JP2983122B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2983122B2
JP2983122B2 JP5095101A JP9510193A JP2983122B2 JP 2983122 B2 JP2983122 B2 JP 2983122B2 JP 5095101 A JP5095101 A JP 5095101A JP 9510193 A JP9510193 A JP 9510193A JP 2983122 B2 JP2983122 B2 JP 2983122B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の出力系統を有す
る電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子キーボードと呼ばれる電子楽
器が開発され実用に供されている。かかる電子キーボー
ドは、1チャンネル又は2チャンネルの出力系統を有す
る。即ち、音源からスピーカ(又は出力端子)に至るま
でのハードウエア、及びこのハードウエアを駆動して所
定の楽音を発生させるためのソフトウエアは、最大2チ
ャンネルの発音を行うべく構成されている。
【0003】上記1チャンネルの出力系統しか持たない
電子キーボードはモノラル演奏しか実現できないが、2
チャンネルの出力系統を有する電子キーボードは、ステ
レオ再生による演奏が可能となっている。
【0004】一方、上記のような電子キーボードは、一
般に、自動演奏機能を備えており、この自動演奏機能を
用いることにより、所定のパートの演奏を自動演奏に任
せ、特定パートを演奏者が弾くという演奏形態ができる
ようになっている。例えば、ドラム、ベース、ピアノと
いった各パートの楽音を自動伴奏させながら、例えばト
ランペットの音色でメロディを演奏するという演奏形態
や、オーケストラの自動伴奏をバックに特定楽器の音色
でメロディを演奏するという演奏形態をとることができ
る。
【0005】上記のような自動演奏機能は、例えばマル
チ音源を用いて実現されている。即ち、各パートに対し
て音源を割り当て、予め自動演奏データ用のメモリ(又
はシーケンサ)に記憶された各パートの自動演奏データ
を順次読み出し、これを上記割り当てられた音源に送っ
て同時発音させることにより実現されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、出力系
統が1チャンネルしかない電子キーボードは、モノラル
演奏しかできないので音の立体感に乏しいという欠点が
ある。そこで、最近は2チャンネルの出力系統を有する
電子キーボードが主流となっている。
【0007】2チャンネルの出力系統を有する電子キー
ボードでは、ステレオ再生により音像定位を制御するこ
とができるので、臨場感に溢れた演奏が可能となってい
る。しかしながら、例えばオーケストラ等のように、複
数の楽器音が含まれる自動演奏データを再生する場合に
は、2チャンネルの出力系統で形成される音像は、生の
演奏における音像に比べ、立体感や躍動感に乏しく平面
的に聞こえてしまうという問題があった。
【0008】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、生の演奏に近い立体感や躍動感を有し、臨場
感に溢れた音像を得ることのできる電子楽器を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様に係る電子楽器は、楽音を放音
する少なくとも4つの放音手段と、該4つの放音手段の
何れかを指定する指定手段と、自動演奏データが記憶さ
れた記憶手段と、該記憶手段に記憶された自動演奏デー
タに従って楽音信号を生成する楽音信号生成手段と、該
楽音信号生成手段で生成された楽音信号を、前記指定手
段で指定された放音手段に与える制御手段、とを具備し
たことを特徴とする。
【0010】また、同様の目的で、本発明の第2の態様
に係る電子楽器は、2個が1対となって楽音をステレオ
再生するスピーカ対を少なくとも2組有する電子楽器で
あって、前記少なくとも2組のスピーカ対の何れかを指
定する指定手段と、自動演奏データが記憶された記憶手
段と、該記憶手段に記憶された自動演奏データに従って
1対のステレオ楽音信号を生成する楽音信号生成手段
と、該楽音信号生成手段で生成された1対のステレオ楽
音信号を、前記指定手段で指定されたスピーカ対に与え
る制御手段、とを具備したことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明の第1の態様に係る電子楽器において
は、少なくとも4つ備えられた放音手段の何れかを指定
手段で指定し、この指定された放音手段により、記憶手
段に記憶された自動演奏データに従って生成された楽音
信号に基づく楽音を放音するようにしている。上記指定
手段としては、例えば記憶手段に自動演奏データの一種
として記憶された特別のデータ、或いは操作パネル等に
設けられた操作子を用いることができる。
【0012】これにより、例えば放音手段としてのスピ
ーカを、例えば聴者の前後左右上下等の少なくとも4点
に配置し、このスピーカの配置に合わせて作成された自
動演奏データに基づいて放音されることになるので、任
意の音像空間を作り出すことができ、生の演奏に近い立
体感や躍動感を有する音像を得ることができる。
【0013】本発明の第2の態様に係る電子楽器におい
ては、少なくとも2組備えられたスピーカ対の何れか1
組のスピーカ対を指定手段で指定し、この指定されたス
ピーカ対により、記憶手段に記憶された自動演奏データ
に従って生成されたステレオ楽音信号に基づく楽音をス
テレオで放音するようにしている。この場合も、上記指
定手段としては、例えば記憶手段に自動演奏データの一
種として記憶された特別のデータ、或いは操作パネル等
に設けられた操作子を用いることができる。
【0014】従って、各スピーカ対のステレオ効果によ
り音像定位が異なるように作成された自動演奏データに
基づいて放音されることになるので、生の演奏に近い立
体感や躍動感を有する音像空間を作り出すことができ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の電子楽器の実施例につき、本
発明の特徴に関係する出力系統に係る部分の構成及び動
作を中心に図面を参照しながら詳細に説明する。なお、
本実施例では、「16」のパート(1つの楽音を発生さ
せるための制御単位であり、16個のMIDIチャンネ
ルに対応している)と、「4」の出力チャンネル(放音
するチャンネル)を有するものとして説明するが、これ
に限定されるものではない。
【0016】図1は、本発明の電子楽器の実施例の概略
構成を示すブロック図である。本電子楽器の主要構成要
素である、中央処理装置(以下、「CPU」という)1
0、プログラムメモリ11、RAM12、パネルインタ
フェース回路13、鍵盤インタフェース回路15、自動
演奏データメモリ17、楽音波形メモリ19及び音源
(トーンジェネレータ)18は、システムバス30を介
して相互に接続されている。
【0017】システムバス30は、例えばアドレス線、
データ線及び制御信号線等で成るバスラインであり、上
記各構成要素間において各種データの送受を行うために
使用されるものである。このシステムバス30は、CP
U10と音源19とにより時分割で使用される。
【0018】上記CPU10は、プログラムメモリ11
に格納されている制御プログラムに従って、本電子楽器
の全体を制御するものである。例えば、CPU10は、
操作パネル14からパネルインタフェース回路13を経
由して音色ナンバを取り込み、また、鍵盤装置16から
鍵盤インタフェース回路15を経由してキーナンバ、イ
ニシャルタッチデータ等を取り込み、これら各データに
基づいて、例えば波形アドレス、周波数データ、エンベ
ロープデータ、フィルタ係数等を生成して音源19に送
ることにより所定の楽音を発生させる処理等を行う。
【0019】また、CPU10は、システムバス30を
介して自動演奏データメモリ17から自動演奏データを
読み出し、これに所定の変換を施してシステムバス30
を介して音源19に送ることにより、所定の自動演奏を
行わせる処理を行う。
【0020】このCPU10には、自動演奏用のタイム
カウンタが内蔵されている。このタイムカウンタは、所
定のスタート指令により動作が開始され、以降は一定周
期でカウントアップ動作を行うものである。このタイム
カウンタは、後述する自動演奏処理において発音又は消
音のタイミングを検出するために使用される。
【0021】また、このCPU10には、専用線を介し
てMIDIインタフェース回路40が接続されている。
MIDIインタフェース回路40は、本電子楽器と外部
装置との間のMIDIデータの受け渡しを制御するもの
である。外部装置としては、例えばMIDIデータを処
理するパーソナルコンピュータ、シーケンサ或いは他の
電子楽器等を挙げることができる。
【0022】上記プログラムメモリ11は、例えばRO
Mで構成されるものであり、上述したCPU10を動作
させるための制御プログラムが記憶されている他、CP
U10が各種処理に用いる種々の固定データが記憶され
ている。
【0023】このプログラムメモリ11の記憶内容は、
システムバス30を介してCPU10により読み出され
る。即ち、CPU10は、システムバス30を介してプ
ログラムメモリ11から制御プログラム(命令)を読み
出して解釈・実行すると共に、所定の固定データを読み
出して各種処理に使用する。
【0024】上記RAM12は、制御プログラムの実行
に用いる種々のデータを一時記憶するものであり、例え
ばデータバッファ、レジスタ、フラグ等の各領域が定義
されている。このRAM12は、システムバス30を介
してCPU10によりアクセスされる。
【0025】上記パネルインタフェース回路13には、
操作パネル14が接続されている。この操作パネル14
は、本電子楽器に各種動作を指示するために用いられる
ものであり、例えば図2の外観平面図に示すように、本
電子楽器の略中央に配置されている。この操作パネル1
4には、例えば各種スイッチ及び表示器等が設けられて
いる。
【0026】上記各種スイッチには、詳細は図示しない
が、本電子楽器を制御するための種々のスイッチ、例え
ば、音色選択スイッチ、音量制御スイッチ、リズム選択
スイッチ、リバーブスイッチ等の音響効果スイッチ、自
動演奏スイッチ等が含まれている。
【0027】上記音色選択スイッチは本電子楽器に用意
されている複数音色の中から1つの音色を選択するため
に使用され、音量制御スイッチは音量を制御するために
使用され、リズム選択スイッチは複数リズムの中から1
つのリズムを選択するために使用され、音響効果スイッ
チは音響効果の種類(例えばリバーブ)を指定するため
に使用され、自動演奏スイッチは自動演奏の開始又は停
止を制御するために使用されるものである。
【0028】また、表示器は、例えば電子楽器の状態や
各種メッセージを文字等で表示するLCD表示器、各ス
イッチの設定状態を示すLED表示器等が含まれる。こ
れら表示器の表示制御はCPU10によって行われる。
【0029】なお、後述するように、各パートの自動演
奏データに基づく楽音を放音するスピーカを操作パネル
14から指定する構成の場合は、この操作パネル14に
スピーカを指定するための指定手段としてのスイッチが
設けられる。
【0030】上記パネルインタフェース回路13は、操
作パネル14とCPU10との間のデータの送受を制御
するものである。即ち、パネルインタフェース回路13
は操作パネル14に対してスキャン信号を送出し、この
スキャン信号に応答して操作パネル14から返送される
各スイッチのオン/オフを示す信号を入力する。
【0031】そして、この信号から各スイッチのオン/
オフをビットに対応させて成るパネルデータを生成し、
システムバス30を介してCPU10に送る。このパネ
ルデータは、CPU10の制御の下にRAM12に格納
され、パネルイベントの有無の判断に使用される(詳細
は後述する)。
【0032】また、パネルインタフェース回路13は、
CPU10からシステムバス30を介して送られてきた
表示用データを操作パネル14に送る。これにより、操
作パネル14に設けられたLCD表示器の表示内容の変
更等、又はLED表示器の点灯又は消灯制御が行われ
る。
【0033】上記鍵盤インタフェース回路15には鍵盤
装置16が接続されている。鍵盤装置16は、音高を指
示するための複数の鍵を有する。この鍵盤装置16とし
ては、例えば2接点方式の鍵盤装置が用いられ、鍵のオ
ン/オフと共に、イニシャルタッチデータを検出するこ
とができるようになっている。即ち、鍵盤装置16の各
鍵は、押鍵又は離鍵動作によってオン/オフする2個の
キースイッチを有し、それぞれのキースイッチは異なる
押圧深さでオン/オフされる。
【0034】鍵盤インタフェース回路15は、鍵盤装置
16とCPU10との間のデータの送受を制御するもの
である。具体的には、鍵盤インタフェース回路15は、
鍵盤装置16に対してスキャン信号を送出し、このスキ
ャン信号に応答して鍵盤装置16から返送される各キー
の2個のキースイッチのオン/オフ状態示す信号を受け
取る。
【0035】そして、この受け取った信号から、各鍵の
オン/オフをビットに対応させて成るキーデータ及びイ
ニシャルタッチデータを生成し、システムバス30を介
してCPU10に送る。このキーデータ及びイニシャル
タッチデータは、CPU10の制御の下にRAM12に
格納されて鍵盤イベントの有無の判断に使用される。そ
して、この判断結果に基づき鍵盤装置16の押鍵又は離
鍵に伴う発音/消音処理が行われることになる。
【0036】上記自動演奏データメモリ17は記憶手段
に対応するものであり、例えばROMで構成される。こ
の自動演奏データメモリ17には、複数の自動演奏曲に
対応した自動演奏データが記憶されている。
【0037】上記自動演奏データは、自動演奏曲のパー
ト毎に、4つの出力チャンネルによる自動演奏(2組の
ステレオ演奏)ができるように構成されている。図7
(A)に、本発明の特徴に係る自動演奏データである
「スピーカセレクト」及び「パンポットセレクト」のデ
ータ形式の一例を示す。
【0038】「スピーカセレクト」の自動演奏データは
指定手段に対応するものであり、4バイトで構成されて
いる。このスピーカセレクトの自動演奏データは、発音
に使用するスピーカを指定するために使用される。この
スピーカセレクトデータの1バイト目は、データの種類
を示すステータス「BH」(`H´は16進数であるこ
とを示す。以下、同じ)とパート(16個のMIDIチ
ャンネルに対応する)を指示するチャンネルナンバ「n
H」とで構成される。2バイト目は、本自動演奏データ
の実行タイミングを示すステップタイムである。
【0039】3バイト目は、ステータスの一部であり、
ドラムの音色であるかドラム以外の音色であるかを指示
するものである。この3バイト目のデータと上記1バイ
ト目のデータの上位4ビットで「スピーカセレクト」で
あることが認識されることになる。4バイト目は、放音
に使用するスピーカを指定するスピーカ指定情報として
使用される。本実施例の場合、4バイト目の値が「00
H〜3FH」の場合Aグループのスピーカ(スピーカ2
6及び27の1対)、「40H〜FFH」の場合Bグル
ープのスピーカ(スピーカ28及び29)を指定するも
のとする。
【0040】「パンポットセレクト」の自動演奏データ
は4バイトで構成され、1対のスピーカの音像定位を決
定するために使用される。このパンポットセレクトデー
タの1及び2バイト目は、上記スピーカセレクトと同じ
である。3バイト目は、ステータスの一部である。この
3バイト目のデータと上記1バイト目のデータの上位4
ビットで「パンポットセレクト」であることが認識され
ることになる。
【0041】4バイト目は、パンポットの位置を指定す
るパンポット指定情報であり、上位4ビットのみが使用
される。従って、パート毎に16通りの音像定位を指定
できるようになっている。
【0042】上記スピーカセレクト、パンポットセレク
トの各自動演奏データが実行されることにより、スピー
カ指定情報、パンポット指定情報はプレイバッファにセ
ットされる。ここでプレイバッファは、パート毎に設け
られたバッファであり、パート即ち楽音毎の各種制御情
報、例えば上記スピーカ指定情報、パンポット指定情報
の他、音色情報、音量情報等を記憶するものである。
【0043】何れのプレイバッファにセットするかは、
自動演奏データ中に含まれるチャンネルナンバ「n」で
指定される。このプレイバッファの内容は、発音指示の
自動演奏データが実行される場合に参照される。
【0044】この自動演奏データメモリ17に記憶され
た自動演奏データは、後述する自動演奏処理において音
源19が処理することができる形式のデータに変換さ
れ、音源19に送られる。
【0045】なお、上記自動演奏データは、上記自動演
奏データメモリ17に代えて、上述したRAM12に記
憶するように構成しても良い。この場合、システムバス
30に例えばフロッピーディスク装置を接続すると共
に、フロッピーディスクに自動演奏データを記憶せしめ
ておき、例えば本電子楽器の電源投入時にフロッピーデ
ィスク装置に装着されたフロッピーディスクから自動演
奏データをRAM12にロードするように構成すれば良
い。
【0046】上記楽音波形メモリ18は、パルスコード
変調(PCM)された楽音波形データを記憶するもので
ある。この楽音波形メモリ18には、複数種類の音色を
実現するべく、各鍵域と各音色に対応した複数種類の楽
音波形データが記憶されている。各音色に対応する楽音
波形データは、ステレオ再生を可能にするべく、左チャ
ンネル用と右チャンネル用とに分けて記憶されている。
【0047】音源19は楽音信号生成手段に対応するも
のであり、例えば複数のオシレータ(例えば48個のオ
シレータ)を備え、各オシレータが1つの発音チャンネ
ルを構成している。そして、1つの楽音を発生するに際
しては、1つのパートに対して1個乃至数個の発音チャ
ンネル(オシレータ)が割り当てられる。
【0048】発音が割り当てられたオシレータは、楽音
波形メモリ18に記憶された左右両チャンネル用の楽音
波形データを時分割で読み出し、これにプレイバッファ
に格納されているパンポット情報に従ったエンベロープ
を付加して左右両チャンネル用のデジタル楽音信号を時
分割で生成する。
【0049】この音源19で時分割で生成された左右両
チャンネル用のデジタル楽音信号は、プレイバッファに
記憶されたスピーカ指定情報に従って、D/A変換器2
0又は21の何れかに送られる。
【0050】D/A変換器20は、入力されたデジタル
楽音信号をアナログ楽音信号に変換すると共に、右チャ
ンネルのアナログ楽音信号と左チャンネル用のアナログ
楽音信号に分離して出力するものである。このD/A変
換器20で変換・分離された右チャンネル用のアナログ
楽音信号は増幅器22に、左チャンネル用のアナログ楽
音信号は増幅器23に、それぞれ送られる。
【0051】増幅器22は、入力された右チャンネル用
のアナログ楽音信号を所定の増幅率で増幅して出力する
ものである。この増幅器22で所定の増幅が行われた右
チャンネル用のアナログ楽音信号はスピーカ26に送ら
れる。同様に、増幅器23は、入力された左チャンネル
用のアナログ楽音信号を所定の増幅率で増幅して出力す
るものである。この増幅器23で所定の増幅が行われた
左チャンネル用のアナログ楽音信号はスピーカ27に送
られる。
【0052】D/A変換器21は、入力されたデジタル
楽音信号をアナログ楽音信号に変換すると共に、右チャ
ンネルのアナログ楽音信号と左チャンネル用のアナログ
楽音信号に分離して出力するものである。このD/A変
換器21で変換・分離された右チャンネル用のアナログ
楽音信号は増幅器24に、左チャンネル用のアナログ楽
音信号は増幅器25に、それぞれ送られる。
【0053】増幅器24は、入力された右チャンネル用
のアナログ楽音信号を所定の増幅率で増幅して出力する
ものである。この増幅器24で所定の増幅が行われた右
チャンネル用のアナログ楽音信号はスピーカ28に送ら
れる。同様に、増幅器25は、入力された左チャンネル
用のアナログ楽音信号を所定の増幅率で増幅して出力す
るものである。この増幅器25で所定の増幅が行われた
左チャンネル用のアナログ楽音信号はスピーカ29に送
られる。
【0054】スピーカ26〜29は放音手段に対応する
ものであり、電気信号としてのアナログ楽音信号を音響
信号に変換する周知のものである。このスピーカ26〜
29により、鍵盤装置16の鍵の押下又は自動演奏デー
タメモリ17から読み出された自動演奏データに応じた
楽音が放音されることになる。
【0055】図2は、上記スピーカ26〜29の配置例
を示す図であり、同図(A)は平面図、同図(B)は側
面図である。Aグループを形成するスピーカ26及び2
7は、本電子楽器のほぼ中央に設けられた操作パネル1
4の両端に、図中手前側に傾斜せしめて設けられてい
る。このスピーカ26及び27としては、例えば8cm
スピーカが用いられる。これらスピーカ26及び27に
よる音像は、両スピーカ26及び27を結ぶ線より図中
手前側に定位が決まる。
【0056】Bグループを形成するスピーカ28及び2
9は、本電子楽器の操作パネル14より図中奥側の本体
ケースの両端に設けられている。このスピーカ28及び
29としては、例えば12cmスピーカが用いられる。
これらスピーカ28及び29の開口面と反対側の本体ケ
ースには開口部50が形成されており、この開口部50
からも楽音が放出されるようになっている。これらスピ
ーカ28及び29による音像は、両スピーカ28及び2
9を結ぶ線より図中手前側に定位が決まる。
【0057】かかるスピーカの配置により、Aグループ
のスピーカによるステレオ再生で形成される音像定位と
Bグループのスピーカによるステレオ再生で形成される
音像定位とが前後に分かれ、奥行き感のある音場を実現
できるものとなっている。
【0058】次に、上記の構成において、本発明に係る
電子楽器が適用された電子楽器の動作につき、図3〜図
6のフローチャートを参照しながら自動演奏を行う場合
の動作を中心に説明する。
【0059】図3は、本電子楽器のメインルーチンを示
すフローチャートであり、電源投入により起動される。
即ち、電源が投入されると、先ず、初期化処理が行われ
る(ステップS10)。
【0060】この初期化処理は、CPU10の内部状態
を初期状態に設定するとともに、RAM12に定義され
ているレジスタ、カウンタ或いはフラグ等に初期値を設
定する処理である。また、この初期化処理では、音源1
9に所定のデータを送り、電源投入時に不要な音が発生
されるのを防止する処理も行われる。
【0061】この初期化処理が終了すると、スイッチイ
ベント処理が行われる(ステップS11)。このスイッ
チイベント処理の詳細につき図4のフローチャートを参
照しながら説明する。
【0062】スイッチイベント処理では、先ず、スイッ
チイベントの有無が調べられる(ステップS20)。こ
れは、次のようにして行われる。即ち、先ずパネルイン
タフェース回路13で操作パネル14をスキャンするこ
とにより、各スイッチの現在のオン/オフ状態を示すパ
ネルデータ(以下、「新パネルデータ」という)を各ス
イッチに対応したビット列として取り込む。
【0063】次いで、前回読み込んで既にRAM12に
記憶されているパネルデータ(以下、「旧パネルデー
タ」という)と、上記新パネルデータとを比較して相違
するビットが存在するか否かを調べ、相違するビットを
オンにしたパネルイベントマップを作成する。スイッチ
イベントの有無の判断は、このパネルイベントマップを
参照することにより行われ、オンになっているビットが
1つでも存在するとスイッチイベントがあった旨が判断
されることになる。
【0064】上記ステップS20でスイッチイベントが
なかったことが判断されると、何等の処理も行わずにこ
のスイッチイベント処理ルーチンからリターンしてメイ
ンルーチンのステップS12に戻る。
【0065】一方、上記ステップS20でスイッチイベ
ントがあったことが判断されると、そのスイッチイベン
トは自動演奏スイッチのイベントであるか否かが調べら
れる(ステップS21)。これは、上述のようにして作
成されたパネルイベントマップ中の自動演奏スイッチに
対応するビットがオンになっているか否かを調べること
により行われる。
【0066】ここで、自動演奏スイッチのイベントがあ
ったことが判断されると、そのイベントはオンイベント
であるか否かが調べられる(ステップS22)。これ
は、新パネルデータ中の自動演奏スイッチに対応するビ
ットがオンになっているか否かを調べることにより行わ
れる。
【0067】ここで、オンイベントであることが判断さ
れると、先ず、自動演奏フラグが「1」にセットされる
(ステップS23)。自動演奏フラグは、RAM12に
定義されるフラグであり、本電子楽器が自動演奏モード
にされているか否かを記憶するために使用されるもので
ある。この自動演奏フラグが「1」にセットされること
により、本電子楽器は自動演奏モードに移行される。
【0068】次いで、タイムカウンタのスタート処理が
行われる(ステップS24)。これは、CPU10に内
蔵される図示しないタイムカウンタのカウントアップ動
作を開始させる処理である。以降、このタイムカウンタ
は一定時間間隔でカウントアップされることになる。
【0069】次いで、自動演奏スタート処理が行われる
(ステップS25)。この自動演奏スタート処理は、操
作パネル14で指定された曲の自動演奏データが記憶さ
れている自動演奏データメモリ17のアドレス(スター
トアドレスSA)をRAM12に設けられたカレントポ
インタにセットする処理である。
【0070】ここで、上記カレントポインタは、自動演
奏データの現在位置を記憶するものであり、初期値とし
てスタートアドレスSAがセットされ、1つの自動演奏
データに対する処理が完了する度にインクリメントされ
るものである。以上のようにして、自動演奏スタート処
理が終了するとステップS28に進む。
【0071】上記ステップS22で、自動演奏スイッチ
のイベントがオンイベントでないことが判断されると、
自動演奏フラグが「0」にクリアされる(ステップS2
6)。この自動演奏フラグを「0」にクリアすることに
より、本電子楽器は自動演奏モードから通常演奏モード
に移行される。
【0072】次いで、タイムカウンタのストップ処理が
行われる(ステップS27)。これは、CPU10に内
蔵される図示しないタイムカウンタのカウントアップ動
作が停止される。
【0073】以上の自動演奏スイッチに対する処理(ス
テップS22〜S27)が終了し、又は上記ステップS
21で自動演奏スイッチのイベントがなかったことが判
断されると、その他のスイッチに対する処理が行われる
(ステップS28)。
【0074】この「その他のスイッチ処理」により、例
えば、音色選択スイッチ、音量制御スイッチ、リズム選
択スイッチ、リバーブスイッチ等の音響効果スイッチ等
の各スイッチイベントに対する処理が行われることにな
るが、これらの各処理は本発明の要旨とは直接関係しな
いので詳細な説明は省略する。この「その他のスイッチ
処理」が終了すると、スイッチイベント処理ルーチンか
らリターンしてメインルーチンのステップS12に戻
る。
【0075】メインルーチンでは、次いで、鍵盤イベン
ト処理が行われる(ステップS12)。この鍵盤イベン
ト処理では、先ず、鍵盤イベントの有無が調べられる。
これは、次のようにして行われる。即ち、鍵盤インタフ
ェース回路15で鍵盤装置16をスキャンすることによ
り、各鍵の押下状態を示すキーデータ(以下、「新キー
データ」という)を各鍵に対応したビット列として取り
込む。
【0076】次いで、前回読み込んで既にRAM12に
記憶されているキーデータ(以下、「旧キーデータ」と
いう)と、新キーデータとを比較して相違するビットが
存在するか否かを調べ、相違するビットをオンにした鍵
イベントマップを作成する。鍵盤イベントの有無の判断
はこの鍵イベントマップを参照することにより行われ
る。即ち、鍵イベントマップ中にオンになっているビッ
トが1つでも存在すると鍵盤イベントがあった旨が判断
されることになる。
【0077】上記で作成した鍵イベントマップを参照す
ることにより鍵盤イベントがあったことが判断される
と、鍵盤イベント処理が行われる。鍵盤イベント処理で
は、鍵盤のオンイベントの場合は、鍵盤イベント用に定
められたパートに音源19中の所定のオシレータが割り
当てられる。
【0078】次いで、そのオンイベントのあった鍵を示
すキーナンバ、鍵の押下の強さ(速度)を示すイニシャ
ルタッチデータ、及び音色ナンバ等に基づいて、例えば
波形アドレス、周波数データ、エンベロープデータ、フ
ィルタ係数等が生成され、音源19に送られる。これに
より、上述したような動作により、音源19の割り当て
られたオシレータで、上記各データに基づいた楽音の発
音が行われる。
【0079】一方、オフイベントがあった場合は、その
オフイベントがあった鍵に割り当てられている音源19
中のオシレータが検索され、リリースのエンベロープデ
ータが送られることにより消音が行われる。
【0080】この鍵盤イベント処理が終了すると、次い
で、自動演奏処理が行われる(ステップS13)。この
自動演奏処理の詳細については後述する。
【0081】次いで、その他の処理が行われる(ステッ
プS14)。この「その他の処理」には、MIDIデー
タの送受信処理等が含まれる。その後ステップS11に
戻り、以下同様の処理を繰り返す。上記ステップS11
〜S14の繰り返し実行の過程で、パネル操作又は鍵盤
操作に基づくイベントが発生すると、そのイベントに対
応する処理が行われることにより電子楽器としての各種
機能が発揮される。
【0082】次に、上記自動演奏処理の詳細につき、図
5に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0083】自動演奏処理では、先ず、自動演奏フラグ
が「1」であるか否かが調べられる(ステップS3
0)。そして、自動演奏フラグが「0」、即ち通常演奏
モードであることが判断されると、何等の処理を行うこ
となくこの自動演奏処理ルーチンからリターンしてメイ
ンルーチンのステップS14に戻る。
【0084】一方、自動演奏フラグが「1」、即ち、自
動演奏モードであることが判断されると、自動演奏デー
タの読み込みが行われる(ステップS31)。即ち、C
PU10は、カレントポインタで示される自動演奏デー
タメモリ17中の自動演奏データを1つだけ取り出す。
次いで、自動演奏イベントの有無が調べられる(ステッ
プS32)。これは、自動演奏データに含まれているス
テップタイムと図示しないタイムカウンタでカウントア
ップされているタイム値とを比較することにより行われ
る。
【0085】ここで、自動演奏イベントが無い、即ち上
記比較の結果が一致しないことが判断されると、未だ発
音又は消音タイミングに至っていない旨が認識され、以
下の処理を行うことなくこの自動演奏処理ルーチンから
リターンしてメインルーチンのステップS14に戻る。
この場合、カレントポインタはインクリメントされずに
元の状態を維持する。従って、ステップS31では次回
も同じ自動演奏データが読み出されることになる。
【0086】一方、自動演奏イベントが有る、即ち上記
の比較結果が一致することが判断されると、発音又は消
音タイミングが到来した旨が認識され、次いで、自動演
奏データはスピーカセレクトデータであるか否かが調べ
られる(ステップS33)。この場合、カレントポイン
タがインクリメントされる。従って、ステップS31で
は次回は次の自動演奏データが読み出されることにな
る。
【0087】ここで、スピーカセレクトデータであるこ
とが判断されると、スピーカデータセーブが行われる
(ステップS34)。即ち、スピーカセレクトデータの
1バイト目に含まれるチャンネルナンバ「nH」に対応
するプレイバッファに、4バイト目に含まれるスピーカ
指定情報がセットされる。
【0088】これにより、当該チャンネルナンバを有す
る自動演奏データが実行される場合は、使用するスピー
カとして、Aグループのスピーカ又はBグループのスピ
ーカの何れかが選択されることになる。このスピーカデ
ータセーブ処理が終了すると、この自動演奏処理ルーチ
ンからリターンしてメインルーチンのステップS14に
戻る。
【0089】上記ステップS33で自動演奏データがス
ピーカセレクトデータでないことが判断されると、次い
で、パンポットセレクトデータであるか否かが調べられ
る(ステップS35)。ここで、パンポットセレクトデ
ータであることが判断されると、パンポットデータセー
ブが行われる(ステップS36)。即ち、パンポットセ
レクトデータの1バイト目に含まれるチャンネルナンバ
「nH」に対応するプレイバッファに、4バイト目に含
まれるパンポット指定情報がセットされる。
【0090】これにより、当該チャンネルナンバを有す
る自動演奏データが実行される場合は、プレイバッファ
にセットされたパンポット指定情報に従って左右両出力
チャンネルの音量バランスが制御され、音像はパンポッ
ト指定情報で指定された位置に定位が決まる。このパン
ポットデータセーブ処理が終了すると、この自動演奏処
理ルーチンからリターンしてメインルーチンのステップ
S14に戻る。
【0091】上記ステップS35で自動演奏データがパ
ンポットセレクトデータでないことが判断されると、次
いで、ノートオンデータであるか否かが調べられる(ス
テップS37)。
【0092】ここで、ノートオンデータであることが判
断されると、発音処理が行われる(ステップS38)。
この発音処理の詳細は図6のフローチャートに示されて
いる。
【0093】発音処理では、先ず、波形情報のセットが
行われる(ステップS50)。即ち、ノートオンデータ
の1バイト目に含まれるチャンネルナンバ「nH」に対
応するプレイバッファにセットされている音色情報、音
量情報等、及びノートオンデータで指定されたキーナン
バ及びベロシティデータ等に基づいて、読み出すべき楽
音波形データが記憶されている楽音波形メモリ18の波
形アドレス、読み出す速度を指定する周波数データ、読
み出した楽音波形データに付加すべきエンベロープデー
タ、フィルタ係数等を生成し、音源19に送る。
【0094】次いで、スピーカ決定処理を行う(ステッ
プS51)。即ち、ノートオンデータの1バイト目に含
まれるチャンネルナンバ「nH」に対応するプレイバッ
ファにセットされているスピーカ指定情報を音源19に
送る。これにより、音源19は、生成したデジタル楽音
信号の出力先、即ち、D/A変換器20に送るかD/A
変換器21に送るかを決定する。
【0095】次いで、パンポット決定処理を行う(ステ
ップS52)。即ち、ノートオンデータの1バイト目に
含まれるチャンネルナンバ「nH」に対応するプレイバ
ッファにセットされているパンポット指定情報を音源1
9に送る。これにより、左右両チャンネル用のデジタル
楽音信号に付すべきエンベロープの大きさがそれぞれ加
工され、音像定位が決定される。
【0096】次いで、その他の情報セット処理が行われ
る(ステップS53)。このその他の情報としては、例
えばリバーブ等の音響効果を指定する処理等が含まれ
る。
【0097】次いで、発音処理を行う(ステップS5
4)。この発音処理は、音源19を駆動することによ
り、先にセットした各情報に基づき所定の楽音を発生さ
せる処理である。即ち、発音が割り当てられたオシレー
タは、楽音波形メモリ18から楽音波形データを読み出
し、これにエンベロープを付加してデジタル楽音信号を
生成する。この音源19で発生されたデジタル楽音信号
は、スピーカセレクトデータに従ってD/A変換器20
又はD/A変換器21に送られる。
【0098】D/A変換器20又は21では、入力され
たアナログ楽音信号をデジタル楽音信号に変換して増幅
器22及び23又は増幅器24及び25に送る。増幅器
22〜25では所定の増幅が行われたアナログ楽音信号
はスピーカ26〜29に送られる。これによりスピーカ
26〜29から自動演奏データに対応する楽音が放音さ
れる。この発音処理が終了すると、自動演奏処理ルーチ
ンからリターンしてメインルーチンのステップS14に
戻る。
【0099】自動演奏処理ルーチンでは、上記ステップ
S37でノートオンデータでないことが判断されると、
次いで、ノートオフデータであるか否かが調べられる
(ステップS39)。そして、ノートオフデータである
ことが判断されると、消音処理が行われる(ステップS
40)。
【0100】この消音処理は、上述した鍵盤イベント処
理におけるキーオフイベントの場合と同様に、ノートオ
フが指示された楽音に割り当てられているオシレータを
検索し、リリースのエンベロープデータを送る処理であ
る。これにより消音が行われる。その後、この自動演奏
処理ルーチンからリターンしてメインルーチンのステッ
プS14に戻る。
【0101】上記ステップS39でノートオフデータで
ないことが判断されると、その他の処理が行われる(ス
テップS41)。この「その他の処理」には、上述した
自動演奏データ以外の自動演奏データに対する処理、例
えば音色変更処理、音量変更処理等が含まれるが、本発
明とは直接関係しないので説明は省略する。この「その
他の処理」が終了するとこの自動演奏処理ルーチンから
リターンしてメインルーチンのステップS14に戻る。
【0102】以上説明したように、本実施例によれば、
Aグループ又はBグループのスピーカの何れかをスピー
カ指定情報で指定し、この指定されたグループにより、
自動演奏データメモリ17に記憶された自動演奏データ
に従って生成されたステレオ楽音信号に基づく楽音をス
テレオで放音するようにしている。
【0103】従って、各グループのスピーカ対のステレ
オ効果により音像定位が異なるように作成された自動演
奏データに基づいて放音されることになるので、生の演
奏に近い立体感や躍動感を有する音像空間を作り出すこ
とができる。
【0104】なお、上記実施例では、自動演奏データメ
モリ17に記憶された自動演奏データに基づいてスピー
カの指定やパンポットの制御を行うように構成したが、
外部装置からMIDIインタフェース回路40を介して
送られてくるMIDIデータに基づいてスピーカの指定
やパンポットの制御を行って演奏を行わせるように構成
することもできる。
【0105】この場合、MIDIデータの1つとしてス
ピーカセレクト及びパンポットセレクトのデータを定義
し、これをパート毎に設けられたプレイバッファにセッ
トして発音に用いるスピーカの選択及びパンポットの設
定を行うように構成する。MIDIデータの形式は、例
えば図7(B)に示したような構成とすることができ
る。
【0106】同図(A)に示した自動演奏データの形式
とは、ステップタイム情報を有していない点で異なって
いるが、これは、受信したMIDIデータは順次実行さ
れるのでステップタイムは不要であるためである。その
他のデータは上述した自動演奏データと同じである。
【0107】また、上記実施例では、自動演奏データ又
はMIDIデータの1つとしてスピーカセレクト及びパ
ンポットセレクトのデータを定義し、これらのデータが
出現する度にプレイバッファの内容を変更してスピーカ
の選択やパンポットの制御を行うように構成したが、ス
ピーカの選択やパンポットの制御は次のようにして行う
こともできる。
【0108】即ち、各自動演奏曲に対応付けて各パート
(チャンネルナンバ)のスピーカセレクトデータ及びパ
ンポットセレクトデータを例えばテーブルとして自動演
奏データメモリ17に記憶せしめておき、演奏開始時
に、これらを読み出してプレイバッファにセットするよ
うに構成する。かかる構成によれば、自動演奏データや
MIDIデータ中にスピーカセレクト又はパンポットセ
レクトのためのデータが出現しないので、処理が容易に
なるという利点がある。
【0109】更に、上記実施例では、スピーカセレクト
データを用いて発音に使用するスピーカを決定するよう
に構成したが、操作パネル14のスイッチを操作するこ
とにより発音に使用するスピーカを決定するように構成
しても良い。これは、スイッチ操作に伴ってプレイバッ
ファのスピーカ指定情報を書き換えるように構成するこ
とにより実現される。かかる構成によれば、自動演奏デ
ータとは無関係に、演奏者の好みのタイミングで音像を
変化させることができる。
【0110】また、図1に示した構成で、音源19とD
/A変換器20、21との間にデジタルシグナルプロセ
ッサ(DSP)を設けたり、或いはD/A変換器20、
21と増幅器22〜25との間にアナログフィルターを
設け、種々の音楽的効果を発揮させるように構成しても
良い。
【0111】この場合、上述したAグループのスピーカ
でステレオ再生される楽音と、Bグループのスピーカで
ステレオ再生される楽音とを別の楽器音にし、それぞれ
所定の周波数特性を有するアナログフィルターを用いる
ことにより、音像が明瞭になり、よりリアルな演奏が可
能となる。
【0112】次に、各スピーカに対するパートの割り当
ての一例を以下に示す。基本的には、Aグループのスピ
ーカには高い音域を有する楽器音が、Bグループのスピ
ーカには低い音域を有する楽器音が割り当てられる。 <パート> <グループ> ドラム(メイン) Bグループ ベース Bグループ オーケストラ1、2 Bグループ コード1、2 A+Bグループ ドラム(サブ) Aグループ
【0113】上述したように、Aグループのスピーカ2
6及び27による音像は、両スピーカ26及び27を結
ぶ線より図中手前側に定位が決まる。Bグループのスピ
ーカ28及び29による音像は、両スピーカ28及び2
9を結ぶ線より図中手前側に定位が決まる。
【0114】従って、A、Bグループに同一音色データ
を割り当てた場合は、各グループの定位と音量レベルに
より二次元的な定位を決定することができる。また、各
データの混合割合によって音像を前後方向へ移動させ、
ピッチを相違せしめることによりコーラス効果を発生さ
せることにより、図8に示すように、斜め奥方向への広
がりを作ることができる。
【0115】また、上記実施例では、Aグループ及びB
グループといった2組のステレオ再生系により音像を制
御するように構成したが、3組或いはそれ以上のステレ
オ再生系により音像を制御するように構成しても良い。
かかる構成によれば、更に複雑な音場を形成することが
できるので、よりリアルな演奏を行わせることができ
る。
【0116】以上説明した実施例では、2個のスピーカ
26及び27で成るAグループ、2個のスピーカ28及
び29で成るBグループといった2組のステレオ再系生
により音像を制御するようにしたが、上記4個の各スピ
ーカ26〜29を演奏者の前後左右上下の所定の4箇所
に配置し、各スピーカ26〜29で独立の楽音を発生さ
せることにより1つの音像を制御するように構成しても
良い。
【0117】この場合、スピーカセレクトデータのスピ
ーカ指定情報は、4個のスピーカ26〜29の何れかを
独立して指定するように定義し、パンポットセレクトデ
ータのパンポット指定情報は、三次元空間におけるパン
ポット位置を指定するように定義する。
【0118】かかる構成によれば、任意の音像空間を作
り出すことができ、生の演奏に近い立体感や躍動感を有
する迫力に富んだ音像を得ることができる。
【0119】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
生の演奏に近い立体感や躍動感を有し、臨場感に溢れた
音像を得ることのできる電子楽器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子楽器の実施例の概略的な構成を示
すブロック図である。
【図2】本発明に係る電子楽器の外観を示す平面図及び
側面図である。
【図3】本発明の実施例の動作を示すフローチャート
(メインルーチン)である。
【図4】本発明の実施例の動作を示すフローチャート
(スイッチイベント処理ルーチン)である。
【図5】本発明の実施例の動作を示すフローチャート
(自動演奏処理ルーチン)である。
【図6】本発明の実施例の動作を示すフローチャート
(発音処理ルーチン)である。
【図7】本発明の実施例で使用される自動演奏データ及
びMIDIデータの形式の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例を適用した場合の音場の一例を
説明するための図である。
【符号の説明】
10 CPU 11 プログラムメモリ 12 RAM 13 パネルインタフェース回路 14 操作パネル 15 鍵盤インタフェース回路 16 鍵盤装置 17 自動演奏データメモリ 18 楽音波形メモリ 19 音源 20、21 D/A変換器 22〜25 増幅器 26〜29 スピーカ 30 システムバス 40 MIDIインタフェース回路 50 開口部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音を放音するための少なくとも4つの
    スピーカと、スピーカを選択するためのスピーカセレクトデータを含
    む自動演奏データをパート毎に記憶する 記憶手段と、該記憶手段から読み出されたスピーカセレクトデータに
    対応するパートの楽音を発生するためのスピーカを、前
    記少なくとも4つのスピーカの中から、前記スピーカセ
    レクトデータに基づいて指定する 指定手段と、前記記憶手段から読み出された自動演奏データに基づい
    て楽音信号をパート毎に生成する 楽音信号生成手段と、 該楽音信号生成手段で生成された各パートの楽音信号を
    前記指定手段で指定されたスピーカに供給する制御手
    段、 とを具備したことを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 2個が1対となって楽音をステレオ再生
    するための少なくとも2組のスピーカ対と、 スピーカ対を選択するためのスピーカセレクトデータを
    含む自動演奏データをパート毎に記憶する 記憶手段と、該記憶手段から読み出されたスピーカセレクトデータに
    対応するパートの楽音を発生するためのスピーカ対を、
    前記少なくとも2組のスピーカ対の中から、前記スピー
    カセレクトデータに基づいて指定する 指定手段と、前記記憶手段から読み出された自動演奏データに基づい
    て楽音信号をパート毎に生成する 楽音信号生成手段と、該楽音信号生成手段で生成された各パートの楽音信号を
    前記指定手段で指定されたスピーカ対に供給する 制御手
    段、 とを具備したことを特徴とする電子楽器。
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JP5169300B2 (ja) * 2008-02-25 2013-03-27 ヤマハ株式会社 楽音信号出力装置
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