JPH08288Y2 - 食品包装用易開封容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、食品包装用易開封容器、とりわけ鍔部先
端部に巻縁を有する易開封容器に関するものである。

従来の技術 従来、アルミニウム箔と合成樹脂フィルムとよりなる
２層以上の複合容器においては、合成樹脂フィルムより
なる最内層と、アルミニウム箔または合成樹脂フィルム
よりなる次の層との間がイージーピール（剥離容易）な
接着強度となされていて、鍔部の容器本体開口周縁部寄
り部分に剥離用切欠部が設けられるとともに、この切欠
部より外側の最内層部分と蓋の下面に設けられた熱封緘
材層とが加熱溶着せられて、容器が密封せられており、
開封のさいには蓋に設けられた摘み部を以て蓋を引き剥
がすと、容器鍔部の最内層と蓋の熱封緘材層とが接合さ
れたまゝで、接着強度の弱い最内層と次の層との間が剥
離し、イージーピールが可能で、きわめて容易に開封す
ることができるものであった。

考案が解決しようとする課題 一方、この種の複合容器に高級感を与えるために、鍔
部の先端部に巻き縁を設けることが行なわれているが、
このような巻き縁を設けると、鍔部の最内層まで巻き縁
の中に巻き込まれてしまうので、上記のようなイージー
ピールができないという問題があった。

この考案の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、
鍔部の先端部に巻き縁を有していて、容器に高級感を与
えることができて、デザイン性にすぐれており、しかも
イージーピールが可能で、開封のさい大きな力を必要と
せず、非常に取扱いが容易で、使用に便利であるうえ
に、ヒートシール部が剥離用切欠部を越えて外側に形成
されるようなことがなく、容器の開封をスムーズにかつ
確実に行ない得る、食品包装用易開封容器を提供しよう
とするにある。

課題を解決するための手段 この考案は、上記の目的を達成するために、外側の金
属箔と内側の合成樹脂フィルムとの２層以上の積層シー
トよりなりかつ開口周縁部に鍔部を有する容器本体と、
容器本体の開口部および鍔部を覆いかつ下面に熱封緘材
層を有する蓋とよりなり、容器本体の合成樹脂フィルム
よりなる第１層の外面に、合成樹脂フィルムもしくは金
属箔よりなる第２層が離れやすい状態に接合され、容器
本体の鍔部の先端部に巻き縁が設けられており、巻き縁
の第１層に剥離用第１切欠部および剥離用第２切欠部が
設けられ、これら剥離用第１切欠部および剥離用第２切
欠部の中間において第１層の上面に蓋の下面が加熱融着
せしめられたヒートシール部が形成せられている食品包
装用易開封容器において、剥離用第１切欠部が、鍔部の
第１層の容器本体開口周縁部もしくは該周縁部寄り部分
において鍔部の略全周にわたって設けられるとともに、
剥離用第２切欠部が、巻き縁において第１層が略全周に
わたって巻き縁の第２層に接する切断面によって切断さ
れることにより、剥離用第１切欠部の幅よりも広い幅で
形成されていることを特徴とする、食品包装用易開封容
器を要旨としている。

実施例 つぎに、この考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

この考案の第１実施例を示す第１図と第２図におい
て、この考案による食品包装用易開封容器は、開口周縁
部に鍔部（３）を有する容器本体（１）と、容器本体
（１）の開口部および鍔部（３）を覆いかつ下面に熱封
緘材層（６）を有する蓋（２）とよりなるものである。

容器本体（１）は、高密度ポリエチレンよりなる第１
層（４）と、ポリプロピレンよりなる第２層（５）と、
第２層（５）の外面に通常の接着剤層を介して接合され
たアルミニウム箔よりなる第３層（８）とを備えた積層
シートによりつくられていて、容器本体（１）の鍔部
（３）の先端部に巻き縁（７）が設けられている。

ここで、第１層（４）と第２層（５）とは、上記両合
成樹脂の未延伸共押出しフィルムにより構成されてい
て、両層（４）（５）は、接着強度800g/15mm幅程度に
離れやすい状態に密着せしめられている。なお、これに
限らず、第１層（４）と第２層（５）とが、その他の合
成樹脂フィルムにより構成されていてもよく、またその
場合には、両層（４）（５）のイージーピール可能な接
着強度は、500〜1500g/15mm幅、好ましくは700〜900g/1
5mm幅であればよい。

そして、容器本体（１）の鍔部（３）の容器本体開口
周縁部寄り部分において第１層（４）に、横断面Ｖ形の
剥離用第１切欠部（11）が鍔部（３）の略全周にわたっ
て設けられるとともに、巻き縁（７）において第１層
（４）が略全周にわたって巻き縁（７）の第２層（５）
に接する切断面によって切断されることにより、剥離用
第２切欠部（12）が、第１図に示すように、剥離用第１
切欠部（11）の幅よりも広い幅で形成されている。そし
て、これら剥離用第１切欠部（11）および剥離用第２切
欠部（12）の中間において第１層（４）の上面に、蓋
（２）下面の熱封緘材層（６）が、剥離用第２切欠部
（12）より所要幅のヒートシール部（９）が形成せられ
るように、熱封緘装置（13）によって加熱融着せしめら
れている。

なお、剥離用第１切欠部（11）および剥離用第２切欠
部（12）は、例えば第１層（４）を部分的に刃物により
切り落すことにより、あるいは熱により部分的に除去す
ることにより形成すれば良い。

上記本考案の食品包装用易開封容器にデザートや調理
済み食品を包装した状態において、第２図に示す蓋
（２）の周縁部一側の開封用摘み部（14）を持って上方
に引き剥すと、ヒートシール部（９）が接合されたまゝ
で、合成樹脂フィルムよりなる第１層（４）と第２層
（５）との間が、剥離用第２切欠部（12）より容易に剥
れ、イージーピールが可能で、容器をきわめて容易に開
封することができる。

またとくに、剥離用第２切欠部（12）が、巻き縁
（７）において第１層（４）が略全周にわたって巻き縁
（７）の第２層（５）に接する切断面によって切断され
るとともに、剥離用第１切欠部（11）の幅よりも広い幅
を有しているから、ヒートシール部（９）がこの剥離用
第２切欠部（12）を越えて形成されるようなことが全く
なく、容器の開封をスムーズにかつ確実に行ない得る。

第３図は、この考案の第２実施例を示すものである。
ここで、上記第１実施例の場合と異なる点は、巻き縁
（７）において第１層（４）が略全周にわたって巻き縁
（７）の第２層（５）に接する垂直な切断面でもって切
断されることにより、同図に示すように、剥離用第２切
欠部（12）が、剥離用第１切欠部（11）の幅よりも広い
幅で形成されている点にある。この第２実施例において
は、巻き縁（７）において第１層（４）に屈曲部分が若
干残されるため、熱封緘装置（13）の加熱押圧部材の形
状をこれに沿うものとするのが望ましい。

第４図は、この考案の第３実施例を示すものである。
ここで、上記第１実施例の場合と異なる点は、容器本体
（１）の第１層（４）が、例えば高密度ポリエチレンに
より構成され、第２層（５）が、この第１層（４）の片
面に易剥離性の接着剤層（図示略）を介して接合された
アルミニウム箔により構成せられている点にある。

ここで、第１層（４）と第２層（５）のイージーピー
ル可能な接着強度は、やはり500〜1500g/15mm幅、好ま
しくは700〜900g/15mm幅である。

そして、巻き縁（７）において第１層（４）が略全周
にわたって、アルミニウム箔よりなる第２層（５）に接
する切断面でもって切断されることにより、剥離用第２
切欠部（12）が、同図に示すように、剥離用第１切欠部
（11）の幅よりも広い幅で形成されている。

この第３実施例の容器にデザートや調理済み食品を包
装した状態において、蓋（２）の周縁部一側の開封用摘
み部（14）を持って上方に引き剥すと、容器本体（１）
の鍔部（３）の合成樹脂フィルムよりなる第１層（４）
の上面と、蓋（２）の下面の熱封緘材層（６）とのヒー
トシール部（９）は接合されたまゝで、合成樹脂フィル
ムよりなる第１層（４）とアルミニウム箔よりなる第２
層（５）との間が、剥離用第２切欠部（12）より容易に
剥れ、同様にイージーピール可能で、容器をきわめて容
易に開封することができるものである。

この第２実施例と第３実施例のその他の点は、上記第
１実施例の場合と同様であるので、図面において同一の
ものには同一の符号を付した。

なお、上記各実施例において、剥離用第１切欠部（1
1）および剥離用第２切欠部（12）の中間においては、
要するに、合成樹脂フィルムよりなる第１層（４）の上
面と、蓋（２）の熱封緘材層（６）の下面とが、剥離用
第２切欠部（12）より容器の密封に必要な所要幅のヒー
トシール部（９）が形成せられるように、加熱融着せし
められておればよいが、場合によっては、剥離用第１切
欠部（11）および剥離用第２切欠部（12）の中間におけ
る第１層（４）の上面全体が蓋（２）の下面に加熱融着
せしめられることもある。

また、図示のものは、鍔部（３）の容器本体開口周縁
部寄り部分において第１層（４）に剥離用第１切欠部
（11）が鍔部（３）の略全周にわたって設けられている
が、このような剥離用第１切欠部（11）は、鍔受部
（３）の容器本体開口周縁部自体に設けられていてもよ
い。

考案の効果 この考案は、上述のように、外側の金属箔と内側の合
成樹脂フィルムとの２層以上の積層シートよりなりかつ
開口周縁部に鍔部を有する容器本体と、容器本体の開口
部および鍔部を覆いかつ下面に熱封緘材層を有する蓋と
よりなり、容器本体の合成樹脂フィルムよりなる第１層
の外面に、合成樹脂フィルムもしくは金属箔よりなる第
２層が離れやすい状態に接合され、容器本体の鍔部の先
端部に巻き縁が設けられており、巻き縁の第１層に剥離
用第１切欠部および剥離用第２切欠部が設けられ、これ
ら剥離用第１切欠部および剥離用第２切欠部の中間にお
いて第１層の上面に蓋の下面が加熱融着せしめられたヒ
ートシール部が形成せられている食品包装用易開封容器
において、剥離用第１切欠部が、鍔部の第１層の容器本
体開口周縁部もしくは該周縁部寄り部分において鍔部の
略全周にわたって設けられるとともに、剥離用第２切欠
部が、巻き縁において第１層が略全周にわたって巻き縁
の第２層に接する切断面によって切断されることによ
り、剥離用第１切欠部の幅よりも広い幅で形成されてい
るもので、例えば容器にデザートや調理済み食品を包装
した状態において、蓋を上方に引き剥すと、ヒートシー
ル部が接合されたまゝで、第１層と第２層との間が、剥
離用第２切欠部より容易に剥れ、イージーピールが可能
で、大きな力を必要とせず、容器をきわめて容易に開封
することができて、取扱いが非常に容易であり、使用に
便利である。

またとくに、剥離用第２切欠部が、巻き縁において第
１層が略全周にわたって巻き縁の第２層に接する切断面
によって切断されるとともに、剥離用第１切欠部の幅よ
りも広い幅を有しているから、ヒートシール部がこの剥
離用第２切欠部を越えて形成されるようなことが全くな
く、容器の開封をスムーズにかつ確実に行ない得るとい
う効果を奏する。

また勿論、この考案によれば、容器本体の鍔部の先端
部に巻き縁が設けられているから、容器に高級感を与え
ることができて、デザイン性にすぐれているという利点
がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の各種実施例を示すもので、第１図は第
１実施例の要部拡大断面図、第２図は同概略斜視図、第
３図は第２実施例の要部拡大断面図、第４図は第３実施
例の要部拡大断面図である。 （１）……容器本体、（２）……蓋、（３）……鍔部、
（４）……第１層、（５）……第２層、（６）……熱封
緘材層、（７）……巻き縁、（９）……ヒートシール
部、（11）……剥離用第１切欠部、（12）……剥離用第
２切欠部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 蓮沼 博 大阪府堺市海山町６丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−251363（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−96059（ＪＰ，Ａ) 実公 昭59−24700（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外側の金属箔と内側の合成樹脂フィルムと
   の２層以上の積層シートよりなりかつ開口周縁部に鍔部
   （３）を有する容器本体（１）と、容器本体（１）の開
   口部および鍔部（３）を覆いかつ下面に熱封緘材層
   （６）を有する蓋（２）とよりなり、容器本体（１）の
   合成樹脂フィルムよりなる第１層（４）の外面に、合成
   樹脂フィルムもしくは金属箔よりなる第２層（５）が離
   れやすい状態に接合され、容器本体（１）の鍔部（３）
   の先端部に巻き縁（７）が設けられており、巻き縁
   （７）の第１層（４）に剥離用第１切欠部（11）および
   剥離用第２切欠部（12）が設けられ、これら剥離用第１
   切欠部（11）および剥離用第２切欠部（12）の中間にお
   いて第１層（４）の上面に蓋（２）の下面が加熱融着せ
   しめられたヒートシール部（９）が形成せらている食品
   包装用易開封容器において、剥離用第１切欠部（11）
   が、鍔部（３）の第１層（４）の容器本体開口周縁部も
   しくは該周縁部寄り部分において鍔部（３）の略全周に
   わたって設けられるとともに、剥離用第２切欠部（12）
   が、巻き縁（７）において第１層（４）が略全周にわた
   って巻き縁（７）の第２層（５）に接する切断面によっ
   て切断されることにより、剥離用第１切欠部（11）の幅
   よりも広い幅で形成されていることを特徴とする、食品
   包装用易開封容器。