JP3078191B2 - 油水分離性向上剤及び油水分離方法 - Google Patents

油水分離性向上剤及び油水分離方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械、金属部品、電子
部品、電機部品、精密機械部品、樹脂加工部品、光学部
品等、又はこれらの組立加工工程に使用される治具類等
(以下、部品・治具類等と略記する。)の洗浄後の、有
機物を含む含油廃水の処理に優れた油水分離性向上剤、
該油水分離性向上剤を用いた油水分離方法、及び分離し
た水相を再利用する洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、部品・治具類等の固体表面に存在する油脂、機械
油、切削油、グリース、ワックス、液晶、フラックス等
の有機物を主体とする汚れの除去には、ケロシン、ベン
ゼン、キシレン等の炭化水素系溶剤;トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン等の塩素系溶剤;トリクロロ
トリフルオロエタン等のフロン系溶剤;界面活性剤やビ
ルダーを配合した水系の洗浄剤等が使用されている。特
に、電子、電機、機械類の部品には、その高洗浄性、難
燃性という特性を生かしてフロン系溶剤や塩素系溶剤が
使用されてきた。
【0003】しかしながら、フロン系、塩素系の溶剤を
用いる洗浄剤は、安全性、毒性、環境汚染性等に大きな
問題を有している。また、炭化水素系溶剤、特にベンゼ
ン、キシレン等は毒性が高く、労働安全衛生法上の有害
物に指定されている化合物であり、これを取り扱う作業
の危険性、及び煩雑さを考慮すると、洗浄剤として用い
ることは好ましくない。
【0004】一方、水系洗浄剤は、溶剤系洗浄剤に比較
して危険性や毒性が低く、界面活性剤やビルダー等の洗
浄剤構成成分を適宜選択することにより、優れた洗浄力
を持たせることができる。しかし、この水系洗浄剤で
は、一般に水への溶解性が良好なため、洗浄工程にて水
希釈して使用される際の洗浄廃水、並びにリンス工程に
てすすぎ洗いされる際のリンス廃水の油水分離が非常に
困難であるという欠点があった。そして、その処理は、
例えば凝集沈殿、加圧浮上、活性汚泥、活性炭処理法等
を用いて行うことができるが、いずれの処理法も多大な
費用及び設備が必要とされる。
【0005】一方、油水分離性を向上させた洗浄剤や洗
浄方法についても検討されているが、洗浄力を犠牲にし
て油水分離性を向上させるものであったり、洗浄剤中又
は汚れ中の活性剤成分や防錆成分により有機物の分離除
去性の低下傾向が認められるものであるため、未だ満足
できるものは得られていない。
【0006】従って、多大な処理費用、設備を必要とせ
ず、しかも洗浄剤の洗浄性能を低下させることのない工
業的に有利な油水分離方法が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、有機物を含有する洗
浄廃水、リンス廃水等の含油廃水に特定の化合物を油水
分離性向上剤としてその溶解度をこえる量含有させるこ
とにより、洗浄剤中又は油状汚れ中の活性成分(ノニオ
ン界面活性剤やアミン等)や防錆成分等の油水分離阻害
成分の存在下においても、洗浄廃水やリンス廃水中の油
状汚れ等の有機物、及び洗浄剤中の活性成分等の有機物
を短時間にかつ容易に、しかも洗浄剤の洗浄性能に悪影
響を与えることなく分離除去できること、また、上記有
機物が分離除去された後の洗浄廃水やリンス廃水の水相
は洗浄液の希釈用やリンス液として再利用可能であるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明の要旨は、 (1) 一般式(I) R−O−(AO)n−R’ (I) (式中、Rは炭素数6〜10の炭化水素基を、AOは炭
素数2〜3のアルキレンオキサイドを、R’は水素原子
または炭素数1〜2の炭化水素基を、nは1〜3の数を
示す。)で表される化合物であって、60℃の純水に対
する溶解度が5(g/水100g)以下である化合物か
らなる油水分離性向上剤、 (2) (1)記載の油水分離性向上剤を、対象となる
廃水中に該油水分離性向上剤の溶解度をこえる量含有さ
せて該廃水中の有機油分を含む有機物と水相とを分離す
ることを特徴とする油水分離方法、 (3) 廃水が、希釈洗浄液による洗浄工程で発生する
もの又は洗浄工程後水によりすすぎ洗いをするリンス工
程で発生するものである(2)記載の油水分離方法、 (4) 有機油分汚れの付着した部品・治具類等の洗浄
方法において、洗浄工程後に(2)又は(3)記載の方
法による廃水からの有機油分を含む有機物の分離除去工
程を有し、又は該分離除去工程により得られた水相を、
洗浄剤の希釈用又はリンス液として再利用する工程を
らに有することを特徴とする洗浄方法、に関する。
【0009】本発明の油水分離性向上剤は、廃水中の有
機物と水相とを分離するものであって、前記一般式
(I)で表される化合物である。一般式(I)におい
て、油水分離性の効果を保持する観点からRは炭素数6
〜10の炭化水素基であり、炭素数が6〜8のものがよ
り好ましい。具体的には、直鎖又は分岐鎖を有するヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;フェ
ニル基等のアリル基、ベンジル基等のアラルキル基、ス
チリル基;脂環族のシクロヘキシル基等の炭化水素基が
挙げられる。AOは炭素数2〜3のアルキレンオキサイ
ドであり、R’は水素原子または炭素数1〜2の炭化水
素基である。nはアルキレンオキサイドの平均付加モル
数であり、油水分離性の効果を保持する観点から1〜3
の数である。また、アルキレンオキサイドは1種である
必要はなく、例えばエチレンオキサイドとプロピレンオ
キサイドの2種が混合していてもよい。
【0010】かかる一般式(I)で表される化合物とし
ては、脂肪族アルコール類(ヘキサノール、2−エチル
ヘキサノール、オクタノール、1−デカノール等)、フ
ェノール類(フェノール、クレゾール、エチルフェノー
ル等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール
等)、脂環族アルコール類(シクロヘキサノール等)の
エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付
加物、又は該アルキレンオキサイド付加物の−OH基を
−O−CH3 又は−O−CH2 CH3 のようにメチル又
はエチルキャップした化合物等が挙げられる。
【0011】より具体的には、ヘキサノールのエチレン
オキサイド2モル(平均)付加物(以下HDGと略記す
る。)、ベンジルアルコールのエチレンオキサイド2モ
ル(平均)付加物(以下BDGと略記する。)、2−エ
チルヘキサノールのエチレンオキサイド3モル(平均)
付加物の末端−OH基をメチルキャップ(−O−C
3 )したもの(以下EHTGMと略記する。)、ヘキ
サノールのプロピレンオキサイド1〜3モル(平均)付
加物、シクロヘキサノールのエチレンオキサイド1〜3
モル(平均)付加物、フェノールのエチレンオキサイド
1〜3モル(平均)付加物や、EHTGM以外の上記化
合物の末端−OH基をメチルキャップした化合物等が挙
げられる。
【0012】また、本発明の油水分離性向上剤は一般式
(I)で表される化合物のうち60℃の純水に対する溶
解度が5(g/水100g)以下、好ましくは3(g/
水100g)以下である化合物が好適に使用される。こ
れは、本発明の油水分離性向上剤の水への溶解度は低い
方が好ましいためであり、例えば0.5〜5(g/水1
00g)のものが使用される。また、溶解度の点から前
述のHDG、BDG、EHTGMはいずれも5(g/水
100g)以下であり、好適に使用される。ここで溶解
度とは60℃の純水100g中に溶解する飽和溶解量
(g)をいう。
【0013】上記の化合物は例えば窒素雰囲気下で、N
aOHを触媒として、ヘキサノールにエチレンオキサイ
ドやプロピレンオキサイドを付加させて得ることができ
る。また例えばHDG、BDGは一般の取扱い業者から
入手可能である。さらに、上記の化合物の−OH基をメ
チル又はエチルキャップするには、それらとメチルクロ
ライド又はエチルクロライドを脱塩酸反応により反応さ
せればよい。
【0014】以下に、本発明の油水分離方法について説
明する。本発明の方法は、対象となる廃水中の汚染物質
の主成分が有機物である場合にその効果を発揮する。と
りわけその有機物が油脂、機械油、切削油、グリース、
ワックス、液晶、ロジン系フラックス等の有機油分汚れ
である場合、特に好適な性能を発揮する。また、本発明
において対象となる廃水としては特に限定されるもので
はないが、洗浄液を希釈して洗浄する洗浄工程で発生す
る洗浄廃水、洗浄工程後水によりすすぎ洗いをするリン
ス工程で発生するリンス廃水等がその対象となる。とり
わけ洗浄剤の主成分が非イオン活性剤及び炭化水素系溶
剤である場合、特に好適な性能を発揮するが、部品・治
具類等の洗浄には非イオン活性剤及び炭化水素系溶剤が
主成分の洗浄剤が用いられることがあり、また部品・治
具類等の汚れは上記の有機油分汚れであることがあるた
め、本発明の油水分離性向上剤及び油水分離方法は、部
品・治具類等の洗浄により生じる洗浄廃水及びリンス廃
水の処理に好適に使用される。
【0015】ここで部品とは、前記のように機械、金属
部品、電子部品、電機部品、精密機械部品、樹脂加工部
品、光学部品等をいう。機械とはポンプ、シリンダー等
の油圧機械、工作機械等の各種加工機械及び附属の搬送
機械類をいう。金属部品とは機械産業や自動車産業にお
ける金属加工部品であり、エンジンや駆動部で使用され
るギヤ、カムシャフト、バネ、シャフト、ベアリング等
をいう。電子部品とは、例えば電算機及びその周辺機
器、家電機器、通信機器、OA機器、その他電子応用機
器等に用いられるプリント配線基板;ICリードフレー
ム、抵抗器、コンデンサー、リレー等接点部材に用いら
れるフープ材;OA機器、時計、電算機器、玩具、家電
機器等に用いられる液晶表示器;映像・音声記録/再生
部品、その関連部品等に用いられる磁気記録部品;シリ
コンやセラミックのウェハ等の半導体材料;水晶振動子
等の電歪用部品;CD、PD、複写機器、光記録機器等
に用いられる光電変換部品などをいう。
【0016】電機部品とは、例えばブラシ、ローター、
ステーター、ハウジング等の電動機部品;販売機や各種
機器に用いられる発券用部品;販売機、キャッシュディ
スペンサー等に用いられる貨幣検査用部品などをいう。
精密機械部品とは、例えば精密駆動機器、ビデオレコー
ダー等に用いられるベアリング;超硬チップ等の加工用
部品などをいう。樹脂加工部品とは、例えばカメラ、自
動車等に用いられる精密樹脂加工部品などをいう。さら
に、光学部品とは、例えばカメラ、眼鏡、光学機器等に
用いられるレンズなどをいい、その他の部品として、例
えばメガネフレーム、時計ケース、時計ベルト等が挙げ
られる。また、組立加工工程に使用される治工具類と
は、上述の各種部品例で示したような精密部品を製造、
成型、加工、組立、仕上げ等の各種工程において取り扱
う治具、工具の他、これらの精密部品を取り扱う各種機
器、その部品等をいう。
【0017】本発明の油水分離性向上剤の廃水への添加
量は、その廃水における溶解度をこえる量であり、具体
的には以下に示すAとBの総和である(A+B=油水分
離性向上剤の添加必要量)。 A:対象となる廃水における油水分離性向上剤の溶解度
分の量。 B:対象となる廃水中の有機物量に対して10〜50重
量%、好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは
10〜20重量%。油水分離速度の観点から10重量%
以上が好ましく、コストパフォーマンスの観点からは5
0重量%以下が好ましい。
【0018】本発明における、対象となる廃水中の有機
物を分離除去する工程(以下、分離工程という)時の廃
水の温度は特に限定されるものではないが、適宜廃水を
加熱又は冷却して有機物の分離除去に適した温度に調整
する。通常、20〜100℃が好ましく、40〜80℃
がより好ましく、50〜60℃が特に好ましい。廃水中
の有機油分汚れは温度上昇に伴い水との比重差が大きく
なり分離がより有効になるが、水の沸点以上に加熱する
には加圧等の設備が必要となることから100℃以下が
好ましい。
【0019】本発明の油水分離性向上剤は、分離工程の
際に対象となる廃水に攪拌混合してもよく、すすぎ洗い
用に供される水に事前に攪拌混合してもよい。洗浄液に
あらかじめ添加するものではないため、洗浄剤の洗浄性
能に対する影響を考慮する必要はない。
【0020】また、分離工程において、対象となる廃水
と本発明の油水分離性向上剤の混合物から有機物を分離
するには、本発明の油水分離性向上剤を含有する廃水を
前記の温度条件に保ちながら、5〜30分間激しく攪拌
混合した後、例えば静置分離法、スキミング法、分離膜
を利用する方法、遠心分離法、電気的分離法といった処
理をすればよい。このとき、これらの処理手段を単独で
用いてもよく、2つ以上を併用してもよい。
【0021】このように有機物の分離を行うことにより
廃水は清浄化されるので、廃水から有機物を分離除去し
た残りの水相を洗浄液の希釈用又はリンス液として再利
用することができる。ここで、水相中での本発明の油水
分離性向上剤の残存量を減少させるために、本発明の油
水分離性向上剤の水への溶解度は低い方が好ましい。再
利用する水相に本発明の油水分離性向上剤が多く残存す
ると、洗浄液の希釈用として再利用する場合、洗浄剤に
対する影響を考慮しなければならないからである。
【0022】また、再利用される水相の用途としては特
に限定されるものではなく、前記のような洗浄液の希釈
用水、リンス液の他に水溶性加工液(焼入油、切削油、
プレス油等)、鋳造・鍛造用離型剤の希釈用水、及び工
業用冷却水等が挙げられる。再利用にあたっては、必要
によりさらに水溶性イオンや界面活性剤等の有機物の除
去のため、水相の水に対してイオン交換処理や活性炭に
よる吸着処理を行ってもよい。
【0023】上述の油水分離方法による有機物の分離除
去工程を洗浄方法の1工程として含めることにより、さ
らに水相を再利用する工程を設けることにより、工業的
に有利な洗浄方法が期待される。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等により
なんら限定されるものではない。
【0025】実施例1〜7及び比較例1〜5 表1に示す組成の洗浄剤組成物の洗浄廃水、及びリンス
廃水を想定した被験液を次のように調製した。すなわ
ち、該洗浄剤組成物の10倍水希釈液1リットルを分液
ロートに入れ、次いで、表1に示す日本石油(株)製加
工油20gを加えたものを調製し、被験液とした。な
お、ここでの有機物とは加工油と洗浄剤組成物中のオレ
フィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルである。
ここに、本発明の油水分離性向上剤としてHDG(日本
乳化剤(株)製ヘキシルジグリコール、60℃の水への
溶解度:1(g/水100g))、BDG(日本乳化剤
(株)製ベンジルジグリコール、60℃の水への溶解
度:4〜5(g/水100g))、EHTGM(60℃
の水への溶解度:1(g/水100g)以下)を表1に
示すように添加した(実施例1〜7)。また本発明品を
添加しなかったものを比較例とした(比較例1〜5)。
ここで、EHTGMは2−エチルヘキサノールのエチレ
ンオキサイド3モル(平均)付加物とメチルクロライド
とを脱塩酸反応により反応させて得たものである。
【0026】それぞれについて、表1に示す温度に保
温、5分間激しく振った後、同温度に保温しながら30
分間静置した。そして、下部より水相を抜き取りそのT
OC(全有機体炭素量)を測定した。これをA値とす
る。A値と5分間の攪拌直後の液のTOC(B値)か
ら、有機物の分離率(%)((B値−A値)÷B値×1
00)を算出した。結果を表1に示す。また、遠心分離
法を用いて同様に実験を行った。具体的には、巴工業
(株)製遠心分離機(機種:T−1)にて、同温度に保
温しながら2L/minにて1パス分離処理し、処理前
後の液のTOCから有機物の分離率を算出した。その結
果、それぞれ同様の分離率であった。さらに下部水相の
透明度を目視評価した。有機物の分離率と透明度から下
部水相の再利用性の可否を判定した。結果を表1に示
す。
【0027】なお、TOCは、(株)島津製作所製:T
OC−500型測定器を使用し、基本的にJIS−K0
102「工場排水試験方法」の中の「有機体炭素(TO
C)」に記載されている燃焼−赤外線分析法により測定
した。
【0028】
【表1】
【0029】実施例8〜10、比較例6〜8 ロジン系のフラックス((株)弘輝製、JS−62)で
処理(1g/m2 )したプリント基板(太洋工業(株)
製、テスト基板、10cm×15cm)(テスト材
1)、日本石油(株)製焼入れ油ユニクエンチCQV2
0を塗布(1g/m2 )した鋼製テストピース(太佑機
材(株)製、SPCC−B、10cm×15cm)(テ
スト材2)及び液晶(ロディック(株)製、TFT用液
晶)を塗布(5g/m2 )したガラス基板(テスト基
板、10cm×10cm)(テスト材3)を作成した。
【0030】上記のテスト材を50℃に保った表2に示
す組成の洗浄剤組成物の10倍水希釈液(1L)に浸漬
し、39kHz、200Wの超音波洗浄装置(シャープ
(株)製、SILENTSONIC UT-204)を用いて、攪拌しなが
ら3分間洗浄した。洗浄後の各テスト材の各々を40℃
の市水(1L)に浸漬し、上記と同様にして1分間超音
波をあてながらすすぎ洗い(リンス)した。リンス後の
テスト材の外観を肉眼で観察したところ、フラックス等
の汚れが除去されており、いずれのテスト材における除
去性も良好であった。なお、ここでの有機物はフラック
ス等と洗浄剤組成物中のオレフィン、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルである。
【0031】
【表2】
【0032】次いで、使用後の洗浄液、及びすすぎ洗い
後のリンス液をそれぞれビーカーにとり、そこにHDG
を3重量%添加したもの(実施例8〜10)、及び無添
加のもの(比較例6〜8)を各々、60℃に保温、攪拌
しながら、2L/minにて静置分離槽(断面積366
cm2 )に送り下層液を再度ビーカーに戻すという循環
処理を30分間行った。処理後の水相をサンプリングし
てそのTOC(A値)を測定し、A値と上記処理前の液
のTOC(B値)から、有機物の分離率(%)((B値
−A値)÷B値×100)を算出した。TOCの測定手
順は前記と同様である。次いで、30分間循環処理後の
水相を、各々、洗浄剤希釈液、及びすすぎ洗い用リンス
液に用い、上記同条件にて、洗浄とすすぎ洗いをし、そ
の際の汚れ物質の除去性を評価した。結果を表2に示
す。汚れ物質の除去性の評価は次の通りである。
【0033】〔汚れ物質の除去性の評価基準〕 除去性は肉眼により次の基準で評価した。 ◎:汚れ物質(フラックス、ナフテン系鉱油、又は液
晶)の残着がなく、非常に良好。 ○:汚れ物質の残着がほとんどなく、良好。 △:汚れ物質の残着がわずかにあり、やや悪い。
【0034】表1、2の結果から明らかなように、実施
例1〜10では有機物の分離率が比較例のそれと比べて
顕著に高いことから(7〜38%に対して70〜93
%)、本発明の方法により効果的に油等の有機物を分離
除去できることが分かった。また、本発明は油水分離阻
害成分(ノニオン界面活性剤やアミン)存在下であって
も、効果を有することも示された(実施例1〜10)。
さらに、表2の結果から明らかなように、有機物分離後
の水相を洗浄剤希釈用水、及びリンス液として再利用し
ても良好な洗浄性を示した(実施例8〜10)。このこ
とから、本発明の方法は処理された水相の再利用性に優
れ、洗浄剤の洗浄性能を低下させないものであることが
分かった。
【0035】従って、本発明における態様としては、以
下のものが挙げられる。 一般式(I) R−O−(AO)n−R’ (I) (式中、Rは炭素数6〜10の炭化水素基を、AOは炭
素数2〜3のアルキレンオキサイドを、R’は水素原子
または炭素数1〜2の炭化水素基を、nは1〜3の数を
示す。)で表される化合物であって、60℃の純水に対
する溶解度が5(g/水100g)以下である化合物か
らなる油水分離性向上剤を、対象となる廃水中に該油水
分離性向上剤の溶解度をこえる量含有させて20〜10
0℃において該廃水中の有機物と水相とを分離すること
を特徴とする油水分離方法。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、洗浄廃水やリンス廃水
中の油状汚れ等の有機物、及び洗浄剤中の活性成分等の
有機物を短時間にかつ容易に、しかも洗浄剤の洗浄性能
に悪影響を与えることなく分離除去することができ、後
の廃水処理工程が簡素化できるため、特に油脂、機械
油、切削油、グリース、ワックス、液晶、フラックス等
の汚れが付着した部品・治具類等を工業的に有利に洗浄
することができる。さらに、本発明により分離処理され
た水相は再び洗浄剤希釈用及びすすぎ洗い用リンス液等
に使用することができるため、洗浄剤希釈液及びすすぎ
洗い用に使用する水の量を大幅に低減でき、経済的にも
優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 17/00 - 17/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) R−O−(AO)n−R’ (I) (式中、Rは炭素数6〜10の炭化水素基を、AOは炭
    素数2〜3のアルキレンオキサイドを、R’は水素原子
    または炭素数1〜2の炭化水素基を、nは1〜3の数を
    示す。)で表される化合物であって、60℃の純水に対
    する溶解度が5(g/水100g)以下である化合物か
    らなる油水分離性向上剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の油水分離性向上剤を、対
    象となる廃水中に該油水分離性向上剤の溶解度をこえる
    量含有させて該廃水中の有機油分を含む有機物と水相と
    を分離することを特徴とする油水分離方法。
  3. 【請求項3】 廃水が、希釈洗浄液による洗浄工程で発
    生するもの又は洗浄工程後水によりすすぎ洗いをするリ
    ンス工程で発生するものである請求項2記載の油水分離
    方法。
  4. 【請求項4】 有機油分汚れの付着した部品・治具類等
    の洗浄方法において、洗浄工程後に請求項2又は3記載
    の方法による廃水からの有機油分を含む有機物の分離除
    去工程を有し、又は該分離除去工程により得られた水相
    を、洗浄剤の希釈用又はリンス液として再利用する工程
    さらに有することを特徴とする洗浄方法。
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