JP2007332485A - 耐摩耗性に優れた複合紡績糸及び織編物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吸水性と吸放湿性を兼ね備え、吸水後の水分の戻りが解消され、かつ、耐摩耗性がよくて、衣類に使用して着用と洗濯とを繰り返しても、生地の摩耗切れや毛羽、毛玉が発生し難い耐摩耗性に優れた複合紡績糸とこの複合紡績糸を使用した織編物を提供する。
【解決手段】 芯部に吸水性と吸放湿性を有する紡績糸を配し、鞘部にフイラメント糸を配した芯鞘構造の複合紡績糸であって、前記フイラメント糸の単糸繊度が3dtex以上である耐摩耗性に優れた複合紡績糸。透け防止性の粒子を1.0質量%以上含有するマルチフイラメント糸で芯部の外周を被覆し、さらにその外周を単糸繊度が3dtex以上のフイラメント糸で被覆して鞘部を形成した耐摩耗性に優れた複合紡績糸も好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 芯部に吸水性と吸放湿性を有する紡績糸を配し、鞘部にフイラメント糸を配した芯鞘構造の複合紡績糸であって、前記フイラメント糸の単糸繊度が3dtex以上である耐摩耗性に優れた複合紡績糸。透け防止性の粒子を1.0質量%以上含有するマルチフイラメント糸で芯部の外周を被覆し、さらにその外周を単糸繊度が3dtex以上のフイラメント糸で被覆して鞘部を形成した耐摩耗性に優れた複合紡績糸も好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、良好な吸水性と吸放湿性を有し、かつ、耐摩耗性にも優れた複合紡績糸に関するものである。
糸素材は、その形態から長繊維(フイラメント糸)と短繊維(紡績糸)に大別される。フイラメント糸は、ポリエステルやナイロン等のフイラメント糸がその代表例であり、その構造から耐摩耗性や強度に優れている反面、繊維間の間隙が紡績糸に比較して粗いので、吸水性や保水性に劣っている。
一方、紡績糸は短い繊維綿を集束させているので、繊維間の細かい間隙に水分が保たれ、保水性に優れている反面、保水された水分が圧力などで外側に戻されるという欠点がある。また、その構造から耐摩耗性に劣るので、衣類に使用して着用と洗濯とを繰り返すと、生地の摩耗切れや毛羽、毛玉を発生しやすいという欠点がある。
フイラメント糸と紡績糸との上記した相反する欠点を解消するために、従来から種々の提案がなされている。例えば、セルロース系繊維の代表的な存在である綿糸は紡績糸で最も一般的に使用される素材で、吸水性や風合いが優れているが、形態安定性や速乾性、強度等を改良するために、ポリエステルやナイロン等の短繊維と混紡した素材が一般に広く普及しており、混紡の方法も様々な方法が提案されている。
すなわち、粗紡段階で混綿するばかりではなく、それぞれ個別に粗紡したものを精紡段階で交撚する精紡交撚方式や、一方の素材を芯材としてその周囲を他方の素材で覆った芯鞘方式等、多種多様な方式がある。これらの方式で得られる混紡糸、例えば特許文献1や特許文献2に記載のフイラメント糸を芯材としてその周囲をセルロース系短繊維で覆った長短複合紡績糸は、基本的に天然繊維であるセルロース系繊維の風合いを生かしつつ、フイラメント糸の特性を付与したものである。
特開平11−217736号公報
特開平11−323688号公報
上記の長短複合紡績糸を使用すれば、吸水後の水分の戻りや生地の摩耗切れ、毛羽、毛玉の発生をある程度低減させることはできるがその効果は小さく、吸水性と吸放湿性を兼ね備え、吸水後の水分の戻りが解消され、かつ、耐摩耗性がよくて、衣類に使用して着用と洗濯とを繰り返しても、生地の摩耗切れや毛羽、毛玉が発生し難い複合紡績糸は未だ提案されていないのが現状である。
本発明は、上記の問題を解決し、吸水性と吸放湿性を兼ね備え、吸水後の水分の戻りが解消され、かつ、耐摩耗性がよくて、衣類に使用して着用と洗濯とを繰り返しても、生地の摩耗切れや毛羽、毛玉が発生し難い耐摩耗性に優れた複合紡績糸とこの複合紡績糸を使用した織編物を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)芯部に吸水性と吸放湿性を有する紡績糸を配し、鞘部にフイラメント糸を配した芯鞘構造の複合紡績糸であって、前記フイラメント糸の単糸繊度が3dtex以上であることを特徴とする耐摩耗性に優れた複合紡績糸。
(2)芯鞘構造を有する複合紡績糸であって、芯部は吸水性と吸放湿性を有する紡績糸で形成され、鞘部は、透け防止性の粒子を1.0質量%以上含有するマルチフイラメント糸で芯部の外周を被覆し、さらにその外周を単糸繊度が3dtex以上のフイラメント糸で被覆して形成されていることを特徴とする耐摩耗性に優れた複合紡績糸。
(3)芯部の吸水性と吸放湿性を有する紡績糸が複合紡績糸全体の10〜95質量%を占め、かつ、鞘部はポリエステル糸で形成されており、鞘部の最外層を形成するポリエステル糸は繊度が10dtex以上のモノフイラメント糸であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の耐摩耗性に優れた複合紡績糸。
(4)芯部に対する鞘部の被覆がカバリング法で施されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の耐摩耗性に優れた複合紡績糸。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の耐摩耗性に優れた複合紡績糸を少なくともその一部に使用した織編物であって、生地物性が原布及びワツシャー洗濯10回(F−2法/タンブル乾燥)後のいずれも、ピリング(JIS L−1076A法)4級以上、スナッギング(JIS L−1058 D−1法)3.5級以上であることを特徴とする耐摩耗性に優れた織編物。
(1)芯部に吸水性と吸放湿性を有する紡績糸を配し、鞘部にフイラメント糸を配した芯鞘構造の複合紡績糸であって、前記フイラメント糸の単糸繊度が3dtex以上であることを特徴とする耐摩耗性に優れた複合紡績糸。
(2)芯鞘構造を有する複合紡績糸であって、芯部は吸水性と吸放湿性を有する紡績糸で形成され、鞘部は、透け防止性の粒子を1.0質量%以上含有するマルチフイラメント糸で芯部の外周を被覆し、さらにその外周を単糸繊度が3dtex以上のフイラメント糸で被覆して形成されていることを特徴とする耐摩耗性に優れた複合紡績糸。
(3)芯部の吸水性と吸放湿性を有する紡績糸が複合紡績糸全体の10〜95質量%を占め、かつ、鞘部はポリエステル糸で形成されており、鞘部の最外層を形成するポリエステル糸は繊度が10dtex以上のモノフイラメント糸であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の耐摩耗性に優れた複合紡績糸。
(4)芯部に対する鞘部の被覆がカバリング法で施されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の耐摩耗性に優れた複合紡績糸。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の耐摩耗性に優れた複合紡績糸を少なくともその一部に使用した織編物であって、生地物性が原布及びワツシャー洗濯10回(F−2法/タンブル乾燥)後のいずれも、ピリング(JIS L−1076A法)4級以上、スナッギング(JIS L−1058 D−1法)3.5級以上であることを特徴とする耐摩耗性に優れた織編物。
本発明の第1及び第2の耐摩耗性に優れた複合紡績糸は、芯部に吸水性と吸放湿性を有する紡績糸を配し、鞘部に単糸繊度が3dtex以上のフイラメント糸を配しているので、この複合紡績糸を使用した織編物は、吸水性と吸放湿性を兼ね備え、吸水後の水分の戻りが解消され、かつ、耐摩耗性がよくて、衣類に使用して着用と洗濯とを繰り返しても、生地の摩耗切れや毛羽、毛玉が発生し難く、外観を損ねることがない。
また、本発明の第2の複合紡績糸のように、芯部の紡績糸と鞘部のフイラメント糸との間に透け防止性の粒子を1.0質量%以上含有するマルチフイラメント糸を介在させれば、上記の利点に加えて芯部紡績糸の毛羽が一層抑えられて毛玉の発生が低減し、さらに透け防止性や紫外線遮断効果が向上するので、薄地の織編物にしても肌着などが透けて見えるのが防止され、さらに紫外線から皮膚を保護することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の第1及び第2の耐摩耗性に優れた複合紡績糸(以下、複合紡績糸と称することがある)は、吸水性と吸放湿性を有する紡績糸を、フイラメント糸で被覆することにより、吸水性と吸放湿性を維持しつつ、耐摩耗性と耐洗濯性を付与したものである。
本発明において、芯部を形成する吸水性と吸放湿性を有する紡績糸の素材としては、綿、麻、ビスコースレーヨン、竹、精製セルロース系繊維(リヨセル)等のセルロース系繊維、ウール、カシミア、絹等の蛋白質繊維、さらには、吸水・吸放湿成分を含有させた、ナイロン、ポリエステル、ポリ乳酸等の合成繊維(ただし短繊維)等が採用できる。中でも、本発明の複合紡績糸は、上記紡績糸とフイラメント糸とが複合されて染色加工が施されることを考慮すると、取り扱いが容易で、耐熱性や風合い、吸水性と吸放湿性に優れたセルロース系繊維、特に綿が好ましい。
芯部を形成する吸水性と吸放湿性を有する紡績糸の素材としては、吸水性と吸放湿性を有する素材のみを用いてもよいが、例えばポリエステル短繊維を混用することにより、洗濯による収縮や強度低下を低減することが可能となる。
芯部の吸水性と吸放湿性を有する紡績糸は複合紡績糸全体の10〜95質量%、特に30〜80質量%を占めることが好ましく、上記紡績糸の割合が10質量%未満になると、吸水性と吸放湿性が低下しやすく、95質量%を超えると、フイラメント糸による被覆率が小さくなり、耐磨耗性が低下しやすい。
次に、本発明の複合紡績糸の鞘部を形成するフイラメント糸としては、ナイロン糸やポリエステル糸等が挙げられるが、熱セット性や耐熱性、強度等が良好なポリエステル糸、特にポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する。)糸が好ましい。
また、複合紡績糸の耐摩耗性を向上させるには、鞘部の最外層を形成するフイラメント糸として単糸繊度が太く、フイラメント数が少ないものが好ましい。単糸繊度としては、3dtex以上が好ましい。本発明では、特にモノフイラメント糸を採用するのが好ましく、この場合の単糸繊度としては、10dtex以上が好ましい。
本発明の複合紡績糸において、芯部に対する鞘部の被覆率は特に限定されるものではないが、被覆率が小さすぎると、芯部の被覆が不足するので耐摩耗性が低下し、被覆率が大きすぎると、吸水性や吸放湿性が低下する傾向を示すので、被覆率は所望する耐摩耗性と吸水性や吸放湿性の水準を勘案して選択することが好ましい。
また、本発明の第2の複合紡績糸のように、鞘部として、透け防止性の粒子を1.0質量%以上、好ましくは1.2〜4.0質量%含有するマルチフイラメント糸で芯部の外周を被覆し、さらにその外周を単糸繊度が3dtex以上のフイラメント糸で被覆して形成すれば、芯部の紡績糸の毛羽を抑え、毛玉の発生を防止する効果がさらに向上する。さらに、生地の透けが抑制され、人体に有害な紫外線を遮蔽する効果も向上する。
マルチフイラメント糸に含有させる透け防止性の粒子としては、例えば二酸化チタンなどのチタン化合物があり、透け防止性の粒子を1.0質量%以上含有するマルチフイラメント糸で芯部の外周を被覆することで、透け防止や紫外線遮蔽効果が向上する。
本発明の複合紡績糸を製造するに際し、芯部となる紡績糸に対する鞘部となるフイラメント糸やマルチフイラメント糸の被覆には、合撚法やシングルカバリング法、ダブルカバリング法、フイラメント糸を開繊させたところに紡績糸を挿入する方法等、種々の方法を使用することができるが、設備的にも簡便で、耐磨耗性の向上にも好適なカバリング法が好ましい。特に、第2の複合紡績糸のように、透け防止性の粒子を含有するマルチフイラメント糸で芯部の外周を被覆し、さらにその外周を単糸繊度が3dtex以上のフイラメント糸で被覆して鞘部を形成する際には、撚り方向を逆向きにしたダブルカバリング法を用いれば、糸のトルクが抑えられ、耐摩耗性を一層向上させることができる。
芯部の紡績糸をフイラメント糸で被覆して鞘部を形成する際の好ましい撚回数は、使用する糸の太さなどに応じて適宜調整する必要があるが、芯部の紡績糸を20〜40番程度、被覆するフイラメント糸を20〜10dtex程度とすると、撚回数は500〜1000T/m程度が好ましい。撚回数が500T/m未満では、被覆不足によって耐摩耗性が低下しやすく、1000T/mを超えるとコストが高くなるのに加えて、強度低下やトルク増大等の問題が生じやすくなる。
次に、本発明の耐摩耗性に優れた織編物(以下、織編物と称することがある。)について説明する。本発明の織編物は、前記した第1又は第2の耐摩耗性に優れた複合紡績糸を少なくともその一部に使用して得られるものであり、生地物性が原布及びワツシャー洗濯10回(F−2法/タンブル乾燥)後のいずれも、ピリング(JIS L−1076A法)は4級以上、好ましくは4、5級以上、スナッギング(JIS L−1058 D−1法)は3.5級以上、好ましくは4級以上であることが好ましい。すなわち、織編物が耐摩耗性に優れるとは、具体的に、ピリング(摩耗による毛玉)やスナッギング(引っ掛かりによる糸抜け)を発生させ難い少ないという意味であるから、上記の数値範囲を満足することが好ましいのである。
また、一般的に織編物は着用や使用と洗濯を繰り返しながら用いられるが、本発明の織編物は、ワツシャー洗濯10回(F−2法/タンブル乾燥)後においても前記のピリング特性とスナッギング特性を保持しているので、衣類に使用して着用と洗濯とを繰り返しても、生地の摩耗切れや毛羽、毛玉が発生し難く、外観を損ねることがない。
本発明の織編物に前記の特性を付与するには、前記した本発明の第1又は第2の複合紡績糸を少なくともその一部に使用して製編織すればよく、前記の特性を満足する範囲で他の糸条を併用してもよいが、本発明の複合紡績糸を好ましくは60質量%以上、特に100質量%使用することが最も好ましい。
本発明の織編物は、本発明の複合紡績糸を少なくともその一部に使用し、織物、経編、丸編等の一般的な組織で製織、製編することにより得ることができる。その際、より結節点の多い組織を用いて高密度に製織、製編した後、染色加工工程の最初に液流染色機中でリラックス処理すれば、耐摩耗性を一層向上させることができる。この際の温度は100〜130℃が好ましい。このリラックス処理が不十分になると糸の収縮が不十分となり、織編物となった後の収縮不良や耐摩耗性低下を生じやすくなる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
なお、実施例において、各物性の測定、評価は、次のようにして行なった。
なお、実施例において、各物性の測定、評価は、次のようにして行なった。
(1)洗濯収縮率(%)
JIS L−1018 F−2法/タンブル乾燥、に準じて行なった。
(2)ピリング(級)
JIS L−1076A法に準じて行なった。
(3)、スナッギング(級)
JIS L−1058 D−1法に準じて行なった。
(4)洗濯後の外観変化
JIS L−1018 F−2法/タンブル乾燥、の操作を10回行なった後の生地を目視で「変化なし」と「毛玉発生」の2段階に評価した。
JIS L−1018 F−2法/タンブル乾燥、に準じて行なった。
(2)ピリング(級)
JIS L−1076A法に準じて行なった。
(3)、スナッギング(級)
JIS L−1058 D−1法に準じて行なった。
(4)洗濯後の外観変化
JIS L−1018 F−2法/タンブル乾燥、の操作を10回行なった後の生地を目視で「変化なし」と「毛玉発生」の2段階に評価した。
(5)吸汗性
試料である生地を用いたTシャツを着用し、その体感で次の3段階に評価した。
○:吸収が良好で快適 △:やや吸収が悪い ×:吸収が悪くて不快
(6)吸水後の水分の戻り
試料である生地に水滴を滴下した部分の触感により、次の3段階に評価した。
○:水分の戻り少ない △:やや水分の戻りがある ×:かなり水分の戻りがある
(7)透け防止性
綿とポリエステルの等量混紡糸を用いた天竺編地(比較例1)を基準として、目視で次の3段階に評価した。
○:基準より透けない △:基準並み ×:基準より透ける
試料である生地を用いたTシャツを着用し、その体感で次の3段階に評価した。
○:吸収が良好で快適 △:やや吸収が悪い ×:吸収が悪くて不快
(6)吸水後の水分の戻り
試料である生地に水滴を滴下した部分の触感により、次の3段階に評価した。
○:水分の戻り少ない △:やや水分の戻りがある ×:かなり水分の戻りがある
(7)透け防止性
綿とポリエステルの等量混紡糸を用いた天竺編地(比較例1)を基準として、目視で次の3段階に評価した。
○:基準より透けない △:基準並み ×:基準より透ける
(実施例1)
芯部用として綿40番単糸、鞘部用の下撚糸及び上撚糸として22dtexのPETモノフイラメント糸を用い、片岡機械工業社製カバリング機を使用して、糸速20m/分、下撚及び上撚をそれぞれZ撚650T/mとしてカバリング加工を行ない、PET25質量%、綿75質量%の30番手カバリング糸(複合紡績糸)を得た。
芯部用として綿40番単糸、鞘部用の下撚糸及び上撚糸として22dtexのPETモノフイラメント糸を用い、片岡機械工業社製カバリング機を使用して、糸速20m/分、下撚及び上撚をそれぞれZ撚650T/mとしてカバリング加工を行ない、PET25質量%、綿75質量%の30番手カバリング糸(複合紡績糸)を得た。
この複合紡績糸を供給糸とし、30インチ20ゲージのシングル丸編機を用いて製編し、密度32ウエール/インチ、51コース/インチの天竺編生機を得た。この生機を、液流染色機により130℃でリラックス処理し、晒・シルケット処理し、次いでテンターを用いて180℃でセットした。引き続き、液流染色機で染色した後、再度テンターを用いて160℃でセットし、密度34ウエール/インチ、54コース/インチの天竺編地を得た。
(実施例2)
芯部用として綿40番単糸、鞘部用の下撚糸として二酸化チタン微粒子を2質量%含有するPET仮撚加工糸84dtex/72f、上撚糸として22dtexのPETモノフイラメント糸を用い、片岡機械工業社製カバリング機を使用して、糸速20m/分、下撚をS撚600T/m、上撚をZ撚650T/mとしてカバリング加工を行ない、PET45質量%、綿55質量%の23番手カバリング糸(複合紡績糸)を得た。
芯部用として綿40番単糸、鞘部用の下撚糸として二酸化チタン微粒子を2質量%含有するPET仮撚加工糸84dtex/72f、上撚糸として22dtexのPETモノフイラメント糸を用い、片岡機械工業社製カバリング機を使用して、糸速20m/分、下撚をS撚600T/m、上撚をZ撚650T/mとしてカバリング加工を行ない、PET45質量%、綿55質量%の23番手カバリング糸(複合紡績糸)を得た。
この複合紡績糸を使用する以外は、実施例1と同様にして製編、染色仕上げ加工を行ない、密度34ウエール/インチ、54コース/インチの天竺編地を得た。
(比較例1)
PET50質量%、綿50質量%の混紡糸30番手単糸を使用する以外は、実施例1と同様にして製編、染色仕上げ加工を行ない、密度34ウエール/インチ、54コース/インチの天竺編地を得た。
PET50質量%、綿50質量%の混紡糸30番手単糸を使用する以外は、実施例1と同様にして製編、染色仕上げ加工を行ない、密度34ウエール/インチ、54コース/インチの天竺編地を得た。
(比較例2)
二酸化チタン微粒子を2質量%含有するPET仮撚加工糸167dtex/48fを使用する以外は、実施例1と同様にして製編、染色仕上げ加工を行ない、密度34ウエール/インチ、54コース/インチの天竺編地を得た。
二酸化チタン微粒子を2質量%含有するPET仮撚加工糸167dtex/48fを使用する以外は、実施例1と同様にして製編、染色仕上げ加工を行ない、密度34ウエール/インチ、54コース/インチの天竺編地を得た。
実施例1〜2と比較例1〜2で得られた天竺編地のピリングやスナッキング等の評価結果を併せて表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜2で得られた天竺編地は、ピリングやスナッギングが洗濯の前後とも良好で耐摩耗性とその耐久性が優れており、洗濯収縮率も小さく、洗濯後の外観は良好であった。また、吸汗後の水分の戻りも少なく、快適に使用しうるものであった。
また、二酸化チタン微粒子を含有するPET仮撚加工糸で芯部の外周を被覆した複合紡績糸を用いた天竺編地(実施例2)は、上記の利点に加えて、生地の透け防止性が向上し、さらに人体に有害な紫外線を遮蔽する効果も向上したものであった。
一方、PETと綿の混紡糸を用いた比較例1に係る天竺編地は、洗濯収縮率が大きく、洗濯後の外観も悪くて毛玉が生じており、さらにピリングやスナッギングが不良で耐摩耗性とその耐久性が劣っていた。また、二酸化チタン微粒子を含有するPET仮撚加工糸を用いた比較例2に係る天竺編地は、吸汗性が悪く、吸水後も水分が戻るため、快適性に劣るものであった。
Claims (5)
- 芯部に吸水性と吸放湿性を有する紡績糸を配し、鞘部にフイラメント糸を配した芯鞘構造の複合紡績糸であって、前記フイラメント糸の単糸繊度が3dtex以上であることを特徴とする耐摩耗性に優れた複合紡績糸。
- 芯鞘構造を有する複合紡績糸であって、芯部は吸水性と吸放湿性を有する紡績糸で形成され、鞘部は、透け防止性の粒子を1.0質量%以上含有するマルチフイラメント糸で芯部の外周を被覆し、さらにその外周を単糸繊度が3dtex以上のフイラメント糸で被覆して形成されていることを特徴とする耐摩耗性に優れた複合紡績糸。
- 芯部の吸水性と吸放湿性を有する紡績糸が複合紡績糸全体の10〜95質量%を占め、かつ、鞘部はポリエステル糸で形成されており、鞘部の最外層を形成するポリエステル糸は繊度が10dtex以上のモノフイラメント糸であることを特徴とする請求項1又は2記載の耐摩耗性に優れた複合紡績糸。
- 芯部に対する鞘部の被覆がカバリング法で施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐摩耗性に優れた複合紡績糸。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の耐摩耗性に優れた複合紡績糸を少なくともその一部に使用した織編物であって、生地物性が原布及びワツシャー洗濯10回(F−2法/タンブル乾燥)後のいずれも、ピリング(JIS L−1076A法)4級以上、スナッギング(JIS L−1058 D−1法)3.5級以上であることを特徴とする耐摩耗性に優れた織編物。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010084240A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-15 | Unitika Trading Co Ltd | 緯編地 |
JP2012031528A (ja) * | 2010-07-28 | 2012-02-16 | Asahi Kasei Fibers Corp | 耐摩耗性に優れた編物 |
CN102912518A (zh) * | 2012-11-22 | 2013-02-06 | 吴江市虹凯纺织有限公司 | 具有形状记忆功能的面料 |
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2006
- 2006-06-14 JP JP2006164689A patent/JP2007332485A/ja not_active Withdrawn
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