JP2500538B2 - ポリシランの製造方法 - Google Patents

ポリシランの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子量のポリシラン
を容易に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ポリシランの合成方法としては、ジクロロシランを金属
ナトリウムによって縮合させる方法がほとんど唯一の方
法である。しかしながら、この反応は制御が難しく、高
分子量ポリシランの収率も悪く、更に副生成物として不
溶性ポリマーが生成するという問題点もある。
【0003】この問題点を解決するために下記のポリシ
ランの製造方法が提案されているが、いずれも種々の欠
点を有し、上記の問題点を十分に解決し得たものではな
い。 (1)RSiH3をCp2MR 2型錯体(M=Ti,Z
r)によって脱水素縮合させることによりポリシランを
得る方法(J.F.Harrod,ACS,Poly
m.Prepr.,28,403(1987))。
【0004】しかし、この製造方法により得られたポリ
シランの重合度は20程度であり、高重合度のポリシラ
ンを得る方法としては不十分である。 (2)ビフェニルで保護したマスクドジシレンを用いた
アニオン重合によりポリシランを製造する方法(桜井
ら,日本化学会第56回春季年会(1988)講演1I
V03)。
【0005】しかし、この方法は原料であるマスクドジ
シレンの合成が難しいため、工業的利用には適していな
い。 (3)藤野らは、上記従来の製造方法の改良としてクラ
ウンエーテルを添加したときの効果を調べた(日本化学
会第56回春季年会(1988)講演1IVB12)。
【0006】しかし、クラウンエーテルの添加により反
応の加速は認められたものの、従来の製造方法と比較し
て高分子量ポリシランの最終的な収率には大きな変化は
見られない。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
高分子量のポリシランを簡単かつ確実に、しかも収率よ
く得ることができるポリシランの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を行なった結果、下記
一般式(1)で示されるジハロシランをアルカリ金属の
存在下に反応させて下記一般式(2)で示されるポリシ
ランを製造する場合、触媒として銅粉末、酸化銅(I)
又は酸化銅(II)を用い、好ましくは100℃以上の
温度でジハロシランを反応させることにより、高分子量
のポリシランを簡単に製造することができると共に、不
溶性ポリマーの生成が抑制され、ポリシランの収率が向
上することを知見し、本発明をなすに至った。
【0009】
【化2】
【0010】従って、本発明は、上記一般式(1)のジ
ハロシランをアルカリ金属の存在下に反応させて上記一
般式(2)で示されるポリシランを製造する方法におい
て、上記ジハロシランを銅粉末、酸化銅(I)及び酸化
銅(II)から選択される触媒を用いて反応させること
を特徴とするポリシランの製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の製造方法において、出発原料としては、下
記一般式(1)で示されるジハロシランを使用する。
【0012】
【化3】
【0013】ここで、R1,R2は水素原子又は一価炭化
水素基であり、R1とR2とは互いに同一又は異なってい
てもよいが、一価炭化水素基としては、炭素数1〜12
のもの、特に1〜6のものが好適に用いられ、具体的に
は未置換又は置換のアルキル基,アルケニル基,アリー
ル基などが挙げられる。これらジハロシランはその1種
を単独で使用しても2種以上を併用するようにしてもよ
い。
【0014】本発明は、このジハロシランをアルカリ金
属の存在下に反応させるものであるが、アルカリ金属と
してはリチウム,ナトリウムが特に好適に用いられる。
このアルカリ金属は微粒子状として用いることが好適で
ある。アルカリ金属の使用量は、ジハロシラン1モルに
対して2.0〜2.5モル、特に2.0〜2.1モルと
することが好ましい。
【0015】而して、本発明は、上記アルカリ金属存在
下におけるジハロシランの反応を銅粉末、酸化銅(I)
又は酸化銅(II)を触媒として行なう。なお、銅粉末
の場合、その粒径は0.1〜10μm、特に0.1〜1
μmであることが好ましく、粒径が10μmを超えると
触媒としての効果が低くなる場合がある。これらの触媒
を反応系に加える際、ジハロシランに上記触媒を添加し
たものをアルカリ金属微粒子に加えてもよく、上記触媒
をアルカリ金属微粒子に加えてからジハロシランを加え
てもよい。触媒の添加量はジハロシランに対して1×1
-6〜10重量%、特に1×10-4〜5重量%が好まし
い。
【0016】上記ジハロシランの反応は不活性溶媒、例
えばトルエン,キシレン,デカン,ドテカン等を用いて
行なうことが好ましく、該不活性溶媒とアルカリ金属微
粒子を反応容器内に収め、撹拌を行なうことが好まし
い。この場合、反応温度は100℃以上が好ましく、よ
り好適には110〜150℃とするもので、100℃よ
り温度が低いと、金属がナトリウムの場合、微粒子にな
らない場合が生じる。このように100℃以上の温度条
件下で撹拌を行ないながらジハロシランを加えると、反
応は発熱的に進行する。アルカリ金属がほぼ消費された
時点で反応終了とし、次いで常法によって後処理を行な
い、得られたポリマーを分別沈殿することにより、下記
一般式(2)で示されるポリシランを得ることができ
る。この場合、本発明によれば、分子量200,000
〜1,000,000のポリシランが高収率で製造され
る。
【0017】
【化4】
【0018】なお、反応混合液の後処理として、アルコ
ールを加えてアルカリ金属を死活化する前又は後に反応
液のpHを3〜7に調整した後、塩を水洗除去すること
により、後工程での不溶物の生成を効果的に抑制するこ
とができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0020】[実施例1〜3、比較例1]四ツ口フラス
コに金属ナトリウム微粒子4.8g,キシレン60gを
収め、135℃で加熱・撹拌してナトリウムディスパー
ジョンを形成させた後、この中に粒径0.2μmの銅粉
末0.064g(0.34重量%)を添加した。反応温
度を135℃とし、加熱・撹拌しながらフェニルメチル
ジクロロシラン19.1gを滴下したところ、反応は発
熱的に進行し、溶液が紫色に呈色した。加熱・撹拌6時
間後、ナトリウムはほぼ消失し、反応溶液の温度を室温
に戻して反応終了とした。
【0021】反応溶液に約5mlのメタノールを添加し
て金属ナトリウムを死活化させ、その後、上記の加熱反
応の過程で生成した塩化ナトリウムを約100mlの水
で溶解分離させるため水洗を5回行なった。次いで有機
層を取り出し、濃縮後、トルエン/アセトン系から分別
沈殿を行ない、下記式(3)で示される重量平均分子量
635,000のポリシランを20%の収率で得た。
【0022】
【化5】
【0023】更に、銅粉末の添加量を表1に示すように
変えてポリシランを合成した。分別により得られたポリ
シランの収率と分子量を表1に併記する。また、合成さ
れたポリマーの分子量分布を図1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】[実施例4]銅触媒として銅粉末0.06
4gの替わりにCu2Oを0.071gを添加した以外
は実施例1と同様の方法でポリシランを製造した。得ら
れたポリシランの分子量は780,000、ポリシラン
の収率は19%であった。
【0026】[実施例5]銅触媒として銅粉末0.06
4gの替わりにCuOを0.04gを添加した以外は実
施例1と同様の方法でポリシランを製造した。得られた
ポリシランの分子量は548,000、ポリシランの収
率は18%であった。
【0027】[比較例2]銅触媒である銅粉末0.06
4gを添加せず、かつ反応温度を132℃とした以外は
実施例1と同様の方法でポリシランを製造した。得られ
たポリシランの分子量は100,000、ポリシランの
収率は5%であった。
【0028】以上の結果から、ジハロシランとアルカリ
金属を反応させる際に銅粉末、酸化銅(I)又は酸化銅
(II)を用いることにより、高分子量のポリシランを
収率よく合成し得ることがわかる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、簡単かつ確実に高分子
量のポリシランを合成することができると共に、不溶性
ポリマーの生成を抑制することによりポリシランの収率
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るポリマーの分子量分布を
示すチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 基夫 神奈川県川崎市高津区坂戸100−1 信 越化学工業株式会社 コーポレートリサ ーチセンター内 (72)発明者 林田 章 神奈川県川崎市高津区坂戸100−1 信 越化学工業株式会社 コーポレートリサ ーチセンター内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるジハロシラ
    ンをアルカリ金属の存在下に反応させて下記一般式
    (2)で示されるポリシランを製造する方法において、
    上記ジハロシランを銅粉末、酸化銅(I)及び酸化銅
    (II)から選択される触媒を用いて反応させることを
    特徴とするポリシランの製造方法。 【化1】
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