JP3043367U - 高周波加熱シール用キャップ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャップ内天面にリング状の小突起を設
ける従来品に比べて構造が簡単であり、密封性が確保さ
れると共にキャップ内天面とシール部材との溶着をもた
らさず、従って密封後のキャップを開けるのに支障を来
さない新しいタイプの高周波加熱シール用キャップを提
供する。 【解決課題】 合成樹脂製容器口部のねじ山上方の開口
部に螺合するポリエチレン系の合成樹脂製キャップにお
いて、内天面に容器開口部の外周面に対応する位置をほ
ぼ中央とする環状溝を設けると共に該環状溝の内側間低
面は外側低面に対して天面側に０．０５〜１ｍｍ程度下
まわった段差で凹陥部を形成していることを特徴とする
高周波加熱シール用キャップ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は高周波加熱シール用キャップに関し、さらに詳しくは容器開口部の上 に、アルミニウム箔の下面に合成樹脂製フィルムをラミネートさせてなるシール 部材（以下、単に「シール部材」という）を載置し、容器開口部と螺合した状態 で高周波加熱によって密封させる際に使用されるキャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より合成樹脂製容器の開口部の上にシール部材を載置し、キャップを螺合 した状態で高周波加熱して容器開口部にシール部材の下面側の合成樹脂製フィル ムを溶着させて容器開口部を密封させる方式が取られている。この場合、キャッ プ内天面がシール部材の上面アルミニウム箔にじかに接触していると、この部分 も溶着して密封後のキャップを開けにくくするため、シール部材の上に紙やセロ ファン等の高融点合成樹脂製フィルムを配置したり、アルミニウム箔をじかに上 面に配して高周波加熱シールを施す場合にはキャップ内天面との接触面積を出来 るだけ小さくする工夫を凝らしたキャップが提案されている。例えば、特公昭５ ８−４４５５５号公報には、容器口部に設けられたフランジ部に対応する内天面 にリング状の小突起を設けるとともに、該小突起の内側および外側に環状溝を設 けたキャップが開示されている。これは内天面に設けたリング状小突起のフラン ジ部に対する押圧力を集中させ、かつ高周波発振時の余剰の発熱を小突起先端部 に伝導し、この溶融部を両環状溝内に変形収納することによりシール性を改善す るものである。しかし、フランジ部と一体構成となる拮れ部を設ける等構造が複 雑である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、キャップ内天面にリング状の小突起を設ける従来品に比べて構造が 簡単であり、密封性が確保されると共にキャップ内天面とシール部材の上面アル ミニウム箔との溶着をもたらさず、従って密封後のキャップの開栓の支障を来さ ない新しいタイプの高周波加熱シール用キャップを提供することを目的としてい る。

【０００４】

【課題を達成するための手段】

本考案は、合成樹脂製容器口部のねじ山上方の開口部に螺合するポリエチレン 系の合成樹脂製キャップにおいて、内天面に容器開口部の外周面に対応する位置 をほぼ中央とする環状溝を設けると共に該環状溝の内側間低面は外側低面に対し て天面側に０．０５〜１ｍｍ程度下まわった段差で凹陥部を形成していることを 特徴とする高周波加熱シール用キャップである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下、本考案のキャップおよびこれを用いた容器開口部の密封方法を図面に示 した実施例に基づき説明する。

【０００６】 図１は容器開口部（１）の上に図３に例示するシール部材、すなわち周辺の一 部に引手つまみ(２)を有するアルミニウム箔(３)の下面に合成樹脂製フィルム( ４)をラミネートさせたシール部材(５)を載置し、これに本発明のキャップ(６) を被せて容器開口部(１)と螺合したときの状態を示す断面図であり、図２は図１ に記したＡ部の拡大図である。容器開口部(１)の上に載置されたシール部材(５) は、キャップ(６)の内天面に設けた環状溝(７)を塞いでスペース（空気層）を形 成すると共に容器開口部(１)の外端部を張り出たシール部材(５)は環状溝(７)の 外側下端部と密着し、いくらか折り込まれている。

【０００７】 そして、この状態で高周波を発振させるとアルミニウム箔(３)が発熱し、これ に積層された合成樹脂製フィルムは容器開口部(１)に溶着して密封性が確保され る。

【０００８】 ところで、高周波シールにおいては、先ずアルミニウム箔(３)の最外端を発熱 させ、順次内部方向へ発熱させることから、本考案のキャップにあっては、その 内天面が、容器開口部(１)の上端外周面対応部において環状溝(７)を形成し、且 つ環状溝(７)の外側下端部がアルミニウム箔(３)を押圧しているため、この環状 溝(７)の外側下端部は熱伝導遮断効果を奏し、又、これが発熱により溶融しても 環状溝(７)に存在する空気層が冷却媒体として作用するのと相まって、高周波発 振によってキャップ内天面とアルミニウム箔(３)との間で実質的な溶着は起こら ず、密封後のキャップを開けるのに何ら支障を来さないという予想外の効果を奏 するのであり、特筆すべき事柄である。

【０００９】 本考案において、キャップを構成するポリエチレン系の合成樹脂は融点（軟化 点）が１２０℃以上の硬質のものが使用される。

【００１０】 容器開口部(１)に載置されたシール部材(５)は、高周波加熱処理によって下面 側の合成樹脂製フィルム(４)が容器開口部(１)に溶着して密封性を保持する。他 方、上面側のアルミニウム箔(３)は引手つまみ(２)を引き上げることによって容 易に剥がすことができる。

【００１１】 なお、合成樹脂製フィルム(４)にはその中央部に内容物(例えばマヨネーズ)を デコレーション的に吐出できるように星形の吐出孔を設けたものや星形状にミシ ン目を入れたものであってもよい。

【００１２】 さらにシール部材としては本考案図面に示した構成以外にも各種アルミニウム 箔を含むラミネート材を用いることができる。アルミニウム箔の上部に各種の断 熱材、非熱伝導材、例えば紙、セロファン紙、セラミック、高融点樹脂フィルム を用いることは何ら差し支えない。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、従来みられたようにキャップ内天面に リング状の小突起を設けずに、キャップ内天面に容器開口部の外周面に対応する 位置に環状溝を設けると共に該環状溝の内側間低面は段差のある凹陥部を形成し ているという簡単な構造で密封性が確保されると共にキャップ内天面とシール部 材との溶着をもたらさず、従って密封後のキャップを開けるのに支障を来さない 新しいタイプの高周波加熱シール用キャップを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係るキャップを容器開口部に螺合し
たときの状態を示す断面図。

【図２】 図１Ａ部の拡大図。

【図３】 シール部材の斜視図。

【符号の説明】

(１) 容器開口部 (２) 引手つまみ (３) アルミニウム箔 (４) 合成樹脂製フィルム (５) シール部材 (６) キャップ (７) 環状溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 熊田 武夫 神奈川県川崎市高津区下野毛二丁目12番１ 号 クノール食品株式会社内 (72)考案者 飯島 和美 神奈川県川崎市川崎区鈴木町１−１ 味の 素株式会社 生産技術研究所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂製容器口部のねじ山上方の開口
   部に螺合するポリエチレン系の合成樹脂製キャップにお
   いて、内天面に容器開口部の外周面に対応する位置をほ
   ぼ中央とする環状溝を設けると共に該環状溝の内側間低
   面は外側低面に対して天面側に０．０５〜１ｍｍ程度下
   まわった段差で凹陥部を形成していることを特徴とする
   高周波加熱シール用キャップ