JP3172601B2 - 後輪操舵装置 - Google Patents

後輪操舵装置

Info

Publication number
JP3172601B2
JP3172601B2 JP29885992A JP29885992A JP3172601B2 JP 3172601 B2 JP3172601 B2 JP 3172601B2 JP 29885992 A JP29885992 A JP 29885992A JP 29885992 A JP29885992 A JP 29885992A JP 3172601 B2 JP3172601 B2 JP 3172601B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microprocessor
motor
rear wheel
steering angle
wheel steering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29885992A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06144259A (ja
Inventor
島 茂 充 浜
見 武 彦 伏
田 文 昭 太
武 羽田野
瀬 久 康 間
澤 博 昭 相
島 洋 中
本 只 一 松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
Aisin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Toyota Motor Corp, Aisin Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP29885992A priority Critical patent/JP3172601B2/ja
Publication of JPH06144259A publication Critical patent/JPH06144259A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3172601B2 publication Critical patent/JP3172601B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の後輪を操舵する装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の前輪操舵に加え、後輪
も操舵させることにより車両の操縦性能を向上させる後
輪操舵装置が開発されている。例えば、特開平3−14
3773号公報には、マイクロプロセッサを使ったコン
トロールユニットで後輪の舵角量を演算し、演算結果に
応じて後輪舵角機構を作動させる。後輪舵角機構は電動
モータで制御している。コントロールユニットに異常が
発生した場合には、電動モータと後輪制御機構間に配置
されたクラッチを開き、後輪舵角機構内に設けられたリ
ターンスプリングにより後輪を中立位置に復帰させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車両においては、電動
モータの電力源はバッテリーから得ることになる。車両
のバッテリーの容量には限りがあるので、後輪を駆動す
る電動モータも省電力であることが望ましい。しかしな
がら、異常時の中立復帰にリターンスプリングを設ける
と、リターンスプリングのばね力に抗して後輪を操舵し
なくてはならないため、電動モータのエネルギーの損失
が大きく、通常に比べ大容量のバッテリーを積まなけれ
ばならなかった。バッテリーが大容量になると、その重
量も増え、結果として加速性能や燃費が悪化することに
なる。また、リターンスプリングのばね力に抗して後輪
を操舵すると、制御性が悪くなる。制御性を良くするに
は、更に電動モータを大型化しなければならなかった。
【0004】しかし、単純に従来の技術からリターンス
プリングを取り除くと、コントロールユニットに異常が
発生した場合、後輪を中立位置に戻すことができなくな
る。
【0005】後輪が左右いずれかの方向に操舵されたま
ま放置されると、前輪の操縦性能が低下する。
【0006】そこで、本発明においては、リターンスプ
リングを用いず、かつ、コントロールユニットの異常に
対しても後輪を中立位置に復帰できるようにすることを
第1の課題とする。
【0007】また、電動モータを使用する場合、車輪が
路面から受ける反力に抗して車輪を希望する位置に移動
・固定しておく必要がある。この路面からの力を電動モ
ータだけで受けるには、かなり大型の電動モータが必要
になってしまう。ここで、電動モータと車輪を駆動する
ラック軸の間に逆効率ゼロのハイポイドギヤを設けるこ
とが考えられるが、従来のリターンスプリングはラック
軸に設けられているので、電動モータをフリーにして
も、ラック軸の移動はハイポイドギヤに阻まれ、中立位
置に復帰できなくなる。このため、駆動系に故障が生じ
ると後輪が転舵状態に固定されてしまう。
【0008】そこで、本発明においては、逆効率ゼロの
ハイポイドギヤを設けても、後輪を中立位置に復帰でき
るようにすることを第2の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るために用いた請求項1の発明においては、多相のブラ
シレスモータから成るモータ;前記モータの回転により
制御される後輪操舵機構;前記モータを独立に回転させ
るモータドライバー;第1電源で作動するマイクロプロ
セッサから成り、前記モータドライバーを制御可能な主
制御手段;第2電源で作動するバックアップ用マイクロ
プロセッサから成り、前記モータドライバーを制御可能
な副制御手段;前記主制御手段、副制御手段及びモータ
ドライバーに接続され、主制御手段とモータドライバー
間または副制御手段とモータドライバー間のいずれか一
方を接続する切換手段;主制御手段の異常を検出する異
常検出手段;主制御手段の異常時に主制御手段側から副
制御手段側へ切換手段を切り換える選択手段;を備え
た。ここで、主制御手段は車両の状態に応じて後輪舵角
を調整する。また、副制御手段は主制御手段の異常時に
後輪を中立位置に復帰させる。
【0010】また、上記第1の課題を解決するために用
いた請求項2の発明においては、モータ;該モータによ
り制御される後輪操舵機構;前記モータを回転させるモ
ータドライバー;該モータドライバーに接続された切換
手段;車両状態に応じて後輪の舵角量を演算し、前記切
換手段を介してモータドライバーを制御可能な第1マイ
クロプロセッサ;該第1マイクロプロセッサと同一演算
を行う第2マイクロプロセッサ;前記切換手段を介して
モータドライバーを制御可能なバックアップ用マイクロ
プロセッサ;前記切換手段を切り換える選択手段;を備
えた。ここで、第1マイクロプロセッサは、前記第2マ
イクロプロセッサの演算結果と自己の演算結果を比較
し、第1マイクロプロセッサまたは第2マイクロプロセ
ッサのいずれかが異常であることを識別し、いずれかが
異常であった場合、第1異常信号を出力する。また、第
2マイクロプロセッサは、前記第1マイクロプロセッサ
の演算結果と自己の演算結果を比較し、第1マイクロプ
ロセッサまたは第2マイクロプロセッサのいずれかが異
常であることを識別し、いずれかが異常であった場合、
第2異常信号を出力する。また、選択手段は、第1およ
び第2異常信号のいずれか一方を受けたとき、第1マイ
クロプロセッサ側からバックアップ用マイクロプロセッ
サ側へ切換手段を切り換える。更に、バックアップ用マ
イクロプロセッサは、第1および第2異常信号のいずれ
か一方を受けたとき、後輪を中立位置に復帰させる。
【0011】また、上記第2の課題を解決するために用
いた請求項3の発明においては、請求項1または2の構
成において、後輪操舵機構に、横方向の移動量に応じて
後輪を転舵させるラック軸と、回転により前記ラックを
横方向移動させるピニオンと、該ピニオンに固定され、
前記モータにより回転する逆効率ゼロのハイポイドギヤ
とを備えた。
【0012】
【作用】上記請求項1の発明によれば、主制御手段が正
常の時は、主制御手段がモータドライバーを駆動してモ
ータを回転させる。ここで、主制御手段が異常になる
と、異常検出手段が異常を検出し、これに応じて選択手
段が副制御手段とモータドライバー間を接続する。副制
御手段は、後輪を中立位置に復帰させる。したがって、
主制御手段が異常時には、副制御手段によって後輪が中
立位置に復帰される。
【0013】上記請求項2の発明によれば、第1マイク
ロプロセッサおよび第2マイクロプロセッサは、車両状
態に応じて後輪の舵角量を演算し、切換手段を介してモ
ータドライバーを制御可能する。ここで、第1マイクロ
プロセッサまたは第2マイクロプロセッサのいずれか一
方が異常となったとき、第1マイクロプロセッサと第2
マイクロプロセッサの演算結果が異なるようになるの
で、第1マイクロプロセッサから第1異常信号が出力さ
れるか、または、第2マイクロプロセッサから第2異常
信号が出力される。このとき、選択手段は、第1マイク
ロプロセッサ側からバックアップ用マイクロプロセッサ
側へ切換手段を切り換え、バックアップ用マイクロプロ
セッサは、後輪を中立位置に復帰させる。
【0014】上記請求項3の発明によれば、後輪操舵機
構に逆効率零のハイポイドギヤを備えたので、後輪の車
輪側から力を受けてもモータ軸は回転しない。モータド
ライバーがモータを駆動したときのみラック軸が移動し
後輪を転舵させることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0016】図1に本発明の後輪操舵装置を搭載した車
両の構成を示す。前輪13,14は前輪操舵装置10に
よりステアリングホイール19の回動走査に応じて操舵
される。前輪の操舵量は、前輪操舵装置10のラックの
移動量を検出する第1前輪舵角センサ17とステアリン
グホイール19が取り付けられた操舵軸に設けられた第
2前輪舵角センサ20により検出される。第1前輪舵角
センサ17には、例えばポテンショメータ等のようなリ
ニアセンサを用い、第2前輪舵角センサ20には、回転
時にパルスを発するロータリエンコーダ等のようなステ
アリングセンサを用いている。
【0017】後輪15,16は後輪操舵機構11により
操舵される。後輪操舵機構11はモータ12の回転に応
じて動作する。モータ12の端部には、モータ12の回
転角度を検出する磁極センサ18が設けられている。ま
た、後輪15,16の実際の舵角を検出するための後輪
舵角センサ21が後輪操舵軸としてのラック軸25に設
けられている。この後輪舵角センサ21は後輪舵角機構
11の内部に内蔵してもよい。
【0018】車両には、他に、車両の速度を検出する2
系統の第1車速センサ22,第2車速センサ23および
車両のヨーレートを測定するヨーレートセンサ24を備
える。
【0019】モータ12は電子制御装置9からの信号に
より制御される。電子制御装置9は、第1前輪舵角セン
サ17,第2前輪舵角センサ20,磁極センサ18,後
輪舵角センサ21,第1車速センサ22,第2車速セン
サ23,ヨーレートセンサ24の各センサ出力を受け、
モータ12の回転量を定め、モータ12に制御信号を送
り制御する。
【0020】後輪操舵機構11を図2に示す。ここで
は、後輪舵角センサ21を後輪操舵機構11内に内蔵し
た例を示す。後輪操舵機構11には、磁極センサ18,
モータ12のモータハウジング40及び後輪舵角センサ
21がハウジング38に固定されるカバー36上に一体
に設けられている。図3は、図2の後輪操舵機構11の
背面からみた部分断面図である。ラック軸25が車両の
進行方向に対して直角に設けられている。ラック軸25
の両端部はボールジョイント53を介して後輪のナック
ルアームに接続されている。ラック軸25の両端部はブ
ーツ28により保護されている。ハウジング38の図示
右端にはチューブ39がはめ込まれている。チューブ3
9を交換することでラック軸25の長さが変わってもハ
ウジング38を変更せずに対応できる。ラック軸25に
はラック26が刻まれていて、ラック26は車両の前後
方向に延びるピニオン27と噛み合う。ラックガイドカ
バー32がハウジング38に固定され、ラックガイド3
1をラック26に向けてばね付勢することでラック26
をピニオン27側へ押しつける。ピニオン27は図4に
示すようにギヤ29に焼きばめ(圧入)により固定さ
れ、ピン37により相対回転を阻止する。
【0021】ギヤ29の面と平行に後輪舵角センサ21
が設けられる。後輪舵角センサ21はポテンショメータ
を内蔵し、軸54の回転角度を検出する。軸54には、
レバー33を介してピン34が設けられている。ピン3
4は、ギヤ29に設けられた孔35にはめ込まれてい
る。これにより、ギヤ29が回転すると軸54も一緒に
回転する。ギヤ29の回転量はラック軸25の横移動量
に比例するため、後輪の舵角量が後輪舵角センサ21に
より検出できる。
【0022】図3に示すように、ギヤ29はモータ12
のモータ軸41の先端に設けられたピニオン30と噛み
合う。ピニオン30とギヤ29は、ハイポイドギヤを構
成する。このハイポイドギヤはモータ12のモータ軸4
1の回転をギヤ29の回転として伝えるが、ラック軸2
5側からギヤ29を回転させようとしたとき、モータ1
2のモータ軸41は回転しないように逆効率零になるよ
うに設定されている。
【0023】また、ピニオン30とギヤ29は、減速比
を大きくとるようにHRH(ハイレシオハイポイド)ギ
ヤを形成している。ギヤ比はモータ12の極数や、操舵
角の分解能等により定められるため、車両によって異な
るが、本実施例では67対1に設定されている。
【0024】モータ12の断面を図5に示す。モータ軸
41はモータハウジング40内に回動可能に支持され
る。モータ軸41の回りには2極の磁石42が固定され
ている。また、モータハウジング40には、磁石42に
対向してコア43が固定されており、コア43にはモー
タ巻線44が巻かれている。図6に、図5のモータ12
のA−A断面を示す。コア43には内部に向けて延びる
12本の突起43aが形成されており、モータ巻線44
はこの突起43aに巻かれる。モータ巻線44の巻き方
を図7に示す。図7は磁極センサ18側からモータ巻線
44を見た図である。モータ巻線44は6相に巻かれて
いるが、半分の3相を1系統とした2系統となってい
る。巻線44a,44b,44cを1系統目、巻線44
d,44e,44fを2系統目としている。巻線44
a,44b,44c,44d,44eおよび44fの一
端はそれぞれ端子U1,V1,W1,U2,V2および
W2から出力される。巻線44a,44b,44cの他
端は電気的に接続されている。また、巻線44d,44
e,44fの他端も電気的に接続されている。このよう
に、モータ12は3相2極2系統のブラシレスモータと
なっている。このため、1系統が故障により動かなくて
も、他の系統によりモータを回転させることができる。
また、2系統を同時に作動させれば、パワーが下がるこ
とはない。モータ巻線44はそれぞれの系統ごとにター
ミナル45を介してワイヤーハーネス46に接続されて
いる。
【0025】図5において、モータハウジング40の一
端は開口端となっており、ここに磁極センサ18が取付
けられる。基板49のホルダ47は、モータハウジング
40の開口端に固定される。基板49上には3個のホー
ルIC50が設けられている。また、モータ12のモー
タ軸41の端部にはローター52が固定される。このロ
ーター52には磁石51が設けられている。ホルダ47
はカバー48により蓋をされる。磁石51は、図8に示
すように、2極の円板状に形成されている。基板49に
は、図9に示すように、3個のホールIC50が、それ
ぞれ60度ずつずれて配置されている。3個のホールI
C50の出力は、後述の電子制御装置9において、磁極
信号HA,HB,HCとして使用される。
【0026】モータ軸41が回転すると、図10の磁石
51回転状態に示すようにホールIC(図示A,B,
C)に対して磁石51が回転し、磁極センサ18の3本
の出力である磁極信号HA,HB,HCが図示のように
ハイレベル(H)とローレベル(L)間で変化する。図
10はモータが時計回り(CW)に回転している状態を
示す。モータが反時計回り(CCW)に回転するときに
は図示右から左へ向かう方向に磁極センサ18の磁極信
号HA,HB,HCが切り換わる。この磁極信号HA,
HB,HCの切り換わりに同期してモータ巻線44の巻
線電流を切り換えればモータが回転する。モータの回転
時の電流方向については後述する。
【0027】次に、図11を参照して電子制御装置9の
詳細を説明する。電子制御装置9は車載のバッテリー5
9に接続されている。バッテリー59は、ヒューズおよ
びリレー77を介して電源端子PIGAに、ヒューズお
よびリレー78を介して電源端子PIGBに、接続され
ている。リレー77および78はそれぞれリレー駆動回
路79および80により開閉される。また、バッテリー
59はヒューズおよびイグニッションスイッチIGSW
を介して電源端子IGA,IGBに接続されている。電
源端子IGA,IGBはそれぞれ第1定電圧レギュレー
タ55および第2定電圧レギュレータ56に接続されて
いる。第1定電圧レギュレータ55は定電圧Vcc1を
出力する。第2定電圧レギュレータ56は定電圧Vcc
2を出力する。
【0028】電子制御装置9は、主制御手段である第1
マイクロプロセッサ1,第2マイクロプロセッサ2,副
制御手段であるバックアップ用マイクロプロセッサ3の
3つのマイクロプロセッサを備える。第1マイクロプロ
セッサ1,第2マイクロプロセッサ2は定電圧Vcc1
により作動する。バックアップ用マイクロプロセッサ3
は定電圧Vcc2により作動する。前述した第1前輪舵
角センサ17,第2前輪舵角センサ20,第1車速セン
サ22,第2車速センサ23,ヨーレートセンサ24,
磁極センサ18の出力はインターフェース57を介して
それぞれ第1マイクロプロセッサ1,第2マイクロプロ
セッサ2に入力されている。また、後輪舵角センサ21
の出力はインターフェース58を介して第1マイクロプ
ロセッサ1,第2マイクロプロセッサ2およびバックア
ップ用マイクロプロセッサ3に入力されている。ここで
は、第1前輪舵角センサ17の出力をθf1,第2前輪
舵角センサ20の出力をθf2,第1車速センサ22の
出力をV1,第2車速センサ23の出力をV2,ヨーレ
ートセンサ24の出力をγ,磁極センサ18の3本の出
力をHA,HB,HC,後輪舵角センサ21の出力をθ
rとしている。
【0029】前述したように電子制御装置9は3相2系
統のモータ12を制御する。ここでは2系統のモータを
それぞれM1,M2として説明する。モータM1の各相
の端子U1,V1,W1は電子制御装置9の第1モータ
ドライバー5に接続されている。モータM2の各相の端
子U2,V2,W2は電子制御装置9の第2モータドラ
イバー6に接続されている。
【0030】ここで、第1モータドライバー5の詳細を
図12を参照して説明する。第1モータドライバー5は
相切換信号LA11,LB11,LC11,LA21,
LB21,LC21からなる相切換信号群L1とパルス
幅変調(Pulse Width Modulation) 信号PWM1により
制御される。ハイサイド側を制御するための相切換信号
LA11,LB11,LC11は異常電流制限回路88
を介してゲート駆動回路G11に入力される。異常電流
制限回路88は通常は入力信号をそのまま出力側から出
力する。ゲート駆動回路G11はパワーMOSFETで
あるトランジスタTA11,TB11,TC11をオン
−オフ駆動する。また、ゲート駆動回路G11は昇圧も
行い、トランジスタTA11,TB11,TC11のゲ
ートに昇圧した電圧を与える。同時に、ゲート駆動回路
G11は昇圧電圧を昇圧電圧値RV1として出力する。
トランジスタTA11,TB11,TC11は、電源端
子PIGAからパターンヒューズPH,チョークコイル
TCおよび抵抗Rsを介して得られる高電圧を、それぞ
れモータM1の3相の各端子U1,V1,W1に供給可
能に配置されている。尚、トランジスタTA11,TB
11,TC11,TA21,TB21,TC21のゲー
トとソース間には、ツェナーダイオードが挿入されてお
り、パワーMOSFETの保護を行っている。これは、
電源電圧が何らかの原因で20Vを越えると、パワーM
OSFETのゲート−ソース間電圧が20Vを越え、パ
ワーMOSFETが破壊されるので、これを防ぐためで
ある。
【0031】尚、この場合には、リレー77,78のオ
フとトランジスタの駆動信号をオフする処理も行い、回
路の保護を行っている。一方、ローサイド側を制御する
ための相切換信号LA21,LB21,LC21は、パ
ルス幅変調信号合成回路89および異常電流制限回路8
8を介してゲート駆動回路G21に接続されている。パ
ルス幅変調信号合成回路89は相切換信号LA21,L
B21,LC21をそれぞれパルス幅変調信号PWM1
と合成する。ゲート駆動回路G21はMOSFETであ
るトランジスタTA21,TB21,TC21をオン−
オフ駆動する。これらのトランジスタTA21,TB2
1,TC21は、モータM1の3相の各端子U1,V
1,W1とバッテリー59のグランド間を接続可能に配
置されている。各トランジスタTA11,TB11,T
C11,TA21,TB21,TC21には保護用のダ
イオードD3〜8がそれぞれ接続されている。トランジ
スタTA11,TB11,TC11に与えられる電圧は
電圧PIGM1として出力される。この電圧PIGM1
と、ゲート駆動回路G11の昇圧電圧値RV1との差が
2V程度に下がると、MOSFETであるトランジスタ
TA11,TB11,TC11,TA21,TB21,
TC21のオン抵抗が増え、異常発熱をおこす場合があ
る。したがって、電圧PIGM1と、ゲート駆動回路G
11の昇圧電圧値RV1との差が所定値以下となったら
全トランジスタTA11,TB11,TC11,TA2
1,TB21,TC21をオフさせるようにするとよ
い。尚、グランドに接続されるトランジスタTA21,
TB21,TC21のソースには大電流が流れるので、
マイクロプロセッサ等の弱電回路部のグランドとは別系
統でグランドを配線するのがよい。
【0032】抵抗Rsの両端には、電流検出回路86が
設けられており、抵抗Rsに流れる電流値を検出する。
更に、電流検出回路86は抵抗Rsに流れる電流値が1
8A以上のとき過電流と判定し、出力信号MOC1から
過電流信号を出力する。また、電流検出回路86は抵抗
Rsに流れる電流値が25A以上のとき異常電流と判定
し、出力信号MS1から異常電流信号を出力する。過電
流が発生したときにはパルス幅変調信号合成回路89に
過電流信号を与え、ローサイド側で制限をかける。ま
た、異常電流が発生した場合には異常電流制限回路88
に異常電流信号を与え、ハイサイドおよびローサイド側
で制限をかける。この場合、全てのトランジスタTA1
1,TB11,TC11,TA21,TB21,TC2
1を異常電流検出時から一定時間オフさせてやればよ
い。この一定時間は、予想される最大電流に対してFE
Tの安全動作領域内となるように設定するとよい。
【0033】電流検出回路86により検出された電流値
はピークホールド回路101に与えられる。ピークホー
ルド回路101は電流値のピーク値をピーク信号MI1
として出力する。ピークホールド回路101はリセット
信号DR1が切り替わるタイミングでリセットされる。
【0034】次に、再び図10を参照してモータM1の
回転動作について説明する。相切換信号のパターンは、
磁極信号HA,HB,HCの状態に応じて表1のように
設定するとモータM1は回転する。時計方向の回転(C
W)は右切り、反時計方向の回転(CCW)は左切りに
設定してある。表1における右回転の順1のように、磁
極信号が(HA,HB,HC)=(H,L,H)の場合
を想定する。このとき、相切換信号に(LA11,LB
11,LC11,LA21,LB21,LC21)=
(H,L,L,L,H,L)が出力される。この状態は
図10の図示Aの範囲の状態を示す。磁極センサ18の
磁石51の回転状態に示すように、3つのホールICの
内磁極信号HAとHCがハイレベルとなっている。巻線
電流の方向はUからVとなり、このときモータが回転し
磁石51は図示時計方向に回転する。磁石51が15度
程回転すると、磁極信号HAがハイレベルからローレベ
ルに切り換わる。これに合わせて相切換信号を(LA1
1,LB11,LC11,LA21,LB21,LC2
1)=(H,L,L,L,H,L)に切り換えるとモー
タは連続して回転するようになる。このように、時計方
向の回転(CW)または反時計方向の回転(CCW)を
モータに与えるには、表1の順にしたがって相切換信号
のパターンを切り換えればよい。
【0035】
【表1】
【0036】尚、第2モータドライバー6もほぼ同一構
成である。ただし、相切換信号LA11,LB11,L
C11,LA21,LB21,LC21からなる相切換
信号群L1の代わりに相切換信号LA12,LB12,
LC12,LA22,LB22,LC22からなる相切
換信号群L2が入力され、パルス幅変調信号PWM1の
代わりにパルス幅変調信号PWM2が入力されてモータ
M2の3相の各端子U2,V2,W2に出力される点で
異なる。
【0037】このモータM1,M2の故障は上記の異常
電流値の他に、ピークホールド回路101のピークホー
ルド値によっても検出することができる。モータM1,
M2では、U相−V相間,V相−W相間,または、W相
−U相間のいずれかに電流が流れるので、相切換毎にモ
ータに流れる電流をピークホールドすれば、ピーク値は
常に同じレベルになるはずである。ここで、例えば、U
相が断線すると、U相−V相間またはW相−U相間では
電流が流れず、V相−W相間に流れるときだけ、電流の
ピーク値が高くなる。また、U相が短絡すると、U相−
V相間またはW相−U相間では電流が倍増し、V相−W
相間に流れるときだけ、電流のピーク値が低くなる。し
たがって、相切換毎のピーク値が3回連続して同じレベ
ルでなければ、いずれかの相が異常であると判断でき
る。また、モータ回転速度とPWMからモータ電流を推
測することができる。電流のピークホールド値がこの推
測値に対してずれた場合にもモータの異常と判断するこ
とができる。
【0038】図11において、第1モータドライバー5
は電源端子PIGAおよびIGAから電力を得る。第1
モータドライバー5の入力には第3リレー75を介して
第1リレー7が接続されている。第1リレー7は、第1
マイクロプロセッサ1から出力された信号である相切換
信号群L1(L1は相切換信号LA11,LB11,L
C11,LA21,LB21,LC21からなる信号
群)およびパルス幅変調信号PWM1と、バックアップ
用マイクロプロセッサ3から出力された信号である相切
換信号群L3(L3は相切換信号LA11,LB11,
LC11,LA21,LB21,LC21からなる信号
群)およびパルス幅変調信号PWM3とのいずれか一方
を第3リレー75に与える。また、第3リレー75は、
第1リレー7と第1モータドライバー5間の接続・遮断
を行う。第1リレー7はセレクタ4からの信号S3によ
り切り換えられる。また、第3リレー75はブレーキ信
号発生回路67の信号S5により制御される。ブレーキ
信号発生回路67はセレクタ4からの信号S3がローレ
ベルに切り替わったとき所定時間だけリレー75を遮断
する。リレー75が遮断すると、第1モータドライバー
5には相切換信号群L1,L3およびパルス幅変調信号
PWM1,PWM3が与えられず、モータM1にはブレ
ーキがかかる。
【0039】同様に、モータM2の各相の端子U2,V
2,W2は電子制御装置9の第2モータドライバー6に
接続されている。第2モータドライバー6は電源端子P
IGBおよびIGBから電力を得る。第2モータドライ
バー6の入力には第4リレー76を介して第2リレー8
が接続されている。第2リレー8は、第1マイクロプロ
セッサ1から出力された信号である相切換信号群L1お
よびパルス幅変調信号PWM1と、バックアップ用マイ
クロプロセッサ3から出力された信号である相切換信号
群L3およびパルス幅変調信号PWM3とのいずれか一
方を第4リレー76に与える。また、第4リレー76
は、第2リレー8と第2モータドライバー6間の接続・
遮断を行う。第2リレー8はセレクタ4からの信号S4
により切り換えられる。また、第4リレー76はブレー
キ信号発生回路68の信号S6により制御される。ブレ
ーキ信号発生回路68はセレクタ4からの信号S4がロ
ーレベルに切り替わったとき所定時間だけリレー76を
遮断する。リレー76が遮断すると、第2モータドライ
バー6には相切換信号群L1,L3およびパルス幅変調
信号PWM1,PWM3が与えられず、モータM2には
ブレーキがかかる。
【0040】セレクタ4は第1マイクロプロセッサ1か
ら信号S1を受け、また、第2マイクロプロセッサ2か
ら信号S2を受け、信号S3およびS4をそれぞれ第1
リレー7,第2リレー8に出力する。信号S3およびS
4はバックアップ用マイクロプロセッサ3にも送られ
る。
【0041】第2マイクロプロセッサ2は第1マイクロ
プロセッサ1の出力である相切換信号群L1およびパル
ス幅変調信号PWM1を傍受している。また、第2マイ
クロプロセッサ2は第1マイクロプロセッサ1とデータ
送受信している。
【0042】セレクタ4の構成を図13に示す。セレク
タ4には電源電圧を監視するコンパレータCOMP1が
備えられている。コンパレータCOMP1は電源端子I
GAおよびIGBからダイオードD1およびD2を介し
て電源電圧を得ている。この電源電圧が抵抗により分圧
されて基準電圧refが生成される。基準電圧refは
前述の定電圧Vcc1よりも若干高い電圧に設定されて
いる。本実施例の場合、Vcc1は約5Vの出力を行
う。そこで、基準電圧refを7V程度に設定してい
る。コンパレータCOMP1はこの基準電圧refと定
電圧Vcc1の電圧値を比較する。定電圧Vcc1の電
圧値が正常であれば、コンパレータCOMP1はローレ
ベルの電圧を出力する。定電圧Vcc1の電圧値が基準
電圧ref以上に高くなるとコンパレータCOMP1は
ハイレベルの電圧を出力する。コンパレータCOMP1
の出力は反転されてアンド回路AND1およびアンド回
路AND2に入力される。第1マイクロプロセッサ1か
らの出力S1と第2マイクロプロセッサ2からの出力S
2も同様に反転されアンド回路AND1およびアンド回
路AND2に入力される。第1マイクロプロセッサ1の
出力S1は第1マイクロプロセッサ1内で異常判定が行
われたときハイレベルとなり、それ以外はローレベルと
なる。また、第2マイクロプロセッサ2の出力S2は第
2マイクロプロセッサ2内で異常判定が行われたときハ
イレベルとなり、それ以外はローレベルとなる。したが
って、アンド回路AND1の出力S3およびアンド回路
AND2の出力S4は、定電圧Vcc1の値が異常上昇
したとき、第1マイクロプロセッサ1が異常判定したと
き、または、第2マイクロプロセッサ2が異常判定した
とき、ローレベルとなる。第1リレー7は信号S3がロ
ーレベルのときバックアップ用マイクロプロセッサ3側
に切り換わる。また、第2リレー8は信号S4がローレ
ベルのときバックアップ用マイクロプロセッサ3側に切
り換わる。定電圧Vcc1,第1マイクロプロセッサ
1,第2マイクロプロセッサ2共に正常のときには信号
S3およびS4はハイレベルとなる。第1リレー7は信
号S3がハイレベルのとき第1マイクロプロセッサ1側
に切り換わる。また、第2リレー8は信号S4がハイレ
ベルのとき第1マイクロプロセッサ1側に切り換わる。
これにより、定電圧Vcc1,第1マイクロプロセッサ
1,第2マイクロプロセッサ2等のシステムが正常のと
きには、第1モータドライバー5,第2モータドライバ
ー6は第1マイクロプロセッサ1からの相切換信号群L
1およびパルス幅変調信号PWM1に応じてモータM
1,M2を回転させる。また、システムに異常が発生し
たときには、第1モータドライバー5,第2モータドラ
イバー6はバックアップ用マイクロプロセッサ3からの
相切換信号群L3およびパルス幅変調信号PWM3に応
じてモータM1,M2を回転させる。よって、システム
異常時にもバックアップ用マイクロプロセッサ3により
モータの制御ができる。バックアップ用マイクロプロセ
ッサ3の電源には定電圧Vcc2を使っているので、定
電圧Vcc1が異常時でもモータ制御が可能である。ま
た、定電圧Vcc2が異常のときには、第1マイクロプ
ロセッサ1でモータ制御ができる。尚、信号S3,S4
が切り替わってから所定時間はモータブレーキ発生回路
67,68により所定時間だけリレー75,76がオフ
し、モータM1,M2にはブレーキがかかるため、モー
タM1,M2は停止する。こののち、バックアップ用マ
イクロプロセッサ3によるモータの中立復帰が行われ
る。
【0043】次に、第1マイクロプロセッサ1および第
2マイクロプロセッサ2の構成を図14に示す。第1マ
イクロプロセッサ1と第2マイクロプロセッサ2はほぼ
同一の構成をしており、第1マイクロプロセッサ1の出
力信号が第1リレー7,第2リレー8に送られる点にお
いて異なる。以下、第1マイクロプロセッサ1の構成に
ついて説明する。第1マイクロプロセッサ1の制御はブ
ロック図で表すと、目標舵角演算部60,モータサーボ
制御部61,相切換制御部62,磁極センサ異常判定部
63,オープン制御部64,第2マイクロプロセッサ監
視部65およびスイッチSW1からなる。尚、第2マイ
クロプロセッサ2の制御も同様にブロック図で表すと、
目標舵角演算部66,モータサーボ制御部70,相切換
制御部71,磁極センサ異常判定部72,オープン制御
部73,第1マイクロプロセッサ監視部74およびスイ
ッチSW2からなる。
【0044】目標舵角演算部60はヨーレート値γ,車
速Vおよびステアリング角θsから目標舵角値AGLA
を求める。図示していないが、車速Vは2つの車速セン
サ22,23の出力値V1,V2から求める。このと
き、2つの車速値の平均を車速Vとしてもよいし、2つ
の車速値の内最大値を車速Vとしてもよい。車速を2系
統で検出することにより、車速センサの異常を検出する
ことができる。また、図示していないが、前輪舵角θs
は2つの前輪舵角センサ17,20の出力値θf1,θ
f2から求める。通常は第1前輪舵角センサ17にポテ
ンショメータを用いるが、ポテンショメータは精度が荒
い。また、第2前輪舵角センサ20にロータリエンコー
ダを用いると、舵角量を精度よく検出できるが、初期舵
角量を検出することができない。そこで、第1前輪舵角
センサ17で第2舵角センサ20の出力の中立点を求
め、中立点を求めた後は第2前輪舵角センサ20の出力
をステアリング角θsとする。
【0045】目標舵角演算部60の制御ブロック図を図
15に示す。ステアリングゲイン設定部82およびヨー
レートゲイン設定部83は車速Vの値に応じてそれぞれ
ステアリングゲインK1(V),ヨーレートゲインK2
(V)を設定する。積算部84はステアリングゲインK
1(V)とステアリング角θsとを積算し、ステアリン
グ制御量θ2を得る。積算部85はヨーレートゲインK
2(V)とヨーレートγとを積算し、ヨーレート制御量
θ3を得る。一方、逆相量設定部81はステアリング角
θsから逆相制御量θ1を得る。加算部87は逆相制御
量θ1,ステアリング制御量θ2およびヨーレート制御
量θ3を加算し目標舵角AGLAを得る。
【0046】ここで、逆相量設定部81はステアリング
角θsが約200度以下の場合には逆相制御量θ1を零
とし、ステアリング角θsが約200度以上となったと
き所定のゲインを掛けるよう設定している。これによ
り、運転者がステアリングホイール19を大きく回した
場合、目標舵角AGLAは逆相になり、車両は小回りが
きくようになる。尚、高速走行中はステアリングホイー
ル19を200度以上回すことはないので、高速走行中
には後輪は逆相になることはない。
【0047】ステアリングゲイン設定部82はステアリ
ングゲインK1(V)を、車速が例えば30Km/h以下で
は零とし、30〜40Km/h程度で負の値とし、40Km/h
以上で正の値とする。また、ヨーレートゲイン設定部8
3はヨーレートゲインK2(V)を、車速が例えば30
Km/h以下では零とし、30〜40Km/h程度以上で正の値
とする。尚、具体的な数値は車両により異なる。これに
より、約30Km/hの低速走行中には後輪の舵角制御量を
前述の逆相制御量θ1のみとし、高車速になるとステア
リング角とヨーレートの量に応じた同相制御を行う。こ
こで、ステアリングゲインK1(V)を30〜40Km/h
程度で負の値とするのは、走行中の操舵時に一瞬だけ逆
相制御し、その後同相にする(ヨーレートが出始めると
同相に戻る)位相反転制御を行うためである。尚、ヨー
レート制御量θ3は、操舵フィーリングを増すために、
所定量以上でリミッタをかけるようにしてもよい。
【0048】図16にモータサーボ制御部61の制御ブ
ロック図を示す。微分部90は目標舵角値AGLAを微
分し、微分値SAGLAを得る。微分ゲイン設定部91
は目標舵角値の微分値SAGLAから微分ゲインYTD
IFGAINを求める。ここでは微分値SAGLAの絶
対値から微分ゲインYTDIFGAINを得る。微分値
SAGLAの絶対値が0.12deg以下の場合には微
分ゲインは0に、微分値SAGLAの絶対値が0.48
deg以上の場合には微分ゲインは4に設定され、微分
値SAGLAの絶対値が0.12〜0.48degの場
合には微分ゲインは0〜4の値になる。モータM1の回
転角度θmは磁極センサ18の出力から得る。図示して
いないが、モータ回転角度θmは磁極センサ18の出力
値HA,HB,HCと後輪舵角センサ21の出力値θr
から求める。通常は後輪舵角センサ21にポテンショメ
ータを用いるが、ポテンショメータは精度が荒い。ま
た、磁極センサ18は舵角量を精度よく検出できるが、
初期舵角量を検出することができない。そこで、後輪舵
角センサ21で磁極センサ18の中立点を求め、中立点
を求めた後は磁極センサ18の出力変化からモータ回転
角度θmを求めている。回転角度θmはバッファ100
を介して実舵角値RAGLとして減算部92に与えられ
る。減算部92は目標舵角値AGLAから実舵角値RA
GLを減算し、舵角偏差ΔAGLを求める。この舵角偏
差ΔAGLは偏差舵角不感帯付与部93を介して処理さ
れる。偏差舵角不感帯付与部93は舵角偏差ΔAGLの
絶対値が所定値E2PMAX以下の場合に舵角偏差値E
TH2を0として処理するものであり、舵角偏差ΔAG
Lの値が小さいとき、制御を停止させるものである。得
られた舵角偏差値ETH2は比例部96および微分部9
4に送られる。比例部96は舵角偏差値ETH2を所定
の比例ゲインだけ積算し、比例項PAGLAを得る。ま
た、微分部94は舵角偏差値ETH2を微分し、舵角偏
差微分値SETH2を得る。舵角偏差微分値SETH2
と前述の微分ゲインYTDIFGAINとが積算部95
により積算され、微分項DAGLAが得られる。比例項
PAGLAと微分項DAGLAは加算部97により加算
され舵角値HPIDが得られる。舵角値HPIDは偏差
舵角リミッタ98により舵角制限がかけられる。偏差舵
角リミッタ98は制御量ANGが舵角値HPIDに比例
して与えられ、かつ、制御量が1.5deg以上または
−1.5deg以下にならないように、制御量ANGを
与える。制御量ANGはパルス幅変調変換部99にてパ
ルス幅変調信号に変換され、第1モータドライバー5に
送られる。第1モータドライバー5はパルス幅変調信号
に応じてモータM1を回転させる。このように、モータ
M1はサーボ制御される。また、舵角偏差はPD制御さ
れる。この内、微分項の微分ゲインは目標舵角値の微分
値に応じて変更される。微分ゲインは目標舵角値の微分
値が小さいとき0となり、制御は比例項のみによりなさ
れる。尚、上記PD制御に積分項を追加するようにして
も構わない。また、モータM1の回転角度は電源電圧の
変動によっても変化するので、バッテリー電圧を測定
し、バッテリー電圧に応じて制御量AGLを補正するよ
うにしてもよい。
【0049】第1マイクロプロセッサ1の磁極センサ信
号HA,HB,HCの入力端子には、図17に示すよう
に、第1マイクロプロセッサ1の割込み端子と通常入力
端子を使用している。磁極センサ信号HA,HBはイク
スクルーシブOR回路EXOR1の入力端子に接続され
ている。磁極センサ信号HCとイクスクルーシブOR回
路EXOR1の出力端子はイクスクルーシブOR回路E
XOR2の入力端子に接続されている。磁極センサ信号
HA,HB,HCのうちいずれか1つに変化があると、
イクスクルーシブOR回路EXOR2の出力が変化す
る。
【0050】磁極センサ信号HA,HB,HCのうちい
ずれか1つに変化があると、第1マイクロプロセッサ1
は、図18に示すような、磁極センサ信号エッジ割り込
みルーチンを実行する。この磁極センサ信号エッジ割り
込みルーチンは磁極センサ信号を認識するとともに、図
14の磁極センサ異常判定部63の機能を果たしてい
る。ここでは、割り込みがある度に、磁極センサ信号の
状態を読み、今回値として記憶すると共に、今まで記憶
していた今回値を前回値として更新する処理を行う。図
18において、ステップ200では、今まで記憶してい
た磁極センサ信号を前回値として更新する。次に、ステ
ップ201にて、磁極センサ信号HA,HB,HCの入
力端子の状態を読み、今回値として記憶する。次に、ス
テップ202にて、表2に示すマップから前回予測値を
読みだす。磁極センサ18は、後述するが、磁極センサ
信号HA,HB,HCのうちいずれか1つが順に変化す
るよう構成されている。したがって、前回値と今回値に
対して、HA,HB,HCのうちのいずれか1つの極性
が変化したものになるはずである。表2のマップの前回
予測値には今回値に対してありうる状態の全て記憶され
ている。具体的には、今回値が(HA,HB,HC)=
(L,L,H)であったとき、前回予測値は(H,L,
H)または(L,H,H)となる。図18のステップ2
03ではこの前回予測値と実際の前回値とを比較する。
磁極センサ18が正常に機能しておれば、前回予測値と
前回値は一致するはずである。前回予測値と前回値は一
致しておれば、ステップ204で異常フラグFabnを
0とする。また、前回予測値と前回値は一致していなけ
れば、ステップ205で異常フラグFabnを1とす
る。
【0051】この後、磁極センサ信号エッジ割り込みル
ーチンを終了する。これにより、以後の処理において
は、異常フラグFabnが1となっていれば、磁極セン
サ18に異常があったことがわかる。
【0052】
【表2】
【0053】図14における相切換制御部62の動作を
示すフローチャートを図19に示す。ステップ210で
は、前述の異常フラグFabnが1となっていれば以下
の処理をスキップする。つまり、磁極センサ18の異常
時には相切換制御ルーチンを実施しない。ステップ21
1で、前述の磁極センサ信号のエッジ割り込みがあった
か否かを判定する。割り込みがあった場合、ステップ2
12〜214にて、時計方向の回転をすべきであれば方
向フラグDIに値CWをセットし、反時計方向の回転を
すべきであれば方向フラグDIに値CCWをセットす
る。次に、ステップ215にて、下記の表3のマップに
基づき相切換信号パターンをセットする。
【0054】相切換信号は6ビット信号であり、各ビッ
トは下記の表4のように定められている。各ビットはハ
イレベル「H」とローレベル「L」を取りうる。ステッ
プ215では、今まで出力していた相切換パターンと方
向フラグDIの状態から次回の相切換パターンを設定す
る。例えば、現状値が(LA11,LB11,LC1
1,LA21,LB21,LC21)=(H,L,L,
L,H,L)であって、DI=CW(時計方向の回転)
であれば、次回値として(H,L,L,L,L,H)を
セットする。設定された相切換パターンは第1マイクロ
プロセッサ1においては相切換信号群L1として出力さ
れる。尚、第2マイクロプロセッサ2においては相切換
信号群L2として出力される。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】図14におけるオープン制御部64の動作
を示すフローチャートを図20に示す。ステップ220
では、前述の異常フラグFabnが0となっていれば以
下の処理をスキップする。つまり、磁極センサ18の正
常時にはオープン制御ルーチンを実施しない。したがっ
て、磁極センサ18の正常時には上述の相切換制御ルー
チンが実施され、磁極センサ18の異常時には本オープ
ン制御ルーチンが実施される。このオープン制御ルーチ
ンではオープン制御実施中フラグFop1およびタイマ
ーTを使用する。タイマーTに所定時間をセットする
と、その後タイマーTは次第にデクリメントされ、所定
時間後に0となる。オープン制御実施中フラグFop1
は初期状態で0にセットされている。ステップ221で
は、オープン制御実施中フラグFop1の状態を判断
し、オープン制御実施中フラグFop1が0であると、
次にステップ222にて、タイマーTを所定時間(例え
ば1秒)にセットする。そして、タイマーTが0以下に
なるまでの間、ステップ224にて、相切換パターンに
モータブレーキパターンがセットされる。モータブレー
キパターンは、(LA11,LB11,LC11,LA
21,LB21,LC21)=(L,L,L,H,H,
H)、(LA12,LB12,LC12,LA22,L
B22,LC22)=(L,L,L,H,H,H)に設
定される。所定時間を経過すると、ステップ225に
て、オープン制御実施中フラグFop1が1にセットさ
れる。次に、この状態でタイマーTは0以下であるの
で、ステップ227にて表5に示すマップから次回の相
切換パターンをセットする。次に、ステップ228にて
タイマーTを再びセットする。ステップ226ではタイ
マーTが0以下のときのみステップ227を実行させる
ので、ステップ227はタイマーTに設定された所定時
間毎に実行される。ステップ227において、次回値は
現状の相切換パターン及び後輪舵角センサ21の出力す
る後輪舵角値θrと所定値A1との比較結果に応じて設
定される。A1は零に近い値(例えば0.5度)に設定
してある。例えば、現状の相切換パターンが(LA1
1,LB11,LC11,LA21,LB21,LC2
1)=(H,L,L,L,H,L)であり、後輪舵角値
θrが−1度であった場合には、次回の相切換パターン
は(H,L,L,L,L,H)となる。表5のマップ
は、後輪舵角値が負の場合は右回転するように、後輪舵
角値が正の場合は左回転するように、設定してある。い
ずれの場合にも後輪舵角の絶対値が零に近づくように作
用する。後輪舵角の絶対値が所定値A1以下となると、
相切換パターンは(L,L,L,L,L,L)となる。
このパターンの場合、モータ12は停止する。よって、
オープン制御ルーチンでは、後輪舵角が零になり中立復
帰するように相切換パターンを制御する。
【0058】
【表5】
【0059】次に、図14の第2マイクロプロセッサ監
視部65の動作を示すフローチャートを図21に示す。
第1マイクロプロセッサ1では自分で計算したパルス幅
変調信号(PWM1),相切換信号(相切換信号群L
1),回転方向(DI1)を有する。また、第2マイク
ロプロセッサ2から通信により、第2マイクロプロセッ
サ2で計算したパルス幅変調信号(PWM2),相切換
信号(相切換信号群L2),回転方向(DI2)を得
る。これらを相互比較することにより、第1マイクロプ
ロセッサ1または第2マイクロプロセッサ2の異常を検
出する。まず、ステップ230ではパルス幅変調信号の
差の絶対値を計算し、所定値A2より小さいか否かを判
断する。所定値A2は第1マイクロプロセッサ1,第2
マイクロプロセッサ2での考えられる計算誤差幅から予
め定められている。ステップ231では相切換信号が一
致しているか否かを判断する。また、ステップ232で
は回転方向が一致しているか否かを判断する。判断の結
果、第1マイクロプロセッサ1と第2マイクロプロセッ
サ2との間で、パルス幅変調信号の差が小さく、相切換
信号が一致しており、かつ、回転方向が一致している場
合、第1マイクロプロセッサ1,第2マイクロプロセッ
サ2共正常であると判断し、信号S1をローレベルとす
る。また、いずれかに不一致があった場合、信号S1を
ハイレベルとする。信号S1がハイレベルになると、前
述したセレクタ4はリレーを駆動して第1リレー7,第
2リレー8を第1マイクロプロセッサ1側からバックア
ップ用マイクロプロセッサ3側へ切り換える。
【0060】第2マイクロプロセッサ2の第1マイクロ
プロセッサ監視部74も第1マイクロプロセッサ1の第
2マイクロプロセッサ監視部65とほぼ同一の動作を行
う。
【0061】図22に第1マイクロプロセッサ監視部7
4の動作を示すフローチャートを示す。判断を行うステ
ップ240〜242は、第1マイクロプロセッサ1の第
2マイクロプロセッサ監視部65のステップ230〜2
32と同一である。判断の結果、第1マイクロプロセッ
サ1と第2マイクロプロセッサ2との間で、パルス幅変
調信号の差が小さく、相切換信号が一致しており、か
つ、回転方向が一致している場合、第1マイクロプロセ
ッサ1,第2マイクロプロセッサ2共正常であると判断
し、信号S2をローレベルとする。また、いずれかに不
一致があった場合、信号S2をハイレベルとする。信号
S2がハイレベルになると、前述したセレクタ4はリレ
ーを駆動して第1リレー7,第2リレー8を第1マイク
ロプロセッサ1側からバックアップ用マイクロプロセッ
サ3側へ切り換える。
【0062】図23にバックアップ用マイクロプロセッ
サ3の動作を示すフローチャートを示す。まず、ステッ
プ250にて、信号S3またはS4がローレベルになる
まで待機する。信号S3またはS4がローレベルになる
と、次に、ステップ251で、タイマーTが0以下にな
るまでの待機する。タイマーTは時間毎にカウントダウ
ンされるタイマーであり、最初は所定値に設定されてい
る。タイマーTが0以下になると、ステップ252に
て、前述の表5に示すマップから次回の相切換パターン
をセットする。次に、ステップ253にてタイマーTを
所定時間(例えば1秒)にセットする。ステップ251
ではタイマーTが0以下のときのみステップ252を実
行させるので、以後、ステップ252はタイマーTに設
定された所定時間毎に実行される。ステップ252にお
いて、次回値は現状の相切換パターン及び後輪舵角セン
サ21の出力する後輪舵角値θrと所定値A1との比較
結果に応じて設定される。ここでは、前述のオープン制
御部64にて使用した表5のパターンをそのまま使用し
ている。したがって、バックアップ用マイクロプロセッ
サ3の制御においても、後輪舵角が零になり中立復帰す
るように相切換パターンが制御される。尚、信号S3ま
たはS4がローレベルになると、前述のブレーキ信号発
生回路67,68及び第3,第4リレー75,76を用
いたハードウェア構成により所定時間だけモータM1,
M2にブレーキがかかる。その後、バックアップ用マイ
クロプロセッサ3による中立復帰が行われることにな
る。
【0063】尚、本実施例においては、ブラシレスモー
タの回転センサとして、磁極センサ18を使用している
が、発光ダイオードを利用した光パルス式のセンサ等の
エンコーダを用いても構わない。
【0064】上記実施例でモータに流れる電流が大き
く、第1マイクロプロセッサ1,第2マイクロプロセッ
サ2および第3マイクロプロセッサ3側と、モータドラ
イバー5,6のFETの間でグランドレベルが異なるよ
うな場合には、それぞれのグランドを別に設け、信号線
の中間にグランドレベル補正回路を設けてもよい。
【0065】本実施例においては、モータを2分割し、
モータドライバーを2系統としている。これは、片方の
モータやモータドライバーに故障が生じた場合でも他方
を駆動して中立復帰ができるようにするためである。モ
ータM1系統が故障と判断されたとき、例えば、モータ
M1のモータドライバー5内で異常電流が検出されたよ
うな場合には、リレー駆動回路79によりリレー77を
開とする。そして、モータM2を駆動して中立復帰させ
てやればよい。また、モータM2系統が故障と判断され
たとき、リレー駆動回路80によりリレー78を開とす
る。そして、モータM1を駆動して中立復帰させてやれ
ばよい。これらの場合、片方のモータだけでの駆動にな
るので出力は下がるが、中立復帰は行える。
【0066】本実施例に対して、第1,第2マイクロプ
ロセッサを相互監視するとともに、第1マイクロプロセ
ッサ1でモータM1を制御し、第2マイクロプロセッサ
2でモータM2を制御するようにしてもよい。しかし、
双方の同期をとることが難しい。同期がずれるとモータ
出力が低下してしまう。そこで、本実施例においては、
モータを2分割し、それぞれを駆動する2つのモータド
ライバー5,6を1つのマイクロプロセッサ(第1マイ
クロプロセッサ1)の出力を分配して制御している。し
たがって、2系統のモータの同期を確実にとることがで
きる。
【0067】以上説明したように、本実施例において
は、モータ12,M1,M2、モータの回転により制御
される後輪操舵機構11、モータを独立に回転させるモ
ータドライバー5,6、モータドライバーを制御可能な
主制御手段である第1マイクロプロセッサ1、モータド
ライバーを制御可能な副制御手段であるバックアップ用
マイクロプロセッサ3、第1マイクロプロセッサ1,バ
ックアップ用マイクロプロセッサ3及びモータドライバ
ーに接続され、第1マイクロプロセッサ1とモータドラ
イバー間またはバックアップ用マイクロプロセッサ3と
モータドライバー間のいずれか一方を接続する切換手段
であるリレー7,8、第1マイクロプロセッサ1の異常
を検出する異常検出手段である第2マイクロプロセッサ
2、第1マイクロプロセッサ1の異常時に第1マイクロ
プロセッサ1側からバックアップ用マイクロプロセッサ
3側へリレー7,8を切り換える選択手段であるセレク
タ4を備え、前記第1マイクロプロセッサ1は車両の状
態に応じて後輪舵角を調整するとともに、前記バックア
ップ用マイクロプロセッサ3は第1マイクロプロセッサ
1の異常時に後輪を中立位置に復帰させる。
【0068】よって、第1マイクロプロセッサ1が故障
したときリターンスプリングを使用せずに後輪舵角を中
立位置に復帰できる。したがって、後輪操舵機構11に
リターンスプリングが不要となり、モータ12の駆動ト
ルクを小さくでき、小型化ができる。また、操舵速度を
速くすることができる。
【0069】この場合、第1マイクロプロセッサ1の異
常を検出する異常検出手段である第2マイクロプロセッ
サ2は、相互監視により第1マイクロプロセッサ1の異
常を判断しているが、第1マイクロプロセッサ1のモー
タドライバーへの出力を監視して異常を検出するように
してもよい。この場合には、セレクタ4やリレー7,
8,75,76の故障も検出できる。
【0070】また、本実施例においては、モータ12,
M1,M2、モータにより制御される後輪操舵機構1
1、モータを回転させるモータドライバー5,6、モー
タドライバーに接続された切換手段であるリレー7,
8、車両状態に応じて後輪の舵角量を演算し、前記切換
手段を介してモータドライバーを制御可能な第1マイク
ロプロセッサ1、第1マイクロプロセッサと同一演算を
行う第2マイクロプロセッサ2、前記リレー7,8を介
してモータドライバーを制御可能なバックアップ用マイ
クロプロセッサ3、前記リレー7,8を切り換える選択
手段であるセレクタ4を備える。ここで、前記第1マイ
クロプロセッサ1は、前記第2マイクロプロセッサ2の
演算結果と自己の演算結果を比較し、第1マイクロプロ
セッサ1または第2マイクロプロセッサ2のいずれかが
異常であることを識別し、いずれかが異常であった場
合、第1異常信号S1を出力する。また、前記第2マイ
クロプロセッサ2は、前記第1マイクロプロセッサ1の
演算結果と自己の演算結果を比較し、第1マイクロプロ
セッサ1または第2マイクロプロセッサ2のいずれかが
異常であることを識別し、いずれかが異常であった場
合、第2異常信号S2を出力する。更に、前記セレクタ
4は、第1および第2異常信号のいずれか一方を受けた
とき、第1マイクロプロセッサ1側からバックアップ用
マイクロプロセッサ3側へリレー7,8を切り換える。
また、前記バックアップ用マイクロプロセッサ3は、第
1および第2異常信号のいずれか一方を受けたとき、後
輪を中立位置に復帰させる。
【0071】よって、第1マイクロプロセッサ1が故障
したときまたは第2マイクロプロセッサ2が故障したと
き、リターンスプリングを使用せずに後輪舵角を中立位
置に復帰できる。したがって、後輪操舵機構11にリタ
ーンスプリングが不要となる。これにより、モータ12
の駆動トルクを小さくでき、小型化ができる。また、操
舵速度を速くすることができる。
【0072】また、上記実施例によれば、後輪操舵機構
11は、横方向の移動量に応じて後輪を転舵させるラッ
ク軸25と、回転によりラック軸25を横方向移動させ
るピニオン27と、ピニオン27に固定され、モータ1
2により回転する逆効率ゼロのハイポイドギヤ29とを
備えている。よって、逆効率ゼロのハイポイドギヤが使
用できるので、ブラシレスモータ12を更に小型化でき
る。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1または2
の発明においては、ブラシレスモータを使用し、コント
ロールユニットが故障したときリターンスプリングを使
用せずに後輪舵角を中立位置に復帰できる。したがっ
て、後輪操舵機構にリターンスプリングが不要となる。
これにより、モータの駆動トルクを小さくでき、小型化
ができる。また、操舵速度を速くすることができる。
【0074】また、請求項3の発明においては、請求項
1および2の発明の効果に加えて、逆効率零のハイポイ
ドギヤが使用できるので、ブラシレスモータを更に小型
化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の全体構成図
【図2】本発明の実施例に使用する後輪操舵機構の正面
【図3】図2の後輪操舵機構の部分断面図
【図4】図2の後輪操舵機構の断面図
【図5】本発明の実施例に使用するモータの断面図
【図6】本発明の実施例に使用するモータの断面図
【図7】図5,6のモータの巻線説明図
【図8】本発明の実施例に使用する磁石の正面図
【図9】本発明の実施例に使用する磁極センサの基板の
正面図
【図10】本発明のブラシレスモータの作動説明図
【図11】本発明の実施例に使用する電子制御装置の回
路構成図
【図12】図11の電子制御装置のドライバーの回路構
成図
【図13】図11の電子制御装置のセレクタの回路構成
【図14】図11の電子制御装置のマイクロプロセッサ
の機能ブロック図
【図15】図14のマイクロプロセッサの目標舵角演算
部の機能ブロック図
【図16】図14のマイクロプロセッサのモータサーボ
制御部の機能ブロック図
【図17】図11の電子制御装置の磁極センサ入力回路
の回路構成図
【図18】図14の磁極センサ異常判定部のフローチャ
ート
【図19】図14の相切換制御部のフローチャート
【図20】図14のオープン制御部のフローチャート
【図21】図14の第2マイクロプロセッサ監視部のフ
ローチャート
【図22】図14の第1マイクロプロセッサ監視部のフ
ローチャート
【図23】図11のバックアップ用マイクロプロセッサ
のフローチャート
【符号の説明】
1 第1マイクロプロセッサ(主制御手段) 2 第2マイクロプロセッサ(異常検出手段) 3 バックアップ用マイクロプロセッサ(副制御手段) 4 セレクタ(選択手段) 5,6 第1,第2モータドライバー(モータドライバ
ー) 7,8 第1,第2リレー(切換手段) 9 電子制御装置 10 前輪操舵装
置 11 後輪操舵機構 12 モータ 13,14 前輪 15,16 後輪 17,20 第1,第2前輪舵角センサ 18 磁極センサ 19 ステアリン
グホイール 21 後輪舵角センサ 22,23 第
1,第2車速センサ 24 ヨーレートセンサ 25 ラック軸 26 ラック 27 ピニオン 28 ブーツ 29 ギヤ 30 ピニオン 31 ラックガイ
ド 32 ラックガイドカバー 33 レバー 34 ピン 35 孔 36 カバー 37 ピン 38 ハウジング 39 チューブ 40 モータハウジング 41 モータ軸 42 磁石 43 コア 43a 突起 44 モータ巻線 44a,44b,44c,44d,44e,44f 巻
線 45 ターミナル 46 ワイヤーハ
ーネス 47 ホルダ 48 カバー 49 基板 50 ホールIC 51 磁石 52 ローター 53 ボールジョイント 54 軸 55,56 第1,第2定電圧レギュレータ 57,58 インターフェース 59 バッテリー 60,66 目標舵角演算部 61,70 モー
タサーボ制御部 62,71 相切換制御部 63,72 磁極
センサ異常判定部 64,73 オープン制御部 65 第2マイク
ロプロセッサ監視部 67,68 ブレーキ信号発生回路 75 第3リレー 76 第4リレー 74 第1マイクロプロセッサ監視部 77,78 リレー 79,80 リレ
ー駆動回路 81 逆相量設定部 82 ステアリン
グゲイン設定部 83 ヨーレートゲイン設定部 84,85,95
積算部 86 電流検出回路 87,97 加算部 90,94 微分
部 88 異常電流制限回路 89 パルス幅変
調信号合成回路 91 微分ゲイン設定部 92 減算部 93 偏差舵角不感帯付与部 96 比例部 98 偏差舵角リミッタ 99 パルス幅変
調変換部 100 バッファ 101 ピークホ
ールド回路 AGLA 目標舵角値 AND1,AND
2 アンド回路 ANG 制御量 COMP1 コン
パレータ D1〜8 ダイオード DAGLA 微分
項 DR1 リセット信号 E2PMAX 所定値 ETH2 舵角偏
差値 EXOR1,EXOR2 イクスクルーシブOR回路 G11,G21 ゲート駆動回路 HA,HB,HC
磁極信号 HPID 舵角値 IGA,IGB
電源端子 IGSW イグニッションスイッチ K1(V) ステ
アリングゲイン K2(V) ヨーレートゲイン L1,L2,L3
相切換信号群 LA11,LB11,LC11,LA21,LB21,
LC21 相切換信号 M1,M2 モータ MI1 ピーク信号 MOC1,MS1
出力信号 PAGLA 比例項 PH パターンヒ
ューズ PIGA,PIGB 電源端子 PIGM1 電圧 PWM1,PWM2 パルス幅変調信号 RAGL 実舵角値 ref 基準電圧 S1,S2,S3,S4,S5,S6 信号 Rs 抵抗 RV1 昇圧電圧
値 SAGLA 微分値 SETH2 舵角
偏差微分値 SW1,SW2 スイッチ TA11,TB11,TC11,TA21,TB21,
TC21 トランジスタ TC チョークコイル U1,V1,W1,U2,V2,W2 端子 V 車速 Vcc1,Vcc
2 定電圧 YTDIFGAIN 微分ゲイン ΔAGL 舵角偏
差 γ ヨーレート値 θ1 逆相制御量 θ2,θ3 ステアリング制御量 θm 回転角度 θs ステアリング角 尚、括弧内は実施例の構成の名称が対応する請求項の構
成と名称が異なる場合における請求項の構成の名称を表
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 137:00 (72)発明者 羽田野 武 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (72)発明者 間 瀬 久 康 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (72)発明者 相 澤 博 昭 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (72)発明者 中 島 洋 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (72)発明者 松 本 只 一 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動 車株式会社内 審査官 大谷 謙仁 (56)参考文献 特開 平3−164382(JP,A) 実開 平4−7284(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 B62D 5/04 B62D 7/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多相のブラシレスモータから成るモー
    タ;前記モータの回転により制御される後輪操舵機構;
    前記モータを独立に回転させるモータドライバー;第1
    電源で作動するマイクロプロセッサから成り、前記モー
    タドライバーを制御可能な主制御手段;第2電源で作動
    するバックアップ用マイクロプロセッサから成り、前記
    モータドライバーを制御可能な副制御手段;前記主制御
    手段、副制御手段及びモータドライバーに接続され、主
    制御手段とモータドライバー間または副制御手段とモー
    タドライバー間のいずれか一方を接続する切換手段;主
    制御手段の異常を検出する異常検出手段;主制御手段の
    異常時に主制御手段側から副制御手段側へ切換手段を切
    り換える選択手段;を備え、前記主制御手段は車両の状
    態に応じて後輪舵角を調整するとともに、前記副制御手
    段は主制御手段の異常時に後輪を中立位置に復帰させる
    ことを特徴とする後輪操舵装置。
  2. 【請求項2】 モータ;該モータにより制御される後輪
    操舵機構;前記モータを回転させるモータドライバー;
    該モータドライバーに接続された切換手段;車両状態に
    応じて後輪の舵角量を演算し、前記切換手段を介してモ
    ータドライバーを制御可能な第1マイクロプロセッサ;
    該第1マイクロプロセッサと同一演算を行う第2マイク
    ロプロセッサ;前記切換手段を介してモータドライバー
    を制御可能なバックアップ用マイクロプロセッサ;前記
    切換手段を切り換える選択手段;を備え、 前記第1マイクロプロセッサは、前記第2マイクロプロ
    セッサの演算結果と自己の演算結果を比較し、第1マイ
    クロプロセッサまたは第2マイクロプロセッサのいずれ
    かが異常であることを識別し、いずれかが異常であった
    場合、第1異常信号を出力し、 前記第2マイクロプロセッサは、前記第1マイクロプロ
    セッサの演算結果と自己の演算結果を比較し、第1マイ
    クロプロセッサまたは第2マイクロプロセッサのいずれ
    かが異常であることを識別し、いずれかが異常であった
    場合、第2異常信号を出力し、 前記選択手段は、第1および第2異常信号のいずれか一
    方を受けたとき、第1マイクロプロセッサ側からバック
    アップ用マイクロプロセッサ側へ切換手段を切り換え、 前記バックアップ用マイクロプロセッサは、第1および
    第2異常信号のいずれか一方を受けたとき、後輪を中立
    位置に復帰させることを特徴とする後輪操舵装置。
  3. 【請求項3】 前記後輪操舵機構は、横方向の移動量に
    応じて後輪を転舵させるラック軸と、回転により前記ラ
    ックを横方向移動させるピニオンと、該ピニオンに固定
    され、前記モータにより回転する逆効率零のハイポイド
    ギヤとを備えたことを特徴とする請求項1または2記載
    の後輪操舵装置。
JP29885992A 1992-11-09 1992-11-09 後輪操舵装置 Expired - Fee Related JP3172601B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29885992A JP3172601B2 (ja) 1992-11-09 1992-11-09 後輪操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29885992A JP3172601B2 (ja) 1992-11-09 1992-11-09 後輪操舵装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06144259A JPH06144259A (ja) 1994-05-24
JP3172601B2 true JP3172601B2 (ja) 2001-06-04

Family

ID=17865120

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29885992A Expired - Fee Related JP3172601B2 (ja) 1992-11-09 1992-11-09 後輪操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3172601B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101646210B1 (ko) * 2014-09-23 2016-08-05 국민대학교산학협력단 기능 안전성을 고려한 모터 제어 시스템
JP6378119B2 (ja) * 2015-03-16 2018-08-22 日立建機株式会社 制御コントローラ、ステアバイワイヤシステムおよび機械

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06144259A (ja) 1994-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3206783B2 (ja) 車両の後輪操舵装置
US20190263445A1 (en) Electromechanical power steering system
US6845309B2 (en) Electric power assist torque check
US9043091B2 (en) Vehicle steering system
CN108216353B (zh) 车辆控制装置
JP3172601B2 (ja) 後輪操舵装置
JP3388525B2 (ja) 電気モータの断線検出装置
JP2989392B2 (ja) 後輪操舵装置
JP3034400B2 (ja) 車両の後輪操舵装置
JPH0740849A (ja) 車両の操舵制御装置
JPH06293267A (ja) 後輪操舵装置
JP3238231B2 (ja) ブラシレスモータの異常検出装置
JP3139872B2 (ja) ブラシレスモータの異常検出装置
JP3007514B2 (ja) 車両の後輪操舵装置
JP2992179B2 (ja) 車両の後輪操舵装置
JPH0776282A (ja) 後輪操舵装置
JPH07172332A (ja) 後輪操舵装置
JPH06127408A (ja) 後輪操舵装置
JPH06178586A (ja) ブラシレスモータの異常検出装置
JPH0776283A (ja) 後輪操舵装置
JP2997150B2 (ja) 車両の後輪操舵装置
WO2021256354A1 (ja) 電動パワーステアリング装置に用いられる制御装置、制御方法、およびモータモジュール
WO2023112133A1 (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH06284777A (ja) 直流モータの異常検出装置
JPH06234369A (ja) 後輪操舵装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080323

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090323

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees