端は上記移相回路34の一入力端に接
続されていて、上記圧電素子31からの出力信号に基づ
いて電気端子Aに現れる交番電圧を制御するようになっ
ている。
【0053】次に、この第3実施例の作用について図8
および図9を参照して説明する。
【0054】いま、上記発振回路32で生成された交番
電圧が、上記移相回路34,位相反転回路35等を経て
各電気端子A,B,B’に印加されると、超音波振動子
30の突起部3a,3bの先端に前述のとおり超音波楕
円振動が発生する。このとき、上記振動検出圧電素子3
1には、上記弾性体1のある位置における振動に対応す
る振動が発生し、この振動により生成される電気信号
(以下、フィードバック信号という)が上記電気端子F
上に現れ、このフィードバック信号が増幅器36a,整
流回路37を経て上記発振回路32に入力される。そし
て、この発振回路32は、入力される該フィードバック
信号が最大となるように交番電圧の発振周波数を調整す
る。
【0055】一方、上記フィードバック信号は位相検出
回路33にも入力され、この位相検出回路33は、該フ
ィードバック信号と上記発振回路32の出力信号との位
相差が、+90°あるいは−90°となるように移相回
路34を制御する。
【0056】このようにして超音波振動子30の突起部
3a,3bの先端に、図4(b)あるいは(d)に示す
ような超音波楕円振動を安定して励起させることが可能
となる。
【0057】図10は、本発明の第4実施例を示す超音
波振動子40の斜視図である。
【0058】この第4実施例の上記第1実施例との相違
点は、該第1実施例が弾性体の屈曲振動として図3
(c)に示したような3次モードの振動を用いたのに対
して、本第4実施例では同図3(a)に示す1次モード
の振動を用いた点にある。すなわち、上記第1実施例に
おいては、超音波楕円振動を起こさせる突起部を2カ所
設けていたのに対して、本第4実施例では上記1次モー
ドの振動を用いるため該突起部を1カ所にしている。
【0059】図に示すように、弾性体41の上面の中央
部に突起部43が設けられていて、この突起部43を挟
んで図中、左右に圧電素子42a,42bがそれぞれ配
設されている。さらに、該弾性体41の下面には、この
下面を覆うように圧電素子42cが配設されている。な
お、これら圧電素子42a〜42cは、その分極方向が
図中、矢印X5〜X7になるように配設されている。
【0060】本第4実施例のその他の構成および作用は
上記第1実施例と同様である。
【0061】図11は、本発明の第5実施例を示す超音
波振動子50を上方より見た平面図である。
【0062】この第5実施例の上記第1実施例との相違
点は、弾性体の形状および圧電素子,積層圧電体の個数
ならびに配置が異なる点にある。
【0063】図において、十字形の弾性体51は、たと
えば、ステンレス鋼,りん青銅,黄銅,アルミニウム等
の弾性を有する金属で形成されている。この弾性体51
の十字形の各腕部51a〜51dの上面には、矩形板状
の4枚の圧電素子52a〜52dが、その分極方向が同
じになるように接着固定されている。また、図示しない
が、該弾性体51の下面の上記圧電素子52a〜52d
が接着固定されている位置の対称位置には、該圧電素子
52a〜52dと同様な4枚の圧電素子52e〜52h
が、その分極方向が該圧電素子52a〜52dと同様に
なるように接着固定されている。
【0064】また、各圧電素子52a〜52hの表面に
は表面電極が形成されていて、これら各圧電素子52a
〜52hは、接続線Y4〜Y11(Y8〜Y11は図示
せず)で図示の如く電気的に接続されているとともに、
圧電素子52bおよび52fの表面からはともに電気端
子Aが引き出されていて、超音波振動子の駆動回路内の
増幅器36b(図9参照)等の出力端に接続されてい
る。
【0065】また、上記弾性体51の上面の中央部に
は、図中、手前側に突設した突起部53が配設されてい
て、さらに、同弾性体51の腕部51cの図中、手前側
の下面からは電気端子Gが引き出されていて、駆動回路
等のグランドに接続されている。
【0066】上記弾性体51の各腕部51a〜51dの
端面にはそれぞれ、該各端面とほぼ同一形状の端面を有
する薄板状の矩形圧電セラミックスが、互いに分極の向
きが逆方向になるように、図示の如く数枚〜数百枚程、
その端面を接着面として積層接着されている。ここで、
図中、上側の積層圧電体を上積層圧電体54、同下側を
下積層圧電体55、同右側を右積層圧電体56、同左側
を左積層圧電体57と称す。また、各積層圧電体はその
側面で1層おきに接続手段(図示しない)で接続されて
いて、該積層圧電体54,55,56,57の両側面か
らは図示の如く電気端子B,B’,C,C’,Gが引き
出されている。なお、該積層圧電体の各圧電体の間には
図示しない絶縁手段が配設されている。
【0067】上記各積層圧電体54,55,56,57
の各端面にはそれぞれ、該端面とほぼ同一形状の端面を
有する、たとえば、ステンレス鋼,りん青銅,黄銅,ア
ルミニウム等の金属材料で形成されている固定部59a
〜59dが、その端面を接着面として固着されている。
そして、この各固定部59a〜59dの上面ほぼ中央に
は、固定基台等(図示しない)にビス等により該超音波
振動子50を固定するためのタップ孔58a〜58dが
穿設されている。
【0068】次に、本第5実施例の作用について説明す
る。
【0069】まず、上記4カ所の固定部59a〜59d
を上記固定基台にビス等により固定する。そして、電気
端子Aに交番電圧を印加、すなわち、圧電素子52a〜
52hに交番電圧を印加して弾性体51に屈曲振動を励
起させる。これにより上記突起部53は図中、紙面に対
して垂直方向に振動する。また、同時に電気端子B,
B’,C,C’にも、すなわち、上記各積層圧電体5
4,55,56,57にも、互いに位相を調整した同周
波数の交番電圧を印加して、上記屈曲振動と合成して突
起部53の先端に超音波楕円振動を励起させる。
【0070】いま、図示しない平板状のスライダーを、
図中、紙面の垂直上方より移動可能なようにベアリング
等を介して該突起部53の先端に圧接させる。ここで、
該スライダーを、図中、矢印Tの方向に移動させたい場
合、上記上下積層圧電体54,55に互いに逆位相とな
る交番電圧を印加して、該突起部53に超音波楕円振動
を励起させる。また、該スライダーを図中、矢印Uの方
向に移動させたい場合、上記左右積層圧電体57,56
に互いに逆位相となる交番電圧を印加して、該突起部5
3に超音波楕円振動を励起させる。そして、該スライダ
ーを図中、紙面と平行な任意の方向に移動させたい場
合、上記上下左右各積層圧電体54〜57に互いに位相
を調整された交番電圧を印加することにより、上記突起
部53の先端に生じる超音波楕円振動の振動面を任意に
変えることが可能となる。
【0071】なお、一般に積層圧電体は、その積層方向
に垂直な方向の力が加わると破損する場合があり、本第
5実施例の場合、各積層圧電体を同時に駆動させると互
いにその側面に押圧力が加わる。しかしながら、この押
圧力は微小なものであり、該積層圧電体に影響を与える
ものではない。
【0072】図12は、本発明の第6実施例を示す超音
波振動子60の斜視図である。
【0073】この第6実施例の上記第1実施例との相違
点は、断面が円形となっている点、および弾性体と圧電
素子との配置構成が異なっている点にある。
【0074】図において、7つの円柱形状の弾性体61
a〜61gの、ほぼ屈曲振動の腹に対応する位置に6枚
の薄い円柱形状の圧電素子62a〜62fが、図示の如
く該弾性体61a〜61gに挟まれるように接着固定さ
れている。この各圧電素子62a〜62fはそれぞれ、
上半部と下半部で図中、矢印Z1〜Z12に示すように
分極処理がなされており、また、図示の如く配線処理が
なされている。そして、圧電素子62fの周面より電気
端子Aが引き出されていて、駆動回路に接続されるよう
になっている。
【0075】また、弾性体61bおよび61fの周面の
互いに同一となる位置には、半球状の突起部63a,6
3bがそれぞれ突設されている。そして、弾性体61
b,61d,61fの周面からは電気端子Gが引き出さ
れていて駆動回路のグランドに接続されるようになって
いる。
【0076】その他の構成および作用は、積層圧電体お
よび固定部の形状が円柱形状である点以外、上記第1実
施例と同様である。
【0077】図13は、本発明の第7実施例を示す超音
波振動子70の斜視図である。
【0078】この第7実施例は、圧電素子の配置が異な
る他は、基本的には上記第1実施例と同様な構成を有し
ている。
【0079】図に示すように、平板上の弾性体71は、
上記第1実施例における弾性体1と同様に、たとえば、
ステンレス鋼・りん青銅・黄銅・アルミニウム等の弾性
を持つ金属材料で形成されている。この弾性体71の上
下面には、短冊状の圧電素子72a〜72dが2枚づ
つ、その一面を接着面にして、たとえば、低粘度のエポ
キシ系接着剤により図示の如く接着されている。この圧
電素子72a〜72dの分極方向は、図中、矢印で示し
た通りである。また、該圧電素子72a〜72dの、他
面である表面には銀ペーストや無電解メッキ等による表
面電極が形成されていて、これら各圧電素子72a〜7
2dは、図示の如く電気的に接続されているとともに、
圧電素子72a,72bの表面からは電気端子Aが、ま
た、圧電素子72c〜72dの表面からは電気端子A’
がそれぞれ引き出されていて、超音波振動子の駆動回路
である、高周波電源153およびフェイズシフタ154
と図示の如く接続されている。
【0080】上記弾性体71の両端面には、上記第1実
施例と同様に、該端面とほぼ同一形状の端面を有する薄
板状の矩形の圧電セラミックスが、互いに分極の向きが
逆方向になるように、図示の如く数枚〜数百枚程、その
端面を接着面として積層接着されている。ここで、図
中、左側の積層圧電体を左積層圧電体74、同右側を右
積層圧電体75と称す。また、図示しないが、各積層圧
電体はその側面で1層おきに接続手段(図示しない)で
接続されていて、該積層圧電体74および75の両側面
からは図示の如く電気端子B,B’,Gが引き出されて
いて、これら端子はそれぞれ、上記高周波電源153お
よびフェイズシフタ154と図示の如く接続されてい
る。なお、上記電気端子A,A’,B,B’には、上記
第1実施例と同様に、上記図9において説明した駆動回
路が接続されてもよい。この場合、該電気端子A,Aに
は上記駆動回路内の増幅器36bの出力端が、また、電
気端子B,B’には同駆動回路内の増幅器36c,36
dの出力端子がそれぞれ接続されている。また、上記積
層圧電体の各圧電体の間には図示しない絶縁手段が配設
されている。
【0081】さらに、上記左積層圧電体74および右積
層圧電体75の各端面にはそれぞれ、たとえば、ステン
レス鋼,りん青銅,黄銅,アルミニウム等の金属材料で
形成されている固定部76,77が、その端面を接着面
に、たとえば、低粘度のエポキシ系接着剤により固着さ
れている。また、上記固定部76,77の図中、下部に
はそれぞれ、半円柱状の形状を有する突起部73a,7
3bが形成されている。なお、弾性体71、積層圧電素
子74,75 、固定部76,77の間は、積層圧電素
子の両端に接合された弾性体よりなる絶縁板(図示せ
ず)により、電気的に絶縁されている。
【0082】また、上記弾性体71中央の、2次の曲げ
振動の節には、該弾性体71の正面から後面に向けてシ
ャフト150が貫設固定されていて、このシャフト15
0に、たとえば、図16に示すような、ばね156を掛
けることでが該超音波振動子70を可動自在に弾性固定
することができるようになっている。
【0083】ここで、図13〜図16を用いて、上記超
音波振動子70の作用について説明する。
【0084】まず、圧電素子72a〜72dの作用につ
いて述べる。圧電素子72a〜72dに高周波の交番電
圧を印加する。このとき、該印加電圧の周波数は、上記
弾性板71の曲げ振動に関する2次モードの固有振動数
に一致させる。すると、上記弾性体71は図14で示す
様な中央部に振動の節ααを持つ2次の曲げモード振動
を生じる。このため、上記突起部73a,73bは、互
いに逆位相で振動することとなる。このとき、該振動の
方向は、図15(a)に示すように上下方向となる。
【0085】次に、上記積層圧電素子74,75 の作
用について述べる。
【0086】該積層圧電素子74,75に同位相の高周
波の交番電圧を印加する。なお、この印加電圧は、上記
圧電素子72a〜72dに印加した交番電圧と同一の周
波数を有する交番電圧とする。この印加電圧により上記
積層圧電素子74,75は伸縮し、これと接合された突
起部73a,73bは、図15(b)に示すように左右
方向に逆位相で振動する。この振動に関しては、印加電
圧の周波数を長さ方向の振動に関する共振周波数とする
必要はない。
【0087】上記の2つの交番電圧を同時に印加し、振
動を合成する事により、両突起部73a,73bには図
15(c)に示す楕円振動が生じる。この楕円振動によ
り、たとえば、図16に示したように、ばね156およ
びローラ161によって突起部73a,73bに押圧さ
れた移動体162に推力を発生させることができる。
【0088】これにより、楕円振動を効果的に励振する
ことができ、また、伸縮方向について共振を必要としな
いので、振動子の形状設定の自由度が大きい超音波振動
装置が実現できる。
【0089】図17は、本発明の第8実施例を示す超音
波振動子80の斜視図である。
【0090】この第8実施例は、基本的な構成は上記第
7実施例と同様であり、この第7実施例における弾性体
71にフィードバック用の振動検出用圧電素子を設けた
ことを特徴とする。
【0091】図に示すように、圧電素子72aの表面電
極を分割し、該圧電素子72aの一部を振動検出用圧電
素子81とする。この振動検出用圧電素子81は、前記
第3実施例における振動検出圧電素子31と同等の働き
を成すものであり、該第3実施例の場合同様、その表面
からは電気端子Fが引き出されていて、前記駆動回路内
の増幅器36a(図9参照)の入力端に接続されてい
る。そして、該弾性体71の振動を該駆動回路にフィー
ドバックするようになっている。
【0092】この第7実施例に接続される駆動回路は、
上記第3実施例における駆動回路と同等な回路を使用す
ることができる。したがって、本実施例の作用および効
果は上記第3実施例と同様なものとなる。
【0093】なお、本実施例においては、上述したよう
に、振動検出用圧電素子81は圧電素子72aを分割す
ることで形成されたが、これに限ることなく、たとえ
ば、圧電素子72aに該振動検出用圧電素子81を一体
して積層形成してもよいし、あるいは、上記第3実施例
と同様に、弾性体71上の、該圧電素子72aの近傍に
該振動検出用圧電素子81を設けてもよい。これらの場
合においても本実施例と同様な効果を得ることができ
る。
【0094】図18は、本発明の第9実施例を示す超音
波振動子90の斜視図である。
【0095】この第9実施例は、基本的な構成および作
用は上記第7実施例と同様であり、上記第6実施例同
様、断面が円形になっている点、および弾性体と圧電素
子の配置構成が異なっている点においてのみ相違してい
る。
【0096】本実施例には、上記第7実施例における弾
性体71を、3つの円柱形状を有する弾性体91で構成
し、該弾性体91の間に円盤形状の圧電素子92a,9
2bが図示の如く交互に配置され、また、該弾性体91
の両端には、円盤形状の積層圧電素子94,95が接合
されるように配置されている。さらに該積層圧電素子9
4,95を挟むように円盤形状の固定部96,97が接
合され、この固定部96,97の周面の互いに同一とな
る位置には、半球状に突起部93a,93bがそれぞれ
突設されている。そして、上記圧電素子91の周面から
は、電気端子A,A’,Gが、また、積層圧電素子9
4,95の周面からは、電気端子B,B’がそれぞれ図
示の如く引き出されていて、上記第7実施例同様に駆動
回路に接続されるようになっている。なお、上記圧電素
子92a,92bは、図18中、下部に示したように面
に垂直の方向に、面の半分ずつで逆向きに分極させてお
り、分極の境界線が平行になるように該弾性体91と接
合されている。
【0097】本実施例の作用は、基本的には上記第7実
施例と同様であり、相違点についてのみ述べる。
【0098】圧電素子92a,92bは、電気端子B−
G間に高周波の交番電圧を印加することにより、該圧電
素子92a,92bの厚さ方向に振動する。このとき、
分極の方向が上下で反転しているため、弾性体91には
図14に示したような2次モードの共振振動が発生す
る。
【0099】したがって、上記第7実施例と比較し、弾
性体の曲げ振動の変位は減少するが、より大きな電圧を
印加できるため、高出力化を図ることが可能となる。
【0100】図19は、本発明の第10実施例を示す超
音波振動子200の外観斜視図および上面図である。
【0101】この第10実施例も、上記実施例と同様に
基本的な構成は上記第7実施例と同様であり、相違点に
ついてのみ述べる。
【0102】上記第7実施例においては、2次の曲げ振
動の節である弾性体の中央部に設けられた前記シャフト
150に、前記ばね156を掛けて図16に示したよう
に弾性体71を弾性固定したが、本実施例では、該シャ
フト150に外部より軸受け151を嵌合させ、この軸
受け151の外輪に嵌合させた軸受けホルダ152の他
の部分を固定部(図示しない)に固着させる。これによ
り、超音波振動子200は、軸受け151を介して軸受
けホルダ152により移動体(図示せず)に押しつけら
れるようになる。
【0103】したがって、該超音波振動子200は、上
記シャフト150を中心に回動自在に保持されるため、
回動方向以外の変位は、振動も含め規制されることにな
る。
【0104】これにより、本実施例では、該超音波振動
子200の弾性体71の2次振動を妨げることなく、か
つ、超音波振動子としての駆動に寄与しない振れ等を生
じることなく該超音波振動子200を保持することが可
能となる。
【0105】図20は、本発明の第11実施例を示す超
音波振動子210の斜視図および上面図である。
【0106】この第11実施例も、基本的な構成は第7
実施例と同様であり、相違点についてのみ述べる。ま
た、本実施例は、上記第10実施例の変形例としても考
えられる。
【0107】本実施例では、超音波振動子210の、2
次の曲げ振動の節である弾性体71の中央部の正面およ
び後面側に、円錐状の窪み部164が設けられている。
そして、該弾性体71の前方および後方には、円柱形状
であって一側面に上記窪み部164と同様な円錐状の窪
み部を有する保持部材165が、該一側面の窪み部が該
窪み部164に対向するように、また他側面が固定部1
71に固着されてるように配設されている。さらに、該
保持部材165と上記窪み部164との間には、ステン
レス鋼等の高硬度の材質からなる球163が互いの窪み
部の内壁面に当接するように配設されていて、該球16
3を介して保持部材165で上記超音波振動子210を
挾み、該超音波振動子210を保持するようになってい
る。これにより、超音波振動子210は、保持部材16
5により球163を介して移動体(図示せず)に押しつ
けられることになる。
【0108】したがって、該超音波振動子210は、上
記第10実施例と同様に、上記保持部材165を中心に
回動自在に保持されるため、回動方向以外の変位は、振
動も含め規制されることになる。
【0109】これにより、本実施例では、上記第10実
施例よりも簡単な構造で該超音波振動子210の弾性体
71の2次振動を妨げることなく、かつ、超音波振動子
としての駆動に寄与しない振れ等を生じることなく該超
音波振動子210を保持することが可能となる。
【0110】図21は、本発明の第12実施例を示す超
音波振動子220の斜視図および上面図である。
【0111】この第12実施例も、基本的な構成は第7
実施例と同様であり、相違点についてのみ述べる。ま
た、上記第11実施例と同様に本実施例も上記第10実
施例の変形例として考えることもできる。
【0112】本実施例では、超音波振動子220の、2
次の曲げ振動の節である弾性体71の中央部の正面およ
び後面側に、円錐状の窪み部164が設けられている。
そして、該弾性体71の前方および後方には、円柱形状
であって一側面側が円錐状の突設部が形成されている保
持部材170が、該一側面側の該突設部が該窪み部16
4に対向するように、また他側面が固定部171に固着
されてるように配設されている。さらに、該保持部材1
70と上記窪み部164との間には、3個以上の、ステ
ンレス鋼等の高硬度の材質からなる球163が互いに上
記保持部材170の突設部の周面に当接するように配設
されていて、該球163を介して保持部材170で上記
超音波振動子220を挾み、該超音波振動子220を保
持するようになっている。これにより、超音波振動子2
20は、保持部材170により球163を介して移動体
(図示せず)に押しつけられることになる。
【0113】したがって、該超音波振動子220は、上
記第10実施例と同様に、上記保持部材170を中心に
回動自在に保持されるため、回動方向以外の変位は、振
動も含め規制されることになる。
【0114】これにより、本実施例では、上記第10実
施例に比較し、球163と保持部材170との接触部が
点接触となるため、該超音波振動子220の弾性体71
の2次振動を妨げることがより少なく、かつ、超音波振
動子としての駆動に寄与しない振れ等を生じることなく
該超音波振動子220を保持することが可能となる。
【0115】図22は、本発明の第13実施例を示す超
音波振動子230の斜視図および上面図である。
【0116】この第13実施例も、基本的な構成は第7
実施例と同様であり、相違点についてのみ述べる。
【0117】本実施例では、一端部に細幅部167を有
する弾性板166を、該細幅部167において、超音波
振動子230の、2次の曲げ振動の節である弾性体71
の中央部の正面および後面側に固着する。そして、上記
弾性板166の他端部は図示しない固定部に固着される
ようになっている。したがって、超音波振動子230
は、上記弾性板166により移動体(図示せず)に押し
つけられることとなり、上記細幅部167で弾性板16
6が捩れ、該超音波振動子230を回動自在に保持す
る。
【0118】本実施例では、上記第10実施例と比較
し、回動時に摺動がまったく生じないため、摩擦による
ロスがないという効果がある。。
【0119】図23は、本発明の第14実施例を示す超
音波振動子240の斜視図および正面図である。
【0120】この第14実施例も、基本的な構成は上記
第7実施例と同様であり、相違点についてのみ述べる。
【0121】本実施例では、上記第7実施例におけるシ
ャフト150のかわりに、振動の節の部分にエッジの頂
点168aを持つ角柱168を配設している。また、振
動子240は、エッジ受け169により、エッジの頂点
168aを介して移動体(図示せず)に押しつけられる
ようになっている。
【0122】したがって、該振動子240は、エッジの
頂点168aにおいて回動自在に保持される。
【0123】本実施例では、上記第10実施例と比較
し、摺動が無い線接触で保持しているため、摩擦による
ロスがないという効果がある。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、コ
ンパクトでエネルギー変換効率がよく、しかも大きな振
動出力を取り出すことができ、リニアモータとして用い
た場合に、駆動対象物を可逆的に移動可能である上、設
計上の制約が少なく、製作容易な超音波振動子および、
この振動子を有する超音波駆動装置を提供することがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す超音波振動子の斜視
図。
【図2】上記第1実施例の超音波振動子の正面図。
【図3】定在波の振動モードを示した線図。
【図4】(a)〜(d)は、種々のモードの振動を示し
た線図。
【図5】上記第1実施例の超音波振動子を用いた、本発
明の超音波駆動装置の1実施例を示した正面図。
【図6】上記第1実施例の超音波振動子における突起部
の他の例をそれぞれ示す斜視図。
【図7】本発明の第2実施例を示す超音波振動子の正面
図。
【図8】本発明の第3実施例を示す超音波振動子の正面
図。
【図9】上記第3実施例の超音波振動子の駆動回路の電
気回路をブロックで示した線図。
【図10】本発明の第4実施例を示す超音波振動子の斜
視図。
【図11】本発明の第5実施例を示す超音波振動子を上
方より見た平面図。
【図12】本発明の第6実施例を示す超音波振動子の斜
視図。
【図13】本発明の第7実施例を示す超音波振動子の斜
視図。
【図14】定在波の振動モードを示した線図。
【図15】(a)〜(c)は、種々のモードの振動を示
した線図。
【図16】上記第7実施例を具体的な使用法を示す斜視
図。
【図17】本発明の第8実施例を示す超音波振動子の斜
視図。
【図18】本発明の第9実施例を示す超音波振動子の斜
視図。
【図19】本発明の第10実施例を示す超音波振動子の
斜視図および上面図。
【図20】本発明の第11実施例を示す超音波振動子の
斜視図および上面図。
【図21】本発明の第12実施例を示す超音波振動子の
斜視図および上面図。
【図22】本発明の第13実施例を示す超音波振動子の
斜視図および上面図。
【図23】本発明の第14実施例を示す超音波振動子の
斜視図および正面図。
【図24】従来のリニア型の超音波モータの一例を示す
正面図。
【図25】上記従来の超音波モータの伝搬棒の屈曲進行
波とスライダーとの関係を模式的に示す部分拡大斜視
図。
【図26】従来のリニア型の超音波モータの他の例を示
す正面図。
【図27】従来のリニア型の超音波モータのさらに他の
例を示す斜視図。
【符号の説明】
1,71…弾性体 2a,2b,2c,2d,72a,72b,72c,7
2d…圧電素子 3a,3b,73a,73b…突起部 4,74…左積層圧電体 5,75…右積層圧電体 6,7,76,77…固定部 8a,8b…タップ孔 10,20,30,40,50,60,70,80,9
0,200,210,220,230,240…超音波
振動子 11…基台 13…スライダー 14…ベアリング 15…付勢ばね 16…固定支持部 31,81…振動検出圧電素子 150…シャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今林 浩之 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電素子が固定され、定在波型の屈曲振動
    を発生させる弾性体と、 一端を上記弾性体の端部に固定され、該屈曲振動の振幅
    に対し、略垂直な方向に積層されて、該積層方向に往復
    振動を発生させる積層型圧電素子と、 を具備したことを特徴とする超音波振動子。
  2. 【請求項2】圧電素子が固定され、定在波型の屈曲振動
    を発生させる弾性体と、 一端を上記弾性体の端部に固定され、該屈曲振動の振幅
    に対し、略垂直な方向に積層されて、該積層方向に往復
    振動を発生させる積層型圧電素子と、 上記弾性体もしくは積層型圧電素子の他端に対し、上記
    屈曲振動の振幅方向に圧接され、上記屈曲振動および往
    復振動により該弾性体および積層型圧電素子に対して相
    対移動される圧接部材と、 を具備したことを特徴とする超音波駆動装置。
  3. 【請求項3】圧電素子が固定され、定在波型の屈曲振動
    を発生させる弾性体と、 一端を上記弾性体の端部に、他端を固定部材に固定さ
    れ、上記屈曲振動の振幅に対し略垂直な方向に積層され
    て、該積層方向に往復振動を発生させる積層型圧電素子
    と、 を具備したことを特徴とする超音波振動子。
  4. 【請求項4】圧電素子が固定され、定在波型の屈曲振動
    を発生させる弾性体と、 一端を上記弾性体の端部に、他端を固定部材に固定さ
    れ、上記屈曲振動の振幅に対し略垂直な方向に積層され
    て、該積層方向に往復振動を発生させる積層型圧電素子
    と、 上記弾性体表面における上記屈曲振動の腹に対し、上記
    屈曲振動の振幅方向に圧接され、上記屈曲振動および往
    復振動により該弾性体に対して相対移動される圧接部材
    と、 を具備したことを特徴とする超音波駆動装置。
  5. 【請求項5】圧電素子が固定され、定在波型の屈曲振動
    を発生させるとともに、該屈曲振動の節の部分で固定部
    材に支持される弾性体と、 一端を上記弾性体の端部に固定され、上記屈曲振動の振
    幅に対し略垂直な方向に積層されて、該積層方向に往復
    振動を発生させる積層型圧電素子と、 を具備したことを特徴とする超音波振動子。
  6. 【請求項6】圧電素子が固定され、定在波型の屈曲振動
    を発生させるとともに、該屈曲振動の節の部分で固定部
    材に支持される弾性体と、 一端を上記弾性体の端部に固定され、上記屈曲振動の振
    幅に対し略垂直な方向に積層されて、該積層方向に往復
    振動を発生させる積層型圧電素子と、 この積層型圧電素子の他端に対し、上記屈曲振動の振幅
    方向に圧接され、上記屈曲振動および往復振動により該
    積層型圧電素子に対して相対移動される圧接部材と、 を具備したことを特徴とする超音波駆動装置。
JP3324741A 1991-09-20 1991-12-09 超音波振動子および超音波駆動装置 Withdrawn JPH05137359A (ja)

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