JP3139550B1 - バリア紙 - Google Patents

バリア紙

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JP3139550B1 JP11256729A JP25672999A JP3139550B1 JP 3139550 B1 JP3139550 B1 JP 3139550B1 JP 11256729 A JP11256729 A JP 11256729A JP 25672999 A JP25672999 A JP 25672999A JP 3139550 B1 JP3139550 B1 JP 3139550B1
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Abstract

【要約】 【課題】 防湿性・ガスバリア性が飛躍的に向上でき、
機械的性質が高く、さらにリサイクル時の裁断が容易な
バリア紙の提供を目的とするものである。 【解決手段】 基紙と防湿性及びガスバリア性を有する
バリア層とを備え、このバリア層が水離解性ポリマーと
無機充填剤とを含むバリア紙であって、前記無機充填剤
として分子状に分散した層状の粘土鉱物が用いられてい
ることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿性及びガスバ
リア性を有し、かつ、再生紙に抄紙することが可能なバ
リア紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】防湿紙、ガスバリア紙等を含むバリア紙
としては、現在、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化
ビニルなどの合成樹脂を塗工、貼合等することで基紙上
にバリア層を形成し、防湿性・防水性・ガスバリア性を
付与したのが一般的に用いられている。かかるバリア紙
は、防湿性等に関しては充分に機能を発揮し得るもので
あるが、古紙として回収使用する際の離解性が悪く、再
利用が困難であった。そのため、省資源、有効利用の観
点から大きな問題であった。
【0003】これに対し、リサイクル可能なバリア紙と
して、ワックスエマルジョン単独若しくは合成ゴム系ラ
テックスとの混合液を塗工することで、基紙上に水離解
性を有するバリア層を積層する方法が開示され(特公平
3−10759号参照)、さらにかかるバリア層を形成
する樹脂組成物に平板状の無機充填剤を配合し、防湿性
及びバリア性を向上させる方法も開発されている(特開
平9−21096号参照)。
【0004】この平板状の無機充填剤にはアスペクト比
が5以上でかつ平均粒子径が5μm〜50μmの雲母等
が用いられており、かかる平板状無機充填剤の配合によ
ってバリア性能が向上する原因としては、水蒸気等のガ
スの透過面積が小さくなることと、平板状無機充填剤が
バリア層表面に対して平行に配列しそれが何層も積層す
るため、バリア層中においてガスが平板状無機充填剤を
迂回しながら透過する結果、ガスの所要透過距離が大き
くなることがあり、両者相まって単位時間当たりのガス
の透過量が非常に小さくなるものと推察される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ワック
スを用いたバリア紙をロール状に巻き取った場合、バリ
ア層表面に含まれるワックスが当接するバリア紙の裏面
に付着する。そのため、バリア紙の裏面は非常に滑り安
くなり、バリア紙の包装物を並び揃える時に不揃いにな
ったり、滑り落ちたり、さらに重量物を包装した場合は
運搬時に互いにずれて落下するなどの重大な問題が発生
するおそれがある。
【0006】またバリア紙を古紙としてリサイクルする
場合、水への離解を容易にすべく、離解前に所定の大き
さの小片に裁断するのが一般的である。しかし、上記従
来のリサイクル可能なバリア紙は、バリア層を構成する
樹脂組成物中に平板状無機充填剤が配合され、しかもバ
リア層表面に対して平行に配列し、かつ、何層にも積層
されているため、かかるバリア紙を裁断するには平板状
無機充填剤を剪断する必要がある。従って、このような
リサイクル時のバリア紙の裁断に用いる刃物は損傷しや
すくなる。
【0007】本発明はこれらの不都合に鑑みてなされた
ものであり、防湿性・ガスバリア性が飛躍的に向上で
き、機械的性質が高く、さらにリサイクル時の裁断が容
易なバリア紙の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、炭酸カルシウム等の無機充填剤の添加のみでは
不十分であるが、無機充填剤の少なくとも一部を分子状
に分散した層状の粘土鉱物に置きかえることによって、
バリア層のバリア性がさらに高められることを見出し
た。
【0009】その結果、得られた上記課題を解決するた
めになされた発明は、基紙とバリア層とを備え、このバ
リア層が水離解性ポリマーと無機充填剤とを含むバリア
紙であって、上記水離解性ポリマーが合成ゴム系ラテッ
クスとアクリル系エマルジョンとから形成され、上記無
機充填剤として分子状に分散した層状の粘土鉱物が用い
られており、その層状の粘土鉱物が表面に有機オニウム
イオンが結合したものであることを特徴とするものであ
る。ここで、「分子状に分散した」とは、粘土鉱物の層
間に上記水離解性ポリマー等が侵入し、各層が分子状に
分散していることを意味する。
【0010】この手段によれば、防湿性・ガスバリア性
が飛躍的に向上できる。この原因はバリア層中に分子状
に分散した層状の粘土鉱物が水蒸気等のガスの透過を分
子レベルで防止するため、結果としてガスの透過面積が
小さくなったためと推測される。またバリア層内に添加
される無機充填剤が分子状に分散した層状の粘土鉱物で
あるため、リサイクル時の裁断が容易である。
【0011】さらに、層状の粘土鉱物とポリマーとがイ
オン結合などの強い相互作用により結合して樹脂が架橋
した構造を有している。すなわち、粘土鉱物が層と層と
の結合力(ファンデアワールス力、静電引力など)を越
えて、一層ごとに完全に分離して単独で存在し、かつそ
の層が有する陰電荷と樹脂の末端あるいは側鎖に有する
陽電荷(オニウムイオン)がイオン結合により結合して
いる。そのため、当該バリア紙の機械的性質を格段に高
めることができる。また、有機オニウムイオンで修飾し
た粘土鉱物を用いていることから、粘土鉱物の層間にポ
リマーが入り込みやすく、水離解性ポリマー中に粘土鉱
物が均一に分散したバリア層が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳説
する。当該実施形態に係るバリア紙は、基紙とバリア層
とが積層された構造である。
【0013】基紙を構成する紙素材は、特に限定される
ものではなく、種々の紙素材を使用することができる。
だたし、リサイクル性を考慮すると、機械的離解作用に
よって水中で分散しやすいものが好ましく、例えば広葉
樹クラフトパルプや針葉樹クラフトパルプのような化学
パルプ、機械パルプを原料とした上質紙、中質紙、片艶
クラフト紙、両更クラフト紙、クラフト伸長紙等が挙げ
られる。この基紙の坪量も格別の限定はなく、30〜3
00g/m2程度で適宜目的に応じて選択するとよい。
【0014】バリア層は特定の組成の樹脂組成物から形
成されており、この樹脂組成物は水離解性ポリマーと無
機充填剤とを含有するするものである。かかる水離解性
ポリマーとしては、従来から用いられているワックス系
等のエマルジョン、ラテックス、これらの混合物等を用
いることができるが、バリア性と水離解性とのバランス
を考慮すると、合成ゴム系ラテックスとアクリル系エマ
ルジョンと混合物が最適である。
【0015】上記合成ゴム系ラテックスとしては、スチ
レンブタジエンラテックス、メタクリレートブタジエン
ラテックス、アクリルニトリルブタジエンラテックスな
どが挙げられるが、耐水性の面が良好で伸びがよく折割
れによる塗工層の亀裂が生じにくいためにスチレンブタ
ジエンラテックスが好適である。ここで重合性単量体は
スチレン及び1,3−ブタジエンを主体とするが、その
他のスチレン及び1,3−ブタジエンと共重合可能な単
量体を本発明の目的を損なわない範囲で使用することが
できる。その他のスチレン及び1,3−ブタジエンと共
重合可能な単量体としては、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、p−t−ブチルトルエン、クロロスチレン等
の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル
酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メ
タ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリロニト
リル等のシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;アクリ
ル酸グリシジル、およびメタクリル酸グリシジル等のエ
チレン性不飽和酸のグリシジルエステル;アリルグリシ
ジルエーテル等の不飽和アルコールのグリシジルエーテ
ル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の
(メタ)アクリルアミド系単量体等が挙げられ、これら
の重合性単量体を単独でまたは二種以上を組み合わせて
用いることができる。
【0016】また上記アクリル系エマルジョンとして
は、具体的には、スチレンおよびスチレン誘導体、アク
リル酸(メタクリル酸)、アクリル酸(メタクリル酸)
エステル等を共重合したアクリルコポリマー、アクリル
−スチレンコポリマー等の共重合体系を用いることがで
きる。
【0017】かかる合成ゴム系ラテックスとアクリル系
エマルジョンとの配合比率は、重量比で50:100〜
100:50にするとよい。これは、アクリル系エマル
ジョンの配合比が上記範囲より小さいと、柔らかく、水
離解性及びブロッキング性が悪くなり、逆に、アクリル
系エマルジョンの配合比が上記範囲を超えると、硬く、
バリア性が悪くなることからである。
【0018】さらに、上記水離解性ポリマーのガラス転
移温度(Tg)は、15℃以上40℃以下の範囲、特に
20℃以上30℃以下の範囲が好ましい。これは、Tg
が15℃より小さい場合、離解時に塗工層を形成してい
るポリマーの堅さが充分でなく、柔軟で伸びが大きくな
り、この伸びが離解時に受ける剪断力に対しての抵抗力
となり、細かく分離、分散され難く、離解性が悪くな
り、ブロッキング性も悪くなる。逆に、Tgが40℃を
越える場合、塗工層を形成しているポリマーが非常に堅
くなり、離解性は非常に良好になるが、折り曲げ時の防
湿性やヒートシール性が悪くなることからである。
【0019】バリア層に配合される無機充填剤はバリア
層の防湿性及びガスバリア性をさらに高める作用をもつ
ものである。かかる無機充填剤としては、例えば炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ
等の珪酸塩やシリカなどの群から選ばれた1種又は2種
以上のものを用いることができる。本発明は、この無機
充填剤の少なくとも一部に分子状に分散した層状の粘土
鉱物を用いることを特徴とする。かかる層状の粘土鉱物
を含有することによって、バリア層の防湿性及びガスバ
リア性がさらに高められる。
【0020】上記粘土鉱物としては、例えば、モンモリ
ロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、
スティブンサイト、ノントロナイトなどのスメクタイト
系クレイ、バーミキュライト、ハロイサイト等がある。
天然のものでも、合成されたものでもよい。
【0021】水離解性ポリマー中に層状の粘土鉱物を分
子状に分散させるためには、表面に有機オニウムイオン
を結合した粘土鉱物を使用するとよい。有機オニウムイ
オンが結合した粘土鉱物の層間にはポリマーが入り込み
やすく、水離解性ポリマー中に粘土鉱物が均一に分散し
たバリア層が得られる。このように有機オニウムイオン
で修飾した粘土鉱物を用いると、水離解性ポリマーに混
合することで、水離解性ポリマー中に層状の粘土鉱物を
分子状に分散させ、層状の粘土鉱物に水離解性ポリマー
を含ませることができる。また、この混合の際に、本発
明の無機充填剤を加えることもできる。
【0022】一般に、モンモリロナイトクレイにはモン
モリロナイト以外の不純物を含んでいるため、これに有
機オニウムイオンを結合した粘土鉱物にも不純物を含ん
でいる。この不純物を含んだ有機化粘土鉱物を無機充填
剤として用いることで、本発明のように無機充填剤の少
なくとも一部を分子状に分散した層状の粘土鉱物とする
ことができる。この方法は、精製した粘土鉱物に有機オ
ニウムイオンを結合させるより、コスト的に安くなり、
本発明の望ましい実施態様である。
【0023】上記有機オニウムイオンとしては、例え
ば、ヘキシルアンモニウムイオン、オクチルアンモニウ
ムイオン、2−エチルヘキシルアンモニウムイオン、ド
デシルアンモニウムイオン、ラウリルアンモニウムイオ
ン、オクタデシルアンモニウムイオン、ステアリルアン
モニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオ
ン、トリオクチルアンモニウムイオン、ジステアリルジ
メチルアンモニウムイオン、又はラウリン酸アンモニウ
ムイオン等を用いることができる。また上記有機オニウ
ムイオンとしては、炭素数6以上のものが好ましい。炭
素数が6未満の場合には、有機オニウムイオンの親水性
が高まり、ポリマーとの相溶性が低下するおそれがあ
る。
【0024】粘土鉱物としては、ポリマーとの接触面積
が大きいものを用いることが好ましい。これにより粘土
鉱物の層間を大きく膨潤させることができる。具体的に
は、粘土鉱物の陽イオンの交換容量は、50〜200ミ
リ当量/100gであることが好ましい。50ミリ当量
/100g未満の場合には、有機オニウムイオンの交換
が十分に行われず、粘土鉱物の層間を膨潤させることが
困難な場合がある。一方、200ミリ当量/100gを
越える場合には、粘土鉱物の層間の結合力が強固とな
り、粘土鉱物の層間を膨潤させることが困難な場合があ
る。
【0025】また有機オニウムイオンは、粘土鉱物のイ
オン交換容量の0.3〜3当量用いることが好ましい。
粘土鉱物のイオン交換容量が0.3当量未満では粘土鉱
物層間を膨潤させることが困難となる場合があり、3当
量を越える場合はポリマーの劣化の原因となり、バリア
層の着色原因となるおそれがある。更に好ましくは、有
機オニウムイオンは、粘土鉱物のイオン交換容量の0.
5〜2当量用いる。これにより、粘土鉱物層間を更に膨
潤させることができ、また樹脂複合材の劣化、変色をよ
り一層防止できる。
【0026】上述の有機オニウムイオンが結合した粘土
鉱物として、当該粘土鉱物の存在下に重合性のモノマー
が重合されたものを使用するとよい。この重合性のモノ
マーとは、後に述べる合成樹脂ラテックスやエマルジョ
ンに使用するモノマーが好適であるが、メタクリル酸、
アクリル酸、アクリルニトリル、アクリルアミドなどの
共重合成分もポリマーと粘土鉱物との親和性を改善する
ために好適である。
【0027】さらに、上記有機オニウムイオンが結合し
た粘土鉱物としては、(a)有機オニウムイオンと重合
性の官能基の両方をもつ化合物が結合したもの、(b)
有機オニウムイオンと重合性の官能基の両方をもつ化合
物の存在下、他の重合性モノマーを重合させたもの、
(c)有機オニウムイオンと重合性の官能基の両方をも
つ化合物と他の重合性モノマーの重合によって合成され
た有機オニウムイオンを含むポリマーを結合したもの、
が好適である。この有機オニウムイオンと重合性の官能
基の両方をもつ化合物としては、例えば、ジメチルアミ
ノエチルメタクリル酸の塩化メチル4級塩、ジメチルア
ミノエチルスチレンの塩化メチル4級塩、ジメチルアミ
ノプロピルエチレンの臭化メチル4級塩などが挙げら
れ、これらを結合したものを用いて、他の重合性モノマ
ーの存在下に重合させるか、これらと他の重合性モノマ
ーを重合させたポリマーを結合することができる。
【0028】上述の無機充填剤と水離解性ポリマーとの
配合比率は、重量比で1:99〜60:40の範囲が好
適である。これは、無機充填剤が1%より小さいとバリ
ア性が不十分となり、ブロッキングを生じやすくなり、
逆に、60%を越えるとバリア層中の無機充填剤とポリ
マーの間に空隙が非常に多くなるためバリア性が劣化す
ることからである。
【0029】これらバリア層を形成するための塗工量
は、5〜50g/m2の範囲が好ましく、10〜30g
/m2の範囲が特に好ましい。上記塗工量が5g/m2
り小さいとバリア性が大幅に劣化し、50g/m2を越
えると透湿度の向上が頭打ちとなるので非経済的であ
る。
【0030】上記バリア層を形成するための塗工液は、
(a)無機充填剤を水中分散しラテックスあるいはエマ
ルジョンと混合する方法、(b)無機充填剤をラテック
スあるいはエマルジョン中で分散する方法、(c)有機
オニウムイオンが結合した粘土鉱物の存在下に重合性の
モノマーが重合される場合には、粘土鉱物を含むラテッ
クスあるいはエマルジョンを混合する方法等によって得
ることができる。このとき必要とあらば、デンプン、ポ
リビニルアルコール等の水溶性樹脂を保護コロイドとし
て用いたり、ポリカルボン酸などの分散剤、消泡剤、界
面活性剤、色合い調成剤を添加したりすることができ
る。このようにして調成した塗工液を基紙上に塗工し乾
燥する場合、乾燥温度は塗工液が十分に成膜する熱量を
与えれば十分であるため一般の塗工紙と同等の乾燥条件
でよい。
【0031】また、片面にのみバリア層を形成する場合
は塗工面の反対側にはカール防止のために水塗りをする
方が好ましい。
【0032】なお、バリア層を形成するための塗工設備
としては、特に限定されないが、エアナイフコーター、
バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ゲ
ートロールコーター等から任意に選択することができ
る。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、
この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈され
るべきものではないことはもちろんである。
【0034】[実施例1]固形分換算で、オクタデシル
アンモニウムイオンが結合したモンモリロナイト4重量
部とタルク6重量部をスチレンブタジエンラテックス4
5重量部とアクリルエマルジョン45重量部に混合分散
して、バリア層を形成する塗工液を調製した。この塗工
液を75g/m2のクラフト紙上にバーコーターを使用
して約20g/m2塗布して実施例1のバリア紙を得
た。なお、この塗工液のTgは26℃であった。
【0035】[実施例2]塗工液として、ジメチルアミ
ノエチルメタクリル酸の塩化メチル4級塩を共重合した
アクリルエマルジョン10重量部にモンモリロナイト4
重量部を混合分散したものと、タルク6重量部をスチレ
ンブタジエンラテックス40重量部とアクリルエマルジ
ョン40重量部に混合分散したものとの混合物を用いた
以外は実施例1と同様にして実施例2のバリア紙を得
た。なお、当該塗工液のTgは22℃であった。
【0036】[比較例]塗工液として、タルク10重量
部をスチレンブタジエンラテックス45重量部とアクリ
ルエマルジョン45重量部に混合分散したものを用いた
以外は実施例1と同様にして比較例のバリア紙を得た。
【0037】[特性の評価]上記実施例1、2のバリア
紙と比較例のバリア紙を用い、水離解性と透湿度を以下
に示した方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0038】(1)離解性 500mlの水に1.5g(パルプ濃度0.3%)を加
えて、刃を丸くした家庭用ミキサー(ナショナルMX−
1200G)を用いて常温で3分間(電圧60V)離解
し、次にこの離解した試料を標準フルイ(メッシュ2
8、(590μm))で手漉きしプリントヒーター(1
50℃、鏡面)により約10分間乾燥させた後、目視に
より表面の樹脂残と熱熔融性を確認し、3段階評価し
た。
【0039】(2)透湿度 カップ法(JIS−Z−0208−B法)に基づいて透
湿度を測定した。
【0040】
【表1】
【0041】上記表1に示すように、実施例1のバリア
紙は水離解性が良好で、かつ、透湿度が比較例のバリア
紙以上の良好な防湿性を示した。また、実施例2のバリ
ア紙も、水離解性が良好で、かつ、透湿度が比較例のバ
リア紙以上の良好な防湿性を示した。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のバリア紙
によれば、バリア紙の基本性能である防湿性、ガスバリ
ア性等や機械的性質を飛躍的に向上させることができ、
かつ、古紙としてリサイクルを容易にできる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙とバリア層とを備え、このバリア層
    が水離解性ポリマーと無機充填剤とを含むバリア紙であ
    って、上記水離解性ポリマーが合成ゴム系ラテックスとアクリ
    ル系エマルジョンとから形成され、 上記無機充填剤として分子状に分散した層状の粘土鉱物
    が用いられており、上記層状の粘土鉱物が表面に有機オニウムイオンが結合
    したものである ことを特徴とするバリア紙。
  2. 【請求項2】 上記有機オニウムイオンが重合性官能基
    をもつものである請求項1に記載のバリア紙。
  3. 【請求項3】 上記有機オニウムイオンが結合した層状
    の粘土鉱物が、当該粘土鉱物の存在下に重合性モノマー
    が重合されたものである請求項1又は請求項2に記載の
    バリア紙。
  4. 【請求項4】 上記重合性モノマーがバリア層を構成す
    る水離解性ポリマーである請求項3に記載のバリア紙。
  5. 【請求項5】 上記水離解性ポリマーのガラス転移温度
    が15℃以上40℃以下である請求項1から請求項4
    いずれか1項に記載のバリア紙。
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