JP3060450U - ファックス受信データ処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】印字処理を優先的に行うことによって、メモリ
フル状態になるのを防ぐことのできるファックス受信デ
ータ処理装置を提供する。 【解決手段】コーデック部６は、受信フェーズと印刷フ
ェーズが交互に切り換え設定され、受信フェーズにおい
ては、受信データ１ライン分を画質判定のためにデコー
ド処理し、印刷フェーズにおいては、イメージメモリ７
にデータが蓄積されている限りＮライン分のデータを連
続デコード処理する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本発明は、ファックス装置、特に、普通紙ファックス装置など、印字処理が比 較的遅いファックス装置に関し、より詳細には、受信したファックス受信データ を効率的に処理するファックス受信データ処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

印字処理が比較的遅い従来の普通紙ファックス装置では、符号化圧縮されたフ ァックス受信データをイメージメモリに記憶する受信フェーズと、イメージメモ リに記憶されているデータをデコードして印刷処理する印刷フェーズとを、１つ のコーデック部において１ライン分ずつ交互に切り換えながら処理するようにし ている。例えば、イメージメモリに１ページ分のファックス受信データを受信し てから、最初の１ライン分を印刷フェーズに設定してメモリから読み出した１ラ イン分データをデコードして印刷部へ送り、続いて１ライン分を受信して再びイ メージメモリに記憶する。この動作を連続して繰り返す。なお、特開平５−８３ ４４１号公報や特開平６−１６４７７６号公報に示されるファクシミリ装置にお いては、ファックス受信データをエンコードおよびデコードするコーデック部を 、受信フェーズと印刷フェーズに交互に切り換える処理を行うようにしていない 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように、符号化圧縮されたファックス受信データを受信フェーズと印刷 フェーズとに交互に切り換えながら処理する普通紙ファックスを用いる装置では 、普通紙に対する印刷処理が受信処理に対して相対的に遅くなるために、受信デ ータを一旦メモリに蓄えながら処理するようにしている。ところが、コーデック 部を１ライン分ずつ受信フェーズと印刷フェーズとに交互に切り換えるように処 理するために、受信データの１ライン分のデータがかなり大きい場合（例えば絵 の細かい画像データを受信する場合）、印字動作が無視出来ない程度まで遅くな ってしまう。この場合、印刷トラブル等が生じたときに、そのとき処理している ページの最初から再び印刷処理を行う必要がある場合を考慮して、１ページ分の 印刷がすべて終了した時点で初めてイメージメモリ中の当該１ページ分の印刷済 データを処理するようにするのが通常であるために、印刷処理が遅くなることに よって、その１ページ分のデータをイメージメモリから削除するまでの時間が長 くなり、その結果、イメージメモリの空き領域が徐々に少なくなり、場合によっ てはメモリフル状態となって受信フェーズの処理にも時間がかかるという問題が あった。

【０００４】 本発明の目的は、印字処理を優先的に行うことによって、メモリフル状態にな るのを防ぐことのできるファックス受信データ処理装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１の発明は、符号化圧縮されたファックス受信データを記憶するイメー ジメモリと、イメージメモリに記憶されているデータをデコードして印刷処理す る印刷部と、ファックス受信データをイメージメモリに記憶する受信フェーズ及 びイメージメモリに記憶されているデータをデコードして印刷処理する印刷フェ ーズを交互に切り換えて有効にする制御手段と、を備えるファックス受信データ 処理装置において、 制御手段は、印刷フェーズにおいてイメージメモリに複数ライン分のデータが 記憶されているとき、所定数ライン分のデータを連続デコードしてから受信フェ ーズに切り換えることを特徴とする。

【０００６】 制御手段は、ファックス受信データをイメージメモリに記憶する受信フェーズ およびイメージメモリに記憶されている状態をデコードして印刷処理する印刷フ ェーズとを交互に切り換えて処理するが、イメージメモリに複数ライン分のデー タが記憶されている時には印刷フェーズにおいて所定数ライン分のデータを連続 デコードしてから受信フェーズに切り換えるように処理する。このようにするこ とで、１ライン分のデータ長の長い受信データが連続して受信されている場合で も、印刷処理が長くなることはなく、メモリフル状態になるのを防ぐことができ る。

【０００７】 請求項２の発明は、制御手段は、受信フェーズにおいてファックス受信データ をデコードして画質判定を行いつつイメージメモリに記憶し、印刷フェーズにお いてイメージメモリに記憶されているデータをデコードして印刷処理することを 特徴とする。

【０００８】 コーデック部は、受信フェーズにおいてはファックス受信データをデコードし て画質判定を行うのに使用され、イメージメモリに記憶されるデータはエンコー ドされたままのデータ、すなわち符号化圧縮されたままの受信データにする。そ して、印刷フェーズの時にイメージメモリ上のデータを再びデコードして印刷処 理する。

【０００９】 このようにすることで、イメージメモリの容量を小さくすることができる。

【００１０】 請求項３の発明は、デコードを行う部分がハードウエアで構成されることを特 徴とする。

【００１１】 上記コーデック部をハードウェアで構成することによって、受信フェーズおよ び印刷フェーズの双方のフェーズでの処理を高速化することが可能になる。

【００１２】

【考案の実施の形態】

図１は、本発明の実施形態であるファックス装置の概略構成図である。

【００１３】 公衆回線にはモデム１、バッファを含む送受信部２が接続され、受信モードに おいて送受信部２で処理された受信データは制御部３に入力する。制御部３には 、スキャナ４、印刷部５、コーデック部６、イメージメモリ７が接続されている 。

【００１４】 スキャナ４は、図外の原稿送り装置によって送られる原稿を走査して、原稿画 像を読み取る。印刷部５は、図外のカセット等から供給されるＡ４サイズ等の１ 枚の用紙に対して画像データを印刷処理する。コーデック部６は、受信時には受 信データをデコード（伸張）処理し、送信時には符号化圧縮（エンコード）処理 を行う。イメージメモリ７は、送信時には、スキャナ４で読み込んだ原稿画像デ ータを記憶し、受信時には、送受信部２からの受信データを記憶する。制御部３ は、送信時には、イメージメモリ７に記憶された画像データを１ライン分ずつ順 次エンコード処理し、送受信部２に送る。また、受信時には、受信データをコー デック部６によってデコード処理して画質判定をしながらデコード前の受信デー タをイメージメモリ７に蓄えると共に、イメージメモリ７に記憶されている受信 データをコーデック部６でデコードして印刷部５に出力する。コーデック部６は 、受信データの処理時には受信フェーズとなり、印刷処理時には印刷フェーズと なる。

【００１５】 図２は、受信フェーズと印刷フェーズでの制御部３の動作を説明するための図 である。

【００１６】 受信フェーズにおいては、送受信部２から出力される受信データを、最初は、 １ページ分連続的にイメージメモリ７に蓄積する。本実施形態では、イメージメ モリ７に対して、受信当初必ず１ページ分の画像データを受信してからコーデッ ク部６のフェーズを受信フェーズから印刷フェーズに切り換える。１ページ分の 受信データがイメージメモリ７に記憶されると、続いて、コーデック部６を印刷 フェーズにセットする。この時、印刷部５は、イメージメモリ７に１ページ分の データが記憶されているために、Ｎ（Ｎ＞１）ライン分のデータをまとめて印刷 処理する。Ｎライン分の処理を終了すると、コーデック部６は受信フェエーズに 切り替わる。受信フェーズでは、１ライン分の受信データをイメージメモリ７に 記憶する。以下、同様に、印刷フェーズではＮライン分、受信フェーズでは１ラ イン分の処理を繰り返していく。そして、１ページ分の印刷処理が完了した段階 で、イメージメモリ７の１ページ分のデータが自動的に削除され、その分が空き エリアとなる。この動作を行っている最中に、受信フェーズでの受信データ長が 非常に長くなった場合（例えば、絵が非常に細かい場合）、受信フェーズと印刷 フェーズを１ライン分ずつ切り換えていると、イメージメモリ７の空きエリアが 徐々になくなってきて、メモリフル状態となる可能性があるが、この実施形態で は、印刷フェーズにおいてＮライン分の処理を行っているためにそのようなメモ リフル状態になるのを防ぐことができる。したがって、印刷部５での印刷処理も 遅くなるということもなくなる。

【００１７】 図３は、上記制御部３のファックス受信データを処理する時の動作を示すフロ ーチャートである。

【００１８】 受信モードに入ると、ＳＴ１において、最初に１ページ分の受信を行う。これ によって、イメージメモリ７に１ページ分の受信データが記憶される。次に、コ ーデック部６の順次切り換えが始まる。最初にＳＴ２において、印刷フェーズに 設定して、１ライン分の印字デコードを行う。すなわち、イメージメモリ７から 、１ライン分のデータを読み出してデコード処理を行い印刷部５に出力する。続 いて、ＳＴ３において、イメージメモリ７に印字データがまだ蓄えられているか をどうかを判断し、まだあればＳＴ４→ＳＴ２と進んで、次の１ライン分に対す る印字デコード処理を行う。あらかじめ設定されたＮライン分の印字デコード処 理が終了すると、ＳＴ５に進み受信フェーズとなって１ライン分の受信デコード 処理が行われる。すなわち、送受信部２のバッファから送られてくる１ライン分 の受信データの画質判定を、コーデック部６を通すことによって行い、且つ、そ の受信データをイメージメモリ７に記憶する。

【００１９】 以上の動作によって、受信データ長が長い場合であっても、印刷速度の低下と メモリフル状態になるのを防止することができる。

【００２０】

【考案の効果】 請求項１の発明によれば、印刷速度の低下を防ぐことができ、また、イメージ メモリがメモリフル状態となるのを防ぐこともできる。

【００２１】 請求項２の発明によれば、イメージメモリの容量を小さくすることができる。 請求項３の発明によれば、処理の高速化を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態であるファックス装置概略構
成図

【図２】制御部の動作を説明するための図

【図３】受信モードにおける制御部の動作を示すフロー
チャート

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 符号化圧縮されたファックス受信データ
   を記憶するイメージメモリと、イメージメモリに記憶さ
   れているデータをデコードして印刷処理する印刷部と、
   ファックス受信データをイメージメモリに記憶する受信
   フェーズ及びイメージメモリに記憶されているデータを
   デコードして印刷処理する印刷フェーズを交互に切り換
   えて有効にする制御手段と、を備えるファックス受信デ
   ータ処理装置において、 制御手段は、印刷フェーズにおいてイメージメモリに複
   数ライン分のデータが記憶されているとき、所定数ライ
   ン分のデータを連続デコードしてから受信フェーズに切
   り換えることを特徴とする、ファックス受信データ処理
   装置。
2. 【請求項２】 制御手段は、受信フェーズにおいてファ
   ックス受信データをデコードして画質判定を行いつつイ
   メージメモリに記憶し、印刷フェーズにおいてイメージ
   メモリに記憶されているデータをデコードして印刷処理
   する、請求項１記載のファックス受信データ処理装置。
3. 【請求項３】 デコードを行う部分がハードウエアで構
   成される請求項１または２記載のファックス受信装置。