JP3060853B2 - ポリシランの製造方法 - Google Patents

ポリシランの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウルツカップリング反
応により高重合度ポリシランを収率良く合成することが
できるポリシランの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ポリシランの合成方法としては、ジクロロシランと金属
ナトリウムとを反応させるウルツカップリング法が最も
一般的な方法として知られている。しかしながら、この
反応は制御が難しく、高分子量ポリシランの収率も悪い
という問題点があった。
【0003】この問題点を解決するために下記のポリシ
ランの製造方法が提案されているが、いずれも種々の欠
点を有し、上記の問題点を十分に解決し得たものではな
い。 (1)RSiH3をCp2MR 2型錯体(M=Ti,Z
r)によって脱水素縮合させることによりポリシランを
得る方法(J.F.Harrod,ACS,Poly
m.Prepr.,28,403(1987))。
【0004】しかし、この製造方法により得られたポリ
シランの重合度は20程度であり、高分子量のポリシラ
ンを得る方法としては不十分である。 (2)ジシランユニットをビフェニルに架橋させた前駆
体を用いてアニオン重合することによりポリシランを製
造する方法(桜井ら、日本化学会第56回春季年回(1
988)講演1IV03)。
【0005】しかし、この方法は原料であるジシランユ
ニットの架橋体の入手が困難であるため、工業的利用に
は適していない。 (3)ジクロロシラン類の電極還元重合によるポリシラ
ンの合成(庄野ら、J.Chem.Soc.,Che
m.Commun.1160(1990))。
【0006】しかし、この方法では十分な機械的強度を
有する高分子量ポリシランを得ることはできない。
【0007】従って、高重合度ポリシランを収率良く合
成し得る製造方法の開発が望まれていた。
【0008】本発明は上記要望に応えるためになされた
もので、高重合度ポリシランを収率良く合成することが
できるポリシランの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ジオル
ガノジハロゲノシランとアルカリ金属をウルツカップリ
ング反応させた後、得られた反応生成物に銅化合物の存
在下でアルカリ金属を再反応させることが極めて有効で
あることを見い出した。
【0010】即ち、本発明者らはジクロロシラン類及び
金属ナトリウムを用いたウルツカップリング反応にあら
かじめハロゲン化銅、銅粉末や酸化銅、有機銅化合物を
添加しておくことにより、簡単かつ確実に高分子量のポ
リシランを合成することができると共に、不溶性ポリマ
ーの生成を抑制することによりポリシランの収率を向上
させることができることを見い出しているが(特開平4
−185642号、同4−288333号、同4−28
8334号公報)、上記ウルツカップリング反応につい
て更に研究を進めたところ、ジオルガノジハロゲノシラ
ンとアルカリ金属とをウルツカップリング反応させ、こ
の反応生成物に銅化合物存在下でアルカリ金属を再反応
させることにより、まずウルツカップリング反応により
高重合度ポリシランが合成され、更にこのウルツカップ
リング反応生成物中に存在する不要とされていた低分子
量のオリゴマーを容易に高重合度ポリシランに変換で
き、これにより最終生成物として得られる高重合度ポリ
シランの収率を向上させることができることを知見し、
本発明をなすに至ったものである。
【0011】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明のポリシランの製造方法は、ジオルガノジハ
ロゲノシランとアルカリ金属をウルツカップリング反応
させた後、得られた反応生成物に銅化合物の存在下でア
ルカリ金属を再反応させるものである。
【0012】ここで、原料のジオルガノジハロゲノシラ
ンとしては、下記一般式(1)で示されるジハロシラン
が好適に使用される。
【0013】
【化1】
【0014】ここで、R1,R2は水素原子又は一価炭化
水素基であり、R1とR2とは互いに同一又は異なってい
てもよいが、一価炭化水素基としては、炭素数1〜12
のもの、特に1〜6のものが好適に用いられる。具体的
には非置換又は置換のアルキル基,アルケニル基,アリ
ール基などが挙げられ、特にメチルフェニルジクロロシ
ランが好適である。これらジハロシランはその1種を単
独で使用しても2種以上を併用するようにしてもよい。
【0015】本発明は、このジハロシランをアルカリ金
属の存在下に反応させるものであるが、アルカリ金属と
してはリチウム,ナトリウムが特に好適に用いられる。
このアルカリ金属は微粒子状として用いることが好適で
ある。アルカリ金属の使用量は、ジハロシラン1モルに
対して2.0〜2.5モル、特に2.0〜2.1モルと
することが好ましい。
【0016】上記ジハロシランの反応は不活性溶媒、例
えばトルエン,キシレン,デカン,ドデカン等を用いて
行うことが好ましく、該不活性溶媒とアルカリ金属微粒
子とシアン化銅とを反応容器内に収め、撹拌することが
好ましい。この場合、反応温度は100℃以上が好まし
く、より好適には110〜150℃である。このように
100℃以上の温度条件下で撹拌を行いながらジハロシ
ランを加えると、反応は発熱的に進行する。アルカリ金
属がほぼ消費された時点、例えば、発熱が終了してから
4乃至5時間さらに撹拌を行って反応を進行させた時点
で反応終了とする。
【0017】その後、反応液を窒素ガス等の不活性ガス
雰囲気下において濾過することが望ましい。得られた濾
液には、反応生成物として高重合度ポリシランと共に重
合度が10以下のオリゴマー成分が含まれている。
【0018】本発明では、上記反応生成物に銅化合物の
存在下でアルカリ金属を再反応させる。この場合、銅化
合物としては、例えば銅金属粉末、無機銅化合物、有機
銅化合物などから選ばれる1種又は2種以上を使用する
ことができる。無機銅化合物としては、CuCl、Cu
Cl2、CuBr、CuBr2、CuI、CuI2等のハ
ロゲン化銅、酸化銅(I)、酸化銅(II)などが挙げ
られ、この中でCuBr、CuI、酸化銅(I)、酸化
銅(II)が好ましく、有機銅化合物としては、ビス
(アセチルアセトナト)銅(II)等の銅キレート化合
物、安息香酸銅(II)、グルコン酸銅(II)、オレ
イン酸銅(II)、オクチル酸銅(II)等の銅有機酸
塩などを挙げることができ、この中で特にビス(アセチ
ルアセトナト)銅(II)が好ましい。上記銅化合物の
添加量は、上記ジハロシラン1モルに対して0.000
1〜0.5モル、特に0.01〜0.05モルが好まし
い。
【0019】また、アルカリ金属としては上記と同様の
ものを使用でき、その使用量は第一段階反応における使
用量の1/10程度が特に適している。反応条件は別に
限定されないが、100〜150℃で3〜6時間還流・
撹拌することが望ましい。反応終了後は、メタノール等
を添加してアルカリ金属を失活させた後、通常の方法で
抽出、濃縮等を行うことにより、下記一般式(2)で示
されるような重量平均分子量100,000〜1,00
0,000の高重合度ポリシランを得ることができる。
【0020】
【化2】
【0021】
【発明の効果】本発明のポリシランの製造方法は、高重
合度ポリシランを入手容易な原料から収率良く合成する
ことができ、しかも不要とされていたオリゴシランから
も高重合度ポリシランを合成できることから、不要生成
物の再利用が可能であり、工業的に非常に有利である。
【0022】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0023】[実施例1]窒素気流下、四ツ口フラスコ
に金属ナトリウム4.8g(210mmol)、キシレ
ン60gを収め、140℃で加熱・撹拌してナトリウム
ディスパージョンを形成させた後、フェニルメチルジク
ロロシラン19.1g(100mmol)を滴下したと
ころ、反応は発熱的に進行し、溶液が紫色に呈色した。
滴下終了後に1時間還流・撹拌を行った後、反応液を窒
素ガス雰囲気下において濾過を行い、濾液を新たな四つ
口フラスコに収めた。これに金属ナトリウム0.1g
(4.3mmol)及び銅粉末0.05gを添加し、1
40℃で還流・撹拌を4時間行い、再反応を行った。反
応終了後、メタノール5mlを用いてナトリウムを失活
し、さらに水洗を数回行った。得られた有機層を塩化カ
ルシウムを用いて乾燥後、濃縮を行った。再反応の前後
においてGPC分析を行った。その結果を図1に示す
が、付加価値のない分子量の小さなオリゴシランが高分
子量のポリマーに変換していることがわかった。濃縮物
をトルエン50gに溶解し、アセトン50gをゆっくり
添加したところ、高分子量メチルフェニルポリシラン
(Mn:281,240、Mw:510,300)を白
色固体として収率20%で得た。
【0024】[実施例2]窒素気流下、四ツ口フラスコ
に金属ナトリウム1.25g(53mmol)、キシレ
ン15gを収め、140℃で加熱・撹拌してナトリウム
ディスパージョンを形成させた後、フェニルメチルジク
ロロシラン4.78g(25mmol)を滴下したとこ
ろ、反応は発熱的に進行し、溶液が紫色に呈色した。滴
下終了後に1時間還流・撹拌を行った後、銅粉末0.0
16gを添加し、さらに140℃で還流・撹拌を4時間
行った。反応終了後、メタノール5mlを用いてナトリ
ウムを失活し、さらに水洗を数回行った。得られた有機
層を塩化カルシウムを用いて乾燥後、濃縮を行った。銅
粉末添加前後においてGPC分析を行ったところ、図2
に示す結果が得られ、付加価値のない分子量の小さなオ
リゴシランが高分子量のポリマーに変換していることが
わかった。濃縮物をトルエン10gに溶解し、アセトン
10gをゆっくり添加したところ、高分子量メチルフェ
ニルポリシラン(Mn:225,740、Mw:40
7,920)を白色固体として収率18%で得た。
【0025】[比較例1]銅化合物を用いた再反応を行
わない以外は実施例1と同様に操作したところ、高分子
量メチルフェニルポリシラン(Mn:201,500、
Mw:471,600)を白色固体として収率2%で得
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の製造例における再反応前後の反応液
のGPC分析結果を示すグラフである。
【図2】実施例2の製造例における再反応前後の反応液
のGPC分析結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−73590(JP,A) 特開 平4−288334(JP,A) 特開 平4−288333(JP,A) 特開 平4−185642(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジオルガノジハロゲノシランとアルカリ
    金属をウルツカップリング反応させた後、得られた反応
    生成物に銅化合物の存在下でアルカリ金属を再反応させ
    ることを特徴とするポリシランの製造方法。
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