JP3039197B2 - 道路情報表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、路上に設置された通信
装置より受信される道路情報を車内のナビゲーション装
置の画面に表示させる道路情報表示装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、運転者に交通情報を音声又は文字などで提供するよ
うにしたナビゲーション装置が知られている。このよう
なナビゲーション装置には、例えば路上に設置されたビ
ーコンから比較的狭い範囲に向けて放射される交通情報
を含む信号を受信し、この受信された信号に含まれてい
る交通情報を復調して表示器で表示するようにしたもの
が含まれる。

【０００３】前記ビーコンから得られる交通情報には、
ビーコンが設置されている路線に関わる情報だけでな
く、所定の範囲内の路線に係る交通情報が含まれてお
り、また、各路線に関わる交通情報には、例えば道路規
制情報、渋滞・事故情報、周辺地域案内情報等が含まれ
る。また、路線に関わる交通情報の他、交差点に関わる
情報もあり、この交差点に関わる情報には、ビーコンの
設置されてる地点から最も近い交差点についての位置と
名称、ビーコンからの相対距離、交差点の渋滞の長さや
事故等の情報が含まれている。また、この交差点の先に
さらに交差点があるときは、それらの交差点に関わる交
通情報も含まれる。

【０００４】ビーコン受信機では、これらの路線に関わ
る交通情報の他、交差点に関わる情報が表示器に表示さ
れるので、運転者はこの表示画面を見て、走行に役立て
ていた。ところが、前記ビーコンから得られる情報量
は、通常複数の路線や交差点に関するものなので膨大な
量になる。したがって、ビーコンから送られてくるこの
ような情報を画面にそのまま表示するだけでは、運転者
は、その表示の内容を全部読まなければどんな情報か識
別することはできず、走行の安全上問題があった。した
がって、表示する際、何らかの工夫が求められていた。

【０００５】特開昭６４−４４５９９号公報では、ビー
コンから得られる工事情報、事故発生情報、及びそれら
の原因が生じている区間・車線情報に基づいて、当該区
間・車線を、地図画面の上で強調表示する技術が開示さ
れている。しかし、この開示技術によれば、正常な走行
をすることができない原因（事故、渋滞など）の生じて
いる区間を地図の上で強調表示できるが、ビーコンから
得られる交通情報は、このような図形で表示できるよう
な情報ばかりではない。ビーコンから得られる道路規制
情報や周辺地域案内情報、交差点の位置と名称等も画面
に表示しなければならないので、狭い画面に文字列が表
示されると運転者が見分けにくいという欠点は依然解消
されない。

【０００６】また、特開平５−６７２９５号公報では、
目的地まで車両の走行する経路に関する道路情報のみを
選択して表示するようにしているので、運転者にとって
必要な情報のみを表示できるが、目的地までの経路を求
めなければならないので、目的地までの経路が求められ
ないナビゲーション装置には利用できないという問題が
ある。

【０００７】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、ビーコン等から送られてくる道路情報を容
易に識別できる道路情報表示装置を提供することであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するための請求項１記載の発明の道路情報表示装置
は、受信機により受信される道路情報の種類と、表示色
又は表示形態との対応関係を予め設定手段により設定す
ることができ、道路情報を受信機により受信すると、道
路情報をメッセージに変換し、前記設定手段により設定
された対応関係とに基づいて所定の表示色又は表示形態
により表示装置の道路地図を表示する画面の中の文字を
表示させる窓に一定時間に表示させるものである。

【０００９】上記の装置によれば、受信された道路情報
の種類に応じてメッセージの表示色又は表示形態が変わ
るので、運転者は、メッセージの表示色に注意を向ける
だけで、予め設定した道路情報の種類と表示色又は表示
形態との対応関係に基づいて、メッセージがいかなる種
類のものか一目で理解することができる。

【００１０】

【００１１】

【実施例】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説
明する。図１は、ナビゲーション装置の実施例を示す全
体構成図であり、ナビゲーション装置には、地磁気セン
サ６及び左右両輪の回転数を検出する車輪速センサ７
（このセンサは、走行距離センサとして利用される。）
が接続されている。このほかに、ジャイロ（光ファイバ
ジャイロ、振動ジャイロ、機械式ジャイロ等から選ばれ
たもの。旋回角速度センサとして利用される。）８等の
各種センサが接続されていてもよい。

【００１２】ナビゲーション装置は、地磁気センサ６お
よび車輪速センサ７により検出された出力データに基づ
いて車両の推定位置を求め、表示装置３に表示させるナ
ビゲーション装置本体１と、ナビゲーション装置本体１
に付属して、道路地図データ等を記憶している記憶装置
２とを有している。上記ナビゲーション装置本体１は、
さらに詳細にいえば、車輪速センサ７からの出力パルス
信号の数をカウンタでカウントすることにより車輪の回
転数を得、カウンタから出力されるカウント出力データ
に対して、１カウント当りの距離を示す所定の定数を乗
算することにより単位時間当りの走行距離出力データを
算出するとともに、地磁気センサ６から車両の方位デー
タを取り込んで車両の推定位置を求めるものである。し
たがって、ナビゲーション装置本体１は、「位置検出装
置」として機能する。

【００１３】なお、ナビゲーション装置は、ビーコン受
信機５、ＧＰＳ受信機４をも備えている。これらビーコ
ン受信機５、ＧＰＳ受信機４の受信データのうち、位置
に関するデータは検出位置を補正し、位置精度を向上さ
せるために用いられる。一方、ビーコン受信機５の受信
データのうち、道路情報に関するデータは、後述するよ
うにその内容が解析され、その内容に基づいてメッセー
ジが作成され、表示装置３の窓（後述）の中に表示され
る。

【００１４】表示装置３は、道路地図を表示する画面の
中に１行分の文字を表示させる窓を有しているものであ
り、ＣＲＴ表示器などを用いることができる。また、表
示装置３には、ビーコン受信機５を通して受信された道
路情報の表示色を設定するためのキーボード３１が付属
している。このキーボード３１により設定された道路情
報の表示色は、ナビゲーション装置本体１の中のＲＡＭ
１ａにテーブルの形で記憶される。

【００１５】記憶装置２は、カセットテープ、ＣＤ−Ｒ
ＯＭ、ＩＣカード、ミニデイスク等の記憶媒体を装着で
きるもので、これらの記憶媒体は、表示用道路地図デー
タを記憶している。表示用道路地図データは、例えば２
５００分の１の地図データベースから作成されたもの
で、道路、地名、有名施設、鉄道、川等の情報を含んで
いる。

【００１６】次に、前記ナビゲーション装置の動作をフ
ローチャート（図２参照）を用いて解説する。まず、走
行を開始する前に運転者は、表示装置３に付属している
キーボード３１により道路情報の表示色を情報の種別に
応じて設定する（ステップＳ１）。例えば、渋滞情報を
赤、規制情報をオレンジ、旅行時間情報を青、道路管理
者からのメッセージ情報を緑、といった具合に設定す
る。この設定内容は、前記ＲＡＭ１ａにテーブルの形で
記憶される。もし、表示色の設定されていない情報があ
れば、その情報は、予め工場出荷時に設定されたデフォ
ルト色で表示されることになる（ステップＳ２，Ｓ
３）。

【００１７】運転者が走行を開始すれば、ナビゲーショ
ン装置本体１は、地磁気センサ６及び車輪速センサ７の
出力信号に基づいて現時点の車両の位置を特定する。こ
の位置は、走行中及び停車中に表示装置３の画面上に道
路地図とともに表示される。この画面に表示すべき交通
情報の表示手順を説明する（ステップＳ４〜ステップＳ
１１）。

【００１８】車両の走行中、ビーコン受信機５を通して
情報を取得すれば（ステップＳ４）、ビーコン信号に含
まれているコード種別を調べていかなる種類の情報（例
えば位置情報、渋滞情報、規制情報、旅行時間情報）で
あるかを判断する（ステップＳ５）。さらに、表示すべ
き情報であるかどうかを判断し（ステップＳ６）、表示
すべき情報（渋滞情報、規制情報、旅行時間情報）であ
れば、運転者に伝えるメッセージ（渋滞情報であれば
「高槻〜茨木国道１号線渋滞中」というメッセージ）を
作成し（ステップＳ７）、テーブルを検索して表示色を
選択する（ステップＳ８）。

【００１９】そして、表示装置３の画面にメッセージを
表示する（ステップＳ９）。図３は、道路地図とともに
メッセージを表示した例を示す図であり、メッセージを
表わす文字又は窓の中の背景部分が前記選択された色で
表示される。一定時間表示すると（ステップＳ１０）、
次に表示すべき情報があるかどうかを判断し（ステップ
Ｓ１１）、表示すべき情報があれば（ビーコン情報に複
数の情報が含まれていた場合）、ステップＳ５に戻り同
じ手順を繰り返す。

【００２０】なお、フローチャートには示されていない
が、表示装置３の画面に前記メッセージを表示しないと
きには、車両を目的地まで誘導するのに有用な他の情報
を表示装置３の画面に表示することができる。例えば、
車両が次に進むべき道路を矢印で示したり、右折や左折
を指示するメッセージを表示することなどができる。こ
のようにして、ビーコン受信機５を通して取得した交通
情報が表示すべき情報であればその情報の種別に応じて
指定の色で文字列を表示するようにしたので、運転者
は、画面を一目見てどのような種類の情報であるかを判
断できる。

【００２１】また、前記実施例によれば、色は運転者自
身で設定することができるので、運転者が重要又は必要
と考えている情報に特定の色を指定しておけば、運転者
はその色の表示が現れたときのみ特別の注意を向ければ
よいので、運転の安全を確保することができる。なお、
前記の実施例においては、交通情報の種別に応じて色を
違えて表示するようにしたが、これ以外に、交通情報の
種別や重要度に応じて表示を点滅させたり、点滅させる
とき点滅の周期を変えるようにしてもよい。また、色違
え表示と点滅表示とを併用してもよい。

【００２２】次に第２の実施例を説明する。この実施例
は、表示装置が文字一行分しか表示できないものに対し
て適用されるものであって、表示装置は、ビーコン受信
機５を通して取得した交通情報を横方向にスクロールさ
せながら表示するものである。図４は、ナビゲーション
装置を示す全体構成図であり、ナビゲーション装置本体
１は、ビーコン受信機５を備えている。このビーコン受
信機５の受信データのうち、道路情報に関するデータ
は、後述するようにその内容が解析され、その内容に基
づいてメッセージが作成され、表示装置９に表示され
る。

【００２３】表示装置９は、１行分の文字（例えば１４
文字）を表示させる液晶ディスプレイ装置であって、そ
の表示配列は図５に示されるようなものである。液晶デ
ィスプレイ装置は、例えば自動車のダッシュボードの中
に設置される（図６参照）。また、ナビゲーション装置
には、ビーコン受信機５を通して受信された道路情報の
スクロール速度、表示回数を設定するためのスイッチ１
０が付属している。例えば移動速度を５段階に設定し、
スイッチ１０により任意の段階を選択できる。また、メ
ッセージの表示回数を予め人為的に設定することができ
るようにしてもよい。このスイッチ１０により設定され
たスクロール速度、表示回数は、ナビゲーション装置本
体１の中のＲＡＭ１ｂにテーブルの形で記憶される。

【００２４】次に、前記ナビゲーション装置の動作をフ
ローチャート（図７，８参照）を用いて解説する。ま
ず、走行を開始する前に運転者は、前記スイッチ１０に
より道路情報の表示スクロール速度、表示回数を設定す
る（ステップＳ１，２）。この設定内容は、前記ＲＡＭ
１ｂに記憶される。

【００２５】運転者が走行を開始し、ナビゲーション装
置本体１がビーコン受信機５を通して情報を取得すれば
（ステップＳ３）、ビーコン信号に含まれているコード
種別を調べていかなる種類の情報（例えば位置情報、渋
滞情報、規制情報、旅行時間情報）であるかを判断する
（ステップＳ４）。さらに、表示すべき情報であるかど
うかを判断し（ステップＳ５）、表示すべき情報（渋滞
情報、規制情報、旅行時間情報）であれば、運転者に伝
えるメッセージ（渋滞情報であれば「国道１号線高槻茨
木間渋滞６ｋｍ」というメッセージ）を作成し（ステッ
プＳ６）、表示装置９に表示させる（ステップＳ７）。

【００２６】そして、次に表示すべき情報があるかどう
かを判断し（ステップＳ８）、表示すべき情報があれ
ば、ステップＳ３に戻り同じ手順を繰り返す。図８は、
前記ステップＳ７のディスプレイの詳細手順を示すフロ
ーチャートであって、まず、表示画面右端よりメッセー
ジを表わす文字列を表示し始める（ステップＳ７１）。
次に、文字列を画面左方向に移動させ（ステップＳ７
２）、移動位置の右側に新たな文字を表示していく（ス
テップＳ７３）。そして画面左端位置に最後尾の文字が
到達すれば、１回分のメッセージの表示が終了する。

【００２７】このようなスクロール表示例を図９に示
す。図９は上から順に時間を追って表示内容が変わって
いく様子を示している。以上のステップＳ７１からＳ７
４までの手順は、次にメッセージの表示回数が指定して
あれば、その回数だけ繰り返される（ステップＳ７
５）。このようにして、メッセージが長い場合、ドライ
バが操作することなく、文字が自動的に移動していくの
で、情報を容易に入手することができる。また、運転者
が必要とする最低限の情報を簡易な表示装置に表示する
ことができるので、地図表示機能を持たない単機能のナ
ビゲーション装置に有効であり、システムの簡素化、小
型化、低価格化が図れる。

【００２８】以上、実施例に基づいて本発明の道路情報
表示装置の具体的内容を説明してきたが、本発明は上記
実施例に限るものではない。例えば、ナビゲーション装
置は、ビーコン受信機を通して道路情報を入手していた
が、これ以外にＦＭ多重放送受信機を通して道路情報を
入手してもよい。また、第２の実施例において、スクロ
ール表示するとともに、道路情報の種類に応じて表示色
や表示形態を変えて表示することも有効である。その他
本発明の要旨を変更しない範囲内において、種々の設計
変更を施すことが可能である。

【００２９】

【発明の効果】以上のように、請求項１記載のナビゲー
ション装置によれば、外部から受信された道路情報の種
類に応じてメッセージの表示色又は表示形態が変わるの
で、運転者は、地図表示の中で、予め設定した道路情報
の種類と表示色又は表示形態との対応関係に基づいて、
道路情報の種類を即座に識別できる。そして、必要な種
類の道路情報であるときのみ、文字を読んで情報内容を
入手すればよいことになり、走行の安全性が向上する。

【００３０】

【図面の簡単な説明】

【図１】ナビゲーション装置の実施例を示す構成図であ
る。

【図２】交通情報を特定の色で表示する表示手順を解説
するフローチャートである。

【図３】表示装置の画面に、道路地図とともにメッセー
ジを特定の色で表示した例を示す図である。

【図４】第２の実施例に係るナビゲーション装置を示す
全体構成図である。

【図５】一定字数の文字を１行分に表示させる液晶ディ
スプレイの正面図である。

【図６】液晶ディスプレイ装置を自動車のダッシュボー
ドの中に設置した状態を示す正面図である。

【図７】交通情報をスクロール表示する表示手順を解説
するフローチャートである。

【図８】スクロール表示の詳細手順を示すフローチャー
トである。

【図９】スクロール表示例を示す図である。

【符号の説明】

１ ナビゲーション装置本体 ２ 記憶装置 ３，９ 表示装置 ５ ビーコン受信機 ６ 地磁気センサ ７ 車輪速センサ １０ スイッチ ３１ キーボード

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−46089（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−19686（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−321098（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−299380（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−28397（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−61898（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−94134（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G08G 1/09,1/0969 G01C 21/00 G09B 29/00 - 29/10

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】道路地図データを記憶する記憶装置と、走
   行距離センサと、方位センサと、上記走行距離センサお
   よび方位センサから得られる車両の走行距離データおよ
   び方位データに基づいて車両の位置を検出する位置検出
   装置と、道路地図を表示する表示装置とを備え、車両の
   位置を表示装置の画面に道路地図とともに表示させるこ
   とにより、車両走行の支援を行わせるナビゲーション装
   置に採用され、 外部より送信される道路情報を受信する受信機と、 前記受信機により受信された道路情報をその内容に応じ
   たメッセージに変換し、前記表示装置の画面に表示させ
   る表示制御手段と、 前記メッセージを表示装置の画面に表示させる場合に、
   道路情報の種類と、表示色又は表示形態との対応関係を
   予め設定することができる設定手段とを有し、 前記表示制御手段は、受信機により受信された道路情報
   の種類と、前記設定手段により設定された対応関係とに
   基づいてメッセージを所定の表示色又は表示形態により
   前記表示装置の道路地図を表示する画面の中の文字を表
   示させる窓に一定時間表示させるものであることを特徴
   とする道路情報表示装置。