JP2951317B1 - ステレオカメラ - Google Patents

ステレオカメラ

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JP2951317B1
JP2951317B1 JP10154538A JP15453898A JP2951317B1 JP 2951317 B1 JP2951317 B1 JP 2951317B1 JP 10154538 A JP10154538 A JP 10154538A JP 15453898 A JP15453898 A JP 15453898A JP 2951317 B1 JP2951317 B1 JP 2951317B1
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  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 最良の立体効果のステレオ写真を容易に撮影
できるステレオカメラを提供する。 【解決手段】 ステレオカメラ41の左右のレンズボー
ド42L,42Rを、上下二組の平行リンク47を介し
てカメラボディ46へ連結する。レンズボード42L,
42Rの内側部分に横方向の平行溝45L,45Rを形
成して平行溝45L,45Rを円形偏心カム43に係合
させる。カム43を取付けた軸を回転すると、左右のレ
ンズボード42L,42Rは対称に円弧軌跡上を平行移
動し、焦点調節と同時に光軸間隔が調節される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ステレオカメラ
に関するものであり、特に、焦点調節に連動して2本の
撮影レンズの光軸間距離が調節されるステレオカメラに
関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】左右一
対の撮影レンズによって2枚一組の写真を撮影するステ
レオカメラにおいては、2本の撮影レンズの光軸間距離
が固定であるものが一般的である。此種の光軸間距離固
定形ステレオカメラは、図20(L)(R)に誇張して
示すように、2本の撮影レンズの視差により左右の撮影
画面L,Rの重複領域(b〜c)のそれぞれ外側に非重
複領域(a〜b,c〜d)が発生する。また、被写体距
離が近くなるほど左右の撮影画面における被写体画像の
位置が接近方向へ変位する。
【0003】上記の非重複領域(a〜b,c〜d)は立
体像が形成されない部分であり、ステレオスライドビュ
ーワで鑑賞する場合に、図21に示すように、非重複領
域の境界にスライドマウントの画面枠が重なって目障り
になる。また、合焦距離よりも近距離の被写体の立体像
が、ステレオの窓(ステレオスライドを立体視したとき
にマウントの左右の画面枠が一致して一つに見える仮想
の窓)よりも手前に見える不自然さがあり、上記の欠点
を有するステレオスライドがしばしば見受けられる。
【0004】したがって、これらの欠点を補正するため
に、フィルムの画面幅よりも窓幅が狭いステレオスライ
ドマウントによって左右の画面の非重複領域(a〜b,
c〜d)をマスクするとともに、左右のフィルムのピッ
チを調節して遠近感を補正することが行われている。し
かし、上記の方法は適切なマスク量やマウントの窓に対
するフィルムの横方向位置を決定することが容易ではな
く、また、マスクすることによる画面の損失が大きいと
いう問題がある。
【0005】左右の撮影レンズの視界の差により生じる
上記の問題は、左右の撮影レンズの光軸間距離を調節し
て視界を補正することにより解決できるものであるが、
ステレオカメラの光軸間距離調節機構としては、焦点調
節機構とは無関係に光軸間距離を調節できる手動調節式
のものと、焦点調節機構と連動して光軸間距離が調節さ
れる自動調節式のものが知られている。
【0006】手動調節式のものは、レンズの光軸間距離
を主要被写体の距離並びに主要被写体と他の被写体の距
離関係に応じた最適値に調節することができるが、焦点
調節と光軸間距離調節とを別々に行うので操作が煩雑で
あり、風景や静物の撮影には支障はないものの速写性に
欠け、また、使用者が光軸間距離調節機構の操作や作用
を十分に理解していない場合は光軸間距離の設定を誤る
虞れがある等、取扱いが容易とは言難たい。したがっ
て、一般の使用者を対象とするステレオカメラにおいて
は手動式光軸間距離調節機構のものよりも自動式光軸間
距離調節機構のものが適しているといえる。
【0007】従来の自動光軸間距離調節機構は、左右の
撮影レンズの視界が合焦距離において常時一致するよう
に、焦点調節に連動して光軸間距離が自動調節されて一
律な光軸間距離補正効果が得られるように構成されてい
る。
【0008】レンズを1枚の薄いレンズと仮定し、 レンズの焦点距離 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ f 被写体からレンズの主点までの距離 ‥‥‥‥ L レンズの焦点位置から結像位置までの距離 ‥ Δif とすれば、 Δif =f2/(L−f) ‥‥(数式1) であり、レンズの主点とフィルム面との距離はf+Δif
となる。
【0009】図22は、合焦距離における左右の撮影レ
ンズの視界を一致させるための撮影レンズの主点の移動
軌跡を表したものであり、合焦距離における左右の撮影
レンズの視界を一致させるための左右のレンズのそれぞ
れのシフト量Slは、ステレオカメラの左右露光面のピッ
チをPとすると Sl= (P/2)×(f+Δif) /(L+f +Δif) ‥‥(数式2) で求められる。
【0010】図23の表は、レンズの焦点距離を36m
m、左右の露光面ピッチPを66mmとした場合の、上式
に基づくレンズの光軸方向の繰り出し量Δifと、光軸直
角方向のシフト量Slの関係を示している。焦点を合わせ
た被写体の距離Lが減少するにつれて、左右の撮影レン
ズをシフト量Sl分それぞれ接近する方向へ移動させれ
ば、撮影レンズの主点の移動軌跡は、緩やかな曲線を描
き、合焦距離における左右の撮影レンズの視界が常に一
致する。
【0011】そして、従来の自動光軸間距離調節機構
は、カムやガイド等によって上式に基づく軌跡上を撮影
レンズの主点が移動するように構成され、焦点調節と光
軸間距離調節を連動させているが、実際は殆どの場合に
おいて満足な光軸間距離補正効果を得ることができない
という問題がある。
【0012】この問題の原因は、画面内の全ての被写体
が合焦距離にあることは稀で、殆どの場合は種々の距離
に被写体が混在していることにある。例えば、無限遠に
焦点を合わせて風景を撮影する場合は、無限遠の被写体
の手前に何らかの物体が撮影されることが多い。また、
近距離撮影においても、例えば花壇の花を斜め上方から
撮影する場合は、焦点を合わせた画面の中央部分の花よ
りも手前にある花も画面内に入り、人間のモデルの眼に
焦点を合わせて正面のポートレートを撮影する場合は、
モデルの鼻は合焦距離よりも手前に位置することにな
る。
【0013】そして、上記のように左右の画像のマッチ
ングに強い影響を及ぼす被写体像が合焦距離の被写体像
よりも近距離にあるステレオスライドは、近距離被写体
の立体像がステレオの窓よりも手前に結像して不自然に
みえるので、これを補正するためには、従来と同様にフ
ィルムをマウントするときに左右の画面の外側縁部をマ
スクしたり、左右のフィルムの取付けピッチを調整して
遠近感を補正する必要が生じる。このように、従来の自
動光軸間距離調節機構の作用は完璧とはいえないもので
ある。
【0014】そこで、誰にでも最良の立体効果のステレ
オ写真を容易に撮影できるように、より実際的な光軸間
距離調節機能を有するステレオカメラを提供するために
解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は
上記課題を解決することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するために提案するものであり、2本の撮影レンズ
をそれぞれ独立したレンズボードにマウントし、焦点調
節操作によるレンズボードの前後移動に連動して左右の
レンズボードの間隔が変化し、2本の撮影レンズの光軸
間隔が合焦距離に応じて補正される自動光軸間距離調節
機構を設けたステレオカメラにおいて、2本の撮影レン
ズの移動軌跡は、無限遠焦点調節位置において2本の撮
影レンズの光軸間隔が左右の露光画面のピッチよりも狭
い位置として、最短焦点調節位置において2本の撮影レ
ンズの視界が合焦距離で一致する光軸間隔位置、若しく
はその位置の近傍位置とを結ぶ左右対称の直線であるス
テレオカメラを提供するものである。
【0016】また、2本の撮影レンズの移動軌跡は、無
限遠焦点調節位置において2本の撮影レンズの光軸間隔
が左右の露光画面のピッチよりも狭い位置として、最
焦点調節位置において2本の撮影レンズの視界が合焦距
離で一致する光軸間隔位置、若しくは視界が合焦距離で
一致する光軸間隔よりも若干狭い光軸間隔位置とを通る
左右対称の円弧であるステレオカメラを提供するもので
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
に従って詳述する。先ず、ステレオスライドをステレオ
スライドビューワにて鑑賞する場合に、ステレオスライ
ドマウントの左右の窓が一致して一つの窓に見える距離
と被写体の立体画像が見える距離との関係を説明する。
【0018】合焦距離で左右のレンズの視界が一致する
従来の自動光軸間距離調節形ステレオカメラで撮影した
ステレオスライドは、合焦距離で左右のレンズの視界が
一致しているので、合焦距離にある被写体の立体像とス
テレオの窓とが等距離に見える。
【0019】図22に示すように、例えば、無限遠の風
景を撮影する際はレンズシフト量Slがゼロであるか
ら、左右の画面のピッチと左右の画面における同一の無
限遠被写体像のピッチとが等しく、ステレオの窓は無限
遠にある被写体と等しく無限遠に見え、無限遠よりも手
前にある被写体はステレオの窓よりも手前に位置して見
えて不自然に感じられる。したがって、合焦距離よりも
近距離で左右の撮影レンズの視界を一致させるように撮
影レンズをシフトしたほうがより良い結果が得られるで
あろうと推測できる。
【0020】そこで、先ず無限遠に焦点を調節した場合
の撮影レンズのシフト量を考える。従来の技術において
説明した条件と等しく、 撮影レンズの焦点距離f=36mm 左右の露光面ピッチP=66mm 合焦距離の被写体の画像ピッチ=Pi とすると、無限遠に焦点を調節した状態において、例え
ば1mの距離の被写体の立体像とステレオの窓が等距離
にみえる撮影レンズのシフト量Slは、数式2から約1.
15mmである。このとき、無限遠の被写体像はフィルム
の露光面上で撮影レンズのシフト量と等しく移動するの
で、それぞれ接近方向へ1.15mmシフトされ、左右の
フィルムの無限遠被写体像のピッチPiが2.3mm減少す
る。ステレオカメラの露光面の画像は左右上下を反転し
た倒立像であり、上記のシフト量Sl=1.15mmで撮影
したフィルムをステレオスライドマウントへ正立像の状
態でマウントすると、無限遠被写体像のピッチPiは左右
の画面のピッチP(66mm)よりも2.3mm増加するこ
とになる。
【0021】そして、合焦距離(この場合は無限遠)の
被写体像のピッチPiが左右の画面のピッチPよりも著し
く広くなれば、不自然に見えるのは当然であるが、どの
程度の拡張範囲までが許容されるかを調べるために、撮
影レンズのシフト量が相違する種々の撮影サンプルを観
察する実験を行った。その結果、左右の画面のピッチと
左右の画面における同一被写体の画像のピッチとの差
は、一般的にはおおよそ1.2mm以内が好ましいという
評価が得られた。
【0022】即ち、上記の条件に於て無限遠撮影時にお
ける左右の撮影レンズのシフト量Slを0.6mm以下とす
れば、画面のピッチと左右の画面にある無限遠の同一被
写体の像のピッチとの差は1.2mm以内になり、無限遠
の像が不自然にみえることがなく、近距離の被写体の像
が画面内にあっても良好な立体感が得られることにな
る。
【0023】したがって、ここでは無限遠の場合の撮影
レンズのシフト量を0.6mmとするが、この0.6mmと
いう値は、数式2から逆算するとステレオの窓が約2m
の被写体と等距離にみえるシフト量Slとほぼ等しいもの
である。
【0024】次に、最短合焦距離における撮影レンズの
シフト量を考える。最短合焦距離においても無限遠撮影
時と同様に、合焦距離にある被写体の像間ピッチをステ
レオスライドマウントの窓のピッチよりも約1.2mm広
くするという条件を適用し、最短合焦距離L=360mm
として Δif =f2/(L−f)=362/(360−36) = 4mm そして、左右一方の画面上での像の移動量Siは、1.2
/2=0.6mmとなり、そのときの撮影レンズのシフト
量Slは、 Sl=(P−(L×Pi)/(L+f +Δif))/2 =(P−(L×(P−1.2)) /(L+f +Δif))/2 =(66−(360×(66 −1.2))/(360+36+4))/2 =3.84mm
【0025】また、左右の撮影レンズの視界が一致する
距離Lw、即ちステレオスライドマウントの左右の窓が
一つの窓に見える距離は、以下のようになる。 Lw=(f+Δif)(P−2Sl)/2Sl =(36+4)(66−2×3.84)/2×3.84= 304mm 図1は、左の撮影レンズのみの移動軌跡を示している
が、上記の無限遠撮影時のレンズ位置と最短合焦距離の
レンズ位置とを直線で結んだもので、ステレオの窓は、
無限遠撮影時に撮影レンズの主点から約2mの距離に設
定され、最短合焦距離の360mmでは304mmの位置に
設定される。
【0026】上記の例では、焦点調節範囲の全域で、破
線で示す従来の自動光軸間距離調節式ステレオカメラの
レンズの軌跡LREF よりも内側へのシフト量が多く、殆
どの撮影フィルムはフィルム取付け位置の補正や画面の
一部をマスクする操作を行わずにステレオスライドマウ
ントへマウントすることができる。
【0027】また、図1において光軸に対する直線軌跡
の傾き角θは、 θ=tan-1(3.84−0.6)/4 =tan-10.81=39°00′ であり、光軸直角方向のレンズ移動量Slは、 Sl=0.6 +Δif×tanθ(θ=39°00′) で求められる。
【0028】ここで、例えば1mの距離に焦点を合わせ
た場合の撮影レンズのシフト量Slを求めると、 Δif=f2/(L−f)=362/(1000−36) =1.344mm Sl=0.6 +1.344 ×tan39°00′=1.688mm となり、無限遠像の画面上での移動量は撮影レンズのシ
フト量Slと等しいので、1mの距離に焦点を合わせたと
きの画面内に無限遠の背景が撮影されると、左右の画面
上の無限遠背景の像間ピッチは画面ピッチに対して約
3.4mm(=2Sl)拡大される。
【0029】したがって、前述した画面ピッチと被写体
像間ピッチの差の推奨範囲(約1.2mm以内)を超える
ことになるから、近距離撮影時には遠方の背景ができる
かぎり画面に入らないように配慮することが望ましい。
【0030】上記のレンズ移動軌跡は近接撮影の性能を
重視したものであるが、一般ユーザにとっては1m以遠
の距離の被写体を撮影対象とする場合が多く、また、最
短合焦距離が1m程度であるカメラも多い。これらの場
合は、シフト量を図1のものよりも全体的に減少したり
(例えば、図2に示すように、無限遠焦点調節位置にお
いてステレオの窓が3mに見えるシフト量Sl=0.39
mm)、撮影レンズの光軸に対する移動軌跡の傾きを減少
させれば、近距離被写体と遠方の背景が一つの画面に撮
影される場合に背景の画像ピッチが過大になる問題を軽
減できる。
【0031】図2に示す撮影レンズの移動軌跡において
は、約700mmの合焦距離(Δif≒2.0mm)で従来形
の曲線軌跡LREF と交差し、近接撮影以外のフィルムは
その殆どがマウント時の補正が不要となり、近接撮影の
フィルムのみ、必要に応じてマウント位置の補正や画面
のマスク処理を行えばよい。
【0032】したがって、近接撮影を重視するか、一般
的な距離の撮影を重視するかによって、あるいは撮影レ
ンズの最短合焦距離等の条件に応じて、図1の直線軌跡
と図2の直線軌跡との間の範囲内で撮影レンズの軌跡を
設定することができ、図3に示すように上記の2本の直
線の間の範囲内に軌跡を設定すれば、従来のステレオカ
メラよりも良好な光軸間距離補正効果が得られる。ま
た、撮影レンズを直線移動させるので、光軸間距離調節
機構の構造が単純化して高い動作精度が得られる。
【0033】以上、撮影レンズの移動軌跡を直線とした
場合について説明したが、他に高精度な動作が期待でき
る光軸間距離調節機構としては、複数のレバーやリンク
を組合わせた平行リンク機構により撮影レンズの移動軌
跡を円弧とするものが考えられる。
【0034】円弧軌跡を採用する場合は、従来形の曲線
軌跡と半径が等しいか、より半径が大きい円弧軌跡とし
て、無限遠焦点調節位置において撮影レンズを内側にシ
フトし、レンズを繰り出すに連れてシフト量が減少して
最短撮影距離で合焦被写体の立体像が見える距離とステ
レオの窓の距離とがほぼ一致する円弧軌跡としてもよ
い。しかし、この場合は円弧半径が大きいのでリンクの
長さが長くなり、大型カメラに組込むことは容易である
が、小型カメラには適さない。
【0035】そこで、図4に示すように、従来形の曲線
軌跡LREF とは逆に、左右の撮影レンズの中間側を半径
中心とする円弧を撮影レンズの移動軌跡とすれば、円弧
半径を小さくできる。そして、無限遠焦点調節位置にお
いてステレオの窓がおおよそ2〜3mの距離に見えるよ
うに、シフト量を0.39〜0.6mmの範囲内に設定
し、最短合焦距離においては従来形の曲線軌跡LREF
シフト位置を含む比較的狭い許容範囲内にシフト位置を
設定すればよいが、これらの位置は目的とするシフト特
性やレンズの焦点距離や最短合焦距離等の条件に応じて
設定すべきものであり、直線軌跡形のものと同様にその
範囲は数値的に限定されるものではない。
【0036】したがって、図5に例示する円弧A,B,
Cのように、円弧中心や円弧半径が異なる多様な円弧が
設定可能であるが、図3に示した直線軌跡の範囲と同様
に、従来形の曲線軌跡LREF から著しく変位しない範囲
に制限されることは当然である。
【0037】図5において、円弧Aは請求項7記載のス
テレオカメラのレンズの移動軌跡を示し、無限遠合焦時
にステレオの窓が約2mの距離に見え、焦点調節範囲内
の任意の中間位置で合焦距離(例えば700mm)にある
被写体の立体像がステレオの窓と等距離に見えて、より
近距離側ではシフト量が不足することになるが、最短合
焦距離では再び合焦距離にある被写体の立体像がステレ
オの窓と等距離に見える軌跡である。
【0038】円弧Bは請求項8記載のステレオカメラの
レンズの移動軌跡を示し、無限遠合焦時にステレオの窓
が約2mの距離に見え、焦点調節範囲内の中間位置では
合焦距離にある被写体の立体像がステレオの窓と等距離
に見えて、より近距離側では合焦距離にある被写体の立
体像が再びステレオの窓の奥に見えるようになる軌跡で
ある。円弧Bは円弧Aよりも円弧半径が小さいのでリン
ク長をより短縮することができる。
【0039】円弧Cは請求項9記載のステレオカメラの
レンズの移動軌跡を示し、円弧Bの半径中心を内側(図
において右)にシフトし、全域にわたってシフト量を増
加させて従来の曲線軌跡LREF と接しないようにしたも
のである。
【0040】ここで、例えば図6に示す円弧Dの軌跡を
求める計算を説明する。前述の例と同様に、レンズの焦
点距離を36mm、左右露光面ピッチP1を66mmとし、無
限遠に焦点を調節したときに左右のレンズの視界が一致
する距離を2.5mとし、そのときのレンズ位置をO′
とすれば、点O′のシフト量は、数式2から Sl=(66 /2)×36/(2500 +36) =0.468mm となり、点OとO′の距離Xo′は約0.47mmであ
る。そして、レンズの移動軌跡である円弧が破線で示す
従来形の曲線と交差する点をQとし、円弧のO′Q間に
弦O′Qを引き、同様に円弧PQ間に弦PQを引く。そ
して、弦O′Qの中間点Sから垂線Aを引き、弦PQの
中間点Tから垂線Bを引いて垂線AとBの交点を求めれ
ば、その交点が円弧O′QPの中心Vとなる。
【0041】点O′の座標位置は、x=0.47,y=
0で、点QのΔifをレンズの光軸方向の移動範囲4mmの
中間点である2mmとすると、点Qのx座標は図23の表
からx≒1.7368、y座標は、y=2となる。
【0042】点O′と点Qのx値の差は xQ −xO′=1.7368−0.47=1.2668 y値の差は yQ −yO′=2 となり、光軸に対する弦O′Qの傾斜比は1.2668/2 =
0.6334である。
【0043】点Sの座標位置は、 x=(0.47 +1.7368)/2 =1.1034 y=2/2 =1 で、垂線A上でx=0のときのy値は、 y=1 +1.1034×0.6334=1.69889356 となり、垂線Aを表す数式は y=−0.6334x+1.69889356 となる。
【0044】同様に、垂線Bにおいて点Pと点Qのy値
の差は yQ −yO ′=4−2=2 x値の差は図23の表から xP −xQ =3.30−1.7368=1.5632 であり、光軸に対する弦PQの傾斜比は 1.5632/2 =0.7816 になる。
【0045】点Tの座標位置は、 x=(3.30 +1.7368)/2 =2.5184 y=(4+2)/2 =3 で、垂線B上でx=0のときのy値は、 y=3 +2.5184×0.7816=4.96838144 となり、垂線Bは y=−0.7816x+4.96838144 で表すことができる。
【0046】垂線AとBの交点において座標は一致して
いるので、 −0.6334x+1.69889356=−0.7816x+4.96838144 であり、移項して −0.6334x+0.7816x=4.96838144−1.69889356 両辺を整理して 0.1482x=3.26948788 x=22.06132173 また、 y =−0.7816×22.0613 +4.9683=−12.2748 XV =22.0613mm YV =−12.2748mm であり、点O′が円弧D上に位置するので、円弧Dの半
径RV は、 RV =√(( XV −xO′)2+ YV 2)=√((22.0613 −0.47)2+12.27482) =24.83656(mm) である。
【0047】また、図7に示す円弧上の任意のレンズ位
置aは、円弧の半径RV 及び中心座標XV ,YV から、 βa =Sin-1((Δif−YV)/RV) Xa =XV −RVcosβa の関係となり、図8の表に円弧DのΔifとSl、βa 、X
a の計算値を示す。
【0048】この例では、無限遠調節時にステレオの窓
は2.5mに設定され、約700mmに焦点を調節した場
合においてステレオの窓は合焦距離と等しく約700mm
に見え、約700mmより近距離に焦点をあわせた場合
は、ステレオの窓は合焦距離よりもやや遠方に見えるこ
とになるが、その差は小さいのでマウント時に補正すべ
きオフセット量は極めて小さい。また、図8の表に示す
円弧データを最短合焦距離が700mmよりも遠いステレ
オカメラに適用した場合は、殆ど全ての状況で最適な光
軸間距離補正効果が得られる。
【0049】次に、自動光軸間距離調節機構の具体的な
構造を説明する。図9はレンズボードを直線移動させる
自動光軸間距離調節機構を示し、1はスライドベース、
2L,2Rはスライダであり、スライダ2L,2Rとそ
の前部のレンズボード3L,3Rは一体に結合されてい
る。カメラ本体内の底部に固定されるスライドベース1
の上面には、左右対称の直線斜行形ガイド溝4L,4R
が形成され、スライダ2L,2Rの下面にはガイド溝4
L,4Rと対偶をなすリブ5L,5Rが形成されてい
る。
【0050】左右のスライダ2L,2Rの内側部分、即
ち左右の撮影レンズの光軸の中間側の部分にはそれぞれ
直線の平行溝6L,6Rが形成され、平行溝6L,6R
の方向はリブ5L,5Rの方向と直角をなしている。
【0051】左のスライダ2Lの平行溝6Lを成形した
内側部分は、上半分が切欠かれてスライダ2Lの板厚の
1/2の厚さとなっており、右のスライダ2Rの内側部
分も下半分が切欠かれてスライダ2Rの板厚の1/2の
厚さであり、スライダ2L,2Rをスライドベース1に
装着した状態では左右のスライダ2L,2Rの内側部分
が重なり合う。
【0052】レンズ移動用のカム7L,7Rの軸受8
は、スライドベース1の中央の軸受取付け穴1aに取付
けられる。カム7L,7Rは焦点調節軸の上部に上下二
段に取付けられ、焦点調節軸の下部にプーリ9が取付け
られている。
【0053】左用カム7Lと右用カム7Rは、同一形状
の真円偏心カムであり、その直径はスライダ2L,2R
の平行溝6L,6Rの幅とほぼ等しく、左右のガイド溝
4L,4Rのなす角度と等しい回転角度差をもって焦点
調節軸に取付けられていて、左用カム7Lは左スライダ
2Lの平行溝6Lに係合し、右用カム7Rは右スライダ
2Rの平行溝6Rに係合する。
【0054】カメラボディ(図示せず)に軸支されるプ
ーリ軸10の頭部には焦点調節ノブ11が固着され、下
部に取付けたプーリ12と焦点調節軸のプーリ9とにワ
イヤ13又はベルトが巻装される。
【0055】焦点調節ノブ11を回転すると、カム7
L,7Rが連動して回転し、左右のスライダ2L,2R
は同期してガイド溝4L,4Rに沿って斜行し、焦点調
節と連動して光軸間距離が自動的に調節される。前述し
たように、平行溝6L,6Rの方向はガイド溝4L,4
Rの方向に対して直角であり、スライダ2L,2Rのそ
れぞれの移動方向とカム7L,7Rの押圧力の作用方向
とを一致させているので、スライダ2L,2Rが円滑に
スライドする。
【0056】また、周知の手段であるが、プーリ9,1
2に掛けたワイヤ13をプーリ9,12の外周の一点に
おいて固定すればワイヤ13の滑りを防止でき、一対の
プーリ9,12を確実に同期回転させることができる。
【0057】図10は、図9の直線形光軸間調節機構を
搭載した三眼式ステレオカメラ14を示し、カメラボデ
ィ15の前面の中央にファインダレンズ16とその左右
に一対の撮影レンズ17L,17Rが横一列に配列さ
れ、3本のレンズ16,17L,17Rの光軸は平行且
つ同一平面上に位置している。撮影レンズ17L,17
Rの背後の露光面の直前にはフォーカルプレーンシャッ
タ(図示せず)が配設されていて、図11に示すように
ファインダレンズ16の背後には45°レフレックスミ
ラー18が固定されている。ファインダレンズ16へ入
射した光はレフレックスミラー18を介して上方の焦点
板19に結像し、一般的な一眼レフレックスカメラと同
様にペンタプリズム20及び接眼レンズ21を通じて正
立正像を観察することができる。
【0058】図12はファインダレンズボードを取付け
るスライダ22と撮影レンズのレンズボード3L,3R
を示し、スライダ22には左右方向の平行溝23が設け
られていて、撮影レンズ移動用のカム7L,7Rと同じ
く焦点調節軸に設けたファインダレンズ移動用の円形偏
心カム24が平行溝23に係合している。これにより、
焦点調節軸の回転に連動して3本のレンズ16,17
L,17Rが同期して前後移動し、焦点板19上の画像
の合焦状態により焦点調節の状態を判断できる。
【0059】ファインダレンズ16は撮影レンズ17
L,17Rと焦点距離が等しいものでもよいが、撮影レ
ンズより焦点距離が短いファインダレンズを用いれば、
ファインダ部分の占有スペースを削減することができ
る。この場合は、図11に示す焦点板19のサイズを小
型化して焦点板上の画像の画角と撮影レンズ17L,1
7Rによる露光画面の画角を一致させるとともに、ファ
インダレンズの移動量がΔif=f2/(L−f)の式を満足す
る関係となるようにファインダレンズ移動用カム24の
形状及び寸法、並びにスライダ22の平行溝23の幅を
設計すればよい。
【0060】図13は、撮影レンズの移動軌跡を円弧と
したステレオカメラの焦点調節・光軸間距離調節連動機
構の一例で、ステレオカメラ31のボディフレーム(図
示せず)に左右2本の垂直軸32L,32Rが回転自在
に取付けられていて、2本の垂直軸32L,32Rの上
部に取り付けた同一形状の同期ギヤ33L,33Rが相
互に歯合している。
【0061】垂直軸32L,32Rの前方に配置した焦
点調節軸34には、ピニオンギヤ35と、レンジファイ
ンダの可動ミラーを移動させるためのカム36と、焦点
調節ノブ37とを取付け、ピニオンギヤ35を一方の同
期ギヤ33Rに歯合させている。
【0062】垂直軸32L,32Rにはそれぞれ上下に
ベルクランク形レバー39が固着され、垂直軸32L,
32Rのそれぞれ外側に配置した上下2本のベルクラン
ク形レバー39は、その中央の軸がボディフレーム(図
示せず)に設けた上下の軸受にて支持される。そして、
これら左右それぞれ4本のレバー39の前側端部を左右
のレンズボード38L,38Rの上下両面の内端近傍と
外端近傍にそれぞれ枢着し、さらに、対偶となるそれぞ
れ二本のレバーの後端部をリンク40にて連結して平行
リンク機構を構成している。
【0063】左右のレンズボード38L,38Rのレバ
ー枢支点は、それぞれ垂直軸32L,32Rの外側に位
置しているので、焦点調節ノブ37を回転すれば、左右
のレンズボード38L,38Rは、撮影レンズの光軸に
対して直角を維持したまま円弧軌跡上を平行移動する。
また、レンジファインダ用カム36によりレンジファイ
ンダの可動ミラーを回動させて焦点調節状態が視認でき
る。尚、レンジファインダの構造は周知であるのでその
説明は省略する。
【0064】図14は、カメラボディに対するレンズボ
ード38L,38Rの取付け構造を示し、レンズボード
の上下両端がステレオカメラ31のボディの上下壁面に
接してスライドする構造により外光を遮断するととも
に、レンズボード38L,38Rの上下方向の位置を正
確に保持している。また、レンズボードの側面とカメラ
ボディとの間隙を遮蔽する手段としては、後述する薄い
板バネをカメラボディに取付け、この板バネをレンズボ
ードの側面に弾接させてレンズボードとカメラボディと
の間隙を遮蔽する。
【0065】レンズボード38L,38Rが移動する円
弧軌跡の半径は、図13に示すレンズボード38L,3
8Rのレバー枢支点と垂直軸32L,32Rの中心との
距離により決定され、レバーの長さと垂直軸32L,3
2Rの中心の位置により図5及び図6に示したような種
々の円弧軌跡を実現することができる。
【0066】また、レバー39を連結するリンク40を
省略することもできるが、リンク40を省略した場合
は、レンズボード38L,38Rの左右両側2箇所のレ
バー枢支点を通る直線が垂直軸32L,32Rに接近し
て平行リンク機構の死点に近づいたときに動作の円滑性
が低下する虞れがあるが、ベルクランク形のレバー39
の他端をリンク40で連結することにより死点を解消で
き、全回動範囲で円滑に作動する。
【0067】図15はステレオカメラの他の実施形態を
示し、このステレオカメラ41は左右のレンズボード4
2L,42Rをカム43により同期駆動して撮影レンズ
44L,44Rの移動軌跡を円弧としたものである。図
16(L)(R)に示すように、左右のレンズボード4
2L,42Rの内側部分にはそれぞれ撮影レンズ44
L,44Rの光軸と直交する方向に直線の平行溝45
L,45Rが形成されている。
【0068】そして、図12のレンズボード2L,2R
と同様に、左のレンズボード42Lの内側の溝成形部分
は上半分が切欠かれてレンズボード42Lの板厚の1/
2の厚さとなっており、右のレンズボード42Rの溝成
形部分も下半分が切欠かれてレンズボード42Rの板厚
の1/2の厚さであり、左右のレンズボード42L,4
2Rの切欠き部分を重ね合わせ、それぞれカメラボディ
46へ長さが等しい2本のリンク47を介して連結して
いる。
【0069】左右のレンズボード42L,42Rの平行
溝45L,45R内には、ベースフレーム46の中央に
配置した一個の円形偏心カム43が挿入され、カム43
を取付けた焦点調節軸を回転することにより左右のレン
ズボード42L,42Rは、対称に円弧軌跡上を移動す
る。
【0070】レンズボード42L,42Rの側面は移動
軌跡と反対に湾曲した円弧形に形成され、カメラボディ
46に取り付けた板バネ48の先端のエッジをレンズボ
ード42L,42Rの側面に弾接させているので、レン
ズボードの焦点調節位置に係わらず板バネ48とレンズ
ボード42L,42Rとに間隙が生じることがなく、カ
メラボディ46内へ光や塵埃や水滴が侵入することがな
い。
【0071】図17及び図18は他の実施形態を示し、
このステレオカメラ61は、図14のステレオカメラ4
1よりもリンク長を短くしたものである。左右それぞれ
2本のリンク62はその中間点が枢支点であり、中央の
2本のリンク62は焦点調節軸64へ回転自在に装着さ
れている。
【0072】左側平行リンク機構を構成する2本のリン
ク62の前端には左レンズボード65Lが連結され、右
側平行リンク機構を構成する2本のリンク62の前端に
は右レンズボード65Rが連結されていて、2本一組の
リンクの他端はそれぞれカムフォロワリンク66L,6
6Rによって連結されている。
【0073】円形偏心カム67は、重なり合う2枚のカ
ムフォロワリンク66L,66Rの平行溝68L,68
Rに係合していて、カム67を回転すればカムフォロワ
リンク66L,66Rを介して左右のレンズボード65
L,65Rが対照的に円弧を描いて移動し、その作用は
図14のものと同様であるが、図14のものよりもレバ
ーが短いので円弧の半径が小さくなっている。
【0074】また、図19に示すステレオカメラ71
は、平行リンク機構を構成する左右それぞれ2本のリン
ク72の前部をカメラボディ73に枢着し、リンク72
の後部をそれぞれレンズボード74L,74Rの後部に
枢着したものであり、左右のレンズボード74L,74
Rの移動軌跡の半径中心はそれぞれの光軸の外側に位置
し、従来形の自動光軸間距離調節機構に於ける曲線軌跡
と近似の円弧軌跡になる。
【0075】尚、本願出願人は、レフレックスミラー及
び一個あるいは複数個のプリズムの組合わせにより、二
本の撮影レンズを通じて入射する倒立像のそれぞれ内側
1/2(左撮影レンズの視界の左側1/2と右撮影レン
ズの視界の右側1/2)を一つの焦点板に投影して一つ
のファインダ画面を合成するステレオカメラを既に提案
している。このステレオカメラは、撮影レンズの焦点調
節距離に応じてファインダ内の左右1/2の画像が接近
したり離反して焦点の状態を判断できるものである。
【0076】そして、光軸間距離調節機構を設けたステ
レオカメラにおいては、撮影レンズの光軸間距離の変化
によってもファインダ内の左右1/2の画像が接近した
り離反するので、ファインダ系に左右の1/2の画像の
ピッチを補正する手段を設ける必要があるが、この必要
に対処するために、光軸間距離の変化に連動して複合形
プリズムの一部または全部を前後に移動することにより
左右のファインダ系の視界を自動補正して、正確な焦点
調節を可能にする機構を設けたステレオカメラも提案し
ている。
【0077】本発明のステレオカメラに上記のプリズム
ファインダを搭載する場合は、図12に示したファイン
ダレンズ移動用の円形偏心カム24と同様に、焦点調節
軸にプリズム移動用のカムを装着し、焦点/光軸間隔調
節と連動してプリズムの一部または全部が前後に移動し
てファインダ系の左右1/2の画像ピッチが補正される
ように形成することにより、高精度な焦点調節が可能と
なる。
【0078】尚、この発明は上記の実施形態に限定する
ものではなく、この発明の技術的範囲内においてさらに
種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変され
たものに及ぶことは当然である。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のステレオ
カメラは、撮影距離に応じて撮影レンズの光軸間距離が
自動的に調節されるステレオカメラにおいて、撮影レン
ズの移動軌跡を、人間の視覚作用を考慮して補正した直
線軌跡或いは円弧軌跡としたものであり、ステレオカメ
ラの使用目的や撮影レンズの仕様に合わせて直線軌跡ま
たは円弧軌跡を設定することにより、従来形のステレオ
カメラにおいてしばしばみられる遠近感の不自然さが殆
ど生じることがなく、誰にでも容易に最上のステレオ効
果のステレオ写真が撮影でき、ステレオカメラの実用性
能の向上に寄与する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示し、撮影レンズの直線移
動軌跡を示すグラフである。
【図2】本発明の実施形態を示し、撮影レンズの直線移
動軌跡を示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態を示し、撮影レンズの直線移
動軌跡の設定許容範囲を示すグラフである。
【図4】本発明の実施形態を示し、撮影レンズの円弧移
動軌跡を示すグラフである。
【図5】本発明の実施形態を示し、撮影レンズの円弧移
動軌跡の設定許容範囲を示すグラフである。
【図6】本発明の実施形態を示し、撮影レンズの円弧移
動軌跡の解説グラフである。
【図7】円弧上の任意のレンズ位置座標を求める計算の
解説図である。
【図8】図6の円弧移動軌跡を数値で表した表である。
【図9】本発明の実施形態を示し、直線移動形自動光軸
間距離調節機構の分解図。
【図10】直線移動形ステレオカメラの断面図。
【図11】図10のステレオカメラのファインダ部の構
成解説図。
【図12】図10のステレオカメラの自動光軸間距離調
節機構の構成解説図。
【図13】円弧移動形自動光軸間距離調節機構の構成解
説図。
【図14】図13のレンズボードとカメラボディとの連
結構造を示す縦断面図。
【図15】円弧移動形ステレオカメラの断面図。
【図16】(L)(R)は、それぞれ図15のステレオ
カメラの平行リンク機構の構成解説図である。
【図17】他の実施形態を示し、円弧移動形ステレオカ
メラの断面図。
【図18】(L)(R)は、それぞれ図17のステレオ
カメラの平行リンク機構の構成解説図である。
【図19】他の実施形態を示し、円弧移動形ステレオカ
メラの断面図。
【図20】(L)(R)はそれぞれ従来のステレオカメ
ラにより撮影したフィルムを示す解説図である。
【図21】従来のステレオカメラにおける画面の損失を
表す解説図である。
【図22】左右のレンズの視界を合焦距離において一致
させる場合のレンズの曲線移動軌跡を示す解説図であ
る。
【図23】合焦距離において左右の撮影レンズの視界が
一致する光軸間距離の数値表である。
【符号の説明】
1 スライドベース 2L,2R スライダ 3L,3R レンズボード 4L,4R ガイド溝 5L,5R リブ 6L,6R 平行溝 7L,7R 円形偏心カム 14 ステレオカメラ 16 ファインダレンズ 22 スライダ 23 平行溝 24 円形偏心カム 31 ステレオカメラ 33L,33R 同期ギヤ 34 焦点調節軸 38L,38R レンズボード 39 ベルクランク形レバー 40 リンク 41 ステレオカメラ 42L,42R レンズボード 43 円形偏心カム 45L,45R 平行溝 46 カメラボディ 47 リンク 48 板バネ 61 ステレオカメラ 62 リンク 64 焦点調節軸 66 カムフォロワリンク 67 円形偏心カム

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の撮影レンズをそれぞれ独立したレ
    ンズボードにマウントし、焦点調節操作によるレンズボ
    ードの前後移動に連動して左右のレンズボードの間隔が
    変化し、2本の撮影レンズの光軸間隔が合焦距離に応じ
    て補正される自動光軸間距離調節機構を設けたステレオ
    カメラにおいて、 2本の撮影レンズの移動軌跡は、無限遠焦点調節位置に
    おいて2本の撮影レンズの光軸間隔が左右の露光画面の
    ピッチよりも狭い位置として、最短焦点調節位置におい
    て2本の撮影レンズの視界が合焦距離で一致する光軸間
    隔位置、若しくはその位置の近傍位置とを結ぶ左右対称
    の直線であることを特徴とするステレオカメラ。
  2. 【請求項2】 上記2本の撮影レンズの移動軌跡は、無
    限遠焦点調節位置において2本の撮影レンズの視界が撮
    影レンズの主点から光軸に沿って前方2〜3メートルの
    距離で一致する光軸間隔範囲内の位置と、最短焦点調節
    位置において2本の撮影レンズの視界が合焦距離で一致
    する光軸間隔以下の位置とを通る左右対称の直線である
    請求項1記載のステレオカメラ。
  3. 【請求項3】 上記2本の撮影レンズの移動軌跡は、無
    限遠焦点調節位置において2本の撮影レンズの視界が撮
    影レンズの主点より光軸に沿って前方2〜3メートルの
    距離で一致する光軸間隔範囲内の位置と、約1メートル
    前後の被写体に対する焦点調節位置において2本の撮影
    レンズの視界が合焦距離で一致する光軸間隔位置とを通
    る左右対称の直線である請求項1記載のステレオカメ
    ラ。
  4. 【請求項4】 上記二つのレンズボードを有するスライ
    ダを直線スライドガイド機構を介してカメラボディに装
    着するとともに、二つのスライダの内側部分を上下に重
    ね合わせ、重合部分にそれぞれのスライダの移動方向と
    90度変位した平行溝を設け、二つのスライダの中間に
    垂直な焦点調節軸を配置して、焦点調節軸に同一形状の
    2個のカムを固着し、2個のカムの挟み径は前記平行溝
    の幅とほぼ等しく、二つのスライダの移動方向の変位角
    度と等しく相対回転角度を変位させて取付け、一方のカ
    ムを左スライダの平行溝に係合させ、他方のカムを右ス
    ライダの平行溝に係合させて、焦点調節軸の回転に連動
    して二つのレンズボードが左右対称に前後へ斜行するよ
    うに構成した請求項1,2又は3記載のステレオカメ
    ラ。
  5. 【請求項5】 2本の撮影レンズをそれぞれ独立したレ
    ンズボードにマウントし、焦点調節操作によるレンズボ
    ードの前後移動に連動して左右のレンズボードの間隔が
    変化し、2本の撮影レンズの光軸間隔が合焦距離に応じ
    て補正される自動光軸間距離調節機構を設けたステレオ
    カメラにおいて、 2本の撮影レンズの移動軌跡は、無限遠焦点調節位置に
    おいて2本の撮影レンズの光軸間隔が左右の露光画面の
    ピッチよりも狭い位置として、最短焦点調節位置におい
    て2本の撮影レンズの視界が合焦距離で一致する光軸間
    隔位置、若しくは視界が合焦距離で一致する光軸間隔よ
    りも若干狭い光軸間隔位置とを通る左右対称の円弧であ
    ることを特徴とするステレオカメラ。
  6. 【請求項6】 上記円弧移動軌跡の半径中心を2本の撮
    影レンズの中間側に位置させた請求項5記載のステレオ
    カメラ。
  7. 【請求項7】 上記2本の撮影レンズの円弧移動軌跡
    は、無限遠焦点調節位置において撮影レンズの主点より
    光軸に沿って前方2〜3メートルの距離で2本の撮影レ
    ンズの視界が一致する光軸間隔範囲内の位置と、約1メ
    ートル前後の被写体に対する焦点調節位置において2本
    の撮影レンズの視界が合焦距離で一致する光軸間隔位置
    と、最短焦点調節位置において2本の撮影レンズの視界
    が合焦距離で一致する光軸間隔位置とを通る左右対称の
    円弧であることを特徴とする請求項6記載のステレオカ
    メラ。
  8. 【請求項8】 上記2本の撮影レンズの円弧移動軌跡
    は、無限遠焦点調節位置において撮影レンズの主点より
    光軸に沿って前方2〜3メートルの距離で2本の撮影レ
    ンズの視界が一致する光軸間隔範囲内の位置と、約1メ
    ートル前後の被写体に対する焦点調節位置において2本
    の撮影レンズの視界が合焦距離で一致する光軸間隔位置
    と、最短焦点調節位置において2本の撮影レンズの視界
    が合焦距離で一致する光軸間隔よりも若干狭い光軸間隔
    位置とを通る左右対称の円弧であることを特徴とする請
    求項6記載のステレオカメラ。
  9. 【請求項9】 上記2本の撮影レンズの円弧移動軌跡
    は、無限遠焦点調節位置において2本の撮影レンズの視
    界が撮影レンズの主点より光軸に沿って前方2〜3メー
    トルの距離で一致する光軸間隔範囲内の位置と、最短焦
    点調節位置において2本の撮影レンズの視界が合焦距離
    で一致する光軸間隔位置よりも若干狭い光軸間隔位置と
    を通り、且つ焦点調節範囲の全域において合焦距離で視
    界が一致する光軸間隔よりも狭い光軸間隔となる左右対
    称の円弧であることを特徴とする請求項6記載のステレ
    オカメラ。
  10. 【請求項10】 上記二つのレンズボードをそれぞれ複
    数のリンクを介してカメラボディに取付けて二組の平行
    リンク機構を構成し、二つのレンズボード及び撮影レン
    ズの移動軌跡を左右対称の円弧とした請求項5,6,
    7,8又は9記載のステレオカメラ。
  11. 【請求項11】 上記左右二組の平行リンク機構の回動
    軸に同一形状の歯車をそれぞれ取付けて前記2個の歯車
    を歯合させ、左右二組の平行リンク機構を同期させた請
    求項10記載のステレオカメラ。
  12. 【請求項12】 上記左右二組の平行リンク機構に取付
    けた左右のレンズボードの内側部分を上下に重ね合わ
    せ、重合部分にそれぞれ光軸方向とほぼ90度変位した
    平行溝を設け、二つのレンズボードの中間に垂直な焦点
    調節軸を配置し、焦点調節軸に前記平行溝の幅とほぼ等
    しい挟み径のカムを固着し、前記カムを左右のレンズボ
    ードの平行溝に係合させ、焦点調節軸を回転することに
    より、二つのレンズボードが同期して円弧移動するよう
    に構成した請求項10記載のステレオカメラ。
  13. 【請求項13】 上記ステレオカメラのカメラボディの
    レンズボード取付け部位に板バネを装着し、板バネを左
    右のレンズボードの側面に弾接させて、カメラボディと
    レンズボードとの間隙を遮蔽した請求項4又は10記載
    のステレオカメラ。
  14. 【請求項14】 上記二つのレンズボードの中間にファ
    インダレンズを搭載したスライダを前後スライド自在に
    取付け、レンズボード移動用の焦点調節軸に前記スライ
    ダの移動手段としてスライダ移動用カムを取付け、二つ
    のレンズボードの焦点/光軸間隔調節とファインダレン
    ズの焦点調節操作との連動機構を構成したことを特徴と
    する請求項4又は10記載のステレオカメラ。
  15. 【請求項15】 上記二つのレンズボードの中間に、左
    撮影レンズの視界の左側1/2の画面と右撮影レンズの
    視界の右側1/2の画面を複合形プリズムにより一つの
    焦点板に投影して一つのファインダ画面を合成するプリ
    ズム形ファインダを備え、複合形プリズムの一部または
    全部をスライダに搭載して前後スライド自在に支持し、
    レンズボード移動用の焦点調節軸に前記スライダの移動
    手段としてスライダ移動用カムを取付け、二つのレンズ
    ボードの焦点/光軸間隔調節と複合形プリズムの視界補
    正操作との連動機構を構成したことを特徴とする請求項
    4又は10記載のステレオカメラ。
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