JP3131889B2 - 自動変速機のライン圧制御装置 - Google Patents

自動変速機のライン圧制御装置

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JP3131889B2
JP3131889B2 JP18285393A JP18285393A JP3131889B2 JP 3131889 B2 JP3131889 B2 JP 3131889B2 JP 18285393 A JP18285393 A JP 18285393A JP 18285393 A JP18285393 A JP 18285393A JP 3131889 B2 JP3131889 B2 JP 3131889B2
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秀樹 関口
要 末広
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機のライン圧制
御装置に関し、詳しくは、変速終了時の入力側の回転速
度を予測し、該予測結果に基づいて演算した変速機の入
力トルクに応じて変速中のライン圧を制御する装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載される自動変速機において
は、変速機に対する入力トルクに応じてライン圧を調整
することが望まれる。そのため、特開平3−24946
8号公報に開示されるライン圧制御装置では、エンジン
の出力トルクを吸入空気量に応じて求める一方、変速時
には変速に伴う回転速度の変化により生じるエネルギー
分(以下、イナーシャトルクという。)を前記エンジン
の出力トルクに付加して変速機に対する入力トルクを求
め、前記入力トルクに応じたライン圧制御を行わせてい
る。
【0003】前記イナーシャトルクの演算処理において
は、まず、変速開始時における入力側の回転速度(エン
ジン回転速度又はトルクコンバータのタービン回転速
度)と、変速前後のギヤ比とに基づいて、変速終了時の
入力側の回転速度を予測し、次いで、前記予測結果に基
づいて求められる回転速度の変化と変速時間とから前記
イナーシャトルクを演算するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なイナーシャトルクの演算において、スロットル開度が
略一定の状態で変速が行われる場合には、変速中の車速
を一定と仮定することで変速終了時における入力側の回
転速度をギヤ比に応じて求めることができるが、スロッ
トルの戻し操作に伴って変速(シフトアップ)が行われ
るようなときには(以下、単にスロットル戻し変速とい
う。)、変速終了時の入力側回転速度の予測結果が実際
と大きく異なってイナーシャトルクを正確に求めること
ができず、設定されるライン圧が要求と異なり変速性能
を悪化させることがあった。
【0005】即ち、例えばスロットル全閉戻しシフトア
ップ変速時で、かつ、エンジンブレーキが作動しない条
件では、変速終了時の入力側回転速度は、アイドル回転
にまで低下するが、変速開始時の回転速度とギヤ比とか
ら変速終了時における入力側の回転速度を予測する制御
では、アイドル回転よりも高い回転速度を予測すること
になるため、実際に発生するイナーシャトルクよりも低
いトルクを設定し、これによって要求よりも低いライン
圧が設定されることになってしまう。そして、要求より
も低いライン圧に制御されることによって、変速動作の
応答が悪化するという問題が生じる。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、スロットル戻し変速が行われた場合であっても、
イナーシャトルクを精度良く演算でき、以て、変速中の
ライン圧を適正に制御できるようにすることを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのため本発明にかかる
自動変速機のライン圧制御装置は、エンジンの動力伝達
系を構成する自動変速機の各変速要素を制御する油圧回
路に供給されるライン圧を制御する自動変速機のライン
圧制御装置であって、図1又は図2に示すように構成さ
れる。
【0008】図1において、回転速度検出手段は、変速
機の入力側の回転速度を検出し、ライン圧設定手段は、
変速前の車速と変速後の車速とを同一と仮定して、変速
開始時に前記回転速度検出手段で検出された入力側の回
転速度と変速前後の変速機のギヤ比とに基づいて変速終
了時における入力側の回転速度を予測し、変速開始時に
前記回転速度検出手段で検出された入力側の回転速度と
前記予測した変速終了時における入力側の回転速度との
差に基づいて変速中のライン圧を設定する。そして、ラ
イン圧制御手段は、前記設定されたライン圧に応じて前
記油圧回路に供給されるライン圧を制御する。
【0009】一方、スロットル開度検出手段は、エンジ
ンのスロットル開度を検出し、ライン圧制限手段は、変
速中に前記スロットル開度検出手段によりスロットル開
度が所定開度以下に変化したことが検出されたときに、
前記ライン圧制御手段で制御される変速中のライン圧を
所定の下限値以上に制限する。また、図2において、回
転速度検出手段は、変速機の入力側の回転速度を検出
し、ライン圧設定手段は、変速前の車速と変速後の車速
とを同一と仮定して、変速開始時に前記回転速度検出手
段で検出された入力側の回転速度と変速前後の変速機の
ギヤ比とに基づいて変速終了時における入力側の回転速
度を予測し、変速開始時に前記回転速度検出手段で検出
された入力側の回転速度と前記予測した変速終了時にお
ける入力側の回転速度との差に基づいて変速中のライン
圧を設定する。
【0010】一方、スロットル開度検出手段は、エンジ
ンのスロットル開度を検出し、スロットル変化時ライン
圧設定手段は、変速中に前記スロットル開度検出手段に
よりスロットル開度が所定開度以下に変化したことが検
出されたときに、前記ライン圧設定手段に代わって、変
速開始時に前記回転速度検出手段で検出された入力側の
回転速度とエンジンのアイドル運転状態における前記入
力側の回転速度との差に基づいて変速中のライン圧を設
定する。
【0011】そして、ライン圧制御手段は、前記設定さ
れたライン圧に応じて前記油圧回路に供給されるライン
圧を制御する。ここで、前記変速機が、減速時に締結操
作されることによりエンジンブレーキを作用させる摩擦
要素を備える場合には、変速中であってかつ前記摩擦要
素の締結状態において前記スロットル開度検出手段によ
りスロットル開度が所定開度以下に変化したことが検出
されたときに、前記ライン圧設定手段及びスロットル変
化時ライン圧設定手段に代わって、変速開始時に前記回
転速度検出手段で検出された入力側の回転速度と、車速
及び変速後のギヤ比に基づいて推定した変速終了時の入
力側の回転速度とに基づいて変速中のライン圧を設定す
るエンジンブレーキ時ライン圧設定手段を設けることが
好ましい。
【0012】
【作用】かかる構成によると、変速前の車速と変速後の
車速とを同一と仮定して、変速開始時における入力側の
回転速度とギヤ比とに基づいて変速終了時における入力
側の回転速度が予測演算され、該予測された変速終了時
における回転速度から変速動作に伴う回転速度の変化
(回転変化により生じるエネルギー分)を知って、これ
に応じた変速中のライン圧が設定される。
【0013】ここで、変速中にスロットル開度が所定開
度以下になったことが検出された場合、即ち、前述した
スロットル戻し変速であるときには、実際の変速終了時
における入力側の回転速度が前記予測値を下回り、予測
演算した回転速度に基づき設定されるライン圧が要求レ
ベルを下回ることがあるので、少なくとも所定の下限値
を下回るライン圧が設定されることがないように制限を
加えて、スロットル戻し変速時であっても要求レベルを
大きく下回るライン圧に制御されることがないようにし
た。
【0014】また、変速中にスロットル開度が所定開度
以下に変化した場合には、変速開始時における入力側の
回転速度に基づいて予測される変速終了時における入力
側の回転速度の精度が悪化するから、変速中にスロット
ル開度の変化が検出された場合には、変速終了時の回転
速度を更新設定し、該更新設定した回転速度に応じて新
たにライン圧を設定し直す。
【0015】ここで、エンジンブレーキを作用させる摩
擦要素の非締結時には、スロットルの戻し操作によって
変速終了時の回転をアイドル回転と見做すことができる
が、前記摩擦要素の締結時には、変速開始時の入力側の
回転速度と、車速及び変速後のギヤ比に基づいて推定さ
れる変速終了時の入力側の回転速度とに基づいてライン
圧を設定させる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
のシステム構成の概略を示す図3において、図示しない
車両に搭載されたエンジン1の出力側に自動変速機2が
設けられている。この自動変速機2は、エンジン1の出
力側に介在する流体式トルクコンバータ3と、この流体
式トルクコンバータ3を介して連結された歯車式変速機
4と、この歯車式変速機4中の各種変速要素の結合・開
放操作を行う油圧アクチュエータ5とを備える。油圧ア
クチュエータ5に対する作動油圧は各種の電磁バルブを
介して制御されるが、ここでは自動変速のためのシフト
用電磁バルブ6A,6Bのみを示してある。尚、7は自
動変速機2の出力軸である。
【0017】ここで、流体式トルクコンバータ3及び油
圧アクチュエータ5に対する作動油圧であるライン圧を
得るために、歯車式変速機4の入力軸により駆動される
オイルポンプ8が用いられると共に、パイロットバルブ
9,電磁バルブ10,プレッシャモディファイヤバルブ11
及びプレッシャレギュレータバルブ12が設けられてい
る。
【0018】パイロットバルブ9は、オイルポンプ8の
吐出圧を電磁バルブ10に作用するパイロット圧に調圧す
る。電磁バルブ10は、後述の如くコントロールユニット
13によってデューティ制御され、前記パイロット圧を運
転条件に応じたスロットル圧に調圧し、プレッシャモデ
ィファイヤバルブ11では、パイロット圧をスロットル圧
に応じたプレッシャモディファイヤ圧へ調圧し、プレッ
シャレギュレータバルブ12へ作用する。プレッシャレギ
ュレータバルブ12では、オイルポンプ吐出圧を、プレッ
シャモディファイヤ圧に比例したライン圧へ調圧し、流
体式トルクコンバータ3及び油圧アクチュエータ5等の
油圧回路へ送る。
【0019】コントロールユニット13には、各種のセン
サからの信号が入力される。前記各種のセンサとして
は、エンジン1の吸気系のスロットル弁14の開度TVO
を検出するポテンショメータ式のスロットルセンサ15
(スロットル開度検出手段)が設けれらている。また、
エンジン1のクランク軸又はこれに同期して回転する軸
(カム軸)にクランク角センサ16が設けられている。こ
のクランク角センサ16からの信号は、例えば基準クラン
ク角毎のパルス信号で、その発生周期によりエンジン回
転速度Neが算出される。
【0020】また、エンジン1の吸気系に吸入空気流量
Qを検出するエアフローメータ17が設けられている。更
に、自動変速機2の出力軸7には車速VSPを検出する
車速センサ18が設けられており、また、トルクコンバー
タ3のタービンライナー又は歯車式変速機4の入力軸か
ら回転信号(タービン回転速度)Nt を取り出すタービ
ンセンサ19(回転速度検出手段)が設けられている。
【0021】コントロールユニット13は、前記車速VS
P及びスロットル弁開度TVO、更に、運転者が操作す
るセレクトレバー位置等の情報に基づいて、所定の変速
位置となるように各種ソレノイドバルブを制御すると共
に、後述するように油圧回路に供給されるライン圧PL
を制御する機能を有している。ここで、コントロールユ
ニット13が電磁バルブ10をデューティ制御することによ
って行う変速時のライン圧PL制御の様子を、図4のフ
ローチャートに従って説明する。尚、本実施例におい
て、ライン圧設定手段,ライン圧制御手段,ライン圧制
限手段としての機能は、前記図4のフローチャートに示
すように、コントロールユニット13がソフトウェア的に
備えている。
【0022】図4のフローチャートにおいて、まず、ス
テップ1(図中ではS1としてある。以下同様)では、
歯車式変速機4に対する入力トルクTQSENを算出す
る。前記入力トルクTQSENは、エンジン1の出力ト
ルクTQENGと、変速動作に伴う回転速度変化により
生じるエネルギー分(イナーシャトルク)TQINSと
の合計として求められる(TQSEN←TQENG+T
QINS)。
【0023】前記エンジン1の出力トルクTQENG
は、エアフローメータ17で検出される吸入空気流量Qと
クランク角センサ16で検出されるエンジン回転速度Ne
とからシリンダ吸入空気量に比例する値として算出され
る(TQENG←k×Q/Ne:kは定数)。一方、前
記イナーシャトルクTQINSは、タービンの等価慣性
モーメントをIt 、変速前のギヤ比をG1 、変速後のギ
ヤ比をG2 、目標変速時間をT、変速開始時に前記ター
ビンセンサ19で検出されたタービン回転速度(入力側の
回転速度)をNtsとしたときに、
【0024】
【数1】
【0025】ここで、変速終了時のタービン回転速度を
NtE とし、車速VSPを一定と仮定すると、NtE
Nts×G2 /G1 となるから、前記数1は、以下に示す
数2に示すように書き換えることができる。
【0026】
【数2】
【0027】即ち、前記数1によって演算されるイナー
シャトルクTQINSは、変速開始時のタービン回転速
度Ntsと変速前後のギヤ比G1 ,G2 とに基づいて変速
終了時のタービン回転速度NtE を予測し、該予測結果
から求められるタービン回転速度Nt の変化に比例する
値として求められる。ステップ2では、前述のようにし
て求められた入力トルクTQSENに基づいてライン圧
PLを設定する。
【0028】ステップ3では、変速中であるか否かを判
別する。変速中でない場合には、別途設定される定常時
用のライン圧PLに基づいたライン圧制御を行わせる
が、図4のフローチャートではかかる処理に対応するス
テップを省略して示してある。一方、変速中であると判
別された場合には、前記ステップ2で設定されたライン
圧PLに基づいた制御を行わせるが、ステップ4へ進ん
でエンジン1がアイドル運転状態であるか否かを判別す
る。前記アイドル運転状態の判別は、スロットルセンサ
15で検出されるスロットル弁14の開度TVOが、アイド
ル位置であるか否かによって行われる。
【0029】ステップ4でアイドル運転状態でないと判
別された場合には、ステップ2で設定されたライン圧P
Lに従って制御すべく、そのまま本プログラムを終了さ
せる。一方、アイドル運転状態であると判別された場合
には、ステップ5へ進み、ライン圧の下限値を、変速の
種類などに応じて設定する。
【0030】そして、次のステップ6では、前記ステッ
プ2で設定されたライン圧PLが前記ステップ5で設定
された下限値を下回っているか否かを判別する。ここ
で、ステップ2で設定されたライン圧PLが下限値を下
回っている場合には、ステップ7へ進み、ライン圧PL
として前記下限値を設定し、ライン圧PLが前記下限値
を下回ることがないように制限する。
【0031】コントロールユニット13は、設定されたラ
イン圧PLに対応するデューティで電磁バルブ10を制御
して、前記ライン圧PLに調整する。変速中にアイドル
運転状態が検出された場合には、スロットル戻し変速時
(スロットルの全閉操作に伴うシフトアップ時)である
と見做すことができ、かかる変速時であってエンジンブ
レーキが作動しないようなときには、変速終了時の入力
回転速度(タービン回転速度Nt )はアイドル回転速度
NtI にまで低下する。
【0032】しかしながら、変速開始時のタービン回転
速度Ntsと変速前後のギヤ比G1 ,G2 とに基づく変速
終了時のタービン回転速度NtE の予測は、スロットル
弁開度TVOが一定のまま変速が行われることを前提と
しており(図7参照)、前述のようにスロットル戻し変
速が行われる場合には(図8参照)、変速終了時のター
ビン回転速度NtE を実際よりも高く予測し、回転変化
(イナーシャトルクTQINS)を少なく見積もること
になる。従って、スロットル戻し変速時に、前記ステッ
プ2で設定されたライン圧PLをそのまま用いて制御す
ると、要求レベルよりもライン圧PLが低く制御され、
変速応答が悪化することになる。
【0033】そこで、変速中にアイドル運転状態が検出
された場合には、前記スロットル戻し変速時であると見
做し、少なくとも前記下限値を下回るライン圧PLが設
定されることのないように、最低ライン圧PLを前記下
限値に制限するようにした。これにより、たとえスロッ
トル戻し変速時であっても、要求レベルを大きく下回る
ライン圧PLに制御されることがなく、変速応答の大幅
な悪化を抑止できる。
【0034】尚、上記実施例のステップ4では、スロッ
トル弁14の全閉(アイドル位置)を判定させるようにし
たが、開度TVOが車速VSPに応じて決定される平坦
路走行抵抗(ロード・ロード:R/L)に対応する値
(図9に示すTVORL)以下であるか否かを判別させ
るようにしても良い。ところで、上記実施例では、スロ
ットル戻し変速が行われたときには、入力トルクTQS
ENに応じて設定されるライン圧PLの精度が悪化する
ので、前記ライン圧PLが所定の下限値を下回ることが
ないように制限して、要求レベルを大きく下回るライン
圧PLに制御されることを回避するようにしたが、変速
終了時のタービン回転速度NtE をスロットル戻し変速
時に対応する値に更新設定し、新たにスロットル戻し変
速に対応するライン圧PLを演算させる構成としても良
く、このような処理を行う第2実施例を図5のフローチ
ャートに従って以下に説明する。
【0035】尚、第2実施例において、ライン圧設定手
段,ライン圧制御手段,スロットル変化時ライン圧設定
手段としての機能は、図5のフローチャートに示すよう
に、コントロールユニット13がソフトウェア的に備えて
いる。第2実施例の制御内容を示す図5のフローチャー
トにおいて、まず、ステップ11では、エンジン出力トル
クTQENGを算出する。
【0036】そして、次のステップ12では、変速中であ
るか否かを判別し、変速開始時と終了時とのタービン回
転速度Ntの差に応じてライン圧PLを制御する変速中
である場合には、ステップ13へ進む。ステップ13では、
スロットルセンサ15で検出されるスロットル弁開度TV
Oが、車速VSPに応じて決定される平坦路走行抵抗
(ロード・ロード:R/L)に対応する所定開度(図9
に示すTVORL)以下に変化したか否かを判別する。
【0037】ここで、開度TVOの前記所定開度以下へ
の変化が検出された場合には、スロットル戻しシフトア
ップ変速時であって、変速終了時のタービン回転速度N
Eがアイドル回転速度になる状態であると判断し、ス
テップ14へ進む。尚、ステップ13では、アイドルを検出
させる構成であっても良い。ステップ14では、変速開始
時にタービンセンサ19で検出されたタービン回転速度N
tsと、アイドル運転状態におけるタービン回転速度Nt
I とに基づいて数3に示す式に従ってイナーシャトルク
TQINSを演算させる。
【0038】
【数3】
【0039】一方、開度TVOの前記所定開度以下への
変化がない場合には、ステップ15へ進み、前記数1に示
す式に従ってイナーシャトルクTQINSを演算させ
る。即ち、開度TVOが平坦路走行抵抗に対応する所定
開度以下に変化した場合には、エンジンブレーキが作用
しないとすると、変速終了時のタービン回転速度NtE
が、変速開始時のタービン回転速度Ntsとギヤ比とに基
づき予測される値ではなく、より低いアイドル回転速度
NtI になると予測される。そこで、変速開始時のター
ビン回転速度Ntsとギヤ比とに基づき予測された値を、
アイドル回転速度NtI に更新設定し、かかる更新設定
に対応して新たにイナーシャトルクTQINSを演算さ
せる。
【0040】従って、スロットル戻し変速時に、イナー
シャトルクTQINSを実際の回転速度変化に見合った
値に算出することができ、以て、入力トルクTQSEN
を精度良く設定させて、変速中に要求に見合ったライン
圧に調整して、変速応答性を確保することができる。上
記のようにして、スロットル戻し変速であるか否かの判
別に応じてイナーシャトルクTQINSをそれぞれに演
算すると、ステップ16では、前記ステップ11で演算した
エンジン出力トルクTQENGと、前記イナーシャトル
クTQINSとを加算し、該加算結果を変速機に対する
入力トルクTQSENとする。
【0041】そして、次のステップ17では、前記入力ト
ルクTQSENに基づいてライン圧PLを設定し、該ラ
イン圧PLに対応するデューティで電磁バルブ10を制御
して、前記設定されたライン圧PLに調整する。ところ
で、上記実施例では、スロットル戻しシフトアップ変速
時には、変速終了時のタービン回転速度(入力側の回転
速度)Ntが、エンジンブレーキの作動がない状態でア
イドル回転速度NtI になるという前提で、イナーシャ
トルクTQINSを演算させた。
【0042】しかしながら、エンジンブレーキを選択的
に作動させる摩擦要素(以下、オーバーランクラッチと
称する。)を備える変速機の場合には、前記オーバーラ
ンクラッチ(図示省略)の締結制御を介して行われるエ
ンジンブレーキ制御によって、スロットル戻し変速時に
おける変速終了時のタービン回転速度NtE が異なり、
エンジンブレーキ制御の状態によって回転速度の変化、
引いては変速中の要求ライン圧PLが異なる。
【0043】そこで、エンジンブレーキ制御の状態に応
じてスロットル戻し変速時におけるライン圧PLの設定
特性(変速終了時のタービン回転速度NtE の設定)を
異ならせる第3実施例を、図6のフローチャートに従っ
て説明する。尚、第3実施例において、ライン圧設定手
段,ライン圧制御手段,スロットル変化時ライン圧設定
手段,エンジンブレーキ時ライン圧設定手段としてのコ
ントロールユニット13の機能が、前記図6のフローチャ
ートに示される。
【0044】図6のフローチャートにおいて、まず、ス
テップ21でエンジンの出力トルクTQENGを算出し、
変速中であって、かつ、スロットル開度TVOが平坦路
走行抵抗に対応する所定開度以下に変化していない場合
には(ステップ22,23)、変速開始時のタービン回転速
度Ntsとギヤ比とに基づいて変速終了時のタービン回転
速度NtE を予測してイナーシャトルクTQINS(数
1参照)を演算させる(ステップ24)。
【0045】一方、変速中にスロットル開度TVOが前
記所定開度以下に変化した場合には、スロットル戻し変
速時であると見做し、ステップ25へ進み、オーバーラン
クラッチの締結状態(エンジンブレーキの作動状態)で
あるか否かを判別する。そして、オーバーランクラッチ
が非締結状態(OFF)でエンジンブレーキが作用しな
いときには、ステップ26へ進み、変速終了時のタービン
回転速度NtEにアイドル回転速度NtI をセットす
る。
【0046】一方、オーバーランクラッチが締結状態
(ON)でエンジンブレーキが作用するときには、ステ
ップ27へ進み、変速終了時のタービン回転速度NtE
して、車速VSPと変速後のギヤ比Grと定数kとに基
づいて算出された回転速度をセットする(NtE ←k×
VSP×Gr)。即ち、エンジンブレーキが作用しない
場合には、駆動輪側からの逆駆動力がエンジン1側に伝
わらないために、スロットル戻しシフトアップ変速時に
は、アイドル回転速度NtI まで回転が低下するが、エ
ンジンブレーキが作用する場合には、変速終了時のター
ビン回転速度NtE は、車速VSPを一定と仮定する
と、車速VSPと変速後のギヤ比と、更に、トルクコン
バータ3の滑りによって求めることができるものであ
り、前記定数kは前記滑りに対応するための補正係数で
ある。
【0047】上記のようにして、オーバーランクラッチ
の作動状態に応じて変速終了時のタービン回転速度Nt
E をそれぞれの特性で更新設定すると、ステップ28では
設定された変速終了時のタービン回転速度NtE に基づ
き前記数2に従ってイナーシャトルクTQINSを演算
する。そして、ステップ29では、前記イナーシャトルク
TQINSとエンジン出力トルクTQENGとに基づい
て入力トルクTQSENを求め、次のステップ29では、
前記入力トルクTQSENをライン圧PLに換算する。
【0048】このように、スロットル戻し変速時におい
て、オーバーランクラッチが作動しているか否かによっ
て変速終了時のタービン回転速度NtE を更新設定させ
る構成とすれば、エンジンブレーキの作用状態に関わら
ずに、変速に伴う回転変化により生じるイナーシャトル
クTQINSを精度良く設定でき、以て、変速中のライ
ン圧PLを要求レベルに制御できる。
【0049】尚、上記実施例では、いずれもタービンセ
ンサ19で検出されるタービン回転速度Ntを変速機の入
力側の回転速度としたが、タービンセンサ19をもたない
システムでは、タービン回転速度Ntの代わりに、クラ
ンク角センサ16で検出されるエンジン回転速度Neを用
いる構成としても良い。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、変
速終了時における入力側の回転速度を予測し、変速に伴
う回転変動による生じるエネルギーに応じて変速中のラ
イン圧を制御する構成において、変速開始時の入力側の
回転速度とギヤ比とに基づく予測制御の精度が悪化する
スロットル戻し変速時に、ライン圧が要求レベルを大き
く下回って制御されて、変速応答性が悪化することを回
避でき、以て、スロットル戻し変速時の変速性を改善で
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図。
【図2】本発明の基本構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施例を示すシステム概略図。
【図4】第1実施例におけるライン圧制御を示すフロー
チャート。
【図5】第2実施例におけるライン圧制御を示すフロー
チャート。
【図6】第3実施例におけるライン圧制御を示すフロー
チャート。
【図7】スロットル開度一定の変速時の特性を示すタイ
ムチャート。
【図8】スロットル戻し変速時の特性を示すタイムチャ
ート。
【図9】実施例におけるスロットル開度の判定値を示す
線図。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 流体式トルクコンバータ 4 歯車式変速機 5 油圧アクチュエータ 7 出力軸 8 オイルポンプ 9 パイロットバルブ 10 電磁バルブ 11 プレッシャモディファイヤバルブ 12 プレッシャレギュレータバルブ 13 コントロールユニット 14 スロットル弁 15 スロットルセンサ 16 クランク角センサ 17 エアフローメータ 18 車速センサ 19 タービンセンサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−249468(JP,A) 特開 平2−229960(JP,A) 特開 平1−203744(JP,A) 特開 平4−46261(JP,A) 特開 平3−168470(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの動力伝達系を構成する自動変速
    機の各変速要素を制御する油圧回路に供給されるライン
    圧を制御する自動変速機のライン圧制御装置であって、 変速機の入力側の回転速度を検出する回転速度検出手段
    と、変速前の車速と変速後の車速とを同一と仮定して、 変速
    開始時に前記回転速度検出手段で検出された入力側の回
    転速度と変速前後の変速機のギヤ比とに基づいて変速終
    了時における入力側の回転速度を予測し、変速開始時に
    前記回転速度検出手段で検出された入力側の回転速度と
    前記予測した変速終了時における入力側の回転速度との
    差に基づいて変速中のライン圧を設定するライン圧設定
    手段と、 前記設定されたライン圧に応じて前記油圧回路に供給さ
    れるライン圧を制御するライン圧制御手段と、 エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検
    出手段と、 変速中に前記スロットル開度検出手段によりスロットル
    開度が所定開度以下に変化したことが検出されたとき
    に、前記ライン圧制御手段で制御される変速中のライン
    圧を所定の下限値以上に制限するライン圧制限手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする自動変速機のライ
    ン圧制御装置。
  2. 【請求項2】エンジンの動力伝達系を構成する自動変速
    機の各変速要素を制御する油圧回路に供給されるライン
    圧を制御する自動変速機のライン圧制御装置であって、 変速機の入力側の回転速度を検出する回転速度検出手段
    と、変速前の車速と変速後の車速とを同一と仮定して、 変速
    開始時に前記回転速度検出手段で検出された入力側の回
    転速度と変速前後の変速機のギヤ比とに基づいて変速終
    了時における入力側の回転速度を予測し、変速開始時に
    前記回転速度検出手段で検出された入力側の回転速度と
    前記予測した変速終了時における入力側の回転速度との
    差に基づいて変速中のライン圧を設定するライン圧設定
    手段と、 エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検
    出手段と、 変速中に前記スロットル開度検出手段によりスロットル
    開度が所定開度以下に変化したことが検出されたとき
    に、前記ライン圧設定手段に代わって、変速開始時に前
    記回転速度検出手段で検出された入力側の回転速度とエ
    ンジンのアイドル運転状態における前記入力側の回転速
    度との差に基づいて変速中のライン圧を設定するスロッ
    トル変化時ライン圧設定手段と、 前記設定されたライン圧に応じて前記油圧回路に供給さ
    れるライン圧を制御するライン圧制御手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする自動変速機のライ
    ン圧制御装置。
  3. 【請求項3】前記変速機が、減速時に締結操作されるこ
    とによりエンジンブレーキを作用させる摩擦要素を備え
    る一方、 変速中であってかつ前記摩擦要素の締結状態において前
    記スロットル開度検出手段によりスロットル開度が所定
    開度以下に変化したことが検出されたときに、前記ライ
    ン圧設定手段及びスロットル変化時ライン圧設定手段に
    代わって、変速開始時に前記回転速度検出手段で検出さ
    れた入力側の回転速度と、車速及び変速後のギヤ比に基
    づいて推定した変速終了時の入力側の回転速度とに基づ
    いて変速中のライン圧を設定するエンジンブレーキ時ラ
    イン圧設定手段を設けたことを特徴とする請求項2記載
    の自動変速機のライン圧制御装置。
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