JP3170119B2 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JP3170119B2 JP25957493A JP25957493A JP3170119B2 JP 3170119 B2 JP3170119 B2 JP 3170119B2 JP 25957493 A JP25957493 A JP 25957493A JP 25957493 A JP25957493 A JP 25957493A JP 3170119 B2 JP3170119 B2 JP 3170119B2
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【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流／直流、さら
に直流／交流の変換を行う電力変換装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】コンバータ（交流／直流電力変換装置）
とインバータ（直流／交流電力変換装置）を用いて負荷
装置を制御する電力変換装置としては、例えば交流電動
機の可変速装置や無停電電源装置をはじめとして多くの
応用例があり、既に広く実用化されている。また、一旦
中間リンク部で直流電圧源に変換する方式は、中間リン
ク部のコンデンサで負荷の無効電力を処理可能なこと
や、直流電源部を共通母線として複数台のインバータを
接続できる等の利点があり、有用な電力変換装置となっ
ている。
【０００３】一般的には、上記の如き電力変換装置で
は、コンバータとインバータは独立して制御される場合
が多かったが、インバータの負荷急変に対してコンバー
タの直流電圧応答が追従できず直流電圧が過渡的に変動
し、インバータの制御の外乱になったり、極端な場合に
は回路部品の劣化を招くという問題があった。
【０００４】このような問題を解決する最近の技術例と
して、例えば特開平３−２４５７９３号公報に開示され
ている。この技術は図６に示すような回路構成をなして
いる。同図において、１は交流電源、５は負荷装置、１
１はコンバータ、１３はリアクトル、１４は電流検出
器、１６は増幅器、４１はインバータ、５０はリミッ
タ、５１は電源位相検出器、５２は電流指令発生回路、
５３は除算器、５４は乗算器、５５はインバータ制御
器、５６はインバータ入力平均電流計演算部、５７は電
流検出器である。
【０００５】上記の如き構成の従来の電力変換装置の制
御は、次の如く行われる。すなわち、コンバータ１１の
直流出力電圧ＶDの制御をするにあたり次の二つの検出
制御信号を用いてコンバータ１１の入力電流を制御して
いる。一つは直流出力電圧指令値ＶD＊と直流出力電圧
検出値ＶDとを比較し、その偏差を増幅器１６で増幅し
てコンバータ１１の第１の入力電流指令値ΔＩP＊とす
る（第１の制御ループ）。
【０００６】もう一つはインバータ出力電流検出値
ｉU，ｉVにＰＷＭ変調信号に基づくリップる除去処理を
して得られた瞬時インバータ入力電流信号ＩDCとインバ
ータ入力直流電圧検出値ＶDを乗算して瞬時インバータ
入力電力ＰLを得、さらに、コンバータ入力電圧で除算
してコンバータの第２の入力電流指令値ＩPL＊とし、コ
ンバータの第１の入力電流指令値ΔＩP＊とコンバータ
の第２の入力電流指令値ＩPL＊を加算してコンバータ入
力電流指令値Ｉ＊としてコンバータの入力電流を制御す
る（第２の制御ループ）。
【０００７】この従来の電力変換装置においては、定常
時には前記第１の制御ループでのフィードバック制御に
より精度良く、また過渡時には第２の制御ループでのフ
ィードフォワード制御により高速に制御され、コンバー
タ直流出力電圧の変動を低減することができる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来の
電力変換装置においては、インバータの入力電流相当の
信号をインバータの出力電流とインバータのＰＷＭパタ
ーン信号とから高速で複雑な演算により求めているの
で、高速な演算が必要なこと、およびインバータが複数
の場合には各インバータからインバータ入力電流相当の
信号をコンバータへ渡し、さらに各インバータの容量に
見合った重み付け処理をしなければ実現できないという
欠点があった。
【０００９】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、負荷装置、特に複数台の負荷装置へ複
数台のインバータで電力を供給する際の、負荷電力の急
変時にもコンバータの直流出力電圧の変動を最小限に抑
制する簡単でかつ安価な電力変換装置を提供することに
ある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項１の電力変換装置は、交流電源を直流電源
に変換する第１の電力変換器と、直流フィルタコンデン
サを備え前記直流電源を前記交流電源と異なる交流電源
に変換する第２の電力変換器と、前記直流電源の電圧に
関する信号と直流電圧指令信号を入力され電流偏差信号
を出力する直流電圧制御回路と、前記直流電源の電圧に
関する信号と前記第１の電力変換器の入力電流に関する
信号を入力され前記直流電源の電圧に関する信号の時間
微分値に直流電源に接続されている直流フィルタコンデ
ンサの総静電容量を乗算したのちに前記第１の電力変換
器の入力電流に関する信号との差を演算して瞬時値電流
指 令値を出力する直流負荷電流演算回路と、前記第１の
電力変換器の入力電流に関する信号と前記電流偏差信号
と前記瞬時値電流指令値を入力され前記第１の電力変換
器の入力電流を制御する電圧指令信号を出力する電流制
御回路とを備えた構成とする。
【００１１】また請求項２の電力変換装置は、請求項１
の電力変換装置において、直流電源には直流フィルタコ
ンデンサおよび第２の電力変換器の少なくとも一方が複
数個並列接続されている構成とする。
【００１２】
【作用】本発明によると、コンバータに対し、直流フィ
ルタコンデンサを有するインバータが複数台分散接続さ
れた電力変換装置においても、特別な付加装置を必要と
しないで負荷の瞬時電流相当値を演算にて検出すること
ができる。さらに直流電圧制御回路の出力と加算した信
号をコンバータの電流指令信号として、この電流指令信
号に一致するようにコンバータ電流を制御することによ
って、特別な付加装置を必要とせずに直流電圧の過渡変
動を低減することができる。これにより、インバータの
制御への外乱を低減でき、直流リンクを持つ電力変換装
置を安定かつ高速に制御することができる。
【００１３】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図１は本発明の一実施例の構成図である。同図にお
いて、交流電源１はコンバータ２により一旦直流電源に
変換され、さらに、インバータ３にて可変電圧・可変周
波数の交流電源に変換されて、負荷装置５に可変電力を
供給する。コンバータ２の内部は、第１の電力変換器１
１、交流リアクトル１３、交流入力の電流検出器１４、
出力直流電圧を制御する直流電圧制御回路１６および第
１の電力変換器１１の制御回路１５から成る。
【００１４】またインバータ３の内部は、第２の電力変
換器４１、直流コンデンサ４２および第２の電力変換器
４１の制御回路から成っている。インバータ３と同様の
ｎ台目のインバータ４が並列に接続され、それぞれのイ
ンバータ３，４に対してそれぞれ負荷装置５，６が接続
されている。なお、インバータ４の内部は第ｎの電力変
換器４７、直流コンデンサ４８および第ｎの電力変換器
４７の制御回路４９から成っている。
【００１５】コンバータ２の制御回路は、図４に示すよ
うに、直流電圧の定常値を制御する直流電圧制御回路１
６と、負荷に流すべき有効分電流を演算する直流負荷電
流演算回路２４と、直流電圧制御回路１６の出力である
電流偏差信号ΔＩP＊と直流負荷電流演算回路２４の出
力である瞬時値電流指令値信号ＩP＊との和ＩSP＊をコ
ンバータの電圧指令信号Ｖ S ＊として電流制御を行う電
流制御回路２６とから構成されている。
【００１６】図２は図１のコンバータ２の詳細な構成図
である。すなわち、制御回路１５の内部構成は、３相交
流電源の相電圧を検出し３相／２相変換器２１にて２相
電圧信号ｅSに変換し、また交流電源電流を検出して３
相／２相変換器２２にて２相電流信号ｉSに変換して座
標変換器２３に入力し、２相電流信号ｉSからコンバー
タの入力電流信号ＩPを得るようになっている。この入
力電流信号ＩPはコンバータ出力電流に対応する信号で
あるので、コンバータ出力電流相当の信号とみなしてよ
い。
【００１７】一方、直流母線の電圧は、電圧検出器１２
により直流電圧信号ＶDとして検出され、一つは直流電
圧制御回路１６へのフィードバック信号として、もう一
つは直流負荷電流演算回路２４へ入力される。
【００１８】直流電圧制御回路１６では、直流電圧指令
信号ＶD＊に直流電圧定常値が一致するように積分系増
幅器による制御を行い、制御出力として電流偏差信号Δ
ＩP＊を出力する。また、直流負荷電流演算回路２４は
図３に示すような機能ブロックで構成されており、直流
電圧信号ＶDを時間微分したものに直流母線に接続され
ている総静電容量ΣＣを積算して、入力電流Ｉ P より減
算し、後記（１）式に基づき直流負荷電流瞬時値ＩPLを
演算する。この出力を瞬時値電流指令値ＩP＊とし、前
記直流電圧制御回路１６の出力ΔＩP＊と加算し、リミ
ッタ２５を介してコンバータの電流指令値ＩSP＊とす
る。この電流指令値ＩSP＊に一致するよう電流制御回路
２６によってコンバータの入力電流ＩPをフィードバッ
ク制御するために、この出力である電圧指令信号ＶS＊
を座標変換器２７により交流電源電圧に同期した交流電
圧指令ＶSO＊とし、さらにＰＷＭ制御回路２８を介して
第１の電力変換器１１を駆動する。
【００１９】ところで、直流母線での負荷電流の瞬時値
ＩPLとコンバータ入力電流瞬時値ＩPと直流母線に接続
されている総静電容量の充電電流瞬時値ＩC の関係は図
５に示すような等価回路で表現できる。したがって、直
流負荷電流演算回路２４では次式によりＩPLを演算す
る。
【００２０】上記（１）式により、総負荷電流の瞬時値
ＩPLが求められ、これをコンバータの瞬時値電流指令値
ＩP＊とし、この指令値に一致するようにコンバータの
入力電流ＩPを流せば、直流母線のコンデンサへの充放
電電流は原理的にはゼロとなり、直流母線電圧は変動し
ない。実際には、検出誤差や演算誤差、およびコンバー
タの電流制御回路２６の応答遅れにより完全に負荷電流
を相殺することはできないが、これは積分系の増幅器で
構成した直流電圧制御回路１６の出力である電流偏差信
号ΔＩP＊を瞬時値電流指令値ＩP＊に加算してコンバー
タの電流指令値ＩSP＊とすることによって定常値を偏差
なく制御することができる。
【００２１】上述したように、本実施例の電力変換装置
においては、負荷の瞬時電流を、直流電圧の時間変化率
とコンバータの出力電流相当信号Ｉ P と負荷の総静電容
量Σ Ｃとから演算して求め、さらに直流電圧制御回路１
６の出力と加算した信号をコンバータの電流指令信号と
する。この電流指令信号に一致するようにコンバータ電
流を制御することによって、インバータとのインターフ
ェイスや特別な付加装置を必要とせず、直流電圧の過渡
変動を低減することができる。これにより、インバータ
の制御への外乱を低減でき、直流リンクを持つコンバー
タ，インバータシステムを安定かつ高速に制御すること
が可能となる。
【００２２】さらに、本発明は、交流／直流電力変換す
るコンバータの出力を共通母線として、直流フィルタコ
ンデンサと複数台のインバータを有し、複数の負荷を駆
動する電力変換装置において、特に大きな利点を得るこ
とができる。すなわち、各インバータからの負荷電流相
当の信号をインターフェイスすることなく、総負荷の瞬
時電流を簡単な演算回路だけで求めることができ、この
負荷電流信号に基づき共通のコンバータが流すべき電流
指令を高速に補償制御することができる。
【００２３】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コンバータに対し、直流フィルタコンデンサを有するイ
ンバータが複数台分散接続された電力変換装置において
も、特別な付加装置を必要としないで負荷の瞬時電流相
当値を演算にて検出することができる。これにより、本
発明の電力変換装置は直流電圧の過渡変動が低減され、
インバータの制御への外乱が低減されて安定かつ高速に
制御される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例の構成図。
【図２】図１のコンバータ構成図。
【図３】図２の直流負荷電流演算回路の機能ブロック
図。
【図４】図１の制御部分の機能ブロック図。
【図５】本発明の原理を説明するための図。
【図６】従来の電力変換装置の構成図。
【符号の説明】
１…交流電源、２…コンバータ、３…インバータ、４…
第ｎのインバータ、５…負荷装置、６…負荷装置、１１
…第１の電力変換器、１２…電圧検出器、１３…交流リ
アクトル、１４…電流検出器、１５…コンバータ制御回
路、１６…直流電圧制御回路、２１…３相／２相変換回
路、２２…３相／２相変換回路、２３…座標変換回路、
２４…直流負荷電流演算回路、２５…リミッタ、２６…
電流制御回路、２７…座標変換回路、２８…ＰＷＭ制御
回路、Ｖ D ＊…直流電圧指令信号、ΔＩ P ＊…電流偏差信
号、Ｉ P ＊…瞬時値電流指令値、Ｖ S ＊…電圧指令信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H02M 7/00 - 7/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 交流電源を直流電源に変換する第１の電
    力変換器と、直流フィルタコンデンサを備え前記直流電
    源を前記交流電源と異なる交流電源に変換する第２の電
    力変換器と、前記直流電源の電圧に関する信号と直流電
    圧指令信号を入力され電流偏差信号を出力する直流電圧
    制御回路と、前記直流電源の電圧に関する信号と前記第
    １の電力変換器の入力電流に関する信号を入力され前記
    直流電源の電圧に関する信号の時間微分値に直流電源に
    接続されている直流フィルタコンデンサの総静電容量を
    乗算したのちに前記第１の電力変換器の入力電流に関す
    る信号との差を演算して瞬時値電流指令値を出力する直
    流負荷電流演算回路と、前記第１の電力変換器の入力電
    流に関する信号と前記電流偏差信号と前記瞬時値電流指
    令値を入力され前記第１の電力変換器の入力電流を制御
    する電圧指令信号を出力する電流制御回路とを備えたこ
    とを特徴とする電力変換装置。
  2. 【請求項２】 直流電源には直流フィルタコンデンサお
    よび第２の電力変換器の少なくとも一方が複数個並列接
    続されていることを特徴とする請求項１記載の電力変換
    装置。
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