JP3165726U - 無撚風合い合撚糸 - Google Patents
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Abstract
Description
糸とし、その周りに補強糸で壁撚りを形成した合撚糸が知られている。合撚糸を形成する
補強糸として木綿糸あるいは、可溶性ポリビニールアルコール糸を用いた構造糸が開示さ
れている。例えば木綿紡績糸を心糸とし、それよりも細い木綿紡績糸を補強糸として、心
糸の解撚と同時に壁撚りを形成した合撚糸が開示されている(特許文献1)。
湿させ、ドラフトした後、スチーム処理を加えて繊維の表面を接着処理した糸が開示され
ている(特許文献2)。
結合させているため、製織時の織糸の引張強度は向上するといった利点があるものの、製
織後水洗して可溶性ポリビニールアルコールを除去する工程が必要となる。繊維間に介在
し繊維を結合していたポリビニールアルコールが除去された後に繊維間に空隙が生じ、通
気性や吸水性が向上するが、洗濯や使用時の繊維間摩擦等により、容易に毛羽が抜けたり
落ちたりし、しかも、最終製品となる織物の耐久性が劣り、ポリビニールアルコールの除
去が必要であるため、廃液処理の問題、地球環境汚染の問題が残る。
は、特許文献2と同様の問題、即ち、製織後、可溶性ポリビニールアルコールを除去する
工程が必要であり、廃液処理の問題、地球環境汚染の問題が生じることは、免れない。更
に、この手の糸は、可溶性ビニールアルコールが溶解するので無撚糸での糸染め、晒し等
の処理は出来ないといった問題がある。
ついて、記載されている。ところが、心糸は、加撚された木綿糸の撚り数を最終的にイン
チあたり1回残すところまで解撚しており、一方補強糸は、1インチ10回の壁撚り数を
形成しているので、繊維束のバラケは比較的防止されるものの、無撚状態の心糸の柔らか
さ、ふっくら感を殺した、所謂、ペチャッとした糸構造になり、毛羽立ち、および毛羽落ちの問題も免れない。
落ち糸のス抜け等を抑えた、今までに実現されていないタオル用無撚糸と、後の工程で、
補強糸の溶解除去といった煩雑さがなくなり、製織後はもちろんとして、無撚糸の段階で
容易に糸染め、漂白といった処理が可能であり、排水処理等の環境問題が発生しない無撚
糸の提供を目的とする。
先ず、心糸となる紡績糸を一部解撚処理した後、該一部解撚紡績糸の撚数と、補強糸で
形成する壁撚りの撚数との関係をコントロールすることで、無撚糸本来の肌触り、ソフト
感、ふくらみ感が失われず、しかも毛羽立ち、毛羽落ち、延いては糸のス抜けを抑えた構
造の糸を見出したものであり、製織後の製品の耐久力も十分に確保できる。殊にタオル織
物に好適な無撚風合い合撚糸が提供できる。さらには、従来、補強糸に、合成繊維を用い
ると、無撚糸全体の吸水力が低下すると言われており(特許文献1)、通常は用いられて
いなかった。ところが、補強糸の繊度を極端に極細化することによって、吸水力の低下が
なく、かつ、無撚糸本来の肌触りソフト感、ふくらみ感が失われず、しかも毛羽立ち、毛
羽落ちを抑えた無撚風合い合撚糸が提供できることも見出した。
基撚り数の略60%まで一部解撚し、次いで、この一部解撚紡績糸1と補強糸2を合糸した後、心糸の解撚方向と同方向に更に解撚すると同時に、補強糸2を巻きつけて壁撚りを形成することによって達成ができる。そして補強糸2の壁撚り数が1インチあたり1〜5回として無撚風合い合撚糸を製造することが望ましい。
良好で、通気性、吸水性に富み、しかも毛羽立ち、毛羽落ち、糸のス抜けがない構造の無
撚糸が提供でき、後の工程で、補強糸の溶解除去といった煩雑さが無く、製織後はもちろ
ん、無撚糸の段階で容易に糸染め、漂白といった処理が自在に可能であり、排水処理等の
環境問題の発生がなく、製織後の製品の耐久力も十分に確保できるタオル織物に好適な無
撚風合い合撚糸が提供できる。殊に、従来のタオル織物では到底達成し難い用途分野の新
感覚タオル織物等幅広く好適に用いることができる。
糸の外周に螺旋状に補強糸で壁撚りを形成した無撚風合いの合撚糸構造体である。
ポリエステル、アクリル等を用いるのが好ましい。殊に、タオル用途に用いる場合にあっ
ては、使用時の肌触り、ソフト感、吸水性、ふんわり感等が優れることから綿が好ましく
、地球環境保護の面から、オーガニックコットン(有機栽培綿)を用いることは、特に好
ましい。
良いが、使用時の肌触り、ソフト感、吸水性、ふんわり感と耐久性のいずれをも向上させ
ることからモノフィラメントが特に好ましい。また合成繊維フィラメント単糸の横断面形
状は特に限定するものではないが、例えば丸型、多角型、多葉型、中空型、十字型、扁平
型の他、特殊異型断面等、いかなる形状も適用が可能であり、異なる断面の集合体であっ
ても良い。
リオレフィン、ポリアクリロニトリル等の重合体が挙げられる。使用時の肌触り、ソフト
感、吸水性、ふんわり感と耐久性のいずれをも向上させることからポリエステル、ポリア
ミドが特に好ましい。
5905.4÷20番手=295.27デシテックス(一部解撚紡績糸1の繊度),
5905.4÷80番手=73.82デシテックス(補強糸2の繊度),従って繊度比は、3.99となる。
態の紡績糸を供給糸として用いる。たとえば英国式綿番手20番にあっては、撚数18回
/インチ、30番にあっては、22回/インチ、40番にあっては、25回/インチ、6
0番にあっては、30回/インチの撚りがかかったものを用いる。この紡績糸を、解撚機
を用いて、一旦、基撚数の60%まで部分解撚を行う。次いで、部分解撚を行った心糸紡
績糸と補強糸を引き揃えて合糸した後、次いで解撚機を用いて、心糸紡績糸の解撚方向に
、更に1〜7回/インチの解撚をしながら同時に、心糸紡績糸の周りに補強糸2を巻きつけて1〜7回/インチの壁撚りを形成させる。
心糸に残留させる撚り数は、5〜12回/インチ、好ましくは6〜10回/インチとし、
補強糸2の心糸への巻きつけ回数は1〜5回/インチ、好ましくは2〜4回/インチとするのが好ましい。
形成した後、補強糸と合撚して解撚するといった方法がある(特許文献1)。これに対し
て本考案では、一旦撚りがかかった紡績糸を用いて、一部(基撚の60%まで)解撚をし
た後、再度の解撚と補強糸との合糸を行うので、驚くべき事には、最終のヤーンに高いバ
ルキー性を与えることができ、例えばタオルのふっくら感を向上させるといったすばらし
い効果がえられる。
のではない。実施例における各性能評価は次の方法により行った。
100m長のポリアミドマルチフィラメントのカセを3つ作成し、各々の質量(g)を
測定し、平均値を求め、100倍した。
それぞれの無撚風合い合撚糸を用いて織成したタオル織物を、外形が15cm×15c
mの評価試料として、この試料を両手で挟み、揉むようにして触感としての風合いをモニ
ター5人の平均値として以下の様に評価した。
非常にソフト 5点
ソフト 4点
普通 3点
少し硬い 2点
硬い 1点
極少 ◎
やや認められる ○
認められる(目立たない) △
著しく認められる ×
心糸に用いる20番単糸、より数18回/インチの木綿紡績糸を、通常の解撚機に掛け
て6.5回/インチの解撚を行って巻き取った。次にこの一部解撚紡績糸1と60番単糸(より数30回/インチ)の木綿紡績糸(補強糸)を引き揃えて合糸した。次いでこの合糸した糸を解撚機で、前記一部解撚紡績糸1の解撚方向に3回/インチの割合で解撚すると同時に、60番手の補強糸2を巻きつけて壁よりを形成して無撚風合い合撚糸をチーズに巻き上げた。上記無撚風合い合撚糸および通常の20番単糸の木綿紡績糸を経糸ビームに整経し、無撚風合い合撚糸を経パイル糸に、前記通常の木綿紡績糸が経地糸になるように、緯地糸は通常の20番木綿糸を用いてタオル生地を製造した。心糸(一部解撚紡績糸1)は、20番手木綿紡績糸=5905.4÷20番手=295.27デシテックスであり、補強糸2は、60番手木綿紡績糸=5905.4÷60番手=98.42デシテックスであり、心糸(一部解撚紡績糸1)と補強糸2の繊度比=295.27/98.42=3.00となった。タオルの評価結果を表1に示す。
心糸に20番単糸、より数18回/インチの木綿紡績糸を用いて、通常の解撚機に掛け
て6.5回/インチの解撚を行って巻き取った。次にこの一部解撚紡績糸1と15デシテックス/36フィラメントのハイマルチポリエステル繊維(補強糸)を引き揃えて合糸した。次いでこの合糸した糸を解撚と同時に3回転/インチの割合でハイマルチポリエステル繊維を巻き付け壁撚りを形成し、無撚風合い合撚糸を形成してチーズに巻き上げた。上記無撚風合い合撚糸および通常の20番単糸の木綿紡績糸を経糸ビームに整経し、無撚風合い合撚糸を経パイル糸に、前記通常の木綿紡績糸が経地糸になるように、緯地糸は通常の20番木綿糸を用いてタオル生地を製造した。心糸となる実質的無撚紡績糸は,20番手木綿紡績糸=5905.4÷20番手=295.27デシテックスであり、補強糸は15デシテックスであり、心糸(一部解撚紡績糸1)と補強糸2の繊度比=295.27/15=19.68となった。タオルの評価結果を表1に示す。
補強糸2に、30デシテックス/72フィラメントのハイマルチポリエステル繊維を用いた以外は実施例2と同一条件で無撚糸風合い合撚糸を形成して、タオル生地を製造した。繊度比=295.27/30=9.84となった。タオルの評価結果を表1に示す。
補強糸2に、45デシテックス/108フィラメントのハイマルチポリエステル繊維を用いた以外は実施例2と同一条件で無撚風合い合撚糸を形成して、タオル生地を製造した。繊度比=295.27/45=6.56となった。タオルの評価結果を表1に示す。
原料繊維として、木綿繊維を用い、連条機でスライバーを作成し、次いで1インチあた
り11回より数の20番手の紡績糸を作成した。かかる20番手、撚り数11回/インチ
の綿紡績糸を心糸とし、補強糸2に、1インチあたりり34回撚りの80番単糸木綿紡績糸を用いた以外は実施例1と同一条件で無撚糸風合撚糸を形成して、タオル生地を製造した。心糸は,20番手木綿紡績糸=5905.4÷20番手=295.27デシテックスであり、補強糸は80番手木綿紡績糸=5905.4÷80番手=73.82デシテックスであり、心糸と補強糸の繊度比=295.27/73.82=3.99となった。タオルの評価結果を表1に示す。
ル用織物に適したものであり、無撚糸本来の肌触りソフト感、ふくらみ感、吸水性が失わ
れずしかも毛羽立ち、毛羽落ちを抑えた構造にあって、特に、赤ちゃんの肌に、やさしい
感触を与える事ができ、赤ちゃん用途への展開が有望であり、製織後の製品の耐久力も十
分に確保できるタオル織物に好適な無撚風合い合撚糸が提供できる。殊に、従来のタオル
織物では到底達成し難い用途分野の新感覚タオル織物等幅広く好適に用いることができる
。
2. 補強糸
Claims (7)
- 一部解撚紡績糸と該一部解撚紡績糸の外周に螺旋状壁撚りを形成した補強糸からなる無
撚風合い合撚糸であって、前記補強糸が天然繊維紡績糸または合成繊維フィラメントから
なり、前記螺旋状壁撚りの撚り数が1インチあたり1乃至5回であることを特徴とする無
撚風合い合撚糸。 - 一部解撚紡績糸が綿、レーヨン、ビスコース、麻、ポリエステル、アクリルのいずれか
1以上からなる請求項1に記載の無撚風合い合撚糸。 - 補強糸が45デシテックス以下の合成繊維超極細フィラメントからなる請求項1または
2に記載の無撚風合い合撚糸。 - 補強糸が合成繊維モノフィラメントである請求項1乃至3のいずれかに記載の無撚風合
い合撚糸。 - 補強糸がポリエステルフィラメントからなる請求項1乃至3のいずれかに記載の無撚風
合い合撚糸。 - 補強糸がポリアミドフィラメントからなる請求項1乃至3のいずれかに記載の無撚風合
い合撚糸。 - (一部解撚紡績糸の繊度)/(補強糸の繊度)が7以上である請求項1乃至6の
いずれかに記載の無撚風合い合撚糸。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013094215A1 (ja) * | 2011-12-21 | 2013-06-27 | パナソニック株式会社 | 加湿フィルタとその製造方法および加湿フィルタを備えた加湿装置 |
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JP2021070901A (ja) * | 2019-10-30 | 2021-05-06 | 段 宏偉Hongwei, DUAN | 無撚糸パイル地及びその製造方法 |
-
2010
- 2010-11-19 JP JP2010007605U patent/JP3165726U/ja not_active Expired - Lifetime
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