JP3034400B2 - 車両の後輪操舵装置 - Google Patents

車両の後輪操舵装置

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JP3034400B2
JP3034400B2 JP9258193A JP9258193A JP3034400B2 JP 3034400 B2 JP3034400 B2 JP 3034400B2 JP 9258193 A JP9258193 A JP 9258193A JP 9258193 A JP9258193 A JP 9258193A JP 3034400 B2 JP3034400 B2 JP 3034400B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電動モータ等の駆動手段
によって後輪の操舵機構を駆動制御する車両の後輪操舵
装置に係る。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の前輪操舵に加え、後輪
も操舵させることにより車両の操縦性能を向上させる後
輪操舵装置が知られており、例えば、特開昭59−14
3769号公報には、後輪の転舵制御をフィードバック
を行なわないオープン制御によって行なうと共に、オー
プン制御の場合に一般に問題となる制御誤差の蓄積に対
しては、前輪又は後輪の転舵角が「0」のときに、即ち
積極的な操舵を行なっていないときに、その誤差を解消
するように制御する車両の4輪操舵装置が開示されてい
る。
【0003】同公報に記載の操舵装置においては、その
実施例の説明において後輪転舵角センサ29から出力さ
れる実測後輪転舵角θrを示す実測信号Eは比較器32
に入力され、該比較器32には、転舵角「0」検出部3
3から出力される動作信号Gが入力される旨記載されて
いる。また、この転舵角「0」検出部33は、上記前輪
転舵角信号Dが入力されて、該信号Dが示す前輪転舵角
θfが「0」の時に上記動作信号Gを出力し、比較器3
2は、この動作信号Gの入力時に動作し、予め設定され
た後輪転舵角「0」に対応する比較基準値と上記実測信
号Eが示す実測後輪転舵角θrとを比較して、その偏差
量に応じた補正信号(パルス信号)Hを上記パルスモー
タ14のドライバ31に対して出力する旨記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のオープン制御の
後輪操舵装置と異なり、フィードバック制御が必要な後
輪操舵装置においては、後輪舵角センサの検出精度は、
操舵角の全領域で高精度であることが要求される。この
ように操舵角の全領域に亘って高精度を確保するために
は、操舵角を直接検出し得る絶対舵角センサが必要とな
るが、絶対舵角センサは一般的に検出分解能が大きく、
またアナログ処理のためノイズの影響を受け易く、これ
らの問題を全て解決しなければならないので高価なもの
となる。一方、後輪の操舵角の変化を検出する相対舵角
センサは相対的舵角量を高精度で検出することができ、
安価ではあるが、操舵角の絶対値を検出することはでき
ない。
【0005】そこで、本発明は、後輪の操舵角の絶対値
を検出する絶対舵角検出手段と相対舵角変化を検出する
相対舵角検出手段を有し、正確且つ早期に後輪の実舵角
を検出し得る安価な後輪舵角検出手段を備えた後輪操舵
装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、図22に構成の概要を示すように、後輪
RWに連結した操舵機構SMと、この操舵機構SMを駆
動制御する駆動手段S1が設けられている。また、駆動
手段S1によって後輪RWが実際に操舵された操舵角の
絶対値を検出する絶対舵角検出手段S2と、後輪RWの
操舵角の相対舵角変化を検出する相対舵角検出手段S3
と、絶対舵角検出手段S2の検出結果を基準舵角として
設定する基準舵角設定手段S4と、基準舵角に基づき且
つ相対舵角検出手段S3の検出結果に応じて駆動手段S
1を制御し後輪RWの中立位置を中心として後輪RWの
操舵角を調整する制御手段S5とを備えている。そし
て、この制御手段S5の調整によって後輪RWの操舵角
が中立位置を中心とする所定範囲内の値に到達したとき
には、基準舵角設定手段S4が絶対舵角検出手段S2の
検出結果を基準舵角として再設定するように構成されて
いる。
【0007】上記の車両の後輪操舵装置において、絶対
舵角検出手段S2において後輪RWが中立位置に到達し
たことが検出されたときには、基準舵角設定手段S4に
より絶対舵角検出手段S2の検出結果を基準舵角として
再設定するように構成するとよい。
【0008】また、本発明は、駆動手段S1によって後
輪RWが実際に操舵された操舵角の絶対値を検出する絶
対舵角検出手段S2と、後輪RWの操舵角の相対舵角変
化を検出する相対舵角検出手段S3と、絶対舵角検出手
段S2の検出結果を基準舵角として設定する基準舵角設
定手段S4と、基準舵角に基づき且つ相対舵角検出手段
S3の検出結果に応じて駆動手段S1を制御し後輪RW
中立位置を中心として後輪RWの操舵角を調整する制
御手段S5とを備え、絶対舵角検出手段S2において後
輪RWが中立位置に到達したことが検出されたときに
は、基準舵角設定手段S4により絶対舵角検出手段S2
の検出結果を基準舵角として再設定するように構成して
もよい。
【0009】
【作用】上記の構成になる車両の後輪操舵装置において
は、駆動手段S1によって操舵機構SMが駆動制御され
る。一方、絶対舵角検出手段S2にて後輪RWが実際に
操舵されたときの操舵角の絶対値が検出されると共に、
相対舵角検出手段S3にて後輪RWの操舵角の相対舵角
変化が検出される。また、基準舵角設定手段S4におい
て絶対舵角検出手段S2の検出結果が基準舵角として設
定される。そして、この基準舵角に基づき且つ相対舵角
検出手段S3の検出結果に応じて制御手段S5により駆
動手段S1が制御され、後輪RWの中立位置を中心とし
て後輪RWの操舵角が調整される。これにより後輪RW
の操舵角が中立位置を中心とする所定範囲内の値に到達
したときには、基準舵角設定手段S4によって絶対舵角
検出手段S2の検出結果が基準舵角として再設定され
る。尚、絶対舵角検出手段S2において後輪RWが中立
位置に到達したことが検出された場合には、更に基準舵
角設定手段S4において絶対舵角検出手段S2の検出結
果を基準舵角として再設定することとしてもよい。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る車両の後輪操
舵装置について図面を参照しながら説明する。図1は後
輪操舵装置を搭載した車両の構成を示すもので、前輪1
3,14は前輪操舵機構10によりステアリングホイー
ル19の回動操作に応じて操舵される。前輪操舵機構1
0には、そのラックの移動量を検出する第1前輪舵角セ
ンサ17が設けられると共に、ステアリングホイール1
9が取り付けられた操舵軸に、第2前輪舵角センサ20
が設けられており、これらのセンサにより前輪の操舵量
が検出される。第1前輪舵角センサ17としては、例え
ばポテンショメータ等のリニアセンサが用いられ、第2
前輪舵角センサ20としては、回転時にパルスを発する
ロータリエンコーダ等のステアリングセンサが用いられ
ている。
【0011】後輪15,16には後輪操舵機構11が接
続されており、モータ12の回転に応じて操舵される。
モータ12の端部には、モータ12の回転角度を検出す
る磁極センサ18が設けられている。また、後輪操舵軸
たるラック軸25に後輪舵角センサ21が設けられてお
り、これにより後輪15,16の実際の舵角が検出され
る。この後輪舵角センサ21は後輪操舵機構11に内蔵
することとしてもよい。更に、車両の速度を検出する2
系統の第1車速センサ22、第2車速センサ23、及び
車両のヨーレートを測定するヨーレートセンサ24が設
けられている。上記モータ12は電子制御装置9からの
信号によって制御されるように構成されている。即ち、
電子制御装置9には、第1前輪舵角センサ17、第2前
輪舵角センサ20、磁極センサ18、後輪舵角センサ2
1、第1車速センサ22、第2車速センサ23、ヨーレ
ートセンサ24の各センサ出力が供給され、これらの出
力に応じてモータ12の回転量が設定され、モータ12
に制御信号が供給される。
【0012】本実施例の後輪舵角センサ21は図2に示
すように後輪操舵機構11内に内蔵されている。後輪操
舵機構11のハウジング38にはカバー36が固定され
ており、このカバー36上に、磁極センサ18、モータ
12のモータハウジング40及び後輪舵角センサ21が
一体に設けられている。図2の後輪操舵機構11の背面
からみた部分断面図である図3に明らかなように、ラッ
ク軸25が車両の進行方向に対して直角に設けられてお
り、ラック軸25の両端部はボールジョイント53を介
して後輪のナックルアームに接続されている。ラック軸
25の両端部はブーツ28によって保護されている。ハ
ウジング38の図示右端にはチューブ39が嵌着されて
いる。異なる長さのラック軸25を設ける場合には、チ
ューブ39を交換することにより、ハウジング38を変
更することなく対応することができる。ラック軸25に
はラック26が形成されており、このラック26は、車
両の前後方向に延びるピニオン27と噛合する。そし
て、ラックガイド31がラック26方向に付勢された状
態で、ラックガイドカバー32がハウジング38に固定
され、これによりラック26がピニオン27側に押圧さ
れている。尚、ピニオン27は図4に示すようにギヤ2
9に焼きばめ(圧入)により固定され、ピン37により
相対回転が阻止される。
【0013】図4に示すように、後輪舵角センサ21は
ポテンショメータを内蔵し、ギヤ29の面と平行に設け
られている。軸54には、レバー33を介してピン34
が設けられ、このピン34は、ギヤ29に形成された孔
35に嵌合されている。これにより、ギヤ29が回転す
ると軸54も回転し、この軸54の回転角度が後輪舵角
センサ21によって検出される。一方、軸54の回転角
度即ちギヤ29の回転量はラック軸25の横移動量に比
例する。而して、後輪舵角センサ21により後輪の舵角
量が検出されることとなる。
【0014】図3に示すように、モータ12のモータ軸
41の先端にピニオン30が設けられており、このピニ
オン30にギヤ29が噛合し、ハイポイドギヤを構成し
ている。このハイポイドギヤは、モータ12のモータ軸
41の回転をギヤ29の回転として伝えるが、ラック軸
25(図4)側からギヤ29に回転力が加えられたとき
には、モータ12のモータ軸41が回転しないように逆
効率零になるように設定されている。また、ピニオン3
0とギヤ29は、減速比を大きくとるようにHRH(ハ
イレシオハイポイド)ギヤを構成している。ギヤ比は、
モータ12の極数や、操舵角の分解能等により定められ
るため車両によって異なるが、本実施例では67対1に
設定されている。
【0015】図5に示すように、モータ12のモータ軸
41はモータハウジング40内に回動可能に支持されて
いる。モータ軸41の回りには4極の磁石42が固定さ
れている。また、モータハウジング40には、磁石42
に対向してコア43が固定されており、コア43にはモ
ータ巻線44が巻回されている。図5のA−A断面を示
す図6に明らかなように、コア43には中心方向に延出
する12本の突起43aが形成されており、モータ巻線
44はこの突起43aに巻回される。モータ巻線44の
結線は、磁極センサ18側からモータ巻線44を見た図
7に示すように、巻線44aと44d,44bと44
e,44cと44fの一端はそれぞれ端子U,V,Wに
接続されている。巻線44a,44b,44c,巻線4
4d,44e,44fの他端は電気的に接続されてい
る。モータ巻線44はそれぞれの系統ごとにターミナル
45を介してワイヤーハーネス46に接続されている。
【0016】モータハウジング40の一端は開口端とな
っており、ここに磁極センサ18が取付けられる。磁極
センサ18の基板49は、ホルダ47(図9に示す)に
よって、モータハウジング40の開口端に固定され、こ
の開口端にカバー48が設けられる。一方、モータ12
のモータ軸41の端部にはロータ52が固定されてお
り、このロータ52には磁石51が設けられている。磁
石51は、図8に示すように、4極の円板状に形成され
ている。基板49には、図9に示すように、3個のホー
ルIC50が、それぞれ60度ずつずれて配置されてい
る。これら3個のホールIC50の出力は、後述の電子
制御装置9において、磁極センサ信号HA,HB,HC
として使用される。
【0017】即ち、モータ軸41が回転すると、図10
に「磁石51回転状態」として示すように、ホールIC
(図示HA,HB,HC)に対して相対的に磁石51が
回転し、磁極センサ18の三つの出力である磁極センサ
信号HA,HB,HCが図示のようにハイレベル(H)
とローレベル(L)間で変化する。図10はモータ12
が時計回り(CW)に回転している状態を示す。モータ
12が反時計回り(CCW)に回転するときには図示右
から左へ向かう方向に磁極センサ18の磁極センサ信号
HA,HB,HCが切り換わる。而して、この磁極セン
サ信号HA,HB,HCの切り換わりに同期してモータ
巻線44の巻線電流を切換えればモータ12が回転す
る。尚、図10に示したモータ12の回転時の巻線電流
の方向については後述する。
【0018】図11は電子制御装置9の構成を示すもの
で、電子制御装置9には車載のバッテリ59が接続され
ている。即ち、バッテリ59が、ヒューズ及び電源端子
PIGAを介してモータドライバ5に接続されると共
に、ヒューズ、イグニッションスイッチIGSW及び電
源端子IGAを介してモータドライバ5及び定電圧レギ
ュレータ55に接続されている。この定電圧レギュレー
タ55から定電圧Vcc1が出力される。
【0019】電子制御装置9は、制御手段であるマイク
ロプロセッサ1を有し、このマイクロプロセッサ1は定
電圧Vcc1により作動する。前述の第1前輪舵角セン
サ17、第2前輪舵角センサ20、第1車速センサ2
2、第2車速センサ23、ヨーレートセンサ24、磁極
センサ18及び後輪舵角センサ21の出力が、インター
フェース57を介してマイクロプロセッサ1に入力され
る。ここでは、第1前輪舵角センサ17の出力をθf
1、第2前輪舵角センサ20の出力をθf2、第1車速
センサ22の出力をV1、第2車速センサ23の出力を
V2、ヨーレートセンサ24の出力をγ、磁極センサ1
8の三つの出力信号をHA,HB,HC、そして後輪舵
角センサ21の出力をθrとしている。
【0020】尚、電子制御装置9に接続されるモータ
は、前述の機構では12で表したが、図11以後の回路
図においてはモータをMで表わす。モータMの各相の端
子U,V,Wは電子制御装置9のモータドライバ5に接
続されている。モータドライバ5に対しては電源端子P
IGA及びIGAから電力が供給される。そして、モー
タドライバ5には、マイクロプロセッサ1から出力され
た信号である相切換信号群L1(L1は相切換信号LA
11,LB11,LC11,LA21,LB21,LC
21からなる信号群)及びパルス幅変調(Pulse Width
Modulation)信号PWM1が入力される。
【0021】モータドライバ5は図12に示すように構
成されており、上述の相切換信号群L1及びパルス幅変
調信号PWM1により制御される。ハイサイド側を制御
するための相切換信号LA11,LB11,LC11は
異常電流制限回路88を介してゲート駆動回路G11に
入力される。通常は、これらの入力信号が異常電流制限
回路88を介してそのまま出力側から出力される。ゲー
ト駆動回路G11はパワーMOSFETのトランジスタ
TA11,TB11,TC11をオン−オフ駆動する回
路である。また、ゲート駆動回路G11は昇圧も行な
い、トランジスタTA11,TB11,TC11のゲー
トに昇圧した電圧を与えると共に、昇圧電圧を昇圧電圧
値RV1として出力する。トランジスタTA11,TB
11,TC11は、電源端子PIGAからパターンヒュ
ーズPH、チョークコイルTC及び抵抗Rsを介して得
られる高電圧が、それぞれモータMの三相の各端子U,
V,Wに供給されるように接続されている。尚、トラン
ジスタTA11,TB11,TC11,TA21,TB
21,TC21のゲートとソース間には、ツェナーダイ
オードが挿入されており、パワーMOSFETの保護に
供されている。即ち、電源電圧が何らかの原因で20V
を越えると、パワーMOSFETのゲート−ソース間電
圧が20Vを越え、パワーMOSFETが破壊されるの
で、これを防ぐためにツェナーダイオードが配設されて
いる。
【0022】一方、ローサイド側を制御するための相切
換信号LA21,LB21,LC21は、パルス幅変調
信号合成回路89及び異常電流制限回路88を介してゲ
ート駆動回路G21に接続されている。パルス幅変調信
号合成回路89は相切換信号LA21,LB21,LC
21をそれぞれパルス幅変調信号PWM1と合成する回
路である。ゲート駆動回路G21はMOSFETのトラ
ンジスタTA21,TB21,TC21をオン−オフ駆
動する回路であり、これらのトランジスタTA21,T
B21,TC21は、モータMの三相の各端子U,V,
Wとバッテリ59のグランド間が接続されるように配置
されている。トランジスタTA11,TB11,TC1
1,TA21,TB21,TC21の各々には保護用の
ダイオードD3乃至D8が接続されている。トランジス
タTA11,TB11,TC11に供給される電圧は、
同時に電圧PIGM1として出力される。
【0023】この電圧PIGM1と、ゲート駆動回路G
11の昇圧電圧値RV1との差が2V程度に下がると、
MOSFETのトランジスタTA11,TB11,TC
11,TA21,TB21,TC21のオン抵抗が増
え、異常発熱をおこす場合がある。従って、電圧PIG
M1と昇圧電圧値RV1との差が所定値以下となった場
合には全トランジスタTA11,TB11,TC11,
TA21,TB21,TC21をオフさせるようにする
とよい。尚、トランジスタTA21,TB21,TC2
1のソースには大電流が流れるので、マイクロプロセッ
サ等の弱電回路部のグランドは、これらのグランドとは
別系統の配線とすることが望ましい。
【0024】抵抗Rsの両端には電流検出回路86が接
続されており、抵抗Rsに流れる電流値が検出される。
電流検出回路86は、抵抗Rsに流れる電流値が18A
以上のとき過電流と判定し、出力信号MOC1として過
電流信号を出力すると共に、パルス幅変調信号合成回路
89に過電流信号を与え、ローサイド側で制限をかけ
る。また、電流検出回路86は抵抗Rsに流れる電流値
が25A以上のとき異常電流と判定し、出力信号MS1
として異常電流信号を出力する。異常電流が発生した場
合には、異常電流制限回路88に異常電流信号を与え、
ハイサイド及びローサイド側で制限をかける。この場
合、全てのトランジスタTA11,TB11,TC1
1,TA21,TB21,TC21を異常電流検出時か
ら一定時間オフさせてやればよい。この一定時間は、予
想される最大電流に対してFETの安全動作領域内とな
るように設定するとよい。電流検出回路86にて検出さ
れた電流値はピークホールド回路101に与えられ、ピ
ークホールド回路101から電流値のピーク値がピーク
信号MI1として出力される。このピークホールド回路
101はリセット信号DR1が切り替わるタイミングで
リセットされる。
【0025】次に、図10を参照してモータMの回転動
作について説明する。磁極センサ信号HA,HB,HC
の状態に応じて、相切換信号のパターンを表1のように
設定することによりモータMが回転する。時計方向の回
転(CW)は右切り、反時計方向の回転(CCW)は左
切りに設定してある。先ず、表1における右回転の順1
のように、磁極センサ信号が(HA,HB,HC)=
(H,L,H)の場合には、相切換信号は(LA11,
LB11,LC11,LA21,LB21,LC21)
=(H,L,L,L,H,L)として出力される。この
状態は図10の図示Aの範囲の状態に対応し、三つのホ
ールICに対する磁石51の相対的回転位置関係から明
らかなように、磁極センサ信号HA及びHCがハイレベ
ル(H)となっている。巻線電流の方向はU相からV相
となり、モータMの回転に伴い磁石51は図示時計方向
に回転する。磁石51が30度程回転すると、磁極セン
サ信号HAがハイレベルからローレベルに切り換わる。
これに応じ、相切換信号が(LA11,LB11,LC
11,LA21,LB21,LC21)=(L,L,
H,L,H,L)に切換えられ、モータMは更に30度
回転し、磁極センサ信号HBがハイレベルとなる。この
ようにして、図10の左方の状態から右方の状態に進
み、モータMが連続して回転することとなる。而して、
モータMに対し時計方向の回転(CW)又は反時計方向
の回転(CCW)を与えるには、表1の上段又は下段の
順に従って相切換信号のパターンを切換えればよい。
【表1】
【0026】マイクロプロセッサ1は、図13に示すよ
うに、目標舵角演算部60、モータサーボ制御部61、
相切換制御部62、磁極センサ異常判定部63,オープ
ン制御部64及びスイッチSW1を有する。目標舵角演
算部60はヨーレート値γ、車速V及びステアリング角
θsから目標舵角値AGLAを求める。図13には示し
ていないが、車速Vは第1及び第2車速センサ22,2
3の出力値V1,V2に基づいて演算される。このと
き、二つの車速値の平均を車速Vとしてもよいし、二つ
の車速値の内最大値を車速Vとしてもよい。このように
車速を2系統で検出することにより、車速センサの異常
を検出することができる。また、図13には示していな
いが、前輪舵角θsは第1及び第2前輪舵角センサ1
7,20の出力値θf1,θf2に基づいて演算され
る。この場合において、通常は第1前輪舵角センサ17
としてポテンショメータが用いられるが、ポテンショメ
ータは精度が荒い。一方、第2前輪舵角センサ20とし
てロータリエンコーダを用いると、舵角量を精度よく検
出できるものの、初期舵角量を検出することができな
い。そこで、第1前輪舵角センサ17で第2前輪舵角セ
ンサ20の出力の絶対値を求めることとし、絶対値を求
めた後は第2前輪舵角センサ20の出力をステアリング
角θsとしている。
【0027】図14はモータサーボ制御部61の制御ブ
ロック図を示すもので、微分部90において目標舵角値
AGLAが微分されて微分値SAGLAが求められ、微
分ゲイン設定部91にて目標舵角値の微分値SAGLA
の絶対値に基づき微分ゲインYTDIFGAINが求め
られる。微分値SAGLAの絶対値が4(deg/se
c)以下の場合には微分ゲインは0に、微分値SAGL
Aの絶対値が12(deg/sec)以上の場合には微
分ゲインは4に設定され、微分値SAGLAの絶対値が
4乃至12(deg/sec)の場合には微分ゲインは
0乃至4の値になる。
【0028】一方、後輪舵角センサ21として通常はポ
テンショメータが用いられるが、ポテンショメータは精
度が荒く、また磁極センサ18は舵角量を精度よく検出
できるが、初期舵角量を検出することができない。そこ
で、絶対舵角検出手段である後輪舵角センサ21によっ
て後輪15,16の操舵角の絶対値を求め、絶対値を求
めた後は相対舵角検出手段である磁極センサ18の出力
変化からモータMの回転角度即ち相対舵角値θmを求め
ることとしている。即ち、モータMの出力信号は後輪舵
角カウンタを有する実舵角値演算部100に供給され、
ここでモータMの回転角度θmが、磁極センサ18の出
力パルス信号に応じてインクリメントあるいはデクリメ
ントされる後輪舵角カウンタのカウント値θcとして求
められる。また、後輪舵角センサ21の出力信号に基づ
いてAD変換された絶対舵角値θrが実舵角値演算部1
00に基準値として供給される。
【0029】後輪舵角センサ21は図21に示す出力特
性を有し、絶対舵角値θrに応じた出力電圧が図21の
破線で囲まれた範囲内となるように設定される。本実施
例では0deg位置(中立位置)で2.5Vの出力とさ
れ、±1degの範囲で最大±0.25degの誤差に
制限されるが、最大舵角近傍(±5deg)では±0.
45degの誤差まで許容される。而して、絶対舵角値
θr及び相対舵角値の回転角度θmが求められ、これら
に基づき実舵角値RAGLが求められ減算部92に供給
される。尚、これらのセンサによる後輪舵角の中立補正
制御については後述する。
【0030】減算部92においては目標舵角値AGLA
から実舵角値RAGLが減算され、舵角偏差ΔAGLが
求められる。この舵角偏差ΔAGLは偏差舵角不感帯付
与部93を介して処理される。偏差舵角不感帯付与部9
3は、舵角偏差ΔAGLの絶対値が所定値E2PMAX
以下の場合に舵角偏差値ETH2を0として処理するも
のであり、舵角偏差ΔAGLの値が小さいときには制御
を停止させるものである。得られた舵角偏差値ETH2
は比例部96及び微分部94に送られる。比例部96で
は舵角偏差値ETH2を所定の比例ゲインだけ積算し、
比例項PAGLAを得る。また、微分部94では舵角偏
差値ETH2を微分し、舵角偏差微分値SETH2を得
る。この舵角偏差微分値SETH2と前述の微分ゲイン
YTDIFGAINとが積算部95にて積算され、微分
項DAGLAが得られる。そして、比例項PAGLAと
微分項DAGLAが加算部97にて加算され、舵角値H
PIDが得られる。
【0031】舵角値HPIDは偏差舵角リミッタ98に
より舵角制限がかけられる。偏差舵角リミッタ98は、
舵角値HPIDに比例して制御量ANGを設定すると共
に、制御量ANGが1.5deg以上または−1.5d
eg以下にならないように設定するものである。制御量
ANGはパルス幅変調変換部99にてパルス幅変調信号
に変換され、モータドライバ5に供給される。モータド
ライバ5はパルス幅変調信号に応じてモータMを回転さ
せるもので、これによりモータMがサーボ制御される。
また、舵角偏差はPD制御される。この内、微分項の微
分ゲインは目標舵角値の微分値に応じて変更される。微
分ゲインは目標舵角値の微分値が小さいときには0とな
り、この場合の制御は比例項のみによって行なわれる。
尚、上記PD制御に積分項を追加することとしてもよ
い。また、モータMの回転角度θmは電源電圧の変動に
よっても変化するので、バッテリ電圧を測定し、バッテ
リ電圧に応じて制御量ANGを補正するようにしてもよ
い。
【0032】図15に示すように、マイクロプロセッサ
1の割込み端子と通常入力端子が磁極センサ信号HA,
HB,HCの入力用に供されている。磁極センサ信号H
A,HBはイクスクルーシブOR回路EXOR1に入力
し、磁極センサ信号HCとイクスクルーシブOR回路E
XOR1の出力信号はイクスクルーシブOR回路EXO
R2に入力するように接続されている。而して、磁極セ
ンサ信号HA,HB,HCの内の何れか一つに変化があ
ると、イクスクルーシブOR回路EXOR2の出力が変
化する。
【0033】上述のように磁極センサ信号HA,HB,
HCの内の何れか一つに変化があると、図13の磁極セ
ンサ異常判定部63において、図16に示す磁極センサ
信号エッジ割り込みルーチンが実行される。ここでは、
割り込みがある度に、モータMの回転数が演算された
後、磁極センサ信号の状態が判別され、今回値として記
憶される。即ち、先ずステップ201において、これま
で記憶されていた今回値が前回値として更新され、ステ
ップ202にて、磁極センサ信号HA,HB,HCの入
力端子の状態が読み込まれ、今回値として記憶される。
次に、ステップ203にて、表2に示すマップから前回
予測値が読みだされる。後述するように、磁極センサ1
8は磁極センサ信号HA,HB,HCのうち何れか一つ
が順に変化するよう構成されている。従って、前回値と
今回値に対して、磁極センサ信号HA,HB,HCのう
ちの何れか一つの極性が変化したものになるはずであ
る。
【表2】
【0034】表2のマップの前回予測値には今回値に対
してありうる状態の全てが記憶されている。具体的に
は、今回値が(HA,HB,HC)=(L,L,H)で
あったとき、前回予測値は(H,L,H)または(L,
H,H)となる。図16のステップ204ではこの前回
予測値と実際の前回値とが比較される。磁極センサ18
が正常に機能しておれば、前回予測値と前回値は一致す
るはずである。従って、前回予測値と前回値が一致して
おれば、ステップ205で磁極センサ異常フラグFab
nがクリア(0)される。前回予測値と前回値が一致し
ていなければ、ステップ206にて磁極センサ異常フラ
グFabnがセット(1)され、この磁極センサ信号エ
ッジ割り込みルーチンが終了する。而して、以後の処理
においては、磁極センサ異常フラグFabnが1となっ
ていれば、磁極センサ18に異常有と判定され、磁極セ
ンサ異常フラグFabnがクリアされておれば、以下に
説明する図17のルーチンに従って相切換信号パターン
が設定される。
【0035】図13の相切換制御部62においては、図
17に示すように処理される。先ず、ステップ210に
おいて上記磁極センサ異常フラグFabnが0か否かが
判定され、これがセットされておれば(1であれば)以
下の処理は行なわれない。即ち、磁極センサ18に異常
が検出されたときには、相切換制御ルーチンは実行され
ない。磁極センサ異常フラグFabnがセットされてい
ない場合には、ステップ211に進み前述の磁極センサ
信号のエッジ割り込みがあったか否かが判定される。割
り込みがあった場合には、ステップ212乃至214に
て、時計方向の回転をすべきであれば方向フラグDIに
値CWがセットされ、反時計方向の回転をすべきであれ
ば方向フラグDIに値CCWがセットされる。回転方向
は前述の舵角値HPIDが正か負かで判断可能であり、
HPID>0であれば方向フラグDI=CCWとされ、
HPID<0であれば方向フラグDI=CWとされる。
【0036】次に、ステップ215にて、下記の表3の
マップに基づき相切換信号パターンがセットされる。相
切換信号は6ビット信号であり、各ビットはハイレベル
「H」又はローレベル「L」を取り、下記の表4のよう
に定められている。ステップ215では、今まで出力し
ていた相切換信号パターンと方向フラグDIの状態に基
づき次回の相切換信号パターンが設定される。例えば、
現状値が(LA11,LB11,LC11,LA21,
LB21,LC21)=(H,L,L,L,H,L)で
あって、DI=CW(時計方向の回転)であれば、次回
値として(H,L,L,L,L,H)が設定される。設
定された相切換信号パターンはマイクロプロセッサ1に
おいては相切換信号群L1として演算される。制御サイ
クルが早い場合には、この相切換制御のルーチンを前述
の磁極センサ信号エッジ割り込みルーチン内で行なうと
よい。尚、方向フラグ設定時に舵角値HPIDがゼロと
なった場合には、相切換はストップモードとされ、(L
A11,LB11,LC11,LA21,LB21,L
C21)=(L,L,L,L,L,L)とされる。
【表3】
【表4】
【0037】図13のオープン制御部64においては、
図18に示すように処理される。先ず、ステップ220
において、前述の磁極センサ異常フラグFabnが1か
否かが判定され、0となっていれば以下の処理は行なわ
れない。即ち、磁極センサ18が正常であるときにはオ
ープン制御ルーチンは実行されない。従って、図13の
磁極センサ異常判定部63の判定結果に応じスイッチS
W1が切換えられ、正常時には相切換制御部62が機能
し上述の相切換制御ルーチンが実行され、異常時にはオ
ープン制御部64側に切換られオープン制御ルーチンが
実行される。このオープン制御ルーチンにおいては、オ
ープン制御実行中フラグFop及びタイマTが使用され
る。タイマTに所定時間がセットされると、その後タイ
マTは次第にデクリメントされ、所定時間後に0とな
る。オープン制御実行中フラグFopは初期状態で0と
されている。
【0038】ステップ221では、オープン制御実行中
フラグFopの状態が判定され、オープン制御実行中フ
ラグFopが0であると、次にステップ222にて、タ
イマTが所定時間(例えば1秒)にセットされる。そし
て、タイマTが0以下になるまでの間、ステップ224
にて、相切換信号パターンにモータブレーキパターンが
セットされる。モータブレーキパターンは、(LA1
1,LB11,LC11,LA21,LB21,LC2
1)=(L,L,L,H,H,H)、(LA12,LB
12,LC12,LA22,LB22,LC22)=
(L,L,L,H,H,H)に設定される。所定時間を
経過すると、ステップ225にて、オープン制御実行中
フラグFopがセット(1)される。この状態でタイマ
Tは0以下であるので、ステップ227にて表5に示す
マップから次回の相切換信号パターンがセットされる。
次に、ステップ228にてタイマTが再びセットされ
る。ステップ226ではタイマTが0以下のときのみス
テップ227を実行させるので、ステップ227はタイ
マTに設定された所定時間毎に実行される。
【0039】ステップ227において、次回値は現状の
相切換信号パターン及び後輪舵角センサ21の出力する
絶対舵角値θrと所定値A1との比較結果に応じて設定
される。A1は零に近い値(例えば0.5度)に設定し
てある。例えば、現状の相切換信号パターンが(LA1
1,LB11,LC11,LA21,LB21,LC2
1)=(H,L,L,L,H,L)であり、絶対舵角値
θrが−1degであった場合には、次回の相切換信号
パターンは(H,L,L,L,L,H)となる。表5の
マップは、絶対舵角値θrが負の場合は右回転するよう
に、絶対舵角値θrが正の場合は左回転するように、設
定されている。いずれの場合にも後輪舵角の絶対値が零
に近づくように作用する。後輪舵角の絶対値が所定値A
1以下となると、相切換信号パターンは(L,L,L,
L,L,L)となり、モータ12は停止する。よって、
オープン制御ルーチンでは、後輪舵角が零になり中立復
帰するように相切換信号パターンが制御される。
【表5】
【0040】図19は後輪舵角の中立補正制御の処理を
示すもので、イグニッションスイッチ(図示せず)がオ
ンされマイクロプロセッサ1がリセットされると、先ず
ステップ301にて後輪舵角センサ21の出力信号がA
D変換された後輪の絶対舵角値θrが読み込まれ、ステ
ップ302にて仮セット完了フラグがセット(1)され
ているか否かが判定される。この仮セット完了フラグが
セットされていなければステップ303にて、仮セット
処理が行われる。即ち、後輪舵角カウンタの初期値とし
て絶対舵角値θrがそのまま用いられる。この後、ステ
ップ304にて仮セット完了フラグがセットされ、ステ
ップ302にて仮セット完了フラグがセットされている
と判定された場合と同様、ステップ305に進む。
【0041】ステップ305においては中立補正完了フ
ラグがセットされているか否かが判定され、セットされ
ていなければステップ306に進む。ここで、後輪舵角
センサ21の絶対舵角値θrが±1deg以内であれば
ステップ307に進み、絶対舵角値θrが後輪舵角カウ
ンタの値θcとされた後、ステップ308にて中立補正
完了フラグがセットされ、ステップ309に進む。後輪
舵角が±1degの範囲外であれば、中立補正完了フラ
グがセットされていない場合と同様、そのままステップ
309に進む。尚、ステップ306の条件として|θr
|<1deg且つ|θc|<1degとしてもよい。こ
れによれば、後輪舵角センサ21の異常で|θr|<1
degの誤判定をしても後輪位置が大きくずれることを
防止できる。
【0042】ステップ309においては中立再補正完了
フラグがセットされているか否かが判定され、セットさ
れていなければステップ310にて中立再補正条件が充
足されているか否かが判定される。即ち、図21におけ
る中立位置(0点)の出力電圧2.5Vを横切ったか否
かが判定される。このときの判定条件として前述のステ
ップ306と同様に|θc|<1degをANDの条件
として追加することとしてもよい。この中立再補正条件
が充足されておれば、ステップ311にて絶対舵角値θ
rが後輪舵角カウンタの値θcとされた後、ステップ3
12にて中立再補正完了フラグがセットされる。ステッ
プ309及び312にて中立再補正完了フラグがセット
された後、あるいはステップ310にて中立再補正条件
が充足されていないときにはそのまま、ステップ313
に進み前述のように後輪操舵制御が行われる。この制御
では、相対舵角値の回転角度θmに応じて後輪舵角カウ
ンタの値θcが設定され、これに基づき実舵角値RAG
Lが求められ、後輪操舵制御が行なわれる。
【0043】尚、ステップ305乃至308の中立補正
制御を省略し仮セット完了から直ちにステップ309乃
至312の中立再補正制御を行なうこととしてもよい。
但、イグニッションスイッチをオンとした後カーブを連
続走行するような場合には中立位置(0点)に至るまで
の時間が長くなるので、上記の中立補正制御を省略する
ことなく早期舵角調整をすることが望ましい。
【0044】以上のように、本実施例においては後輪舵
角センサ21は図21に示すように中立付近では高精度
(例えば±0.25deg)が要求されるが、絶対舵角
値が大きい領域では精度は低くても問題ないので、後輪
舵角センサ21を安価に形成することができ、調整も容
易に行なうことができる。また、中立補正後は相対舵角
検出手段たる磁極センサ18によって制御されるため、
断線、短絡等の故障が生じた場合にも急激な後輪操舵作
動が行なわれることはない。
【0045】図20は本発明の他の実施例を示すもの
で、図19のステップ301乃至303が処理され仮セ
ット完了フラグがセットされた後に中立補正が行なわれ
る際、絶対舵角値との誤差が大であると後輪舵角が急変
するので、これを防止するため徐々に舵角調整を行なう
ようにするものである。即ち、図19のステップ304
とステップ309との間で図20に示すように処理され
る。ステップ306にて後輪の絶対舵角値θrが±1d
egの所定範囲以内にあると判定された場合には、ステ
ップ317にて後輪舵角カウンタの値θcと絶対舵角値
θrとの差ΔEが演算された後、ステップ318にて中
立補正完了フラグがセットされる。
【0046】そして、ステップ319乃至324に進
み、差ΔEが正であればステップ320にて後輪舵角カ
ウンタの値θcがデクリメント(−1)されると共に、
ステップ321にて差ΔEがデクリメントされる。一
方、ステップ322にて差ΔEが負と判定されれば、ス
テップ323にて後輪舵角カウンタの値θcがインクリ
メント(+1)されると共に、ステップ324にて差Δ
Eがインクリメントされる。このように処理された後図
19のステップ309乃至312に進み、前述の中立再
補正制御が行なわれる。
【0047】
【発明の効果】本発明は前述のように構成されているの
で以下に記載の効果を奏する。即ち、本発明の車両の後
輪操舵装置においては、絶対舵角検出手段の検出結果を
基準舵角として設定すると共に、基準舵角に基づき且つ
相対舵角検出手段の検出結果に応じて駆動手段を制御し
後輪の中立位置を中心として後輪の操舵角を調整し、後
輪の操舵角が中立位置を中心とする所定範囲内の値に到
達したときには、絶対舵角検出手段の検出結果を基準舵
角として再設定するように構成されており、後輪舵角セ
ンサを安価に形成することができると共に容易に調整す
ることができるので、安価な後輪操舵装置を提供するこ
とができる。また、例えば絶対舵角検出手段の故障時に
も相対舵角検出手段によって制御されるので急激な後輪
操舵作動を回避することができる。
【0048】更に、後輪が中立位置に到達したことが検
出されたときに、基準舵角設定手段によって絶対舵角検
出手段の検出結果を基準舵角として再設定するようにし
た後輪操舵装置においては、中立補正制御の精度を一層
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成図である。
【図2】本発明の一実施例に使用する後輪操舵機構の正
面図である。
【図3】図2の後輪操舵機構の部分断面図である。
【図4】図2の後輪操舵機構の断面図である。
【図5】本発明の一実施例に使用するモータの断面図で
ある。
【図6】本発明の一実施例に使用するモータの断面図で
ある。
【図7】図5,6のモータの巻線説明図である。
【図8】本発明の一実施例に使用する磁石の正面図であ
る。
【図9】本発明の一実施例に使用する磁極センサの基板
の正面図である。
【図10】本発明の一実施例に係る電動モータの作動説
明図である。
【図11】本発明の一実施例に使用する電子制御装置の
回路構成図である。
【図12】図11の電子制御装置のドライバの回路構成
図である。
【図13】図11の電子制御装置のマイクロプロセッサ
の機能ブロック図である。
【図14】図13のマイクロプロセッサのモータサーボ
制御部の機能ブロック図である。
【図15】図11の電子制御装置の磁極センサ入力回路
の回路構成図である。
【図16】本発明の一実施例における磁極センサ信号エ
ッジ割り込みのフローチャートである。
【図17】本発明の一実施例における相切換制御のフロ
ーチャートである。
【図18】本発明の一実施例におけるオープン制御のフ
ローチャートである。
【図19】本発明の一実施例における後輪舵角の中立補
正制御のフローチャートである。
【図20】本発明の他の実施例における後輪舵角の中立
補正制御の一部を示すフローチャートである。
【図21】本発明の一実施例における後輪舵角センサの
出力特性を示すグラフである。
【図22】本発明の構成の概要を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 マイクロプロセッサ 5 モータ
ドライバ 9 電子制御装置 12 モータ
(電動モータ) 17,20 第1,第2前輪舵角センサ 18 磁極センサ(回転センサ) 21 後輪舵
角センサ 22,23 第1,第2車速センサ 55 定電圧
レギュレータ 57 インターフェース 59 バッテ
リ 60 目標舵角演算部 61 モータ
サーボ制御部 62 相切換制御部 63 磁極セ
ンサ異常判定部 64 オープン制御部 86 電流検
出回路 88 異常電流制限回路 89 パルス
幅変調信号合成回路 90,94 微分部 91 微分ゲ
イン設定部 92 減算部 93 偏差舵
角不感帯付与部 95 積算部 96 比例部 97 加算部 98 偏差舵
角リミッタ 99 パルス幅変調変換部 100 実舵
角値演算部 101 ピークホールド回路 AGLA 目標舵角値 HA,HB,HC 磁極センサ信号 L1 相切換
信号群 LA11,LB11,LC11,LA21,LB21,
LC21 相切換信号 M モータ PWM1 パルス幅変調信号 U,V,W
端子 V 車速 γ ヨーレー
ト値 θs ステアリング角
フロントページの続き (72)発明者 田村 和孝 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 松本 只一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 塚 秀守 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−135979(JP,A) 特開 平4−362473(JP,A) 特開 平4−252912(JP,A) 特開 平2−95980(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 B62D 7/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の後輪に連結した操舵機構を駆動手
    段によって駆動制御する車両の後輪操舵装置において、
    前記駆動手段によって前記後輪が実際に操舵された操舵
    角の絶対値を検出する絶対舵角検出手段と、前記後輪の
    操舵角の相対舵角変化を検出する相対舵角検出手段と、
    前記絶対舵角検出手段の検出結果を基準舵角として設定
    する基準舵角設定手段と、前記基準舵角に基づき且つ前
    記相対舵角検出手段の検出結果に応じて前記駆動手段を
    制御し前記後輪の中立位置を中心として前記後輪の操舵
    を調整する制御手段とを備え、該制御手段の調整によ
    って前記後輪の操舵角が前記中立位置を中心とする所定
    範囲内の値に到達したときには、前記基準舵角設定手段
    が前記絶対舵角検出手段の検出結果を前記基準舵角とし
    て再設定するようにしたことを特徴とする車両の後輪操
    舵装置。
  2. 【請求項2】 前記絶対舵角検出手段において前記後輪
    が前記中立位置に到達したことが検出されたときには、
    前記基準舵角設定手段により前記絶対舵角検出手段の検
    出結果を前記基準舵角として再設定するようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載の車両の後輪操舵装置。
  3. 【請求項3】 車両の後輪に連結した操舵機構を駆動手
    段によって駆動制御する車両の後輪操舵装置において、
    前記駆動手段によって前記後輪が実際に操舵された操舵
    角の絶対値を検出する絶対舵角検出手段と、前記後輪の
    操舵角の相対舵角変化を検出する相対舵角検出手段と、
    前記絶対舵角検出手段の検出結果を基準舵角として設定
    する基準舵角設定手段と、前記基準舵角に基づき且つ前
    記相対舵角検出手段の検出結果に応じて前記駆動手段を
    制御し前記後輪の中立位置を中心として前記後輪の操舵
    を調整する制御手段とを備え、前記絶対舵角検出手段
    において前記後輪が前記中立位置に到達したことが検出
    されたときには、前記基準舵角設定手段により前記絶対
    舵角検出手段の検出結果を前記基準舵角として再設定す
    るようにしたことを特徴とする車両の後輪操舵装置。
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