JPH02415B2 - - Google Patents
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- JPH02415B2 JPH02415B2 JP18877582A JP18877582A JPH02415B2 JP H02415 B2 JPH02415 B2 JP H02415B2 JP 18877582 A JP18877582 A JP 18877582A JP 18877582 A JP18877582 A JP 18877582A JP H02415 B2 JPH02415 B2 JP H02415B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
- C21D8/04—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips to produce plates or strips for deep-drawing
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- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
この発明は連続焼鈍による絞り性の良好な冷延
鋼板の製造方法に関するものである。 絞り性の良好な冷延鋼板は、従来低炭素アルミ
キルド鋼を素材とし、箱焼鈍法により主として製
造されて来た。しかし箱焼鈍法は、処理に日数を
要するばかりでなく、コイル状態で熱処理される
ためコイルの半径方向で加熱および冷却速度に差
異を生じその結果コイル全体にわたつて均質な材
質を得ることが困難であつた。 これに対して連続焼鈍法を用いると箱焼鈍法に
よる上掲の欠点を解消することが可能である。 しかし連続焼鈍では、急速加熱、急速冷却処理
を伴なうため結晶粒の成長性が悪く、また鋼中に
固溶しているCの析出が進まないため硬質で絞り
性、耐時効性が劣る。 連続焼鈍法のこれらの欠点を解消するため特公
昭50−1341号公報に開示されているように熱間圧
延時、高温で巻取ることにより絞り性に有利な方
位の粒成長を促進させ、かつ連続焼鈍中急速冷却
後に300℃〜500℃で数秒〜数分の過時効処理を行
なつて、未析出の固溶Cの析出を促進させ、耐時
効性の改善を行なう方法が提案されているが、熱
延時の高温巻取は酸洗性の低下を伴なうばかりで
なくこのような方法により製造された冷延鋼板の
絞り性は末だ箱焼鈍材の材質よりも劣つている。 一方連続焼鈍材の耐時効性を悪化させている主
原因が固溶Cに依存することからC含有量を
0.0050%以下に低減した極低炭素鋼の素材を用い
て耐時効性を向上させる方法も提案されている。 ところで一般に絞り用鋼板を製造するに際し、
高いランクフオード値(値=(r0+2r45+
r90)/4)を得るためには、熱延仕上げをAr3変
態点以上で終了することが必須とされている。 それというのは、箱焼鈍法、連続焼鈍法の何れ
を問わずAr3変態点以下、すなわちα(フエライ
ト)+γ(オーステナイト)の2相域又はα域で熱
延を終了したときには、絞り性に不利な(110)、
(100)方位が板面に平行に発達し、そのため焼鈍
時に絞り性に有利な(111)方位を板面に平行に
発達させるのを阻害するとされていたことによ
る。 ここで上記のように、C量を極端に低くするこ
とは、耐時効性の面では有利であるが、それによ
るAr3変態点の上昇を伴うので熱延仕上時、γ
(オーステナイト)域で仕上げ圧延を終了させる
ためには、スラブ加熱温度の上昇や熱延の圧下ス
ケジユールの変更などが余儀なくされ、省エネル
ギーの面から大きなマイナスとなる。 しかも上掲のように固溶C低減による耐時効性
の改善ならびに絞り性、延性の向上を目的とし
て、熱延コイルを高温で巻取ることや、C量を
0.01%以下の極低C域に低減すること、さらには
冷間圧延後の焼鈍条件などの適当な組合せに関し
て従来数多くの提案がなされたが、これらの方法
でr値の異方性(Δr=(r0−2r45+r90)/2)が
大きくなり、絞り性の良好な鋼を製造する方法と
してはいずれもなお不充分であつた。 発明者らは、研究を重ねた結果Al含有量を多
くした鋼では、熱延仕上げ温度がAr3変態点未満
であつても、絞り性がAr3変態点以上の熱延仕上
げで製造されている鋼板と同程度又はそれ以上の
材質となる鋼板が有利に製造できる方法を確立し
た。 すなわち、Alを多量に添加した極低炭素鋼を
素材とした場合には、ある特定範囲のスラブ加熱
温度と熱延条件の時、Ar3変態点よりも低い熱延
仕上げでも絞り性の良好な鋼板が得られることを
見出したのである。 この発明は、重量百分率にてC:0.0030%以
下、N:0.0050%以下、Mn:0.5%以下を、Sol.
Al:0.10〜0.20%とともに含み、残部が実質的に
鉄及び不可避的不純物からなる組成の鋼スラブを
1150℃以下の温度に加熱した後、仕上げ温度700
〜850℃、巻取り温度600℃以下の条件で熱間圧延
を行ない、次いで常法に従う冷間圧延をしたのち
連続焼鈍を行なうことにより上掲特定組成とその
鋼板素材における焼鈍時の粒成長性、さらに絞り
性に影響を及ぼす(111)集合組織を発達させる
のに有効な熱延条件の適合を図つたものである。 以下この発明の開発経緯をその実験結果に従つ
て、詳細に説明する。 実験() C:0.0024%、N:0.0039%、Mn:0.15%、
Sol.Al:0.12%を含有し、P:0.003%、S:
0.005%の小型鋼塊を用いスラブ加熱温度1000〜
1300℃以下にて熱延仕上げ温度を580〜960℃の範
囲で変化させ、巻取相当温度700℃以下で処理し
た後実験室で冷延、連続型の焼鈍をして、その材
質を調べた。連続型焼鈍というのは、連続焼鈍シ
ユミレーターで焼鈍し、そのヒートサイクルは30
℃/sで急速加熱後800℃で40秒保持ししかる後
30℃/sで急速冷却するものである。 絞り性の尺度として値、Δr値を用いた。第
1図、第2図および第3図にその結果を示す。 まずスラブ加熱温度1150℃以下において熱延仕
上温度がAr3変態点以下の850℃よりも低いとき
第1図、第3図の○、△印のように最も値が高
くかつΔr値は非常に小さくなり、特性が良く、
かつ異方性が小さい材料が得られた。 次に第3図によれば熱延仕上を、600℃〜850℃
の温度域で終了した場合、、Δr値とも良好と
なり、とくに熱延仕上温度が700〜850℃の場合に
材質が著しく良好となることが分る。 この理由については、明らかではないが、熱延
仕上げ時にAr3変態点よりも低い温度による熱間
仕上げにより導入された加工歪のみ一部とAlN
の析出とが何らかの作用をもち、材質が良好とな
つたと考えられる。熱延仕上げ温度が、600〜850
℃とくに700〜850℃の範囲であつても700℃程度
の高温で巻き取つた場合の材質は低温で巻取つた
場合よりむしろ悪くなり、高温巻取りによる材質
の改善は見られない。 かくして高温巻取材は、酸洗時の脱スケールコ
ストの上昇を伴なつたのに対し、この発明では
Ar3変態点以下の低温の熱延仕上げを行なうこと
により、低温で巻取つても高温巻取り材をはるか
に凌駕する材質を得ることができるので酸洗コス
トの低減の面でもとくに有利である。 この発明での熱延時の巻取温度としては酸洗時
のコストアツプを防ぐ目的でその上限を600℃と
する。 実験() C:0.0021%、N:0.0037%、Mn:0.16%を含
み、P:0.003%、S:0.005%である成分組成を
基準としてSol.Alを0.025〜0.24%の範囲で変化さ
せた鋼を実験室的に製作し、実験()の結果を
踏まえてスラブ加熱温度1100℃、熱延仕上げ温度
800℃、巻取り相当温度520℃の条件で熱延を終了
し、板厚を3.2mmとした。その後冷延を行い、板
厚を0.8mmとし連続焼鈍して値に及ぼすAlの影
響を調べた結果を第4図に示す。図によればSol.
Al0.10〜0.20%の範囲内で深絞り性に良好な材料
が得られている。 次にこの発明の方法において鋼の成分組成を限
定した理由を説明する。 Cの成分範囲は、0.0030%をこえると、粒成
長、深絞り性を低下させるとともに時効性も劣化
するので上限を0.0030%とする。 Nの上限を0.0050%としたのは、これをこえる
添加は焼鈍時の結晶粒の成長を著しく抑制し、絞
り性を低下させるからであり、絞り性の一層の向
上をはかるためには0.0050%以下の制限を要す
る。 Mnは熱間圧延時、赤熱脆性の原因となるSを
介在物にするため有効であるが0.5%をこえる存
在は硬度が上昇して深絞り性に悪影響を及ぼすた
め、この発明でその上限を0.5%とした。 Sol.Alの限定については鋼スラブの加熱温度が
低く、また熱延仕上げ温度および巻取り温度も低
い条件の下では、Al量が多くなるに従い、AlN
が粗大化する効果と固溶Alが増加する相乗効果
により焼鈍板の粒径は大きくなり材質は軟質とな
ることが判明した。 しかしSol.Al量が多くなりすぎると添加コスト
が増すのみならず材質が硬質化してくるので上限
を0.20%とする。一方0.10%未満になるとAlNが
微細に析出し、粒成長が悪くなるとともにこの発
明で所期したようなスラブ低温加熱と低温仕上げ
圧延による絞り性に有利な集合組織{111}が発
達しなくなる。よつてSol.Al範囲を0.10〜0.20%
とする。 また不可避的不純物として含有されるP、Sは
絞り性を悪化させる理由から極力減少させなけれ
ばならないが、特に規定するものではない。 以上述べたようにこの発明では上記組成の鋼ス
ラブを低温加熱、熱延低温仕上げおよび低温巻取
りにより熱延板としその後は常法に従い酸洗後冷
間圧延してから連続焼鈍を行い、冷延鋼板を得
る。 なお連続焼鈍条件としては、とくに規定する必
要はなく、鋼板の最高到達温度が再結晶温度以上
であれば、加熱速度、冷却速度また過時効の有無
などについては、とくに制限を要しない。 以下この発明の実施例を掲げ、比較例と対比し
て効果を験証する。 転炉出鋼後20分間RH脱ガスを施すことにより
成分の異なる14種の鋼を出鋼し、連続鋳造により
板厚200mmのスラブとした。 これらのスラブを加熱炉で1010゜〜1240℃に加
熱し、60分保持した後、熱間圧延で700℃〜930℃
の温度域にて仕上げ圧延を終了し520℃で巻取り、
3.2mmの熱延コイルとした。 表1に鋼成分、スラブ加熱温度、熱延仕上温度
を示す。
鋼板の製造方法に関するものである。 絞り性の良好な冷延鋼板は、従来低炭素アルミ
キルド鋼を素材とし、箱焼鈍法により主として製
造されて来た。しかし箱焼鈍法は、処理に日数を
要するばかりでなく、コイル状態で熱処理される
ためコイルの半径方向で加熱および冷却速度に差
異を生じその結果コイル全体にわたつて均質な材
質を得ることが困難であつた。 これに対して連続焼鈍法を用いると箱焼鈍法に
よる上掲の欠点を解消することが可能である。 しかし連続焼鈍では、急速加熱、急速冷却処理
を伴なうため結晶粒の成長性が悪く、また鋼中に
固溶しているCの析出が進まないため硬質で絞り
性、耐時効性が劣る。 連続焼鈍法のこれらの欠点を解消するため特公
昭50−1341号公報に開示されているように熱間圧
延時、高温で巻取ることにより絞り性に有利な方
位の粒成長を促進させ、かつ連続焼鈍中急速冷却
後に300℃〜500℃で数秒〜数分の過時効処理を行
なつて、未析出の固溶Cの析出を促進させ、耐時
効性の改善を行なう方法が提案されているが、熱
延時の高温巻取は酸洗性の低下を伴なうばかりで
なくこのような方法により製造された冷延鋼板の
絞り性は末だ箱焼鈍材の材質よりも劣つている。 一方連続焼鈍材の耐時効性を悪化させている主
原因が固溶Cに依存することからC含有量を
0.0050%以下に低減した極低炭素鋼の素材を用い
て耐時効性を向上させる方法も提案されている。 ところで一般に絞り用鋼板を製造するに際し、
高いランクフオード値(値=(r0+2r45+
r90)/4)を得るためには、熱延仕上げをAr3変
態点以上で終了することが必須とされている。 それというのは、箱焼鈍法、連続焼鈍法の何れ
を問わずAr3変態点以下、すなわちα(フエライ
ト)+γ(オーステナイト)の2相域又はα域で熱
延を終了したときには、絞り性に不利な(110)、
(100)方位が板面に平行に発達し、そのため焼鈍
時に絞り性に有利な(111)方位を板面に平行に
発達させるのを阻害するとされていたことによ
る。 ここで上記のように、C量を極端に低くするこ
とは、耐時効性の面では有利であるが、それによ
るAr3変態点の上昇を伴うので熱延仕上時、γ
(オーステナイト)域で仕上げ圧延を終了させる
ためには、スラブ加熱温度の上昇や熱延の圧下ス
ケジユールの変更などが余儀なくされ、省エネル
ギーの面から大きなマイナスとなる。 しかも上掲のように固溶C低減による耐時効性
の改善ならびに絞り性、延性の向上を目的とし
て、熱延コイルを高温で巻取ることや、C量を
0.01%以下の極低C域に低減すること、さらには
冷間圧延後の焼鈍条件などの適当な組合せに関し
て従来数多くの提案がなされたが、これらの方法
でr値の異方性(Δr=(r0−2r45+r90)/2)が
大きくなり、絞り性の良好な鋼を製造する方法と
してはいずれもなお不充分であつた。 発明者らは、研究を重ねた結果Al含有量を多
くした鋼では、熱延仕上げ温度がAr3変態点未満
であつても、絞り性がAr3変態点以上の熱延仕上
げで製造されている鋼板と同程度又はそれ以上の
材質となる鋼板が有利に製造できる方法を確立し
た。 すなわち、Alを多量に添加した極低炭素鋼を
素材とした場合には、ある特定範囲のスラブ加熱
温度と熱延条件の時、Ar3変態点よりも低い熱延
仕上げでも絞り性の良好な鋼板が得られることを
見出したのである。 この発明は、重量百分率にてC:0.0030%以
下、N:0.0050%以下、Mn:0.5%以下を、Sol.
Al:0.10〜0.20%とともに含み、残部が実質的に
鉄及び不可避的不純物からなる組成の鋼スラブを
1150℃以下の温度に加熱した後、仕上げ温度700
〜850℃、巻取り温度600℃以下の条件で熱間圧延
を行ない、次いで常法に従う冷間圧延をしたのち
連続焼鈍を行なうことにより上掲特定組成とその
鋼板素材における焼鈍時の粒成長性、さらに絞り
性に影響を及ぼす(111)集合組織を発達させる
のに有効な熱延条件の適合を図つたものである。 以下この発明の開発経緯をその実験結果に従つ
て、詳細に説明する。 実験() C:0.0024%、N:0.0039%、Mn:0.15%、
Sol.Al:0.12%を含有し、P:0.003%、S:
0.005%の小型鋼塊を用いスラブ加熱温度1000〜
1300℃以下にて熱延仕上げ温度を580〜960℃の範
囲で変化させ、巻取相当温度700℃以下で処理し
た後実験室で冷延、連続型の焼鈍をして、その材
質を調べた。連続型焼鈍というのは、連続焼鈍シ
ユミレーターで焼鈍し、そのヒートサイクルは30
℃/sで急速加熱後800℃で40秒保持ししかる後
30℃/sで急速冷却するものである。 絞り性の尺度として値、Δr値を用いた。第
1図、第2図および第3図にその結果を示す。 まずスラブ加熱温度1150℃以下において熱延仕
上温度がAr3変態点以下の850℃よりも低いとき
第1図、第3図の○、△印のように最も値が高
くかつΔr値は非常に小さくなり、特性が良く、
かつ異方性が小さい材料が得られた。 次に第3図によれば熱延仕上を、600℃〜850℃
の温度域で終了した場合、、Δr値とも良好と
なり、とくに熱延仕上温度が700〜850℃の場合に
材質が著しく良好となることが分る。 この理由については、明らかではないが、熱延
仕上げ時にAr3変態点よりも低い温度による熱間
仕上げにより導入された加工歪のみ一部とAlN
の析出とが何らかの作用をもち、材質が良好とな
つたと考えられる。熱延仕上げ温度が、600〜850
℃とくに700〜850℃の範囲であつても700℃程度
の高温で巻き取つた場合の材質は低温で巻取つた
場合よりむしろ悪くなり、高温巻取りによる材質
の改善は見られない。 かくして高温巻取材は、酸洗時の脱スケールコ
ストの上昇を伴なつたのに対し、この発明では
Ar3変態点以下の低温の熱延仕上げを行なうこと
により、低温で巻取つても高温巻取り材をはるか
に凌駕する材質を得ることができるので酸洗コス
トの低減の面でもとくに有利である。 この発明での熱延時の巻取温度としては酸洗時
のコストアツプを防ぐ目的でその上限を600℃と
する。 実験() C:0.0021%、N:0.0037%、Mn:0.16%を含
み、P:0.003%、S:0.005%である成分組成を
基準としてSol.Alを0.025〜0.24%の範囲で変化さ
せた鋼を実験室的に製作し、実験()の結果を
踏まえてスラブ加熱温度1100℃、熱延仕上げ温度
800℃、巻取り相当温度520℃の条件で熱延を終了
し、板厚を3.2mmとした。その後冷延を行い、板
厚を0.8mmとし連続焼鈍して値に及ぼすAlの影
響を調べた結果を第4図に示す。図によればSol.
Al0.10〜0.20%の範囲内で深絞り性に良好な材料
が得られている。 次にこの発明の方法において鋼の成分組成を限
定した理由を説明する。 Cの成分範囲は、0.0030%をこえると、粒成
長、深絞り性を低下させるとともに時効性も劣化
するので上限を0.0030%とする。 Nの上限を0.0050%としたのは、これをこえる
添加は焼鈍時の結晶粒の成長を著しく抑制し、絞
り性を低下させるからであり、絞り性の一層の向
上をはかるためには0.0050%以下の制限を要す
る。 Mnは熱間圧延時、赤熱脆性の原因となるSを
介在物にするため有効であるが0.5%をこえる存
在は硬度が上昇して深絞り性に悪影響を及ぼすた
め、この発明でその上限を0.5%とした。 Sol.Alの限定については鋼スラブの加熱温度が
低く、また熱延仕上げ温度および巻取り温度も低
い条件の下では、Al量が多くなるに従い、AlN
が粗大化する効果と固溶Alが増加する相乗効果
により焼鈍板の粒径は大きくなり材質は軟質とな
ることが判明した。 しかしSol.Al量が多くなりすぎると添加コスト
が増すのみならず材質が硬質化してくるので上限
を0.20%とする。一方0.10%未満になるとAlNが
微細に析出し、粒成長が悪くなるとともにこの発
明で所期したようなスラブ低温加熱と低温仕上げ
圧延による絞り性に有利な集合組織{111}が発
達しなくなる。よつてSol.Al範囲を0.10〜0.20%
とする。 また不可避的不純物として含有されるP、Sは
絞り性を悪化させる理由から極力減少させなけれ
ばならないが、特に規定するものではない。 以上述べたようにこの発明では上記組成の鋼ス
ラブを低温加熱、熱延低温仕上げおよび低温巻取
りにより熱延板としその後は常法に従い酸洗後冷
間圧延してから連続焼鈍を行い、冷延鋼板を得
る。 なお連続焼鈍条件としては、とくに規定する必
要はなく、鋼板の最高到達温度が再結晶温度以上
であれば、加熱速度、冷却速度また過時効の有無
などについては、とくに制限を要しない。 以下この発明の実施例を掲げ、比較例と対比し
て効果を験証する。 転炉出鋼後20分間RH脱ガスを施すことにより
成分の異なる14種の鋼を出鋼し、連続鋳造により
板厚200mmのスラブとした。 これらのスラブを加熱炉で1010゜〜1240℃に加
熱し、60分保持した後、熱間圧延で700℃〜930℃
の温度域にて仕上げ圧延を終了し520℃で巻取り、
3.2mmの熱延コイルとした。 表1に鋼成分、スラブ加熱温度、熱延仕上温度
を示す。
【表】
【表】
該コイルを酸洗後0.8mmに冷間圧延し、引続き
連続焼鈍を施した。連続焼鈍の条件としては加熱
速度が約15℃/秒、均熱は800℃で25秒保持、冷
却速度は約45℃/秒である。その後、約0.8%の
調質圧延を施した。 このようにして製造された鋼板の材質を表2に
示す。
連続焼鈍を施した。連続焼鈍の条件としては加熱
速度が約15℃/秒、均熱は800℃で25秒保持、冷
却速度は約45℃/秒である。その後、約0.8%の
調質圧延を施した。 このようにして製造された鋼板の材質を表2に
示す。
【表】
この表から明らかなようにこの発明により製造
された冷延鋼板は、その絞り性(、Δr値)が
いづれも優れている。 以上詳細に述べてきたとおりこの発明は、C、
NおよびAlの特定組成の鋼スラブを用い、とく
に熱延前の加熱を1150℃以下とし、仕上圧延温度
700〜850℃、巻取温度600℃以下とする熱間圧延
を行ない、続いて冷間圧延した後急速加熱、急速
冷却の連続焼鈍を行なうことから成る冷延鋼板の
製造方法であり、この方法により絞り性の優れた
冷延鋼板を製造することができるのである。
された冷延鋼板は、その絞り性(、Δr値)が
いづれも優れている。 以上詳細に述べてきたとおりこの発明は、C、
NおよびAlの特定組成の鋼スラブを用い、とく
に熱延前の加熱を1150℃以下とし、仕上圧延温度
700〜850℃、巻取温度600℃以下とする熱間圧延
を行ない、続いて冷間圧延した後急速加熱、急速
冷却の連続焼鈍を行なうことから成る冷延鋼板の
製造方法であり、この方法により絞り性の優れた
冷延鋼板を製造することができるのである。
第1図は、降伏応力と値に及ぼすスラブ加熱
温度の影響を示す図表、第2図は、降伏応力と全
伸びに及ぼす熱延仕上げ温度の影響を示す図表、
第3図は値とΔr値に及ぼす熱延仕上げ温度の
影響を示す図表、第4図は値に及ぼすSol.Al量
の影響を示す図表である。
温度の影響を示す図表、第2図は、降伏応力と全
伸びに及ぼす熱延仕上げ温度の影響を示す図表、
第3図は値とΔr値に及ぼす熱延仕上げ温度の
影響を示す図表、第4図は値に及ぼすSol.Al量
の影響を示す図表である。
Claims (1)
- 1 重量百分率にて、C:0.0030%以下、N:
0.0050%以下、Mn:0.5%以下を、Sol.Al:0.10
〜0.20%とともに含み、残部実質的に鉄及び不可
避的不純物からなる組成の鋼スラブを1150℃以下
の温度に加熱した後、仕上げ温度700〜850℃、巻
取り温度600℃以下の条件で熱間圧延を行ない、
次いで常法に従う冷間圧延をしたのち連続焼鈍を
行なうことを特徴とする連続焼鈍による絞り性の
良好な冷延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18877582A JPS5980727A (ja) | 1982-10-27 | 1982-10-27 | 連続焼鈍による絞り性の良好な冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18877582A JPS5980727A (ja) | 1982-10-27 | 1982-10-27 | 連続焼鈍による絞り性の良好な冷延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5980727A JPS5980727A (ja) | 1984-05-10 |
JPH02415B2 true JPH02415B2 (ja) | 1990-01-08 |
Family
ID=16229562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18877582A Granted JPS5980727A (ja) | 1982-10-27 | 1982-10-27 | 連続焼鈍による絞り性の良好な冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5980727A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61119615A (ja) * | 1984-11-16 | 1986-06-06 | Nippon Steel Corp | 金属表面溶融加工法 |
JPS61238919A (ja) * | 1985-04-15 | 1986-10-24 | Kawasaki Steel Corp | 面内異方性の小さい絞り用冷延鋼板の製造方法 |
JP4848311B2 (ja) * | 2007-05-16 | 2011-12-28 | 新日本製鐵株式会社 | 温度測定装置 |
-
1982
- 1982-10-27 JP JP18877582A patent/JPS5980727A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5980727A (ja) | 1984-05-10 |
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