JP3049130B2 - 車両の駆動力伝達装置 - Google Patents

車両の駆動力伝達装置

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JP3049130B2
JP3049130B2 JP3267628A JP26762891A JP3049130B2 JP 3049130 B2 JP3049130 B2 JP 3049130B2 JP 3267628 A JP3267628 A JP 3267628A JP 26762891 A JP26762891 A JP 26762891A JP 3049130 B2 JP3049130 B2 JP 3049130B2
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の車輪に駆動力
を伝達するための装置に関し、例えば4輪駆動車におけ
る駆動力伝達の切換えに利用できる。
【0002】
【従来の技術及びその課題】オフロード走行を主目的と
した4輪駆動車は、低速走行時において大きな駆動力を
得る必要があるため、副変速機を用いると共に4輪を機
械的に直結する駆動機構が採用されている。しかし、こ
のような4輪駆動車では、4輪駆動と2輪駆動の切換え
を、摺動するスプライン同士の噛み合い等を利用したド
ッグクラッチの断接により行なっているため、走行中に
駆動方法の切換えが行なえず、最適な走行状態を任意に
選択できない問題がある。
【0003】また、従来の駆動方法の切換えは、トラン
スファーにおいて前輪推進軸と後輪推進軸の連結を切離
すことで行なっているため、後輪のみによる2輪駆動状
態においても、後輪につれ回りする前輪からフロントデ
フ、前輪推進軸までの駆動経路全体が引続いて回転す
る。このため、駆動系のロスが大きく、燃費の悪化や騒
音が大きくなる不具合があった。
【0004】そこで、この発明は、車両の駆動経路に組
込むことにより、走行中に運転者が自由に駆動方法を切
換えることができ、しかも、後輪による2輪駆動状態で
は自動的に前輪のジョイントとそれ以外の駆動経路との
連結を切離すことができる駆動力の伝達装置を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、トランスファーの前輪推進軸と後輪推
進軸の分岐部、及び前輪に連結するジョイントとフロン
トデフとの間にそれぞれクラッチ装置を設け、トランス
ファー側のクラッチ装置は、前輪推進軸に連結する外輪
とエンジンに連結する入力軸との間に、入力軸との相対
回転によって係合子を外輪と入力軸に係合離脱させる保
持器を組込み、その保持器と後輪推進軸を回転方向すき
間を介して共回り可能に連結すると共に、後輪推進軸と
入力軸の間に、両者を回転方向すき間の中立位置で弾性
的に保持する保持部材と、両者に係合離脱して回り止め
するロック部材とを設けて構成し、ジョイント側のクラ
ッチ装置は、ジョイントに連結する外輪とフロントデフ
に連結する軸との間に、軸との相対回転によって係合子
を外輪と軸に係合させる保持器を設け、その保持器と軸
を回転方向すき間を介して共回り可能に連結すると共
に、保持器と軸の間に回転差を生じさせる差動手段を設
けて構成したのである。
【0006】また、この発明は、上記構造におけるトラ
ンスファー側のクラッチ装置の入力軸と外軸との間に、
両者の回転を接近させる同調装置を設ける構造を採用す
るものである。
【0007】
【作用】上記の構造においては、トランスファー側のク
ラッチ装置において入力軸が回転すると、後輪からの抵
抗によって減速される後輪推進軸により、保持部材が弾
性変形し、これにより入力軸と後輪推進軸に連結する保
持器とが相対回転し、係合子が移動して入力軸と外輪を
一体化する。このため、外輪を介して前輪が駆動され、
後輪推進軸により後輪が駆動され、4輪駆動になる。
【0008】一方、ロック部材により入力軸と後輪推進
軸を回り止めすると、係合子が移動せず、外輪と入力軸
が切離された状態で保持され、後輪だけの2輪駆動状態
になる。
【0009】この2輪駆動状態では、前輪推進軸に連結
する前輪側の車軸が停止状態におかれるため、ジョイン
ト側のクラッチ装置において、外輪が係合子に対してオ
ーバーランニングし、前輪とジョイントだけがそれ以外
の駆動経路と切離されて回転する。
【0010】上記の2輪駆動状態から、ロック部材によ
る入力軸と後輪推進軸との連結を外し、前輪推進軸を回
転させると、ジョイント側のクラッチ装置においては、
差動手段の作用により回転方向すき間の分だけ保持器と
軸が相対回転し、係合子が外輪と軸を一体化して、自動
的に4輪駆動状態に切換わる。
【0011】なお、この切換えの際、同調装置により入
力軸と外輪の回転を同調させると、回転差のある両者を
スムーズに結合でき、衝撃のない駆動切換えを行なうこ
とができる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は、実施例の駆動力伝達装置を、車両
の駆動系に装着した例を示している。この図において、
AはエンジンBに連結するトランスファー、Cは前輪推
進軸、Dは後輪推進軸、Eはフロントデフ、Fはリヤデ
フ、Gは前輪車軸であり、トランスファーAにおける前
輪推進軸Cと後輪推進軸Dの分岐部に、第1クラッチ装
置Hが組込まれ、前輪KとフロントデフEの間に、等速
ジョイントJと一体となった第2クラッチ装置Iが組込
まれている。なお、図におけるLは後輪、Mは運転席等
に設けた副変速機と2輪駆動及び4輪駆動の切換えを共
用するレバーである。
【0013】図2は、図1の前輪KからフロントデフE
までの駆動経路を拡大して示したものである。フロント
デフEは、従来の機械式デフと同様に、デフケースに共
回り可能に連結したピニオンギヤを、一対のサイドギヤ
に噛み合せて形成されており、それから左右に延びたス
プライン軸Nに、等速ジョイントJと第2クラッチ装置
Iが連結され、その等速ジョイントJに接続する車軸G
に、ゼッパ型の等速ジョイントPを介して前輪Kが連結
されている。
【0014】図3乃至図6は、トランスファー側に設け
た第1クラッチ装置Hを示す。図3において、2は、エ
ンジンBに連結する入力軸であり、この入力軸2の回り
に、一対の軸受3、3を介して外輪1が回転自在に支持
されている。この外輪1は、外径面にスプロケットリン
グ4が固定され、図1に示すごとくスプロケットリング
4に係合するサイレントチェーン5を介して前輪推進軸
Cに連結している。
【0015】上記入力軸2の先端面には、その軸芯に沿
って軸挿入孔6が形成され、その軸挿入孔6に、後輪推
進軸Dの端部が挿入されて回転自在に支持されている。
この後輪推進軸の先端面は、図4に示すように角軸7に
形成され、一方、軸挿入孔6の閉塞端には、その角軸7
が遊嵌する角孔8が形成されており、この角孔8と角軸
7の間に回転方向遊びXが設けられている。
【0016】また、入力軸2と後輪推進軸Dには、軸芯
に沿って両者を貫通する挿通孔9が設けられ、その挿通
孔9に保持部材としてのトーションバー10が挿入され
ている。このトーションバー10の一端部は、後輪推進
軸Dに連結され、他端部は、入力軸2に連結されてお
り、トーションバー10は、そのばね力によって後輪推
進軸Dの角軸7を回転方向すき間Xの中立位置に弾性的
に保持している。
【0017】一方、入力軸2の先端部には、図3及び図
5に示すように、周方向に複数の係合溝11が形成さ
れ、その係合溝11に向き合う後輪推進軸Dの外径面
に、軸方向に延びる複数の係合溝12が形成され、この
係合溝12に、ロック部材13がスライド可能に取付け
られている。このロック部材13は、両係合溝11、1
2の間に嵌合する嵌合部13aと、切換えレバーMに接
続する作動部13bとから成っており、図3に実線で示
すように、ロック部材13が両係合溝11、12の間に
嵌合することにより、入力軸2と後輪推進軸Dを回り止
めする。
【0018】また、上記外輪1の内径面は、円筒面14
に形成され、それに対向する入力軸2の外径面は、その
円筒面14と同心の円筒面15となり、この両円筒面1
4、15の間に、回動可能な大径の制御保持器16と、
入力軸2に固定される小径の固定保持器17が組込まれ
ている。
【0019】上記制御保持器16と固定保持器17に
は、周方向に複数のポケット18、19が対向して形成
され、その各ポケット18、19に、係合子としてのス
プラグ20と弾性部材21とが組込まれている。このス
プラグ20は、図6に示すように、外径側と内径側がス
プラグの中央線上に曲率中心をもつ弧状面22で形成さ
れ、左右の両方向に所定角度傾くと、弧状面22が円筒
面14、15に係合して入力軸2と外輪1を一体化す
る。また、弾性部材21は、制御保持器16に取付けら
れ、各スプラグ20を両側から押圧して両円筒面14、
15と係合しない中立の位置に保持している。
【0020】また、上記制御保持器16は、後輪推進軸
Dから半径方向に延びるピン23に一体に連結されてお
り、入力軸2の周壁にはそのピン23が挿通するピン挿
入孔24が形成されている。このピン挿入孔24とピン
23との間には、回転方向すき間が設けられ、ピン23
は、上記トーションバー10のばね力によってその回転
方向すき間の中立位置に保持されている。
【0021】一方、図7乃至図9は、前輪側に設けた第
2クラッチ装置Iを示している。この第2クラッチ装置
Iは、図7に示すように、ダブルオフセット型の等速ジ
ョイントJと外輪を同一の外筒部材31で共用し、ジョ
イントと一体に結合した状態で形成されている。
【0022】すなわち、等速ジョイントJは、外筒部材
31の一方の端部を外輪32としており、その外輪32
の円筒状の内部孔に、車軸Gの端部と連結した内輪33
とケージ34とが嵌まり込んでいる。この外輪32の内
径面及び内輪33の外径面には、軸方向にストレートに
延びるボールトラック溝35、36が形成され、このボ
ールトラック溝35、36にケージ34で保持されたボ
ール37が嵌合している。
【0023】また、ケージ34の外径球面と内径球面の
中心とは、ジョイントの角度中心に対して左右に等距離
だけオフセットされ、ジョイントの角度中心が、ケージ
34のボールポケットの中心線と外輪軸あるいは内輪軸
との交点にあるように設定されている。
【0024】上記の等速ジョイントJでは、ケージ34
がジョイントのあらゆる回転角においてボール37を内
外輪軸の2等分面上に確保し、外輪32に加えられた回
転は等速で車軸Gに伝え、また、ジョイント内部におけ
る内・外輪の軸方向変位を可能にする。
【0025】一方、第2クラッチ装置Iは、外筒部材3
1の他方の端部を外輪38としており、その外輪38の
内部孔に、軸受39、40を介して入力軸41が回転自
在に挿入されている。
【0026】この入力軸41の端部には、フロントデフ
Eから延びるスプライン軸Nが嵌め込まれ、フロントデ
フEの正逆方向の回転が遅れなく入力軸41に伝えられ
る。
【0027】また、入力軸41の外径面と、それに対向
する外輪38の内径面には、それぞれ円筒形の係合面4
2、43が形成され、その両係合面42、43の間に、
回動可能な制御保持器44と、入力軸41にピン止めさ
れる固定保持器45とが設けられている。
【0028】この制御保持器44と固定保持器45に
は、図8に示すように、対向して周方向に複数のポケッ
ト46、47が形成され、その各ポケット46、47
に、左右の両方向に所定角度傾くと両係合面42、43
に係合して入力軸41と外輪38を一体化するスプラグ
48と、その各スプラグを両係合面15、16と係合し
ない中立位置に保持する弾性部材49とが組込まれてい
る。
【0029】一方、入力軸41の内側には、軸受を介し
て作動軸50が回転自在に支持され、その作動軸50の
中央部に連結したピン51が、入力軸41に設けたピン
孔52を挿通して制御保持器44に連結している。
【0030】また、上記作動軸50の後端部に連結した
ピン53が、入力軸41のピン孔54を挿通し、差動手
段55に連結している。この差動手段55は、転がり軸
受56と、その軸受56を車体の固定部材に支持する支
持腕57とから成り、転がり軸受56は、半径方向すき
間がゼロ以下となるように所定圧以上の予圧をかけて支
持腕57に嵌込まれ、転がり時に入力軸を支持する軸受
39、40よりも大きな回転抵抗をもつように設定され
ている。
【0031】上記の構造では、転がり軸受56の回転抵
抗により、作動軸50と制御保持器44には回転を押し
止めるような力が加えられ、制御保持器44は、入力軸
41の回転に対して減速されると共に、衝撃力や慣性力
によって容易に回転しないように保持される。
【0032】また、作動軸50の中央部のピン51は、
図9に示すように制御保持器44に対しては一体で固定
されるが、入力軸41のピン孔52には回転方向すき間
Yをもって遊嵌され、また、作動軸後端部のピン53と
入力軸のピン孔54との間には、上記の回転方向すき間
Yよりも大きな円周方向のすき間が設けられている。
【0033】上記回転方向すき間Yは、制御保持器44
の入力軸41に対する遅れ角を決定し、その大きさは、
スプラグ48が係合面42、43間の中立位置から弾性
部材49を介して両係合面に接触するまでの距離よりも
大きく設定されている。
【0034】この実施例の駆動力伝達装置は上記のよう
な構造であり、次にその作用を各種の走行状態に分けて
説明する。
【0035】(a)図3に一点鎖線で示すように、第1
クラッチ装置Hにおいて、ロック部材13を入力軸2か
ら切離した状態で、エンジンBから入力軸2に回転が加
えられると、後輪推進軸Dには路面に接地した後輪から
回転抵抗が加わっているため、トーションバー10が変
形して入力軸2と後輪推進軸Dが相対回転し、制御保持
器16と固定保持器17が相対移動する。
【0036】このため、スプラグ20が両円筒面14、
15に係合し、入力軸2の回転は外輪1を介して前輪推
進軸Cに伝達される。そして、変形するトーションバー
10の弾力が、後輪から後輪推進軸Dに加わる回転抵抗
を上回った時点で、後輪推進軸Dが入力軸2と共回りし
て後輪が駆動される。
【0037】また、前輪推進軸Cにより車軸Gが回転す
ると、前輪側の第2クラッチ装置Iにおいては、差動軸
受55の作用により減速される制御保持器44が、回転
方向すき間Yの分だけ入力軸41より回転が遅れ、固定
保持器45に対して相対回転する。この両保持器44、
45の相対回転によりスプラグ48が入力軸の回転方向
に対して反対方向に傾き、両係合面42、43に接触し
て係合作動状態になる。
【0038】上記の状態から、フロントデフEの作動に
より入力軸41がひきつづき回転し、外輪38との間に
回転差が生じると、スプラグ48が即座に係合面42、
43に係合し、外輪38と入力軸41を一体化する。こ
のため、車軸Gの駆動力がホイールハブ34を介して前
輪に伝わり、4輪駆動状態になる。
【0039】(b)4輪駆動走行状態では、タイトコー
ナーの旋回等により後輪より前輪が速く回転すると、第
2クラッチ装置Iにおいて、外輪38の回転が入力軸4
1の回転を上回る。この状態では、外輪38がスプラグ
48に対してオーバーランニングし、スプラグ48は係
合面42、43に係合しないため、入力軸41と外輪3
8は切離された状態で回転し、後輪のみによる2輪駆動
状態となってタイトコーナーでのブレーキング現象が生
じない。
【0040】(c)この後輪による2輪駆動の状態で、
後輪のスリップや、後輪の一方が脱輪すると、第1クラ
ッチ装置Hにおいて、車速の低下に伴なって減速する外
輪1の回転に、エンジンBと連結する入力軸2の回転が
追いつくため、スプラグ20が円筒面14、15に係合
して前輪に駆動力が伝わり、4輪駆動に移行する。
【0041】また、4輪駆動の状態で、前輪の一方が脱
輪すると、フロントデフEの差動機能により前輪には有
効な駆動力が伝わらないが、第1クラッチ装置Hを介し
て後輪による2輪駆動状態が維持されるため、車両の走
行状態が保持される。
【0042】(d)一方、第1クラッチ装置Hにおい
て、切換えレバーMによりロック部材13を移動させ、
図3に実線で示すように、ロック部材13を入力軸2と
後輪推進軸Dの両係合溝11、12に嵌合させると、入
力軸2と後輪推進軸Dが一体で回転するため、スプラグ
20の係合が生じない。このため、駆動力は後輪だけに
伝達され、2輪駆動状態が維持される。
【0043】この2輪駆動状態では、トランスファーA
において外輪1と前輪推進軸Cが回転せず、フロントデ
フEが停止状態におかれるため、第2クラッチ装置Iに
おいて、外輪38がスプラグ48に対してオーバーラン
ニングし、等速ジョイントJとフロントデフEが切離さ
れる。このため、前輪Kは後輪Lにつれ回りして回転
し、第2クラッチ装置IからフロントデフE、前輪推進
軸Cに至るまでの前輪の駆動経路が停止状態となる。
【0044】(e)上記の2輪駆動状態から、再び第1
クラッチ装置Hにおけるロック部材13の係合を外し、
入力軸2と後輪推進軸Dの固定状態を解除すると、トー
ションバー10による捩り戻し機能が働き、スプラグ2
0が入力軸2と外輪1を係合させ、前輪推進軸Cを回転
させる。
【0045】この場合、フロントデフEが回転すると、
第2クラッチ装置Iにおいては、差動軸受55の作用に
より、保持器44と入力軸41が相対回転し、スプラグ
48が係合するため、自動的に4輪駆動に切換わる。
【0046】なお、上記の切換えの際、前輪Kは後輪L
とのつれ回りにより回転しているため、第2クラッチ装
置Iにおいて回転状態にある入力軸41が外輪38に係
合してもトルク負荷がなく、走行中でも円滑な切換えを
行なうことができる。
【0047】また、上記の切換え時、第1クラッチ装置
Hにおいては、停止状態にある外輪1に回転するスプラ
グ20が係合するが、スプラグ20はスプライン等のよ
うに決まった係合位置がなく、自由な位置で係合できる
ため、スムーズな結合が行なえる。
【0048】上記の説明では、車両の一方向の作用につ
いて説明したが、トランスミッションから第1クラッチ
装置Hに加わる回転方向が逆になると、第1、第2クラ
ッチ装置におけるスプラグ20、48の傾きが逆になっ
て係合するため、前進と後退の両方向において駆動の切
換えを全く同様に行なうことができる。
【0049】また、ロック部材13に対する作動は、切
換えレバーMの操作により行なうようにしたが、他の機
械的機構や電気的な機構によりロック部材を作動させる
ようにしてもよい。
【0050】図10は、上記の第1クラッチ装置Hにお
いて、外輪1と入力軸2の間に、両者の回転速度を接近
させる同調装置61を設けた例を示したものである。
【0051】この同調装置61は、入力軸2外径面の係
合溝62に移動可能に設けた作動部材63と、その作動
部材63の押圧面64に設けた摩擦材65とから成り、
その摩擦材65を外輪1のフランジ端面66に当接させ
ることで、滑り摩擦によって入力軸2と外輪1の回転を
同調させる。このような回転の同調を、ロック部材13
による入力軸2と後輪推進軸Dとの結合を解く前に行な
うことにより、停止状態にある外輪1に高速回転中の入
力軸2を、衝撃なくスムーズに結合させることができ
る。
【0052】図11及び図12は、第1クラッチ装置の
他の例を示している。このクラッチ装置H’では、入力
軸72の外径面に、外輪71の円筒面73との間で楔形
空間を形成する複数のカム面74を形成し、入力軸72
と外輪71の間に設けた保持器75のポケット76に、
上記円筒面73とカム面74に係合するローラ77と、
そのローラ77を中立位置に保持する弾性部材78を組
込んでいる。
【0053】また、入力軸72と後輪推進軸Dを連結す
るトーションバーを無くし、その代りに、後輪推進軸と
保持器75を連結するピン80と、入力軸72に設けた
ピン挿入孔81との間に、保持部材として弾性リング7
9を組込んでおり、その弾性リング79の弾性力によっ
て、後輪推進軸Dの角軸82を角孔83に対して回転方
向遊びXの中立位置に保持している。
【0054】他の部品については、前述の実施例と同様
であるので、同一部品には同じ符号を付して説明を省略
する。
【0055】上記の構造では、入力軸72が回転する
と、弾性リング79が変形して入力軸72と後輪推進軸
Dが相対回転し、保持器75がローラ77を移動させ
る。入力軸72と後輪推進軸Dの間に回転差がなくなる
と、弾性リング79の弾力により後輪推進軸Dが中立位
置に戻され、ローラ77の係合を外す。
【0056】なお、上述した各実施例において、クラッ
チの係合子は、一方向の回転方向によって係合するスプ
ラグを左右一対で係合面の間に組込んで用いるようにし
てもよい。
【0057】また、保持器と車軸の間に回転差をつける
差動手段は、上述した転がり軸受を利用したものに限ら
ず、歯車を利用した差速機構や、摩擦部材とのすべり接
触によって減速させるブレーキ機構などを利用すること
もできる。
【0058】さらに、第2クラッチ装置Iと等速ジョイ
ントJは、一体で形成せずに、外輪同士を切離してそれ
ぞれ独立して配列するようにしてもよい。
【0059】
【効果】以上のように、この発明の駆動力伝達装置は、
トランスファーの分岐部と前輪のジョイントに、それぞ
れ入出力間の速度差によって係合を切換えるクラッチ装
置を設けたので、4輪と2輪の駆動の切換えを自動的に
行うことができ、加えて、後輪による2輪駆動時には前
輪側の駆動経路を停止させ、4輪駆動時には自動的に前
輪を駆動経路に結合させることができるので、燃費性能
や騒音性に優れたフルオートの4輪駆動走行を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の車両の駆動経路への装着例を示す図
【図2】同上の前輪の駆動経路を拡大して示す図
【図3】実施例の第1クラッチ装置を示す縦断正面図
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面図
【図5】図3のV−V線に沿った断面図
【図6】同上のスプラグの作動状態を示す断面図
【図7】実施例の第2クラッチ装置を示す縦断正面図
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った断面図
【図9】図7のIX−IX線に沿った断面図
【図10】他の実施例を示す縦断正面図
【図11】第1クラッチ装置の他の例を示す縦断正面図
【図12】図11のXII −XII 線に沿った断面図
【符号の説明】
A トランスファー C 前輪推進軸 D 後輪推進軸 E フロントデフ G、G’ 車軸 H 第1クラッチ装置 I 第2クラッチ装置 J 等速ジョイント 1、38、71 外輪 2、41、72 入力軸 10 トーションバー 16 制御保持器 17 固定保持器 20 スプラグ 44 制御保持器 45 固定保持器 48 スプラグ 55 差動軸受 61 同調装置 75 保持器 77 ローラ 79 弾性リング
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−328026(JP,A) 特開 平1−117426(JP,A) 特開 平2−271116(JP,A) 実開 昭60−96127(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/28 - 17/36 B60K 23/00 - 23/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスファーの前輪推進軸と後輪推進
    軸の分岐部、及び前輪に連結するジョイントとフロント
    デフとの間にそれぞれクラッチ装置を設け、トランスフ
    ァー側のクラッチ装置は、前輪推進軸に連結する外輪と
    エンジンに連結する入力軸との間に、入力軸との相対回
    転によって係合子を外輪と入力軸に係合離脱させる保持
    器を組込み、その保持器と後輪推進軸を回転方向すき間
    を介して共回り可能に連結すると共に、後輪推進軸と入
    力軸の間に、両者を回転方向すき間の中立位置で弾性的
    に保持する保持部材と、両者に係合離脱して回り止めす
    るロック部材とを設けて構成し、ジョイント側のクラッ
    チ装置は、ジョイントに連結する外輪とフロントデフに
    連結する軸との間に、軸との相対回転によって係合子を
    外輪と軸に係合させる保持器を設け、その保持器と軸を
    回転方向すき間を介して共回り可能に連結すると共に、
    保持器と軸の間に回転差を生じさせる差動手段を設けて
    構成した車両の駆動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 トランスファー側のクラッチ装置の入力
    軸と外軸との間に、両者の回転を接近させる回転同調装
    置を設けた請求項1に記載の車両の駆動力伝達装置。
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