JP3607985B2 - 車輌の車体速度推定装置及び制御装置 - Google Patents

車輌の車体速度推定装置及び制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の車体速度推定装置に係り、更に詳細には車輪速度に基づいて車体速度を推定する車体速度推定装置及び推定される車体速度を使用して所定の制御を実行する車輌の制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
四輪駆動(本願に於いては4WDと略称する)車に於いて車体速度を推定する車体速度推定装置の一つとして、例えば特開平10−230837号公報に記載されている如く、全ての車輪速度のうち最も低い車輪速度に基づいて車体速度を推定する車体速度推定装置が従来より知られており、また二輪駆動(本願に於いては2WDと略称する)車に於いては非駆動輪の車輪速度に基づいて車体速度を推定することも従来より知られている。
【0003】
これらの車体速度推定装置や車体速度推定方法によれば、車輪の駆動スリップの影響が少ない車輪速度に基づいて車体速度が推定されるので、車輪の駆動スリップの影響が考慮されることなく車体速度が推定される場合に比して正確に車体速度を推定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、四輪駆動車のなかには駆動状態が4WD状態と2WD状態とに切り替り可能な車輌が存在し、かかる車輌に於いてできるだけ車輪の駆動スリップの影響を受けないよう正確に車体速度を推定するためには、駆動状態が4WD状態であるか2WD状態であるかを判定し、その判定結果に応じて車体速度を推定するための車輪速度を変更する必要がある。従って駆動状態の判定が車輌の実際の駆動状態と異なる場合や駆動状態が不明である場合には、車体速度を正確に推定することができない。
【0005】
例えば車輌の実際の駆動状態が4WD状態であるが駆動状態切替え手段や通信系統の異常等に起因して車体速度推定装置に於ける駆動状態の判定が2WD状態である場合には、本来ならば全ての車輪速度のうち最も低い車輪速度に基づいて車体速度が推定されなければならないにも拘わらず、非駆動輪とみなされる車輪(実際には駆動輪である)の車輪速度に基づいて車体速度が推定されるため、車体速度が実際の値よりも高い値に推定されてしまうという問題が生じる。
【0006】
本発明は、駆動状態が4WD状態と2WD状態とに切り替り可能な車輌に於いて従来の車体速度推定装置や方法により車体速度を推定する場合に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、駆動状態が部分輪駆動状態であると判定されないときには、全輪駆動状態と判定される場合と同様に車体速度を推定することにより、車輌の実際の駆動状態と駆動状態の判定結果とが異なる場合や駆動状態が不明である場合にも従来に比して正確に車体速度を推定することである。
【0007】
また駆動状態が4WD状態と2WD状態とに切り替り可能な車輌であって、推定される車体速度を使用して所定の制御、例えば車輌の挙動が好ましからざる挙動であるときには所定の車輪に制動力を付与して挙動を安定化させる制動力制御式の挙動制御が行われる車輌の場合には、車体速度が実際の値よりも高い値に推定されると、挙動制御が開始されるべきではない状況に於いて挙動制御が開始されたり、挙動制御が終了すべき状況に於いて挙動制御が終了しなくなるという問題が生じ、また車輪の駆動スリップが過大であるときには当該車輪に制動力を付与して駆動スリップを抑制するトラクション制御が行われる車輌の場合には、車体速度が実際の値よりも高い値に推定されると、トラクション制御が開始されるべき状況に於いてトラクション制御が開始されなかったり、トラクション制御が終了すべきではない状況に於いてトラクション制御が終了したりするという問題が生じる。
【0008】
従って本発明の関連する課題は、車輪速度に基づいて車体速度を推定し、推定された車体速度に基づいて所定の制御を行う制御装置に於いて、車輌の実際の駆動状態と駆動状態の判定結果とが異なる場合や駆動状態が不明である場合にも従来に比して正確に車体速度を推定し、これにより所定の制御を従来に比して適正に行うことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち駆動状態切替え手段により駆動状態が全輪駆動状態と部分輪駆動状態とに切り替り可能な車輌の車体速度推定装置にして、前記駆動状態切替え手段の状態を検出する検出手段よりの信号及び前記駆動状態切替え手段に対する切替え指令に関する情報を取得する情報取得手段よりの信号に基づき駆動状態を判定する駆動状態判定手段と、前記検出手段よりの信号及び前記情報取得手段よりの信号の何れも部分輪駆動状態であり前記駆動状態判定手段により駆動状態が部分輪駆動状態であると判定されるときには非駆動輪の車輪速度に基づき車体速度を演算し、前記検出手段よりの信号及び前記情報取得手段よりの信号の何れも全輪駆動状態である場合、前記検出手段よりの信号の駆動状態及び前記情報取得手段よりの信号の駆動状態が相違する場合、前記検出手段よりの信号の駆動状態若しくは前記情報取得手段よりの信号の駆動状態が不明である場合には、部分輪駆動状態時に於ける非駆動輪の数をNとして全車輪速度のうち低い方からN番目以内の車輪速度に基づき車体速度を演算する車体速度演算手段とを有することを特徴とする車輌の車体速度推定装置によって達成される。
【0010】
上記請求項1の構成によれば、検出手段よりの信号及び情報取得手段よりの信号の何れも部分輪駆動状態であり駆動状態判定手段により駆動状態が部分輪駆動状態であると判定されるときには非駆動輪の車輪速度に基づき車体速度が演算され、検出手段よりの信号及び情報取得手段よりの信号の何れも全輪駆動状態である場合、前記検出手段よりの信号の駆動状態及び前記情報取得手段よりの信号の駆動状態が相違する場合、前記検出手段よりの信号の駆動状態若しくは前記情報取得手段よりの信号の駆動状態が不明である場合には、部分輪駆動状態時に於ける非駆動輪の数をNとして全車輪速度のうち低い方からN番目以内の車輪速度に基づき車体速度が演算されるので、駆動状態が全輪駆動状態である場合のみならず、車輌の実際の駆動状態が全輪駆動状態であるが駆動状態切替え手段や通信系統の異常等に起因して車体速度推定装置に於ける駆動状態の判定が部分輪駆動状態である場合の如く、駆動状態が全輪駆動状態及び部分輪駆動状態の何れであるか駆動状態判定手段が判定することができない状況に於いても、全ての車輪速度のうち低い方からN番目以内の車輪速度に基づいて車体速度が推定され、実際には駆動輪であるにも拘わらず非駆動輪とみなされた車輪の車輪速度に基づいて車体速度が推定されること及びこれに起因して車体速度が実際の値よりも高い値に推定されることが確実に回避される。
【0013】
また上述の関連する課題は、本発明によれば、請求項の構成、即ち駆動状態切替え手段により駆動状態が全輪駆動状態と部分輪駆動状態とに切り替り可能な車輌に於いて車体速度を使用して所定の制御を実行する車輌の制御装置にして、前記駆動状態切替え手段の状態を検出する検出手段よりの信号及び前記駆動状態切替え手段に対する切替え指令に関する情報を取得する情報取得手段よりの信号に基づき駆動状態を判定する駆動状態判定手段と、前記検出手段よりの信号及び前記情報取得手段よりの信号の何れも部分輪駆動状態であり前記駆動状態判定手段により駆動状態が部分輪駆動状態であると判定されるときには非駆動輪の車輪速度に基づき車体速度を推定すると共に該車体速度を使用して前記所定の制御を実行し、前記検出手段よりの信号及び前記情報取得手段よりの信号の何れも全輪駆動状態である場合、前記検出手段よりの信号の駆動状態及び前記情報取得手段よりの信号の駆動状態が相違する場合、前記検出手段よりの信号の駆動状態若しくは前記情報取得手段よりの信号の駆動状態が不明である場合には、部分輪駆動状態時に於ける非駆動輪の数をNとして全車輪速度のうち低い方からN番目以内の車輪速度に基づき車体速度を推定すると共に該車体速度を使用して前記所定の制御を実行する制御手段とを有することを特徴とする車輌の制御装置によって達成される。
【0014】
上記請求項の構成によれば、検出手段よりの信号及び情報取得手段よりの信号の何れも部分輪駆動状態であり駆動状態判定手段により駆動状態が部分輪駆動状態であると判定されるときには非駆動輪の車輪速度に基づき車体速度が推定されると共に該車体速度を使用して所定の制御が実行され、検出手段よりの信号及び情報取得手段よりの信号の何れも全輪駆動状態である場合、前記検出手段よりの信号の駆動状態及び前記情報取得手段よりの信号の駆動状態が相違する場合、前記検出手段よりの信号の駆動状態若しくは前記情報取得手段よりの信号の駆動状態が不明である場合には、部分輪駆動状態時に於ける非駆動輪の数をNとして全車輪速度のうち低い方からN番目以内の車輪速度に基づき車体速度が推定されると共に該車体速度を使用して所定の制御が実行されるので、上記請求項1の場合と同様車体速度が正確に推定され、これにより所定の制御が開始されるべきではない状況に於いて所定の制御が開始されたり、所定の制御が終了すべき状況に於いて所定の制御が終了しなくなったりする虞れや、所定の制御が開始されるべき状況に於いて所定の制御が開始されなかったり、所定の制御が終了すべきではない状況に於いて所定の制御が終了したりする虞れが低減される。
【0015】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項の構成に於いて、前記所定の制御は車輌の挙動が好ましからざる挙動であるときには所定の車輪に制動力を付与することにより好ましからざる挙動を抑制する制動力制御式の挙動制御であり、前記制御手段は車体速度を使用して車輌の挙動を推定するよう構成される(請求項の構成)。
【0016】
上記請求項の構成によれば、所定の制御は車輌の挙動が好ましからざる挙動であるときには所定の車輪に制動力を付与することにより好ましからざる挙動を抑制する制動力制御式の挙動制御であり、車体速度を使用して車輌の挙動が推定されるので、上記請求項の場合と同様車体速度が正確に推定されることにより、車輌の挙動が正確に推定され、これにより車体速度が実際の値よりも高い値に推定されることに起因して挙動制御が開始されるべきではない状況に於いて挙動制御が開始されたり、挙動制御が終了すべき状況に於いて挙動制御が終了しなくなったりする虞れが低減される。
【0017】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項の構成に於いて、前記制御手段は挙動制御実行中には該挙動制御により制動力が付与されている所定の車輪の車輪速度を除外して車体速度を推定するよう構成される(請求項の構成)。
【0018】
上記請求項の構成によれば、挙動制御実行中には該挙動制御により制動力が付与されている所定の車輪の車輪速度を除外して車体速度が推定されるので、挙動制御により制動力が付与されることにより低下している車輪速度に基づいて車体速度が低く推定されること及びこれに起因して挙動制御が開始されるべき状況に於いて挙動制御が開始されなかったり、挙動制御が終了すべきではない状況に於いて挙動制御が終了したりする虞れが確実に低減される。
【0022】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、所定の制御はトラクション制御であり、制御手段は駆動輪の駆動スリップの程度を判定するための基準速度として車体速度を使用するよう構成される(好ましい態様1)。
【0023】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様の構成に於いて、トラクション制御は車輪の駆動スリップが過剰である場合に当該車輪に制動力を付与することにより駆動スリップを抑制する制御であり、制御手段はトラクション制御により制動力が付与されている車輪の車輪速度を除外することなく車体速度を推定するよう構成される(好ましい態様)。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0025】
図1は四輪駆動車に適用され本発明による車体速度推定装置の一つの実施形態が組み込まれた制動力制御式の挙動制御装置を示す概略構成図である。
【0026】
図1に於いて、10はエンジンを示しており、エンジン10の駆動力はトルクコンバータ12及びトランスミッション14を介して出力軸16へ伝達され、出力軸16の駆動力は駆動状態切替え手段としてのトランスファー18により前輪用プロペラシャフト20若しくは後輪用プロペラシャフト22へ伝達される。エンジン10の出力は運転者により操作される図1には示されていないアクセルペダルの踏み込み量等に応じてエンジン制御装置24により制御される。
【0027】
またトランスファー18は駆動状態を4WD状態と2WD状態とに切替えるアクチュエータを含み、該アクチュエータは運転者により操作される切替えスイッチ(SW)26に応答して4WD制御装置28により制御され、切替えスイッチ26が4WD位置にあるときには出力軸16の駆動力を前輪用プロペラシャフト20及び後輪用プロペラシャフト22へ伝達する4WD位置にトランスファー18を設定し、切替えスイッチ26が2WD位置にあるときには出力軸16の駆動力を後輪用プロペラシャフト22のみへ伝達する2WD位置にトランスファー18を設定する。尚トランスファー18は、切替えスイッチ26が2WD位置にあるときには出力軸16の駆動力を前輪用プロペラシャフト20のみへ伝達する2WD位置に設定されるよう構成されてもよい。
【0028】
図1に示されている如く、4WD制御装置28は切替えスイッチ26より入力される指令信号に基づきトランスファー18に対する4WD制御装置28の指令位置が2WD位置及び4WD位置の何れであるかを示す信号をエンジン制御装置24へ出力し、エンジン制御装置24は4WD制御装置28の指令位置に応じてエンジン10の出力を制御する。
【0029】
前輪用プロペラシャフト20の駆動力は前輪ディファレンシャル30により左前輪車軸32L及び右前輪車軸32Rへ伝達され、これにより左右の前輪34FL及び34FRが回転駆動される。同様に後輪用プロペラシャフト22の駆動力は後輪ディファレンシャル36により左後輪車軸38L及び右後輪車軸38Rへ伝達され、これにより左右の後輪40RL及び40RRが回転駆動される。
【0030】
左右の前輪34FL、34FR及び左右の後輪40RL、40RRの制動力は制動装置42の油圧回路44により対応するホイールシリンダ46FL、46FR、46RL、46RRの制動圧が制御されることによって制御される。図には示されていないが、油圧回路44はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル47の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ48により制御され、また必要に応じて後に詳細に説明する如く挙動制御用電子制御装置50により制御される。
【0031】
電子制御装置50には車輪速度センサ52fr、52fl、52rr、52rlより左右前輪及び左右後輪の車輪速度Vfr、Vfl、Vrr、Vrlを示す信号、ヨーレートセンサ54より車輌のヨーレートγを示す信号、前後加速度センサ56及び横加速度センサ58よりそれぞれ車輌の前後加速度Gx及び横加速度Gyを示す信号、操舵角センサ60より操舵角θを示す信号が入力される。尚ヨーレートセンサ54、横加速度センサ58及び操舵角センサ60は車輌の左旋回方向を正として横加速度等を検出し、前後加速度センサ56は車輌の加速方向を正として前後加速度を検出する。
【0032】
また電子制御装置50にはエンジン制御装置24よりトランスファー18が2WD位置及び4WD位置の何れの位置にあるかを示す信号が入力されると共に、駆動状態検出スイッチ62よりトランスファー18が2WD位置及び4WD位置の何れの位置にあるかを示す信号が入力される。尚エンジン制御装置24、4WD制御装置28、電子制御装置50は実際には例えばCPU、ROM、RAM、入出力装置を含む一つのマイクロコンピュータ及び駆動回路にて構成されていてよい。
【0033】
かくしてエンジン制御装置24及び駆動状態検出スイッチ62は車輌の駆動状態に関する情報を取得する情報取得手段として機能し、特に駆動状態検出スイッチ62は駆動状態切替え手段としてのトランスファー18の状態を検出し、エンジン制御装置24はトランスファー18に対する切替え指令に関する情報を取得する。
【0034】
後に詳細に説明する如く、電子制御装置50は上述の種々のセンサにより検出されたパラメータに基づき後述の如く図2に示されたルーチンに従って種々の演算を行い、車体速度を推定し車輌の旋回挙動を判定すると共に、車輌がスピン状態又はドリフトアウト状態にあるときには旋回内側前輪の車輪速度を基準車輪速度として旋回挙動を安定化させるために制動力が付与される車輪(本願に於いては制御輪という)の目標スリップ率を演算し、制御輪のスリップ率が目標スリップ率になるよう制御輪の制動力を制御し、これにより車輌にスピン抑制方向又はドリフトアウト抑制方向のヨーモーメントを与えると共に車輌を減速させて挙動を安定化させる。
【0035】
特に図示の実施形態に於いては、電子制御装置50はエンジン制御装置24よりのトランスファー18の駆動位置を示す信号及び駆動状態検出スイッチ62よりのトランスファー18の駆動位置を示す信号に基づき、駆動状態が2WD状態及び4WD状態の何れであるかを判定し、駆動状態が2WD状態であると判定されるときには非駆動輪である左右前輪の車輪速度Vfr、Vflのうち高い方の値を車体速度Vbに設定し、駆動状態が2WD状態であると判定されないときには四つの車輪速度Vfr、Vfl、Vrr、Vrlのうち最も低い車輪速度を車体速度Vbに設定し、これを車速として種々の演算を行う。
【0036】
次に図2に示されたフローチャートを参照して実施形態に於ける車体速度推定及び挙動制御のルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0037】
まずステップ10に於いてはヨーレートセンサ54により検出された車輌のヨーレートγを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いてはエンジン制御装置24よりの信号及び駆動状態検出スイッチ62よりの信号に基づき、駆動状態が2WD状態であるかの判定が行われ、肯定判別、即ち駆動状態が2WD状態であると判定されたときにはステップ30に於いて非駆動輪である左右前輪の車輪速度Vfr、Vflのうち高い方の値が車体速度Vbに設定され、否定判別、即ち駆動状態が2WD状態であると判定されないときにはステップ40に於いて四つの車輪速度Vfr、Vfl、Vrr、Vrlのうち最も低い車輪速度が車体速度Vbに設定される。
【0038】
尚ステップ20の判別に於いては、エンジン制御装置24よりの信号及び駆動状態検出スイッチ62よりの信号の何れも2WD位置であるときには、駆動状態が2WD状態であると判定され、エンジン制御装置24よりの信号及び駆動状態検出スイッチ62よりの信号の何れも4WD位置である場合、エンジン制御装置24よりの信号の駆動位置と駆動状態検出スイッチ62よりの信号の駆動位置とが相違する場合、及び例えば信号通信系統の異常等に起因してエンジン制御装置24よりの信号若しくは駆動状態検出スイッチ62よりの信号の駆動位置が不明である場合には、駆動状態が2WD状態であると判定されない。
【0039】
また挙動制御が実行され制御輪に挙動制御による制動力が付与されている状況にてステップ30及び40に於いて車体速度Vbが設定される場合には、車体速度Vbの設定の基になる車輪速度より制御輪の車輪速度が除外され、これにより車体速度が実際の値よりも低く推定されることが防止される。
【0040】
即ちスピン制御が実行されている状況にてステップ20に於いて駆動状態が2WD状態であると判定されたときには、ステップ30に於いて制御輪である旋回外側前輪を除く左右前輪の車輪速度、即ち旋回内側前輪の車輪速度が車体速度Vbに設定され、スピン制御が実行されている状況にてステップ20に於いて駆動状態が2WD状態であると判定されないときには、ステップ40に於いて制御輪である旋回外側前輪を除く車輪の車輪速度、即ち旋回内側前輪の車輪速度及び左右後輪の車輪速度Vrr、Vrlのうち最も低い値が車体速度Vbに設定される。
【0041】
またドリフトアウト制御が実行されている状況にてステップ20に於いて駆動状態が2WD状態であると判定されたときには、制御輪は左右後輪であるので、ステップ30に於いてドリフトアウト制御が実行されていない場合と同様左右前輪の車輪速度Vfr、Vflのうち高い方の値が車体速度Vbに設定され、ドリフトアウト制御が実行されている状況にてステップ20に於いて駆動状態が2WD状態であると判定されないときには、ステップ40に於いて制御輪である左右後輪の車輪速度を除く車輪の車輪速度、即ち左右前輪の車輪速度Vfr、Vflのうち低い方の値が車体速度Vbに設定される。
【0042】
ステップ50に於いては横加速度Gyと車体速度Vb及びヨーレートγの積Vb・γとの偏差Gy−Vb・γとして横加速度の偏差、即ち車輌の横すべり加速度Vydが演算され、横すべり加速度Vydが積分されることにより車体の横すべり速度Vyが演算され、更に車体の前後速度Vx(=車体速度Vb)に対する車体の横すべり速度Vyの比Vy/Vxとして車体のスリップ角βが演算される。
【0043】
ステップ60に於いてはK1及びK2をそれぞれ正の定数として車体のスリップ角β及び横すべり加速度Vydの線形和K1・β+K2・Vydとしてスピン量SVが演算されると共に、ヨーレートγの符号に基づき車輌の旋回方向が判定され、スピン状態量SSが車輌の左旋回時にはSVとして、車輌の右旋回時には−SVとして演算され、演算結果が負の値のときにはスピン状態量は0とされる。尚スピン量SVは車体のスリップ角β及びその微分値βdの線形和として演算されてもよい。
【0044】
ステップ70に於いてはKhをスタビリティファクタとし、Hをホイールベースとし、Rgをステアリングギヤ比として下記の式1に従って目標ヨーレートγcが演算されると共に、Tを時定数としsをラプラス演算子として下記の式2に従って基準ヨーレートγtが演算される。尚目標ヨーレートγcは動的なヨーレートを考慮すべく車輌の横加速度Gyを加味して演算されてもよい。
γc=Vb・θ/(1+Kh・Vb)・H/Rg ……(1)
γt=γc/(1+T・s) ……(2)
【0045】
ステップ80に於いては下記の式3に従ってドリフトバリューDVが演算されると共に、ヨーレートγの符号に基づき車輌の旋回方向が判定され、ドリフトアウト状態量DSが車輌の左旋回時にはDVとして、車輌の右旋回時には−DVとして演算され、演算結果が負の値のときにはドリフトアウト状態量は0とされる。尚ドリフトバリューDVは下記の式4に従って演算されてもよい。
DV=(γt−γ) ……(3)
DV=H・(γt−γ)/V ……(4)
【0046】
ステップ90に於いてはスピン状態量SSに基づき図3に示されたグラフに対応するマップより旋回外側前輪のスリップ率目標値Rssfoが演算され、ステップ100に於いてはドリフトアウト状態量DSに基づき図4に示されたグラフに対応するマップより車輌全体のスリップ率目標値Rsallが演算される。
【0047】
ステップ110に於いてはKriを左右後輪のうちの旋回内側後輪に対する配分比(0.5≦Kri<1)として、下記の式5に従って旋回外側前輪、旋回内側前輪、旋回外側後輪、旋回内側後輪の目標スリップ率Rsfo、Rsfi、Rsro、Rsriが演算される。
Rsfo=Rssfo
Rsfi=0
Rsro=(1−Kri)・Rsall
Rsri=Kri・Rsall ……(5)
【0048】
ステップ120に於いてはヨーレートγの符号に基づき車輌の旋回方向が判定されることにより旋回内外輪が特定され、その特定結果に基づき各車輪の最終目標スリップ率Rsi(i=fr、fl、rr、rl)が演算される。即ち最終目標スリップ率Rsiが車輌の左旋回の場合及び右旋回の場合についてそれぞれ下記の式6及び式7に従って求められる。
【0049】
Rsfr=Rsfo
Rsfl=Rsfi
Rsrr=Rsro
Rsrl=Rsri ……(6)
Rsfr=Rsfi
Rsfl=Rsfo
Rsrr=Rsri
Rsrl=Rsro ……(7)
【0050】
ステップ130に於いては何れかの最終目標スリップ率Rsiが正であるか否か(全てのRsiが0ではないか否か)の判別、即ち挙動制御が必要であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ150へ進み、否定判別が行われたときにはステップ140に於いて各弁装置等が非制御位置に設定され、挙動制御が実行されることなくステップ10へ戻る。
【0051】
ステップ150に於いては各車輪のスリップ率がステップ120に於いて設定された最終目標スリップ率Rsiになるよう制動力が制御されることにより挙動制御が実行され、しかる後ステップ10へ戻る。
【0052】
かくして図示の実施形態によれば、車輌の旋回挙動が安定な状態にあるときには、ステップ130に於いて否定判別が行われることによりステップ140に於いて各弁装置等が非制御位置に設定された後ステップ10へ戻り、従ってこの場合にはステップ150による挙動制御は実行されず、これにより各車輪の制動圧は運転者によるブレーキペダル12の踏込み量に応じて制御される。
【0053】
また車輌の旋回挙動が不安定な状態にあるときには、ステップ130に於いて否定判別が行われることによりステップ150に於いて挙動制御が実行され、これにより車輌の旋回挙動が安定化される。即ち、車体のスリップ角β等に基づいてスピン状態量が演算され、また実ヨーレートγ等に基づいてドリフトアウト状態量が演算され、スピン状態量及びドリフトアウト状態量の両方に基づき各車輪の制動力が制御され、これにより車輌の挙動がスピン状態及びドリフトアウト状態の何れである場合にもそれらの不安定な挙動が低減される。
【0054】
この場合、ステップ20に於いてはエンジン制御装置24よりの信号及び駆動状態検出スイッチ62よりの信号に基づき、駆動状態が2WD状態及び4WD状態の何れであるかの判定が行われ、駆動状態が2WD状態であると判定されたときにはステップ30に於いて非駆動輪である左右前輪の車輪速度Vfr、Vflのうち高い方の値が車体速度Vbに設定され、駆動状態が2WD状態であると判定されないときにはステップ40に於いて四つの車輪速度Vfr、Vfl、Vrr、Vrlのうち最も低い車輪速度が車体速度Vbに設定される。
【0055】
従って車輌の実際の駆動状態が2WD状態であるときにはステップ20に於いて駆動状態が2WD状態であると判定され、これによりステップ30に於いて駆動力の影響がなく且つ路面抵抗の影響が少ない左右前輪の車輪速度Vfr、Vflのうち高い方の値が車体速度Vbに設定され、車輌の実際の駆動状態が4WD状態であるときにはステップ20に於いて駆動状態が2WD状態であると判定されず、これによりステップ40に於いて四つの車輪速度Vfr、Vfl、Vrr、Vrlのうち最も駆動力の影響が小さい車輪速度が車体速度Vbに設定されるので、駆動状態に拘わらず車体速度Vbを正確に演算することができる。
【0056】
また例えばトランスファー18のアクチュエータや信号通信系統の異常等に起因して4WD制御装置28の指令信号は2WD位置であるのに対し、トランスファー18の実際の駆動位置が4WD位置である場合には、エンジン制御装置24よりのトランスファー18の駆動位置を示す信号と駆動状態検出スイッチ62よりのトランスファー18の駆動位置を示す信号とが一致しないので、ステップ20に於いて駆動状態が2WD状態であると判定されない。
【0057】
従って本来ならば四つの車輪速度Vfr、Vfl、Vrr、Vrlのうち最も低い車輪速度が車体速度Vbに設定されなければならない状況に於いて、車体速度Vbが駆動輪である左右前輪の車輪速度Vfr、Vflのうちの高い方の値に設定されることにより本来の値よりも高い値になること及びこれに起因して車体のスリップ角βや車輌の基準ヨーレートγtが過大に演算されることを回避し、これにより車輌の実際の挙動は比較的安定であり挙動制御が開始されるべきではない状況に於いて挙動制御が開始されたり、挙動制御が終了すべき状況に於いて挙動制御が終了しなくなることを防止することができる。
【0058】
また例えばトランスファー18のアクチュエータや信号通信系統の異常等に起因して4WD制御装置28の指令信号は4WD位置であるのに対し、トランスファー18の実際の駆動位置が2WD位置である場合にも、エンジン制御装置24よりの信号と駆動状態検出スイッチ62よりの信号とが一致しないので、ステップ20に於いて駆動状態が2WD状態であると判定されない。
【0059】
この場合には左右の前輪は実際には非駆動輪であり、それらの車輪速度は駆動輪である左右後輪の車輪速度よりも低いので、車体速度Vbは左右前輪の車輪速度Vfr、Vflのうち低い方の値に設定され、従って車体速度Vbが駆動輪である左右後輪の車輪速度に基づき実際よりも高く演算されること及びこれに起因する上述の問題の発生を防止することができる。
【0060】
特に図示の実施形態によれば、挙動制御が実行されている状況にてステップ30及び40に於いて車体速度Vbが推定される場合には、車体速度Vbの設定の基になる車輪速度より制御輪の車輪速度が除外されるので、挙動制御によって制動力が付与されることにより大きく低下した車輪速度に基づいて車体速度が実際の値よりも低く推定されることを確実に防止することができ、これにより車輌の挙動を正確に推定することができると共に、挙動制御が開始されるべき状況に於いて挙動制御が開始されなくなったり挙動制御が終了すべきではない状況に於いて挙動制御が終了したりすることを防止することができる。
【0061】
また図示の実施形態によれば、駆動状態に関する情報取得手段はエンジン制御装置24及び駆動状態検出スイッチ62の二つであり、これらよりの信号の組合せにより駆動状態が判定されるようになっているので、情報取得手段が一つである場合に比して駆動状態を正確に判定することができ、これにより車体速度を正確に推定することができる。
【0062】
以上に於ては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0063】
例えば図示の実施形態に於いては、所定の制御は制動力制御式の挙動制御であり、車輌がスピン状態にあるときには旋回外側前輪に制動力が付与され、車輌がドリフトアウト状態にあるときには左右の後輪に制動力が付与されるようになっているが、車輌がスピン状態にあるときには旋回外側前輪及び旋回外側後輪に制動力が付与されてもよく、また車輌がドリフトアウト状態にあるときには旋回内側後輪に制動力が付与され又は旋回内側前輪を除く三つの車輪に制動力が付与されてもよい。
【0064】
また図示の実施形態に於いては、所定の制御は制動力制御式の挙動制御であるが、本発明に於ける所定の制御はトラクション制御であってもよく、その場合には推定される車体速度は駆動輪のスリップの程度を示すスリップ率やスリップ量の演算の基準となる速度として使用される。またその場合には制動力が付与される車輪の車輪速度が車体速度よりも過剰に低くなることはないので、車体速度の演算に際しトラクション制御により制動力が付与される車輪の車輪速度は除外されない。
【0065】
また図示の実施形態に於いては、車体速度Vbは駆動状態が2WD状態であるときには、非駆動輪である左右前輪の車輪速度のうち高い方の値に設定されるようになっているが、非駆動輪の車輪速度のうち低い方の値又は非駆動輪の車輪速度の平均値に設定されてもよい。同様に図示の実施形態に於いては、駆動状態が4WD状態にあるときには、全ての車輪の車輪速度のうち最も低い車輪速度が車体速度Vbに設定されるようになっているが、全ての車輪速度のうち低い方より2番目の車輪速度又は低い方より1番目及び2番目の車輪速度の平均値に設定されてもよく、更には車速が低い領域に於いては全ての車輪速度のうち最も低い車輪速度に設定され、高車速域に於いては全ての車輪速度のうち低い方から2番目の車輪速度に設定されるよう構成されてもよい。
【0066】
また図示の実施形態に於いては、駆動状態を全輪駆動状態と部分輪駆動状態とに切り換える駆動状態切り換え手段はトランスファーであり、運転者により操作される切り換えスイッチ26に基づき4WD制御装置28によってトランスファー18のアクチュエータが制御されることにより駆動位置が2WD位置と4WD位置とに切り換えられるようになっているが、駆動状態の切り換えは例えば車輌の走行状態に応じてエンジン制御装置により駆動状態が選択され、その選択結果に基づき自動的に切り替えられるよう構成されてもよく、またトランスファーの切り替えは運転者により操作される切り替えレバーにより行われるよう修正されてもよい。
【0067】
更に図示の実施形態に於いては、駆動状態に関する情報取得手段はエンジン制御装置24及び駆動状態検出スイッチ62であるが、例えば4WD制御装置28と駆動状態検出スイッチ62との組合せや切り換えスイッチ26と駆動状態検出スイッチ62との組合せであってもよく、また三つ以上の情報取得手段が採用されてもよく、更には情報取得手段は一つであってもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明より明らかである如く、本発明の車体速度推定装置によれば、実際には駆動輪であるにも拘わらず非駆動輪とみなされた車輪の車輪速度に基づいて車体速度が推定されること及びこれに起因して車体速度が実際の値よりも高い値に推定されることを確実に防止することができるので、車輌の実際の駆動状態と駆動状態の判定結果とが異なる場合にも従来に比して正確に車体速度を推定することができ、また本発明の制御装置によれば、正確に推定された車体速度を使用して所定の制御が実行されるので、車輌の実際の駆動状態と駆動状態の判定結果とが異なる場合にも従来に比して適正に所定の制御を実行することができ、特に所定の制御が開始されるべきではない状況に於いて所定の制御が開始されたり、所定の制御が終了すべき状況に於いて所定の制御が終了しなくなったりする虞れや、所定の制御が開始されるべき状況に於いて所定の制御が開始されなかったり、所定の制御が終了すべきではない状況に於いて所定の制御が終了したりする虞れを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】四輪駆動車に適用され本発明による車体速度推定装置の一つの実施形態が組み込まれた制動力制御式の挙動制御装置を示す概略構成図である。
【図2】実施形態に於ける車体速度推定及び挙動制御のルーチンを示すフローチャートである。
【図3】スピン状態量SSと旋回外側前輪のスリップ率目標値Rssfoとの間の関係を示すグラフである。
【図4】ドリフトアウト状態量DSと車輌全体のスリップ率目標値Rsallとの間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…エンジン
18…トランスファー
24…エンジン制御装置
26…切替えスイッチ
28…4WD制御装置
30…前輪ディファレンシャル
36…後輪ディファレンシャル
42…制動装置
44…油圧回路
50…挙動制御用電子制御装置
52fr〜52rl…車輪速度センサ
54…ヨーレートセンサ
56…前後加速度センサ
58…横加速度センサ
60…操舵角センサ
62…駆動状検出スイッチ

Claims (4)

  1. 駆動状態切替え手段により駆動状態が全輪駆動状態と部分輪駆動状態とに切り替り可能な車輌の車体速度推定装置にして、前記駆動状態切替え手段の状態を検出する検出手段よりの信号及び前記駆動状態切替え手段に対する切替え指令に関する情報を取得する情報取得手段よりの信号に基づき駆動状態を判定する駆動状態判定手段と、前記検出手段よりの信号及び前記情報取得手段よりの信号の何れも部分輪駆動状態であり前記駆動状態判定手段により駆動状態が部分輪駆動状態であると判定されるときには非駆動輪の車輪速度に基づき車体速度を演算し、前記検出手段よりの信号及び前記情報取得手段よりの信号の何れも全輪駆動状態である場合、前記検出手段よりの信号の駆動状態及び前記情報取得手段よりの信号の駆動状態が相違する場合、前記検出手段よりの信号の駆動状態若しくは前記情報取得手段よりの信号の駆動状態が不明である場合には、部分輪駆動状態時に於ける非駆動輪の数をNとして全車輪速度のうち低い方からN番目以内の車輪速度に基づき車体速度を演算する車体速度演算手段とを有することを特徴とする車輌の車体速度推定装置。
  2. 駆動状態切替え手段により駆動状態が全輪駆動状態と部分輪駆動状態とに切り替り可能な車輌に於いて車体速度を使用して所定の制御を実行する車輌の制御装置にして、前記駆動状態切替え手段の状態を検出する検出手段よりの信号及び前記駆動状態切替え手段に対する切替え指令に関する情報を取得する情報取得手段よりの信号に基づき駆動状態を判定する駆動状態判定手段と、前記検出手段よりの信号及び前記情報取得手段よりの信号の何れも部分輪駆動状態であり前記駆動状態判定手段により駆動状態が部分輪駆動状態であると判定されるときには非駆動輪の車輪速度に基づき車体速度を推定すると共に該車体速度を使用して前記所定の制御を実行し、前記検出手段よりの信号及び前記情報取得手段よりの信号の何れも全輪駆動状態である場合、前記検出手段よりの信号の駆動状態及び前記情報取得手段よりの信号の駆動状態が相違する場合、前記検出手段よりの信号の駆動状態若しくは前記情報取得手段よりの信号の駆動状態が不明である場合には、部分輪駆動状態時に於ける非駆動輪の数をNとして全車輪速度のうち低い方からN番目以内の車輪速度に基づき車体速度を推定すると共に該車体速度を使用して前記所定の制御を実行する制御手段とを有することを特徴とする車輌の制御装置。
  3. 前記所定の制御は車輌の挙動が好ましからざる挙動であるときには所定の車輪に制動力を付与することにより好ましからざる挙動を抑制する制動力制御式の挙動制御であり、前記制御手段は車体速度を使用して車輌の挙動を推定することを特徴とする請求項に記載の車輌の制御装置。
  4. 前記制御手段は挙動制御実行中には該挙動制御により制動力が付与されている所定の車輪の車輪速度を除外して車体速度を推定することを特徴とする請求項に記載の車輌の制御装置。
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