JP3149814B2 - 車両の旋回制御装置 - Google Patents

車両の旋回制御装置

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JP3149814B2 JP12073397A JP12073397A JP3149814B2 JP 3149814 B2 JP3149814 B2 JP 3149814B2 JP 12073397 A JP12073397 A JP 12073397A JP 12073397 A JP12073397 A JP 12073397A JP 3149814 B2 JP3149814 B2 JP 3149814B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両旋回時の操縦
性、安定性、限界性能を向上させる車両の旋回制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両旋回時の走行安定性を向
上するための装置として、左右従動輪の回転速度差に基
づき車両の旋回走行を検出し、車両の旋回時には旋回内
輪となる駆動輪のブレーキ装置を駆動してその回転を抑
制することが考えられている(特開昭58−78832
号)。
【0003】この装置は、車両の加速状態において、旋
回内輪となる駆動輪に発生する加速スリップを防止する
ものであり、加速旋回時の走行安定性を向上することが
できる。一般的に自動車は、直進時の走行安定性を向上
するために、旋回特性がアンダステアとなるように設計
されており、車両旋回時にはステアリングの操舵角度が
一定であっても、車速に応じて旋回半径が大きくなる。
しかしながら上記のように車両旋回加速時に旋回内輪と
なる後輪に制動力を加えると、車体に加わるヨーモーメ
ントが増加し、車両のアンダステア特性を弱めることが
でき、旋回半径を小さくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記技術で
は、車両の加速旋回時にのみ旋回内輪となる駆動輪に制
動を加えるため、車両の定常旋回時に旋回内輪となる後
輪に制動を加えて旋回半径を小さくするといったことは
できず、定常旋回走行時の旋回特性を向上することがで
きなかった。
【0005】また、車両の旋回時に旋回内輪となる後輪
に常に制動を与えるようにすると、車両の走行状態によ
って車体に働くヨーモーメントが増加しすぎて、車両が
スピンしてしまうことがある。また、上記技術では、車
両の旋回走行を車両が実際に旋回した後の車両状態であ
る従動輪速度差から検出するようにしているため、車両
の運転者の旋回要求に応じて車体に働くヨーモーメント
を制御するといったことはできない。特に低μ路でステ
アリングを操舵した後実際にに従動輪に速度差が発生す
るまでには時間がかかり制御を良好に実行することはで
きない。
【0006】そこで本発明は、乗員によりブレーキ操作
が行われていない旋回走行時において、乗員の旋回要求
をたとえばステアリング操舵角等に基づき検知し、車体
の左右の車輪に対する車輪制動力発生部材に旋回要求に
応じた差が生じるように車輪制動力を付与することによ
り、旋回時の操縦安定性、限界性能を向上することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による車両の旋回制御装置では、ブレーキ操
作状態検知手段により、乗員によりブレーキ操作がなさ
れていない状態が検知された際に、旋回要求相当値とし
て乗員によるステアリング操作に伴う操舵角の変化にお
ける操舵角速度を検出し、この値に応じて前記車体の左
右の各車輪に加えられる車輪制動力に差が生ずるよう
に、ブレーキ制御装置を駆動制御することを特徴とす
る。この際制御手段は、前記車両の車体速度に応じて、
どの車輪に対して車輪制動力を付与するかを決定すると
ともに、車両の車体速度が大きいほどステアリング操舵
角速度が小さくても車輪制動力を付与する。このような
構成を採用することにより、本願発明では、まず、旋回
走行によって発生する全輪のコーナリングフォースのバ
ランス状態に対して、乗員によるブレーキ操作がなされ
ることで付加的な力が与えられている状態でないことを
検出する。そして、乗員によるブレーキ操作がなされて
いない状態である際には前述のバランス状態が旋回にの
みによるバランス状態であり、この際に車体の左右の各
車輪に対して所定の差を設けるようにブレーキ制御装置
を駆動制御する。そして、この左右車輪にかかる車輪制
動力の差を、乗員による旋回要求に相当する値すなわち
ステアリング角速度に応じて決定するため、乗員の要求
に応じた旋回半径を実現できる。すなわち、乗員のステ
アリング操舵により実際の旋回半径を実現できる。すな
わち、乗員のステアリング操舵により実際の旋回状態の
安定性が悪化し、この悪化状態が現れて検知した後にブ
レーキ制御装置により左右車輪制動力差を設けて車輪制
動力付与を行い安定性を確保するのではなく、乗員の旋
回要求から予め左右車輪制動力差を設けて、旋回安定性
が極力悪化しないように旋回性を制御するものである。
なお、車輪制動力を発生する車輪制動力発生部材として
具体的には周知のホイールシリンダを用いてもよい。な
お、制御手段によって制御中に乗員によるブレーキ操作
がなされた際にブレーキ制御装置の駆動を禁止する場合
には、乗員による車両の挙動操作を最優先にすることが
でき、制御フィーリングを満足することができる。ま
た、制御手段によって車体速度に応じてどの車輪に車輪
制動力を加えるかを決定する場合には、車体速度に依存
する車体挙動を加味した制御が実現できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施例を図面と
共に説明する。尚以下の実施例は発明の一態様を示すも
のであり、本発明は要旨を逸脱しない限り、他の態様も
含むものである。図1は後輪駆動に適用された実施例の
旋回制御装置全体の構成を表わす概略構成図である。
【0009】図に示す如く、本実施例の旋回制御装置
は、ディファレンシャルギヤ4を介して内燃期間6に接
続された左右後輪(駆動輪)10RL,10RRの回転速度
VRL,VRR、及び左右前輪(従動輪)10FL, 10FRの
回転速度VFL, VFRを各々検出する車輪速度センサ12
RL, 12RR, 12FL,12FRと、ステアリングの操舵角
θを検出する操舵角センサ14と、上記各センサからの
検出信号に基づき車両旋回時の左右後輪10RL,10RR
の制動制御量を算出する、CPU16a,ROM16
b,RAM16c等によりマイクロコンピュータとして
構成された電子制御回路16と、電子制御回路16で算
出された制動制御量に応じて各後輪10RL,10RRのブ
レーキ装置を駆動制御するブレーキ制御装置18と、か
ら構成されている。
【0010】ここでブレーキ制御装置18は、図2に示
す如く、左右後輪10RL,10RRに設けられた油圧ブレ
ーキ装置40RL,40RRのブレーキ油圧を、ポンプ42
によりリザーパ44から汲みだされ、アキュムレータ4
6により一定油圧に調圧されたブレーキ油を用いて制御
し、左右後輪10RL,10RRに制動をかけるためのもの
である。
【0011】ブレーキ制御装置18は、車両運転者によ
るブレーキペダルの操作によって車両を制動できるよう
に、通常、図示しないブレーキマスタシリンダと左右の
油圧ブレーキ装置40RL,40RRとを、夫々、油圧管路
切替弁48及び左油圧制御弁50RL、油圧管路切替弁4
8及び右油圧制御弁50RRを介して連結する。油圧管論
切替弁48は、油圧ブレーキ装置40RL,40RRの駆動
に用いる油圧を、ブレーキマスタシリンダからの油圧に
するかポンプ42からの油圧にするかを切り替えるため
の2位置弁で、通常はブレーキマスタシリンダ側に切り
替えられ、車両旋回時に電子制御回路16から制動制御
実行信号Soが出力されると、2位置弁駆動回路52に
よりポンプ42側に切り替えられる。
【0012】また左右の油圧制御弁50RL,50RRは、
制動制御実行時に、ポンプ42からの圧油を用いて油圧
ブレーキ装置40RL,40RRのブレーキ油圧を個々に制
御するための3位置弁で、通常はブレーキマスタシリン
ダからの油圧によって各油圧ブレーキ装置40RL,40
RRを駆動できるように、油圧管路切替弁48側管路と油
圧ブレーキ装置40RL,40RRとを連通し、油圧管路切
替弁48がポンプ42側に切り替えられると、電子制御
回路16から出力される制御信号BL,BL により3位置
弁駆動回路54RL,54RRを介して位置制御される。
【0013】3位置弁駆動回路54RL,54RRは、電子
制御回路16から出力される制動制御実行信号Soによ
って起動され、その後制動制御実行信号Soが停止され
るまでの間、電子制御回路16からの制御信号BL ,B
R に応じて油圧制御弁50RL,50RRを駆動制御するた
めのもので、制御信号BL ,BR に応じて図3(A)に
示す如く設定される増圧又は減圧デューティ比Dによ
り、油圧ブレーキ装置40RL,40RRのブレーキ油圧を
増減制御する。
【0014】即ち電子制御回路16からの制御信号に応
じて所定時間T当りにブレーキ油圧を増圧又は減圧する
時間(t=D+T)を求め、その値に応じて図3(B)
に示す如く油圧制御弁50RL,50RRを駆動制御して、
各油圧ブレーキ装置50RL,RRのブレーキ油圧を制御す
るものである。尚、所定時間Tは路面摩擦係数に応じて
予め定められたマップにより変化する。そして所定時間
Tにおいて油圧制御信号を増圧から保持とすることもで
きるし、T´のように保持から増圧とすることもでき
る。また所定時間Tの途中で電子制御回路16からの新
たな制御信号がえられたときには、今までの制御を中止
して、その時点より新たな制御が開始される。
【0015】また、油圧制御弁50RL,50RRには、油
圧管路切替弁48と油圧ブレーキ装置40RL、RRとを連
通する増圧モードaの他、ブレーキ制御実行時に2位置
弁56を介してリザーバ44と連通される低圧管路と油
圧ブレーキ装置40RL,40RRとを連通する減圧モード
bと、これら各部を遮断してブレーキ油圧を保持する保
持モードcとが形成されており、位置弁駆動回路54RL
及び54RRは、ブレーキ油圧増圧時には油圧制御弁50
RL及び50RRを夫々モードa−c間でデューティ制御
し、ブレーキ油圧減圧時には油圧制御弁50RL及び50
RRを夫々モードb−c間でデューティ制御する。
【0016】また更に2位置弁56は、通常はリザーバ
44と低圧管路とを遮断し、電子制御回路16からの制
動制御実行Soによって2位置弁駆動回路58によりリ
ザーバ44と低圧管路とを連通するよう駆動される。次
に電子制御回路16で実行される車両の旋回制御につい
て説明する。まず図4は車両走行中繰り返し実行される
メインルーチンを表している。
【0017】図に示す如くこの処理が開始されるとまず
ステップ100を実行して、現在車両運転者がブレーキ
操作を行っているか否かによって当該旋回制御の実行条
件が成立しているか否かを判断する。そして車両運転者
によりブレーキ操作がなされておれば、旋回制御の実行
条件が成立していないと判断して、ステップ110に移
行し、左右後輪10RL,10RRの制動制御の実行指令を
行うための制御実行フラグF1をリセットして制動制御
の実行を禁止した後、一旦処理を終了する。
【0018】一方ステップ100で、現在車両運転者に
よりブレーキ操作がなられておらず、旋回制御実行条件
が成立していると判断されると、続くステップ120に
移行して、上記各車輪速度センサ12FL,12FR,12
RL,12RRからの検出信号に基づき、各車輪の回転速度
VFL,VFR,VRL,VRRを算出し、ステップ130に移
行する。
【0019】ステップ130では、上記ステップ120
で今回算出した左右後輪10RL,10RRの回転速度VR
L,VRRと前回算出した左右後輪10RL,10RRの回転
速度とから左右後輪10RL,10RRの回転加速度VRL,
VRRを算出する。また続くステップ140では、上記ス
テップ120で求めた左右前輪の回転速度VFL,VFRの
平均値(VFL+VFR)/2を車体速度Vcとして算出
し、続くステップ150に移行して、その算出した車体
速度Vc前回算出した車体速度とに基づき車体加速度V
cを算出する。
【0020】次にステップ160では操舵角センサ14
からの検出信号に基づきステアリングの操舵角θを算出
し、続くステップ170に移行して、その算出した操舵
角θと前回算出した操舵角とに基づきステアリングの操
舵角速度θを算出する。また次にステップ180では、
制御実行フラグF1がセットされているか否かを判断す
る。即ち制御実行フラグF1は後述の処理によって左右
後輪10RL,10RRの制動制御を実行する場合にセット
されるフラグであるため、このステップ180では、こ
の制御実行フラグF1により、現在後輪10RL,10RR
の制動制御がなられているか否かを判断するのである。
【0021】そしてこのステップ180で制御実行フラ
グF1がリセット状態であり、後輪10RL,10RRの制
動制御が実行されていないと判断されると、ステップ2
60に移行し、そうでなければステップ190に移行す
る。ステップ190では、上記ステップ140で算出し
た車体速度Vcと、ステップ160で求めたステアリン
グの操舵角θとに基づき、左右後輪10RL,10RR位置
での車体速度(左右後輪位置速度)VcRL,VcRRを算
出し、続くステップ200に移行して、その算出した左
右後輪位置速度VcRL,VcRRとステップ120で求め
た左右後輪速度VRL VRRとに基づき左右後輪10RL,
10RRのスリップ率SRL,SRRを算出する。
【0022】尚左右後輪10RL,10RRのスリップ率S
RL,SRRを算出するにあたっては次式(1),(2)の
如き演算式が使用される。 SRL=(VcRL−VRL)/VcRL ・・・(1) SRR=(VcRR−VRR)/VcRR ・・・(2) そして続くステップ210では、上記算出した左右後輪
10RL,10RRのスリップ率SRL,SRRのいずれかが急
増したか否かを判断し、スリップ率SRL,SRRのいずれ
かが急増している場合には、制動制御の実行によって左
右後輪10RL,10RRのいずれかに制動スリップが発生
したと判断してステップ220に移行し、制動スリップ
を防止すべくブレーキ油圧の減圧指令を行なうための減
圧指令フラグF2をセットし、一旦処理を終了する。
【0023】一方ステップ210で左右後輪10RL,1
0RRのスリップ率SRL,SRRは急増していないと判断さ
れると、ステップ230に移行し、上記ステップ130
で算出された左右後輪加速度
【0024】
【外1】
【0025】のいずれかが急減したか否か、即ち左右後
輪10RL,10RRのいずれかの回転が急激に落ち込んだ
か否かを判断する。そしてこのステップ230で左右後
輪速度
【0026】
【外2】
【0027】のいずれかが急減したと判断されると、上
記と同様に制動制御によって後輪10RL,10RRに制動
スリップが発生したと判断してステップ220に移行
し、減圧指令フラグF2をセットした後一旦処理を終了
する。次にステップ230で左右後輪加速度
【0028】
【外3】
【0029】のいずれも急減していないと判断された場
合、つまり左右後輪10RL,10RRに制動スリップは発
生していないと判断された場合には、ステップ240に
移行して減圧指令フラグF2をリセットした後、ステッ
プ250に移行し、今度は左右後輪位置での路面の摩擦
係数μRL,μRRを算出する。尚この摩擦係数μRL及びμ
RRは、後述の制動制御によって左右後輪10RL,10RR
に加えた制動力と左右後輪速度の変化量(減速度)とか
ら算出される。次にステップ260では、上記算出され
た車体速度Vc、車体加速度
【0030】
【外4】
【0031】ステアリングの操舵角θ、及び左右後輪位
置での路面摩擦係数μRL,μRRに基づき車両運転者の旋
回要求(即ちステアリングの操舵角速度
【0032】
【外5】
【0033】に基づき制動制御パターンを設定するため
の基準値
【0034】
【外6】
【0035】及び制御実行時の制動制御量Kjiを設定
する。尚本実施例ではこの基準値
【0036】
【外7】
【0037】及び制動制御量Kijとして、図5に示す
如く、左右の後輪10RL,10RR毎に大小2種(1,
2)の値
【0038】
【外8】
【0039】及びKRL1,KRR2,KRR1,KRR2が設
定される。そしてこれら各値に付した添え字iはRL,RR
(左右後輪)をjは1,2(種別)を夫々を表してい
る。ステップ260で基準値
【0040】
【外9】
【0041】及び制動制御量Kijが設定されると、今
度は続くスッテプ270に移行して、その設定された基
準値
【0042】
【外10】
【0043】とステップ170で算出したステアリング
の操舵角速度
【0044】
【外11】
【0045】とに基づき制動制御パターンを選択する。
この制動制御パターンの選択は、図5に示す如く、ステ
アリングの操舵角速度
【0046】
【外12】
【0047】と基準値
【0048】
【外13】
【0049】とを比較し、例えば、操舵角速度
【0050】
【外14】
【0051】が左後輪10RLの第1の基準値
【0052】
【外15】
【0053】以上となったときには左後輪10RLの制御
パターンとして第1の制御量KRL1によるブレーキ油圧
の増圧制御を選択し、更に操舵角速度
【0054】
【外16】
【0055】が上昇して第2の基準値
【0056】
【外17】
【0057】以上となったときには左後輪10RLの制御
パターンとして第2の制御量KRL2(>KRL1)による
ブレーキ油圧の増圧制御を選択し、その後操舵角速度
【0058】
【外18】
【0059】が減少して第2の基準値
【0060】
【外19】
【0061】を下回ったときには左後輪10RLの制御パ
ターンとして第1の制御量KRL1によるブレーキ油圧の
減圧制御を選択し、更に操舵速度
【0062】
【外20】
【0063】が第1の
【0064】
【外21】
【0065】を下回ると左後輪10RLの制御パターンと
して第2の制御量KRL2によるブレーキ油圧の減圧制御
選択する、といった手順で実行される。このように左右
後輪のブレーキ装置の制御パターンが選択されると、続
くステップ280に移行して、制御実行プラグF1がリ
セット状態である否か、即ち現在左右後輪10RL,10
RRの制動制御が実行されていないか否かを判断する。そ
してこのステップ280で制御実行フラグF1がリセッ
ト状態でないと判断されると一旦処理を終了し、そうで
なければ(即ち現在左右後輪10RL,10RRの制動制御
が実行されていなければ)、ステップ290に移行し
て、上記ステップ270で選択された制御パターンがブ
レーキ油圧の増圧制御であるか否かを判断する。
【0066】ステップ290で、上記選択された制御パ
ターンがブレーキ油圧の増圧制御であると判断される
と、ステップ300に移行してブレーキ制御装置18に
制御実行信号Soを出力し、ステップ310に移行して
制御実行フラグF1をセットした後、一旦処理を終了す
る。つまり図5に示す如く、ステアリングが操舵され、
その操舵角速度
【0067】
【外22】
【0068】が基準値
【0069】
【外23】
【0070】以上となって左後輪10RLのブレーキ油圧
増圧パターンが選択されると、ブレーキ制御装置18に
制御実行信号Soを出力してブレーキ制御装置18を制
動制御実行可能な状態に制御し、制御実行フラグF1を
セットして制動制御の実行指令を行なうのである。尚ス
テップ290で上記選択された制御パターンがブレーキ
油圧の増圧制御でないと判断された場合には、そのまま
一旦処理を終了する。
【0071】次に上記ステップ260で実行される基準
値及び制御量の算出処理に付いて説明する。この処理
は、図6に示す如く、車体速度Vc、車体加速度
【0072】
【外24】
【0073】ステアリングの操舵角θ、及び左右後輪1
0RL,10RRの路面摩擦係数μRL,μRRに基づき、基準
【0074】
【外25】
【0075】及び制動制御量Kijの補正値を算出し
(ステップ261〜ステップ264)、その算出結果に
基づき予め設定された基準値及び制動制御量の初期値
【0076】
【外26】
【0077】及びKoijを補正する(ステップ26
5,ステップ266)、といった手順で実行される。ま
ずステップ261は、基準値
【0078】
【外27】
【0079】及び制動制御量Kijの車体速度補正値
【0080】
【外28】
【0081】及びCKVijを算出するための処理で、
例えば左後輪10RLの第1基準値
【0082】
【外29】
【0083】及び制御量KRL1を決定するための車体速
度補正値
【0084】
【外30】
【0085】及びCKVRL1を算出する場合には、図7
に示す如きマップが使用される。図7に示す如く、この
車体速度補正値算出用のマップは、車体速度Vcが大き
い程、基準値
【0086】
【外31】
【0087】の補正値
【0088】
【外32】
【0089】を小さく、制動制御量KRL1の補正値CK
VRL1を大きく設定するようにされている。これは車速
が大きくなる程ステアリングの操舵角速度
【0090】
【外33】
【0091】が小さくても左駆動輪の制動制御が実行さ
れ、しかもその制御量が大きくなるようにすることで、
車速が大きくなる程車体に加わるヨーモーメントを増大
させて、車両が速やかに旋回できるようにするためであ
る。またこのマップは、車速速度Vcが所定値Vco以
上となると補正値
【0092】
【外34】
【0093】を負の値に設定して、基準値
【0094】
【外35】
【0095】を負の値に補正できるようにされている。
これは車両高速走行時の基準値
【0096】
【外36】
【0097】を負の値に補正することで、例えば車両の
右旋回に旋回外輪となる左後輪10RLに制動が加わり、
車体に加わるヨーモーメントを抑制して車両がスピンす
るのを防止できるようにするためである。つまり車両高
速走行時にステアリングを操舵すると、車体に加わるヨ
ーモーメントがスピン発生限界以上となって車両がスピ
ンすることがあるが、このような運転状態下てみ、図5
に示す各基準値
【0098】
【外37】
【0099】の正負を反転して、例えばステアリングが
右方向に旋回された場合に旋回外輪となる左後輪10RL
に制動を加えて、車体に加わるヨーモーメントを抑制
し、車両がスピンするのを防止できるようにされている
のである。尚図7は、左後輪10RLの第1の基準値
【0100】
【外38】
【0101】及び制御量KRL1を決定するための車体速
度補正値
【0102】
【外39】
【0103】及びCKVRL1を算出するのに使用される
マップであるが、図5に示す左後輪10RLの第2の基準
【0104】
【外40】
【0105】及び制御量KRL2を決定するための車体速
度補正値
【0106】
【外41】
【0107】及びCKVRL2を算出する場合には、図7
と同様の形状で、各補正値
【0108】
【外42】
【0109】及びCKVRL2の絶対値が大きい値に設定
されたマップが使用される。また右後輪10RRの基準値
【0110】
【外43】
【0111】及び
【0112】
【外44】
【0113】を決定するための車体速度補正値
【0114】
【外45】
【0115】及び
【0116】
【外46】
【0117】を算出する場合には、夫々、左後輪10RL
の車体速度補正値
【0118】
【外47】
【0119】及び
【0120】
【外48】
【0121】を算出する場合に使用されるマップと略同
様で正負の反転されたマップが使用され、右後輪10RR
の制御量KRR1,KRR2を決定するための車体速度補正
値CKVRR1及びCKVRR2を算出する場合には、夫
々、左後輪10RLの車体速度補正値CKVRL1及びCK
VRL2を算出するのに使用されるマップと略同様のマッ
プが使用される。
【0122】次にステップ262は、基準値
【0123】
【外49】
【0124】及び制御制御量Kijの車体加速度補正値
【0125】
【外50】
【0126】及び
【0127】
【外51】
【0128】を算出するための処理で、例えば左後輪1
0RLの第1の基準値
【0129】
【外52】
【0130】及び制御量KRL1を決定するための車体加
速度補正値
【0131】
【外53】
【0132】及び
【0133】
【外54】
【0134】を算出する場合には、図8に示す如きマッ
プが使用される。図8に示す如く、この車体加速度補正
値算出用のマップは、車体加速度
【0135】
【外55】
【0136】が大きい程、基準値
【0137】
【外56】
【0138】の補正値
【0139】
【外57】
【0140】を大きく、制動制御量KRL1の補正値
【0141】
【外58】
【0142】を小さく設定するようにされている。これ
は左右後輪10RL及び10RRを連結するディファレンシ
ャルギヤ4の働きにより、車体加速度が大きくなるに従
い左右後輪の駆動力差が大きくなって、旋回内輪に制動
力を与えなくても旋回要求に応じた旋回特性が得られる
ようになるためである。なお図8は、左後輪10RLの第
1の基準値
【0143】
【外59】
【0144】及び制御量KRL1を決定するための車体速
度補正値
【0145】
【外60】
【0146】及び
【0147】
【外61】
【0148】を算出するのに使用されるマップである
が、左後輪10RLの第2の基準値
【0149】
【外62】
【0150】及び制御量KRL2を決定するための車体速
度補正値
【0151】
【外63】
【0152】及び
【0153】
【外64】
【0154】を算出する場合、或は右後輪10RRの基準
【0155】
【外65】
【0156】及び制御量KRR1,KRR2を決定するため
の車体加速度補正値
【0157】
【外66】
【0158】及び
【0159】
【外67】
【0160】を算出する場合には、図8のマップに対し
て上記車体速度補正値を算出する場合と同様の関係を持
つマップが使用される。また次にステップ263は、基
準値
【0161】
【外68】
【0162】及び制動制御量Kijの操舵角補正値
【0163】
【外69】
【0164】及びCKθijを算出するための処理で、
例えば左右後輪10RL,10RRの第1の基準値
【0165】
【外70】
【0166】及び制御量KRL1,KRR1を決定するため
の操舵角補正値
【0167】
【外71】
【0168】及び制御量CKθRL1,CKθRR1を算出
する場合には、図9に示す如きマップが用いられる。図
9に示す如く、この操舵角補正値算出用マップは、操舵
角θが左方向に大きくなる程、基準値
【0169】
【外72】
【0170】の補正値
【0171】
【外73】
【0172】を小さく、制動声量KRL1の補正値CKθ
RL1を大きく設定し、逆に操舵角θが右方向に大きくな
る程、基準値
【0173】
【外74】
【0174】の補正値(負の値)
【0175】
【外75】
【0176】の絶対値を小さく、制動制御量KRR1の補
正値CKθRR1を大きく設定するようにされている。こ
れはステアリングの操舵角θが小さいときには操舵角速
【0177】
【外76】
【0178】が比較的大きくても旋回内輪となる駆動輪
に制動力が加えることなく旋回要求に応じた旋回特性が
得られ、逆にステアリングの操舵角θが大きいときには
たとえ操舵角速度
【0179】
【外77】
【0180】が小さくても旋回内輪となる駆動輪に制動
力を加えなければ旋回要求に応じた旋回特性を得ること
ができないためである。尚図9は左右後輪10RL,10
RRの第1の基準値
【0181】
【外78】
【0182】及び制御量KRL1,KRR1を決定するため
の操舵角補正値
【0183】
【外79】
【0184】及び制御量CKθRL1,CKθRR1を算出
するのに使用されるマップであるが、左右後輪10RL,
10RRの第2の基準値
【0185】
【外80】
【0186】及び制御量KRL2,KRR2を決定するため
の操舵角補正値
【0187】
【外81】
【0188】及び制御量CKθRL2,CKθRR2を算出
する場合には、図9と同様の形状で、角補正値の絶対値
が図9より大きい値に設定されたマップが使用される。
次にステップ264は、基準値
【0189】
【外82】
【0190】及び制動制御量Kijの路面摩擦係数補正
【0191】
【外83】
【0192】及びCKμijを算出するための処理で、
例えば左後輪10RLの第1の基準値
【0193】
【外84】
【0194】及び制御量KRL1を決定するための路面摩
擦係数補正値
【0195】
【外85】
【0196】及びCKμRL1を算出する場合には、図1
0に示す如き左後輪位置での路面摩擦係数μRLをパラメ
ータとするマップが使用される。図10に示す如く、こ
の路面摩擦係数補正値算出用のマップは、左後輪位置で
の路面摩擦係数μRLが大きい程、基準値
【0197】
【外86】
【0198】の補正値
【0199】
【外87】
【0200】を小さく、制動制御量KRL1の補正値CK
VRL1を大きく設定するようにされており、また路面摩
擦係数μRLが所定値μo以下となると、路面摩擦係数μ
RLが小さい程、基準値
【0201】
【外88】
【0202】の補正値
【0203】
【外89】
【0204】を小さくするようにされている。これは左
後輪10RLが高μ路上にある場合には、制動制御によっ
て後輪にスリップが発生することはないが、摩擦係数μ
RLが低くなるとスリップが発生しやすくなり、更に雪路
のような低μ路となるとスピンが発生しやすくなるため
である。つまり図10に示す領域aの高μ路では補正値
【0205】
【外90】
【0206】を小さくして制動制御に入り易くし、領域
bの中μ路ではμが低くなるに従い補正値
【0207】
【外91】
【0208】を大きくして制動制御に入り難くし、領域
cの低μ路では補正値
【0209】
【外92】
【0210】を小さくして旋回外輪となる後輪に対する
制動制御が実行されるようにしているのである。図10
は、左後輪10RLの第1の基準値
【0211】
【外93】
【0212】及び制御量KRL1を決定するための路面摩
擦係数補正値
【0213】
【外94】
【0214】及びCKμRL1を算出するのに使用される
マップであるが、左後輪10RLの第2の基準値
【0215】
【外95】
【0216】及び制御量KRL2を決定するための車体速
度補正値
【0217】
【外96】
【0218】及びCKμRL2を算出する場合には、図1
0と同様の形状で、角補正値
【0219】
【外97】
【0220】及びCKμRL2の絶対値が大きい値に設定
されたマップが使用される。また右後輪10RRの基準値
【0221】
【外98】
【0222】及び制御量KRR1,KRR2を決定するため
の路面μ補正値
【0223】
【外99】
【0224】及びCKμRR1,CKμRR2を算出する場
合には、上記図10と略同様で正負の反転された右後輪
10RR位置での路面摩擦係数μRRをパラメータとするマ
ップが使用される。そしてステップ265では、予め設
定された基準値の初期値
【0225】
【外100】
【0226】に上記ステップ261〜ステップ264で
算出された基準値
【0227】
【外101】
【0228】を加算することで基準値
【0229】
【外102】
【0230】が算出され、ステップ266では、予め設
定された制動制御量の初期値Koijに上記ステップ2
61〜ステップ264で算出された基準値の補正値CK
Vij,
【0231】
【外103】
【0232】,CKθij,CKμijを加算すること
で制動制御量Kijが算出される。このようにステップ
260の基準値及び制御量算出処理では、車体速度、車
体加速度、ステアリングの操舵角、及び路面摩擦係数に
基づき、車両の走行状態が運転者の旋回要求に対して旋
回特性が大きくずれる走行状態となるほど、制御パター
ン設定用基準値
【0233】
【外104】
【0234】が小さい値に設定され、制御量Kijが大
きい値に設定される。また車両がスピン発生限界付近で
走行されていると制御パターン設定用基準値
【0235】
【外105】
【0236】の正負が反転される。このためステップ2
70では、車両がスピン発生限界付近で走行されている
場合には、車両運転者の旋回要求に応じて旋回外輪とな
る後輪の制動を行なうための制御パターンが選択され、
逆に車両がスピンする心配のない場合には、車両運転者
の旋回要求に応じて旋回内輪となる後輪の制動を行なう
制御パターンが選択されることとなる。
【0237】尚本実施例ではこのステップ260及びス
テップ270の処理が、前述の車輪スリップ検出手段,
判断手段,旋回外輪及び旋回内輪制動制御手段に相当す
る。また上記制御量Kijを設定するためのマップは、
車両旋回時及び制動時にサスペンション特性によって発
生する後輪のト一変化を考慮して設定されている。つま
りサスペンション特性によって車両旋回時及び制動時に
は左右後輪のト一角に変位が生じ、このと一角変化によ
って同じブレーキ油圧であっても後輪に生ずる制動トル
クが変化してしまうので、本実施例ではこのと一変化に
よる制動トルクの変化を考慮して上記マップを設定する
ことで、制動制御実行時に左右後輪に生じる制動トルク
を目標トルクに制御できるようにされているのである。
【0238】さらにこのトー変化を積極的に利用するこ
とにより、走行中の操舵変化に際して、車両の安定性、
操舵性を向上させることができる。例えば、ダブルフィ
ッシュボーン型サスペンションのように、車輪に制動力
が加わるとトーイン方向へアライメント変化を引き起こ
すように設定されているサスペンションがある。このサ
スペンション特性は車両の制動時の安定性の保持に重要
な役割を果たしている。そしてこのサスペンション特性
を以下のように利用する。
【0239】即ちまず車両低速旋回時には、旋回内輪側
となる後輪に制動力を与える。すると、この後輪のアラ
イメントはトーイン方向に変化する。このため前輪と後
輪の舵角の関係は逆位相となり、低速度旋回時において
ヨー角速度応答遅れを減少させることができる。また車
両の高速度旋回時には、旋回外輪となる後輪に制動力を
与える。すると、前輪と後輪の舵角の関係は同位相とな
り、高速度旋回時において、横加速度応答遅れを減少さ
せることができる。以上によりあらゆる速度において、
車両の旋回時の過渡応答特性を向上させることができ
る。
【0240】次に図11は所定時間毎に割り込み処理と
して実行される制御信号出力処理を表している。この処
理は、上記図4のメインルーチンで選択された制御パタ
ーンに応じて左右後輪10RL,10RRのブレーキ装置を
駆動して、左右後輪に制動をかけるための処理で、処理
が開始されるとまずステップ400を実行し、フラグF
1がセットされているか否か、即ち現在車両旋回時の制
動制御実行指令が行なわれている否かを判断する。そし
てフラグF1がリセット状態であれば、ステップ410
に移行して、制動制御実行時にセットされる上述の減圧
指令フラグF2をリセットすると共に、ステップ420
に移行して制動制御実行時に算出される左右後輪位置の
路面摩擦係数μRL,μRRを初期化し、ステップ430に
移行する。
【0241】またステップ430では制動制御実行のた
めの左右後輪10RL,10RRの制御量BL ,BR をOに
設定し、続くステップ440で角制御量BL ,BR の加
算値ΣBL ,ΣBR をOに設定する。また続くステップ
450では、制御実行信号Soの出力を停止し、次ステ
ップ460に移行して制御信号BL ,BR の出力を停止
し、一旦処理を終了する。
【0242】一方上記ステップ400で制御実行フラグ
F1がセット状態である旨判断された場合には、ステッ
プ470に移行して、減圧指令フラグF2がセットされ
ている否かを判断する。そして減圧指令フラグF2がセ
ットされていない場合には、上記ステップ270で選択
した制御パターンに応じて左右後輪10RL,10RRの制
御量KRL,KRRを読み込み、ステップ490に移行して
その読み込んだ制御量に応じた制御信号BL ,BR をブ
レーキ制御装置18に出力するまたステップ470で減
圧指令フラグF2がセットされていると判断された場
合、つまり制動制御によって後輪に制動スリップが発生
している場合には、その制動スリップを抑制するために
予め設定されたブレーキ油圧の減圧制御量(スリップ制
御量)を読み込み、ステップ490に移行して、その制
御量に応じた制御信号BL ,BR をブレーキ制御装置1
8に出力する。
【0243】尚ブレーキ制御装置18は、制御信号BL
,BR に応じたデューティ比により3位置弁50RL及
び50RRを駆動制御するため、各油圧ブレーキ装置40
RL及び40RRのブレーキ油圧は、図5(D)に示す如
く、上記選択された制動制御パターンに応じて増減さ
れ、左右後輪10RL及び10RRに夫々制動トルクが加え
られる。
【0244】次にステップ510では、その出力した制
御量BL,BR を現在の制御量加算値ΣBL,ΣBR に加算
してその値を更新することで、現在のブレーキ油圧を算
出し、ステップ520に移行する。ステップ520で
は、その更新された制御量加算ΣBL が0になったか
か、即ち制動制御によって増減制御される左後輪10BL
のブレーキ加圧が0になったか否かを判断する。そして
ΣBL ≦0で、左後輪10RLのブレーキ油圧が0になっ
ていると判断されると、続くステップ530に移行し
て、今度は上記更新された制御量加算値ΣBR が0に
ったか否かによって右後輪10RRのブレーキ油圧が0に
なったか否かを判断する。
【0245】そしてこのステップ530においてもΣB
R ≦0であると判断されると、つまり図5に示す如く左
右後輪のブレーキ油圧がともに0になった場合には、次
のステップ540に移行して制御実行フラグF1をリセ
ットし、処理を一旦終了する。また上記ステップ520
でΣBL >0であると判断された場合、或はステップ5
30でΣBR >0であると判断された場合には、そのま
ま処理を終了する。
【0246】以上のように構成された本実施例の旋回制
御装置では、車両の走行状態に応じて車両旋回時の制動
制御パターンが選択され、車両運転者の旋回要求によっ
て車両がスピンするような場合には旋回外輪となる後輪
に制動トルクが加えられ、旋回要求によって車両スピン
しない場合には、その旋回要求に応じて旋回内輪となる
後輪に制動トルクが加えられる。このため車両運転者に
よる旋回要求によって車両がスピンするような場合に
は、車体に働くヨーモーメントを減少してスピンの発生
を抑制し、逆にスピンが発生しない場合には、旋回要求
に応じて車体に働くヨーモーメントを増加して旋回特性
を向上することができる。
【0247】また本実施例では、後輪に制動トルクを加
えた場合にそのスリップ状態を監視し、後輪に制動スリ
ップが発生した場合には強制的にブレーキ油圧を減圧し
てスリップの発生を抑制するように構成されているこの
ため車両旋回時の制動制御によって後輪に制動スリップ
が発生することはなく、安全性を確保することができ
る。
【0248】また更に本実施例では、左右後輪位置での
路面摩擦係数μRL,及びμRRを求め、この値を一つのパ
ラメータとして基準値
【0249】
【外106】 及び制御量Kijを設定するので、車両が雪道等の低μ
路を走行している場合の旋回特性をも最適に制御するこ
とができ、車両の操縦性及び安全性をより向上すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】旋回制御装置全体の構成を表す概略構成図であ
る。
【図2】ブレーキ制御装置の構成を表す油圧系統図であ
る。
【図3】ブレーキ制御装置によるブレーキ油圧の制御方
法を説明する線図である。
【図4】電子制御回路で繰り返し実行される旋回制御処
理を表すフローチャートである。
【図5】制御パターンの選択及びその選択された制御パ
ターンに応じて実行される制動制御の動作を説明する線
図である。
【図6】制御パターン設定用基準値及び制御量の算出処
理を表すフローチャートである。
【図7】車体速度補正値を算出するのみ用いられるマッ
プを表す線図である。
【図8】車体加速度補正値を算出するのに用いられるマ
ップを表す線図である。
【図9】操舵角補正値を算出するのに用いられるマップ
を表す線図である。
【図10】路面摩擦係数補正値を算出するのに用いられ
るマップを表す線図である。
【図11】制御信号出力処理を表す線図である。
【符号の説明】
10FL,10FR 前輪 10RL,10RR 後輪 12FL,12FR,12RL,12RR 車輪速度セ
ンサ 14 操舵角センサ 16 電子制御装置 18 ブレーキ制御装置 40RL,40RR 油圧ブレーキ装置

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員による車両の旋回要求に相当する値
    として乗員によるステアリング操作に伴う操舵角の変化
    における操舵角速度を検出する旋回要求相当値検出手段
    と、 乗員によるブレーキ操作の状態を検知するブレーキ操作
    状態検知手段と、 前記ブレーキ操作に応じたブレーキ液圧により、車両の
    各輪に車輪制動力を発生させる車輪制動力発生部材と、 前記ブレーキ操作が行われていない際に車両の各輪に車
    輪制動力を付与可能なブレーキ液圧を発生する発生源を
    備えるとともに、車体の左右の各車輪に対応する車輪制
    動力発生部材に対して前記発生源からのブレーキ液圧を
    各々独立に調整して付与可能なブレーキ制御装置と、 前記ブレーキ操作状態検知手段により、乗員によりブレ
    ーキ操作がなされていない状態が検知された際に、前記
    旋回要求相当値に応じて前記車体の左右の各車輪に加え
    られる車輪制動力に差が生ずるように、前記ブレーキ制
    御装置を駆動制御する制御手段と、 を備え、 前記制御手段は、前記ブレーキ操作状態検知手段により
    乗員によりブレーキ操作が成された状態が検知された場
    合には、前記ブレーキ制御装置の駆動を禁止するととも
    に、車両の車体速度が大きいほどステアリング操舵角速
    度が小さくても車輪制動力を付与することを特徴とする
    車両の旋回制御装置。
  2. 【請求項2】 乗員による車両の旋回要求に相当する値
    として乗員によるステアリング操作に伴う操舵角の変化
    における操舵角速度を検出する旋回要求相当値検出手段
    と、 乗員によるブレーキ操作の状態を検知するブレーキ操作
    状態検知手段と、 前記ブレーキ操作に応じたブレーキ液圧により、車両の
    各輪に車輪制動力を発生させる車輪制動力発生部材と、 前記ブレーキ操作が行われていない際に車両の各輪に車
    輪制動力を付与可能なブレーキ液圧を発生する発生源を
    備えるとともに、車体の左右の各車輪に対応する車輪制
    動力発生部材に対して前記発生源からのブレーキ液圧を
    各々独立に調整して付与可能なブレーキ制御装置と、 前記ブレーキ操作状態検知手段により、乗員によりブレ
    ーキ操作がなされていない状態が検知された際に、前記
    旋回要求相当値に応じて前記車体の左右の各車輪に加え
    られる車輪制動力に差が生ずるように、前記ブレーキ制
    御装置を駆動制御する制御手段と、 を備え、 前記制御手段は、前記車両の車体速度に応じて、どの車
    輪に対して車輪制動力を付与するかを決定するととも
    に、車両の車体速度が大きいほどステアリング操舵角速
    度が小さくても車輪制動力を付与することを特徴とする
    車両の旋回制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、旋回外輪側のブレーキ
    制御装置において車輪制動力を発揮することにより前記
    車体の左右の各車輪に加えられる車輪制動力に差を設け
    ることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか
    に記載の車両の旋回制御装置。
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