JP3076119B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法

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JP3076119B2 JP34286991A JP34286991A JP3076119B2 JP 3076119 B2 JP3076119 B2 JP 3076119B2 JP 34286991 A JP34286991 A JP 34286991A JP 34286991 A JP34286991 A JP 34286991A JP 3076119 B2 JP3076119 B2 JP 3076119B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は薄膜トランジスタを使
用したアクティブ・マトリクス方式の液晶表示装置の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブ・マトリクス方式の液晶表示
装置は、マトリクス状に配列された複数の画素電極のそ
れぞれに対応して非線形素子(スイッチング素子)を設
けたものである。各画素における液晶は理論的には常時
駆動(デューティ比1.0)されているので、時分割駆
動方式を採用している、いわゆる単純マトリクス方式と
比べてアクティブ方式はコントラストが良く、特にカラ
ー液晶表示装置では欠かせない技術となりつつある。ス
イッチング素子として代表的なものとしては薄膜トラン
ジスタ(TFT)がある。
【0003】従来のアクティブ・マトリクス方式の液晶
表示装置の薄膜トランジスタ基板においては、ゲート電
極の端面が下部透明ガラス基板に対して直角である。
【0004】また、従来のアクティブ・マトリクス方式
の液晶表示装置の薄膜トランジスタ基板の製造方法にお
いては、端面が下部透明ガラス基板に対して直角である
パラジウム、シリコン等を含むアルミニウム膜の上部を
陽極酸化して、ゲート電極およびゲート絶縁膜を形成し
ている。
【0005】なお、薄膜トランジスタを使用したアクテ
ィブ・マトリクス方式の液晶表示装置は、たとえば「冗
長構成を採用した12.5型アクティブ・マトリクス方
式カラー液晶ディスプレイ」、日経エレクトロニクス、
頁193〜210、1986年12月15日、日経マグ
ロウヒル社発行、で知られている。また薄膜トランジス
タのゲート電極表面に、陽極酸化膜を設ける公知例に
は、特開平1−291467号公報および特開平2−8
5826号公報がある。またゲート電極端部に、傾斜を
設ける公知例には、特開昭62−216369号公報お
よび特開平1−277216号公報がある。しかし何れ
の公知例にも、ゲート電極のパターン形成時に端部の傾
斜角を15〜50度とした後、ゲート電極表面を陽極酸
化して酸化膜を形成することにより、ゲート電極端部で
陽極酸化膜のクラックの発生が防止できることまでは言
及していなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような薄膜トラン
ジスタ基板においては、アルミニウム膜の端面を下部透
明ガラス基板に対して直角としたときには、陽極酸化時
にアルミニウム膜の体積が1.5倍に増加するから、陽
極酸化時に陽極酸化膜の角部に応力集中が発生するの
で、陽極酸化膜の角部にクラックが発生するため、ゲー
ト電極とソース、ドレイン電極とが短絡することがあ
る。
【0007】また、ゲート電極の端部に電界が集中する
から、ゲート電極とソース、トレイン電極とが短絡する
ことがある。
【0008】この発明は上述の課題を解決するためにな
されたもので、陽極酸化時に陽極酸化膜の角部にクラッ
クが発生するのを防止し、ゲート電極とソース、ドレイ
ン電極とが短絡することがない液晶表示装置の製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明の液晶表示装置の製造方法においては、ガ
ラス基板上にアルミニウムを主成分とする第1金属膜を
形成す第1の工程と、該第1金属膜をエッチングする
ことにより、走査信号線、ゲート電極および容量素子の
電極を形成す第2の工程と、上記第1金属膜の表面を
酸化して、上記走査信号線、上記ゲート電極および上記
容量素子の電極上に上記第1金属膜の酸化膜を形成する
第3の工程と、上記ゲート電極および上記走査信号線の
上層に窒化シリコン膜を設ける第4の工程と、該窒化シ
リコン膜上に半導体層を形成する第5の工程と、上記窒
化シリコン膜および上記半導体層上に第2金属膜を設け
第6の工程と、該第2金属膜をエッチングして映像信
号線、ソース電極およびドレイン電極を形成する第7の
工程とを含み、上記第2の工程において上記第1金属膜
をその端面の上記ガラス基板に対する傾斜角が15〜5
0度となるようにエッチングすることを特徴とする。
の場合、上記第2の工程において、上記第1金属膜をリ
ン酸、硝酸および氷酢酸を含む混酸により選択的にエッ
チングしてもよい。また、上記第2の工程において、上
記第1金属膜をCCl またはSiCl のエッチング
ガスを用いてエッチングしてもよい。また、上記第1金
属膜はアルミニウム膜として形成してもよい。また、上
記第1金属膜はパラジウム、シリコン、タンタルまたは
チタンを含むアルミニウム膜として形成してもよい。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【作用】この液晶表示装置の製造方法においては、薄膜
トランジスタのゲート電極の端面がガラス基板に対して
傾斜するから、陽極酸化時に陽極酸化膜の角部に応力集
中が発生しないので、陽極酸化膜の角部にクラックが発
生しない。
【0014】また、この液晶表示装置の製造方法におい
ては、ゲート電極の端部に電界が集中することがない。
また、走査信号線の端面の基板に対する傾斜角が15〜
50度になるから、映像信号線が走査信号線との交差部
で断線することがない。さらに、走査信号線の端面の傾
斜角が15〜50度なので、走査信号線の細り帽が1μ
m以下になるので、走査信号線が断線することもない。
【0015】
【実施例】以下、この発明の構成について、アクティブ
・マトリクス方式のカラー液晶表示装置の薄膜トランジ
スタ基板、液晶表示パネルにこの発明を適用した実施例
とともに説明する。
【0016】なお、実施例を説明するための全図におい
て、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り
返しの説明は省略する。
【0017】図2はこの発明が適用されるアクティブ・
マトリクス方式カラー液晶表示装置の一画素とその周辺
を示す平面図、図3は図2の3−3切断線における断面
と表示パネルのシール部付近の断面を示す図、図4は図
2の4−4切断線における断面図である。また、図7
(要部平面図)には図2に示す画素を複数配置したときの
平面図を示す。
【0018】(画素配置)図2に示すように、各画素は
隣接する2本の走査信号線(ゲート信号線または水平信
号線)GLと、隣接する2本の映像信号線(ドレイン信
号線または垂直信号線)DLとの交差領域内(4本の信
号線で囲まれた領域内)に配置されている。各画素は薄
膜トランジスタTFT、透明画素電極ITO1および保
持容量素子Caddを含む。走査信号線GLは列方向に延
在し、行方向に複数本配置されている。映像信号線DL
は行方向に延在し、列方向に複数本配置されている。
【0019】(表示部断面全体構造)図3に示すよう
に、液晶LCを基準に下部透明ガラス基板SUB1側に
は薄膜トランジスタTFTおよび透明画素電極ITO1
が形成され、上部透明ガラス基板SUB2側にはカラー
フィルタFIL、遮光用ブラックマトリクスパターンを
形成する遮光膜BMが形成されている。下部透明ガラス
基板SUB1はたとえば1.1mm程度の厚さで構成され
ている。また、透明ガラス基板SUB1、SUB2の両
面にはディップ処理等によって形成された酸化シリコン
膜SIOが設けられている。このため、透明ガラス基板
SUB1、SUB2の表面に鋭い傷があったとしても、
鋭い傷を酸化シリコン膜SIOで覆うことができるの
で、走査信号線GL、カラーフィルタFILが損傷する
のを有効に防止することができる。
【0020】図3の中央部は一画素部分の断面を示して
いるが、左側は透明ガラス基板SUB1、SUB2の左
側縁部分で外部引出配線の存在する部分の断面を示して
おり、右側は透明ガラス基板SUB1、SUB2の右側
縁部分で外部引出配線の存在しない部分の断面を示して
いる。
【0021】図3の左側、右側のそれぞれに示すシール
材SLは液晶LCを封止するように構成されており、液
晶封入口(図示せず)を除く透明ガラス基板SUB1、
SUB2の縁周囲全体に沿って形成されている。シール
材SLはたとえばエポキシ樹脂で形成されている。
【0022】上部透明ガラス基板SUB2側の共通透明
画素電極ITO2は、少なくとも一個所において、銀ペ
ースト材SILによって下部透明ガラス基板SUB1側
に形成された外部引出配線に接続されている。この外部
引出配線はゲート端子GTM、ドレイン端子DTMと同
一製造工程で形成される。
【0023】配向膜ORI1、ORI2、透明画素電極
ITO1、共通透明画素電極ITO2、絶縁膜GIのそ
れぞれの層は、シール材SLの内側に形成される。偏光
板POL1、POL2はそれぞれ下部透明ガラス基板S
UB1、上部透明ガラス基板SUB2の外側の表面に形
成されている。
【0024】液晶LCは液晶分子の向きを設定する下部
配向膜ORI1と上部配向膜ORI2との間に封入さ
れ、シール材SLによってシールされている。
【0025】下部配向膜ORI1は下部透明ガラス基板
SUB1側の保護膜PSV1の上部に形成される。
【0026】上部透明ガラス基板SUB2の内側(液晶
LC側)の表面には、遮光膜BM、カラーフィルタFI
L、保護膜PSV2、共通透明画素電極ITO2(CO
M)および上部配向膜ORI2が順次積層して設けられ
ている。
【0027】この液晶表示装置は下部透明ガラス基板S
UB1側、上部透明ガラス基板SUB2側のそれぞれの
層を別々に形成し、その後厚さ7.3μmのスペーサ
(図示せず)を用いて下部透明ガラス基板SUB1と上
部透明ガラス基板SUB2とを重ね合わせ、下部透明ガ
ラス基板SUB1と上部透明ガラス基板SUB2との間
に液晶LCを封入することによって組み立てられる。
【0028】(薄膜トランジスタTFT)薄膜トランジ
スタTFTは、ゲート電極GTに正のバイアスを印加す
ると、ソース−ドレイン間のチャネル抵抗が小さくな
り、バイアスを零にすると、チャネル抵抗は大きくなる
ように動作する。
【0029】各画素の薄膜トランジスタTFTは、画素
内において2つ(複数)に分割され、薄膜トランジスタ
(分割薄膜トランジスタ)TFT1およびTFT2で構
成されている。薄膜トランジスタTFT1、TFT2の
それぞれは実質的に同一サイズ(チャネル長、チャネル
幅が同じ)で構成されている。この分割された薄膜トラ
ンジスタTFT1、TFT2のそれぞれは、主にゲート
電極GT、ゲート絶縁膜GI、i型(真性、intrinsi
c、導電型決定不純物がドープされていない)非晶質シ
リコン(Si)からなるi型半導体層AS、一対のソー
ス電極SD1、ドレイン電極SD2で構成されている。
なお、ソース・ドレインは本来その間のバイアス極性に
よって決まり、この液晶表示装置の回路ではその極性は
動作中反転するので、ソース・ドレインは動作中入れ替
わると理解されたい。しかし、以下の説明では、便宜上
一方をソース、他方をドレインと固定して表現する。
【0030】(ゲート電極GT)ゲート電極GTは図8
(図2の第2導電膜g2およびi型半導体層ASのみを
描いた平面図)に詳細に示すように、走査信号線GLか
ら垂直方向(図2および図8において上方向)に突出す
る形状で構成されている(T字形状に分岐されてい
る)。ゲート電極GTは薄膜トランジスタTFT1、T
FT2のそれぞれの形成領域まで突出するように構成さ
れている。薄膜トランジスタTFT1、TFT2のそれ
ぞれのゲート電極GTは、一体に(共通ゲート電極とし
て)構成されており、走査信号線GLに連続して形成さ
れている。ゲート電極GTは、単層の第2導電膜g2で
構成する。第2導電膜g2はたとえばスパッタで形成さ
れたアルミニウム膜を用い、1000〜5500Å程度
の膜厚で形成する。また、ゲート電極GT上にはアルミ
ニウムの陽極酸化膜AOFが設けられている。
【0031】このゲート電極GTは図2、図3および図
8に示されているように、i型半導体層ASを完全に覆
うよう(下方からみて)それより大き目に形成される。
したがって、下部透明ガラス基板SUB1の下方に蛍光
灯等のバックライトBLを取り付けた場合、この不透明
なアルミニウムからなるゲート電極GTが影となって、
i型半導体層ASにはバックライト光が当たらず、光照
射による導電現象すなわち薄膜トランジスタTFTのオ
フ特性劣化は起きにくくなる。なお、ゲート電極GTの
本来の大きさは、ソース電極SD1とドレイン電極SD
2との間をまたがるに最低限必要な(ゲート電極GTと
ソース電極SD1、ドレイン電極SD2との位置合わせ
余裕分も含めて)幅を持ち、チャネル幅Wを決めるその
奥行き長さはソース電極SD1とドレイン電極SD2と
の間の距離(チャネル長)Lとの比、すなわち相互コン
ダクタンスgmを決定するファクタW/Lをいくつにする
かによって決められる。
【0032】この液晶表示装置におけるゲート電極GT
の大きさはもちろん、上述した本来の大きさよりも大き
くされる。
【0033】また、図14に示すように、ゲート端子G
Tの端面の下部透明ガラス基板SUB1に対する傾斜角
θが15〜50度である。そして、図15はゲート端子
GTの端面の傾斜角θとゲート端子GTの端部への電界
集中係数との関係を示すグラフである。このグラフから
明らかなように、ゲート端子GTの端面の傾斜角θが5
0度以下であるときには、ゲート電極GTの端部に電界
が集中することがないから、ゲート電極GTとソース電
極SD1、ドレイン電極SD2とが短絡することがな
い。
【0034】(走査信号線GL)走査信号線GLは第2
導電膜g2で構成されている。この走査信号線GLの第
2導電膜g2はゲート電極GTの第2導電膜g2と同一
製造工程で形成され、かつ一体に構成されている。ま
た、走査信号線GL上にはアルミニウムの陽極酸化膜A
OFが設けられている。
【0035】また、図16に示すように、走査信号線G
Lの端面の下部透明ガラス基板SUB1に対する傾斜角
が15〜50度である。このため、映像信号線DLが走
査信号線GLとの交差部で断線することがないから、歩
留が10%向上する。また、走査信号線GLの端面の傾
斜角が15度以上であるから、図16に示す走査信号線
GLの細り幅wが1μm以下になるので、走査信号線G
Lが断線することがない。
【0036】(絶縁膜GI)絶縁膜GIは薄膜トランジ
スタTFT1、TFT2のそれぞれのゲート絶縁膜とし
て使用される。絶縁膜GIはゲート電極GTおよび走査
信号線GLの上層に形成されている。絶縁膜GIはたと
えばプラズマCVDで形成された窒化シリコン膜を用
い、1200〜2700Åの膜厚(この液晶表示装置で
は、2000Å程度の膜厚)で形成する。
【0037】(i型半導体層AS)i型半導体層AS
は、図8に示すように、複数に分割された薄膜トランジ
スタTFT1、TFT2のそれぞれのチャネル形成領域
として使用される。i型半導体層ASは非晶質シリコン
膜または多結晶シリコン膜で形成し、200〜2200
Åの膜厚(この液晶表示装置では、2000Å程度の膜
厚)で形成する。
【0038】このi型半導体層ASは、供給ガスの成分
を変えてSi34からなるゲート絶縁膜として使用され
る絶縁膜GIの形成に連続して、同じプラズマCVD装
置で、しかもそのプラズマCVD装置から外部に露出す
ることなく形成される。また、オーミックコンタクト用
のリン(P)を2.5%ドープしたN(+)型半導体層d
0(図3)も同様に連続して200〜500Åの膜厚
(この液晶表示装置では、300Å程度の膜厚)で形成
される。しかる後、下部透明ガラス基板SUB1はCV
D装置から外に取り出され、写真処理技術によりN(+)
型半導体層d0およびi型半導体層ASは図2、図3お
よび図8に示すように独立した島状にパターニングされ
る。
【0039】i型半導体層ASは、図2および図8に詳
細に示すように、走査信号線GLと映像信号線DLとの
交差部(クロスオーバ部)の両者間にも設けられてい
る。この交差部のi型半導体層ASは交差部における走
査信号線GLと映像信号線DLとの短絡を低減する。
【0040】(透明画素電極ITO1)透明画素電極I
TO1は液晶表示部の画素電極の一方を構成する。
【0041】透明画素電極ITO1は薄膜トランジスタ
TFT1のソース電極SD1および薄膜トランジスタT
FT2のソース電極SD1に接続されている。このた
め、薄膜トランジスタTFT1、TFT2のうちの1つ
たとえば薄膜トランジスタTFT1に欠陥が発生したと
きには、製造工程においてレーザ光等によって、薄膜ト
ランジスタTFT1と映像信号線DLとを切り離すとと
もに、薄膜トランジスタTFT1と透明画素電極ITO
1とを切り離せば、点欠陥、線欠陥にはならず、しかも
2つの薄膜トランジスタTFT1、TFT2に同時に欠
陥が発生することはほとんどないから、点欠陥が発生す
る確率を極めて小さくすることができる。
【0042】透明画素電極ITO1は第1導電膜d1に
よって構成されており、この第1導電膜d1はスパッタ
リングで形成された透明導電膜(Indium-Tin-Oxide I
TO:ネサ膜)からなり、1000〜2000Åの膜厚
(この液晶表示装置では、1400Å程度の膜厚)で形
成される。
【0043】(ソース電極SD1、ドレイン電極SD
2)複数に分割された薄膜トランジスタTFT1、TF
T2のそれぞれのソース電極SD1とドレイン電極SD
2とは、図2、図3および図9(図2の第1〜第3導電
膜d1〜d3のみを描いた平面図)で詳細に示すよう
に、i型半導体層AS上にそれぞれ離隔して設けられて
いる。
【0044】ソース電極SD1、ドレイン電極SD2の
それぞれは、N(+)型半導体層d0に接触する下層側か
ら、第2導電膜d2、第3導電膜d3を順次重ね合わせ
て構成されている。ソース電極SD1の第2導電膜d2
および第3導電膜d3は、ドレイン電極SD2の第2導
電膜d2および第3導電膜d3と同一製造工程で形成さ
れる。
【0045】第2導電膜d2はスパッタで形成したクロ
ム膜を用い、500〜1000Åの膜厚(この液晶表示
装置では、600Å程度の膜厚)で形成する。クロム膜
は膜厚を厚く形成するとストレスが大きくなるので、2
000Å程度の膜厚を越えない範囲で形成する。クロム
膜はN(+)型半導体層d0との接触が良好である。クロ
ム膜は後述する第3導電膜d3のアルミニウムがN(+)
型半導体層d0に拡散することを防止するいわゆるバリ
ア層を構成する。第2導電膜d2として、クロム膜の他
に高融点金属(Mo、Ti、Ta、W)膜、高融点金属
シリサイド(MoSi2、TiSi2、TaSi2、WS
2)膜を用いてもよい。
【0046】第3導電膜d3はアルミニウムのスパッタ
リングで3000〜5000Åの膜厚(この液晶表示装
置では、4000Å程度の膜厚)に形成される。アルミ
ニウム膜はクロム膜に比べてストレスが小さく、厚い膜
厚に形成することが可能で、ソース電極SD1、ドレイ
ン電極SD2および映像信号線DLの抵抗値を低減する
ように構成されている。第3導電膜d3としてアルミニ
ウム膜の他にシリコンや銅(Cu)を添加物として含有
させたアルミニウム膜を用いてもよい。
【0047】第2導電膜d2、第3導電膜d3を写真処
理で同時にパターニングした後、同じ写真処理用マスク
を用いて、あるいは第2導電膜d2、第3導電膜d3を
マスクとして、N(+)型半導体層d0が除去される。つ
まり、i型半導体層AS上に残っていたN(+)型半導体
層d0は第2導電膜d2、第3導電膜d3以外の部分が
セルフアラインで除去される。このとき、N(+)型半導
体層d0はその厚さ分は全て除去されるようエッチング
されるので、i型半導体層ASも若干その表面部分でエ
ッチングされるが、その程度はエッチング時間で制御す
ればよい。
【0048】ソース電極SD1は透明画素電極ITO1
に接続されている。ソース電極SD1は、i型半導体層
ASの段差形状(第2導電膜g2の膜厚、陽極酸化膜A
OFの膜厚、i型半導体層ASの膜厚およびN(+)型半
導体層d0の膜厚を加算した膜厚に相当する段差)に沿
って構成されている。具体的には、ソース電極SD1
は、i型半導体層ASの段差形状に沿って形成された第
2導電膜d2と、この第2導電膜d2の上部に形成した
第3導電膜d3とで構成されている。ソース電極SD1
の第3導電膜d3は第2導電膜d2のクロム膜がストレ
スの増大から厚く形成できず、i型半導体層ASの段差
形状を乗り越えられないので、このi型半導体層ASを
乗り越えるために構成されている。つまり、第3導電膜
d3は厚く形成することでステップカバレッジを向上し
ている。第3導電膜d3は厚く形成できるので、ソース
電極SD1の抵抗値(ドレイン電極SD2や映像信号線
DLについても同様)の低減に大きく寄与している。
【0049】(保護膜PSV1)薄膜トランジスタTF
Tおよび透明画素電極ITO1上には保護膜PSV1が
設けられている。保護膜PSV1は主に薄膜トランジス
タTFTを湿気等から保護するために形成されており、
透明性が高くしかも耐湿性の良いものを使用する。保護
膜PSV1はたとえばプラズマCVD装置で形成した酸
化シリコン膜や窒化シリコン膜で形成されており、1μ
m程度の膜厚で形成する。
【0050】(ゲート端子GTM、ドレイン端子DT
M)図5に示すように、ゲート端子GTMは第1導電膜
g1と第1導電膜d1とで構成されている。
【0051】また、図6に示すように、ドレイン端子D
TMは第1導電膜g1と第1導電膜d1とで構成されて
いる。
【0052】第1導電膜g1はたとえばスパッタで形成
されたクロム(Cr)膜を用い、1000Å程度の膜厚
で形成する。
【0053】(遮光膜BM)上部透明ガラス基板SUB
2側には、外部光(図3では上方からの光)がチャネル
形成領域として使用されるi型半導体層ASに入射され
ないように、遮光膜BMが設けられ、遮光膜BMは図1
0のハッチングに示すようなパターンとされている。な
お、図10は図2におけるITO膜からなる第1導電膜
d1、カラーフィルタFILおよび遮光膜BMのみを描
いた平面図である。遮光膜BMは光に対する遮蔽性が高
いたとえばアルミニウム膜やクロム膜等で形成されてお
り、この液晶表示装置ではクロム膜がスパッタリングで
1300Å程度の膜厚に形成される。
【0054】したがって、薄膜トランジスタTFT1、
TFT2のi型半導体層ASは上下にある遮光膜BMお
よび大き目のゲート電極GTによってサンドイッチにさ
れ、その部分は外部の自然光やバックライト光が当たら
なくなる。遮光膜BMは図10のハッチング部分で示す
ように、画素の周囲に形成され、つまり遮光膜BMは格
子状に形成され(ブラックマトリクス)、この格子で1
画素の有効表示領域が仕切られている。したがって、各
画素の輪郭が遮光膜BMによってはっきりとし、コント
ラストが向上する。つまり、遮光膜BMはi型半導体層
ASに対する遮光とブラックマトリクスとの2つの機能
をもつ。
【0055】また、透明画素電極ITO1のラビング方
向の根本側のエッジ部に対向する部分(図2右下部分)
が遮光膜BMによって遮光されているから、上記部分に
ドメインが発生したとしても、ドメインが見えないの
で、表示特性が劣化することはない。
【0056】なお、バックライトを上部透明ガラス基板
SUB2側に取り付け、下部透明ガラス基板SUB1を
観察側(外部露出側)とすることもできる。
【0057】(カラーフィルタFIL)カラーフィルタ
FILはアクリル樹脂等の樹脂材料で形成される染色基
材に染料を着色して構成されている。カラーフィルタF
ILは画素に対向する位置にストライプ状に形成され
(図11)、染め分けられている(図11は図7の第1
導電膜膜d1、遮光膜BMおよびカラーフィルタFIL
のみを描いたもので、B、R、Gの各カラーフィルター
FILはそれぞれ、45°、135°、クロスのハッチ
を施してある)。カラーフィルタFILは図10に示す
ように透明画素電極ITO1の全てを覆うように大き目
に形成され、遮光膜BMはカラーフィルタFILおよび
透明画素電極ITO1のエッジ部分と重なるよう透明画
素電極ITO1の周縁部より内側に形成されている。
【0058】カラーフィルタFILは次のように形成す
ることができる。まず、上部透明ガラス基板SUB2の
表面に染色基材を形成し、フォトリソグラフィ技術で赤
色フィルタ形成領域以外の染色基材を除去する。この
後、染色基材を赤色染料で染め、固着処理を施し、赤色
フィルタRを形成する。つぎに、同様な工程を施すこと
によって、緑色フィルタG、青色フィルタBを順次形成
する。
【0059】(保護膜PSV2)保護膜PSV2はカラ
ーフィルタFILを異なる色に染め分けた染料が液晶L
Cに漏れることを防止するために設けられている。保護
膜PSV2はたとえばアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の
透明樹脂材料で形成されている。
【0060】(共通透明画素電極ITO2)共通透明画
素電極ITO2は、下部透明ガラス基板SUB1側に画
素ごとに設けられた透明画素電極ITO1に対向し、液
晶LCの光学的な状態は各画素電極ITO1と共通透明
画素電極ITO2との間の電位差(電界)に応答して変
化する。この共通透明画素電極ITO2にはコモン電圧
Vcomが印加されるように構成されている。コモン電圧
Vcomは映像信号線DLに印加されるロウレベルの駆動
電圧Vdminとハイレベルの駆動電圧Vdmaxとの中間電
位である。
【0061】(表示装置全体等価回路)表示マトリクス
部の等価回路とその周辺回路の結線図を図12に示す。
同図は回路図ではあるが、実際の幾何学的配置に対応し
て描かれている。ARは複数の画素を二次元状に配列し
たマトリクス・アレイである。
【0062】図中、Xは映像信号線DLを意味し、添字
G、BおよびRがそれぞれ緑、青および赤画素に対応し
て付加されている。Yは走査信号線GLを意味し、添字
1,2,3,…,endは走査タイミングの順序に従って
付加されている。
【0063】映像信号線X(添字省略)は交互に上側
(または奇数)映像信号駆動回路He、下側(または偶
数)映像信号駆動回路Hoに接続されている。
【0064】走査信号線Y(添字省略)は垂直走査回路
Vに接続されている。
【0065】SUPは1つの電圧源から複数の分圧した
安定化された電圧源を得るための電源回路やホスト(上
位演算処理装置)からのCRT(陰極線管)用の情報を
TFT液晶表示装置用の情報に交換する回路を含む回路
である。
【0066】(保持容量素子Caddの構造)透明画素電
極ITO1は、薄膜トランジスタTFTと接続される端
部と反対側の端部において、隣りの走査信号線GLと重
なるように形成されている。この重ね合わせは、図4か
らも明らかなように、透明画素電極ITO1を一方の電
極PL2とし、隣りの走査信号線GLを他方の電極PL
1とする保持容量素子(静電容量素子)Caddを構成す
る。この保持容量素子Caddの誘電体膜は、薄膜トラン
ジスタTFTのゲート絶縁膜として使用される絶縁膜G
Iおよび陽極酸化膜AOFで構成されている。
【0067】保持容量素子Caddは、図8からも明らか
なように、走査信号線GLの第2導電膜g2の幅を広げ
た部分に形成されている。なお、映像信号線DLと交差
する部分の第2導電膜g2は映像信号線DLとの短絡の
確率を小さくするため細くされている。
【0068】保持容量素子Caddを構成するために重ね
合わされる透明画素電極ITO1と電極PL1との間の
一部には、ソース電極SD1と同様に、段差形状を乗り
越える際に透明画素電極ITO1が断線しないように、
第2導電膜d2および第3導電膜d3で構成された島領
域が設けられている。この島領域は、透明画素電極IT
O1の面積(開口率)を低下しないように、できる限り
小さく構成する。
【0069】(保持容量素子Caddの等価回路とその動
作)図2に示される画素の等価回路を図13に示す。図
13において、Cgsは薄膜トランジスタTFTのゲート
電極GTとソース電極SD1との間に形成される寄生容
量である。寄生容量Cgsの誘電体膜は絶縁膜GIおよび
陽極酸化膜AOFである。Cpixは透明画素電極ITO
1(PIX)と共通透明画素電極ITO2(COM)と
の間に形成される液晶容量である。液晶容量Cpixの誘
電体膜は液晶LC、保護膜PSV1および配向膜ORI
1、ORI2である。Vlcは中点電位である。
【0070】保持容量素子Caddは、薄膜トランジスタ
TFTがスイッチングするとき、中点電位(画素電極電
位)Vlcに対するゲート電位変化ΔVgの影響を低減す
るように働く。この様子を式で表すと、次式のようにな
る。
【0071】 ΔVlc={Cgs/(Cgs+Cadd+Cpix)}×ΔVg ここで、ΔVlcはΔVgによる中点電位の変化分を表わ
す。この変化分ΔVlcは液晶LCに加わる直流成分の原
因となるが、保持容量Caddを大きくすればする程、そ
の値を小さくすることができる。また、保持容量素子C
addは放電時間を長くする作用もあり、薄膜トランジス
タTFTがオフした後の映像情報を長く蓄積する。液晶
LCに印加される直流成分の低減は、液晶LCの寿命を
向上し、液晶表示画面の切り替え時に前の画像が残るい
わゆる焼き付きを低減することができる。
【0072】前述したように、ゲート電極GTはi型半
導体層ASを完全に覆うよう大きくされている分、ソー
ス電極SD1、ドレイン電極SD2とのオーバラップ面
積が増え、したがって寄生容量Cgsが大きくなり、中点
電位Vlcはゲート(走査)信号Vgの影響を受け易くな
るという逆効果が生じる。しかし、保持容量素子Cadd
を設けることによりこのデメリットも解消することがで
きる。
【0073】保持容量素子Caddの保持容量は、画素の
書込特性から、液晶容量Cpixに対して4〜8倍(4・C
pix<Cadd<8・Cpix)、寄生容量Cgsに対して8〜3
2倍(8・Cgs<Cadd<32・Cgs)程度の値に設定す
る。
【0074】(保持容量素子Cadd電極線の結線方法)
保持容量電極線としてのみ使用される初段の走査信号線
GL(Y0)は、図12に示すように、共通透明画素電
極ITO2(Vcom)に接続する。共通透明画素電極I
TO2は、図3に示すように、液晶表示装置の周縁部に
おいて銀ペースト材SLによって外部引出配線に接続さ
れている。しかも、この外部引出配線の一部の導電膜
(g1およびg2)は走査信号線GLと同一製造工程で
構成されている。この結果、最終段の保持容量電極線G
Lは、共通透明画素電極ITO2に簡単に接続すること
ができる。
【0075】初段の保持容量電極線Y0は最終段の走査
信号線Yendに接続、Vcom以外の直流電位点(交流接地
点)に接続するかまたは垂直走査回路Vから1つ余分に
走査パルスY0を受けるように接続してもよい。
【0076】つぎに、この発明に係る薄膜トランジスタ
基板の製造方法について説明する。まず、7059ガラ
ス(商品名)からなる下部透明ガラス基板SUB1の両
面に酸化シリコン膜SIOをディップ処理により設けた
のち、500℃、60分間のベークを行なう。つぎに、
下部透明ガラス基板SUB1上に膜厚が1100Åのク
ロムからなる第1導電膜g1をスパッタリングにより設
ける。つぎに、エッチング液として硝酸第2セリウムア
ンモニウム溶液を使用した写真蝕刻技術で第1導電膜g
1を選択的にエッチングすることによって、ゲート端子
GTMおよびドレイン端子DTMを形成するとともに、
ゲート端子GTMを接続する陽極酸化バスライン(図示
せず)、陽極酸化バスラインに接続された陽極酸化パッ
ド(図示せず)を形成する。つぎに、レジストを剥離液
S502(商品名)で除去したのち、O2アッシャーを
1分間行なう。つぎに、図1(a)に示すように、膜厚が
2800Åのパラジウムを1原子%含むアルミニウムか
らなる第2導電膜g2をスパッタリングにより設けたの
ち、レジストRSTを設ける。つぎに、図1(b)に示す
ように、エッチング液としてリン酸と硝酸と氷酢酸との
混酸を使用した写真蝕刻技術で第2導電膜g2を選択的
にエッチングすることにより、走査信号線GL、ゲート
電極GTおよび保持容量素子Caddの電極PL1を形成
する。この場合、リン酸、硝酸、氷酢酸の比率が3:
1:5の混酸を使用することによりテーパエッチング
し、第2導電膜g2の端面の下部透明ガラス基板SUB
1に対する傾斜角を15〜50度とする。なお、第2導
電膜g2の端面の傾斜角は混酸の液組成とくに氷酢酸の
濃度により制御することができる。また、ドライエッチ
ングガスとしてCCl4、SiCl4ガスを使用したドラ
イエッチングによりテーパエッチングしてもよい。つぎ
に、図1(c)に示すように、ドライエッチング装置にS
6ガスを導入して、シリコン等の残渣を除去したの
ち、レジストRSTを除去する。つぎに、陽極酸化用の
レジストを設けたのち、3%酒石酸をアンモニアにより
pH7.0±0.5に調整した溶液をエチレングリコー
ル液で1:9に稀釈した液からなる陽極酸化液中に下部
透明ガラス基板SUB1の陽極酸化すべき部分を浸漬
し、陽極酸化パッドに陽極酸化電圧を印加することによ
り、図1(d)に示すように、第2導電膜g2を陽極酸化
して、走査信号線GL、ゲート電極GT、電極PL1上
に膜厚が1800Åの陽極酸化膜AOFを設ける。この
場合、まず陽極酸化密度が0.5A/cm2となるよう
に電圧を調整しながら定電流陽極酸化を約10分間行な
い、陽極酸化電圧が125Vに達したのち、電圧を12
5Vに保って定電圧陽極酸化を数分〜数十分間行なう。
つぎに、プラズマCVD装置にアンモニアガス、シラン
ガス、窒素ガスを導入して、膜厚が2000Åの窒化シ
リコン膜を設け、プラズマCVD装置にシランガス、水
素ガスを導入して、膜厚が2000Åのi型非晶質シリ
コン膜を設けたのち、プラズマCVD装置に水素ガス、
ホスフィンガスを導入して、膜厚が300Åのリンを
2.5%ドーピングしたN(+)型非晶質シリコン膜を設
ける。この場合、下部透明ガラス基板SUB1の温度を
300℃とする。つぎに、ドライエッチングガスとして
SF6、CCl4を使用した写真蝕刻技術でN(+)型非晶
質シリコン膜、i型非晶質シリコン膜を選択的にエッチ
ングすることにより、i型半導体層ASを形成する。つ
ぎに、レジストを除去したのち、ドライエッチングガス
としてSF6を使用した写真蝕刻技術で、窒化シリコン
膜を選択的にエッチングすることによって、絶縁膜GI
を形成する。つぎに、レジストを除去したのち、膜厚が
1400ÅのITO膜からなる第1導電膜d1をスパッ
タリングにより設ける。つぎに、エッチング液として塩
酸と硝酸との混酸を使用した写真蝕刻技術で第1導電膜
d1を選択的にエッチングすることにより、ゲート端子
GTM、ドレイン端子DTMの最上層および透明画素電
極ITO1を形成する。つぎに、膜厚が600Åのクロ
ムからなる第2導電膜d2をスパッタリングにより設
け、さらに膜厚が4000Åのアルミニウム−パラジウ
ム、アルミニウム−シリコン、アルミニウム−シリコン
−チタン、アルミニウム−シリコン−銅等からなる第3
導電膜d3をスパッタリングにより設ける。つぎに、写
真蝕刻技術で第2導電膜d2、第3導電膜d3を同時に
選択的にエッチングすることにより、映像信号線DL、
ソース電極SD1、ドレイン電極SD2を形成する。つ
ぎに、レジストを除去する前に、ドライエッチング装置
にCCl4、SF6を導入して、N(+)型非晶質シリコン
膜を選択的にエッチングすることにより、N(+)型半導
体層d0を形成する。つぎに、レジストを除去したの
ち、O2アッシャーを1分間行なう。つぎに、プラズマ
CVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒素ガスを
導入して、膜厚が1μmの窒化シリコン膜を設ける。つ
ぎに、ドライエッチングガスとしてSF6を使用した写
真蝕刻技術で窒化シリコン膜を選択的にエッチングする
ことによって、保護膜PSV1を形成する。つぎに、下
部透明ガラス基板SUB1の陽極酸化バスラインが形成
された部分を切り離す。
【0077】この薄膜トランジスタ基板の製造方法にお
いては、第2導電膜g2の端面の傾斜角を50度以下に
しているから、ゲート電極GTの端面の傾斜角が50度
以下になるので、ゲート電極GTの端部に電界が集中す
ることがなく、しかも陽極酸化時に陽極酸化膜AOFの
角部に応力集中が発生しないので、陽極酸化膜AOFの
角部にクラックが発生しないため、ゲート電極GTとソ
ース電極SD1、ドレイン電極SD2とが短絡すること
がなく、歩留が向上し、製造コストを15%低減するこ
とができる。また、走査信号線GLの端面の下部透明ガ
ラス基板SUB1に対する傾斜角が15〜50度になる
から、映像信号線DLが走査信号線GLとの交差部で断
線することがなく、しかも図16に示す走査信号線GL
の細り幅wが1μm以下になるので、走査信号線GLが
断線することがない。また、定電流陽極酸化を行なった
のちに定電圧陽極酸化を行なうから、均一な陽極酸化膜
AOFを得ることができる。
【0078】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施例に基づき具体的に説明したが、この発明は、
前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々変更可能であることは勿論であ
る。
【0079】なお、上述実施例においては、ゲート絶縁
膜として陽極酸化膜AOFおよび絶縁膜GIを用いた
が、ゲート絶縁膜として陽極酸化膜AOFのみを用いて
もよい。また、上述実施例においては、窒化シリコン膜
からなる絶縁膜GIを用いたが、酸化シリコン膜からな
る絶縁膜を用いてもよい。また、上述実施例において
は、陽極酸化膜AOFの膜厚を1800Åとしたが、ゲ
ート電極GTとソース電極SD1、ドレイン電極SD2
との間には最高約25Vの電圧が印加されるから、陽極
酸化膜AOFの膜厚を500Åとしてもよい。また、上
述実施例においては、画素が列をなすように配置した
が、画素を半ピッチずらして配置してもよい。また、上
述実施例においては、保持容量素子Caddを設けたが、
保持容量素子Caddを設けなくともよく、電極がゲート
電極とは別に形成された他の蓄積容量を設けてもよい。
また、上述実施例においては、金属膜としてパラジウム
を1原子%含むアルミニウムからなる第2導電膜g2を
用いたが、金属膜としてパラジウム、シリコン、タンタ
ル、チタンを0.3原子%以上含むアルミニウム膜を用
いてもよい。また、上述実施例においては、クロムから
なる第1導電膜g1によりゲート端子GTM、ドレイン
端子DTMを構成したが、タンタルからなる導電膜によ
りゲート端子GTM、ドレイン端子DTMを構成しても
よい。また、上述実施例においては、第1導電膜d1を
選択的にエッチングすることにより透明画素電極ITO
1を形成したのち、第2導電膜d2、第3導電膜d3を
選択的にエッチングすることにより、映像信号線DL、
ソース電極SD1、ドレイン電極SD2を形成したが、
映像信号線DL、ソース電極SD1、ドレイン電極SD
2を形成したのちに、透明画素電極ITO1を形成して
もよい。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る
晶表示装置の製造方法においては、ゲート電極の端部に
電界が集中することがなく、しかも陽極酸化膜の角部に
クラックが発生しないから、ゲート電極とソース、ドレ
イン電極とが短絡することがない。
【0081】また、走査信号線GLの端面の下部透明ガ
ラス基板SUB1に対する傾斜角が15〜50度になる
から、映像信号線DLが走査信号線GLとの交差部で断
線することがなく、しかも図16に示す走査信号線GL
の細り幅wが1μm以下になるので、走査信号線GLが
断線することがない。
【0082】このように、この発明の効果は顕著であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に示す液晶表示装置の薄膜トランジスタ基
板の製造方法の説明図である。
【図2】この発明が適用されるアクティブ・マトリック
ス方式のカラー液晶表示装置の液晶表示部の一画素を示
す要部平面図である。
【図3】図2の3−3切断線で切った部分とシール部周
辺部の断面図である。
【図4】図2の4−4切断線における断面図である。
【図5】図2に示す液晶表示装置のゲート端子部を示す
断面図である。
【図6】図2に示す液晶表示装置のドレイン端子部を示
す断面図である。
【図7】図2に示す画素を複数配置した液晶表示部の要
部平面図である。
【図8】図2に示す画素の所定の層のみを描いた平面図
である。
【図9】図2に示す画素の所定の層のみを描いた平面図
である。
【図10】図2に示す画素の所定の層のみを描いた平面
図である。
【図11】図7に示す画素電極層、遮光膜およびカラー
フィルタ層のみを描いた要部平面図である。
【図12】アクティブ・マトリックス方式のカラー液晶
表示装置の液晶表示部を示す等価回路図である。
【図13】図2に示す画素の等価回路図である。
【図14】図2に示す液晶表示装置の薄膜トランジスタ
部を示す断面図である。
【図15】ゲート電極端面の傾斜角θと電界集中係数と
の関係を示すグラフである。
【図16】図2の16−16切断線における断面図であ
る。
【符号の説明】
SUB…透明ガラス基板 GL…走査信号線 DL…映像信号線 GI…絶縁膜 GT…ゲート電極 AS…i型半導体層 SD…ソース電極またはドレイン電極 PSV…保護膜 BM…遮光膜 LC…液晶 TFT…薄膜トランジスタ ITO…透明画素電極 g、d…導電膜 Cadd…保持容量素子 Cgs…寄生容量 Cpix…液晶容量 AOF…陽極酸化膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−58019(JP,A) 特開 平2−271320(JP,A) 特開 昭60−66286(JP,A) 特開 平1−277216(JP,A) 特開 昭62−216369(JP,A) 特開 平2−106723(JP,A) 特開 平2−85826(JP,A) 特開 平3−274029(JP,A) 特開 平1−291467(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/136 G02F 1/1343

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上にアルミニウムを主成分とす
    第1金属膜を形成す第1の工程と、 該第1金属膜をエッチングすることにより、走査信号
    線、ゲート電極および容量素子の電極を形成す第2の
    工程と、 上記第1金属膜の表面を酸化して、上記走査信号線、上
    記ゲート電極および上記容量素子の電極上に上記第1金
    属膜の酸化膜を形成する第3の工程と、 上記ゲート電極および上記走査信号線の上層に窒化シリ
    コン膜を設ける第4の工程と、 該窒化シリコン膜上に半導体層を形成する第5の工程
    と、 記窒化シリコン膜および上記半導体層上に第2金属膜
    を設ける第6の工程と、 該第2金属膜をエッチングして映像信号線、ソース電極
    およびドレイン電極を形成する第7の工程とを含み、 上記第2の工程において上記第1金属膜をその端面の上
    記ガラス基板に対する傾斜角が15〜50度となるよう
    にエッチングすることを特徴とする 液晶表示装置の製造
    方法。
  2. 【請求項2】上記第2の工程において、上記第1金属膜
    をリン酸、硝酸および氷酢酸を含む混酸により選択的に
    エッチングすることを特徴とする請求項1に記載の液晶
    表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】上記第2の工程において、上記第1金属膜
    をCCl またはSiCl のエッチングガスを用いて
    エッチングすることを特徴とする請求項1に記載の液晶
    表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】上記第1金属膜はアルミニウム膜として形
    成することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置
    の製造方法。
  5. 【請求項5】上記第1金属膜はパラジウム、シリコン、
    タンタルまたはチタンを含むアルミニウム膜として形成
    することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の
    製造方法。
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KR101049801B1 (ko) 2009-03-05 2011-07-15 삼성모바일디스플레이주식회사 다결정 실리콘층의 제조방법 및 이에 이용되는 원자층 증착장치
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