JP2953047B2 - シアノ基含有アクリル系共重合体エラストマー - Google Patents

シアノ基含有アクリル系共重合体エラストマー

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な共重合体エラストマーに係わり、さ
らに詳しくは耐燃料油性にすぐれた新規なアクリル系共
重合体エラストマーに関するものである。
[従来技術] 特殊ゴムは自動車用部品として広く使用されている。
近年自動車の高性能化に伴い、高性能の特殊ゴム、特に
耐熱性、耐油性、耐寒性のバランスのとれた特殊ゴムが
要望されている。
しかしながら耐油性と耐寒性は互いに相反する性質で
あるため、この両者のいずれも向上させることは困難な
ことであった。例えば、耐油性を向上させるには、通常
シアノ基に代表される極性基を含有するアクリルロニト
リル、メタクリロニトリル等の単量体を共重合する方法
がとられるが、この方法では得られる重合体の極性が高
くなる結果、ガラス転移点が上昇し耐寒性は悪化する。
耐油性および耐寒性のバランスのとれたシアノ基含有
共重合体エラストマーとしては、シアノ基含有ε−カプ
ロラクトンオリゴマーの(メタ)アクリル酸エステルを
共重合成分とするアクリル系エラストマー(特開平2−
164860号等)が知られている。
[発明が解決しようとする課題 しかし上記のシアノ基含有共重合体エラストマーは、
耐油性、耐寒性に優れた効果を示す反面、末端のエステ
ル基の反応性が比較的高く、得られる共重合体の耐熱老
化性に限度があるという問題点があった。
[課題を解決するための手段] 本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、耐油性、耐燃
料油性、耐寒性を損わず、耐熱老化性に優れたアクリル
系エラストマーを提供することにある。本発明者らはア
クリル系エラストマーを構成する単量体の一成分として
特定の構造を有するアクリル酸エステルを使用すること
により、アクリル系エラストマーの耐油性、耐燃料油
性、耐寒性を損わず、耐熱老化性が改良されることを見
出だし本発明に至った。
本発明は (A)下記一般式(I) で表される(メタ)アクリル酸2−(2−シアノエトキ
シ)エチル、および下記一般式(II) で表されるシアノ基含有ε−カプロラクトンオリゴマー
の(メタ)アクリル酸エステルからなるシアノ基含有
(メタ)アクリル酸エステル混合物、5〜50重量% (式(I)および(II)においてRは共通であり、水素
またはメチル基を表す。また式(II)中のnはε−カプ
ロラクトン付加量の平均値を表しており、その値は1〜
10である) (B)アクリル酸エチルまたは50重量%以下のアクリル
酸n−ブチルを含有するアクリル酸エチル、94.5〜50重
量% (C)アリルグリシジルエーテルおよびグリシジルメタ
クリレートのうち少なくとも一種、あるいはビニルクロ
ロアセテート、0.5〜10重量%の組成を有し、ムーニー
粘度[ML1+4(100℃)]が10以上であるアクリル系共重
合体エラストマーに関するものである。
本発明の成分(A)のシアノ基含有(メタ)アクリル
酸エステル混合物において、式(I)で表される(メ
タ)アクリル酸2−(2−シアノエトキシ)エチルの量
は70重量%以下、好ましくは50重量%以下である。(メ
タ)アクリル酸2−(2−シアノエトキシ)エチルが多
すぎる場合は生成する重合体のガラス転移点を低くする
効果が小さくなり好ましくない。
また式(II)で表される化合物はシアノ基末端ε−カ
プロラクトンオリゴマーのアクリル酸またはメタクリル
酸エステルであり、ε−カプロラクトンの付加量の異な
る化合物の混合物である。式(II)におけるnはε−カ
プロラクトンの付加量の数平均値を表すものである。
本発明の成分(A)のシアノ基含有(メタ)アクリル
酸エステル混合物におけるnの値は、1〜10、好ましく
は1〜5である。nが大きすぎる場合は、生成するポリ
マーに対する耐油性の向上効果が低下し好ましくない。
本発明のシアノ基含有(メタ)アクリル酸エステル混
合物は、例えば以下に述べる方法により容易に合成する
ことができる。
[1]シアノエチル化反応 アルカリ金属の水酸化物等の塩基性触媒の存在下で、
エチレングリコールとアクリロニトリルとを反応させる
公知の方法により、(2−シアノエトキシ)エタノール
を合成する。
[2]ε−カプロラクトン付加反応 (2−シアノエトキシ)エタノールを開始剤として、
触媒の存在下でε−カプロラクトンを開環付加反応を行
い、一般式(III) で表される末端に水酸基を有するシアノ基含有ε−カプ
ロラクトンオリゴマーを合成する。ここでnはε−カプ
ロラクトン付加量の平均値を表しており、その値は1〜
10である。
ε−カプロラクトンの開環付加反応において使用され
る触媒としてはテトラエトキシチタン、テトラブトキシ
チタン等の有機チタン化合物、ジブチルスズジラウレー
ト、ジブチルスズオキサイド等の有機スズ化合物、塩化
第一スズ等のハロゲン化スズ化合物、過塩素酸等の通常
知られている触媒を使用することができる。また上記式
(III)におけるnの大きさは、反応に供する(2−シ
アノエトキシ)エタノールとε−カプロラクトンの量比
を変えることにより調節することが可能である。
反応は、(2−シアノエトキシ)エタノールとε−カ
プロラクトンのモル比が5/1〜1/10、好ましくは2/1〜1/
5の範囲で行われる。反応によって得られるε−カプロ
ラクトンオリゴマー(IV)中には、未反応の(2−シア
ノエトキシ)エタノールが残存する。未反応の(2−シ
アノエトキシ)エタノールは減圧蒸留等により除去する
ことは可能であるが、通常これを除去することなく次の
反応に使用される。
[3]エステル化反応 上記反応で得られたε−カプロラクトンオリゴマー
(III)と(2−シアノエトキシ)エタノールの混合
物、およびアクリル酸またはメタクリル酸、あるいはそ
れらの誘導体とのエステル化反応により、本発明のシア
ノ基含有(メタ)アクリル酸エステル混合物が合成され
る。ここでアクリル酸またはメタクリル酸の誘導体とし
ては塩化アクリルロイルや塩化メタクリルロイル等のハ
ロゲン化アクリルロイルまたはハロゲン化メタクリロイ
ル、あるいはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のアクリル酸
またはメタクリル酸の低級アルコールエステルがあげら
れる。
一例をあげると、ε−カプロラクトンオリゴマー(II
I)と(2−シアノエトキシ)エタノールの混合物、お
よびアクリル酸またはメタクリル酸をベンゼン、トルエ
ン、キシレン、シクロヘキサン等の有機溶媒に溶解し、
硫酸あるいはパラトルエンスルホン酸等の酸触媒の存在
下に加熱して反応を行い、中和、洗浄の後、溶媒を除去
することにより目的とする式(I)で表されるシアノ基
含有(メタ)アクリル酸エステル混合物を合成すること
ができる。
本発明において成分(B)はアクリル酸エチルまたは
50%以下のアクリル酸n−ブチルを含有するアクリル酸
エチルである。アクリル酸エチルとアクリル酸n−ブチ
ルの混合物の場合、混合物中のアクリル酸n−ブチルの
量は50重量%以下である。混合物中のアクリル酸n−ブ
チルの量が50重量%を越える場合は耐燃料油性の低下が
見られ好ましくない。その使用全単量体中の量は94.5〜
50重量%である。成分(B)が50重量%未満では得られ
る共重合体エラストマーの耐熱性、機械的強度が低下し
好ましくない。
上記成分(C)は、本発明の共重合体エラストマーに
おいて加硫の際の架橋点として作用する単位である。具
体的には、アリルグリシジルエーテルおよびグリシジル
メタクリレートのうち少なくとも一種、またはビニルク
ロロアセテートである。使用全単量体中の成分(C)の
量は0.5〜10重量%である。これらの架橋性単量体は単
独としてあるいは二種以上の混合物として使用すること
が可能である。成分(C)の量が少ないと加硫が十分に
行えず、また多すぎると加硫が過度に進行して満足な加
硫シートを得ることが不可能である。
本発明のアクリル系エラストマーは、上記単量体の混
合物をラジカル開始剤存在下で塊状重合、溶液重合、乳
化重合、懸濁重合等の公知の方法により共重合すること
により容易に製造することができる。重合方法としては
乳化重合が特に好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、過酸化物、レドックス
系、過硫酸塩、アゾ系化合物等の通常のラジカル開始剤
を用いることができる。重合温度は0〜100℃、好まし
くは5〜80℃の温度範囲である。
重合により得られた共重合体エラストマーは塩化カル
シウム、塩化ナトリウム等の無機塩の水溶液を使用する
塩析やメタノール等のポリマー不溶性溶剤を使用するこ
とにより容易に単離できる。
本発明のアクリル系共重合体エラストマーは、加工の
しやすさからムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が10以上
であることが望ましい。好ましくは20〜80の範囲であ
る。
本発明のアクリル系共重合体エラストマーは、通常知
られているアクリルゴムの加硫方法と同様の方法で加硫
することが可能である。加硫は共重合体エラストマー
に、架橋点として作用する成分(C)の種類により選択
される加硫剤を使用し、必要に応じて加硫促進剤、補強
剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、安定剤等を配合する
ことにより容易に加硫ゴムを得ることができる。例え
ば、成分(C)がビニルクロロアセテートの場合、加硫
剤としてはステアリン酸ナトリウムやステアリン酸カリ
ウム等の金属セッケンと硫黄の併用系、金属セッケンと
ペンタメチレンチウラムポリスルフィド(TRA)の併用
系、アンモニウムベンゾエートやアンモニウムアジペー
ト等の有機カルボン酸アンモニウム塩等が使用される。
また成分(C)がグリシジルメタクリレートおよびアリ
ルグリシジルエーテルのうち少なくとも一種の場合は、
ヘキサメチレンジアミンカーアメート等のカーバメート
化合物、アンモニウムベンゾエート、ポリアミン等が加
硫剤として使用される。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが本発
明の範囲はこれに制限されるものではない。
[実施例] 以下の記述において部は重量部を表わす。また実施例
で述べる測定値の測定方法および条件は、以下のとおり
である。
・赤外吸収スペクトル:少量のサンプルを2枚のKBr板
にはさみ、室温、窒素雰囲気下で測定した。
・二重結合量:モルホリン法(高分子学会高分子実験学
編集委員会編高分子実験学第2巻「単量体I」の225頁
に記載されている方法)に従って定量した。ただしメタ
クリル酸エステルの場合は、モルホリン付加反応の際に
溶媒としてメタノールのかわりに酢酸を用い、100℃で
2時間反応を行った。
・2−(2−シアノエトキシ)エタノールとε−カプロ
ラクトンの転化率および(メタ)アクリル酸2−(2−
シアノエトキシ)エチル含量:ガスクロマトグラフを用
い、内部標準法により測定した。
・ガラス転移点:試料として未加硫ゴムを用い、示差走
査熱量計(DSC)により、昇温速度10℃で測定した。・
加硫ゴム物性:JIS K6301に従って測定した。・耐燃料油
性:加硫ゴムを燃料油Cに40℃で72時間浸漬した後の体
積変化により評価した。
合成例1 (1)シアノエチル化反応 撹拌機、滴下漏斗および凝縮器のついた反応器にエチ
レングリコール1240部および40重量%水酸化カリウム水
溶液40部を仕込み、撹拌下、25℃の温度で、530部のア
クリロニトリルを約2時間で滴下して反応を行った。ア
クリロニトリルの滴下終了後、30℃で4時間反応を行っ
た。その後25重量%の硫酸水溶液で中和した後、反応物
から減圧蒸留により、2−(2−シアノエトキシ)エタ
ノールを分離回収した。
(2)ε−カプロラクトン付加反応 得られた2−(2−シアノエトキシ)エタノール920
部とε−カプロラクトン912部、テトラブトキシチタン
0.916部を反応器に仕込み、130℃、窒素雰囲気下で約5
時間反応を行い、2−(2−シアノエトキシ)エタノー
ルとシアノ基含有ε−カプロラクトンオリゴマーの混合
物を得た。反応後の2−(2−シアノエトキシ)エタノ
ールおよびε−カプロラクトンの転化率は各々41.3%、
99.5%であった。
(3)エステル化反応 得られた2−(2−シアノエトキシ)エタノールとシ
アノ基含有ε−カプロラクトンオリゴマーの混合物700
部、アクリル酸330部、トルエン650部、ヒドロキノン30
部、パラトルエンスルホン酸40部を、撹拌機、凝縮器お
よび分離器のついた反応器に仕込み、エステル化反応を
行った。反応により副成する水は、トルエンとともに蒸
留、凝縮し分離器により系外に取除き、トルエンのみを
反応系中に戻した。水の生成がなくなった時点で冷却し
反応を終了した。得られた反応溶液を10重量%水酸化ナ
トリウム水溶液で中和した後、20重量%の塩化ナトリウ
ム水溶液で数回洗浄し、溶剤を減圧下で除去して目的と
する淡黄色のシアノ基含有ε−カプロラクトンオリゴマ
ーアクリル酸エステル混合物を得た。
得られたシアノ基含有ε−カプロラクトンオリゴマー
アクリル酸エステル混合物の赤外吸収スペクトルよりシ
アノ基(2250cm-1)、エーテル基(1130cm-1)、エステ
ル基(1730cm-1)およびアクリロイル基(1620および16
40cm-1)の存在が確認された。
二重結合量より算出された該アクリル酸エステル混合
物を平均分子量は295、アクリル酸(2−シアノエトキ
シ)エチルの含量は30重量%であった。これらの結果か
ら算出される式(II)におけるnの値は1.6である。表
1に元素分析結果および二重結合量から算出した炭素、
水素、窒素の含量を示す。両者の値はほぼ一致してい
た。
以上の結果より、目的とするシアノ基含有ε−カプロ
ラクトンオリゴマーアクリル酸エステル混合物が得られ
たことが明らかである。
合成例2 ε−カプロラクトン付加反応において2−(2−シア
ノエトキシ)エタノール1270部、ε−カプロラクトン62
7部、エステル化反応においてアクリル酸440部を使用し
た他は合成例1と同様の方法で反応を行い、シアノ基含
有ε−カプロラクトンオリゴマーアクリル酸エステル混
合物を合成した。反応後の2−(2−シアノエトキシ)
エタノールおよびε−カプロラクトンの転化率は各々2
8.7%、99.9%であった。
得られたシアノ基含有ε−カプロラクトンオリゴマー
アクリル酸エステル混合物の赤外吸収スペクトルよりシ
アノ基(2250cm-1)、エーテル基(1130cm-1)、エステ
ル基(1730cm-1)およびアクリロイル基(1620および16
40cm-1)の存在が確認された。
二重結合量より算出された該アクリル酸エステル混合
物の平均分子量は240、アクリル酸(2−シアノエトキ
シ)エチルの含量は47重量%であった。これらの結果か
ら算出される式(II)におけるnの値は1.2である。表
1に元素分析結果および二重結合量から算出した炭素、
水素、窒素の含量を示す。両者の値はほぼ一致してい
た。
以上の結果より、目的とするシアノ基含有ε−カプロ
ラクトンオリゴマーアクリル酸エステル混合物が得られ
たことが明らかである。
合成例3 ε−カプロラクトン付加反応において2−(2−シア
ノエトキシ)エタノール632部、ε−カプロラクトン125
4部、エステル化反応においてアクリル酸220部を使用し
た他は合成例1と同様の方法で反応を行い、シアノ基含
有ε−カプロラクトンオリゴマーアクリル酸エステル混
合物を合成した。反応後の2−[2−シアノエトキシ]
エタノールおよびε−カプロラクトンの転化率は各々6
0.5%、99.5%であった。
得られたシアノ基含有ε−カプロラクトンオリゴマー
アクリル酸エステル混合物の赤外吸収スペクトルよりシ
アノ基(2250cm-1)、エーテル基(1130cm-1)、エステ
ル基(1730cm-1)およびアクリロイル基(1620および16
40cm-1)の存在が確認された。
二重結合量より算出された該アクリル酸エステル混合
物の平均分子量は414、アクリル酸(2−シアノエトキ
シ)エチルの含量は12.5重量%であった。これらの結果
から算出される式(II)におけるnの値は2.5である。
表1に元素分析結果および二重結合量から算出した炭
素、水素、窒素の含量を示す。両者の値はほぼ一致して
いた。
以上の結果より、目的とするシアノ基含有ε−カプロ
ラクトンオリゴマーアクリル酸エステル混合物が得られ
たことが明らかである。
合成例4 エステル化反応においてアクリル酸のかわりにメタク
リル酸395部を使用した他は、合成例1と同様の方法で
反応を行い、シアノ基含有ε−カプロラクトンオリゴマ
ーメタクリル酸エステル混合物を合成した。
得られたシアノ基含有ε−カプロラクトンオリゴマー
メタクリル酸エステル混合物の赤外吸収スペクトルより
シアノ基(2250cm-1、エーテル基(1130cm-1)、エステ
ル基(1730cm-1)、およびメタクリロイル基(1640c
m-1)の存在が確認された。
二重結合量より算出された該メタクリル酸エステル混
合物の平均分子量は312、メタクリル酸(2−シアノエ
トキシ)エチルの含量は25重量%であった。これらの結
果から算出される式(II)におけるnの値は1.5であ
る。表1に元素分析結果および二重結合量から算出した
炭素、水素、窒素の含量を示す。両者の値はほぼ一致し
ていた。
以上の結果より、目的とするシアノ基含有メタクリル
酸エステル混合物が得られたことが明らかである。
合成比較例 エチレンシアンヒドリン355部、ε−カプロラクトン1
14部、テトラブトキシチタン0.075部を反応器に仕込
み、150℃、窒素雰囲気下で約5時間反応を行った。反
応後のエチレンシアンヒドリン及びε−カプロラクトン
の転化率は各々12.8%、及び100%であった。さらに減
圧下で加熱することにより反応物から未反応のエチレン
シアンヒドリンを除去し、シアノ基含有ε−カプロラク
トンオリゴマーを得た。エステル化反応においてシアノ
基含有ε−カプロラクトンオリゴマー855部を使用した
他は、合成例1と同様の反応を行いシアノ基含有ε−カ
プロラクトンオリゴマーアクリル酸エステルを得た。二
重結合量より算出された該アクリル酸エステルの平均分
子量は308であった。
実施例1〜4、比較例1〜4 合成例1〜4で合成されたシアノ基含有ε−カプロラ
クトンオリゴマー(メタ)アクリル酸エステル混合物及
び合成比較例で合成されたシアノ基含有ε−カプロラク
トンオリゴマーアクリル酸エステルを用いて共重合体ゴ
ムを製造し、その物性評価を行った。表2に示す組成の
モノマー混合物100重量部と適量のn−ドデシルメルカ
プタンの混合物のうち5分の1をポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル1重量部、ラウリル硫酸ナトリウム3重
量部、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート
1重量部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物
のナトリウム塩0.5重量部、リン酸水素二ナトリウム0.7
重量部、リン酸二水素ナトリウム0.3重量部および蒸留
水200重量部からなる乳化剤水溶液のうちの2分の1と
反応器に仕込み、混合撹拌して乳化した。この乳化剤を
15℃に保持し、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム鉄
(II)0.005重量部、エチレンジアミン四酢酸四ナトリ
ウム0.02重量部、ロンガリット0.02重量部およびハイド
ロサルファイトナトリウム0.02重量部を添加した後、te
rt−ブチルハイドロパーオキサイド0.2重量%水溶液を
毎時1.5重量部の速度で滴下して重合を開始した。その
後温度を15℃に保ちながら、残りのモノマーおよびn−
ドデシルメルカプタンの混合物と乳化剤水溶液からなる
乳化液を約3時間で滴下した。乳化剤の滴下終了後更に
2時間重合を継続した後、2,2−メチレンビス−(4−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)を0.2重量部添
加して重合を終了した。ラテックスの固形分から算出し
たモノマーの転化率は96〜99%であった。得られた共重
合体ラテックスを85℃の塩化カルシウム水溶液に投入し
て共重合体を単離し、十分水洗した後乾燥を行い目的と
する共重合体ゴムを得た。
得られた共重合体は表3に示すポリマー組成を有して
いた。ここでポリマー組成は、元素分析によるポリマー
中の窒素、塩素、炭素の含有量、及びガスクロマトグラ
フによる重合後のラテックス中の未反応モノマーの分析
結果から算出した。実施例1と実施例4及び比較例1〜
4により得た共重合体エラストマーを表4に示す配合に
従ってロール混練し、170℃で20分プレス加硫を行うこ
とにより加硫ゴムシートを作成した。更にこれをギアオ
ーブン中150℃で4時間熱処理した後、加硫ゴム物性の
評価を行った。加硫ゴム物性は、表3の配合処方および
加硫条件で加硫ゴムシートを作製し、評価した。また実
施例2と実施例3により得た共重合体エラストマーを表
5に示す配合に従ってロール混練し170℃で20分プレス
加硫を行うことにより加硫ゴムシートを作成した。更に
これをギアオーブン中150℃で4時間熱処理した後、加
硫ゴム物性の評価を行った。
これらの結果から、本発明のシアノ基含有(メタ)ア
クリル酸エステルを共重合体成分として使用することに
より、耐燃料油性と耐寒性のバランスが優れ、耐熱老化
性の良好なゴムが得られることが明らかである。
[発明の効果] 以上の結果から、本発明により耐熱老化性の改良され
た耐燃料油性、耐寒性に優れたアクリル系共重合体エラ
ストマーが与えられることが明らかである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 220/10 - 220/18 C08F 220/34 C08F 20/10 - 20/18 C08F 20/34 C08F 290/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(I) で表される(メタ)アクリル酸2−(2−シアノエトキ
    シ)エチルおよび下記一般式(II) で表されるシアノ基含有ε−カプロラクトンオリゴマー
    の(メタ)アクリル酸エステルからなるシアノ基含有
    (メタ)アクリル酸エステル混合物、5〜50重量% (式(I)および(II)においてRは共通であり、水素
    またはメチル基を表す。また式(II)中のnはε−カプ
    ロラクトン付加量の平均値を表しており、その値は1〜
    10である) (B)アクリル酸エチルまたは50重量%以下のアクリル
    酸n−ブチルを含有するアクリル酸エチル、94.5〜50重
    量% 及び (C)アルリルグリシジルエーテルおよびグリシジルメ
    タクリレートのうち少なくとも一種、あるいはビニルク
    ロロアセテート、0.5〜10重量%の組成を有し、ムーニ
    ー粘度[ML1+4(100℃)]が10以上であるアクリル系共
    重合体エラストマー。
  2. 【請求項2】成分(A)混合物中の(メタ)アクリル酸
    2−(2−シアノエトキシ)エチルの量が70重量%以下
    である特許請求の範囲(1)のシアノ基含有アクリル系
    共重合体エラストマー。
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