JP3116630B2 - 自動変速機用歯車変速装置 - Google Patents

自動変速機用歯車変速装置

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JP3116630B2
JP3116630B2 JP05027629A JP2762993A JP3116630B2 JP 3116630 B2 JP3116630 B2 JP 3116630B2 JP 05027629 A JP05027629 A JP 05027629A JP 2762993 A JP2762993 A JP 2762993A JP 3116630 B2 JP3116630 B2 JP 3116630B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両用の自動変速機
で使用される歯車変速装置に関し、特にエンジンからト
ルクの入力される主軸とドライブシャフトなどにトルク
を出力する副軸とを互いに平行に配置し、その主軸から
副軸に対して遊星歯車機構および2対のカウンタギヤ対
を介してトルク伝達することにより変速を行う歯車変速
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の歯車変速装置は、軸長を短くす
ることができるので、FF車(フロントエンジン・フロ
ントドライブ車)やRR車(リヤエンジン・リヤドライ
ブ車)などのエンジンを車体に対して横向きに置く車両
に搭載される自動変速機に適している。その一例を挙げ
れば、特開昭60−188645号公報には、次のよう
な構成の自動変速機用歯車変速装置が記載されている。
【0003】すなわちこの特開昭60−188645号
公報に記載された装置においては入力軸と同一軸線上に
第1遊星歯車機構が配置され、そのサンギヤおよびリン
グギヤと入力軸との間にクラッチがそれぞれ配置され、
またそのサンギヤに第1ドライブギヤが連結されるとと
もに、キャリヤに第2ドライブギヤが連結されている。
一方、入力軸と平行な出力軸は、これと同一軸線上に配
置した第2遊星歯車機構のリングギヤに直接連結され、
そのリングギヤに第2ドリブンギヤが取り付けられてい
る。またサンギヤと第1ドリブンギヤとの間およびキャ
リヤと第1ドリブンギヤとの間のそれぞれにクラッチが
設けられ、さらにそのサンギヤの回転を選択的に止める
ブレーキとキャリヤの回転を選択的に止めるブレーキと
が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】周知のように遊星歯車
機構は、その入力要素および固定要素ならびに出力要素
を適宜に変えることにより、増速作用や減速作用、さら
には反転作用を行うので自動変速機の歯車列では各遊星
歯車機構におけるそれらの要素の切り換えを、クラッチ
やブレーキによって行い、変速を実行している。これに
対して上述したカウンタギヤ対を使用している歯車列で
は、複数のカウンタギヤ対のギヤ比を異ならせて、その
カウンタギヤ対のみを介して入力軸から出力軸にトルク
伝達しても所定の変速段を実行でき、そのようにすれば
動力の伝達効率が向上する。
【0005】そこで前述した従来の歯車変速装置におい
ても、一方のカウンタギヤ対のギヤ比を“1”より大き
くし、かつ他方のギヤ比を“1”より小さくしておき、
前進第3速と第4速とにおいて、いずれか一方のカウン
タギヤ対のみによって変速を行うようになっている。し
たがって前進5段のうち、遊星歯車機構の作動しない第
3速および第4速での動力の伝達効率は良い。しかしな
がら上記従来の装置では、第2速を設定する場合、入力
軸と同一軸線上に配置した遊星歯車機構のサンギヤを固
定するとともにその遊星歯車機構のリングギヤを入力軸
と共に回転させ、それに伴ってリングギヤより低速で回
転するキャリヤからカウンタギヤ対を介して出力軸にト
ルクを伝達している。そのためにこの第2速において入
力軸側の遊星歯車機構の各回転要素同士の相対回転数が
高回転数になってしまい、その結果、動力の伝達効率が
悪いなどの不都合があった。
【0006】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、動力の伝達効率が良く、また自動変速機の小
型化に有利な歯車変速装置を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載された発明は、トルクを入力する
ための主軸と、その主軸に平行に配置されたトルクを出
力するための副軸と、主軸と同一軸線上に配置したシン
グルピニオン型遊星歯車機構と、ドライブギヤおよびそ
のドライブギヤに噛合したドリブンギヤを備えた第1カ
ウンタギヤ対と、他のドライブギヤと該他のドライブギ
ヤに噛合したドリブンギヤとを備えかつ前記第1カウン
タギヤ対とは異なるギヤ比の第2カウンタギヤ対とを有
し、前記遊星歯車機構のキャリヤが前記主軸と共に回転
可能であり、その遊星歯車機構のサンギヤがいずれかの
ドライブギヤと共に回転可能であり、かつリングギヤが
他のドライブギヤと共に回転可能であり、さらに前記各
ドライブギヤが主軸と共に回転可能であり、かつ前記各
ドリブンギヤが副軸に、クラッチ手段を介して、もしく
は直接、連結され、前進4段の変速段が設定されるとと
もに前記副軸からトルクを出力するように構成されて
る。
【0008】また請求項2の発明では、トルクを入力す
るための主軸と、その主軸に平行に配置されたトルクを
出力するための副軸と、主軸と同一軸線上に配置したシ
ングルピニオン型遊星歯車機構と、前記副軸と同一軸線
上に配置した他の遊星歯車機構と、ドライブギヤおよび
そのドライブギヤに噛合したドリブンギヤを備えた第1
カウンタギヤ対と、他のドライブギヤと該他のドライブ
ギヤに噛合したドリブンギヤとを備えかつ前記第1カウ
ンタギヤ対とは異なるギヤ比の第2カウンタギヤ対とを
有し、前記シングルピニオン型遊星歯車機構のキャリヤ
が前記主軸と共に回転可能であり、そのシングルピニオ
ン型遊星歯車機構のサンギヤがいずれかのドライブギヤ
と共に回転可能であり、かつシングルピニオン型遊星歯
車機構のリングギヤが他のドライブギヤと共に回転可能
であり、さらに前記各ドライブギヤが主軸と共に回転可
能であり、かつ前記他の遊星歯車機構におけるいずれか
の回転要素と副軸とに、いずれかのドリブンギヤが連結
されるとともに、前記他の遊星歯車機構における他の回
転要素に他のドリブンギヤが連結され、さらに前記他の
遊星歯車機構における2つの回転要素を連結してその遊
星歯車機構の全体を一体回転させるクラッチ手段と、前
記他の遊星歯車機構を減速作用状態とするブレーキ手段
とが設けられ、前進5段を設定可能に構成されている。
【0009】
【0010】一方、請求項3に記載された発明は、請求
項1に記載された発明のうち、主軸と同一軸線上の遊星
歯車機構をダブルピニオン型の遊星歯車機構に替え、そ
れに伴って主軸はリングギヤと共に回転可能であり、か
つサンギヤとキャリヤとが、それぞれいずれかのドライ
ブギヤと共に回転可能とされている。
【0011】請求項4の発明は、請求項3の構成に加
え、前記副軸と同一軸線上に他の遊星歯車機構が設けら
れ、また各ドリブンギヤを副軸に連結する構成として、
クラッチ手段を介してもしくは直接連結する代わりに、
該他の遊星歯車機構におけるいずれかの回転要素と副軸
とに、いずれかのトリブンギヤが連結されるとともに、
前記他の遊星歯車機構における他の回転要素に他のドリ
ブンギヤが連結され、さらに前記他の遊星歯車機構にお
ける2つの回転要素を連結してその遊星歯車機構の全体
を一体回転させるクラッチ手段と、その遊星歯車機構を
減速作用状態とするブレーキ手段とが設けられている。
【0012】
【0013】
【作用】請求項1あるいは請求項3に記載された発明で
は、副軸側に遊星歯車機構を設けないので、前進4段を
設定可能で、かつコンパクトな歯車変速装置となる。
【0014】また請求項2あるいは請求項4に記載され
た発明では、前進5段の変速段のうち第2速と第4速と
で遊星歯車機構の各回転要素の相対回転をなくすること
が可能であり、また第3速では作動する遊星歯車機構の
各回転要素の相対回転数を小さくすることが可能であ
り、したがって動力の伝達効率が向上する。また、3ク
ラッチ・3ブレーキの構成で前進5段・後進1段を設定
することができるので、摩擦係合装置の必要数が少な
く、その結果、自動変速機が小型化される。
【0015】さらに請求項3あるいは請求項6に記載さ
れた発明では、副軸側に遊星歯車機構を設けないので、
前進4段を設定可能で、かつコンパクトな歯車変速装置
となる。
【0016】
【実施例】つぎにこの発明を実施例に基づいてより具体
的に説明する。図1はこの発明の一実施例を示すスケル
トン図であって、シングルピニオン型の第1遊星歯車機
構1と第2遊星歯車機構2とを使用し、第1遊星歯車機
構1をトルクの入力される主軸3と同一軸線上に配置
し、また主軸3と平行に配置されかつドライブシャフト
(図示せず)などにトルクを出力する副軸4と同一軸線
上に第2遊星歯車機構2を配置した例である。これらの
遊星歯車機構1,2は、サンギヤ1S ,2S と、内歯歯
車であるリングギヤ1R ,2R と、サンギヤ1S ,2S
およびリングギヤ1R ,2R に噛合するピニオンギヤを
保持したキャリヤ1C ,2C とを回転要素とするもので
ある。
【0017】第1遊星歯車機構1のうちそのサンギヤ1
S と主軸3との間に第1クラッチK1 が設けられ、また
キャリヤ1C と主軸3との間に第2クラッチK2 が設け
られている。またそのサンギヤ1S の回転を止めるため
の第1ブレーキB1 がサンギヤ1S と所定の固定部(例
えばケーシング)5との間に設けられており、さらにキ
ャリヤ1C の回転を止める第2ブレーキB2 がキャリヤ
1C とケーシング5との間に設けられている。
【0018】これに対して第2遊星歯車機構2のうちキ
ャリヤ2C が副軸4に一体回転するように連結されてい
る。また第2遊星歯車機構2の全体を一体的に回転させ
るための第3クラッチK3 がリングギヤ2R とサンギヤ
2S との間に設けられている。さらにサンギヤ2S の回
転を止めるための第3ブレーキB3 が、サンギヤ2Sと
ケーシング5との間に設けられている。
【0019】この第1遊星歯車機構1と第2遊星歯車機
構2との間のトルク伝達は、2対のカウンタギヤ対6,
7によって行われる。すなわちこれらのカウンタギヤ対
6,7は、それぞれドライブギヤ6a ,7a とこれに噛
合するドリブンギヤ6b ,7b とから構成されており、
そのドライブギヤ6a ,7a は主軸3と同一軸線上に設
けられており、またドリブンギヤ6b ,7b は副軸4と
同一軸線上に設けられている。そして第1カウンタギヤ
対6のドライブギヤ6a が、第1遊星歯車機構1のリン
グギヤ1R に一体回転するように連結されており、また
第2カウンタギヤ対7のドライブギヤ7a が、第1遊星
歯車機構1のサンギヤ1S に一体回転するように連結さ
れている。さらに第1カウンタギヤ対6のドリブンギヤ
6b が、第2遊星歯車機構2のキャリヤ2C に一体回転
するように連結され、第2カウンタギヤ対7のドリブン
ギヤ7b が、第2遊星歯車機構2のリングギヤ2R に一
体回転するように連結されている。なお、図1に示す例
では、第1カウンタギヤ対6のギヤ比i1 は“1”より
小さく設定され、第2カウンタギヤ対7のギヤ比i2 は
“1”より大きい値に設定されている。
【0020】上述した構成の変速装置では、いずれか2
つの摩擦係合装置を係合させることにより前進5段・後
進1段の変速段を設定することができ、その係合作動表
を図2に示してある。以下、各変速段について説明す
る。
【0021】まず前進第1速は、第1クラッチK1 と第
3ブレーキB3 とを係合させる。したがって第1遊星歯
車機構1では、キャリヤ1C が主軸3およびケーシング
5のいずれに対しても非連結状態となるので、第1遊星
歯車機構1は変速作用を行わない。すなわち第2カウン
タギヤ対7のドライブギヤ7a が主軸3と共に回転し、
この第2カウンタギヤ対7を介して第2遊星歯車機構2
のリングギヤ2R が、主軸3に対して減速されて回転す
る。この第2遊星歯車機構2では、第3ブレーキB3 に
よってサンギヤ2S が固定されており、したがってキャ
リヤ2C およびこれに連結してある副軸4は、リングギ
ヤ2R よりも低速で回転する。すなわち副軸4は、主軸
3に対して第2カウンタギヤ対7および第2遊星歯車機
構2で減速した回転数で回転し、その変速比は次の式で
表される。なお、以下の説明で、ρ1 は第1遊星歯車機
構1のギヤ比、ρ2 は第2遊星歯車機構2のギヤ比を示
す。
【0022】i2 (1+ρ2 ) 前進第2速は、第1クラッチK1 と第3クラッチK3 と
を係合させて設定する。この場合も、第1遊星歯車機構
1のキャリヤ1C が主軸3あるいはケーシング5のいず
れに対しても拘束されないから、第1遊星歯車機構1は
変速作用を行わない。また第2遊星歯車機構2は、その
リングギヤ2R とサンギヤ2S とが第3クラッチK3 に
よって一体的に連結されるために、その全体が一体とな
って回転する。したがって副軸4は主軸3に対して第2
カウンタギヤ対7のみで減速された回転数で回転し、そ
の変速比は第2カウンタギヤ対7のギヤ比である“i2
”で表される。
【0023】第3速は第2クラッチK2 と第3クラッチ
K3 とを係合させて設定する。この場合、第1遊星歯車
機構1のキャリヤ1C が主軸3と共に回転し、またその
サンギヤ1S とリングギヤ1R とはカウンタギヤ対6,
7を介して第2遊星歯車機構2側から拘束を受けて回転
するが、第2遊星歯車機構2は第3クラッチK3 が係合
していることによりその全体が一体となって回転し、し
たがって第1カウンタギヤ対6のギヤ比i1 が第2カウ
ンタギヤ対7のギヤ比i2 より小さいことにより、第1
遊星歯車機構1のサンギヤ1S がリングギヤ1R よりも
高速度で回転する。すなわちこの第3速は第1遊星歯車
機構1と各カウンタギヤ対6,7とが変速作用を行って
設定することになり、その変速比は、 (i1 +i2 ・ρ1 )/(1+ρ1 ) で表される。
【0024】第4速は第1クラッチK1 と第2クラッチ
K2 とを係合させて設定する。したがって第1遊星歯車
機構1では、そのサンギヤ1S がキャリヤ1C と共に主
軸3と一体となって回転するので、その全体が一体回転
する。これに対して第2遊星歯車機構2では、そのサン
ギヤ2S がリングギヤ2R あるいはケーシング5のいず
れに対しても連結されていないから、第2遊星歯車機構
2は変速作用を行わない。したがって副軸4に対して
は、第1カウンタギヤ対6を介して直接、トルクが伝達
され、その結果、その回転数は主軸3の回転数に対して
第1カウンタギヤ対6のみで減速した回転数になる。す
なわちこの第4速の変速比は、第1カウンタギヤ対6の
ギヤ比である“i1 ”で表される。
【0025】第5速は第2クラッチK2 と第1ブレーキ
B1 とを係合させることにより設定する。第1遊星歯車
機構1では、第1ブレーキB1 によってサンギヤ1S を
固定した状態でキャリヤ1C が主軸3と共に回転するか
ら、リングギヤ1R が主軸3に対して増速されて回転す
る。一方、第2遊星歯車機構2は、上述した第4速の場
合と同様に変速作用を行わないので、副軸4は第1遊星
歯車機構1のリングギヤ1R から第1カウンタギヤ対6
を介してトルクを受けて回転する。したがって副軸4の
回転数は、主軸3の回転数に対して第1遊星歯車機構1
および第1カウンタギヤ対6で増速した回転数になり、
その変速比は、 i1 /(1+ρ1 ) で表される。
【0026】後進段は、第1クラッチK1 および第2ブ
レーキB2 を係合させることにより設定する。この場合
は、上記の第5速の場合とは反対に、第1遊星歯車機構
1のキャリヤ1C を固定した状態でサンギヤ1S を主軸
3と共に回転させることになるから、リングギヤ1R が
主軸3に対して減速されて逆回転し、このリングギヤ1
R から第1カウンタギヤ対6を介して副軸4にトルクが
伝達される。したがって副軸4の回転数は、主軸3の回
転数に対して第1遊星歯車機構1で逆転減速しかつ第1
カウンタギヤ対6で増速した回転数となり、その変速比
は、 i1 /ρ1 で表される。
【0027】つぎにこの発明の他の実施例を説明する。
図3は上述した歯車変速装置のうち第1遊星歯車機構1
をダブルピニオン型の遊星歯車機構に替え、それに伴っ
てリングギヤ1R と主軸3との間に第2クラッチK2 を
設け、かつリングギヤ1R とケーシング5との間に第2
ブレーキB2 を設け、さらにキャリヤ1C に第1カウン
タギヤ対6のドライブギヤ6a を連結し、他の構成は図
1に示す構成と同じにしたものである。
【0028】この図3に示す構成であっても、各摩擦係
合装置を図2に示すように係合・解放させることによ
り、前進5段・後進1段の変速段を設定することができ
る。
【0029】なお、図3に示す例は、図1に示す構成の
うち第1遊星歯車機構1をダブルピニオン型のものに替
えた例であるが、この発明では、これと併せて、あるい
はこれと替えて、第2遊星歯車機構2をダブルピニオン
型のものとしてもよい。また第2遊星歯車機構2の全体
を一体回転させるクラッチは、要は、少なくともいずれ
か2つの回転要素を連結するものであればよいのであっ
て、リングギヤ2R とサンギヤ2S とを連結するものに
は限定されない。
【0030】ところで図1あるいは図3に示す歯車変速
装置では、図2の作動表から知られるように、第1速の
みで第2遊星歯車機構2が変速作用を行い、他のいずれ
の変速段においても第2遊星歯車機構2は特には変速作
用を行わない。したがって図1に示す構成から第2遊星
歯車機構2を取り除き、かつそれに伴う若干の変更を施
せば、前進4段・後進1段の変速段を設定可能な歯車変
速装置とすることができる。
【0031】その例が図4に示されており、ここに示す
例では、各ドリブンギヤ6b ,7bが副軸4に直接、連
結されており、またサンギヤ1S と第2カウンタギヤ対
7のドライブギヤ7a との間に第3クラッチK3 が設け
られており、その他の構成は図1に示す構成と同じであ
る。
【0032】この図4に示す歯車変速装置では、各摩擦
係合装置を図5の作動表に示すように係合・解放させる
ことにより前進4段・後進1段の各変速段を設定するこ
とができる。なお、図5の作動表は、図2の作動表のう
ち第1速の行およびB3 の列を省いたものと同じであ
る。そして各変速段は、図1に示す実施例について説明
した第2速ないし第5速および後進段と同様にして設定
される。
【0033】さらに図4に示す歯車変速装置についても
その遊星歯車機構1を、シングルピニオン型のものから
ダブルピニオン型のものに変更することが可能であり、
その例を図6に示してある。この図6に示す構成であっ
ても、図5の作動表に示すように各摩擦係合装置を係合
させることにより、前進4段・後進1段の変速段の設定
を行うことができる。なお、図4あるいは図6に示す構
成において、第3クラッチK3 は、第2カウンタギヤ対
7のドリブンギヤ7b と副軸4との間に設けてもよい。
【0034】そしてこれら図4および図6に示す歯車変
速装置では、遊星歯車機構が1組でよく、また摩擦係合
装置は5つでよいから、コンパクトな歯車変速装置とす
ることができる。
【0035】なお、この発明は上述した各実施例に限定
されるものではないのであって、一方向クラッチを前述
したクラッチやブレーキと併用することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の歯車変速
装置のうち主軸側と副軸側とのそれぞれに遊星歯車機構
を設けた構成では、動力の伝達効率を従来になく向上さ
せ、車両の燃費を向上させることができる。また前進5
段・後進1段を設定可能な構成とするにあたって、必要
とする摩擦係合装置は、3クラッチ・3ブレーキでよ
く、したがってコンパクトな歯車変速装置とすることが
できる。
【0037】さらに主軸側のみに遊星歯車機構を設けた
構成では、3クラッチ・2ブレーキで前進4段・後進1
段を設定可能な歯車変速装置となり、遊星歯車機構およ
び摩擦係合装置の削減により、自動変速機の小型化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すスケルトン図であ
る。
【図2】図1に示す歯車変速装置の係合作動表である。
【図3】この発明の他の実施例を示すスケルトン図であ
る。
【図4】この発明の更に他の実施例を示すスケルトン図
である。
【図5】図4に示す歯車変速装置の係合作動表である。
【図6】この発明の他の実施例を示すスケルトン図であ
る。
【符号の説明】
1,2 遊星歯車機構 1S ,2S サンギヤ 1C ,2C キャリヤ 1R ,2R リングギヤ 3 主軸 4 副軸 5 ケーシング 6,7 カウンタギヤ対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 3/62 F16H 3/66

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルクを入力するための主軸と、その主
    軸に平行に配置されたトルクを出力するための副軸と、
    主軸と同一軸線上に配置したシングルピニオン型遊星歯
    車機構と、ドライブギヤおよびそのドライブギヤに噛合
    したドリブンギヤを備えた第1カウンタギヤ対と、他の
    ドライブギヤと該他のドライブギヤに噛合したドリブン
    ギヤとを備えかつ前記第1カウンタギヤ対とは異なるギ
    ヤ比の第2カウンタギヤ対とを有し、前記遊星歯車機構
    のキャリヤが前記主軸と共に回転可能であり、その遊星
    歯車機構のサンギヤがいずれかのドライブギヤと共に回
    転可能であり、かつリングギヤが他のドライブギヤと共
    に回転可能であり、さらに前記各ドライブギヤが主軸と
    共に回転可能であり、かつ前記各ドリブンギヤが副軸
    に、クラッチ手段を介して、もしくは直接、連結され、
    前進4段の変速段が設定されるとともに前記副軸からト
    ルクを出力するように構成されていることを特徴とする
    自動変速機用歯車変速装置。
  2. 【請求項2】 トルクを入力するための主軸と、その主
    軸に平行に配置されたトルクを出力するための副軸と、
    主軸と同一軸線上に配置したシングルピニオン型遊星歯
    車機構と、前記副軸と同一軸線上に配置した他の遊星歯
    車機構と、ドライブギヤおよびそのドライブギヤに噛合
    したドリブンギヤを備えた第1カウンタギヤ対と、他の
    ドライブギヤと該他のドライブギヤに噛合したドリブン
    ギヤとを備えかつ前記第1カウンタギヤ対とは異なるギ
    ヤ比の第2カウンタギヤ対とを有し、前記シングルピニ
    オン型遊星歯車機構のキャリヤが前記主軸と共に回転可
    能であり、そのシングルピニオン型遊星歯車機構のサン
    ギヤがいずれかのドライブギヤと共に回転可能であり、
    かつシングルピニオン型遊星歯車機構のリングギヤが他
    のドライブギヤと共に回転可能であり、さらに前記各ド
    ライブギヤが主軸と共に回転可能であり、かつ前記他の
    遊星歯車機構におけるいずれかの回転要素と副軸とに、
    いずれかのドリブンギヤが連結されるとともに、前記他
    の遊星歯車機構における他の回転要素に他のドリブンギ
    ヤが連結され、さらに前記他の遊星歯車機構における2
    つの回転要素を連結してその遊星歯車機構の全体を一体
    回転させるクラッチ手段と、前記他の遊星歯車機構を減
    速作用状態とするブレーキ手段とが設けられ、前進5段
    を設定可能に構成されていることを特徴とする自動変速
    機用歯車変速装置。
  3. 【請求項3】 トルクを入力するための主軸と、その主
    軸に平行に配置されたトルクを出力するための副軸と、
    主軸と同一軸線上に配置したダブルピニオン型遊星歯車
    機構と、ドライブギヤおよびそのドライブギヤに噛合し
    たドリブンギヤを備えた第1カウンタギヤ対と、他のド
    ライブギヤと該他のドライブギヤに噛合したドリブンギ
    ヤとを備えかつ前記第1カウンタギヤ対とは異なるギヤ
    比の第2カウンタギヤ対とを有し、前記遊星歯車機構の
    リングギヤが前記主軸と共に回転可能であり、その遊星
    歯車機構のサンギヤがいずれかのドライブギヤと共に回
    転可能であり、かつキャリヤが他のドライブギヤと共に
    回転可能であり、さらに前記各ドライブギヤが主軸と共
    に回転可能でありかつ前記各ドリブンギヤが副軸に、ク
    ラッチ手段を介して、もしくは直接、連結され、前進4
    段の変速段が設定されるとともに前記副軸からトルクを
    出力するように構成されていることを特徴とする自動変
    速機用歯車変速装置。
  4. 【請求項4】 トルクを入力するための主軸と、その主
    軸に平行に配置されたトルクを出力するための副軸と、
    主軸と同一軸線上に配置したダブルピニオン型遊星歯車
    機構と、前記副軸と同一軸線上に配置した他の遊星歯車
    機構と、ドライブギヤおよびそのドライブギヤに噛合し
    たドリブンギヤを備えた第1カウンタギヤ対と、他のド
    ライブギヤと該他のドライブギヤに噛合したドリブンギ
    ヤとを備えかつ前記第1カウンタギヤ対とは異なるギヤ
    比の第2カウンタギヤ対とを有し、前記ダブルピニオン
    型遊星歯車機構のリングギヤが前記主軸と共に回転可能
    であり、そのダブルピニオン型遊星歯車機構のサンギヤ
    がいずれかのドライブギヤと共に回転可能であり、かつ
    前記ダブルピニオン型遊星歯車機構のキャリヤが他のド
    ライブギヤと共に回転可能であり、さらに前記各ドライ
    ブギヤが主軸と共に回転可能であり、かつ前記他の遊星
    歯車機構におけるいずれかの回転要素と副軸とに、いず
    れかのドリブンギヤが連結されるとともに、前記他の遊
    星歯車機構における他の回転要素に他のドリブンギヤが
    連結され、さらに前記他の遊星歯車機構における2つの
    回転要素を連結してその遊星歯車機構の全体を一体回転
    させるクラッチ手段と、前記他の遊星歯車機構を減速作
    用状態とするブレーキ手段とが設けられ、前進5段を設
    定可能に構成されていることを特徴とする自動変速機用
    歯車変速装置。
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