JP2960574B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

Info

Publication number
JP2960574B2
JP2960574B2 JP3132761A JP13276191A JP2960574B2 JP 2960574 B2 JP2960574 B2 JP 2960574B2 JP 3132761 A JP3132761 A JP 3132761A JP 13276191 A JP13276191 A JP 13276191A JP 2960574 B2 JP2960574 B2 JP 2960574B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
suction
cleaning
recording head
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3132761A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04357044A (ja
Inventor
弘光 平林
規文 小板橋
博司 田鹿
仁 杉本
健太郎 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP3132761A priority Critical patent/JP2960574B2/ja
Publication of JPH04357044A publication Critical patent/JPH04357044A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2960574B2 publication Critical patent/JP2960574B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に関し、詳しくは、記録ヘッドのインク吐出口を設け
た面(吐出口形成面)のクリーニングを行うためのワイ
ピング手段の性能維持に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータやワードプロセッ
サ,フアクシミリ,複写機などの機器が広く普及してお
り、これらの機器に用いられる記録装置も様々な記録方
式を採るものが数多く開発されている。中でも、インク
ジェット記録装置は、他の記録方式と比べて高精細化が
容易であり、しかも高速記録性および静粛性に優れ、か
つ廉価であるという優れた特徴を有している。
【0003】インクジェット記録装置において、記録ヘ
ッドの吐出口形成面に不要なインク滴ないしは紙粉等の
異物が付着した場合には、インクの吐出方向が偏向して
画像品位が低下する場合がある。すなわち、インクジェ
ット記録方式は記録ヘッドからインクを紙,OHPフィ
ルムなどの記録媒体に吐出させて記録を行うものである
ため、実際の記録に関与する、例えば滴状の吐出インク
以外に微細なインク滴(インクミスト)が生じたり、記
録媒体へ吐出したインクの跳ね返りが生じる場合などが
ある。図12に示すように、これらが原因となって記録
ヘッドの吐出口形成面1にインクが付着し、これが吐出
口12の周りに多量に集まると吐出が阻害されて思わぬ
方向への吐出(ヨレ)が生じたり、インクが吐出されな
い状態(不吐出)が生じたりするという弊害を引き起こ
すことがあった。
【0004】記録剤に液体であるインクを用いることに
起因するかかる不都合を解消すべく、インクジェット記
録装置においては、他の記録装置に見られない固有の構
成として、吐出状態を良好にする手段としての回復手段
が設けられることがある。そして、吐出口形成面をリフ
レッシュさせて吐出方向の偏向を予防するものとして、
吐出口形成面と接触するワイピング部材を設け、両者を
相対移動させることによりインク滴などを払う(ワイピ
ング)ようにしたものがある。
【0005】吐出口形成面に付着する不要なインク滴は
記録に伴うインク吐出時に発生するインクミストや紙か
らのインクの跳ね返りなどによって形成され、また、紙
粉などの異物も記録時に記録ヘッドと紙とが近接して相
対移動する際に付着すると考えられている。そのため、
記録動作を中断させて、ないしは記録終了後に、上記ワ
イピング手段によってそれを除去するようにするのが一
般的に行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、インクジェット
記録装置においては、液路内のインクが水分等の蒸発に
よって増粘し、吐出を生じさせるべきエネルギの付与に
よっても吐出が生じなくなる場合があり、そうした吐出
に適さないインクを、例えばポンプにより吸引力を作用
させて強制的に排出し、液路内のインクをリフレッシュ
する手段が回復手段の一形態として設けられることがあ
る。そして、このような処理に関連して、ポンプ等によ
る液路からのインク強制排出の際に排出されたインクが
付着することもある。かかる吸引後のインク付着は記録
中のインクの付着量に比べて大きい場合もあり、吸引回
復動作が頻繁に行われるとワイピング手段にかかる負担
も大きくなり拭き残しの増加を招いたり、排出されたイ
ンクの処理が難しくなるという弊害もある。
【0007】ワイピング手段としては、ゴムなどの弾性
部材で形成したブレードをワイピング部材として設け、
吐出口面をワイピングしてこの不要なインク滴を拭き取
る構成を採用している場合が多い。しかし、そのような
ワイピング手段は、長期の使用あるいはワイピングすべ
きインクの一時的な増大によって、その機能が低下し吐
出性能の回復や維持が難しくなったり、さらにはワイピ
ングの弊害としてワイピング手段としてのブレードなど
に堆積した増粘インクや異物などを吐出口形成面ないし
吐出口に逆に転移せしめ、吐出方向のヨレや異物押し込
みによる不吐出などを引き起こすおそれがある。
【0008】また別の問題として、記録ヘッドの吐出口
面をワイピングすると、拭き取ってきたインク滴の一部
はブレードの復元力によって記録装置内にまき散らさ
れ、機内を汚したりすおそれもある。一方、まき散らさ
れずにブレードに残ったインク滴の大部分や紙粉等の異
物はブレードに付着したままとなるが、ブレードに付着
したままのインクの水分,溶剤が蒸発することによって
インク自身が増粘するとともに、紙粉などの異物をも強
固に付着堆積させてしまい、これを吐出口に逆転移させ
て不吐出やヨレなどの吐出弊害を引き起こしてしまうお
それもある。
【0009】さらには、2個以上の記録ヘッドの並設に
より異なる色のインクを使用してカラー画像記録を行う
ようにした記録装置では、最初のワイピングでブレード
に転移したインクが次の異なる色の記録ヘッドのワイピ
ング時にその記録ヘッドのインクと混色し、画像品位を
低下させるということがあった。また、カラーインクジ
ェット記録装置の場合、一つのブレードで複数のヘッド
をワイピングするとブレードに付着して汚すインクの量
も多くなるためブレードの汚れによる悪影響も多くな
る。このため、各ヘッドごとに専用のブレードを設ける
構成なども考えられるが、これは装置の高価格化のみな
らずそれを設けるためのスペースをかなり必要とすると
いう問題もある。
【0010】そうしたワイピング機能の低下を防止する
ために、ワイピング手段のクリーニング手段を設ける場
合もある。このクリーニング手段として一般的に用いら
れるものにインク吸収性に優れた多孔質の吸収体があ
る。吸収体はワイピング部材としてのブレード等と接し
て相対移動することにより、ブレードに付着した異物を
摺擦して除去すると共に、インクを吸い取りブレードを
清浄化するものである。
【0011】しかしながら、クリーニング性能に優れる
吸収体もインクを吸収するにしたがってインクの吸収特
性が低下してくる場合があり、長期の信頼性に欠ける面
もある。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、ワイピング手段のクリーニング手段の性能を長期に
亘り維持させ、以て吐出口形成面に付着するインク滴等
の異物を取り除くためのワイピング手段の性能劣化を防
止することにより、ひいては記録ヘッドの吐出を安定化
せしめ長期に亘って良好な記録を可能とすることを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によるインクジェ
ット記録装置は、吐出口からインクを吐出する記録ヘッ
ドを用い、記録媒体に対して記録を行うインクジェット
記録装置において、前記記録ヘッドの前記吐出口が設け
られた吐出口形成面の摺擦が可能なワイピング手段と、
前記吐出口形成面の近傍に設けられ、前記ワイピング手
段との摺擦によって前記ワイピング手段を清浄化するク
リーニング手段と、前記吐出口形成面をキャッピングす
るか、あるいは前記クリーニング手段に密着するキャッ
プと、このキャップが前記吐出口形成面をキャッピング
しているときに前記吐出口から強制的にインクを吸引
し、前記キャップが前記クリーニング手段に密着してい
るときに前記クリーニング手段から強制的にインクを吸
引する吸引手段とを具えたことを特徴とするものであ
る。
【0014】ここで、吸引手段は、吐出口形成面に当接
して吐出口から吸引を行う位置と、クリーニング手段に
当接して吸引を行う位置とを選択する位置制御手段をさ
らに設けることも可能である。この場合、記録ヘッドは
キャリッジに搭載されて記録媒体に対し所定方向に走査
される形態を有し、クリーニング手段はキャリッジに設
けられるとともに、位置制御手段はキャリッジ位置の制
御を行う手段であって当該キャリッジの位置制御により
吐出口からの吸引を行う位置とクリーニング手段の吸引
を行う位置とを選択するものであってもよい。
【0015】また、クリーニング手段は多孔質の吸収体
によって形成されているものであってもよい。
【0016】記録ヘッドは、インクを吐出するために利
用されるエネルギを発生する素子として、インクに膜沸
騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換素子を
有するものであってもよい。
【0017】吸引手段は、吐出口をキャッピングするた
めのキャップを有するものであってもよい。
【0018】
【作用】本発明によると、ワイピング手段が記録ヘッド
の吐出口形成面に圧接して相対移動することにより、吐
出口形成面上に付着した異物が摺接除去される。また、
このワイピング手段に押し当たるクリーニング手段が相
対移動することにより、ワイピング手段が清浄化され
る。そして、キャップがクリーニング手段に密着した状
態で吸引手段がクリーニング手段から強制的にインクを
吸引することにより、クリーニング手段に集積されたイ
ンク等の異物が吸引手段によって吸引除去される。ま
た、キャップが吐出口形成面をキャッピングしてしてい
るときに吸引手段が記録ヘッドの吐出口から強制的にイ
ンクを吸引することにより、記録ヘッド内に新鮮なイン
クが補充される。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。
【0020】(装置概要)図1は本発明を適用したイン
クジェット記録装置の概略図を示す。ここで、Cはイン
クジェットカートリッジであり、図中上方にインクタン
ク部、下方にに記録ヘッドを一体に有してなるものであ
り、さらに記録ヘッドを駆動するための信号などを受容
するためのコネクタを設けてある。本例に係る記録ヘッ
ドは、図中底面側に複数の吐出口を有し、その吐出口に
連通した液路部分にインク吐出に利用されるエネルギを
発生する素子が配置される。また、各液路は共通液室に
連通し、該共通液室にインクタンク部から供給されるイ
ンクが受容される。なお、上記素子としては吐出口ない
し液路の高集積化が可能なことから、電気熱変換素子を
用いるのが好適である。
【0021】2はキャリッジであり、4個のカートリッ
ジC(C1,C2,C3,C4;それぞれ異なった色の
インクに対応しており、たとえばイエロー、マゼンタ、
シアン、ブラックなど)を位置決めして搭載するととも
に、記録ヘッドを駆動するための信号などを伝達するた
めのコネクタホルダが設けられて記録ヘッドと電気的に
接続されるようになっている。また、キャリッジ2の底
部には後述するように各々の記録ヘッドの両側に位置す
るように吸収体が設けてある。
【0022】11はキャリッジ2の主走査方向に延在
し、キャリッジ2を摺動自在に支持する走査レール、5
2はキャリッジ2を往復動させるための駆動力を伝達す
る駆動ベルトである。また、搬送ローラ対15,16お
よび搬送ローラ対17,18は、記録ヘッドによる記録
位置の前後に配置されて記録媒体の挟持搬送を行う。P
は紙などの記録媒体であり、記録媒体Pの被記録面を平
坦に規制するプラテン(不図示)に圧接されている。キ
ャリッジ2に搭載されたインクジェットカートリッジC
の記録ヘッド部はキャリッジ2から図中下方へ突出して
記録媒体搬送用ローラ16、18間に位置し、記録ヘッ
ド部の吐出口形成面はプラテン(不図示)の案内面に圧
接された記録媒体Pに平行に対向するようになってい
る。
【0023】本例のインクジェット記録装置において
は、回復手段としての回復系ユニット200を図1の左
側にあるホームポジション側に配設してある。回復系ユ
ニット200において、300は記録ヘッドを有する複
数のインクジェットカートリッジCにそれぞれ対応して
設けたキャップユニットであり、キャリッジ2の移動に
ともなって図中左右方向にスライド可能であるととも
に、スライドに伴って上下方向に昇降可能である。そし
てキャリッジがホームポジションにあるときには記録ヘ
ッド部と接合してこれをキャッピングし、記録ヘッドの
吐出口内のインクが蒸発して増粘,固着し、吐出不良が
生じるのを防いでいる。
【0024】また、回復系ユニットにおいて500はキ
ャップユニット300に連通したポンプユニットであ
り、記録ヘッドに万一吐出不良が生じた場合、キャップ
ユニット300と記録ヘッドとを接合させて行う吸引回
復処理などに際してそのための負圧を生じさせるのに用
いる。さらに、回復系ユニットにおいて、401はゴム
などの弾性部材で形成されたワイピング部材としてのブ
レード、402はブレード401を保持するためのブレ
ードホルダである。本例においては、キャリッジ2の移
動によって駆動されるブレード昇降機構(不図示)によ
り、ブレードホルダ402に支持されたブレード401
は、記録ヘッドの吐出口形成面に付着したインクをワイ
ピングすべく突出(上昇)した位置(ワイピング位置)
と、記録ヘッドの吐出口面と干渉しないように後退(下
降)した位置(待機位置)とにふたつの位置に設定可能
としている。
【0025】さらに、本実施例では、キャリッジ2が図
中左側より(回復ユニットのあるホームポジション側)
から右側に移動するときにのみ、ブレード401による
ワイピングがなされるようにする。これは、ブレード4
01の位置がキャップユニット300と記録媒体Pを搬
送する搬送系との間に位置しているため、逆に図中右側
から左側へ移動するときにワイピングをするとブレード
401の弾性力によってワイピングしてきたインクを記
録媒体Pの搬送部にまき散らして記録媒体を不用意に汚
してしまう危険性があるためである。しかしこのような
弊害がない場合には、両方向でワイピングするのも良
い。
【0026】以上のようにキャップユニット300のス
ライドないし昇降によるキャッピングの実行,解除や、
ブレード401の昇降によるワイピングさらにはそのワ
イピング方向の規制については、例えば本出願人により
出願された特願平2−126655号(特願平1−12
2878号に基づく国内優先権主張出願)に開示された
機構を用いることができる。また、それに限らず、キャ
ップユニット300およびブレード401の昇降を行う
ためのモータ,ソレノイドなどの駆動部材と、これを制
御する制御手段との組合せにより行うこともできる。
【0027】図2は、キャリッジ2を底面側からみた図
(a)と前面側からみた図(b)とを示している。ここ
で1は吐出口形成面であり、12はインク滴を吐出する
ための吐出口である。3はブレード401を清掃するた
めのクリーニング手段として設けた吸収体であり、イン
クに対して耐蝕性があり、かつ吸収性の高い多孔質の吸
収部材で構成されている。ブレードクリーニング用吸収
体3は各記録ヘッドの吐出口形成面1の両側部分に設け
てある。また、図2(b)に示すようにブレードクリー
ニング吸収体3は、記録媒体Pとの記録時の擦れを防止
するため、キャリッジ2より下方に突出した記録ヘッド
の吐出口形成面1よりも若干引っ込んだところに位置す
るように配設されている。これについて詳述する。
【0028】インクジェット記録装置は、吐出したイン
ク液滴の記録媒体Pへの着弾位置精度が悪い場合画像に
白い筋が生じたり、逆に濃い筋が生じたりすることがあ
る。このような画質劣化を防止する対策の一つとして、
記録ヘッドの吐出口面1と記録媒体Pとの間隔をできる
かぎり小さく設定し、インク液滴の着弾誤差を小さくし
て画像品位を向上させることがなされている。インクジ
ェット記録においては、記録媒体Pにインクが吸収され
ると、記録媒体Pのインクが吸収された面とその裏面、
ないしはインクを受容した部分とそうでない部分とで含
水分量に大きな差が生じることにより、記録媒体Pが不
均一な伸縮を生じてコックリングと呼ばれる凹凸を発生
させる場合がある。コックリングが生じた場合や記録媒
体のカールがある場合には、記録ヘッドと記録媒体Pと
の間隔が小さすぎると記録ヘッドと記録媒体Pとが接触
を起こして記録面を汚してしまうという問題が発生する
ので、記録ヘッドと記録媒体Pとの距離はコックリング
等の記録媒体の変形が生じも、擦れない範囲で最小にな
るように設定している。従って、本実施例では、インク
の着弾精度を重視して、吐出口形成面と記録媒体との間
隙を定めるとともに、キャリッジ2底部に配設されたブ
レードクリーニング吸収体3は、キャリッジ2より下方
に突出した記録ヘッドの吐出口形成面よりは突出しない
ように、若干引っ込んだ位置に設けている。また、ブレ
ードクリーニング吸収体3はインクを吸収して膨潤する
ことがあるので、その分も考慮して記録ヘッドの吐出口
形成面より0.5mm程度引っ込んだ位置に設けてい
る。
【0029】しかしそのような不都合が生じない吸収体
または構成であれば、例えば本願人による特願平3−4
743号に開示されたもののように、逆に吸収体が適当
量突出するものであってもよい。
【0030】(ワイピング)ところで、一般的に記録ヘ
ッドは先にも述べたようにインクを吐出して画像記録を
行うと、図12に示したように、いわゆるヌレ状態が発
生する。このように吐出口の周りにインク滴が多量に付
着すると吐出が阻害されて思わぬ方向に吐出する現象
(ヨレ)が生じたり、インク液滴が吐出しない現象(不
吐出)といった弊害を引き起こす。このため、吐出に対
する弊害が引き起こされる前に、定期的に吐出口面1を
ブレード401でワイピングするのが好ましい。
【0031】ここで、本実施例におけるワイピング動作
を図3及び図4を参照しながら説明する。
【0032】図3はブレード401によるワイピング時
の動作を全体的に示すものであり、図4は、その部分を
拡大して示すものである。先にも述べたようにワイピン
グ動作は、必要なときにのみホームポジション側(図
1,図3中左側)から記録媒体搬送系側(図1,図3中
右側)へ移動する方向で行う。
【0033】図3(a)は、ワイピング動作を行う直前
の状態を示している。最初、ブレード401が待機位置
から矢印Y方向にせり上がり、記録ヘッドをワイピング
するのに最適な侵入量となる位置(ワイピング位置)で
固定される。次に図3(b),(c)のように、カート
リッジCを搭載したキャリッジ2が左から右へ水平に移
動すると、ブレード401はキャリッジ2の底部に配設
した各ブレードクリーニング用の吸収体3とキャリッジ
2から突出した記録ヘッドの吐出口面1とに交互に当接
しながら吐出口形成面1のインクを順次除去するととも
に、自らも吸収体3によってクリーニングされる(図4
(a),(b)参照)。全てのブレードクリーニング吸
収体3と吐出口形成面1と当接し終わると、ブレード4
01は矢印Y’方向に降下して待機位置にて待機する。
記録ヘッドの両側にブレードクリーニング吸収体3を設
けることにより、吐出口形成面から掃き取ってきたイン
クはブレードクリーニング吸収体3にて吸収されるた
め、ブレード401に付着残留するインクの量は少なく
なり、次の記録ヘッドの吐出口形成面1をワイピングす
るときに混色を起こさないようにする上で絶大な効果を
発揮する。
【0034】ワイピング速度に関しては、ブレード当接
対象面(吐出口形成面1や吸収体3表面)の凹凸状態
と、弾性体であるブレード401の復元性(当接対象面
への追従性)とを考慮して定める。すなわち、その速度
が速くなるほどブレードの追従の遅れに起因してすり抜
けなどによってワイピング効果が低下したり、インク等
異物の除去効果が低下する傾向が生ずるので、ワイピン
グ速度は低速であるほうが好ましいが、本出願人は30
0mm/sec以下ならば特に大きな問題点は生じない
ことを確認した。なお、クリーニング時の速度は通常の
ワイピング時よりも遅くする方が好ましい。これは、ブ
レードに付着したインクは蒸発によって増粘しており、
吸収体への吸収速度が遅いことが考えられるからであ
る。
【0035】(制御系の構成)図5は本実施例の制御系
の構成例を示す。
【0036】ここで、800は主制御部をなすコントロ
ーラであり、図6〜図11に示す手順を実行する例えば
マイクロコンピュータ形態のCPU801、その手順に
対応したプログラムやその他の固定データを格納したR
OM803、および画像データを展開する領域や作業用
の領域等を設けたRAM805等を有する。また、コン
トローラ800には、従来の処理の過程で時間に応じた
適切な回復処理を行うために利用されるタイマ群807
を有している。810は画像データの供給源をなすホス
ト装置(リーダ等であってもよい)であり、画像データ
その他コマンド,ステータス信号等はインターフェース
を(I/F)812を介してコントローラと送受信され
る。
【0037】820は電源スイッチ822、記録(コピ
ー)開始を指令するためのコピースイッチ824および
回復の起動を指示するための回復スイッチ826等、操
作者による指令入力を受容するスイッチ群である。83
0はホームポジションやスタートポジション等キャリッ
ジ2の位置を検出するためのセンサ832、および吸引
ポンプ位置検出のために用いるセンサ834等、装置状
態を検出するためのセンサ群である。
【0038】840は、カートリッジCの記録ヘッド8
6に設けられてインク吐出に利用されるエネルギを発生
する素子(本例では電気熱変換体)を駆動するためのヘ
ッドドライバである。850はキャリッジ2を主走査方
向(図1の左右方向)に移動させるための主走査モー
タ、852はそのドライバである。860は副走査モー
タであり、記録媒体を搬送(副走査)するために用いら
れる。862はそのドライバである。
【0039】870はヘッド保温用のヒータであり、記
録ヘッドと一体に設けられたもの、ないしは電気熱変換
体が設けられた基板に、電気熱変換体の形成工程と同一
工程で形成したものとすることができる。また、キャリ
ッジ2に設けられてもよいが、この場合にはヘッドカー
トリッジ装着時に記録ヘッド86に接触して効果的な伝
熱を行いうる位置に設けられるのが好ましい。
【0040】(回復モード)次に、本実施例装置におい
て採用される種々の回復モードについて説明する。
【0041】(イ)回復スイッチ826による回復モー
ド この回復モードの目的は、本例装置におけるシーケンス
上の回復モードが行われているのにも拘らず、万一ヘッ
ドの吐出が正常に行われないような事態が生じた場合、
操作者の判断により回復スイッチ826が押されたとき
に、ヘッドの吐出を正常な状態に回復させることであ
る。通常は使用されることはないが、もし使用された場
合には確実に回復を行わせるために、他の回復モードに
比べて強力にしている。
【0042】このモードでは、ポンプ500により吸引
を行うことで共通液室ないし液路内の気泡を除去し、増
粘インクを排除する。さらに吸引と同時に電気熱変換体
を駆動して吐出動作を行わせ、吸引のみで発生する負圧
に対して吐出の際の瞬間的な負圧を加わらせることによ
り液室ないし液路内の気泡の除去を容易にしている。さ
らに吐出の際の気泡を発生させる手段として電気熱変換
体が駆動されるため、各液路のインク温度が上昇して粘
度を低下させ、かつ表面張力を低下させるため、液路内
の流路抵抗が一層小さいものとなって気泡の除去がさら
に容易なものとなる。
【0043】また、回復性能を確実なものとするため、
このモードではスイッチが1回押されたら、吸引動作を
2回繰り返して行われる。具体的にはポンプユニット5
00(例えば上記特願平2−126655号に開示され
たチューブポンプ)によりある程度の大きさの負圧をヘ
ッドの液室内に発生させ、最大負圧が発生したと同時に
各吐出口から最大駆動周波数で吐出を行わせる。ただ
し、吐出口列の端部側においては液室内のインクの流れ
が悪いためインクの濃度が高くなるので、中央に比べて
吐出発数を多くし、これにより回復後の記録において各
吐出口の記録濃度を一定にしてインク増粘による濃度む
らを防止する。吸引圧はそのポンプの最大圧に設定し
た。吸引保持時間は2.5秒でその時の吸引量は0.1
7g程度である。吐出数は中央部で2000発、端部で
6000発とした。
【0044】吸引後はゴムブレードによりヘッドのオリ
フィス面をワイピングし、その後、空吐出を行う。
【0045】本実施例では、この吸引回復に引き続い
て、本発明の特徴とする吸収体の吸引清掃を実施する。
この後、さらに上記動作を繰り返して行う。
【0046】(ロ)タイマを用いる吸引回復モード この回復モードの目的は、吸引回復動作が行われない状
態が長い間続いた場合、ヘッドの液室内のインクが増粘
し、さらにヘッドの液室内に気泡が発生し増大すること
で正常な吐出ができなくなる場合があるため、それを防
止することである。そのため最終吸引時より、例えばコ
ントローラに設けたタイマにより計時を行い、所定の時
間経過後に本モードでの回復動作を行う。
【0047】本モードでは、ポンプにより吸引を行うこ
とで液室内の気泡を除去し、増粘インクを排除する。
【0048】吸引後はブレード401によりヘッドの吐
出口形成面をワイピングし、その後、空吐出を行う。ま
た、本実施例では、この吸引回復に引き続いて、本発明
の特徴とする吸収体の吸引清掃を実施する。
【0049】(ハ)カウンタを用いる吸引回復モード この回復モードの目的は、吸引回復動作が行われない状
態で長い間記録が続いた場合、ヘッドの液室内のインク
が増粘し、さらにヘッドの液室内に気泡が発生し増大す
ることで正常な吐出ができなくなる場合があるため、そ
れを防止することである。そのため最終吸引時より記録
枚数をカウンタにより計数しておき、所定枚数の記録後
に行う本モードでの回復動作を行う。
【0050】本モードは前述のタイマ吸引回復と同様の
回復動作であり、ポンプにより吸引を行うことで液室内
の気泡を除去し、増粘インクを排除するとともに、吸引
後はブレード401によりヘッドの吐出口形成面をワイ
ピングし、その後、空吐出を行う。したがって、前述の
タイマ吸引と本モードのカウンタ吸引のいずれかが実施
されれば、タイマおよびカウンタをリセットするように
している。
【0051】また、本実施例では、この吸引回復に引き
続いて、本発明の特徴とする吸収体の吸引清掃を実施す
る。
【0052】(ニ)予備吐出(A)モード この予備吐出モードは記録動作前、記録動作中断時、ス
タンバイ中、及びワイピング後に全吐出口よりインクを
吐出させる。液路部の昇温を伴わず、安定した吐出状態
を得るべく、例えば電気熱変換体の最大駆動周波数の4
KHzにたいして吐出周波数は1KHzとしている。
【0053】(ホ)予備吐出(B)モード この予備吐出は吸引と同時に全吐出口よりインク吐出を
行う。本モードでは、液路部の温度が高くなり、増粘イ
ンクを低粘度化させ、かつ吐出エネルギを利用して液路
内の流速を大にすることで吸引性を上げるために、最大
駆動周波数の4KHzとした。
【0054】(ヘ)吸収体の吸引回復モード 本モードは、本発明の特徴とするワイピング手段のクリ
ーニング手段である吸収体3の清掃に関する。本実施例
において、記録ヘッドの吸引回復が行われた時に本モー
ドを実施するようにした。これは、記録ヘッドの吸引回
復の際に記録ヘッドの吐出口形成面に残留するインクが
比較的多いことから、キャリッジに設けた吸収体のイン
ク受容が大きくなることと、記録時に生ずるインク汚れ
に比べて蒸発増粘が進んでおらず吸収体に堆積したイン
クをも含めて除去し易くなるためである。
【0055】本モードは、記録ヘッドから吸引する通常
の吸引回復とほぼ同様の吸引動作となるが、吸収体の吸
引を行うためにキャップを記録ヘッドではなく、吸収体
に当接させる。すなわち、本実施例では、キャップユニ
ット300とキャリッジ2との係合位置を変えることに
よって、キャップユニット300とキャリッジ2との相
対位置関係をずらし、キャップと吸収体3との密着を行
わせている。
【0056】ここで、図6を用いて回復系ユニットの構
成および動作について簡単に説明する。図6において3
50はキャップユニット300を保持する回復系ベース
であり、不図示のばね等により図中右方および下方に付
勢されている。352は回復系ベースに設けたカム溝で
あり、装置に固定されたピン334に係合している。3
42はベース350に突設した第1係合ピンであり、通
常はこの第1係合ピン342がキャリッジ2の回復位置
への移動に伴ってキャリッジ2に係合する。当該係合時
にはキャップユニット300と記録ヘッドの吐出口形成
面1とが対向する。そして、当該係合後さらにキャリッ
ジ2が移動(図中左方への移動)を行うと、カム溝35
2がピン334に乗り上げて行き、これに伴ってベース
350が上方へ変位するので、キャップユニット300
は記録ヘッドの吐出口形成面1をキャッピングすること
になる。
【0057】回復系ベース350にはさらに、図中上方
に突出可能で、第1係合ピン342の代りにキャリッジ
2と係合してキャップユニット300と吸収体3とを対
向させる位置に設けられた第2係合ピン344を有して
いる。346はその第2係合ピン344の突出および引
込みを行わせるための第2係合ピン駆動部であり、図5
に示したコントローラ800によってその動作を制御す
ることができる。なお、第2係合ピン駆動部346に
は、例えばソレノイドを用いることができる。吸収体の
吸引回復モードでは、図7(a)に示すように、普段は
引っ込んでいる第2係合ピン344を突出させて、キャ
リッジ2の回復位置への移動に伴い回復系ベース350
とキャリッジ2とを早めに係合させ、キャップユニット
300と吸収体3とが対向させる。そして、キャリッジ
2をさらに移動させることによって、図7(b)に示す
ように、キャップユニット300とキャリッジの吸収体
3とを密着させるようにしている。吸収体3は前述の如
く記録ヘッドよりも若干引っ込んだ位置にあるが、キャ
ップユニット300が当接する際には、キャリッジ2は
キャップユニット300によって若干押し上げられて自
重により圧接するように本実施例では構成してあるの
で、0.5mm程度の差は問題とならず、良好にキャッ
プと吸収体とが密着できる。
【0058】なお、本実施例では、記録装置本体移動時
のキャリッジの不如意な移動を防止するために、記録ヘ
ッドのキャッピング位置ではキャリッジの上方への移動
をある程度規制しており、キャッピング時にはキャリッ
ジの自重に加えてキャップの弾性変形による圧力が利用
されるようにする。従って、吸収体吸引時にはその分だ
け圧接力が弱くなりキャリッジの自重のみによる圧接と
なるが問題はない。
【0059】なお、第2係合ピン344は、本実施例で
はソレノイドのプランジャの可動ピンをそのまま利用す
ることができるが、キャリッジ2の移動や紙送りモータ
等の他の駆動源の運動を利用して必要に応じて出し入れ
するようにしても良い。また、係合位置の選択をキャリ
ッジ側に設けた可動機構によって行っても良い。
【0060】以上のように、吸引ポンプに連通するキャ
ップとキャリッジの吸収体とが密着した状態で、吸引ポ
ンプを記録ヘッドの吸引回復時と同様に駆動して吸収体
からのインク吸引を行う。吸収体の吸引の後にワイピン
グを行えばゴムブレードがきれいな状態でワイピングで
きるので、引き続きワイピング動作を行うようにしても
良い。
【0061】本実施例では、キャリッジ吸収体のうち片
側の吸収体(図7中右端にあるもの)の吸引は行えない
が、ワイピング動作の初めに当接する吸収体はブレード
自体の汚れを除去するものであり、インクの過剰な吸収
は生じにくいので問題とならない。ただし、そうした場
合でも、係合ピンをさらに設けるなどしてその部分の吸
引を行えるようにすることは可能であり、若干複雑な構
成とはなるが、かかる機構を設けることによって、さら
に吐出特性の安定化を実現できることは言うまでもな
い。
【0062】(記録装置の回復制御手順)次に、以上の
モード等を適宜用いた回復制御処理について説明する。
【0063】図8はインクジェット記録装置のメインの
制御手順の一例であり、説明のため、特に回復系の動作
を中心にして簡略化してある。
【0064】電源ONされたときに、本実施例のインク
ジェット記録装置は、まず初めに記録装置自体のイニシ
ャルチェックとして記録装置のROM803とRAM8
05その他必要な各部のチェックをおこなう(ステップ
S1)。
【0065】次に、図9について後述するタイマ回復処
理において必要な回復動作を行った後(ステップS
3)、スタンバイ状態に移行し(ステップS5)、回復
スイッチ826またはコピースイッチ824の操作を待
機する。そして、回復スイッチ826が操作された場合
(ステップS7)には図10につき後述する回復処理手
順を実行し(ステップS11)、一方コピースイッチ8
24が操作された場合(ステップS9)には記録動作
(ステップS13)を経て、図11につき後述するカウ
ンタ回復処理を実行する(ステップS15)。
【0066】図9はステップS3でコールされるタイマ
回復処理手順の一例を示す。まず、ステップS21で
は、回復処理用タイマであって比較的長い所定時間(例
えば3日間)を計測するタイマにより、前回吸引回復が
なされてから3日間を経過しているか否かを判定する。
ここで否定判定であればステップS23に進み、予備吐
出(A)を実行してリターンする。
【0067】一方、前回の吸引から3日以上経過したと
判定された場合は、吐出口形成面のキャッピングを行っ
て吸引+予備吐出(B)による回復を行う(ステップS
25)。その後ステップS27にてキャリッジを移動さ
せ、その過程でのワイピングを実施する(ステップS2
7)。そして、ステップS29にて記録ヘッドの吐出口
形成面とキャップとを対向させて予備吐出(A)を実行
した後、一旦キャリッジ2を図6中右方に移動させて回
復系ベース350との係合を解除し、第2係合ピン34
4を突出させてから図7(a)に示す状態を得、さらに
同図(b)の状態を得て吸収体3の吸引を行う(ステッ
プS31)。
【0068】ステップS31の処理後にはステップS3
3にてタイマをリセットしてメインルーチンに復帰す
る。
【0069】図10は回復スイッチが操作されたときの
回復処理手順の一例である。本モードでは、上記図9に
おけるステップS25,S27,S29およびS31と
それぞれ同様のステップS41,S43,S45および
S47を実行し、さらにそれぞれ同様のステップS5
1,S53,S55およびS57を実行する。すなわ
ち、本モードでは吸引+予備吐出(B),ワイピング,
予備吐出(A)および吸収体吸引の処理を連続して2回
繰返し、回復処理を強力にしている。無論、この繰返し
回数は2回とするのみならず、他の適宜の回数実行され
るようにしてもよい。
【0070】図11はカウンタ回復処理手順の一例を示
す。
【0071】ここではまずステップS61にて前回の吸
引回復後に所定枚数(例えば10枚)の記録が行われた
か否かを判定する。ここで肯定判定であればステップS
65にて吸引処理を行った後、上記ステップS27,S
29およびS31と同様にワイピング(ステップS6
7),予備吐出(A)(ステップS69)および吸収体
吸引(ステップS71)を行い、カウンタをリセットす
る(ステップS73)。
【0072】ステップS61で否定判定された場合には
ステップS63に進み、ワイピングおよび予備吐出
(A)(ステップS65)を行った後にメインルーチン
に復帰する。
【0073】なお、以上において各モードやその動作条
件,タイマによる計測時間等は例示であって、必要に応
じ適宜選択できるのは勿論である。
【0074】(具体的な効果の検証)以上説明した本実
施例のインクジェット記録装置における、画像品位の安
定性に関する耐久テストを実施した。なお、ここで、本
実施例における諸条件を具体的数値として以下に示す。
【0075】 ブレード:厚み 0.7mm±0.1 幅 12.0mm±0.1 自由長 8.0mm±0.1 ワイピング時侵入量(対吐出口面) 1.5mm±0.5 ブレードクリーニング時侵入量(対クリーナエッジ部) 4.0mm±0.5 キャリッジ移動速度:200mm/sec±30(ワイピ
ング時) 100mm/sec±30(クリーニング時) 使用記録ヘッド: 400dpi 128ノズル ワイピング動作のシーケンス:A4 一枚記録毎 タイマ吸引動作のシーケンス:72時間(3日間)経過
後 カウンタ吸引動作のシーケンス:10枚記録毎 試験環境: 高温/低湿(35℃/10%) 試験環境は、吐出量が多くてインクのぬれ量も多い高温
かつ乾燥して蒸発し易い低湿環境という厳しい条件で行
った。上述の条件で記録比率100%のベタ黒記録によ
ってぬれ量を最大にしてA4サイズ5000枚の耐久試
験(500枚/日で10日間)を行った結果、ヨレや不
吐出などの吐出不良は起こらなかった。しかし、上述の
条件の内、吸収体の吸引回復を除外して耐久試験を行っ
た結果、数百枚で吐出不良を引き起こした。このよう
に、吸収体のクリーニングモードを設けることにより、
耐久使用枚数の飛躍的な向上をはかることができた。
【0076】本実施例においては、キャリッジ2に4個
のインクジェットカートリッジを用いたカラー記録の例
を述べたが、この数は特に限定するものではなく、1個
でも、それ以外の個数の記録ヘッドを搭載しても良いも
のとする。そして、カラー画像記録の場合、混色という
特有の問題があるため、本発明はその問題も解決できる
ということからもカラー記録においては絶大な効果を発
揮する。
【0077】(クリーニングモードの併用に関する変形
例)以上説明した第一の実施例では、ワイピング動作時
のブレード401とブレードクリーニング吸収体との当
接ではブレード401に付着したインクは全て吸収する
ことができない場合がある。
【0078】図12を参照してこれについて説明する。
前述の図4の場合は吐出口面上のインクを除去している
ところであり、ブレード401は吐出口形成面1とある
幅をもって当接しながら相対的に移動していくが、ゴム
ブレードの汚れ方が過大である場合には、図12(a)
に示すように、記録ヘッドおよびワイピング手段の配置
の関係で、拭き取られて集められたインクはブレード4
01を伝わって下に流されようとするため、ブレード4
01のインクによる汚れ幅は吐出口面1と接触する幅以
上広くなってしまうこともある。
【0079】そうした場合、このあと図12(b)に示
すように、ブレードクリーニング吸収体3が続いて移動
してきてブレード401についたインクを吸い取るわけ
だが、前にも述べたように、ブレードクリーニング吸収
体3は吐出口面1よりも突出した位置に設けることがで
きないし、安全を考慮して0.5mm程度吐出口面より
も引っ込むように設定しているため、ブレード401の
ブレードクリーニング吸収体に対する侵入量は吐出口面
1に対する時よりも小さくなる。この結果として、ブレ
ードクリーニング吸収体3はブレード401の先端につ
いたインクは吸い取ることは可能だが、それよりも下方
のインクはブレード401に残ったままとなる。
【0080】使用初期においては、吐出口面と接する幅
よりも下方にインクがわずかに残ったまま次の記録ヘッ
ドの吐出口面1をワイピングしても、ヨレや不吐出とい
った吐出特性、混色などの画像品位に影響を及ぼすこと
はなかったが、長期間使用した場合、このわずかに残っ
たインクが蒸発して増粘・固化し、それに紙粉等の異物
も交えて徐々に堆積してしまい、ブレードのワイピング
性能を低下させ、吐出特性や画像品位に影響を及ぼすよ
うになってしまう。
【0081】そこで、本例ではブレード401を完全に
クリーニングするべく定期的に起動されるモードを設け
ることにした。
【0082】本例においては、キャリッジ2の移動によ
って駆動されるブレード昇降機構(不図示)により、ブ
レートホルダ402に支持されたブレード401は、記
録ヘッドの吐出口形成面に付着したインクをワイピング
すべく突出(上昇)した位置(ワイピング位置)と、ワ
イピング時に除去できないブレード401に付着したイ
ンクを除去するためにワイピング位置よりさらに突出し
た位置(ブレードクリーニング位置)と、記録ヘッドの
吐出口面と干渉しないように後退(下降)した位置(待
機位置)とに複数の位置に設定可能としている。
【0083】図13を参照しながら、ブレードクリーニ
ングモードについて説明する。ブレードクリーニングモ
ード実行時にはブレード401はワイピング位置からさ
らに図1中のY方向に突出させ、ブレードクリーニング
吸収体3に対する侵入量を通常のワイピング時の侵入量
よりも深くなるような位置に設定することで前記の問題
を解消する。本実施例では侵入量が略2倍になる位置に
ブレードを設定し、キャリッジ2を左から右側へ移動さ
せてワイピングを行うことによりブレードのクリーニン
グを行う。クリーニングが終了してキャリッジ2が通過
し終わった時点でブレード401は待機位置に下降させ
て待機させ、キャリッジ2をホームポジションに戻す。
こうすることによりブレード401とブレードクリーニ
ング吸収体3との接触面積が広くなり、通常のワイピン
グ時に拭き取れなかった部分のブレード上の汚れを払拭
することができるようになった。この動作は一回でも良
いが、好ましくは2回以上続けて行うとより一層の効果
がある。またこの時、逆に吐出口面に若干のインクを再
転写したり、記録ヘッドに対するブレードの侵入量が変
わることで吐出口からインクを引き出す可能性もあるた
め、この一連の動作の後には通常のワイピング動作や予
備吐出を行うようにするのが好ましい。
【0084】本変形例の効果を検証するために、第一の
実施例と同様な耐久テストを実施した。ブレードのクリ
ーニングモードは吸収体の吸引回復後毎に実施した。前
述の条件で記録比率100%のべた黒記録によってぬれ
量を最大にしてA4サイズ10000枚の耐久試験(5
00枚/日で20日間)を行った結果、ヨレや不吐出な
どの吐出不良は起こらなかった。しかし、上述の条件の
内、吸収体の吸引回復を除外して耐久試験を行った結
果、数千枚で吐出不良を引き起こした。このように、吸
収体およびブレードのクリーニングモードを設けること
により、長期に亘って画像品位を維持することができ
た。
【0085】(吸引手段のクリーニング手段への密着に
関する他の実施例)本実施例では、吸収体の吸引回復の
間隔を短くするために、吸収体のインク受容容量を大き
くし、前述の実施例に比べて吸収体の厚みを倍以上にす
ることができるが、吸収体の吸引回復時に吸収体の側面
からの空気の流入が大きく、吸収体の底部からのインク
の吸引除去が難しくなっている。その対策として、吸収
体の取り付け部に吸引回復部を除く吸収体表面および側
面を囲み、かつ底部からの空気の流入を容易にする構成
をとることも良い。本実施例では、より確実な対策とし
て、吸引しながらキャップを吸収体に対して徐々に強く
押しつけていって厚めの吸収体を搾り取る構成を取って
いる。
【0086】本実施例では、キャリッジとキャップユニ
ットの係合・圧接方法を前記実施例と変えている。
【0087】図14はその一例を示すもので、図に示す
ように本実施例では、キャップユニット300を上方に
向けてばね311で付勢しつつ上下に移動可能に支持す
ると共に、キャリッジ2がキャップユニット300に正
対すべく移動する際には、ソレノイド等を用いた駆動部
375に組合されたプランジャ373等の駆動によって
キャップユニット自体を記録ヘッドなどと当たらない下
方の位置まで待避させている。そして、キャップユニッ
トとキャリッジとが所定の位置関係をとったときにプラ
ンジャの下方への駆動状態の解除を行ってばね371に
よって圧接状態を得る構成としている。本実施例では、
プランジャ373の周囲にコイルばね371を配設した
上でキャップユニットを直接支持するようにしている
が、記録ヘッドとキャップとの急激な圧接によって吐出
口から気泡混入等の弊害が生ずる場合はダンパ機構を設
けるなどして緩やかに圧接するようにしても良い。
【0088】以上示した構成で、吸収体の吸引回復に際
しては、図15(a)に示すように、キャップユニット
300とキャリッジ吸収体3とが所定の位置に正対した
後にプランジャ373の駆動を解除して圧接させること
から始まる。キャップと吸収体とがばね371によって
密着することによって、吸収体はある程度押しつぶされ
ているが、吸引ポンプの作動によって吸収体からのイン
クの吸引が進むにつれてさらに収縮する。この際、本実
施例では、キャップユニットが上方向にばね371で付
勢されているので、図15(b)に示すように、キャッ
プユニット300は吸収体3を押しながら徐々に上方に
移動する。従って、吸引動作中その密着が維持でき吸収
体の底部までインクの効率的な除去が可能となる。
【0089】また、本実施例では、キャリッジの任意の
位置に対してキャップの圧接が可能であるので吸収体の
底面積がキャップの開口よりも大きくても、順次キャリ
ッジの位置を変えて吸引を行えば良い。
【0090】(クリーニング手段に関する他の実施例)
図16(a)および(b)はブレードのクリーニング
(清掃)手段の他の実施例を示す。本実施例は、ブレー
ドの清掃手段としてキャリッジ2に設けたクリーニング
手段が吸収体でなく、スリット状に形成した隙間30の
毛管力による吸引効果を利用した例である。本実施例
は、吸収体の耐摩耗性を改善するために、キャリッジ2
に設けたクリーニングスリット30によりブレード40
1上のインクや紙粉等の異物をかきとり、吸収するよう
にしている。そして、本実施例では、剛体とみなされる
キャリッジ2にスリット30を設けているので、耐摩耗
性に関しては吸収体よりも格段に優れると共に、キャッ
プ当接面の平坦化が容易で、クリーニングスリットから
の吸引時にキャップとの完全な密着が可能となる。
【0091】吐出口1Aから吸引を行う場合、スリット
30から吸引を行う場合には、図16(b)に示すよう
にキャップ位置を定めればよい。この場合、図14に示
したような回復系ユニットを用いるのが有効である。
【0092】(記録ヘッドとクリーニング手段の同時吸
引に関する他の実施例)本実施例は、記録ヘッドとワイ
ピング手段のためのクリーニング手段とを同時に吸引可
能なキャップ構成を用いた例を示す。
【0093】図17に示すように、キャリッジ20に取
り付けた記録ヘッド100の近傍に、表面のみが露出す
るようにして吸収体32を埋設し、記録ヘッドの吐出口
100Aと吸収体32とを同時に覆うことが可能なキャ
ップ310を用意している。すなわち、本実施例では、
吐出口100Aからの吸引回復時に吸収体32からもイ
ンクを除去するようにしている。本実施例では、キャッ
プを若干大きめにすることと、吸収体の部分を同時に吸
引することで吸引時の初期容量が増すことから吸引ポン
プの吸引量を大きくすることとが必要となるが、ブレー
ドの清掃手段を回復させる為の特別なモードの設定が不
要となり、回復に要する時間を短縮化することが可能と
なる。なお、本実施例は、ブレードの清掃手段として吸
収体32を用いているが、前述のクリーニングスリット
等その他の手段でも良い。
【0094】(記録ヘッドおよび吸引手段に関する他の
実施例)前記の実施例では比較的小さな記録ヘッドをほ
ぼ固定位置の吸引手段で回復する例を示したが、本実施
例では記録媒体の幅に対応した記録領域を有する長尺の
記録ヘッドの例を示す。
【0095】図18は本実施例の概念図で、吸引手段が
移動して、長尺記録ヘッドを端部から領域を分割して順
次吸引回復する例を示している。
【0096】図18に示すように、まず吸引手段として
の所定の幅のキャップ320が数吐出口に対して順次吸
引動作を繰り返しながら軸322に沿って長尺の記録ヘ
ッド110上を移動し最後にワイピング手段としてのゴ
ムブレード等を清掃する吸収体35などのクリーニング
手段を吸引する。その後、ワイピング手段としてのゴム
ブレード410などを同方向に走査して記録ヘッド11
0上のインクを除去し、最後にクリーニング手段として
の吸収体35でワイピング手段が清掃されるようにして
いる。なお、510はキャップ320に連通した吸引ポ
ンプである。
【0097】本実施例では、吸引手段およびワイピング
手段が移動するようにしたのでそのための構成が複雑に
なるが、非常に数多くの吐出口を同時に吸引しないこと
で吸引ポンプの容量を比較的小さくすることが出来ると
共に、ワイピング手段の吐出口への圧接面はほぼ同一の
領域であるので、紙粉等の異物が吐出口に詰まるなどの
ワイピングの弊害を少なくすることが出来る。また、本
実施例では記録領域外にワイピング手段のクリーニング
手段を配設できるので、クリーニング手段を十分に突出
させることが可能となり、十分なクリーニング効果が得
られる。また、本実施例では、数多くのノズルからのイ
ンクを記録ヘッド端部のクリーニング手段で受容するよ
うにしたので、吐出口の吸引回復毎にクリーニング手段
の回復を行うようにしているが、このタイミング以外に
行っても良く、インクの受容に応じて回数を増やして
も、あるいは減らしても良い。
【0098】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0099】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0100】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0101】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0102】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0103】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0104】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0105】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0106】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0107】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録装置による
と、記録ヘッドの吐出口が設けられた吐出口形成面の摺
擦が可能なワイピング手段と、吐出口形成面の近傍に設
けられ、ワイピング手段との摺擦によってワイピング手
段を清浄化するクリーニング手段と、吐出口形成面をキ
ャッピングあるいはクリーニング手段に密着するキャッ
プと、インクを吸引可能な吸引手段とを設け、クリーニ
ング手段に集積されたインク等の異物をクリーニング手
段に密着するキャップを介して吸引手段により吸引除去
するようにしたので、ワイピング手段およびクリーニン
グ手段の性能を長期間に亙って維持することが可能とな
った。しかも、キャップが吐出口形成面をキャッピング
している状態で、吸引手段により吐出口からインクを強
制的に吸引するようにしたので、記録ヘッドの吐出口か
らのインクの吐出を長期に亙って安定化することができ
る。
【0108】また、吐出口形成面とクリーニング手段と
に対し選択的に吸引手段を結合させるための制御手段、
例えばシリアルプリンタの場合記録ヘッドを搭載するキ
ャリッジにクリーニング手段を設けると共に、キャリッ
ジの位置を制御するキャリッジ制御手段を有し、記録ヘ
ッドの吸引とクリーニング手段の吸引とをキャリッジ制
御手段により選定するようにした。さらに、クリーニン
グ手段として例えば多孔質の吸収体によって構成するこ
とにより、クリーニング性能の向上を計ると共に、吸引
手段との密着性を確実かつ容易にすることで吸引による
清浄化を容易ならしめ、クリーニング性能の長期安定化
を実現して、良好な記録を維持することができる。
【0109】すなわち、簡易な構成のクリーニング手段
と吸引手段とによって、吐出口形成面に不要なインク液
滴等が付着してインクの吐出方向が偏倚して画像品位が
低下するなど、記録剤に液体であるインクを用いること
に起因する不都合を長期に亘って防止することによっ
て、良好な画像品質を維持することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能なインクジェット記録装置の
構成例を示す模式的斜視図である。
【図2】図2(a)および(b)は、図1における記録
ヘッドを搭載したキャリッジ付近の底面図および正面図
である。
【図3】図3(a)〜(c)は図1のワイピング動作の
説明図である。
【図4】図4(a)および(b)は同じくその拡大説明
図である。
【図5】本例装置の制御系の一例を示すブロック図であ
る。
【図6】回復系ユニットの構成例および記録ヘッドの吸
引回復動作を説明するための説明図である。
【図7】図7(a)および(b)はキャリッジ上の吸収
体に対する吸引回復時の動作を説明するための説明図で
ある。
【図8】本例装置の記録制御手順の一例を示すフローチ
ャートである。
【図9】図8の手順におけるタイマ回復処理手順の一例
を示すフローチャートである。
【図10】同じくスイッチ回復処理手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図11】同じくカウンタ回復処理手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図12】図12(a)および(b)はワイピングブレ
ードが過度に汚れたときの不都合を説明するための説明
図である。
【図13】その不都合を解消するための実施例の説明図
である。
【図14】吸引手段のクリーニング手段への密着に関す
る他の実施例の構成の説明図である。
【図15】図15(a)および(b)はその動作の説明
図である。
【図16】図16(a)および(b)は、それぞれ、ク
リーニング手段に関する他の実施例を説明するための模
式的な正面図および底面図である。
【図17】記録ヘッドとクリーニング手段とを同時吸引
するようにした実施例の説明図である。
【図18】長尺記録ヘッドを用いる場合の実施例の説明
図である。
【符号の説明】
1 吐出口形成面 2 キャリッジ 3 吸収体 12 吐出口 86 記録ヘッド 200 回復系ユニット 300 キャップユニット 401 ブレード 500 ポンプユニット 800 コントローラ 801 CPU C カートリッジ P 記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 矢野 健太郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−11332(JP,A) 特開 平2−108548(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/165

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口からインクを吐出する記録ヘッド
    を用い、記録媒体に対して記録を行うインクジェット記
    録装置において、 前記記録ヘッドの前記吐出口が設けられた吐出口形成面
    の摺擦が可能なワイピング手段と、 前記吐出口形成面の近傍に設けられ、前記ワイピング手
    段との摺擦によって前記ワイピング手段を清浄化するク
    リーニング手段と、 前記吐出口形成面をキャッピングするか、あるいは前記
    クリーニング手段に密着するキャップと、 このキャップが前記吐出口形成面をキャッピングしてい
    るときに 前記吐出口から強制的にインクを吸引し、前記
    キャップが前記クリーニング手段に密着しているときに
    前記クリーニング手段から強制的にインクを吸引する
    引手段とを具えたことを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  2. 【請求項2】 前記吸引手段は、前記吐出口形成面に当
    接して前記吐出口から吸引を行う位置と、前記クリーニ
    ング手段に当接して吸引を行う位置とを選択する位置制
    御手段をさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載
    のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録ヘッドはキャリッジに搭載され
    て前記記録媒体に対し所定方向に走査される形態を有
    し、前記クリーニング手段は前記キャリッジに設けられ
    るとともに、前記位置制御手段は前記キャリッジ位置の
    制御を行う手段であって当該キャリッジの位置制御によ
    り前記吐出口からの吸引を行う位置と前記クリーニング
    手段の吸引を行う位置とを選択することを特徴とする請
    求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記クリーニング手段は多孔質の吸収体
    によって形成されていることを特徴とする請求項1から
    請求項3の何れかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録ヘッドは、前記インクを吐出す
    るために利用されるエネルギを発生する素子として、前
    記インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電
    気熱変換素子を有することを特徴とする請求項1から請
    求項4の何れかに記載のインクジェット記録装置。
JP3132761A 1991-06-04 1991-06-04 インクジェット記録装置 Expired - Fee Related JP2960574B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3132761A JP2960574B2 (ja) 1991-06-04 1991-06-04 インクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3132761A JP2960574B2 (ja) 1991-06-04 1991-06-04 インクジェット記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04357044A JPH04357044A (ja) 1992-12-10
JP2960574B2 true JP2960574B2 (ja) 1999-10-06

Family

ID=15088940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3132761A Expired - Fee Related JP2960574B2 (ja) 1991-06-04 1991-06-04 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2960574B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5627574A (en) * 1995-01-04 1997-05-06 Brother International Corporation Maintenance device in an ink jet printing apparatus
JP4570865B2 (ja) * 2003-12-15 2010-10-27 株式会社リコー ヘッドクリーニング装置及び画像形成装置
JP4654679B2 (ja) * 2004-12-24 2011-03-23 リコープリンティングシステムズ株式会社 インクジェット記録装置
JP5568852B2 (ja) * 2008-10-21 2014-08-13 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
JP5347687B2 (ja) * 2009-04-24 2013-11-20 株式会社リコー 画像形成装置
JP6069994B2 (ja) * 2012-09-13 2017-02-01 株式会社リコー キャップ部材、液体吐出装置、画像形成装置
JP6102611B2 (ja) * 2013-07-31 2017-03-29 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置及びワイピング方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04357044A (ja) 1992-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3181073B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH04320852A (ja) インクジェット記録装置
US8398206B2 (en) Recovery processing method for print head, and inkjet printing apparatus using the same
US6350012B1 (en) Method and apparatus for cleaning/maintaining of an AIP type printhead
JP2007320164A (ja) インクジェット記録装置および記録ヘッドの回復方法
JP2009101630A (ja) インクジェット記録装置
JP2960574B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH05162320A (ja) インクジェット記録装置および該インクジェット記録装置における記録ヘッドおよびキャップ部材のクリーニング方法
JP3167691B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JPH03240554A (ja) インクジェット記録装置
JP2005104143A (ja) インクジェット記録装置及びインク吐出面清掃方法並びに清掃装置
JPH1120187A (ja) インクジェット記録装置
JPH05185599A (ja) インクジェット記録装置およびクリーニング部材
JP2962835B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH08224896A (ja) 画像読み取り機能を有する記録装置
JP2709522B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH10272781A (ja) 液体吐出装置および液体吐出装置用清掃機構
JP2000177113A (ja) インクジェット記録装置
JPH0768795A (ja) インクジェット記録装置
JP2925760B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP3155838B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3188557B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2022148531A (ja) 記録装置およびメンテナンス方法
JPH07285226A (ja) インクジェット記録装置
JPH0465250A (ja) 画像記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070730

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees