JP3052907U - 自動包装機用横シール装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 横シールの内部に挟雑物が入り込まないよう
に充填材料を確実にシゴキ出して、横ヒートシールロー
ラによる横シールを確実に圧着シールできるように工夫
した自動包装機の横シール装置を提供する。 【解決手段】 自動包装機の横ヒートシールローラを、
シール温度を低く設定した第１段目の充填材料シゴキ用
横ヒートシールローラ３と、シール温度を通常のシール
温度に設定した第２段目の本シール用横ヒートシールロ
ーラ４と、シール温度を低く設定した第３段目の冷却用
横ヒートシールローラ５によって構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、各種の粉末や液体、或は、粘体状の充填材料（被包装材料）を、ヒ ートシールローラ（加熱ローラ）を用いて自動的に密封シールする自動包装機の 技術分野に属するものであって、具体的には、包装フイルムに対して横シールを 施す横シール装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

包装フイルムに縦シールと横シールを施す加熱シーラとして、対向して回転す る一対の縦ヒートシールローラと横ヒートシールローラを用いるロールタイプの 自動包装機には、従来より、例えば特開平７−４４７２３号公報の図３にみられ るように、加熱シーラを一組の縦ヒートシールローラと一組の横ヒートシールロ ーラとによって構成した標準タイプのものと、例えば特開平８−１３３２２６号 公報の図１にみられるように、加熱シーラを一組の縦ヒートシールローラと上下 二組の横ヒートシールローラとによって構成したダブルシールタイプのものとが 存在する。

【０００３】 上記従来の自動包装機のうち、前者の標準タイプの自動包装機は、一対の横ヒ ートシールローラが充填材料のシゴキを行いながら熱圧着シール（本シール）を 行う仕組に成っており、また、後者のダブルシールタイプの自動包装機では、１ 段目（上段）の横ヒートシールローラで充填材料のシゴキと熱圧着シールを行っ た後、２段目（下段）の横ヒートシールローラで、１段目の横ヒートシールロー ラが本シールしたのと同じ箇所を本シールよりも低い温度で冷却シールすること により、シール部の熱硬化を早めて横シールを短時間のうちに安定化するように 構成されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記いずれのタイプの自動包装機も、一対又は１段目の横ヒートシ ールローラが充填材料のシゴキを行いながら例えば１３０℃前後の高温で熱圧着 シール（本シール）を行うため、このローラ熱を受けて溶融された包装フイルム の面に充填材料が付着してしまって、横ヒートシールローラがシゴキを加えても 包装フイルムの間に挟った充填材料を完全にシゴキ出すことができず、その結果 、この挟雑物によって横シール（本シール）が妨げられて、シール不良の問題が 発生していた。

【０００５】 従って本考案の技術的課題は、横シールの内部に挟雑物が入り込まないように 充填材料を確実にシゴキ出して、横ヒートシールローラによる横シールを確実に 圧着シールできるように工夫した自動包装機の横シール装置を提供することであ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の技術的課題を解決するために本考案で講じた手段は以下の如くである。

【０００７】 包装フイルムを対向して回転する一対の縦ヒートシールローラによって筒状に 縦シールし、次いで、同じく対向して回転する一対の横ヒートシールローラで上 記筒状の包装フイルムを袋状に横シールしながら、各種の充填材料をこの袋の内 部に充填して密封シールするように構成した自動包装機であって、

【０００８】 （１） 少くとも３組以上の横ヒートシールローラを包装フイルムの移動通路に 沿って上下に間隔をあけて設け、且つ、これ等各横ヒートシールローラを包装フ イルムの同じ箇所に対して順番に横シール圧を加えるように同期回転せしめると 共に、これ等の横ヒートシールローラのうち第１段目の横ヒートシールローラを 、シール温度を通常の加熱シール温度よりも低く設定した充填材料のシゴキ用横 ヒートシールローラと成し、第２段目の横ヒートシールローラを、シール温度を 通常の加熱シール温度に設定した本シール用横ヒートシールローラと成し、更に 最下段の横ヒートシールローラを、シール温度を通常の加熱シール温度よりも低 く設定した冷却用横ヒートシールローラと成しすこと。（請求項１）

【０００９】

【作用】

上記（１）で述べた請求項１に係る手段によれば、第１段目の横ヒートシール ローラは、充填材料のシゴキを主な目的とするものであって、シール温度が標準 温度（例えば１３０℃）よりも低く設定されていて、包装フイルムを加熱溶融す ることがないから、充填材料が包装フイルムの溶融面に接着して横シール部分に 挟雑物として残ってしまうことがなく、良好なシール面を作って第２段目の横ヒ ートシールローラによる本シールを確実に、且つ、きれいに仕上げることができ る。

【００１０】 加えて上記（１）で述べた手段によれば、上記第１段目の横ヒートシールロー ラによって、包装フイルムの横シール部分にシールを行うための予熱を加えた状 態になるため、第２段目の横ヒートシールローラによる本シールの時にシール温 度を急激に上げる必要がなく、本シールを速やかに、且つ、確実に済ませること ができるから、自動包装のスピードアップを図ることができると共に、本シール 後は第３段目の横ヒートシールローラが横シール部分に対して本シールよりも低 い温度（例えば９０℃以下）で冷却シールを行って熱硬化を早めるため、同じく 自動包装のスピードアップを図ることができ、更に、第２段目の横ヒートシール ローラによる本シールの状態を確実に維持して、シール漏れ、シール不良の問題 を無くすことができる。

【００１１】 以上の如くであるから、上記（１）で述べた手段によって上述した技術的課題 を解決して、前記従来の技術の問題点を解消することができる。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案に係る自動包装機用横シール装置の実施の形態を、添付した図 面と共に詳細に説明すると、図１は本考案の横シール装置を備えた自動包装機の 正面図、図２はその側面図であって、図中、１は自動包装機の機体、Ｆはロール 状に巻かれた包装フイルムで、この包装フイルムＦは、以下に述べる各ヒートシ ールローラの回転によって順次各ガイドローラ１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｄ ，１０Ｅにガイドされて順次機体１の前面側に引出され、次いで、機体１の前面 に設けたフオーミング部材１１によって、充填材料供給パイプ１２を包むように 略Ｕ字状にフオーミングＦＨされた後、各ヒートシールローラによってシール成 形される仕組に成っている。

【００１３】 尚、１０Ｔはガイドローラ１０Ｆを支持する支持柱、１２Ｓは充填材料用タン ク（図示省略）から輸送管１２Ｔを通して送られて来る充填材料の供給量を制御 する制御弁、１Ｘは各ヒートシールローラの回転と充填材料の供給量を制御する 制御盤である。

【００１４】 次に、２は略Ｕ字状にフオーミングＦＨされた包装フイルムＦに対して、図３ に示した縦シールＦＡを施す縦ヒートシールローラ、３は縦シールＦＡが施され た包装フイルムに対してシゴキと横シール用の予熱を加える第１段目のシゴキ用 横ヒートシールローラ、４は第１段目のシゴキ用横ヒートシールローラ３が予熱 を加えた横シール相当部分を本シールして、図３に示した横シールＦＢを形成す る第２段目の本シール用横ヒートシールローラを示す。

【００１５】 また、５は第２段目の横ヒートシールローラ４が本シールした横シールＦＢの 部分を冷却して、熱硬化を早める第３段目の冷却用横ヒートシールローラであっ て、これ等の各ヒートシールローラ２，３，４，５は、図示したように機体１の 前面部に上下に間隔をあけて連動回転自在に取付けられていて、図３に示すよう に一側を縦シールＦＡし、上下を横シールＦＢ，ＦＢすると共に、内部に充填材 料を密封シールしたシール袋ＦＨ′を連続成形できるように構成されている。

【００１６】 また、上述した各ヒートシールローラのうち、縦ヒートシールローラ２と第２ 段目の本シール用横ヒートシールローラ４は、包装フイルムＦを加熱溶着して縦 シールＦＡと横シールＦＢをシール形成できるように、そのシール温度を１２０ ℃から１４０℃の間、好ましくは１３０℃に設定する一方、第１段目のシゴキ用 横ヒートシールローラ３と第３段目の冷却用横ヒートシールローラ５の各シール 温度を、少くとも９０℃以下、好ましくは９０℃〜７０℃の間に設定して、充填 材料のシゴキと横シール用予熱を加えると共に、横シールＦＢの部分を冷却する ように構成されている。

【００１７】 尚、２Ｓ，３Ｓ，４Ｓ，５Ｓは各ヒートシールローラ２，３，４，５の回転部 、６は上記の各ヒートシールローラ２〜５によってシール形成されたシール袋Ｆ Ｈ′の縦シールＦＡの縁に切開用のノッチＦＮ（図３参照）を形成するノッチ形 成装置、７は連続成形された各シール袋ＦＨ′の横シールＦＢの中間部を図３に 示すように上下に両断７Ｋして単体の包装製品ＦＳにするカッター装置、８は包 装製品ＦＳを製品取出しコンベヤ９の上に落すスベリ台を示す。

【００１８】 本考案に係る自動包装機用横シール装置は以上述べた如き構成であるから、縦 ヒートシールローラ２によって縦シールＦＡを施すことにより、全体を略筒状に シール形成された包装フイルムの内部に、供給パイプ１２を通して各種の充填材 料を充填して、その口を第２段目の本考案シール用横ヒートシールローラ４で横 シールＦＢすることによって、内部に充填材料を密封シールしたシール袋ＦＨ′ …を連続成形することができ、且つ、これ等連続形成されたシール袋ＦＨ′の各 横シールＦＢの中間部をカッター装置７で上下に両断することにより、図３に示 した包装製品ＦＳを連続的に成形することができる。

【００１９】 加えて本考案では、第２段目の本考案シール用横ヒートシールローラ４が本考 案シールを行う前に、比較的低いシール温度（７０℃〜９０℃）で略筒状に縦シ ールＦＡされた包装フイルムを表裏両側から挟圧してシゴクため、供給パイプ１ ２を通して送り込まれた充填材料が横シール部分の内側面に挟雑物として残るこ とがなく、第２段目の本シール用横ヒートシールローラ４による横シールＦＢを 確実に行うことができ、更にこの第１段目のシゴキ用横ヒートシールローラ３は 、本シールされる横シールＦＢの部分を本シールする前に低い温度で予熱するた め、上記本シールの温度を急激に上げる必要がなく、従って、第２段目の本シー ル用横ヒートシールローラ４による本シールを比較的短時間の内に確実に済ませ ることができる。

【００２０】 更に本考案では、第２段目の本シール用横ヒートシールローラ４が本シールし た横シールＦＢの部分を、第３段目の冷却用横ヒートシールローラ５が９０℃〜 ７０℃のシール温度、更にはそれ以下の冷却温度で冷却して、横シールＦＢの熱 硬化を早めることができるため、自動包装機の包装スピードを更にアップするこ とができる。

【００２１】

【考案の効果】

以上述べた次第で、本考案に係る自動包装機用横シール装置によれば、横シー ル部への挟雑物の介入を防止し、且つ、横シール部の熱硬化を早めることができ るため、シール漏れやシール不良の問題が発生せず、而かも、シール時間が短く て成形のスピードアップを図れる特徴を発揮できるものであって、図示した如き ロールタイプの自動包装機に実施して洵に好適なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る横シール装置を備えた自動包装機
の正面図である。

【図２】図１に示した自動包装機の側面図である。

【図３】本考案によって自動包装されたシール袋の一部
を示した正面図である。

【符号の説明】

１ 自動包装機の機体 ２ 縦ヒートシールローラ ３ 第１段目のシゴキ用横ヒートシールロー
ラ ４ 第２段目の本シール用横ヒートシールロ
ーラ ５ 第３段目の冷却用横ヒートシールローラ Ｆ 包装フイルム ＦＨ′ シール袋 ＦＳ 包装製品

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 包装フイルムを対向して回転する一対の
   縦ヒートシールローラによって筒状に縦シールし、次い
   で、同じく対向して回転する一対の横ヒートシールロー
   ラで上記筒状の包装フイルムを袋状に横シールしなが
   ら、各種の充填材料をこの袋の内部に充填して密封シー
   ルするように構成した自動包装機であって、 少くとも３組以上の横ヒートシールローラを包装フイル
   ムの移動通路に沿って上下に間隔をあけて設け、且つ、
   これ等各横ヒートシールローラを包装フイルムの同じ箇
   所に対して順番に横シール圧を加えるように同期回転せ
   しめると共に、これ等の横ヒートシールローラのうち第
   １段目の横ヒートシールローラを、シール温度を通常の
   加熱シール温度よりも低く設定した充填材料のシゴキ用
   横ヒートシールローラと成し、第２段目の横ヒートシー
   ルローラを、シール温度を通常の加熱シール温度に設定
   した本シール用横ヒートシールローラと成し、更に最下
   段の横ヒートシールローラを、シール温度を通常の加熱
   シール温度よりも低く設定した冷却用横ヒートシールロ
   ーラと成したことを特徴とする自動包装機用横シール装
   置。