JP2992665B2 - 空気調和機の制御方法 - Google Patents

空気調和機の制御方法

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JP2992665B2 JP4241146A JP24114692A JP2992665B2 JP 2992665 B2 JP2992665 B2 JP 2992665B2 JP 4241146 A JP4241146 A JP 4241146A JP 24114692 A JP24114692 A JP 24114692A JP 2992665 B2 JP2992665 B2 JP 2992665B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、居住空間を快適環境
に維持する空気調和機の制御方法に係り、さらに詳しく
言えば、例えば２間続きの部屋を同時にあるいはその一
方の部屋のみを空調するにあたって、その部屋の広さに
応じて室内ファンの回転数および圧縮機の最大運転電流
を切り替え、その居住空間に見合った空調を可能とする
空気調和機の制御方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】空気調和機の冷暖房能力は、居住空間
（畳数）に応じて設定されており、例えば１３畳から１
７畳の部屋の場合には、４．０ｋＷの空気調和機が好適
とされている。
【０００３】ところで、例えば集合住宅の場合には、図
２に示すように空気調和機１の設置箇所が限られてしま
い、往々にしてベランダ側の部屋にしか空気調和機１を
設置することができない。そのため、８畳の部屋（ベラ
ンダ側の部屋）および６畳の部屋（例えばダイニングル
ーム）が２間続きの部屋（１４畳）になる場合、１４畳
用の空気調和機を設置し、２間の間仕切りを開いた状態
にして６畳の部屋も空調するようにしている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、１４畳
用の空気調和機で、８畳の部屋と６畳の部屋の間仕切り
を閉じて８畳の部屋のみを空調しようとしたとき、８畳
用の空気調和機と比較して冷暖房能力が大きいことか
ら、例えば同じ風量設定ノッチでも室内ファン回転数が
大きく、その分どうしても運転音（室内ファンによる風
切り音）が大きくなるばかりでなく、暖房運転時にはそ
の大きい室内ファンの回転数によりコールドドラフト、
つまり体感温度が低下するという問題点があった。
【０００５】また、図３に示すように、間仕切りを閉じ
た状態において、８畳用の空気調和機を用いた場合に
は、室内温度が速やかに設定温度（Ｔｓ）に安定し（同
図の波線曲線に示す）、つまり室温コントロールが良好
に行われるが、１４畳用の機種を用いた場合には必要以
上の冷暖房能力が作用することから、室内温度の曲線に
オーバーシュート、アンダーシュートが生じ（同図の実
線に示す）、室温がなかなか安定しないという問題点が
あった。
【０００６】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、その目的は室内ファンの回転
数および圧縮機の最大運転電流を居住空間の広さに応じ
て切り替え、運転音を小さくするとともに、暖房時には
コールドドラフトが生じないようにすることができ、か
つ、室温コントロールが良好に行なえるようにした空気
調和機の制御方法を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、リモコン装置の風量設定ノッチに対 応
して室内ファンの回転数が切り替え可能であるととも
に、上記リモコン装置による設定温度と室温センサによ
る検出温度との比較結果により、少なくとも圧縮機をそ
の最大運転電流を越えない範囲で制御する空気調和機の
制御方法において、上記リモコン装置には、空気調和す
べき居住空間の広さを選択する畳数セレクト手段が設け
られているとともに、上記畳数セレクト手段にて選択さ
れた居住空間の広さに応じて上記風量設定ノッチに対応
した上記室内ファンの回転数と上記圧縮機の最大運転電
流とが同時に段階的に切り替え可能とされており、上記
畳数セレクト手段により上記風量設定ノッチに対応した
室内ファンの回転数と上記圧縮機の最大運転電流がその
居住空間の広さに見合った値に変更されることを特徴と
している。
【０００８】この構成によれば、空気調和機の定格能力
に見合った畳数より小さい畳数の部屋を空調の対象とす
る場合、畳数セレクト手段によってその部屋の畳数に対
応するモードが選択されると、風量設定ノッチに対応す
る室内ファンの回転数および圧縮機の最大運転電流が、
その畳数の小さい部屋の広さに見合った値に切り替えら
れる。すなわち、部屋の広さに応じて空気調和機の冷暖
房能力が切り替えられることになる。
【０００９】このように、空気調和機を使用する居住空
間が適正値より狭くとも、当該空気調和機の冷暖房能力
がその狭い居住空間に見合った能力に切り替えられるこ
とから、同じ風量設定ノッチでも風量が弱くなり、その
結果、運転音が小さくなるとともに、暖房時のコールド
ドラフトが生じなくなり、また必要以上の大きい能力が
出ることもないことから、室温曲線がオーバーシュー
ト、アンダーシュートにならず、室温コントロールが良
好に行なわれる。
【００１０】
【発明の実施の形態】この発明の空気調和機の制御方法
は、空調を必要とする居住空間の広さに応じて、風量お
よび圧縮機の最大運転電流を複数段階、例えば下記表１
に示す通常モード、ＡモードおよびＢモードに切り替え
可能とするため、その居住空間の畳数 を選択する畳数セ
レクトボタンを備えたリモコン装置を有し、この畳数セ
レクトボタンの操作により各モードに切り替わり、その
モードにしたがって風量設定ノッチに対応する室内ファ
ンの回転数および圧縮機の最大運転電流が切り替えられ
る。
【００１１】
【表１】
【００１２】そのため、図１に示すように、空気調和機
が室内機２および室外機３で構成され、かつ、リモコン
装置４によって制御可能である場合、同リモコン装置４
にはこの空気調和機を使用する居住空間の畳数に応じ
て、上記表１のように通常モード、ＡモードあるいはＢ
モードに切り替え可能とするための畳数セレクトボタン
（畳数Ｓ；セレクト手段）５が備えられており、この畳
数セレクトボタン５の操作によって各モードのリモコン
信号が発射される。
【００１３】なお、このリモコン装置４には、空気調和
機の制御状態等を表示する表示部６、空気調和機の制御
を指示するためのボタン、例えばタイマボタン７、運転
／停止ボタン８、さらに図示しないが、空気調和機の動
作設定、例えば室内ファンの風量設定ノッチ（「強
風」、「弱風」および「微風」）を切り替える風量切替
ボタン等が備えられている。なお、使い勝手を考慮し
て、空気調和機の電源ＯＮ時には通常モードが設定さ
れ、畳数セレクトボタン５が押されるごとに通常モー
ド、Ａモード、Ｂモードの順に切り替わり、かつ、Ｂモ
ードの次に通常モードとなるようにリング式に繰り返し
切り替わるようになされている。
【００１４】また、室内機２にあっては、リモコン装置
４からの通常モード、ＡモードあるいはＢモードのリモ
コン信号を受信すると、この受信信号に応じて風量設定
ノッチの「強風」、「弱風」および「微風」における室
内ファンの回転数を切り替えるととともに、少なくとも
室外機３の圧縮機の最大運転電流を切り替える制御信号
（最大運転電流を制限するための制御信号）を出力し、
一方室外機３にあっては、室内機２からの制御信号に基
づいて圧縮機の最大運転電流を制限するようになってい
る。
【００１５】さらに、室内機２にあっては、リモコン装
置４からのリモコン信号を受信すると、この受信信号に
応じて室内ファンモータを所定回転数で制御するととと
もに、室外機３に必要な制御信号を出力し、一方室外機
３にあっては、室内機２からのリモコン信号に基づいて
少なくとも圧縮機を所定周波数で制御し、かつ室外ファ
ンモータを所定回転数で制御するようになっている。
【００１６】上記表１の一実施例に示すように、通常モ
ードの場合には室外機３の最大運転電流が１４．５Ａに
制限され、室内ファンの回転数が風量設定ノッチ「強
風」で１３００ｒｐｍ、「弱風」で１１５０ｒｐｍ、
「微風」で１０００ｒｐｍにされる。この通常モード時
においては、空気調和機は１４畳用の機種に相当し、暖
房で１３畳から１７畳用の機種として利用することがで
きる。
【００１７】Ａモードの場合には、最大運転電流が通常
モードより小さい９．０Ａに制限され、室内ファンの回
転数が風量設定ノッチ「強風」で１２００ｒｐｍ、「弱
風」で１１００ｒｐｍ、「微風」で９５０ｒｐｍと小さ
くされる。このＡモードでは、この空気調和機は１０畳
用の機種に相当し、暖房で９畳から１２畳用の所謂２．
８ｋＷクラスの機種として利用することができる。
【００１８】Ｂモードの場合には、最大運転電流がさら
に小さい５．３Ａに制限され、室内ファンの回転数が風
量設定ノッチ「強風」で１１００ｒｐｍ、「弱風」で１
０００ｒｐｍ、「微風」で９００ｒｐｍとさらに小さく
される。これにより、この空気調和機は８畳用の機種に
相当し、暖房で７畳から９畳用の所謂２．２ｋＷクラス
の機種として利用することができる。
【００１９】次に、上記構成の空気調和機を図２に示す
８畳（ベランダ側の部屋）および６畳（ダイニングルー
ム）の２間続きの部屋に適用した場合について説明す
る。なお、空気調和機はベランダ側の部屋に設置されて
いるものとする。
【００２０】まず、２間続きの部屋の間仕切りを開いた
状態とした場合には、１４畳の１部屋と同等に見なすこ
とができることから、リモコン装置４の畳数セレクトボ
タン５を操作し、通常モードに設定する。すると、空気
調和機が上記表１の通常モード、つまり１４畳用の機種
として動作することから、２間続きの部屋がリモコン装
置４の他のボタン操作に応じて快適環境に保たれる。
【００２１】すなわち、室外機３の圧縮機の最大運転電
流が１４．５Ａにされ、同時に室内ファンの回転数が風
量設定ノッチ「強風」で１３００ｒｐｍ、「弱風」で１
１５０ｒｐｍ、「微風」で１０００ｒｐｍにされるた
め、２間続きで１４畳の広い部屋が十分に空調可能だか
らである。
【００２２】これに対して、２間続きの部屋の間仕切り
を閉じ、ベランダ側の部屋（８畳の部屋）のみを空調す
る場合には、通常モードのままでは冷暖房能力が大き過
ぎるため、従来例で説明した不具合が生じる。そこで、
リモコン装置４の畳数セレクトボタン５を押してＢモー
ドに設定すると、空気調和機が上記表１のＢモードで動
作する。
【００２３】すなわち、室外機３の圧縮機の最大運転電
流が５．３Ａまでに制限され、室内ファンの回転数が風
量設定ノッチ「強風」で１１００ｒｐｍ、「弱風」で１
０００ｒｐｍ、「微風」で９００ｒｐｍにされるため、
空気調和機の冷暖房能力が８畳用の機種程度まで低下す
ることになる。
【００２４】このように、各風量設定ノッチによる風量
および圧縮機の最大運転電流が同時に切り替えられ、つ
まり居住空間（部屋）の大きさに見合った冷暖房能力に
切り替えられることから、表１から明かなように、運転
音（室内ファンによる風を切る音）が大きいということ
もなく、かつ、暖房時にコールドドラフトが生じること
もなく、つまり体感温度が低いということもなく、ま
た、室内温度曲線のオーバーシュート、アンダーシュー
トも小さいことから、室温コントロールが良好に行われ
る（室温の安定化が図れる）。
【００２５】特に、集合住宅のように、ベランダ側の部
屋にしか空気調和機が設置できない場合、冷暖房能力の
大きい空気調和機を設置し、例えばベランダ側の部屋お
よび同部屋に続いている通路側の部屋の２間をその大き
い冷暖房能力で空調すれば、その２間の部屋を十分に空
調することができる。これに対して、その続き部屋の間
仕切りを閉じたときには空気調和機の風量および最大運
転電流を切り替え、その冷暖房能力をベランダ側の部屋
の広さに見合った程度の能力に切り替えて空調すれば、
運転音が大きい、コールドドラフトが生じる等の不具合
を解消することができ、かつ、ベランダ側の部屋を効率
よく冷暖房することができる。
【００２６】また、空気調和機の風量および最大運転電
流を切り替えることができることから、例えば睡眠時に
その風量および最大運転電流を低くし、つまり冷暖房能
力を切り替えておくことにより、運転音をより小さくす
ることができ、安眠の妨げとならず、また、冷房し過ぎ
や暖房し過ぎを防止することができ、健康面で好ましい
という効果がある。
【００２７】なお、上記実施例では、２間続きの部屋が
８畳の部屋および６畳の部屋である場合を例にして説明
したが、例えば１０畳の部屋および１０畳の部屋による
２間続きの部屋や他の組合せ部屋であっても、これら組
合せに応じた各モードを用意しておけば、上記実施例同
様に空気調和機の冷暖房能力を部屋に見合った能力に切
り替えることができ、同じ効果を得ることができる。
【００２８】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の空気調
和機の制御方法によれば、空調すべき居住空間の広さに
応じて、空気調和機の風量設定ノッチに対応した室内フ
ァンの回転数と圧縮機の最大運転電流とを同時に切り替
え可能としたことにより、空気調和機の風量および最大
運転電流を居住空間の広さに見合った値に切り替えるこ
とができる。
【００２９】すなわち、空気調和機の冷暖房能力を居住
空間の広さに応じた能力に切り替えることができ、畳数
の少ない部屋にあっては運転音が大きいとう不具合もな
く、かつ、暖房時のコールドドラフトが大きくなること
もなく、しかも室温コントロールの安定化を図ることが
できる。特に、集合住宅等の２間続きの部屋において、
間仕切りを開いた状態とした場合には、その２間の畳数
に適した冷暖房能力を得ることができ、一方、間仕切り
を閉じて１部屋とした場合には、１部屋の畳数に適した
冷暖房能力を得ることができるとともに、上述したよう
に運転音が小さくなり、暖房時にコールドドラフトが生
じることもなく、室温コントロールが良好に行なわれる
という有用な効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の一実施例を示す空気調和機の制御方
法が適用される空気調和機の概略的ブロック線図であ
る。
【図２】空気調和機による居住空間を説明する概略的斜
視図である。
【図３】空気調和機による室温の状態を説明する概略的
グラフ図である。
【符号の説明】
２ 室内機（空気調和機の） ３ 室外機（空気調和機の） ４ リモコン装置 ５ 畳数セレクトボタン（畳数Ｓ；セレクト手段）
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−312341（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−222340（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−239335（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−160264（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−12245（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−212865（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) F24F 11/00 - 11/08 F24H 3/00 - 3/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 リモコン装置の風量設定ノッチに対応し
    て室内ファンの回転数が切り替え可能であるとともに、
    上記リモコン装置による設定温度と室温センサによる検
    出温度との比較結果により、少なくとも圧縮機をその最
    大運転電流を越えない範囲で制御する空気調和機の制御
    方法において、上記リモコン装置には、空気調和すべき
    居住空間の広さを選択する畳数セレクト手段が設けられ
    ているとともに、上記畳数セレクト手段にて選択された
    居住空間の広さに応じて上記風量設定ノッチに対応した
    上記室内ファンの回転数と上記圧縮機の最大運転電流と
    が同時に段階的に切り替え可能とされており、上記畳数
    セレクト手段により上記風量設定ノッチに対応した室内
    ファンの回転数と上記圧縮機の最大運転電流がその居住
    空間の広さに見合った値に変更されることを特徴とする
    空気調和機の制御方法。
JP4241146A 1992-08-18 1992-08-18 空気調和機の制御方法 Expired - Lifetime JP2992665B2 (ja)

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