JPH10176017A - 塩化ビニル系樹脂用改質剤およびそれを用いた塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂用改質剤およびそれを用いた塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH10176017A
JPH10176017A JP35333396A JP35333396A JPH10176017A JP H10176017 A JPH10176017 A JP H10176017A JP 35333396 A JP35333396 A JP 35333396A JP 35333396 A JP35333396 A JP 35333396A JP H10176017 A JPH10176017 A JP H10176017A
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vinyl chloride
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chloride resin
resin
parts
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JP35333396A
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English (en)
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Masaaki Motai
政明 馬渡
Masanori Suzuki
昌則 鈴木
Norifumi Sumimoto
典史 住本
Shinobu Fukumura
忍 福村
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Techno UMG Co Ltd
Original Assignee
Techno Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル系樹脂用の耐衝撃性、摺動性改質
剤、およびそれを塩化ビニル系樹脂に配合した優れた耐
衝撃性および摺動性を有する塩化ビニル系樹脂組成物を
提供すること。 【解決手段】 ポリオルガノシロキサン系ゴム質重合体
1〜80重量%の存在下に、芳香族ビニル化合物、シア
ン化ビニル化合物および(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの群から選ばれた少なくとも2種の単量体成分9
9〜20重量%をグラフト重合したゴム変性熱可塑性樹
脂からなり、アセトン不溶部のトルエン膨潤率が100
〜2,000重量%である塩化ビニル系樹脂用改質剤、
ならびに上記塩化ビニル系樹脂用改質剤0.5〜60重
量%、および塩化ビニル系樹脂99.5〜40重量%を
主成分とする塩化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
用の耐衝撃性、摺動性改質剤、およびこれを塩化ビニル
系樹脂に配合した、耐衝撃性、摺動性に優れた塩化ビニ
ル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、安価であり、種々
の優れた化学的性質、物理的性質を有するため、広範囲
の用途に使用されている。しかしながら、塩化ビニル系
樹脂単独の成形品は、衝撃性、摺動性に劣るという欠点
を有している。耐衝撃性を改良する目的から、ゴム質重
合体に、スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸メ
チルなどの単量体をグラフト重合して得られるグラフト
共重合体を塩化ビニル系樹脂に混合する方法が、特公昭
56−22339号公報、特公昭57−26536号公
報、特公昭60−27689号公報などで提案されてい
るが、耐衝撃性はある程度改良されるものの、低温耐衝
撃性などの向上が充分でなく、また摺動性は改良されな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術の課題を背景になされたもので、塩化ビニル系樹脂
用の耐衝撃性、摺動性改質剤、およびそれを塩化ビニル
系樹脂に配合した、優れた耐衝撃性および摺動性を有す
る塩化ビニル系樹脂組成物を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリオルガノ
シロキサン系ゴム質重合体1〜80重量%の存在下に、
芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物および(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの群から選ばれた少な
くとも2種の単量体成分99〜20重量%をグラフト重
合したゴム変性熱可塑性樹脂からなり、アセトン不溶部
のトルエン膨潤率が100〜2,000重量%である塩
化ビニル系樹脂用改質剤、ならびに上記塩化ビニル系樹
脂用改質剤0.5〜60重量%、および塩化ビニル系樹
脂99.5〜40重量%を主成分とする塩化ビニル系樹
脂組成物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるポリオルガノ
シロキサン系ゴム質重合体のラテックスは、公知の方
法、例えば米国特許第2891920号明細書、同第3
294725号明細書などに記載された方法で得ること
ができる。好ましい方法としては、オルガノシロキサン
を、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸
などのスルホン酸系乳化剤の存在下に、ホモミキサーま
たは超音波混合機などを用いて水と剪断混合し、縮合さ
せることによって製造することができる。アルキルベン
ゼンスルホン酸は、オルガノシロキサンの乳化剤として
作用すると同時に、重合開始剤ともなるので好適であ
る。この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アル
キルスルホン酸金属塩などを併用すると、グラフト重合
を行う際に、ポリマーを安定に維持するのに効果がある
ので好ましい。このとき、必要によってグラフト交叉
剤、架橋剤を、本発明の目的の性能を損なわない範囲で
共縮合させてもよい。
【0006】ここで、使用されるオルガノシロキサン
は、例えば一般式Rm SiO(4-m)/2(式中、Rは置換
または非置換の1価の炭化水素基であり、mは0〜3の
整数を示す)で表される構造単位を有するものであり、
直鎖状、分岐状または環状構造を有するが、好ましくは
環状構造を有するオルガノシロキサンである。このオル
ガノシロキサンの有する置換または非置換の1価の炭化
水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、フェニル基、およびそれらをシアノ基などで置換し
た置換炭化水素基などを挙げることができる。
【0007】オルガノシロキサンの具体例としては、ヘ
キサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサ
ン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチル
トリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状化合物の
ほかに、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンを
挙げることができる。これらオルガノシロキサンは、単
独でも、あるいは2種以上を併用することができる。な
お、このオルガノシロキサンは、あらかじめ縮合され
た、例えばポリスチレン換算の重量平均分子量が500
〜10,000程度のポリオルガノシロキサンであって
もよい。また、オルガノシロキサンが、ポリオルガノシ
ロキサンである場合、その分子鎖末端は、例えば水酸
基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、ジメチルビニ
ルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチルジ
フェニルシリル基などで封鎖されていてもよい。上記オ
ルガノシロキサンは、1種単独で使用することも、ある
いは2種以上を混合して用いることもできる。
【0008】また、本発明の目的を損なわない範囲で使
用するグラフト交叉剤は、例えば下記一般式で表される
不飽和基と、アルコキシシリル基とを併せ持つ化合物で
ある。 CH2 =C(R1 )−φ−(CH2 n − (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基、好ましくは水素原子または炭素数1〜2のアルキル
基、さらに好ましくは水素原子またはメチル基、nは0
〜12の整数、好ましくは0を示す。)
【0009】上記化合物としては、具体的にはp−ビニ
ルフェニルメチルジメトキシシラン、1−(m−ビニル
フェニル)メチルジメチルイソプロポキシシラン、2−
(p−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラ
ン、3−(p−ビニルフェノキシ)プロピルメチルジエ
トキシシラン、3−(p−ビニルベンゾイロキシ)プロ
ピルメチルジメトキシシラン、1−(o−ビニルフェニ
ル)−1,1,2−トリメチル−2,2−ジメトキシジ
シラン、1−(p−ビニルフェニル)−1,1−ジフェ
ニル−3−エチル−3,3−ジエトキシジシロキサン、
m−ビニルフェニル−〔3−(トリエトキシシリル)プ
ロピル〕ジフェニルシラン、〔3−(p−イソプロペニ
ルベンゾイルアミノ)プロピル〕フェニルジプロポキシ
シラン、2−(m−ビニルフェニル)エチルメチルジメ
トキシシラン、2−(o−ビニルフェニル)エチルメチ
ルジメトキシシラン、1−(p−ビニルフェニル)エチ
ルメチルジメトキシシラン、1−(m−ビニルフェニ
ル)エチルメチルジメトキシシラン、1−(o−ビニル
フェニル)エチルメチルジメトキシシランなどのほか、
これらの混合物を挙げることができる。これらのグラフ
ト交叉剤のうち、好ましくはp−ビニルフェニルメチル
ジメトキシシラン、2−(p−ビニルフェニル)エチル
メチルジメトキシシラン、3−(p−ビニルベンゾイロ
キシ)プロピルメチルジメトキシシランであり、さらに
好ましくはp−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン
である。
【0010】このグラフト交叉剤の使用割合は、オルガ
ノシロキサンとグラフト交叉剤および架橋剤の合計量1
00重量部に対し、好ましくは0〜10重量部、さらに
好ましくは0.2〜10重量部、特に好ましくは0.5
〜5重量部である。グラフト交叉剤の使用量が多いと、
グラフトしたビニル系ポリマーの分子量が低下し、その
結果、充分な耐衝撃性が得られない。また、グラフト化
後のポリオルガノシロキサン系ゴム質重合体の2重結合
より酸化劣化が進行し易く、耐候性の良好なグラフト共
重合体(ゴム変性熱可塑性樹脂)が得られない。
【0011】なお、ポリオルガノシロキサン系ゴム質重
合体ラテックスの粒子の平均粒子径は、好ましくは5,
000オングストローム以下、さらに好ましくは4,0
00オングストローム以下、特に好ましくは1,000
〜4,000オングストロームである。この平均粒子径
は、上記乳化剤および水の量、ホモミキサーまたは超音
波混合機などを用いて混合したときの分散の程度または
オルガノシロキサンのチャージ方法によって、容易に制
御することができる。5,000オングストロームを超
えると、光沢が劣る。
【0012】また、このようにして得られるポリオルガ
ノシロキサン系ゴム質重合体のポリスチレン換算重量平
均分子量は、3万〜100万、好ましくは5万〜30万
である。3万未満では、得られるグラフト共重合体、お
よびこれを塩化ビニル系樹脂に配合した組成物の耐衝撃
性が劣る。一方、100万を超えると、高分子鎖の絡み
合いが強いため、ゴム粒子のゴム弾性が低下し、耐衝撃
性が低下する。この重量平均分子量の調整は、ポリオル
ガノシロキサン系ゴム質重合体調製時の縮重合温度と時
間を変えることにより、容易に調整することができる。
すなわち、縮重合温度が低いほど、冷却時間が長いほ
ど、高分子量化する。また、架橋剤を少量添加すること
でも、高分子量化することができる。なお、ポリオルガ
ノシロキサン系ゴム質重合体の分子鎖末端は、例えば水
酸基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、ジメチルビ
ニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチル
ジフェニルシリル基などで封鎖されていてもよい。
【0013】上記乳化剤の使用量は、オルガノシロキサ
ンとグラフト交叉剤および架橋剤の合計量100重量部
に対し、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜
3重量部である。なお、この際の水の使用量は、オルガ
ノシロキサンとグラフト交叉剤および架橋剤の合計量1
00重量部に対し、通常、100〜500重量部、好ま
しくは200〜400重量部である。また、縮合温度
は、通常、5〜100℃である。
【0014】なお、ポリオルガノシロキサン系ゴム質重
合体の製造に際し、得られるグラフト共重合体の耐衝撃
性を改良するために、第3成分として架橋剤を添加する
こともできる。この架橋剤としては、例えばメチルトリ
メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチル
トリエトキシシランなどの3官能性架橋剤、テトラエト
キシシランなどの4官能性架橋剤を挙げることができ
る。これら架橋剤は、1種単独で使用することも、ある
いは2種以上を混合して用いることもできる。また、こ
れら架橋剤として、あらかじめ縮重合させた架橋プレポ
リマーを用いてもよい。この架橋剤の添加量は、オルガ
ノシロキサンとグラフト交叉剤および架橋剤の合計量1
00重量部に対し、好ましくは10重量部以下、さらに
好ましくは5重量部以下、特に好ましくは0.01〜5
重量部である。10重量部を超えると、ポリオルガノシ
ロキサン系ゴム質重合体の柔軟性が損なわれるため、摺
動性、耐衝撃性が低下する。
【0015】次に、このようにして得られるポリオルガ
ノシロキサン系ゴム質重合体に、芳香族ビニル化合物、
シアン化ビニル化合物および(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルの群から選ばれた少なくとも2種の単量体成
分をグラフト重合することにより、本発明のゴム変性熱
可塑性樹脂からなる塩化ビニル系樹脂用改質剤が得られ
る。ここで、本発明に使用される単量体成分のうち、芳
香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、モノブロモスチレ
ン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロルス
チレン、スチレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げら
れ、これらは、1種単独で使用することも、あるいは2
種以上を混合して用いることもできる。また、シアン化
ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリルなどが挙げられ、これらは、1種単独で使用す
ることも、あるいは2種以上を混合して用いることもで
きる。さらに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
しては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、ブチルメタク
リレート、アリルメタクリレート、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタク
リレートなどが挙げられ、これらは、1種単独で使用す
ることも、あるいは2種以上を混合して用いることもで
きる。
【0016】以上の単量体成分は、芳香族ビニル化合
物、シアン化ビニル化合物および(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルの群から選ばれた少なくとも2種が用い
られる。上記単量体成分のうち、1種類のみを用いたの
では、摺動性が劣る。好適な組み合わせは、下記のもの
を主成分とする単量体成分である。 スチレン/アクリロニトリル スチレン/メチルメタクリレート α−メチルスチレン/アクリロニトリル さらに好ましくは、スチレン/アクリロニトリルであ
り、その比率は、スチレン/アクリロニトリル=85〜
65/15〜35重量%が特に好ましい。
【0017】ポリオルガノシロキサン系ゴム質重合体に
上記単量体成分をグラフト重合する際の仕込み組成は、
ポリオルガノシロキサン系ゴム質重合体1〜80重量
%、好ましくは5〜80重量%、さらに好ましくは10
〜70重量%、上記単量体成分99〜20重量%、好ま
しくは95〜20重量%、さらに好ましくは90〜30
重量%〔ただし、ポリオルガノシロキサン系ゴム質重合
体+単量体成分=100重量%〕である。ポリオルガノ
シロキサン系ゴム質重合体が1重量%未満では、ゴム量
が少ないため、耐衝撃性が低下し、一方80重量%を超
えると、グラフト結合するビニル系ポリマーの割合が減
少し、その結果、ポリオルガノシロキサン系ゴム質重合
体とビニル系ポリマーとの間に充分な界面接着力が得ら
れず、得られるグラフト共重合体の耐衝撃性が低下し、
結果として、塩化ビニル系樹脂配合後の耐衝撃性が劣
る。
【0018】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂(グラフト
共重合体)は、ポリオルガノシロキサン系ゴム質重合体
に単量体成分がグラフトしたグラフトポリマーと、単量
体成分がグラフトせずに(共)重合したマトリックス成
分とからなる。ここで、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂
のグラフト率は、特に限定されないが、10重量%以上
が好ましく、さらに好ましくは20重量%以上、特に好
ましくは30〜120重量%の範囲である。グラフト率
が10重量%未満では、グラフト不足によりマトリック
ス成分との相溶性が低下し、耐衝撃性が低下する。一
方、120重量%を超えると、流動性、耐衝撃性、摺動
性が低下する恐れがある。ここで、グラフト率は、一般
的にはアセトン可溶部と不溶部とを遠心分離機で分別す
ることで測定する公知の方法で測定することができる。
グラフト率の調整は、ゴム変性熱可塑性樹脂の製造に用
いる、ポリオルガノシロキサン系ゴム質重合体中のグラ
フト交叉剤量、ゴム変性熱可塑性樹脂製造の際のグラフ
ト開始剤種と使用量、あるいは仕込みゴム量/単量体成
分との比を適切に選ぶことにより、調整できる。
【0019】また、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂中の
マトリックス成分の極限粘度(メチルエチルケトン、3
0℃で測定)は、好ましくは0.2〜2dl/gであ
る。マトリックス成分の極限粘度が0.2dl/g未満
では、得られるゴム変性熱可塑性樹脂の耐衝撃性が低下
し、一方2dl/gを超えると、流動性が低下する。こ
こで、この極限粘度の調整は、ゴム変性熱可塑性樹脂合
成時の連鎖移動剤種と使用量、あるいはグラフト重合開
始剤/単量体成分との比を変量することで容易に調整す
ることができる。
【0020】なお、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂は、
ポリオルガノシロキサン系ゴム質重合体の存在下に、上
記単量体成分をグラフト重合して得たものでもよく、ま
た、これにポリオルガノシロキサン系ゴム質重合体の非
存在下に上記単量体成分を重合したものを適宜配合した
ものでもよい。
【0021】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂のグラフト
重合は、ラジカル重合によって得られる。この際のラジ
カル重合は、好ましくは乳化重合である。乳化重合に
は、ラジカル重合開始剤、乳化剤、連鎖移動剤などが用
いられる。ラジカル重合開始剤としては、例えばクメン
ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイ
ドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシラウレイトなどの有機ハイ
ドロパーオキサイド類からなる酸化剤と、含糖ピロリン
酸鉄処方、スルホキシレート処方、含糖ピロリン酸鉄処
方/スルホキシレート処方の混合処方などの還元剤との
組み合わせによるレドックス系の開始剤;過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;アゾビスイソ
ブチロニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブ
チレート、2−カルバモイルアザイソブチロニトリルな
どのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイドなどの有機過酸化物などを挙げること
ができ、好ましくは上記レドックス系の開始剤である。
これらのラジカル重合開始剤の使用量は、使用される単
量体成分100重量部に対し、通常、0.05〜5重量
部、好ましくは0.1〜3重量部程度である。
【0022】乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジフェニル
エーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルカリ
エステルスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系乳化
剤、あるいはポリオキシエチレンアルキルエステル、ポ
リオキシエチレンアルキルアリルエーテルなどのノニオ
ン系乳化剤が挙げられ、これらは、1種単独で使用する
ことも、あるいは2種以上を混合して用いることもでき
る。乳化剤の使用量は、上記単量体成分100重量部に
対して、通常、0.5〜5重量部である。
【0023】連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタ
ン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプ
タン、n−ヘキシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメ
ルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テト
ラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラエ
チルチウラムスルフィド、四塩化炭素、臭化エチレン、
ペンタンフェニルエタンなどの炭化水素塩類、テルペン
類、またはアクロレイン、メタクロレイン、アリルアル
コール、2−エチルヘキシルチオグリコール、α−メチ
ルスチレンダイマーなどが挙げられる。これら連鎖移動
剤は、単独でも2種以上を組み合わせても使用すること
ができる。連鎖移動剤の使用量は、単量体成分100重
量部に対し、通常、0.02〜1重量部用いられる。
【0024】グラフト重合に際しては、ラジカル重合開
始剤、乳化剤、連鎖移動剤などのほかに、必要に応じて
各種電解質、pH調整剤などを併用して、単量体成分1
00重量部に対して、通常、水を100〜500重量部
と、上記ラジカル重合開始剤、乳化剤、連鎖移動剤など
を上記範囲内の量使用し、通常、重合温度5〜100
℃、好ましくは50〜90℃、重合時間0.1〜10時
間の条件で乳化重合される。ポリオルガノシロキサン系
ゴム質重合体の存在下に、上記単量体成分をグラフト重
合する際、単量体成分は、一括して添加重合しても、分
割あるいは連続して添加重合しても、さらにこれらを組
み合わせた方法で重合してもよい。
【0025】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂は、上記の
乳化重合により得られるラテックスを、通常法により凝
固させ、得られた粉末を水洗したのち、乾燥することに
よって精製される。得られたゴム変性熱可塑性樹脂は、
押し出し機などの混練り機でペレット化することができ
る。本発明の目的を達成するうえで、上記ゴム変性熱可
塑性樹脂のアセトン不溶部のトルエン膨潤率は、100
〜2,000重量%、好ましくは200〜1,800重
量%、さらに好ましくは300〜1,600重量%、特
に好ましくは400〜1,300重量%である。トルエ
ン膨潤率が100重量%未満では、塩化ビニル系樹脂を
配合した組成物の耐衝撃性および摺動性が劣り、一方
2,000重量%を超えると、耐衝撃性が劣る。
【0026】ここで、トルエン膨潤率は、下記の方法な
どで測定される。すなわち、ゴム変性熱可塑性樹脂をア
セトンに溶解したのち、遠心分離で不溶部を取り出し、
真空乾燥機でこの不溶部(ゲル)を充分乾燥したのち、
ゲルを秤量し、トルエンに入れて3日間放置し、その
後、200メッシュ金網でろ過し、10分間放置後、膨
潤物の重量を測定し、下記式で膨潤率を算出する。 膨潤率(%)=(膨潤後のゲル重量/膨潤測定前のゲル
重量)×100
【0027】上記トルエン膨潤率は、ポリオルガノシロ
キサン系ゴム質重合体製造時に使用量するグラフト交叉
剤、架橋剤の使用量を変量したり、またゴム変性熱可塑
性樹脂製造時のラジカル重合開始剤量を変量することで
調整することができる。さらに、公知のシランカップリ
ング剤、過酸化物などを、ゴム変性熱可塑性樹脂に変量
配合し、加熱溶融混練りすることでも、調整することが
できる。
【0028】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂からなる塩
化ビニル系樹脂用改質剤は、樹脂組成物中に、0.5〜
60重量%、好ましくは3〜40重量%の範囲で、塩化
ビニル系樹脂に配合すると、耐衝撃性、摺動性に優れた
塩化ビニル系樹脂組成物が得られる。組成物中における
塩化ビニル系樹脂用改質剤の使用量が0.5重量%未満
では、塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性および摺動性の改良
効果が小さく、一方60重量%を超えて配合されても、
耐衝撃性および摺動性は良好であるが、経済的でないの
で好ましくない。
【0029】本発明において用いられる塩化ビニル系樹
脂とは、塩化ビニル単独重合体、または80重量%以上
の塩化ビニルと20重量%以下のこれと共重合可能な他
の単量体との共重合体などである。ここで、共重合可能
な他の単量体としては、酢酸ビニル、エチレン、アクリ
ル酸エステル、臭化ビニルなどが挙げられる。さらに
は、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレンも含ま
れるが、好ましいものは、塩化ビニルの単独重合体であ
る。本発明の塩化ビニル系樹脂用改質剤と塩化ビニル系
樹脂との混合は、通常公知の混練り機械、例えばミキシ
ングロール、カレンダーロール、バンバリーミキサー、
押し出し機、ニーダーなどを用い、120〜220℃の
溶融温度で、混練りすることにより実施される。
【0030】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、必
要に応じて、染料、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候
(光)剤、有機・無機補強剤、有機・無機充填剤、難燃
剤、抗菌・防カビ剤、分子量100万以上の、超高分子
量AS樹脂、超高分子量PMMA、超高分子量PTFE
などの加工助剤、発泡剤、可塑剤、滑剤などを配合する
ことができる。
【0031】このようにして得られる本発明の塩化ビニ
ル系樹脂組成物は、シート・フィルム押し出し成形、発
泡押し出し成形、異形押し出し成形、ブロー成形、イン
フレーション成形、射出成形、真空成形、圧縮成形、回
転成形などの成形法によって、製品を得ることができ
る。上記成形法で得られる製品は、建材分野、車両分
野、OA・家電分野、サニタリー分野、雑貨などの各種
分野のパーツとして広く用いることができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中の部および%は、特に断ら
ない限り重量部および重量%である。また、実施中、各
種測定項目は、下記に従った。
【0033】ラテックスの平均粒子径 電子顕微鏡写真により、n=100の粒子直径を測定
し、その平均値を平均粒子径とした。トルエン膨潤率 ゴム変性熱可塑性樹脂をアセトン中に投入し、振とう機
で6時間振とうし、遊離の共重合体を溶解させたのち、
遠心分離機を用いて、回転数23,000rpmで60
分間遠心分離し、不溶部と可溶部とを分離した。次い
で、不溶部を真空乾燥機で充分乾燥し、ゴム変性熱可塑
性樹脂のアセトン不溶部を得た。この不溶部約0.2g
を秤量し(W1 )、50mlのトルエンに入れたのち、
3日間放置し、その後、200メッシュ金型でろ過し、
10分間放置後、トルエン膨潤物の重量(W2 )を測定
し、下記式でトルエン膨潤率を測定した。 トルエン膨潤率(%)=(W2 /W1 )×100
【0034】耐衝撃性 ASTM D256に従い、1/4インチ厚みの試験片
を用い、ノッチ付き、23℃でアイゾット衝撃強さを測
定した。
【0035】摺動特性 摺動特性は、鈴木式摺動試験機を使用し、相手材として
はスチール(S45C)を用いた。試験片は、外径2
5.6mm、内径20.0mmの中空円筒状のものを用
い、相手材も同様の形状のものを用いた。摺動試験の条
件は、室温23℃、湿度50%の雰囲気で、荷重2k
g、走行速度500mm/秒、走行時間=10時間、走
行距離=18kmで測定した。摩耗量の測定は、(試験
前の試験片重量)−(試験後の試験片重量)により算出
し、動摩擦係数は、次式により算出した。 μ=〔3×F×R×(r2 2−r1 2)〕/〔P×(r2 3
1 3)〕 式中、μは動摩擦係数、Fはロードセルの与える力、R
はロードセルまでのアーム長、r1 試験片内径、r2
試験片外径、Pは荷重を表す。
【0036】参考例1(ポリオルガノシロキサン系ゴム
質重合体ラテックスR−1〜6の調製) R−1の調製;p−ビニルフェニルメチルジメトキシシ
ラン1.3部およびオクタメチルシクロテトラシロキサ
ン98.7部を混合し、これを、ドデシルベンゼンスル
ホン酸2.0部を溶解した蒸留水300部中に入れ、ホ
モジナイザーにより3分間攪拌して乳化分散させた。こ
の混合液を、コンデンサー、チッ素導入口および攪拌機
を備えたセパラブルフラスコに移し、攪拌混合しながら
90℃で6時間加熱し、5℃で24時間保持し、縮合を
完結させた。得られたポリオルガノシロキサン系ゴム質
重合体の縮合率は、93%であった。このラテックス
を、炭酸ナトリウム水溶液でpH7に中和した。得られ
たポリオルガノシロキサン系ゴム質重合体ラテックスの
平均粒子径は、3,000オングストロームであった。
【0037】R−2の調製;R−1の調製において、p
−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン2.5部およ
びオクタメチルシクロテトラシロキサン97.5部を用
いた以外は、R−1と同様にして、ラテックスR−2を
得た。縮合率は93%、平均粒子径は3,000オング
ストロームであった。 R−3の調製;R−1の調製において、p−ビニルフェ
ニルメチルジメトキシシラン1.0部、テトラエトキシ
シラン1.5部およびオクタメチルシクロテトラシロキ
サン97.5部を用いた以外は、R−1と同様にして、
ラテックスR−3を得た。縮合率は93%、平均粒子径
は3,000オングストロームであった。
【0038】R−4の調製;R−1の調製において、p
−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン0.3部およ
びオクタメチルシクロテトラシロキサン99.7部を用
いた以外は、R−1と同様にして、ラテックスR−4を
得た。縮合率は93%、平均粒子径は3,000オング
ストロームであった。 R−5の調製;R−1の調製において、p−ビニルフェ
ニルメチルジメトキシシランを用いず、テトラエトキシ
シラン0.3部およびオクタメチルシクロテトラシロキ
サン99.7部を用いた以外は、R−1と同様にして、
ラテックスR−5を得た。縮合率は93%、平均粒子径
は3,000オングストロームであった。
【0039】R−6の調製;R−1の調製において、p
−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン8部、テトラ
エトキシシラン8部およびオクタメチルシクロテトラシ
ロキサン84部を用いた以外は、R−1と同様にして、
ラテックスR−6を得た。縮合率は93%、平均粒子径
は3,000オングストロームであった。
【0040】実施例1(ゴム変性熱可塑性樹脂P−1の
調製) 攪拌機を備えたオートクレーブに、イオン交換水100
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、
水酸化カリウム0.01部、上記ラテックスR−1を4
0部(固形分換算)、スチレン15部、およびアクリロ
ニトリル5部を添加した。チッ素置換したのち、攪拌し
ながら昇温した。内温45℃に達した時点で、ピロリン
酸ソーダ0.2部、ブドウ糖0.25部、硫酸第1鉄
0.004部およびクメンハイドロパーオキサイド0.
15部を添加し、2時間反応を続けた(1段目)。その
後、イオン交換水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム1部、水酸化カリウム0.02部、クメンハ
イドロパーオキサイド0.2部、スチレン30部、アク
リロニトリル10部よりなる成分を4時間かけて連続添
加重合した(2段目)。添加終了後、さらに攪拌を続け
ながら1時間反応させたのち、2,2−メチレン−ビス
−(4−エチレン−6−t−ブチルフェノール)0.2
部を乳化状態で添加し、反応を終了した。塩化カリウム
を用いて、生成物を凝固させ、脱水、水洗、乾燥を行
い、樹脂P−1を得た。樹脂P−1のアセトン不溶部の
トルエン膨潤率は、680%であった。
【0041】実施例2(ゴム変性熱可塑性樹脂P−2の
調製) 樹脂P−1の調製において、クメンハイドロパーオキサ
イドの代わりに、t−ブチルパーオキシラウレイトを1
段目/2段目=0.25/0.15部を使用した以外
は、P−1と同様にして、樹脂P−2を得た。樹脂P−
2のアセトン不溶部のトルエン膨潤率は、520%であ
った。 実施例3(ゴム変性熱可塑性樹脂P−3の調製) 樹脂P−1の調製において、R−1の代わりにR−2を
使用した以外は、P−1と同様にして、樹脂P−3を得
た。樹脂P−3のアセトン不溶部のトルエン膨潤率は、
580%であった。
【0042】実施例4(ゴム変性熱可塑性樹脂P−4の
調製) 樹脂P−1の調製において、R−1の代わりにR−3を
使用した以外は、P−1と同様にして、樹脂P−4を得
た。樹脂P−4のアセトン不溶部のトルエン膨潤率は、
480%であった。 実施例5(ゴム変性熱可塑性樹脂P−5の調製) 樹脂P−1の調製において、スチレン、アクリロニトリ
ルを、スチレン/メタクリル酸メチル=10/10部、
2段目のスチレン、アクリロニトリルの代わりに、スチ
レン/メタクリル酸メチル=20/20部を使用した以
外は、P−1と同様にして、樹脂P−5を得た。樹脂P
−5のアセトン不溶部のトルエン膨潤率は、680%で
あった。
【0043】実施例6(ゴム変性熱可塑性樹脂P−6の
調製) 樹脂P−1の調製において、R−1の使用量を60部
(固形分換算)、1段目のスチレン/アクリロニトリル
=10.0/3.33部、2段目のスチレン/アクリロ
ニトリル=20/6.67部に代えた以外は、P−1と
同様にして、樹脂P−6を得た。樹脂P−6のアセトン
不溶部のトルエン膨潤率は、700%であった。
【0044】実施例7(ゴム変性熱可塑性樹脂P−7の
調製) 樹脂P−1の調製において、R−1の使用量を20部
(固形分換算)、1段目のスチレン/アクリロニトリル
=20.0/6.67部、2段目のスチレン/アクリロ
ニトリル=40.0/13.33部に代えた以外は、P
−1と同様にして、樹脂P−7を得た。樹脂P−7のア
セトン不溶部のトルエン膨潤率は、650%であった。
【0045】比較例1(樹脂P−8の調製) 樹脂P−1の調製において、R−1の代わりにR−4を
使用した以外は、P−1と同様にして、樹脂P−8を得
た。樹脂P−8のアセトン不溶部のトルエン膨潤率は、
2,500%であった。 比較例2(樹脂P−9の調製) 樹脂P−1の調製において、R−1の代わりにR−5を
使用した以外は、P−1と同様にして、樹脂P−9を得
た。樹脂P−6のアセトン不溶部のトルエン膨潤率は、
2,400%であった。
【0046】比較例3(樹脂P−10の調製) 樹脂P−1の調製において用いたスチレン/アクリロニ
トリルの代わりに、メタクリル酸メチルを用いた以外
は、P−1と同様にして、樹脂P−10を得た。樹脂P
−10のアセトン不溶部のトルエン膨潤率は、680%
であった。 比較例4(樹脂P−11の調製) 樹脂P−1の調製において、R−1の使用量を0.5部
(固形分換算)、1段目のスチレン/アクリロニトリル
=24.88/8.28部、2段目のスチレン/アクリ
ロニトリル49.75/16.59部に代えた以外は、
P−1と同様にして、樹脂P−11を得た。樹脂P−1
1のアセトン不溶部のトルエン膨潤率は、630%であ
った。
【0047】比較例5(樹脂P−12の調製) 樹脂P−1の調製において、R−1の使用量を90部
(固形分換算)、1段目のスチレン/アクリロニトリル
=2.5/0.83部、2段目のスチレン/アクリロニ
トリル5.0/1.67部に代えた以外は、P−1と同
様にして、樹脂P−12を得た。樹脂P−12のアセト
ン不溶部のトルエン膨潤率は、760%であった。 比較例6(樹脂P−13の調製) 樹脂P−1の調製において、R−1の代わりにR−6を
使用した以外は、P−1と同様にして、樹脂P−13を
得た。樹脂P−13のアセトン不溶部のトルエン膨潤率
は、70%であった。
【0048】参考例2(スチレン−アクリロニトリル共
重合樹脂) バルク重合にて、スチレン/アクリロニトリル=75/
25%からなる共重合樹脂(A−1)を得た。
【0049】実施例8〜17、比較例7〜12 重合度700のポリ塩化ビニル樹脂(PVC)と、実施
例1〜5、比較例1〜2、参考例2で得た改質剤を、表
1〜3に示す割合で混合した。得られた混合物100部
に対し、ジブチルスズマレート3部、ブチルステアレー
ト1部、ステアリルアルコール0.5部、滑剤〔ヘンケ
ル社製、ロキシオールG−47〕0.2部を加え、ヘン
シェルミキサーで10分間混合し、ミキシングロールで
165℃の低温、195℃の高温で7分間混練りした。
次いで、180℃、100kg/cm2 の圧力にて加圧
成形して試験片を成形し、上記評価法で評価した。結果
を表1〜3に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】表1〜2から明らかなように、実施例8〜
17は、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物であり、耐衝
撃性および摺動性に優れている。これに対し、表3から
明らかなように、比較例7〜8は、ゴム変性熱可塑性樹
脂のアセトン不溶部のトルエン膨潤率が本発明の範囲外
で多い例であり、耐衝撃性に劣る。比較例9は、ゴム変
性熱可塑性樹脂製造時に、単量体を1種類しか用いなか
った本発明の範囲外のものを使用した例であり、摺動性
に劣る。比較例10は、ゴム変性熱可塑性樹脂中のポリ
オルガノシロキサン系ゴム質重合体が本発明の範囲外で
少ないものを用いた例であり、耐衝撃性および摺動性に
劣る。比較例11は、比較例10とは逆に、ポリオルガ
ノシロキサン系ゴム質重合体量が本発明の範囲外で多い
ものを用いた例であり、耐衝撃性に劣る。比較例12
は、ゴム変性熱可塑性樹脂のアセトン不溶部のトルエン
膨潤率が本発明の範囲外で少ないものを用いた例であ
り、耐衝撃性および摺動性に劣る。
【0054】
【発明の効果】本発明の耐衝撃性、摺動性改質剤は、塩
化ビニル系樹脂に配合することにより、耐衝撃性および
摺動性を向上させるという顕著が効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福村 忍 東京都中央区京橋一丁目18番1号 テクノ ポリマー株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオルガノシロキサン系ゴム質重合体
    1〜80重量%の存在下に、芳香族ビニル化合物、シア
    ン化ビニル化合物および(メタ)アクリル酸アルキルエ
    ステルの群から選ばれた少なくとも2種の単量体成分9
    9〜20重量%をグラフト重合したゴム変性熱可塑性樹
    脂からなり、アセトン不溶部のトルエン膨潤率が100
    〜2,000重量%である塩化ビニル系樹脂用改質剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の塩化ビニル系樹脂用改質
    剤0.5〜60重量%、および塩化ビニル系樹脂99.
    5〜40重量%を主成分とする塩化ビニル系樹脂組成
    物。
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