JP3847830B2 - 防湿紙およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は防湿紙およびその製造方法に関する。さらに詳しくは防湿性に優れ、且つ再使用が容易な防湿紙、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
防湿紙の需要は包装紙をはじめとして種々の用途に適用され、近年その需要が伸びてきている。また省資源の観点から、回収再使用可能なことが望まれているが、ワックスの含有量が多いものにあっては再生紙にした時に、ピッチと呼ばれる斑点が生じ易い。このような観点から種々の防湿紙が提案されている。
【0003】
例えば、特開昭55−30419号公報にはワックスエマルジョン、水性結合剤および顔料を含む組成物をクラフト紙等の表面に塗布した、再使用可能な防湿紙が、特開昭59−66598号公報には合成ゴムラテックスにワックス系エマルジョンを配合した水性エマルジョンを紙に塗工した防湿性のある易離解性紙がが開示されている。また、特開平3−10759号公報にはパラフィンワックスを主成分とするエマルジョンを基材に塗布し、加温下で乾燥する防湿シートの製造方法が、特開平4−334447号公報には最低造膜温度1℃以上の重合体水分散液を紙に塗工して第一層を形成し、これにワックスと重合体との水分散液を塗工して第二層を形成して、乾燥することによって第一層および第二層からなる防湿紙を製造する方法が開示されている。
【0004】
これらの公報に開示されている防湿紙は、いずれも塗工層を加熱処理することにより、ワックスを塗工層の表面に移行させ、該表面にワックスの均一な防湿膜を形成させようとするものである。このような防湿紙は、ワックス含有量が比較的少ないにも拘らず、表層の薄いワックスの膜が防湿効果を発揮する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような防湿紙にあっても再生紙としての利用を高めるには、ワックス含有量が多すぎるため、これを更に低減させることが望まれていた。具体的には0.5g/m2 以下のワックス量でポリエチレンラミネート紙の代替品としても使用可能な透湿度50g/m2 ・24h以下の防湿紙が望まれていた。また、平滑度の低い紙に従来技術を用いても、充分な防湿効果が期待できない問題もあった。
本発明は、少ないワックス量で高い防湿性を有し、且つ比較的平滑度の低い紙、具体的にはJIS P 8119による平滑度が50秒以下の紙、であっても基材として使用できる防湿紙およびそのような防湿性を与える防湿紙の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
ところで、ワックスを水分散体として用いる場合は、界面活性剤、水溶性樹脂等の分散剤を添加する必要があるが、この分散剤の含有量が多いと防湿性が劣るという点に本発明者らは着目し、ワックスを表層に移行させて均一な膜を作る際に、阻害要因と考えられる分散剤を減ずる工夫を種々行った結果、塗工層を2層に分け、ワックスを第一層目に塗工される水分散体中に含有させ、第二層目に塗工される水分散体中には、上記阻害要因と考えられる分散剤を極力含有させないことにより可能となることを発見し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
(1)JIS P 8119に規定の平滑度が50秒以下の紙の少なくとも片面に、ワックスと透湿性を有するガラス転移温度が25℃以下の水不溶性重合体とを含む最低造膜温度が30℃以下の水分散体を塗工して第一層を形成し、その表面に透湿性を有するガラス転移温度が25℃以下の水不溶性重合体を含む最低造膜温度が30℃以下の水分散体を塗工して第二層を形成し、加熱処理することによって第二層の表面に第一層中に存在するワックスを移行させることからなる防湿紙の製造方法、
(2)第一層に顔料を配合してなる上記(1)記載の防湿紙の製造方法、及び
(3)JIS P 8119に規定の平滑度が50秒以下の紙の少なくとも片面に、ワックス、透湿性を有するガラス転移温度が25℃以下の水不溶性重合体および顔料を主成分とする、乾燥重量が25g/m 2 以下の防湿層が形成され、該防湿層は0.45g/m 2 以下のワックスを含有し、かつ、顔料が少なくとも紙面側に層状に固定されていると共に、表面側に0.45g/m2 以下のワックスによる防湿膜が形成され、透湿度(温度40℃、相対湿度90%でJIS Z 0208による)が50g/m2 ・24h以下の防湿紙、に関する。
【0008】
本発明で使用される紙に特別の制限はなく、包装用紙、印刷用紙、ダンボール原紙、紙器用板紙等が使用可能である。
紙は、サイジングされていてもされていなくてもよい。また樹脂等による表面加工処理が施されていてもよい。
特に平滑度(JIS P 8119に規定)が低い紙を使用した場合、本発明の効果が顕著に発揮され、平滑度が50秒以下、さらに10〜20秒程度の特に平滑性の低い板紙についても良好な防湿性が得られる。
【0009】
ワックスは天然物および石油等に由来するものが特に制限なく使用できる。例えば、パラフィンワックス、低融点ポリエチレンワックス、脂肪酸エステルワックス、脂肪酸ワックス、石油油脂ワックス、合成樹脂ワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。これらは単独あるいは混合物として使用してもよい。
なかでも、パラフィンワックス、合成樹脂ワックスが好ましい。
ワックスの分子量(Mn)は、300〜500が好ましく、また融点は100℃以下が好ましく、さらに好ましくは50〜70℃である。
【0010】
透湿性を有する水不溶性重合体として、例えば、アクリル系重合体、合成ゴム、酢酸ビニル重合体等が挙げられる。具体的には、アクリル系重合体として、例えば、アクリル酸メチル重合体、アクリル酸エチル重合体、アクリル酸ブチル重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル重合体、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル共重合体、アクリル酸ブチル−スチレン共重合体、エチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体等が挙げられる。合成ゴムとして、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ニトリル−ブタジエン共重合体、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等のブタジエン系重合体、イソプレン重合体等のイソプレン系重合体等が挙げられる。酢酸ビニル重合体として、例えば、酢酸ビニル重合体、酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エチル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸ブチル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸ジブチル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等が挙げられる。この他に、スチレン重合体等のスチレン系重合体、エチレン重合体、エチレン−酢酸ビニル重合体等のエチレン系重合体も使用できる。
なお、これら水不溶性重合体の防湿層中の含有量は、離解性の点から15g/m2 以下とすることが望ましい。
【0011】
第一層を形成する水分散体には、上記成分に加えて界面活性剤、水溶性樹脂等の分散剤が添加されており、ワックスを水分散体として取り扱えるようになっている。
分散剤は特に制限なく使用でき、例えば、ポリオキシアルキレンモノアルキレート(炭素数10〜18のアルコールとエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとの反応により得られるもの)、ドデシルベンゼンスルホネート、ドデシルアミン塩酸塩、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール等が用いられる。分散剤の使用量は特に制限はないが、通常ワックスに対して15重量%以下で使用される。
【0012】
これら以外の成分として顔料が含まれていてもよい。
顔料は、通常紙塗工に用いられるものであればいかなるものも使用可能である。例えば、カオリナイト、セリサイト、雲母、タルク、クロライト、パイロフィライト、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、着色顔料、有機顔料等が挙げられ、好ましいものとして、炭酸カルシウム、クレー等が挙げられる。
顔料の粒子径は、0.1〜5μm程度が好ましい。粒子径がこの範囲内であることが防湿層を形成するうえで適切であり、かつ平滑な塗工層が得られる。
【0013】
顔料の適切な含有量としては、防湿層中の水不溶性重合体に対して、好ましくは2倍(重量)程度まで、より好ましくは1.3〜1.7倍程度である。顔料を含有させることは防湿層中の水不溶性重合体を減らす、具体的には5g/m2 以下にすることができ、コスト的に有利であるとともに、再生紙として使用する際の離解性が良くなる利点がある。
上記成分の他該水分散体には、消泡剤、耐水剤、粘性改良剤、保水剤、防腐剤、着色剤等が添加されてもよい。
【0014】
第一層を形成する水分散体は通常の方法によって調製される。例えば、ワックス、水不溶性重合体、分散剤および必要に応じて顔料の水分散体をそれぞれ調製し、それらを同時に、または順次混合する。
【0015】
第一層を形成する水分散体中のワックス、水不溶性重合体および顔料の重量比(ワックス/水不溶性重合体/顔料)は特に限定されず、要求性能に応じて適宜決められる。好ましい重量比は1/1〜30/0〜200、更に好ましくは1/5〜30/0〜100である。
【0016】
また、水分散体中の固形分濃度は30〜70重量%の範囲内が好ましい。
【0017】
水分散体の最低造膜温度は30℃以下であることが好ましい。最低造膜温度が30℃以下の水分散体を使用すると、高い防湿性のある層が得られる。ここで「最低造膜温度30℃以下」とは、重合体水分散液が30℃以下の温度で成膜能力があることをいう。最低造膜温度の下限は特に限定されない。
【0018】
第一層を形成する水分散体の塗工量は、要求性能等により任意に変えうるが、一般的には3〜20g/m2 (乾燥重量)が好ましく、特に好ましくは5〜10g/m2 (乾燥重量)である。
塗工法は公知の方法で行われる。例えば、塗工液を、ロールコータ、ブレードコータ、エアナイフコータ等の公知のコータを用いて紙面に塗工し、乾燥工程を経て層を形成させる。
【0019】
このようにして得た第一層のみでの透湿度は、比較例に示すように高く、単独塗工ではポリエチレンラミネート紙の代替品としての性能は得られない。
【0020】
第一層を形成した後、その表面に透湿性を有する水不溶性重合体を含む水分散液の層である第二層を形成する。
透湿性を有する水不溶性重合体として、第一層を形成する水分散体で例示したものと同じものが使用できる。
該重合体の水分散体中の固形分濃度は30〜70重量%が好ましい。
【0021】
第二層を形成する水分散体には、上記重合体を用いることができ、安定剤等の他の物質を添加してもよいが、第一層のワックスの移行を妨げないことが肝要である。
【0022】
第二層を形成する水分散体の最低造膜温度については、第一層を形成する水分散体と同じく、30℃以下が好ましい。
【0023】
水分散体の塗工量は、1〜3g/m2 (乾燥重量)が好ましい。塗工量がこの範囲内であれば、充分な防湿効果が得られ、かつコスト的にも有利である。
【0024】
第二層の塗工法も第一層の塗工法と同様に行い、第二層を形成した後、60〜200℃の加熱処理を施すことによって、第二層の表面に第一層中に存在したワックスが移行し、0.5g/m2 以下、好ましくは0.1〜0.3g/m2 のワックスによる薄く均一な膜を造る。
ワックスの量が0.5g/m2 を超えると、防湿効果は飽和し、経済的に不利となるばかりでなく、ワックスの過剰な添加は離解して、古紙として再使用した場合に、すべり、しみ、斑点等のワックスによる問題の生じる可能性が増大する。
【0025】
このようにして得た本発明の防湿紙の透湿度は50g/m2 ・24h以下である。透湿度が50g/m2 ・24hを超えると、ポリエチレンラミネート紙の代替品としての性能が得られない。
【0026】
本発明の防湿紙は、その高い防湿性と離解性に優れている点から、古紙としての再利用が困難なポリエチレンラミネート紙の代替品として、非常に有望であると考えられる。
【0027】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
米坪量330g/m2 のコート白ボール(JIS P 8119による裏面の平滑度:約15秒)を基材とし、その裏面に融点58℃のパラフィンワックスエマルジョン〔荒川化学工業(株)製〕(固形分が約30重量%、ワックス成分が約27重量%、分散剤が約3重量%)100重量部とガラス転移温度25℃でソープフリーのSBRエマルジョン〔日本ゼオン(株)製〕2000重量部(固形分45重量%)との混合物を、ワイヤーロッドで12g/m2 となるように塗工し、100℃で20秒間乾燥し、アンダーコート層(第一層)を形成した。次にガラス転移温度17℃のソープフリーのSBRエマルジョン〔日本ゼオン(株)製〕(固形分45重量%)をワイヤーロッドで4g/m2 となるように第一層上に塗工して100℃、40秒間乾燥し、オーバーコート層(第二層)を形成した。得られた包装材の透湿度は25g/m2 ・24hであった。
【0028】
実施例2
実施例1と同じ基材の裏面に合成樹脂ワックスエマルジョン〔互応化学(株)製〕(固形分が約40重量%、ワックス成分が約10重量%で残りが合成樹脂と分散剤)100重量部とガラス転移温度が−12℃のNBRエマルジョン〔日本ゼオン(株)製〕(固形分40重量%)2000重量部との混合物をワイヤーロッドで20g/m2 となるように塗工し、100℃で20秒間乾燥し、アンダーコート層(第一層)を形成した。次にガラス転移温度−20℃のNBRエマルジョン〔日本ゼオン(株)製〕(固形分42重量%)をワイヤーロッドで5g/m2 となるように第一層上に塗工して100℃、40秒間乾燥し、オーバーコート層(第二層)を形成した。得られた包装材の透湿度は44g/m2 ・24hであった。
【0029】
実施例3
実施例1と同じ基材の裏面に実施例2と同様の合成樹脂ワックスエマルジョン100重量部とスチレン−ブチルアクリレートを主成分とし、ガラス転移温度が20℃のエマルジョン(固形分30重量%)2000重量部との混合物をワイヤーロッドで20g/m2 となるように塗工し、100℃で20秒間乾燥し、アンダーコート層(第一層)を形成した。次にガラス転移温度25℃のソープフリーのSBRエマルジョン〔日本ゼオン(株)製〕(固形分45重量%)をワイヤーロッドで5g/m2 となるように第一層上に塗工して100℃、40秒間乾燥し、オーバーコート層(第二層)を形成した。得られた包装材の透湿度は33g/m2 ・24hであった。
【0030】
実施例4
実施例1と同じ基材の裏面に顔料として湿式重質炭酸カルシウム〔商標:H−60、備北粉化工業(株)製、固形分75重量%〕100重量部、接着剤としてガラス転移温度が5℃のSBRエマルジョン〔旭化成工業(株)製〕(固形分48重量%)30重量部および実施例1で用いたパラフィンワックスエマルジョン5重量部を成分とする顔料分散液をワイヤーロッドで15g/m2 となるように塗工し、100℃で20秒間乾燥し、アンダーコート層(第一層)を形成した。アンダーコート層中のワックスの配合量は0.25g/m2 であった。
次に第一層に用いたSBRエマルジョンをワイヤーロッドで5g/m2 となるように第一層上に塗工して100℃、40秒間乾燥し、オーバーコート層(第二層)を形成した。得られた包装材の透湿度は38g/m2 ・24hであった。
【0031】
実施例5
実施例4において第二層に用いたSBRエマルジョンの代わりに、ガラス転移温度−48℃のソープフリーのアクリルエマルジョン〔商標:AE336、日本合成ゴム(株)製〕(固形分55重量%)を使用した以外は実施例4と同様に製造した。得られた包装材の透湿度は50g/m2 ・24hであった。
【0032】
実施例6
実施例1と同じ基材の裏面に顔料としてカオリン〔商標:アマゾン90、カダム社製〕の水分散液(固形分60重量%)100重量部、接着剤として実施例4で用いたSBRエマルジョン37重量部および実施例1で用いたパラフィンワックスエマルジョン6重量部を成分とする顔料分散液をワイヤーロッドで20g/m2 となるように塗工し、100℃で40秒間乾燥し、アンダーコート層(第一層)を形成した。アンダーコート層中のワックスの配合量は0.45g/m2 であった。
次にガラス転移温度0℃のソープフリーのSBRエマルジョン〔日本ゼオン(株)製〕(固形分45重量%)をワイヤーロッドで5g/m2 となるように第一層上に塗工して100℃、40秒間乾燥し、オーバーコート層(第二層)を形成した。得られた包装材の透湿度は37g/m2 ・24hであった。
【0033】
実施例7
実施例1と同じ基材の裏面に顔料として実施例4で用いた湿式重質炭酸カルシウム100重量部、接着剤として実施例4で用いたSBRエマルジョン30重量部および実施例1で用いたパラフィンワックスエマルジョン2.5重量部を成分とする顔料分散液をワイヤーロッドで20g/m2 となるように塗工した後、100℃で20秒間乾燥し、アンダーコート層(第一層)を形成した。第一層中のワックスの配合量は0.17g/m2 であった。
次に実施例6の第二層で用いたSBRエマルジョンをワイヤーロッドで5g/m2 となるように第一層上に塗工して100℃、40秒間乾燥し、オーバーコート層(第二層)を形成した。得られた包装材の透湿度は50g/m2 ・24hであった。
【0034】
比較例1
実施例1と同じ基材の裏面に、実施例1で用いたパラフィンワックスエマルジョン100重量部と実施例1の第一層で用いたSBRエマルジョン2700重量部との混合物をワイヤーロッドで16g/m2 となるように塗工し、100℃40秒間乾燥して、ワックスおよび重合体の配合量が実施例1にほぼ等しい防湿層を形成した。得られた包装材の透湿度は450g/m2 ・24hであった。
【0035】
比較例2
実施例1と同じ基材の裏面に、実施例2で用いた合成樹脂ワックスエマルジョン100重量部と実施例2の第一層で用いたNBRエマルジョン2500重量部との混合物をワイヤーロッドで25g/m2 となるように塗工し、100℃40秒間乾燥して、ワックスおよび重合体の配合量が実施例2にほぼ等しい防湿層を形成した。得られた包装材の透湿度は530g/m2 ・24hであった。
【0036】
比較例3
実施例1と同じ基材の裏面に、実施例3で用いた合成樹脂ワックスエマルジョン100重量部と実施例3の第一層で用いたスチレン−ブチルアクリレートエマルジョン2000重量部との混合物をワイヤーロッドで27g/m2 となるように塗工し、100℃40秒間乾燥して、実施例3よりワックス含有量の多い防湿層を形成した。得られた包装材の透湿度は750g/m2 ・24hであった。
【0037】
比較例4
実施例1と同じ基材の裏面に、顔料として実施例4で用いた湿式重質炭酸カルシウム100重量部、接着剤として実施例4で用いたSBRエマルジョン75重量部および実施例4で用いたパラフィンワックスエマルジョン5重量部との混合物をワイヤーロッドで20g/m2 となるように塗工し、100℃40秒間乾燥して、ワックス、重合体および顔料の配合量が実施例4にほぼ等しい防湿層を形成した。得られた包装材の透湿度は910g/m2 ・24hであった。
【0038】
比較例5
実施例1と同じ基材の裏面に、顔料として実施例6で用いたカオリンの水分散液100重量部、接着剤として実施例6の第一層で用いたSBRエマルジョン70重量部および実施例6で用いたパラフィンワックスエマルジョン6重量部との混合物をワイヤーロッドで25g/m2 となるように塗工し、100℃40秒間乾燥して、ワックス、重合体および顔料の配合量が実施例6にほぼ等しい防湿層を形成した。得られた包装材の透湿度は730g/m2 ・24hであった。
【0039】
比較例6
実施例1と同じ基材の裏面に、顔料として実施例7で用いた湿式重質炭酸カルシウム100重量部と接着剤として実施例7の第一層で用いたSBRエマルジョン30重量部との混合物をワイヤーロッドで20g/m2 となるように塗工した後、100℃20秒間乾燥し、アンダーコート層(第一層)を形成した。
次に実施例7の第二層で用いたSBRエマルジョン100重量部および実施例7の第一層で用いたパラフィンワックスエマルジョン8重量部との混合物をワイヤーロッドで5g/m2 となるように、第一層上に塗工して、100℃40秒間乾燥し、オーバーコート層(第二層)を形成した。
即ち、上記構成のものは実施例7の第一層中に含まれるのと同量のワックス成分を第二層に含有させた構成である。得られた包装材の透湿度は170g/m2 ・24hであった。
【0040】
表1に実施例1〜7および比較例1〜6で得た包装材の透湿度、および各包装材の第一層および第二層の成分、塗工量等をまとめた。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明の防湿紙は、少ないワックス量で高い防湿性をもち、且つ比較的平滑度の低い紙も基材として使用できるものである。また本発明の製造方法によれば、上記した優れた防湿紙を容易に製造することができる。
Claims (3)
- JIS P 8119に規定の平滑度が50秒以下の紙の少なくとも片面に、ワックスと透湿性を有するガラス転移温度が25℃以下の水不溶性重合体とを含む最低造膜温度が30℃以下の水分散体を塗工して第一層を形成し、その表面に透湿性を有するガラス転移温度が25℃以下の水不溶性重合体を含む最低造膜温度が30℃以下の水分散体を塗工して第二層を形成し、加熱処理することによって第二層の表面に第一層中に存在するワックスを移行させることからなる防湿紙の製造方法。
- 第一層に顔料を配合してなる請求項1記載の防湿紙の製造方法。
- JIS P 8119に規定の平滑度が50秒以下の紙の少なくとも片面に、ワックス、透湿性を有するガラス転移温度が25℃以下の水不溶性重合体および顔料を主成分とする、乾燥重量が25g/m 2 以下の防湿層が形成され、該防湿層は0.45g/m 2 以下のワックスを含有し、かつ、顔料が少なくとも紙面側に層状に固定されていると共に、表面側に0.45g/m2 以下のワックスによる防湿膜が形成され、透湿度が50g/m2 ・24h以下の防湿紙。
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