JP3168638B2 - 摺動部材および耐汚染部材 - Google Patents

摺動部材および耐汚染部材

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JP3168638B2
JP3168638B2 JP29039191A JP29039191A JP3168638B2 JP 3168638 B2 JP3168638 B2 JP 3168638B2 JP 29039191 A JP29039191 A JP 29039191A JP 29039191 A JP29039191 A JP 29039191A JP 3168638 B2 JP3168638 B2 JP 3168638B2
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  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形収縮が小さく、耐
衝撃性、成形加工性、耐汚染性、摺動性に優れた、摺動
部材および耐汚染部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ギア、軸受けなどの摺動部材
の材料として、ポリオキシメチレン、ナイロン6、ナイ
ロン6,6などが知られている。これらの材料は、優れ
た摺動性を有するが、成形時の成形収縮が大きく、その
ため寸法安定性に劣り、大型あるいは肉厚の成形品では
ヒズミ、変形が生じる。従って、このことが、これらの
材料を寸法精度が要求される用途、大型あるいは肉厚が
要求される用途の成形品の成形材料とするときの大きな
支障となっている。一方、洗面ユニット、厨房器具など
の耐汚染部材の成形材料として、ナイロン4,6、ポリ
フッ化ビニリデンなどが知られている。これらの材料
は、優れた耐汚染性を有するが、成形時の成形収縮が大
きく、上記の摺動部材と同様の支障を有している
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術の課題を背景になされたもので、成形収縮が小さ
く、耐衝撃性、成形加工性、耐汚染性、摺動性に優れ
た、摺動部材および耐汚染部材を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式R1 n
SiO(4-n)/2 (式中、R1 は置換または非置換の1価
の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す)で表さ
れる構造単位を有するオルガノシロキサン(I)90〜
99.8重量%と、化2
【化2】 (式中、R2 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基を示す)で表される不飽和基とアルコキシシリル基と
を合わせ持つグラフト交叉剤(II) 10〜0.2重量%
とを縮合させて得られる変性ポリオルガノシロキサン
(III)5〜80重量部に、少なくとも1種のビニル系モ
ノマー(IV)95〜20重量部〔ただし、(III)+(I
V) =100重量部〕を重合して得られ、かつグラフト
率が10重量%以上、ビニル系モノマー(IV) がグラフ
トされている変性ポリオルガノシロキサン(III)の分散
粒子の平均粒子径が5,000Å以下である、ポリオル
ガノシロキサン系熱可塑性樹脂または上記ポリオルガノ
シロキサン系熱可塑性樹脂を含有する組成物からなる摺
動部材および耐汚染部材を提供するものである。
【0005】本発明に使用されるオルガノシロキサン
(I)は、前記一般式で表される構造単位を有するもの
であり、直鎖状、分岐状または環状構造を有するが、好
ましくは環状構造を有するオルガノシロキサンである。
このオルガノシロキサン(I)の有する置換または非置
換の1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基、およびそれ
らをハロゲン原子またはシアノ基で置換した置換炭化水
素基などを挙げることができる。また、前記平均組成式
中、nの値は0〜3の整数である。オルガノシロキサン
(I)の具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロ
キサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメ
チルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキ
サシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロ
キサンなどの環状化合物のほかに、直鎖状あるいは分岐
状のオルガノシロキサンを挙げることができる。
【0006】なお、このオルガノシロキサン(I)は、
あらかじめ縮合された、例えばポリスチレン換算の重量
平均分子が500〜10,000程度のポリオルガノシ
ロキサンであってもよい。また、オルガノシロキサン
(I)が、ポリオルガノシロキサンである場合、その分
子鎖末端は、例えば水酸基、アルコキシ基、トリメチル
シリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビ
ニルシリル基、メチルジフェニルシリル基などで封鎖さ
れていてもよい。
【0007】次に、本発明で使用されるグラフト交叉剤
(II) は、前記一般式で表される不飽和基とアルコキシ
シリル基とを合わせ持つ化合物である。前記一般式のR
2 としては、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
であるが、水素原子または炭素数1〜2のアルキル基が
好ましく、さらに好ましくは水素原子またはメチル基で
ある。これらの化合物としては、具体的にはp−ビニル
フェニルメチルジメトキシシラン、1−(m−ビニルフ
ェニル)メチルジメチルイソプロポキシシラン、2−
(p−ビニルフェニル)エチレンメチルジメトキシシラ
ン、3−(p−ビニルフェノキシ)プロピルメチルジエ
トキシシラン、3−(p−ビニルベンゾイロキシ)プロ
ピルメチルジメトキシシラン、1−(o−ビニルフェニ
ル)−1,1,2−トリメチル−2,2−ジメトキシジ
シラン、1−(p−ビニルフェニル)−1,1−ジフェ
ニル−3−エチル−3,3−ジエトキシジシロキサン、
m−ビニルフェニル−〔3−(トリエトキシシリル)プ
ロピル〕ジフェニルシラン、〔3−(p−イソプロペニ
ルベンゾイルアミノ)プロピル〕フェニルジプロポキシ
シラン、2−(m−ビニルフェニル)エチルメチルジメ
トキシシラン、2−(o−ビニルフェニル)エチルメチ
ルジメトキシシラン、1−(p−ビニルフェニル)エチ
ルメチルジメトキシシラン、1−(m−ビニルフェニ
ル)エチルメチルジメトキシシラン、1−(o−ビニル
フェニル)エチルメチルジメトキシシランなどのほか、
これらの混合物を挙げることができる。
【0008】グラフト交叉剤(II) としては、好ましく
はp−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、2−
(p−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラ
ン、3−(p−ビニルベンゾイロキシ)プロピルメチル
ジメトキシシランであり、さらに好ましくはp−ビニル
フェニルメチルジメトキシシランである。このグラフト
交叉剤の使用割合は、(I)成分と(II) 成分の合計量
中、0.2〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%
であり、0.2重量%未満では得られる変性ポリオルガ
ノシロキサン(III)とビニル系モノマー(IV) とのグラ
フト重合において高いグラフト率が得られず、その結
果、変性ポリオルガノシロキサン(III)とグラフトされ
たビニルポリマー間の界面接着力が低下し、層状剥離が
生じて得られるポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹脂
に充分な衝撃強度が得られない。一方、グラフト交叉剤
(II) の割合が10重量%を超えると、グラフト率は増
大するが、グラフトされたビニルポリマーの重合がグラ
フト交叉剤(II) の増加とともに低下し、このビニルポ
リマーが低分子量となり、その結果、充分な衝撃強度が
得られない。
【0009】変性ポリオルガノシロキサン(III)は、前
記オルガノシロキサン(I)とグラフト交叉剤(II) と
を、例えばアルキルベンゼンスルホン酸などの乳化剤の
存在下にホモミキサーなどを用いて剪断混合し、縮合さ
せることによって製造することができる。この乳化剤
は、オルガノシロキサン(I)の乳化剤として作用する
ほか縮合開始剤となる。この乳化剤の使用量は、(I)
成分および(II) 成分の合計量に対して、通常、0.1
〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%程度である。
なお、この際の水の使用量は、(I)成分および(II)
成分100重量部に対して、通常、100〜500重量
部、好ましくは200〜400重量部である。また、縮
合温度は、通常、5〜100℃である。
【0010】なお、変性ポリオルガノシロキサン(III)
の製造に際し、得られる樹脂の耐衝撃性を改良するため
に、第3成分として架橋剤を添加することもできる。こ
の架橋剤としては、例えばメチルトリメトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ンなどの3官能性架橋剤、テトラエトキシシランなどの
4官能性架橋剤を挙げることができる。この架橋剤の添
加量は、オルガノシロキサン(I)およびグラフト交叉
剤(II) の合計量に対して、通常、10重量%以下、好
ましくは5重量%以下程度である。なお、このようにし
て得られる変性ポリオルガノシロキサン(III)のポリス
チレン換算重量平均分子量は、通常、30,000〜
1,000,000、好ましくは50,000〜30
0,000程度である。
【0011】次に、このようにして得られる変性ポリオ
ルガノシロキサン(III)に、ビニル系モノマー(IV) を
グラフト重合することにより、グラフト共重合体〔グラ
フトされていない(共)重合体を含む〕を含有するポリ
オルガノシロキサン系熱可塑性樹脂が得られる。なお、
本発明で規定するポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹
脂とは、変性ポリオルガノシロキサン(III)の存在下に
ビニル系モノマー(IV) をグラフト重合して得られるグ
ラフト系のグラフト共重合体のほか、該グラフト共重合
体と(IV) 成分の(共)重合体との混合物であってもよ
い。
【0012】本発明に使用されるビニル系モノマー(I
V)としては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、
モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモス
チレン、クロルスチレン、α−メチルスチレン、スチレ
ンスルホン酸ナトリウムなどの芳香族ビニル化合物;メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ア
リルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル化合
物;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートなどのアクリル酸エス
テル化合物;アクリロニトリル、メタクリニトリルな
どのシアン化ビニル化合物;エチレン、プロピレンなど
のオレフィン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン
などの共役ジオレフィン;マレイミド、N−メチルマレ
イミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミ
ド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロ
モフェニル)マレイミド、トリブロモフェニルマレイミ
ド、N−(p−クロルフェニル)マレイミドなどのマレ
イミド系化合物;無水マレイン酸などの酸無水物;およ
び酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、トリアリ
ルイソシアヌレート、アクリル酸、メタクリル酸などが
挙げられ、これらは単独であるいは混合して使用され
る。
【0013】これらのビニル系モノマー(IV)のう
ち、好ましくは芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル
酸エステル化合物、シアン化ビニル化合物、マレイミド
系化合物および酸無水物である。このうち、芳香族ビニ
ル化合物としては、好ましくはスチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレンであり、(メタ)アクリル
酸エステル化合物としては、好ましくはメチルメタクリ
レートであり、シアン化ビニル化合物としては、好まし
くはアクリロニトリル、メタクリロニトリルであり、マ
レイミド系化合物としては、好ましくはマレイミド、N
−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、トリブロモフェニルマレイミドであり、酸無水物と
しては、好ましくは無水マレイン酸である。なお、ビニ
ル系モノマー(IV)中、シアンビニル化合物を含有
する場合には、該シアン化ビニル化合物の含有率は50
重量%以下が好ましい。
【0014】変性ポリオルガノシロキサン(III)にビニ
ル系モノマー(IV) をグラフト重合する際の仕込み組成
は、(III)成分5〜80重量部、好ましくは10〜60
重量部、さらに好ましくは10〜40重量部、(IV) 成
分が95〜20重量部、好ましくは90〜40重量部、
さらに好ましくは90〜60重量部〔ただし、(III)+
(IV) =100重量部〕であり、(III)成分が5重量部
未満では充分な摺動性、耐汚染性、耐衝撃性が得られ
ず、一方(III)成分が80重量部を超えると成形時の成
形収縮が大きくなり、成形加工性が低下する。
【0015】このようにして得られる本発明のポリオル
ガノシロキサン系熱可塑性樹脂のグラフト率は、10重
量%以上、好ましくは20重量%以上、さらに好ましく
は30重量%以上程度である。ポリオルガノシロキサン
系熱可塑性樹脂のグラフト率が10重量%未満では、該
樹脂の成形時の成形収縮が大きくなり、さらに外観不
良、衝撃強度の低下が生じる。このグラフト率は、重合
開始剤の量および種類、重合温度、重合方法などを適宜
選択することにより、調整することができる。
【0016】また、本発明に使用されるポリオルガノシ
ロキサン系熱可塑性樹脂中のビニル系モノマー(IV) が
グラフトされている変性ポリオルガノシロキサン(III)
の分散粒子の平均粒子径は、5,000Å以下、好まし
くは4,000Å以下、さらに好ましくは3,000Å
以下である。この平均粒子径が5,000Åを超える
と、摺動性、耐汚染性が充分でなく、また成形時の成形
収縮が大きくなるので、好ましくない。この平均粒子径
は、使用する変性ポリオルガノシロキサン(III)の粒子
径を選択することで、調整することができる。なお、使
用する変性ポリオルガノシロキサン(III)の粒子径は、
該(III)成分の製造時に攪拌条件を選択することによ
り、調整することができる。
【0017】本発明に使用されるポリオルガノシロキサ
ン系熱可塑性樹脂を製造するに際しては、例えば変性ポ
リオルガノシロキサン(III)にビニル系モノマー(IV)
を通常のラジカル重合によってグラフト重合し、グラフ
ト共重合体を含有する組成物として得られる。ここで、
ラジカル重合開始剤の種類によっては、前述のようにア
ルキルベンゼンスルホン酸により酸性となっている変性
ポリオルガノシロキサン(III)のラテックスを、アルカ
リで中和する必要がある。このアルカリとしては、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、トリエタノールアミン、トリ
エチルアミンなどが用いられる。また、ラジカル重合開
始剤としては、例えばクメンハイドロパーオキサイド、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラ
メンタンハイドロパーオキサイドなどの有機ハイドロパ
ーオキサイド類からなる酸化剤と、含糖ピロリン酸鉄処
方、スルホキシレート処方、含糖ピロリン酸鉄処方/ス
ルホキシレート処方の混合処方などの還元剤との組み合
わせによるレドックス系の開始剤;過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;アゾビスイソブチロ
ニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレー
ト、2−カルバモイルアザイソブチロニトリルなどのア
ゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイドなどの有機過酸化物などを挙げることがで
き、好ましくは前記レドックス系の開始剤である。これ
らのラジカル重合開始剤の使用量は、使用されるビニル
系モノマー(IV)100重量部に対し、通常、0.05
〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部程度である。
【0018】この際のラジカル重合法としては、乳化重
合あるいは溶液重合によって実施することが好ましい。
乳化重合に際しては、公知の乳化剤、前記ラジカル開始
剤、連鎖移動剤などが使用される。ここで、乳化剤とし
ては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリ
ル硫酸ナトリウム、ジフェニルエーテルジスルホン酸ナ
トリウム、コハク酸ジアルカリエステルスルホン酸ナト
リウムなどのアニオン系乳化剤、あるいはポリオキシエ
チレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキル
アリルエーテルなどのノニオン系乳化剤の1種または2
種以上を挙げることができる。乳化剤の使用量は、ビニ
ル系モノマー(IV) に対して、通常、0.5〜5重量%
程度である。連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカ
プタン、オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメル
カプタン、n−ヘキシルメルカプタンなどのメルカプタ
ン類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化合物
が、ビニル系モノマー(IV)に対して、通常、0.02
〜1重量%使用される。乳化重合に際しては、ラジカル
重合開始剤、乳化剤、連鎖移動剤などのほかに、必要に
応じて各種電解質、pH調整剤などを併用して、ビニル
系モノマー(IV) 100重量部に対して、通常、水を1
00〜500重量部と、前記ラジカル重合開始剤、乳化
剤、連鎖移動剤などを前記範囲内の量を使用し、重合温
度5〜100℃、好ましくは50〜90℃、重合時間
0.1〜10時間の条件で乳化重合される。なお、乳化
重合の場合は、オルガノシロキサン(I)とグラフト交
叉剤(II)との縮合によって得られる、変性オルガノポ
リシロキサン(III)を含有するラテックスに、ビニル系
モノマー(IV) およびラジカル開始剤を加えることによ
って実施することもできる。
【0019】一方、溶液重合の場合は、変性ポリオルガ
ノシロキサン(III)およびビニル系モノマー(IV) を、
有機溶媒に溶解し、これにラジカル開始剤、必要に応じ
て連鎖移動剤、各種添加剤を加えてラジカル重合させ
る。この溶液重合で使用される有機溶媒としては、トル
エン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、
テトラヒドロフランなどが挙げられる。溶液重合に際し
ては、ラジカル重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤な
どを併用して、ビニル系モノマー(IV) 100重量部に
対して、通常、有機溶媒を80〜500重量部と、前記
ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤などを前記範囲内の量
を使用し、重合温度5〜150℃、好ましくは50〜1
30℃、重合時間1〜10時間の条件で溶液重合され
る。この溶液重合の場合は、乳化重合の場合よりも不純
物を著しく減少することができる。本発明のポリオルガ
ノシロキサン系熱可塑性樹脂は、乳化重合により製造し
た場合、通常の塩凝固法により凝固させ、得られた粉末
を水洗したのち、乾燥することによって精製される。ま
た、溶液重合の場合、水蒸気蒸溜によって未反応の単量
体と溶媒を留去したのち、得られる樹脂の塊を細かく砕
いて乾燥することによって精製される。
【0020】これらの方法で得られたポリオルガノシロ
キサン系熱可塑性樹脂は、押し出し機などの混練り機で
ペレット化することができる。この際、要求される性能
に応じて他の既知の熱可塑性重合体を、通常、99重量
%以下、好ましくは90重量%以下程度適宜ブレンドし
て用いてもよい。このような重合体としては、例えばポ
リブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、天
然ゴムなどのジエン系ゴム;アクリルゴム、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレンなどの
オレフィン系ゴム;スチレン−ブタジエンブロック共重
合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体、スチレン−ブタジエン−スチレンラジアルテレブロ
ック共重合体などの芳香族ビニル−共役ジエン系ブロッ
ク共重合体;該ブロック共重合体の水素化物;ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、ゴム強化ポリスチレン(HIP
S)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂
(ABS樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレ
ン−スチレン樹脂(AES樹脂)、メタクリル酸メチル
−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−メタクリル酸メチル−スチレン
樹脂、アクリロニトリル−n−ブチルアクリレート−ス
チレン樹脂(AAS樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリカー
ボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチルテ
レフタレート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリフッ
化ビニリデン、ポリスルホン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、PPS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、P
PO樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体、ゴム変性PPO樹
脂、スチレン−マレイミド系共重合体、ゴム変性スチレ
ン−マレイミド系共重合体、ポリアミド系エラストマ
ー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げられる。
【0021】また、本発明のポリオルガノシロキサン系
熱可塑性樹脂には、必要に応じて摺動性付与剤を添加す
ることができる。この摺動性付与剤としては、ポリテト
ラフルオロエチレンなどのポリフッ化エチレン;二硫化
モリブデンなどの硫化モリブデン;ナイロン6、ナイロ
ン6,6、ナイロン4,6などのナイロン;ポリオキシ
メチレン、ワラストナイト、チタン酸カリウム、マイ
カ、カーボンファイバー、炭化ケイ素ウィスカーなどが
挙げられる。これらの摺動性付与剤の添加効果を高める
ための配合量は、ポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹
脂100重量部に対して、0.5〜40重量部である。
さらに、本発明のポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹
脂には、必要に応じてガラス繊維、金属繊維、充填剤、
顔料、難燃剤、安定剤、帯電防止剤などを添加すること
ができる。本発明のポリオルガノシロキサン系熱可塑性
樹脂の配合方法は特に制限されるものではないが、例え
ばヘンシェルミキサー、タンブラーなどで混合し、さら
にバッチニーダー、バンバリーミキサー、単軸または2
軸スクリュー押し出し機で溶融混合する方法などが挙げ
られる。
【0022】本発明は、以上のようなポリオルガノシロ
キサン系熱可塑性樹脂からなる摺動部材および耐汚染部
材である。ここで、本発明の熱可塑性樹脂からなる摺動
部材は、摺動性を必要とする用途に用いられる成形品で
あり、この成形品には、フィルム、シート状のものも含
まれる。摺動部材としては、例えば自動車分野では、ス
テアリング用滑り軸受け、シフトレバー用滑り軸受け、
ペダル(アクセル、クラッチ、ブレーキ)用滑り軸受
け、シートベルト巻き取り部品内滑り軸受け、各種スイ
ッチ、各種モーター内ギア、ウインドレギュレーター、
ドアロック内滑り軸受け、シートベルトバックルなどが
挙げられ、OA機器分野では、PPC内滑り軸受け、P
PC内ギア、レーザープリンター内ギア、ドットプリン
ター内ギア、ドットプリンター紙送りローラー、ドット
プリンターヘッドキャリッジ用滑り軸受け、ファクシミ
リ滑り軸受け、ファクシミリギア、その他のギア用途、
キートップ、ステム、わく、ステム一体型キートップな
どのキーボード用途などが挙げられ、AV機器分野で
は、各種オーディオ機器(VTR、チューナー、プレー
ヤー、DATなど)のギア、ローラー、スイッチなどが
挙げられ、電気機器分野では、家庭電気製品のギア、滑
り軸受け(エアコン、バリカン、洗濯機、掃除機、扇風
機など)が挙げられ、そのほか一般産業分野では、各種
ギア(時計、カメラ、玩具など)、軸受け保持器、軸受
けのシール材、各種ポンプの滑り軸受け、各種産業機械
の滑り軸受け、カーテンレールリング、ブラインドギア
などが挙げられる。従来、キーボード分野においては、
キートップは、印刷性、外観などの問題でABS樹脂が
使用され、ステムにはABS樹脂との摺動性の問題でP
OMが使用され、わく材には寸法精度、ウエルド強度の
問題でABS樹脂が使用されてきた。しかしながら、コ
ンピュータの小型化にともない、キーボードも薄型のも
のが好まれ、キートップとステムを一体型にする設計が
望まれるようになった。
【0023】このことを解決するためには二つの方法が
あり、一つは摺動性、印刷性、外観が優れるステム一体
型キートップを設計することであり、もう一方はステム
一体型キートップをABS樹脂にし、わく材を寸法精
度、ウエルド強度、摺動性などが良好な素材にすること
である。このことは、ABS樹脂の特性を損なわず、摺
動性を向上させた本発明の素材が最適であることを示唆
している。また、従来の樹脂ギアは、駆動中に発生する
きしみ音の問題があり、近年、高級化志向を受けて音の
鳴らない樹脂ギアの開発が望まれている。音発生の機構
については未だ解明されていないが、本発明の素材が駆
動性がよく、音の発生がないことから、この用途に最適
であることは明白である。また、本発明の熱可塑性樹脂
からなる耐汚染部材は、耐汚染性を必要とする用途に使
用する成形品であり、この成形品には、フィルム、シー
トも含まれる。この耐汚染部材としては、例えば洗面ユ
ニット、厨房器具、パネル、ハウジング、搬送用ベルト
などが挙げられる。以上の摺動部材、耐汚染部材の成形
法としては、射出成形法、圧縮成形法、トランスファー
成形法、押し出し成形法、中空成形法、ロール加工法、
真空成形法、粉末成形法、インサート成形法、アウトサ
ート成形法などが挙げられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中の部および%は、特に断ら
ない限り重量部および重量%である。また、実施例中、
各種の測定項目は、下記に従った。グラフト率 グラフト重合生成物の一定重量(x)をアセトン中に投
入し、振とう機で2時間振とうし、遊離の共重合体を溶
解させ、遠心分離機を用いて回転数23,000rpm
で30分間遠心分離し、不溶分を得る。次に、真空乾燥
機を用いて120℃で1時間乾燥し、不溶分重量(y)
を得、次式によりグラフト率、グラフト効率を算出し
た。 グラフト率(%)={〔y/(x×グラフト重合生成物
中の(III)成分分率〕×100
【0025】平均粒子径 分散粒子の平均粒子径は、あらかじめ乳化状態で合成し
たラテックスの粒子径がそのまま樹脂中の分散粒子の粒
子径を表すことを電子顕微鏡で確認したので、ラテック
ス中の分散粒子の粒子径を光散乱法で測定した。測定機
器は、大塚電子(株)製、LPA−3100を使用し、
70回積算でキュムラント法を用い、粒子径を計算し
た。アイゾット衝撃強度 ASTM D256にて、1/4″、23℃、ノッチ付
きの試験条件で測定した。単位は、kg・cm/cmである。動摩擦係数 鈴木式摺動試験機を使用し、相手材としてはスチール
(S45C)を用いた。試験片は、外径25.6mm、内
径20.0mmの中空円筒状のものを用い、相手材も同様
の形状のものを用いた。動摩擦係数の測定条件は、室温
23℃、湿度50%の雰囲気中で荷重5kg、走行速度5
0cm/秒で測定した。動摩擦係数は、次式によって算出
する。 μ=〔3×F×(r2 2 −r1 2 )〕/〔P×(r2 3 −r1 3 )〕 (式中、μは動摩擦係数、Fはロードセルに与える力、
Pは荷重、Rはロードセルまでのアーム長、r1 は内
径、r2 は外径を表す。)耐汚染性 油性のマジックインキで樹脂板に文字を書き、払いワイ
プで拭き取り、マジックインキが取れるか取れないかを
判断した。 ○;取れる。 ×;取れない。
【0026】参考例1(変性ポリオルガノシロキサンR
−1〜3の製造) p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン1.5部お
よびオクタメチルシクロテトラシロキサン98.5部を
混合し、これをドデシルベンゼンスルホン酸2.0部を
溶解した蒸溜水300部中に入れ、ホモミキサーにより
3分間撹拌して乳化分散させた。この混合液を、コンデ
ンサー、チッ素導入口および撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに移し、撹拌混合しながら90℃で6時間加熱
し、5℃で24時間冷却することによって縮合を完結さ
せた。得られた変性ポリオルガノシロキサン(III)中の
オクタメチルシクロテトラシロキサンの縮合率は92.
8%であった。同様にして、予備攪拌条件を変えて平均
粒子径の異なる変性ポリオルガノシロキサンを得た。結
果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】参考例2(熱可塑性樹脂A−1〜5の製
造) 攪拌機を備えた内容積7リットルのガラス製フラスコ
に、イオン交換水100部、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.5部、水酸化カリウム0.01部、t
−ドデシルメルカプタン0.1部および表2に示す割合
で、参考例1の変性ポリオルガノシロキサンラテックス
と各種ビニル系モノマーからなるバッチ重合成分を加
え、攪拌しながら昇温した。温度が45℃に達した時点
で、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1部、硫酸
第1鉄0.003部、ホルムアルデヒドナトリウムスル
ホキシラート・二水塩0.2部およびイオン交換水15
部よりなる活性剤水溶液、ならびにジイソプロピルベン
ゼンヒドロパーオキサイド0.1部を添加し、1時間反
応を続けた。
【0029】その後、イオン交換水50部、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム1部、水酸化カリウム0.
02部、t−ドデシルメルカプタン0.1部、ジイソプ
ロピルベンゼンヒドロパーオキサイド0.2部および表
2に示す割合の各種ビニル系モノマーよりなるインクレ
メント重合成分の混合物を3時間にわたって連続的に添
加し、反応を続けた。添加終了後、さらに攪拌しながら
1時間反応を続けたのち、2,2−メチレン−ビス−
(4−エチレン−6−t−ブチルフェノール)0.2部
を添加し、反応生成物をフラスコより取り出した。次い
で、塩化カリウム2部を用いて生成物を凝固させ、脱
水、水洗、乾燥を行って、粉末状の熱可塑性樹脂A−1
〜5を回収した。表2に、重合転化率、グラフト率を記
す。
【0030】
【表2】
【0031】実施例1〜5、比較例1〜4 表3〜4に示す各成分を、内径40mmの押し出し機で
温度230℃にて溶融混練りし、ペレットを作製した。
このペレットを5oz射出成形機〔東芝(株)製、IS
−80A〕を用い、成形温度230℃で成形して試験片
を作製し、その物性を評価た。結果を表3〜4に示
す。なお、用いたAS樹脂は、日本合成ゴム(株)製、
JSR AS230であり、ABS樹脂は、同社製、J
SR ABS #12である。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】実施例6〜7、比較例5(打鍵耐久試験後
のフィーリング試験) 図1に示すステム一体型キートップを有するキーボード
用スイッチのキートップ材質あるいはわく材質に、実施
例1で得られたペレットあるいはABS樹脂〔日本合成
ゴム(株)製、ABS15〕を用い、打鍵耐久試験後の
フィーリング試験を行った。ここで、打鍵耐久試験後の
フィーリング試験は、次のようにして測定した。結果を
表5に示す。
【0035】打鍵耐久試験後のフィーリング試験 図1に示すようなステム一体型キートップを有するキー
ボード用スイッチにおいて、300万回打鍵後のフィー
リング試験を、アイコーエンジニアリング社製のMOD
EL−1305Dを用いて実施した。 最大押圧力の変化率; 最大押圧力の変化率=〔(P0 −P300 )/P0 〕×1
00(%) (式中、P0 は耐久試験前の最大押圧力、P300 は耐久
試験後の最大押圧力を示す。) クリック率の変化率; クリック率の変化率=K0 −K300 (%) 〔式中、K0 は耐久試験前のクリック率、K300 は耐久
試験後のクリック率を示す。ここで、クリック率は、最
大押圧力をP、最小押圧力をBとすると、〔(P−B)
/P〕×100(%)で表される。〕 引っ掛かり率; 引っ掛かり率=H(%) (式中、Hは、耐久試験後のキートップを100回押し
たときのステムが引っ掛かった回数を示す。)
【0036】
【表5】
【0037】打鍵耐久試験後のフィーリング試験は、そ
の素材がキーボード用途に実際に使用できるか否かを判
定する指標である。表5から明らかなように、実施例1
のペレットは、キーボードのステム一体型キートップ材
およびわく材のどちらに使用しても、最大押圧力の変化
率、クリック率の変化率、引っ掛かり率のいずれも良好
であり、キーボード用に使用した場合、設計時と変わら
ぬフィーリング感、およびキーが戻ってこないような不
良は起こらず、有用な素材であることが分かる。
【0038】実施例8〜10、比較例6〜7(樹脂ギア
におけるきしみ音特性の評価) 実施例1で得られたペレット、実施例6で用いられたA
BS樹脂、あるいはPOM〔ポリプラスチック(株)
製、ジュラコンM90−44〕を用い、表6に示す形状
のJIS3級のギアを成形し、表7の組み合わせで噛み
合わせたときの騒音レベル(150rpm、400g・
cm)と10,000Hzにおける音圧を測定した。結
果を表7に示す。
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】近年、樹脂ギアを使用する場合における不
快なきしみ音をなくすことが要求されている。樹脂ギア
におけるきしみ音特性の評価は、この要求特性を示す指
標となるものである。表7から明らかなように、実施例
1のペレットを用いたギア(実施例8〜10)では、相
手材を選ばず、ギアのちらか一方に使用するだけで騒
音レベルを低減できることが分かる。また、実際にキー
キーといった不快な音の周波数である10,000Hz
における音圧は、実施例8〜10のいずれも0で、まっ
たく不快なきしみ音を発生しない樹脂ギアとして使用す
ることができることが分かる。
【0042】
【発明の効果】本発明の摺動部材および耐汚染部材は、
成形収縮が少なく、かつ耐衝撃性、耐汚染性、摺動性に
優れている。このように成形収縮が小さくかつ摺動性を
兼ね備えた摺動部材、耐汚染部材は、従来存在しなかっ
たものである。このように、本発明の摺動部材および耐
汚染部材は、優れた性能を有するものであり、その工業
的意義は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステム一体型キートップを有するキーボード用
スイッチの断面構成図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 明 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/08 C08L 51/08 F16C 33/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式R1 n SiO(4-n)/2 (式中、R
    1 は置換または非置換の1価の炭化水素基であり、nは
    0〜3の整数を示す)で表される構造単位を有するオル
    ガノシロキサン(I)90〜99.8重量%と、化1 【化1】 (式中、R2 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
    基を示す)で表される不飽和基とアルコキシシリル基と
    を合わせ持つグラフト交叉剤(II) 10〜0.2重量%
    とを縮合させて得られる変性ポリオルガノシロキサン
    (III)5〜80重量部に、少なくとも1種のビニル系モ
    ノマー(IV) 95〜20重量部〔ただし、(III)+(I
    V) =100重量部〕を重合して得られ、かつグラフト
    率が10重量%以上、ビニル系モノマー(IV) がグラフ
    トされている変性ポリオルガノシロキサン(III)の分散
    粒子の平均粒子径が5,000Å以下である、ポリオル
    ガノシロキサン系熱可塑性樹脂または上記ポリオルガノ
    シロキサン系熱可塑性樹脂を含有する組成物からなる摺
    動部材。
  2. 【請求項2】 一般式R1 n SiO(4-n)/2 (式中、R
    1 は置換または非置換の1価の炭化水素基であり、nは
    0〜3の整数を示す)で表される構造単位を有するオル
    ガノシロキサン(I)90〜99.8重量%と、上記化
    1で表される不飽和基とアルコキシシリル基とを合わせ
    持つグラフト交叉剤(II) 10〜0.2重量%とを縮合
    させて得られる変性ポリオルガノシロキサン(III)5〜
    80重量部に、少なくとも1種のビニル系モノマー(I
    V) 95〜20重量部〔ただし、(III)+(IV) =10
    0重量部〕を重合して得られ、かつグラフト率が10重
    量%以上、ビニル系モノマー(IV) がグラフトされてい
    る変性ポリオルガノシロキサン(III)の分散粒子の平均
    粒子径が5,000Å以下である、ポリオルガノシロキ
    サン系熱可塑性樹脂または上記ポリオルガノシロキサン
    系熱可塑性樹脂を含有する組成物からなる耐汚染部材。
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