JP2658184B2 - アクリル系共重合体エラストマーの製造方法 - Google Patents
アクリル系共重合体エラストマーの製造方法Info
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- JP2658184B2 JP2658184B2 JP12825288A JP12825288A JP2658184B2 JP 2658184 B2 JP2658184 B2 JP 2658184B2 JP 12825288 A JP12825288 A JP 12825288A JP 12825288 A JP12825288 A JP 12825288A JP 2658184 B2 JP2658184 B2 JP 2658184B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な共重合体エラストマ−の製造方法に係
わり、さらに詳しくは耐燃料油及び耐寒性がともに優れ
たアクリル系共重合体エラストマ−の製造方法に関する
ものである。
わり、さらに詳しくは耐燃料油及び耐寒性がともに優れ
たアクリル系共重合体エラストマ−の製造方法に関する
ものである。
[従来の技術] アクリル酸アルキルエステルの重合体はアクリルゴム
として知られている。アクリルゴムは耐熱性にすぐれ、
かつ潤滑油に対する耐性もすぐれることからオイルシ−
ル等に広く使用されている。しかし、アクリルゴムはガ
ソリン等の潤滑油より厳しい、すなわちアリニン点の低
い燃料油類に対しては全く耐性がなく、その使用範囲は
潤滑油までに限られている。アクリルゴムの耐燃料油性
を改良するため共重合成分としてシアノ基,フッ素含有
基等の極性の大きい官能基を有する単量体を共重合する
ことが試みられているが、これら極性基を導入すること
により共重合体のガラス転移点が上昇し、得られる共重
合体エラストマ−の低温特性がそこなわれるという問題
点がある。
として知られている。アクリルゴムは耐熱性にすぐれ、
かつ潤滑油に対する耐性もすぐれることからオイルシ−
ル等に広く使用されている。しかし、アクリルゴムはガ
ソリン等の潤滑油より厳しい、すなわちアリニン点の低
い燃料油類に対しては全く耐性がなく、その使用範囲は
潤滑油までに限られている。アクリルゴムの耐燃料油性
を改良するため共重合成分としてシアノ基,フッ素含有
基等の極性の大きい官能基を有する単量体を共重合する
ことが試みられているが、これら極性基を導入すること
により共重合体のガラス転移点が上昇し、得られる共重
合体エラストマ−の低温特性がそこなわれるという問題
点がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は低温特性および耐燃料油性の両方に優
れたアクリル系共重合体エラストマ−を製造する方法を
提供することにある。本発明者らはアクリル系エラスト
マ−を構成する単量体の一成分として特定の構造を有す
るアクリル酸エラストマーを用いることにより、耐燃料
性を改良し、また低温特性にも優れたエラストマ−を製
造しうることを見出だし本発明に至った。
れたアクリル系共重合体エラストマ−を製造する方法を
提供することにある。本発明者らはアクリル系エラスト
マ−を構成する単量体の一成分として特定の構造を有す
るアクリル酸エラストマーを用いることにより、耐燃料
性を改良し、また低温特性にも優れたエラストマ−を製
造しうることを見出だし本発明に至った。
[課題を解決するための手段] (A)下式(I)の構造を有するアクリル酸エステルお
よびまたはメタクリル酸エステル 50〜99.5重量% (ここでR1は水素またはメチル基、nは1以上の整数で
あり、その数平均値は1〜5である) (B)活性ハロゲン基、エポキシ基またはカルボン酸含
有不飽和化合物 0.5〜10重量% (C)上記(A)と(B)と共重合しうる(A)(B)
以外のモノビニル系あるいはモノビニリデン系不飽和単
量体より選ばれる少なくとも一種の単量体 0〜49.5重量% をラジカル開始剤の存在下で共重合することを特徴とす
るアクリル系共重合体エラストマ−の製造方法に関する
ものである。
よびまたはメタクリル酸エステル 50〜99.5重量% (ここでR1は水素またはメチル基、nは1以上の整数で
あり、その数平均値は1〜5である) (B)活性ハロゲン基、エポキシ基またはカルボン酸含
有不飽和化合物 0.5〜10重量% (C)上記(A)と(B)と共重合しうる(A)(B)
以外のモノビニル系あるいはモノビニリデン系不飽和単
量体より選ばれる少なくとも一種の単量体 0〜49.5重量% をラジカル開始剤の存在下で共重合することを特徴とす
るアクリル系共重合体エラストマ−の製造方法に関する
ものである。
上記成分(A)は、一般式(I)で表される構造を有
するアクリル酸エステルおよびまたはメタクリル酸エス
テルである。
するアクリル酸エステルおよびまたはメタクリル酸エス
テルである。
(ここでR1は水素またはメチル基、nは1以上の整数で
あり、その数平均値は1〜5である) 成分(A)のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸
エステルは、通常以下に記述する一般的製造法に従って
製造した場合分子量の異なる、すなわち式(I)におけ
るnの異なるものの混合物として得られるが、混合物の
まま使用することが可能である。勿論、蒸溜等により分
離した分子量に分布のないアクリル酸エステルまたはメ
タクリル酸エステルを使用してもなんらさしつかえな
い。本発明においては、nの数平均値は1〜5である。
nの数平均値が多すぎる場合は、不飽和度が低くなり重
合度が低下するうえ、耐燃料性性の改良効果も小さいた
め好ましくない。また成分(A)のアクリル酸エステル
またはメタアクリル酸エステルには下式(II)で表され
るアクリル酸2−シアノエチルまたはメタクリル酸2−
シアノエチルがその製法上混在することがあるが、20重
量%以下であれば特に問題ない。
あり、その数平均値は1〜5である) 成分(A)のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸
エステルは、通常以下に記述する一般的製造法に従って
製造した場合分子量の異なる、すなわち式(I)におけ
るnの異なるものの混合物として得られるが、混合物の
まま使用することが可能である。勿論、蒸溜等により分
離した分子量に分布のないアクリル酸エステルまたはメ
タクリル酸エステルを使用してもなんらさしつかえな
い。本発明においては、nの数平均値は1〜5である。
nの数平均値が多すぎる場合は、不飽和度が低くなり重
合度が低下するうえ、耐燃料性性の改良効果も小さいた
め好ましくない。また成分(A)のアクリル酸エステル
またはメタアクリル酸エステルには下式(II)で表され
るアクリル酸2−シアノエチルまたはメタクリル酸2−
シアノエチルがその製法上混在することがあるが、20重
量%以下であれば特に問題ない。
(ここで、R1は水素またはメチル基) 成分(A)のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸
エステルは、式(III)で表される構造を有する化合物
とアクリル酸またはメタクリル酸とを反応させる公知の
アクリル酸エステルの合成方法、あるいは化合物(II
I)とハロゲン化アクリロイルまたはハロゲン化メタク
リロイルとを反応させる公知のアクリル酸エステルの合
成方法と同様の方法により容易に合成することができ
る。
エステルは、式(III)で表される構造を有する化合物
とアクリル酸またはメタクリル酸とを反応させる公知の
アクリル酸エステルの合成方法、あるいは化合物(II
I)とハロゲン化アクリロイルまたはハロゲン化メタク
リロイルとを反応させる公知のアクリル酸エステルの合
成方法と同様の方法により容易に合成することができ
る。
(ここでnは1以上の整数であり、その数平均値は1〜
5である。) 式(III)で表わされる構造を有する化合物は、エチ
レンシアンヒドリンにε−カプロラクトンを触媒の存在
下で開環付加する公知の方法により合成される。ε−カ
プロラクトンの開環付加反応において使用される触媒と
してはテトラエトキシチタン,テトラブトキシチタン等
の有機チタン化合物、ジn−ブチルスズジラウレート,
ジブチルスズオキサイド等の有機スズ化合物、塩化第一
スズ等のハロゲン化スズ化合物、過塩素酸等が知られて
いる。また上記化合物におけるε−カプロラクトンの付
加量すなわちnの数平均値は、反応に供するエチレンシ
アンヒドリンとε−カプロラクトンのモル比を変えるこ
とにより調節することが可能である。
5である。) 式(III)で表わされる構造を有する化合物は、エチ
レンシアンヒドリンにε−カプロラクトンを触媒の存在
下で開環付加する公知の方法により合成される。ε−カ
プロラクトンの開環付加反応において使用される触媒と
してはテトラエトキシチタン,テトラブトキシチタン等
の有機チタン化合物、ジn−ブチルスズジラウレート,
ジブチルスズオキサイド等の有機スズ化合物、塩化第一
スズ等のハロゲン化スズ化合物、過塩素酸等が知られて
いる。また上記化合物におけるε−カプロラクトンの付
加量すなわちnの数平均値は、反応に供するエチレンシ
アンヒドリンとε−カプロラクトンのモル比を変えるこ
とにより調節することが可能である。
上記成分(B)は、本発明の共重合体エラストマ−に
おいて加硫の際の架橋点として作用する単位であり、分
子中に活性ハロゲン基,エポキシ基カルボン酸等の活性
な官能基を含有する不飽和化合物が使用される。活性ハ
ロゲン含有不飽和化合物の具体例とては2−クロロエチ
ルビニルエ−テル,クロロ酢酸ビニル,クロロ酢酸アリ
ル,クロロメチルスチレン,アクリル酸2−クロロエチ
ル,メタクリル酸2−クロロエチル等があげられる。エ
ポキシ基含有不飽和化合物の例としては、アリルグリシ
ジルエ−テル,アクリル酸グリシジル,メタクリル酸グ
リシジル等があげられる。また不飽和カルボン酸として
はアクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,フマル酸,
イタコン酸等があげられる。使用全単量体中の成分
(B)の量は0.5〜10重量%好ましくは1〜5重量%で
ある。これらの架橋性単量体は単独としてあるいは二種
以上の混合物として使用することが可能である。成分
(B)の量が少ないと加硫が十分に行得ず、また多すぎ
ると加硫が過度に進行して満足な加硫ゴムシ−トを得る
ことが不可能である。
おいて加硫の際の架橋点として作用する単位であり、分
子中に活性ハロゲン基,エポキシ基カルボン酸等の活性
な官能基を含有する不飽和化合物が使用される。活性ハ
ロゲン含有不飽和化合物の具体例とては2−クロロエチ
ルビニルエ−テル,クロロ酢酸ビニル,クロロ酢酸アリ
ル,クロロメチルスチレン,アクリル酸2−クロロエチ
ル,メタクリル酸2−クロロエチル等があげられる。エ
ポキシ基含有不飽和化合物の例としては、アリルグリシ
ジルエ−テル,アクリル酸グリシジル,メタクリル酸グ
リシジル等があげられる。また不飽和カルボン酸として
はアクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,フマル酸,
イタコン酸等があげられる。使用全単量体中の成分
(B)の量は0.5〜10重量%好ましくは1〜5重量%で
ある。これらの架橋性単量体は単独としてあるいは二種
以上の混合物として使用することが可能である。成分
(B)の量が少ないと加硫が十分に行得ず、また多すぎ
ると加硫が過度に進行して満足な加硫ゴムシ−トを得る
ことが不可能である。
・上記必須成分(A)および(B)に、本発明の効果を
損なわない範囲でさらに成分(C)を加えることも可能
である。成分(C)は上記必須成分(A)および(B)
とラジカル共重合しうる(A)および(B)以外のモノ
ビニル系あるいはモノビニリデン系の不飽和単量体より
選ばれる少なくとも一種の単量体であり、その例として
はアクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸n
−ブチル,アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル
酸アルキエステル類、アクリル酸メトキシエチル,アク
リル酸エトキシエチル等のアクリル酸アルコキシアルキ
ルエステル類、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチ
ル等のメタクリル酸エステル類、酢酸ビニル、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、スチレン等があげられ
る。本発明の効果が損なわれない使用全単量体中の成分
(C)の最大量は化合物の種類により異なるが多くとも
49.5重量%である。
損なわない範囲でさらに成分(C)を加えることも可能
である。成分(C)は上記必須成分(A)および(B)
とラジカル共重合しうる(A)および(B)以外のモノ
ビニル系あるいはモノビニリデン系の不飽和単量体より
選ばれる少なくとも一種の単量体であり、その例として
はアクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸n
−ブチル,アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル
酸アルキエステル類、アクリル酸メトキシエチル,アク
リル酸エトキシエチル等のアクリル酸アルコキシアルキ
ルエステル類、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチ
ル等のメタクリル酸エステル類、酢酸ビニル、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、スチレン等があげられ
る。本発明の効果が損なわれない使用全単量体中の成分
(C)の最大量は化合物の種類により異なるが多くとも
49.5重量%である。
本発明において前記単量体混合物を通常使用されるラ
ジカル開始剤を使用することにより、塊状重合,溶液重
合,乳化重合,懸濁重合等の公知の方法により本発明の
アクリル系共重合体エラストマ−を容易に製造すること
ができる。重合方法としては乳化重合が好ましい。
ジカル開始剤を使用することにより、塊状重合,溶液重
合,乳化重合,懸濁重合等の公知の方法により本発明の
アクリル系共重合体エラストマ−を容易に製造すること
ができる。重合方法としては乳化重合が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、過酸化物,レドックス
系,過硫酸塩,アゾ系化合物等の通常のラジカル開始剤
を用いることができる。重合は0〜100℃、好ましくは
5〜80℃の温度範囲で可能である。
系,過硫酸塩,アゾ系化合物等の通常のラジカル開始剤
を用いることができる。重合は0〜100℃、好ましくは
5〜80℃の温度範囲で可能である。
重合により得られた共重合体エラストマ−は塩化カル
シウル,塩化ナトリウム等の無機塩の水溶液を使用する
塩析やメタノ−ル等のポリマ−不溶性溶剤を使用するこ
とにより容易に単離できる。
シウル,塩化ナトリウム等の無機塩の水溶液を使用する
塩析やメタノ−ル等のポリマ−不溶性溶剤を使用するこ
とにより容易に単離できる。
本発明の方法により製造されるアクリル系共重合体エ
ラストマ−は、通常知られているアクリルゴムの加硫方
法と同様の方法で加硫することが可能である。加硫は共
重合体エラストマ−に、架橋点として作用する成分
(B)の種類により選択される加硫剤、ならびに必要に
応じて加硫促進剤,補強剤,充填剤,可塑剤,老化防止
剤,安定剤等を配合して行われる。
ラストマ−は、通常知られているアクリルゴムの加硫方
法と同様の方法で加硫することが可能である。加硫は共
重合体エラストマ−に、架橋点として作用する成分
(B)の種類により選択される加硫剤、ならびに必要に
応じて加硫促進剤,補強剤,充填剤,可塑剤,老化防止
剤,安定剤等を配合して行われる。
[実施例] 以下の本発明を実施例により具体的に説明するが本発
明の範囲はこれに制限されるものではない。
明の範囲はこれに制限されるものではない。
合成例1 撹拌機と凝縮器のついた三つ口フラスコにエチレンシ
アンヒドリン335重量部、ε−カプロラクトン114重量部
を仕込み、撹拌しながら昇温した。温度120℃になった
ところで塩化第一スズ0.075重量部を添加し、温度を保
持して窒素雰囲気下で約4時間反応をおこなった。反応
後のエチレンシアンヒドリン及びε−カプロラクトンの
転化率はそれぞれ12.8%及び98.2%であった。更に減圧
下で加熱することにより反応物から未反応のエチレンシ
アンヒドリンを除去し、水酸基を未端に持つカプロラク
トン付加物を得た。得られたカプロラクトン付加物の平
均分子量は235であった。ここでエチレンシアンヒドリ
ン及びε−カプロラクトンの転化率はガスクロマトグラ
フを使用することにより、またカプロラクトン付加物の
平均分子量はJIS K0070に従って測定したKOH価から求
めた。
アンヒドリン335重量部、ε−カプロラクトン114重量部
を仕込み、撹拌しながら昇温した。温度120℃になった
ところで塩化第一スズ0.075重量部を添加し、温度を保
持して窒素雰囲気下で約4時間反応をおこなった。反応
後のエチレンシアンヒドリン及びε−カプロラクトンの
転化率はそれぞれ12.8%及び98.2%であった。更に減圧
下で加熱することにより反応物から未反応のエチレンシ
アンヒドリンを除去し、水酸基を未端に持つカプロラク
トン付加物を得た。得られたカプロラクトン付加物の平
均分子量は235であった。ここでエチレンシアンヒドリ
ン及びε−カプロラクトンの転化率はガスクロマトグラ
フを使用することにより、またカプロラクトン付加物の
平均分子量はJIS K0070に従って測定したKOH価から求
めた。
得られたカプロラクトンオリゴマ−250重量部,アク
リル酸100重量部,ヒドロキノン10重量部,トルエン500
重量部,硫酸3重量部を撹拌機,凝縮器及び分離器の付
いたフラスコ中に仕込みエステル化反応を行った。反応
により生成する水は溶剤とともに蒸溜,凝縮し分離器に
より系外に取除き溶剤のみを反応系中に戻した。水の生
成が無くなった時点で冷却し反応を終了した。得られた
反応溶液を20%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、
20%塩化ナトリウム水溶液で数回洗浄し、溶剤を減圧除
去して目的とする淡黄色のアクリル酸エステルを得た。
このものは式(I)においてR1=H、nの平均値が1.6
の化合物に相当する。またこのアクリル酸エステル中の
アクリル酸2−シアノエチルの含有量は5%であった。
リル酸100重量部,ヒドロキノン10重量部,トルエン500
重量部,硫酸3重量部を撹拌機,凝縮器及び分離器の付
いたフラスコ中に仕込みエステル化反応を行った。反応
により生成する水は溶剤とともに蒸溜,凝縮し分離器に
より系外に取除き溶剤のみを反応系中に戻した。水の生
成が無くなった時点で冷却し反応を終了した。得られた
反応溶液を20%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、
20%塩化ナトリウム水溶液で数回洗浄し、溶剤を減圧除
去して目的とする淡黄色のアクリル酸エステルを得た。
このものは式(I)においてR1=H、nの平均値が1.6
の化合物に相当する。またこのアクリル酸エステル中の
アクリル酸2−シアノエチルの含有量は5%であった。
ここで、未端不飽和基の定量はモルホリン法により、
得られたこのアクリル酸エステル中のアクリル酸2−シ
アノエチルの含有量はガスクロマトグラフにより定量し
た。
得られたこのアクリル酸エステル中のアクリル酸2−シ
アノエチルの含有量はガスクロマトグラフにより定量し
た。
合成例2 合成例1と同様の方法でカプロラクトン付加化合物を
合成した。反応後のエチレンシアンヒドリン及びε−カ
プロラクトンの転化率は13%及び99%であり、得られた
カプロラクトン付加化合物の分子量は210であった。合
成例1と同様の方法でエステル化反応を行い目的とする
アクリル酸エステルを得た。このものは式(I)におい
てR1=H、nの平均値が1.5の化合物に相当する。また
このアクリル酸エステル中のアクリル酸2−シアノエチ
ルの含有量は9%であった。
合成した。反応後のエチレンシアンヒドリン及びε−カ
プロラクトンの転化率は13%及び99%であり、得られた
カプロラクトン付加化合物の分子量は210であった。合
成例1と同様の方法でエステル化反応を行い目的とする
アクリル酸エステルを得た。このものは式(I)におい
てR1=H、nの平均値が1.5の化合物に相当する。また
このアクリル酸エステル中のアクリル酸2−シアノエチ
ルの含有量は9%であった。
合成例3 合成例1と同様の方法でカプロラクトン付加化合物を
合成した。反応後のエチレンシアンヒドリン及びε−カ
プロラクトンの転化率は12.5%及び100%であり、得ら
れたカプロラクトン付加化合物の分子量は230であっ
た。メタクリル酸125重量部,ヒドロキノン12.5重量部
を使用した他の合成例1と同様の方法でエステル化反応
を行い目的とするメタクリル酸エステルを得た。このも
のは式(I)においてR1=CH3、nの平均値が1.6の化合
物に相当する。またこのメタクリル酸エステル中のメタ
クリル酸2−シアノエチルの含有量は6%であった。
合成した。反応後のエチレンシアンヒドリン及びε−カ
プロラクトンの転化率は12.5%及び100%であり、得ら
れたカプロラクトン付加化合物の分子量は230であっ
た。メタクリル酸125重量部,ヒドロキノン12.5重量部
を使用した他の合成例1と同様の方法でエステル化反応
を行い目的とするメタクリル酸エステルを得た。このも
のは式(I)においてR1=CH3、nの平均値が1.6の化合
物に相当する。またこのメタクリル酸エステル中のメタ
クリル酸2−シアノエチルの含有量は6%であった。
実施例1〜7,比較例1〜3 表1に示す組成のモノマ−混合物とn−ドデシルメル
カプタン(分子量調節のためモノマ−組成により変量)
の混合物のうち5分の1をドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム4重量部,ポリオキシエチレンラウリルエ−
テル2重量部,ナフタレンスルホネ−ト1重量部,リン
酸三カリウム0.2重量部及び蒸溜水200重量部からなる乳
化剤溶液と混合撹拌して乳化した。この乳化液の温度を
10℃とし、硫酸第一鉄0.01重量部,エチレン四酢酸三ナ
トリウム0.02重量部,パラメンタンハイドロパ−オキサ
イド0.01重量部を添加して重合を開始した。
カプタン(分子量調節のためモノマ−組成により変量)
の混合物のうち5分の1をドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム4重量部,ポリオキシエチレンラウリルエ−
テル2重量部,ナフタレンスルホネ−ト1重量部,リン
酸三カリウム0.2重量部及び蒸溜水200重量部からなる乳
化剤溶液と混合撹拌して乳化した。この乳化液の温度を
10℃とし、硫酸第一鉄0.01重量部,エチレン四酢酸三ナ
トリウム0.02重量部,パラメンタンハイドロパ−オキサ
イド0.01重量部を添加して重合を開始した。
その後温度を10℃に保ちながら残りのモノマ−混合物
を約6時間で滴下し、同時にパラメンタンハイドロパ−
オキサイド0.05重量部を分割添加した。単量体の滴下が
終了後さらに4時間重合を継続した後、禁止剤を添加し
て重合を終了した。単量体の転化率は95〜99%であっ
た。得られた共重合体ラテックスを80℃の塩化カルシウ
ム水溶液に投入して共重合体を単離し十分に水洗した後
乾燥を行い共重合体エラストマ−を得た。
を約6時間で滴下し、同時にパラメンタンハイドロパ−
オキサイド0.05重量部を分割添加した。単量体の滴下が
終了後さらに4時間重合を継続した後、禁止剤を添加し
て重合を終了した。単量体の転化率は95〜99%であっ
た。得られた共重合体ラテックスを80℃の塩化カルシウ
ム水溶液に投入して共重合体を単離し十分に水洗した後
乾燥を行い共重合体エラストマ−を得た。
実施例1〜5,比較例1により得た共重合体エラストマ
−を表2に示す配合に従ってロ−ル混練し170℃で20分
間プレス加硫を行うことにより加硫ゴムシ−トを作成し
た。更にこれをギアオ−ブン中150℃で4時間熱処理し
た後、加硫ゴム物性の評価を行った。また実施例6,7比
較例23により得た共重合体エラストマ−を表3に示す配
合に従ってロ−ル混練し170℃で30分間プレス加硫を行
うことにより加硫ゴムシ−トを作成した。更にこれをギ
アオ−ブン中150℃で8時間熱処理した後、加硫ゴム物
性の評価を行った。
−を表2に示す配合に従ってロ−ル混練し170℃で20分
間プレス加硫を行うことにより加硫ゴムシ−トを作成し
た。更にこれをギアオ−ブン中150℃で4時間熱処理し
た後、加硫ゴム物性の評価を行った。また実施例6,7比
較例23により得た共重合体エラストマ−を表3に示す配
合に従ってロ−ル混練し170℃で30分間プレス加硫を行
うことにより加硫ゴムシ−トを作成した。更にこれをギ
アオ−ブン中150℃で8時間熱処理した後、加硫ゴム物
性の評価を行った。
表4に実施例1〜7,比較例1〜3の未加硫ゴム物性及
び加硫ゴム物性を示す。ム−ニ−粘度はJIS K6300加硫
ゴム物性はJIS K6301に従って評価した。耐燃料性性は
加硫ゴムを燃料油C中に40℃で72時間浸漬下後、体積変
化率を測定することにより評価した。またガラス転移温
度は試料として未加硫ゴムを使用し、示差走査熱量計
(DSC)により毎分10℃の昇温速度で測定した。
び加硫ゴム物性を示す。ム−ニ−粘度はJIS K6300加硫
ゴム物性はJIS K6301に従って評価した。耐燃料性性は
加硫ゴムを燃料油C中に40℃で72時間浸漬下後、体積変
化率を測定することにより評価した。またガラス転移温
度は試料として未加硫ゴムを使用し、示差走査熱量計
(DSC)により毎分10℃の昇温速度で測定した。
表 2 アクリル系共重合体エラストマ− 100 重量部 ステアリン酸 1 カ−ボンブラックMAF 50 ステアリン酸ナトリウム 3 ステアリン酸カリウム 0.5 イオウ 0.3 表 3 アクリル系共重合体エラストマ− 100重量部 ステアリン酸 1 カ−ボンブラックMAF 50 安息香酸アンモニウム 1 [発明の効果] 以上の説明より明らかなように、本発明により耐燃料
油性及び耐寒性がともに優れた新規なエラストマ−が提
供される。
油性及び耐寒性がともに優れた新規なエラストマ−が提
供される。
Claims (1)
- 【請求項1】(A)下式(I)の構造を有するアクリル
酸エステルおよびまたはメタクリル酸エステル 50〜9
9.5重量% (ここでR1は水素またはメチル基、nは1以上の整数で
あり、その数平均値は1〜5である) (B)活性ハロゲン基、エポキシ基またはカルボン酸含
有不飽和化合物 0.5〜10重量% (C)上記(A)と(B)と共重合しうる(A)(B)
以外のモノビニル系あるいはモノビニリデン系不飽和単
量体より選ばれる少なくとも一種の単量体 0〜49.5重量% をラジカル開始剤の存在下で共重合することを特徴とす
るアクリル系共重合体エラストマーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12825288A JP2658184B2 (ja) | 1988-05-27 | 1988-05-27 | アクリル系共重合体エラストマーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12825288A JP2658184B2 (ja) | 1988-05-27 | 1988-05-27 | アクリル系共重合体エラストマーの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01299808A JPH01299808A (ja) | 1989-12-04 |
JP2658184B2 true JP2658184B2 (ja) | 1997-09-30 |
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ID=14980257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12825288A Expired - Fee Related JP2658184B2 (ja) | 1988-05-27 | 1988-05-27 | アクリル系共重合体エラストマーの製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2658184B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT1263844B (it) * | 1992-03-31 | 1996-09-04 | Elastomero di un polimero di acrilato e composizione vulcanizzabile che lo contiene |
-
1988
- 1988-05-27 JP JP12825288A patent/JP2658184B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01299808A (ja) | 1989-12-04 |
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