JP3030187B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は冷却又は、適温適湿に維
持された庫内に出し入れ自在としたトレーに貯蔵物をの
せて保存するようにした冷却貯蔵庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来技術として、特公平４−５８３０７
号公報には、断熱構造の庫内に、横長の吐出開口を上下
に複数有するダクト板を前後に一対ずつ対向して設け、
このダクト板に係止した受け金具に棚を支持させ、庫内
上方に蒸発器および電気ヒータ等の加熱部を設け、冷気
又は加熱空気を送風機で循環供給し、棚上の食品を解
凍、冷却する冷凍庫が開示されている。

【０００３】また、特開平２−４１８７号公報には、中
央部にスリット状の吸込口、上下に吹出口を設けた縦の
仕切板にて庫内に冷却室と貯蔵室とを画成し、冷却器を
吸込口と、また吐出用の送風機を各吐出口と対応して冷
却室に配す一方、貯蔵室には庫内側壁および仕切板と離
間して棚支柱を固設して、この棚支柱に適宜間隔にて係
止したレール状の棚に被冷却体を出し入れ自在に載置
し、冷却器にて熱交換した冷気を上下吹出口より貯蔵室
へ送風循環する冷却貯蔵庫が開示されている。

【０００４】ここで、一般に庫内に上下に配される棚の
後端は、庫内背壁との間に間隔を存させて冷気の循環路
を確保するように設置している。例えば後者の公報の第
２図に開示するように、後方の棚支柱には、被冷却体を
押し止めるストッパー部を折曲形成して、後部に空間１
６ｃを形成するという具合である。

【０００５】そして、食品などを棚の上に直に載せるの
ではなく、レール状の受け具にスライドさせて前後に出
し入れ自在としたトレイを使用し、このトレイに品物を
収容したタイプの冷蔵庫の場合も、トレイの後端を庫内
背壁に当接させず、手前に停止させて背後に所要の空間
を確保するように成すことは変わらない。

【０００６】具体的には、レール状の受け具の後端に係
止孔を設け、これに別体のストッパー部材を係止して取
り付けるなどの手段を講じる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにト
レーを使用する冷蔵庫では、従来、各レール状の受け具
毎にストッパーを取り付けており、受け具の段数が多い
場合には大変手間がかかるという問題があった。

【０００８】又、冷気の循環路を確保するためにストッ
パーの位置をあまり後側に下げられず、結果として前側
に取り付けなければならなかった。

【０００９】そのため、庫内の大きさに比較して小さな
トレーしか入らないという問題があり、貯容量が少な
く、庫内容積を有効に活用できないというのが現状であ
った。

【００１０】本発明では、以上の点に鑑み成されたもの
で、大きなトレーを使用できるように改良をし、庫内の
有効活用を計り、またストッパーを不用としたトレーの
装着を可能とし、使い勝手性を向上できるように構成し
た冷却貯蔵庫を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、開閉自在な扉
を前面に備えると共に冷却装置からの冷気が循環してい
る庫内に貯蔵物を載せるトレーを前後にスライド可能に
配置し、かつそのトレーを保持する受け具を取り付ける
ための棚支柱を前記トレーの四隅に有する冷却貯蔵庫に
おいて、庫内背壁に対して所要間隙を保ってその前方に
立設されて庫内背壁との間に冷気の循環路を後方に形成
するとともに、前記トレー間に冷気を吹き出すための冷
気吹き出し孔を有し、かつ前記トレーの後端が当たるス
トッパーを兼ねた背面ダクトを設け、前記背面ダクトの
左右に一体に設けた後方の棚支柱を前方の棚支柱と同じ
向きに対応して前記背面ダクトより前方に設けるように
したものである。

【００１２】

【作用】庫内の前方に、トレーを受ける受け具を取り付
けるための棚支柱を左右に設け、庫内後方には庫内背壁
との間で冷気の循環路を形成し、かつ両側に同じく受け
具を取り付けるための支柱部を一体に有している背面ダ
クトを設けて、受け具の上をスライドさせながらトレー
を出し入れ自在に上下に複数段配している。

【００１３】背面ダクトにより、冷気はスムーズに循環
路内を下側へと流れ、またこの背面ダクトとには上下方
向に所定間隔で多数の冷気吹き出し孔が形成されている
ため、この吹き出し孔からトレーとトレーとの間に冷気
が吹き出て、各トレーにも均等に供給され均一冷却を行
っている。

【００１４】そして、背面ダクト自体をトレーのストッ
パーとしての機能を兼ねさせて、トレーはその後端が背
面ダクトに押し当るまで入れるようにして、大きなトレ
ーの使用を可能として貯蔵量を増やせるようにしてい
る。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。

【００１６】１は冷凍庫等の冷却貯蔵庫で、断熱材から
なる断熱箱体である本体１Ａの前面開口を断熱材からな
る４枚のドア体２で覆って、貯蔵室（以下庫内という）
３を形成している。

【００１７】庫内３の上方に仕切板４を配設して、冷却
器５および冷気循環ファン６を収納する冷却室７が形成
される一方、庫内３背部に沿って冷気の循環路８が設け
られる。

【００１８】この冷気の循環路８に付いては後で詳述す
るが、冷却室７の前部に設けた吸込口９より庫内空気が
前記冷気循環ファン６の回転により吸い込まれ、冷却器
５と熱交換した後の冷気が通り、庫内３に吹き出す通路
となっている。

【００１９】１１は圧縮機１２、凝縮器１３、凝縮器冷
却ファン１４よりなるコンデンシングユニットで、ユニ
ット基板１５上に設置され、本体１Ａの上部開口に装着
固定されている。

【００２０】ところで、前記本体１Ａの前面に、図２に
示すように縦の中仕切１６と横の中仕切１７を配して区
割した４面の各開口に設けた前記各ドア体２に対応する
貯蔵空間には、図２等に示すようにトレー１８がＬ字型
に屈曲したレール状の受け具１９、１９にスライド自在
に支持されて、前方より出し入れ可能に、上下に複数段
設けられている。

【００２１】そこで、例えば左上の貯蔵空間３Ａにおい
て、トレー１８の支持構造を詳述すると、このトレー１
８を支持するために、すなわち受け具１９を取り付ける
ために、図４および図５に示すように本体１Ａの側壁２
１の前側にコ字状の形をした棚支柱２２がビスにより固
定され、この棚支柱２２には所要間隔で、前記受け具１
９の取り付け用の係止孔２３が設けられている。

【００２２】また、この棚支柱２２に対応してＬ字状の
形をした棚支柱２４が縦の中仕切１６の後面に同じくビ
スにて取り付け固定され、この棚支柱２４にも同様の係
止孔が設けられている。

【００２３】２５は、その棚支柱２４の固定用のビス穴
を示す。

【００２４】２６は、この前部の左右の棚支柱２２、２
４に対応するように、前方にコ字状に開いた形の左右の
支柱部２７ａ、２７ｂとこの支柱部２７ａ、２７ｂをつ
なぎ背後に空間が形成されるようにダクト形状をした垂
直な面２８とが一体に形成されていて、かつこの面２８
に多数のスリット状の冷気吹き出し孔２９が丁度トレー
１８間に冷気を吹き出し得るような間隔で上下方向に設
けられている背面ダクトである。

【００２５】この背面ダクト２６は、庫内３の背壁３１
の内面に当接されてビスにて取り付け固定される。

【００２６】その時、垂直な面２８と背壁３１との間に
保たれる空間が冷気の循環路８を形成することになり、
その上部口を介して冷却室７と連通する。

【００２７】また、この垂直な面２８自体が、受け具１
９、１９上をスライドして挿入されてくるトレー１８の
後端を直接当てて、トレー１８のストッパーの役割を兼
ねている。

【００２８】そして、左右の支柱部２７ａ、２７ｂにも
受け具１９、１９を取り付けるための係止孔３２、３２
が形成されている。

【００２９】受け具１９は水平な受け面１９ａの後側に
起立する側辺部１９ｂの前端に切欠き形成にて設けた下
向きの引掛片３３、３３を有し、この引掛片３３、３３
を棚支柱２２、２４および背面ダクト２６の支柱部２７
ａ、２７ｂの各係止孔２３、３２に掛止して取り付けら
れる。

【００３０】同じように、残り３ケ所の各貯蔵室間にも
前方に一対の棚支柱、後部に背面ダクトが配設されて、
トレー１８を出し入れ自在に支持している。

【００３１】なお、冷却器５の下方には図３に示すよう
に排水路３４を有する露受板３５が後方に傾いて設けら
れ、除霜水等は本体１Ａの背壁３１および底壁３６の外
面に沿って配備した排水ホース３７を経て、ドレン排水
部３８より排出される。

【００３２】以上の構成となっており、圧縮機１２、冷
気循環ファン６が運転されると庫内空気は冷却室７に吸
い込まれて冷却器５にて冷却された冷気は、背面ダクト
２６の冷気の循環路８を下方へと流れるように導かれる
と同時にその各冷気吹き出し孔２９よりトレー１８との
間の空間部分に均一に吹き出すようにして循環する。

【００３３】これにより、どの段のトレー１８内の貯蔵
品も均等に冷却される。

【００３４】このように、冷却器５からの冷気を下段に
循環し、各トレー１８に供給するようにする冷気の循環
路８が、庫内背奥部に背面ダクト２６を設置することで
予め確保しているので、トレー１８を庫内背壁より少し
手前で止めなくともトレー１８はその後端を背面ダクト
２６に当るまで入れることができる。

【００３５】これによって、大きなトレー１８を使用で
きることとなり、庫内３を有効活用できる。

【００３６】また、背面ダクト２６自体がトレー１８の
ストッパーの役割を兼ねるので、従来のように各受け具
１９にストッパー部材を１つ１つ取り付ける手間が省
け、使い勝手性が向上する。

【００３７】

【発明の効果】以上のように本発明は、庫内奥部に配さ
れて後側に冷気を循環させると同時にトレーを止めるス
トッパーを兼ね、更にトレーを支持する２本の棚支柱を
左右に一体形成している背面ダクトを設けた構造の冷却
貯蔵庫としたので、トレーを入れる際に、冷気の循環路
を後方に確保するために庫内最奥より少し手前に配置す
るという従来の取付方をせずとも良くなり、そのために
より大きなトレーを入れることができ、庫内を有効活用
でき、貯蔵量を増やせる。そしてトレーをストップさせ
るために、従来行われていた各トレーの受け具にストッ
パー部材を取り付けるという作業が不要となるので使用
性が向上すると共に、ストッパー部材の廃止により部品
点数も減り、構造的な簡素化が計れる。更に、冷気の循
環路は背面ダクトにより構築されているものであるか
ら、冷気の循環を確実にでき、しかもこの背面ダクトに
はトレーの各ピッチに合わせて冷気の吹き出し孔を開け
ているため、各トレーに冷気を確実に、均一に導くこと
ができ、庫内をムラなく効率的に冷却できる等の優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る冷却貯蔵庫の正面図。

【図２】左側上下のドア体を開放した状態の同冷却貯蔵
庫の正面図。

【図３】同冷却貯蔵庫の縦断側面図。

【図４】同冷却貯蔵庫の横断平面図。

【図５】同冷却貯蔵庫の要部横断平面図。

【図６】ドア体を開放した左上の貯蔵室部分の正面図。

【図７】ドア体を開放した左上の貯蔵室部分の縦断側面
図。

【図８】貯蔵室内に配され、トレーを支持する前後の棚
支柱及び背面ダクトの取付構造の外観斜視図。

【符号の説明】

１ 冷却貯蔵庫 ５ 冷却器 ８ 冷気に循環路 １８ トレー １９、１ａ 受け具 ２２ 棚支柱 ２６ 背面ダクト ２７ａ、２７ｂ 支柱部 ２９ 冷気の吹き出し孔

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開閉自在な扉を前面に備えると共に冷却
   装置からの冷気が循環している庫内に貯蔵物を載せるト
   レーを前後にスライド可能に配置し、かつそのトレーを
   保持する受け具を取り付けるための棚支柱を前記トレー
   の四隅に有する冷却貯蔵庫において、 庫内背壁に対して所要間隙を保ってその前方に立設され
   て庫内背壁との間に冷気の循環路を後方に形成するとと
   もに、前記トレー間に冷気を吹き出すための冷気吹き出
   し孔を有し、かつ前記トレーの後端が当たるストッパー
   を兼ねた背面ダクトを設け、前記背面ダクトの左右に一
   体に設けた後方の棚支柱を前方の棚支柱と同じ向きに対
   応して前記背面ダクトより前方に設けるようにしたこと
   を特徴とする冷却貯蔵庫。