JP3046662B2 - 深絞り性に優れた熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

深絞り性に優れた熱延鋼板の製造方法

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JP3046662B2 JP3235183A JP23518391A JP3046662B2 JP 3046662 B2 JP3046662 B2 JP 3046662B2 JP 3235183 A JP3235183 A JP 3235183A JP 23518391 A JP23518391 A JP 23518391A JP 3046662 B2 JP3046662 B2 JP 3046662B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄鋼板の深絞り性を評
価する指標の平均ランクフォード値(以下平均r値と稱
す)が1.2以上を示す深絞り用特性に優れた熱延鋼板
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、熱延鋼板の深絞り性は平均r値で
1.0以下である。このために熱延鋼板は絞り性を有す
る材料としては用いられなかった。しかし、近年では、
省工程による製品のコストダウンや、熱延材料の高級
化、さらに冷延後の材質特性を高める冷延用素材を狙っ
て様々な平均r値の高い熱延鋼板の製造方法が提案され
ている。このうち、特開昭61−3844は、γ域で大
圧下圧延を行った後、温間で潤滑圧延を行う方法であ
り、平均r値は高いものの潤滑設備、焼鈍設備が必要で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、現状の熱延
工程の機能を十分活用することにより、設備の増強、改
造を行う事なく、冷延鋼板並の深絞り性を有する熱延鋼
板を製造する方法を提供することを課題とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、重量%で、C≦0.01%、Mn≦0.4
%、N≦0.01%でかつC及びNの添加量がTi、N
bのどちらか一方または両方の添加量と(C/12+N
/14)≦1.2(Ti/48+Nb/93)≦0.1
の関係にある鋼から得たスラブをAr3変態点以下の温
度にならない間に1000℃〜1100℃で30分以上
の保温保定を行って後、圧延終了温度が920℃以上
で、1000℃〜920℃の範囲の合計圧下率が50%
以上の1次圧延を行い、続いて650℃〜830℃で各
パス圧下率が40%以上の昇温2次圧延を開始し、加工
発熱によって2次圧延開始温度より昇温させ、750℃
〜Ar3変態点未満で圧延を終了し、巻取って再結晶さ
せることを特徴とする深絞り性に優れた熱延鋼板の製造
方法を第1の手段とし、
【0005】2次圧延の最終圧延速度が1000m/分
以上であることを特徴とする第1手段に記載する深絞り
性に優れた熱延鋼板の製造方法を第2の手段とし、
【0006】重量%で、C≦0.01%、Mn≦0.4
%、N≦0.01%でかつC及びNの添加量がTi、N
bのどちらか一方または両方の添加量と(C/12+N
/14)≦1.2(Ti/48+Nb/93)≦0.1
の関係にある鋼から得たスラブを一旦Ar3変態点以下
の温度とした後、1000〜1100℃に再加熱後、圧
延終了温度が920℃以上で、1000℃〜920℃の
範囲の合計圧下率が50%以上の1次圧延を行い、続い
て650℃〜830℃で各パス圧下率が40%以上の昇
温2次圧延を開始し、加工発熱によって2次圧延開始温
度より昇温させ、750℃〜Ar3変態点未満で圧延を
終了し、巻取って再結晶させることを特徴とする深絞り
性に優れた熱延鋼板の製造方法を第3の手段とし、
【0007】2次圧延の最終圧延速度が1000m/分
以上であることを特徴とする第3手段に記載する深絞り
性に優れた熱延鋼板の製造方法を第4の手段とするもの
である。
【0008】
【作用】以下に上記手段の作用について詳細に説明す
る。冷延鋼板の平均r値が高いのは、冷延によって与え
られる歪を駆動力として、冷延後の焼鈍時にフェライト
の再結晶を起こすためである。この時、フェライトの再
結晶の面強度が{111}面強度が高いほど平均r値が
向上することが知られており、更にこの{111}面
は、固溶Cや固溶Nがない高純度鋼の結晶粒界から発生
するといわれている。通常の熱延鋼板は、Ar3 変態点
以上で圧延を終えるために、そのフェライトはγ粒から
の変態によってできたものであり、再結晶したフェライ
トでないために{111}集合組織の発達はみられな
い。しかし、鋼種や、熱延温度、圧下率などを制御する
ことによって冷延鋼板で得られている条件、すなわちフ
ェライトを再結晶させて{111}を向上させ、平均r
値を高めることが可能になる。
【0009】本発明に於てC、N量を規制し、更にT
i、Nbを添加するのは、Ti(C,N),Nb(C,
N)等の炭窒化物を析出させ、固溶C,Nのない素地を
提供するためである。Ti,Nb量が増えるほど、この
効果は大きくなるが、多すぎると合金添加によるコスト
アップと加工性の劣化を招く。本発明者等は、(C/1
2+N/14)≦1.2(Ti/48+Nb/93)が
固溶C,NをなくすためのTi,Nbの下限であり、
1.2(Ti/48+Nb/93)≦0.1が合金添加
の上限であり、加工性を保つには0.4%がMn量の上
限値であることを知見した。
【0010】この材料の炭窒化物をさらに有効に析出さ
せるには、Ar3 変態点以下に下げない時は1000〜
1100℃で少なくとも30分以上保温保定し、一旦A
3 変態点以下に下げる時はそこから1000〜110
0℃に再加熱すること、またこの保温保定または再加熱
に続く温度範囲で歪を加えることは、析出を誘起助長す
るので有効なことを知見した。
【0011】次に、この材料を920℃〜1000℃の
温度範囲で圧下率50%以上の圧延を行うのは、2次圧
延前のフェライト粒を細粒化させるために、γ粒を細粒
化しておくためである。結晶粒を細粒化するためには、
できるだけ低温でできるだけ圧下率を高く取ることが有
効である。一般に、極低炭素鋼のγ/αの変態点は、9
00℃近傍にあり、確実に再結晶させ、且つ細粒化させ
るために920℃から1000℃の圧延温度範囲の圧下
率を規制した。この圧下率は、細粒化の効果を高めるた
めに50%以上とした。この圧下率は、高いほどよい
が、この温度範囲で連続的に圧下する限りは粒成長の程
度も小さいので多パスの圧延で50%以上の圧下率を確
保する方法も本発明に含まれる。
【0012】2次圧延の要点は、すべてフェライト域で
圧延して歪を蓄積し、再結晶をおこし易くすることと、
圧延後にフェライトの再結晶を起こさせる温度を確保す
ることである。この時、1次圧延およびその後の冷却に
よってγの細粒化を図ることが、フェライト変態粒の細
粒化に寄与し、このフェライト細粒化が再結晶を起こし
易くすることに有効である。
【0013】そこで本発明は、確実にフェライト域で歪
を蓄積するために650℃〜830℃を2次圧延開始温
度とし、同終了温度を再結晶し易いように圧延開始温度
以上で、かつ750〜Ar3 変態点未満とした。図1に
示すように、830℃以上で圧延を開始すると、歪の回
復が早いため、十分な結晶方位変化を起こしにくく、
{111}面は発達しにくく、さらに一部は逆変態を起
こし、一旦オーステナイト域に入る可能性があり、{1
11}面が発達しなくなる。本発明のように、低温で圧
延が開始されると、十分な歪の蓄積ができ、後半で温度
が上昇することによってフェライトの再結晶が起こり易
くなり、{111}面の強度が向上する。このような昇
温圧延を行うためには、1パス当り圧下率40%以上の
大圧下圧延を行い、加工発熱を利用する必要がある。1
パス当りの圧下率が40%未満になると温度上昇が起こ
らず、高い平均r値は得られなくなる。また、650℃
未満の2次圧延開始温度では、圧延負荷が大きくなるた
め、下限温度を650℃とした。この2次圧延速度を1
000m/分以上にすれば、加工発熱が更に高まり、更
に高い平均r値が期待できるようになる。
【0014】また、温間圧延では、表層に{110}面
の発達が起こり、平均r値の向上を阻害するため、それ
を緩和するには潤滑圧延が必要であるといわれている
が、本発明では表層の{110}の発達は小さく潤滑圧
延の必要はない。この詳細な因果関係は不明であるが、
大圧下の連続のために表層に歪の蓄積が大きく、動的再
結晶を起こしてランダムになったと考えられる。
【0015】本発明における圧延後の巻取り温度は、圧
延最終温度が高くなるので、特に規制しないが、終了温
度が750℃近傍では、再結晶に時間がかかる可能性が
あるので、無注水巻取りや近接コイラーを用いて高温で
巻き取ることは、平均r値の向上に効果的である。
【0016】以上の2次圧延の条件範囲を図2に示す。
図に明らかな通り、平均r値1.2以上の材質を得るに
は、フェライトの再結晶域で昇温圧延による歪蓄積が行
われことが必要である。
【0017】
【実施例】表1に供試鋼の成分を重量%で示す。実施例
と比較例における圧延条件と得られた平均r値と伸びを
表2に示す。
【表1】
【表2】 鋼種A〜Dは本発明範囲内の成分である。EはC、Mn
が上限で外れており、FはTi量が少ないために、固溶
C,Nが残ってしまう。A〜Dの材料を本発明範囲内の
条件で圧延すると、本発明例の圧延材No.1〜8に示
す通り1.2以上の高い平均r値が得られる。圧延材N
o.9〜16は比較例で、鋼種E、F材を用いたNo.
9、10は伸びの減少及び固溶C、N残存による平均r
値の低下を起こす。また、No.11〜16は第1次、
第2次の圧延条件が外れたものであるが、これらの条件
では、フェライトの細粒化、歪の蓄積、再結晶温度の確
保などが不十分になり、いずれも平均r値は1.2に到
達しなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明を実施すれば、平均r値1.2以
上の軟質熱延鋼板が製造でき、冷延鋼板の代替として使
用できるため、高加工性の鉄鋼材料を安価に提供できる
ばかりでなく、他の深絞り用熱延鋼板の製造方法に比
べ、潤滑設備、焼鈍設備の必要がなく、経済的メリット
は、非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製造方法の第1次、第2次各圧延条件の
全貌を示す。
【図2】第2次圧延開始温度と平均r値の関係を示す。
【図3】第2次圧延の開始温度及び終了温度と歪み蓄積
可能範囲及び第2次昇温圧延範囲の関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/48,8/04 C22C 38/00 - 38/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC≦0.01%、Mn≦0.4
    %、N≦0.01%でかつC及びNの添加量がTi、N
    bのどちらか一方または両方の添加量と(C/12+N
    /14)≦1.2(Ti/48+Nb/93)≦0.1
    の関係にある鋼から得たスラブをAr3変態点以下の温
    度にならない間に1000℃〜1100℃で30分以上
    の保温保定を行って後、圧延終了温度が920℃以上
    で、1000℃〜920℃の範囲の合計圧下率が50%
    以上の1次圧延を行い、続いて650℃〜830℃で各
    パス圧下率が40%以上の昇温2次圧延を開始し、加工
    発熱によって2次圧延開始温度より昇温させ、750℃
    〜Ar3変態点未満で圧延を終了し、巻取って再結晶さ
    せることを特徴とする深絞り性に優れた熱延鋼板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 2次圧延の最終圧延速度が1000m/
    分以上であることを特徴とする請求項1に記載する深絞
    り性に優れた熱延鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量%でC≦0.01%、Mn≦0.4
    %、N≦0.01%でかつC及びNの添加量がTi、N
    bのどちらか一方または両方の添加量と(C/12+N
    /14)≦1.2(Ti/48+Nb/93)≦0.1
    の関係にある鋼から得たスラブを一旦Ar3変態点以下
    の温度とした後、1000〜1100℃に再加熱後、圧
    延終了温度が920℃以上で、1000℃〜920℃の
    範囲の合計圧下率が50%以上の1次圧延を行い、続い
    て650℃〜830℃で各パス圧下率が40%以上の昇
    温2次圧延を開始し、加工発熱によって2次圧延開始温
    度より昇温させ、750℃〜Ar3変態点未満で圧延を
    終了し、巻取って再結晶させることを特徴とする深絞り
    性に優れた熱延鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 2次圧延の最終圧延速度が1000m/
    分以上であることを特徴とする請求項3に記載する深絞
    り性に優れた熱延鋼板の製造方法。
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