JP2915301B2 - ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド組成物およびその製造法 - Google Patents

ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド組成物およびその製造法

Info

Publication number
JP2915301B2
JP2915301B2 JP26040994A JP26040994A JP2915301B2 JP 2915301 B2 JP2915301 B2 JP 2915301B2 JP 26040994 A JP26040994 A JP 26040994A JP 26040994 A JP26040994 A JP 26040994A JP 2915301 B2 JP2915301 B2 JP 2915301B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide precursor
precursor composition
aromatic
component
bis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26040994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08120076A (ja
Inventor
長広 諸井
秀寿 七井
順道 丸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP26040994A priority Critical patent/JP2915301B2/ja
Publication of JPH08120076A publication Critical patent/JPH08120076A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2915301B2 publication Critical patent/JP2915301B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスクリーン印刷に適し
た、チクソトロピー性を有する新規なポリイミド前駆体
組成物およびその製造法並びにこれより得られる新規な
ポリイミド組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは耐熱性材料として種々の材
質の表面にコーティングされており、ビス(4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル)スルフォンを必須成分と
するポリイミドは特公昭48−18960において公知
であり、コーティング膜は耐磨耗性、耐アルカリ性に優
れることが記載されている。コーティング膜にレリーフ
パターンを形成する方法としては、スピンコーティング
後に湿式あるいは乾式加工法によりパターニングを行な
う方法、あるいはスクリーン印刷によりコーティングと
同時にパターニングを行なう方法等が知られているが、
工程の短縮化の点から後者のスクリーン印刷法が望まれ
ている。
【0003】使用するコーティング材は、スピンコーテ
ィングにおいてはニュートン流体であることが好まし
く、スクリーン印刷には、版パターンの開口部への充填
性と形成されたレリーフパターンの形状保持性を両立さ
せるために、ビンガム流体でチクソトロピー性であるこ
とが好ましい。
【0004】その様なスクリーン印刷に必要とされる特
性は、一般的なニュートン流体に充填剤粉末を混合分散
した系により得られることが知られており、ポリアミド
酸あるいはポリイミドのスクリーン印刷用ペーストにお
いても、これらのワニスへ無機質あるいは有機質粉末を
混練した組成物が知られている。
【0005】ところが、使用されるポリアミド酸溶液あ
るいはポリイミドワニスは、パターンの形状保持性を高
めるために高濃度にするが、その結果必然的に高粘度で
あるその溶液に、充填剤粉末を均質に混練分散すること
は困難であり、特公平2−1192号明細書には、テト
ラカルボン酸成分とジアミン成分の混合溶液を150℃
以上の加熱下で重合させて、充填剤粉末として機能する
ポリイミド微粉末を含む懸濁溶液を調製し、引続きこの
懸濁溶液中にテトラカルボン酸とジアミンを添加・反応
させることによりポリイミド微粉末が良好に分散したポ
リイミド前駆体ワニスを得る方法が開示されている。
【0006】また、充填剤粉末が分散したポリイミド組
成物から形成されたレリーフパターンは、充填剤を混練
しないポリイミドに比べ機械的強度に劣るため、特開平
4−85379号、特開平4−153261号、特開平
4−248871号の各明細書には、化学的あるいは物
理的に調製単離したポリイミド粉末をポリアミド酸ワニ
スにロール混練することにより、室温では充填剤粉末が
分散して印刷特性が確保され、焼成下において充填剤粉
末はワニス樹脂と均質な組成物を形成して機械的強度が
改善されるポリイミド組成物が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した特開平4−8
5379号、特開平4−248871号の各明細書に記
載されているビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル)スルフォンを含む組成物は、充填剤粉末が分散し
てチクソトロピー性があり、スクリーン印刷用として適
するが、その製造においては高粘度の液体に、充填剤粉
末を攪拌・混合・混練その他の機械的な処理により分散
しなければならず、生産性の維持、品質の安定化などに
大きな問題を包含している。さらに、充填剤粉末を分散
させてチクソトロピー性を発現させた組成物は、高精細
なスクリーン印刷においては版開口部への充填性が不十
分である。
【0008】本発明の目的は、ビス(4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル)スルフォンを必須成分とするポ
リイミド前駆体組成物にチクソトロピー性を付与し、レ
リーフパターンの形成性に優れた、スクリーン印刷用ポ
リイミド前駆体組成物を提供し、かつ、その簡便な製造
法を提供することにある。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、ポリイ
ミド樹脂組成物を印刷用ペーストに応用することについ
て研究を進めたところ、特定のポリイミド前駆体組成物
は、一般にチクソトロピー性を付与するために行なわれ
る微粒子などを添加することなく、単に加熱処理するの
みで、半透明または不透明の均質なペースト状組成物に
転化し、特に高い固形分濃度において得られるペースト
状組成物は、良好なチクソトロピー性を呈し、スクリー
ン印刷に適する特性を有することを見出し本発明を完成
した。
【0010】すなわち、本発明のポリイミド前駆体組成
物は、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)
スルフォンを70モル%以上含む芳香族ジアミン成分と
芳香族テトラカルボン酸成分を含酸素溶媒を溶媒として
混合し、芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸
成分を反応させて得られるポリアミド酸溶液を加熱処理
して得られるチクソトロピー係数が1.5以上であるポ
リイミド前駆体組成物であり、より好ましくはポリアミ
ド酸溶液が、下記A、B、C3成分を構成要素とするポ
リイミド前駆体組成物である。 A:ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、ターフェニルテトラカルボン
酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
またはこれらの反応性誘導体が50モル%以上である芳
香族テトラカルボン酸成分 B:70モル%以上がビス(4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル)スルフォンであり、シロキシジアミンが
1モル%以上10モル%以下である、テトラカルボン酸
成分(A)1モルに対して0.95〜1.05モル量の
ジアミン成分 C:沸点が180℃以上300℃以下であるラクトン類
本発明のポリイミド前駆体組成物は、スクリーン印刷用
のペーストとして使用された場合のレリーフパターンの
形状保持性を考慮するとその固形分濃度は20重量%以
上、好ましくは25重量%以上であり、版パターン開口
部への充填性を考慮した粘度範囲の上限からは60重量
%以下、好ましくは50重量%以下である。
【0011】本発明のポリイミド前駆体組成物は、ま
た、上記3成分と不飽和化合物を構成要素とするポリイ
ミド前駆体組成物である。本発明に使用される芳香族テ
トラカルボン酸成分のうち、好ましくは50モル%以上
がベンゼンテトラカルボン酸、例えば、ピロメリット
酸、トリフルオロメチルベンゼンテトラカルボン酸、ビ
ストリフルオロメチルベンゼンテトラカルボン酸、ジフ
ルオロベンゼンテトラカルボン酸など、ビフェニルテト
ラカルボン酸、ターフェニルテトラカルボン酸もしくは
ベンゾフェノンテトラカルボン酸またはこれらの無水
物、エステルなどの反応性誘導体から選ばれた1種また
は2種以上である。その他のテトラカルボン酸成分とし
て50モル%未満で使用できるテトラカルボン酸は、特
に限定されないがヘキサフルオロイソプロピリデンジフ
タル酸、オキシジフタル酸、シクロブタンテトラカルボ
ン酸、ビシクロ(2,2,2)オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラ
カルボン酸またはその無水物、エステルなどの反応性誘
導体が例示でき、これらの2種以上を併用することもで
きるが、これらは50モル%を超えて使用すると加熱処
理により均質なチクソトロピー性を有するポリイミド前
駆体組成物を得ることができない。
【0012】本発明のポリイミド前駆体組成物に使用さ
れるジアミン成分は、特に70モル%以上がビス(4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォンで
り、1モル%以上10モル%以下がシロキシジアミンで
あるものが特に好ましく、シロキシジアミンとしては、
特に限定されないが1,3−ビス(3−アミノプロピ
ル)−1,1,2,2−テトラメチルジシロキサン、
1,3−ビス(3−アミノブチル)−1,1,2,2−
テトラメチルジシロキサン、ビス(4−アミノフェノキ
シ)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェノ
キシ)テトラメチルジシロキサン等を例示でき、これら
の2種以上を併用することもできる。
【0013】シロキシジアミンの使用量はジアミン成分
の1〜10モル%が好ましく、より好ましくは使用する
ジアミン成分の1〜5モル%である。ジアミン成分が1
モル%未満では接着性の改善効果に乏しく、10モル%
を超えると接着性が改善されずに耐熱性の低下が認めら
れるため好ましくない。
【0014】30モル%未満で使用できるジアミン成分
としては、特に限定されないが、o−、m−、p−フェ
ニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−
ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4
−ジアミノジュレン、ジメチル−4,4’−ジアミノジ
フェニル、ジアルキル−4,4’−ジアミノジフェニ
ル、ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニル、ジエ
トキシ−4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ジ
アミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−
ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベ
ンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、2,
2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミ
ノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミ
ノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−ア
ミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4
−アミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、2,
2’−ビス(トリフルオロメチル)ジアミノジフェニ
ル、3,5−ジアミノベンゾトリフルオリド、2,5−
ジアミノベンゾトリフルオリド、3,3’−ビストリフ
ルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,
3’−ビストリフルオロメチル−5,5’−ジアミノビ
フェニル、ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジ
アミノジフェニル、ビス(フッ素化アルキル)−4,
4’−ジアミノジフェニル、ジクロロ−4,4’−ジア
ミノジフェニル、ジブロモ−4,4’−ジアミノジフェ
ニル、ビス(フッ素化アルコキシ)−4,4’−ジアミ
ノジフェニル、ジフェニル−4,4’−ジアミノジフェ
ニル、4,4’−ビス(4−アミノテトラフルオロフェ
ノキシ)テトラフルオロベンゼン、4,4’−ビス(4
−アミノテトラフルオロフェノキシ)オクタフルオロビ
フェニル、4,4’−ビナフチルアミン、4,4’−ジ
アミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノ(N−アル
キル)ベンズアニリド等が例示でき、これらを2種以上
併用することもできる。
【0015】ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル)スルフォンを70モル%以上使用すると、上記ジ
アミンを使用した場合にも加熱処理に付すことで、スク
リーン印刷に適したペースト状でチクソトロピー性を有
するポリイミド前駆体組成物を得ることができる。
【0016】一般に、芳香族ポリアミド酸は、含酸素溶
媒、例えばγ−ブチロラクトン中で調製すると、錯体あ
るいはオリゴマーが固体として析出して均質な溶液が速
やかに得られない、あるいは溶解性に劣るためゲル化す
るなどの現象が見られるが、本発明に係るポリアミド酸
は溶解性に優れ、γ−ブチロラクトン等の含酸素溶媒中
でも析出することなく均質な溶液を速やかに与えること
ができる。
【0017】本発明に使用される溶媒は含酸素溶媒であ
り、ポリイミド前駆体組成物の取扱性から特に180℃
以上300℃以下の沸点範囲の含酸素溶媒であることが
好ましい。
【0018】ポリイミドあるいはその前駆体の溶媒とし
て通常採用される溶解力の大きいN−メチルピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド等のアミド系溶媒を主体とした溶媒中で
は、本発明に係るポリアミド酸は加熱処理により単に粘
度低下を起こすのみで、スクリーン印刷に必要なチクソ
トロピー性の発現は認められない。
【0019】好ましい含酸素溶媒としては、γ−ブチロ
ラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレ
ロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクト
ン、ε−カプロラクトンなどのラクトン類が例示でき、
この他に、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ートなどのカーボネート類、酢酸ブチル、エチルセロソ
ルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのエ
ステル類、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエー
テルなどのエーテル類、メチルイソブチルケトン、シク
ロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン類、ブタノ
ール、オクタノール、エチルセロソルブなどのアルコー
ル類を始め、さらに鎖状ないし環状のアミド系、尿素
系、スルフォキシド系、スルフォン系、炭化水素系、ハ
ロゲン系溶媒を、ポリアミド酸溶液、ポリイミド前駆体
組成物の安定性に影響を及ぼさない範囲で添加すること
ができる。
【0020】溶媒の選択は特に不飽和化合物としてマレ
イミド化合物を選択した場合に重要である。何故なら、
マレイミド化合物は、アミド系溶媒中では無触媒下にお
いても芳香族ジアミンやポリアミド酸とマイケル付加反
応を起こし不安定であるが、γ−ブチロラクトン等の含
酸素溶媒中では比較的反応性が低く安定である。そのた
め、含酸素溶媒中ではマレイミド化合物を含むポリアミ
ド酸溶液の調製が比較的容易であり、また保存中にゲル
化することもなく安定である。
【0021】本発明のポリイミド前駆体組成物に使用さ
れる不飽和化合物は、マレイミド化合物、アセチレン化
合物、ビニル化合物あるいはアリル化合物が好ましい。
マレイミド化合物としてはビスマレイミドが好ましく、
特に好ましいものとしては例えば、2,2’−ビス(4
−マレイミドフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,
2’−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−
(2−トリフルオロメチル−4−マレイミドフェノキ
シ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビ
ス(4−マレイミドフェノキシ)オクタフルオロビフェ
ニル等の含フッ素ビスマレイミドを例示できるが、その
他の使用できるビスマレイミドとして、例えば、4,
4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、4,4’−ビ
スマレイミドジフェニルエーテル、4,4’−ビスマレ
イミドベンズアニリド、2,2’−ビス(4−(4−マ
レイミドフェノキシ)フェニル)プロパン等を挙げるこ
とができる。アセチレン化合物としては、例えばサーミ
ッドTMMC−600、IP−600、IP−610、I
P−630、LR−600、FA−700(カネボウ・
エヌエスシー(株)製品)等のアセチレン末端付加型ポ
リイミドを例示できる。上記不飽和化合物の2種以上を
併用することも可能である。
【0022】本発明のポリイミド前駆体組成物における
不飽和化合物の添加は、金属以外の基板材質、例えば、
ガラス、セラミックス、有機材料等に対する接着性の改
良に特に効果があるが、特に溶解度の大きい含フッ素ビ
スマレイミド、アセチレン末端イソイミドオリゴマー
(例えば、サーミッドTMIP−600。)が高濃度化、
成膜性等の点から好ましい。また、ポリイミド前駆体組
成物を基材に塗布した後の脱溶媒の工程で非含フッ素マ
レイミド化合物は結晶化して膜の白化現象を起こすこと
があるが、含フッ素マレイミド化合物は非含フッ素マレ
イミド化合物に比べ融点が低く、ポリアミド酸との相溶
性が大きく、さらに、ポリイミド前駆体組成物の硬化開
始温度を高める傾向にあり、この様な現象を起こさない
ので好ましい。
【0023】本発明においては、マレイミドはマレイミ
ドプレポリマーとしても使用でき、マレイミドプレポリ
マーとしては、ビスマレイミド単独、ビスマレイミド−
ジアミン、ビスマレイミド−ビスシアネートあるいはビ
スマレイミド−ビスシアナミド等のビスマレイミドプレ
ポリマーが好ましく、特に含フッ素ビスマレイミド、含
フッ素ジアミン、含フッ素ビスシアネート、含フッ素ビ
スシアナミドの1種または2種以上よりなる含フッ素マ
レイミドプレポリマーが好ましい。
【0024】不飽和化合物の使用量は、テトラカルボン
酸成分とジアミン成分の総和量としての樹脂固形分量に
対して5〜30重量%の範囲が好ましく、さらに好まし
くは10〜20重量%である。5重量%より少ない時は
接着効果に乏しく、30重量%より多い時は特に接着効
果は改善されずに形成された膜の機械的物性が低下して
好ましくない。
【0025】以下、本発明のポリイミド前駆体組成物の
製造法として、マレイミド化合物を含む場合を説明する
が、該化合物を使用しない場合または前記した不飽和化
合物を使用した場合には当業者が容易に想到しうる変更
を加えることは当然可能である。
【0026】本発明のポリイミド前駆体組成物の製造法
における加熱処理は、操作的には従来クッキングと称
し、分子量即ち粘度調整に利用されている操作と類似
し、攪拌などの機械的操作を伴うことなく60℃以上1
50℃以下で所定時間加熱処理することにより、含酸素
系溶媒を含むポリイミド前駆体組成物が半透明化または
不透明化し、特に固形分濃度が25重量%以上において
は、チクソトロピー性を有する均質なペースト状組成物
を形成させることができるという極めて簡便な方法であ
る。
【0027】すなわち、一般には、高濃度高粘度のポリ
アミド酸溶液を製造するに際して、添加成分の逐次添加
装置、反応器の撹拌装置等に特殊な工夫が必要であり、
また反応器からの抜出し、あるいは一旦調製した粘稠な
ポリアミド酸溶液に、さらにチクソトロピー性を付与す
るための有機質あるいは無機質粉末を均一に混練分散す
ることは必ずしも容易でなく、ことに少量多品種の製造
においては、品種の切替毎における反応器の洗浄、乾燥
が煩雑である等、その生産には難点があったが、本発明
の方法ではこの様な問題点は殆ど生じることはない。
【0028】加熱処理の条件はポリアミド酸溶液の組
成、固形分濃度、容量および製造されるポリイミド前駆
体組成物に要求されるペーストの粘弾特性により異な
り、加熱処理温度と時間により決定されるが、60℃〜
150℃、より好ましくは、80℃〜120℃の範囲
で、1時間から48時間程度加熱処理するのが望まし
い。60℃以下では転化速度が遅く、150℃以上では
転化速度が早すぎるため、適当なスクリーン印刷性を示
す粘弾特性に調節することが容易でなく、また、加熱処
理の時間または温度が不十分であると、ペーストの版離
れとレリーフパターンの形状保持性に欠け好ましくな
く、さらに、加熱処理の時間または温度を過大にする
と、形成されたパターンの機械的特性が劣り、収縮応力
に耐えず割れが発生するため好ましくない。
【0029】また、加熱処理には、加熱操作の後処理と
しての冷却および室温付近での静置を含む場合もある。
すなわち、ジアミン成分、テトラカルボン酸成分、溶媒
および/または混合・加熱等の操作条件によっては、単
に加熱操作のみでは溶液の半透明化、不透明化は直ちに
は起こらず一定時間後に生じることがあるからである。
冷却は通常は特にコントロールする必要はなく自然放冷
でよいが、場合によっては冷却速度を調節することが好
ましい。室温付近とは特に限定された温度である必要の
ないことをいい、通常0〜50℃程度の温度でよい。静
置は、ポリアミド酸溶液の外観の変化がなくなるまで1
時間から数十日にわたって行なうが、特に攪拌・震盪な
どの操作を加える必要はないので、通常の保管と異なる
ところはない。
【0030】本発明のポリアミド酸の加熱処理において
半透明化あるいは不透明化し、チクソトロピー性が発現
する原因は明確ではないが、ポリアミド酸溶液が部分的
に脱水閉環することによりポリアミド酸イミドとなり、
ポリアミド酸イミド鎖間および/またはポリアミド酸イ
ミド鎖・溶媒間での相互作用により、ミクロに構造を有
する状態となったものと推定される。
【0031】加熱処理に供するポリアミド酸溶液は、従
来公知の方法によって調製可能である。この際、あらか
じめジアミン成分とテトラカルボン酸成分を反応器に仕
込み、その後溶媒を添加すると、均一に溶解する前に急
激な重合により部分的に粘度が上昇する、さらにはジア
ミン成分とテトラカルボン酸成分が錯体を形成するため
か固形ブロックが一部形成してなかなか溶解しない等の
問題点があるので、均一なポリアミド酸溶液を得るため
には、通常ジアミン成分を溶解した溶液中に、テトラカ
ルボン酸成分を逐次添加する方法、あるいはテトラカル
ボン酸成分を溶解した溶液中に、ジアミン成分を逐次添
加する方法が好ましい。
【0032】一般的には、テトラカルボン酸成分として
通常使用されるテトラカルボン酸無水物の溶解度が小さ
いことから、ジアミン成分が溶解した溶液中に、テトラ
カルボン酸成分を逐次添加する方法が採用される。
【0033】マレイミド化合物を添加した場合は、ジア
ミン、特に求核性の強いシロキシジアミンとマレイミド
化合物は容易にマイケル付加反応を起こし、不溶性固体
の析出あるいはゲル化を引起こすことから、ジアミン溶
液の保存安定性を考慮すれば、マレイミド化合物はテト
ラカルボン酸成分と混合溶解することが望ましい。しか
しながら、各成分を添加後短時間で混合する場合には、
マレイミド化合物を他の成分と混合する順序については
とくに限定する必要はなく、マレイミド化合物をジアミ
ン成分でオリゴマー化したテトラカルボン酸成分へ混合
する方法、もしくはジアミン溶液へテトラカルボン酸無
水物を添加した後マレイミド化合物をさらに混合溶解さ
せる方法、マレイミド化合物とジアミンを一緒に混合溶
解させる方法などいずれの方法でも採用することができ
る。
【0034】スクリーン印刷に好適に使用される、20
重量%以上の高固形分濃度のポリアミド酸溶液の調製
は、溶液粘度が過大であるために均一な撹拌混合が容易
でなく、不均一な混合は次工程の加熱処理において不均
質なポリイミド前駆体の相分離が生じ、また均質なもの
ができたとしても撹拌混合により泡が噛みこまれるとい
う問題があった。
【0035】この問題を解決するために、あらかじめテ
トラカルボン酸成分、ジアミン成分を混合溶解した溶液
をそれぞれ調製し、これら各成分溶液がほぼ当量となる
ように容器に秤取した場合の混合液の挙動を観察したと
ころ、高濃度のテトラカルボン酸溶液、特にテトラカル
ボン酸にジアミンを添加して得られたオリゴマー化テト
ラカルボン酸溶液とジアミン溶液の場合、これらの溶液
の粘度差からすみやかには混和せず、低溶液粘度のまま
二相分離することが認められ、これを攪拌羽根を具えた
攪拌機により攪拌すると泡の噛み込みが著しいことが分
かった。そこで、この二層に分離した混合液を自公転遠
心方式により急速に均一混合することにより重合させる
と、泡の噛みこみのない高粘度で均質な溶液が、簡便に
得られることが見出された。
【0036】本発明に使用するテトラカルボン酸成分お
よびジアミン成分溶液は、それらを混合熟成して得られ
るポリアミド酸溶液に比べはるかに溶液粘度が低いもの
であるので、テトラカルボン酸成分およびジアミン成分
溶液の段階でフィルター処理することにより、薄膜形成
時に問題となるパーティクル含有量の極めて少ないポリ
アミド酸を得ることができ、好ましい。
【0037】また、テトラカルボン酸無水物と0.5当
量未満の水、アルコールまたはジアミンから得られるテ
トラカルボン酸部分無水物、エステルまたはオリゴマー
などの反応生成物もテトラカルボン酸成分として使用で
き、これらはテトラカルボン酸成分の高濃度低粘度溶解
またはポリアミド酸溶液の高濃度溶液における重合度お
よび粘度調整に有用である。しかし、0.5当量以上の
ジアミンとの反応生成物溶液は、高濃度の場合粘度上昇
によりポンプ送液の定量性に劣るなど、取扱が容易でな
いため好ましくない。
【0038】所定濃度における重合度および粘度を調整
する目的には、水またはアルコールを添加調製した溶媒
を混合する方法が簡便である。また、オリゴマー化テト
ラカルボン酸成分は50〜100℃で1時間程度クッキ
ング処理することにより重合度を調整することも可能で
あり、この時、不飽和化合物が共存すると不飽和化合物
のプレポリマー化により重合度の増大が生じるが特に差
し支えはない。
【0039】前記のエステルを生成させる目的で使用で
きるアルコールとしては、有機溶剤として通常用いられ
るものならは特に限定する必要はないが、例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、メチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル等が例示できる。
【0040】本発明のポリイミド前駆体組成物の製造
は、窒素、水素、ヘリウムあるいは乾燥空気などの乾燥
雰囲気下で行なうのが好ましいが、γ−ブチロラクトン
などの含酸素溶媒を使用する場合には比較的水分の影響
が少ない。
【0041】この様にして製造される本発明のポリイミ
ド前駆体組成物は、フィジカ社製RHEOLAB MC
20(コーン/プレート法あるいはシリンダ法、22
℃。以下、特に注を付さない限り同条件。)を用いた測
定で、定常ずり速度が20sec-1の時および0.5s
ec-1の時に示される見掛け粘度の差が大きく顕著なチ
クソトロピー性を示す。
【0042】チクソトロピー性を表す値として、チクソ
トロピー性係数[η0.5/η20](定常ずり速度が0.
5sec-1における見掛け粘度[η0.5]を、定常ずり
速度が20sec-1における見掛け粘度[η20]で除し
た値とする。)があり、この値が1.5以上であること
が良好なスクリーン印刷特性のために好ましく、1.5
〜1000がより好ましく、1.5〜250がさらに好
ましい。
【0043】一般的に、チクソトロピー性を示す物質に
おいては、測定される粘度は粘度測定までの履歴を反映
することが知られており、本発明の組成物においても、
ずり応力を印加するにともない低下した到達粘度に基づ
いて求めたチクソトロピー係数が充分大きいことが望ま
しい。例えば、実施例において詳述する様に20cec
-1のずり応力を印加して低下した後の到達粘度に基づい
ても1.5以上のチクソトロピー係数を有することが好
ましい。
【0044】本発明におけるチクソトロピー性を有する
新規なポリイミド前駆体組成物は、焼成後膜厚で0.1
〜100μmのレリーフパターンの形成が可能であり、
採用モノマーの選択、テトラカルボン酸成分の調製条件
の設定、固形分濃度の設定、加熱処理条件の設定によ
り、使用する版形状と所望の膜厚に対する適切な粘弾特
性を広範囲に調製可能である。
【0045】本発明のポリイミド前駆体組成物の好まし
い粘弾特性の範囲は、0.5sec -1における見掛け粘
度[η0.5]がおおよそ150ポイズ以上25000ポ
イズ以下であり、20sec-1における見掛け粘度[η
20]がおおよそ10ポイズ以上5000ポイズ以下であ
る。[η0.5]が150ポイズまたは[η20]が10ポ
イズ未満ではパターンの形状保持性が劣り、[η0.5
が25000ポイズまたは[η20]が5000ポイズを
超えると充填性が劣り好ましくない。
【0046】この粘弾特性範囲のペーストの選択によ
り、薄膜から厚膜まで、適切なスクリーン印刷条件下
で、実用性に優れた版パターン開口部への充填性と、形
成されたレリーフパターンの形状保持性が得られる。
【0047】スクリーン印刷により形成した本発明のポ
リイミド前駆体組成物のレリーフパターンは、脱溶媒の
後焼成することによりポリイミドのレリーフパターンに
転換され、被覆接着性、機械特性等に優れたポリイミド
組成物コーティング体を得ることができる。
【0048】脱溶媒の条件としては、コーティング膜厚
によるが50〜200℃の範囲で1〜150分間、空気
あるいは窒素、水素等の不活性雰囲気下に行なう。10
μm以下の薄膜の場合は100℃以上の高温30分間以
下の短時間でも問題ないが、50μm以上の厚膜の場合
はコーティング膜の白化現象、泡の発生等を避けるため
に80℃以下30分間以上の低温長時間処理が好まし
い。
【0049】焼成条件としては、コーティング膜厚にも
よるが、250〜450℃であり、300〜400℃が
好ましく、320〜380℃がさらに好ましい。また、
焼成に要する時間はコーティング膜厚にもよるが、10
分〜5時間であり、20分〜3時間が好ましく、30分
〜2時間がさらに好ましい。焼成はポリアミド酸を縮合
させてポリイミドとする過程であるので上記した250
℃あるいは10分の条件を外れると充分なイミド化が進
まず、形成されたコーティング膜の機械的強度、耐熱性
などのポリイミドの本来の物性を損なうので好ましくな
い。また450℃または5時間を超える条件ではポリイ
ミドの分解が起こったり、機械的強度が低下したりする
ので好ましくない。
【0050】本発明のポリイミド組成物をコーティング
する基材としては、銅、アルミニューム、シリコンもし
くはこれらの合金またはステンレス鋼などの金属、アル
ミナ、ガラス、硼硅酸ガラス、石英、シルコニア、ムラ
イト、窒化珪素などのセラミックス、チタン酸バリウ
ム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸タンタル、ガリウム砒
素、インジウム燐などの半導体材料などを非制限的に挙
げることができる。また、これらの表面にポリイミド、
芳香族ポリアミド、ポリフェニレン、ポリキシリレン、
ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリアミド
イミド、ポリエステルイミド、ポリベンズイミダゾー
ル、ポリキナゾリンジオン、ポリベンゾオキサジノンな
どの耐熱性高分子化合物を被覆した基板に対してもコー
ティングすることは可能である。
【0051】本発明のポリイミド組成物のより具体的な
応用を非制限的に例示すれば、シリコンウェハ、ガリウ
ム砒素などからなる基板上のモノリシックIC、例えば
DRAM、SRAM、CPUなど、セラミック基板やガ
ラス基板上に形成されるハイブリッドIC、サーマルヘ
ッド、イメージセンサー、マルチチップ高密度実装基板
などのデバイス、フレキシブル基板、リジッド配線板な
どの各種配線板などの層間絶縁膜または表面保護、α線
遮蔽を始め各種の目的を有する保護膜などとして使用で
きるが、これらの用途に限られない。
【0052】以下実施例により詳細に説明するが、実施
態様はこれに限られるものではない。
【0053】
【実施例】
実施例1 温度計、撹拌装置、還流コンデンサー、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに386.9g
のビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニルスルフ
ォン(以下、「BAPS」という。894.5mmo
l)、と507.3gのピロメリット酸二無水物(以
下、「PMDA」という。2325mmol)を仕込
み、1522gのγ−ブチロラクトンを加え60℃で1
時間撹拌し、テトラカルボン酸無水物のオリゴマー溶液
を調製した。同様に604.7gのBAPS(1398
mmol)、17.66gの1,3−ビス(3−アミノ
プロピル)テトラメチルジシロキサン(以下、「TMD
S」という。71.6mmol)を仕込み、1060g
のγ−ブチロラクトンを加え室温で撹拌溶解し、ジアミ
ン成分溶液を調製した。
【0054】精密定量ポンプの設定流量、設定時間と給
液量の関係を明らかにし定量性を確認した後、調製した
テトラカルボン酸無水物のオリゴマー溶液およびジアミ
ン成分溶液の各成分について、それぞれ43.1ml/
minの流量で1.34分および53.3ml/min
の流量で0.77分に設定し、テトラカルボン酸成分と
ジアミン成分のほぼ等モル量を150mlポリエチレン
製ボトルに計量注入し密栓した。この段階では、2液は
相分離しており粘度の上昇すなわち重合は進行は認めら
れなかった。
【0055】これを引続き自公転遠心式混合機((株)
アイ・ケイ・エス製SNB−350)により急速に混合
重合させ、固形分濃度37.0wt%の透明粘稠なポリ
アミド酸溶液を得た。
【0056】同一のテトラカルボン酸無水物のオリゴマ
ー溶液およびジアミン成分溶液について同様の操作を3
0回繰返したところ、テトラカルボン酸のオリゴマー溶
液およびジアミン成分溶液の計量注入量は、それぞれの
平均値として71.538g(42.375mmol)
および48.514g(42.388mmol)で仕込
みモル比(テトラカルボン酸成分/ジアミン成分)は
1.000±0.003であり、得られたポリアミド酸
溶液について24時間後に1Hzで測定した見掛け粘度
(フィジカ社製RHEOLABMC20で22℃におけ
るコーン/プレート法による測定値。別途測定条件を示
さない場合は、1Hzでの測定。以下同じ。)は、10
800±500ポイズで、泡の噛み込みはなく均質な溶
液であった。この溶液の0.5sec-1および20se
-1での見掛け粘度に差はほとんど無くチクソトロピー
係数は1.2であった。
【0057】ここで調製した30個のポリアミド酸溶液
のボトルを、90℃のオーブンに入れて7時間加熱する
と、橙色ないし褐色透明のポリイミド前駆体組成物溶液
が得られた。その時の見掛け粘度は200ポイズでチク
ソトロピー係数は1であったが、自然放冷ののち、室温
に静置して1週間後には茶褐色のペーストに転化し0.
5sec-1および20sec-1での見掛け粘度はそれぞ
れ3800±200ポイズおよび600±30ポイズで
チクソトロピー係数は6.3であった。20sec-1
1分間ずり応力を掛け、低下する粘度の到達値は、0.
5sec-1および20sec-1でそれぞれ1000±5
0ポイズおよび500±30ポイズでチクソトロピー係
数の平均はほぼ2.0であった。
【0058】このペーストのスクリーン印刷性評価とし
て、0.2mm×20.0mmの短冊状パターンを、ス
キージ移動方向に5mm間隔で5個打ち抜いた100μ
m厚のステンレス製の版を用い、ガラス基板に25枚連
続印刷をしたところ、抜け、欠け、糸曳き、滲み等の不
良は見られず良好なレリーフパターンが得られた。この
ガラス基板をオーブン中に置き、70℃で1時間保持
し、ついで昇温時間2時間で350℃とし、その後1時
間焼成した後の膜厚は35〜37μmであった。形成さ
れたパターンの基板面寸法は縦横ともいずれのガラス基
板のパターンについても版のパターン寸法の差は±50
μm以内、また、レリーフ面寸法と基板面寸法の差は縦
横ともいずれのガラス基板のパターンについても500
μm以内であり、パターンの形状保持性も良好であっ
た。
【0059】シリコン、アルミナ、ポリイミドコーティ
ングシリコンの各基板に、ドクターブレード法により焼
成後膜厚約5μmとなる様に、先に調製したポリイミド
前駆体組成物ペーストをコーティングし、350℃で1
時間焼成し約5μmのポリイミド組成物膜がコーティン
グされた基板を得た。100個の1mm方眼をJISK
−5400に従って作成し、121℃、2.2kg/c
2の条件下でプレッシャークッカー試験を100時間
行ない、処理後にテープ剥離試験により接着性を評価し
たところ、いずれの基板においても剥離は認められず良
好な接着性を示した。
【0060】実施例2 温度計、撹拌装置、還流コンデンサー、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに38.57g
のBAPS(89.19mmol)、39.41gのP
MDA(180.7mmol)、17.68gの2,
2’−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン(以下、「OFM」とい
う。総固形分濃度の15wt%)を仕込み、221.6
gのγ−ブチロラクトンを加え60℃で1時間撹拌し、
テトラカルボン酸無水物のオリゴマー溶液を調製した。
同様に111.0gのBAPS(256.7mmo
l)、4.081gのTMDS(16.4mmol)、
266.6gのγ−ブチロラクトンを加え室温で撹拌溶
解し、ジアミン成分溶液を調製した。テトラカルボン酸
無水物のオリゴマー溶液317.3gとジアミン溶液1
27.5gをシリンジで容器に量り取り、実施例1と同
一の装置・条件で遠心攪拌混合したところ、固形分濃度
30wt%、見掛け粘度4000ポイズのポリアミド酸
溶液を得た。
【0061】110℃のオーブンで3時間加熱処理を行
ったところ、茶褐色のペーストが得られ、0.5sec
-1および20sec-1での見掛け粘度はそれぞれ550
0ポイズおよび380ポイズでチクソトロピー係数は1
4.5であった。20sec -1で1分間ずり応力を掛
け、低下する粘度の到達値は、0.5sec-1および2
0sec-1で、それぞれ770ポイズおよび160ポイ
ズでチクソトロピー係数は4.8であった。
【0062】このペーストについて実施例1と同様のス
クリーン印刷性評価を行ったところ、抜け、欠け、糸曳
き、滲み等の不良は見られず良好なレリーフパターンが
得られ、それを実施例1と同様に焼成処理した膜は膜厚
30〜32μmで、パターン形状保持性も実施例1と同
様に良好であった。また、実施例1と同様のプレッシャ
ークッカー試験を行ったところ、剥離は全く見られなか
った。
【0063】実施例3 温度計、撹拌装置、還流コンデンサー、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに19.24g
のBAPS(44.50mmol)、14.26gの
2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’ジア
ミノジフェニル(以下、「ABL」という。44.52
mmol)と38.81gのPMDA(177.9mm
ol)、16.62gのOFM(ポリアミド酸に対して
15wt%)を仕込み、207.1gのγ−ブチロラク
トンを加え60℃で1時間撹拌し、テトラカルボン酸無
水物のオリゴマー溶液を調製した。同様に111.0g
のBAPS(256.7mmol)、4.081gのT
MDS(16.4mmol)、266.6gのγ−ブチ
ロラクトンを加え室温で撹拌溶解し、ジアミン成分溶液
を調製した。テトラカルボン酸無水物のオリゴマー溶液
296.1gとジアミン溶液123.9gをシリンジで
容器に量り取り、遠心攪拌混合したところ、固形分濃度
30wt%、見掛け粘度4700ポイズのポリアミド酸
溶液を得た。
【0064】100℃のオーブンで8時間加熱処理を行
ったところ、茶褐色のペーストが得られ、0.5sec
-1および20sec-1での見掛け粘度はそれぞれ360
0ポイズおよび220ポイズでチクソトロピー係数は1
6.4であった。20sec -1で1分間ずり応力を掛
け、低下する粘度の到達値は、0.5sec-1および2
0sec-1で、それぞれ850ポイズおよび110ポイ
ズでチクソトロピー係数は7.7であった。
【0065】このペーストについて実施例1と同様のス
クリーン印刷性評価を行ったところ、抜け、欠け、糸曳
き、滲み等の不良は見られず良好なレリーフパターンが
得られ、それを実施例1と同様に焼成処理した膜は膜厚
30〜32μmで、パターン形状保持性も実施例1と同
様に良好であった。また、実施例1と同様のプレッシャ
ークッカー試験を行ったところ、剥離は全く見られなか
った。
【0066】比較例1 温度計、撹拌装置、還流コンデンサー、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに33.83g
のBAPS(78.22mmol)、44.36gのP
MDA(203.4mmol)、158.6gのγ−ブ
チロラクトンを加え60℃で1時間撹拌し、テトラカル
ボン酸無水物のオリゴマー溶液を調製した。同様に1
1.88gのBAPS(27.46mmol)、29.
23gのABL(91.27mmol)、1.152g
のTMDS(6.08mmol)、86.5gのγ−ブ
チロラクトンを加え室温で撹拌溶解し、ジアミン成分溶
液を調製した。テトラカルボン酸無水物のオリゴマー溶
液84.1gとジアミン溶液46.0gをシリンジで容
器に量り取り、遠心攪拌混合したところ、固形分濃度3
3wt%、見掛け粘度10400ポイズのポリアミド酸
溶液を得た。
【0067】90℃のオーブンで15時間加熱処理を行
ったところ、褐色透明のポリイミド前駆体組成物溶液が
得られた。その時の見掛け粘度は90ポイズでチクソト
ロピー係数は1であったが、そのまま室温で静置してお
いたところ1週間後には茶褐色のペーストに転化し0.
5sec-1および20sec-1での見掛け粘度はそれぞ
れ270ポイズおよび190ポイズでチクソトロピー係
数は1.4であった。20sec-1で1分間ずり応力を
掛け、低下する粘度の到達値は、0.5sec -1および
20sec-1で、それぞれ210ポイズおよび160ポ
イズでチクソトロピー係数は1.3であった。
【0068】このペーストについて実施例1と同様のス
クリーン印刷性評価を行ったところ、抜け、欠け等の不
良は見られなかったが、版とガラス基板の間で糸曳き、
滲みが生じ、良好なレリーフパターンは得られなかっ
た。それを実施例1と同様に焼成処理した膜は膜厚30
〜32μmであったが、パターン形状は充分に保持され
ていなかった。また、実施例1と同様のプレッシャーク
ッカー試験を行ったところ、剥離は全く見られなかっ
た。
【0069】実施例4 温度計、攪拌装置、還流コンデンサー、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに8.243g
のBAPS(19.06mmol)、8.076gの
3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン(以下、「D
DS」という。32.53mmol)、29.26gの
PMDA(134.1mmol)を仕込み、84.7g
のγ−ブチロラクトンを加え60℃で1時間攪拌し、テ
トラカルボン酸無水物のオリゴマー溶液を調製した。同
様に33.96gのBAPS(78.52mmol)、
1.005gのTMDS(4.04mmol)、64.
9gのγ−ブチロラクトンを加え室温で攪拌溶解し、ジ
アミン成分溶液を調製した。テトラカルボン酸無水物の
オリゴマー溶液130.2gとジアミン溶液99.8g
をシリンジで容器に量り取り、遠心撹拌混合したとこ
ろ、固形分濃度35wt%、見掛け粘度5900ポイズ
のポリアミド酸溶液を得た。
【0070】110℃のオーブンで7時間加熱処理を行
ったところ、褐色透明のポリイミド前駆体組成物溶液が
得られた。その時の見掛け粘度は40ポイズでチクソト
ロピー係数は1であったが、そのまま室温で静置してお
いたところ約24時間後には茶褐色のペーストに転化し
0.5sec-1および20sec-1での見掛け粘度はそ
れぞれ830ポイズおよび170ポイズでチクソトロピ
ー係数は4.9であった。20sec-1で1分間ずり応
力を掛け、低下する粘度の到達値は、0.5sec-1
よび20sec-1で、それぞれ390ポイズおよび16
0ポイズでチクソトロピー係数は2.4であった。
【0071】このペーストについて実施例1と同様のス
クリーン印刷性評価を行ったところ、抜け、欠け、糸曳
き、滲み等の不良は見られず良好なレリーフパターンが
得られ、それを実施例1と同様に焼成処理した膜は膜厚
33〜35μmで、パターン形状保持性も実施例1と同
様に良好であった。また、実施例1と同様のプレッシャ
ークッカー試験を行ったところ、剥離は全く見られなか
った。
【0072】実施例5 温度計、撹拌装置、還流コンデンサー、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに12.96g
のBAPS(29.97mmol)、16.99gのP
MDA(77.91mmol)を仕込み、44.7gの
γ−ブチロラクトンを加え60℃で1時間撹拌し、テト
ラカルボン酸無水物のオリゴマー溶液を調製した。同様
に25.38gのBAPS(58.69mmol)、
0.451gのTMDS(1.82mmol)、36.
9gのγ−ブチロラクトンを加え室温で撹拌溶解し、ジ
アミン成分溶液を調製した。別に、10.04gのサー
ミッドIP−610を30.2gのγ−ブチロラクトン
に溶解し、サーミッド溶液を調製した。テトラカルボン
酸無水物のオリゴマー溶液74.6gとジアミン溶液4
9.9gとサーミッド溶液30.3gをシリンジで容器
に量り取り、実施例1と同一の装置・条件で遠心攪拌混
合したところ、固形分濃度37wt%のゴム状を呈する
ポリアミド酸溶液を得た。
【0073】90℃のオーブンで9時間加熱処理を行な
い、そのまま室温で1週間静置したところ見掛け粘度は
30ポイズでチクソトロピー係数は1であったが、さら
に110℃のオーブンで3時間加熱処理を行ったところ
茶褐色のペーストに転化し、0.5sec-1および20
sec-1での見掛け粘度はそれぞれ4200ポイズおよ
び350ポイズでチクソトロピー係数は12.1であっ
た。20sec-1で1分間ずり応力を掛け、低下する粘
度の到達値は、0.5sec-1および20sec-1で、
それぞれ680ポイズおよび290ポイズでチクソトロ
ピー係数は2.3であった。
【0074】このペーストについて実施例1と同様のス
クリーン印刷性評価を行ったところ、抜け、欠け、糸曳
き、滲み等の不良は見られず良好なレリーフパターンが
得られ、それを実施例1と同様に焼成処理した膜は膜厚
35〜37μmで、パターン形状保持性も実施例1と同
様に良好であった。また、実施例1と同様のプレッシャ
ークッカー試験を行ったところ、剥離は全く見られなか
った。
【0075】実施例6 温度計、撹拌装置、還流コンデンサー、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに10.61g
のBAPS(24.53mmol)、10.44gのP
MDA(47.84mmol)、4.690gのビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物(15.94mmol)
を仕込み、60.1gのγ−ブチロラクトンを加え60
℃で1時間撹拌し、テトラカルボン酸無水物のオリゴマ
ー溶液を調製した。同様に16.15gのBAPS(3
7.34mmol)、0.476gのTMDS(1.9
1mmol)、38.9gのγ−ブチロラクトンを加え
室温で撹拌溶解し、ジアミン成分溶液を調製した。テト
ラカルボン酸無水物のオリゴマー溶液85.8gとジア
ミン溶液55.5gをシリンジで容器に量り取り、実施
例1と同一の装置・条件で遠心攪拌混合したところ、固
形分濃度30wt%、見掛け粘度1300ポイズのポリ
アミド酸溶液を得た。
【0076】110℃のオーブンで23時間加熱処理を
行ったところ、褐色透明のポリイミド前駆体組成物溶液
が得られた。その時の見掛け粘度は50ポイズでチクソ
トロピー係数は1であったが、そのまま室温で静置して
おいたところ約1カ月後には茶褐色のペーストに転化し
0.5sec-1および20sec-1での見掛け粘度はそ
れぞれ3600ポイズおよび210ポイズでチクソトロ
ピー係数は17.1であった。20sec-1で1分間ず
り応力を掛け、低下する粘度の到達値は、0.5sec
-1および20sec-1で、それぞれ260ポイズおよび
120ポイズでチクソトロピー係数は2.2であった。
【0077】このペーストについて実施例1と同様のス
クリーン印刷性評価を行ったところ、抜け、欠け、糸曳
き、滲み等の不良は見られず良好なレリーフパターンが
得られ、それを実施例1と同様に焼成処理した膜は膜厚
30〜32μmで、パターン形状保持性も実施例1と同
様に良好であった。また、実施例1と同様のプレッシャ
ークッカー試験を行ったところ、剥離は全く見られなか
った。
【0078】比較例2 温度計、撹拌装置、還流コンデンサー、窒素導入管を具
えたガラス製4ツ口セパラブルフラスコに33.50g
のBAPS(77.46mmol)、43.92gのP
MDA(201.3mmol)を仕込み、180.4g
のN−メチルピロリドンを加え60℃で1時間撹拌し、
テトラカルボン酸無水物のオリゴマー溶液を調製した。
同様に64.56gのBAPS(149.3mmo
l)、1.901gのTMDS(7.65mmol)、
155.1gのN−メチルピロリドンを加え室温で撹拌
溶解し、ジアミン成分溶液を調製した。テトラカルボン
酸無水物のオリゴマー溶液257.8gとジアミン溶液
175.0gをシリンジで容器に量り取り、実施例1と
同一の装置・条件で遠心攪拌混合したところ、固形分濃
度30wt%、見掛け粘度280ポイズのポリアミド酸
溶液を得た。
【0079】90℃のオーブンで15時間加熱処理を行
ったところ、橙色ないしは褐色透明のポリイミド前駆体
組成物溶液が得られた。その時の見掛け粘度は6ポイズ
でチクソトロピー係数は1であり、そのまま室温で25
日間静置すると粘度は94ポイズに上昇したがチクソト
ロピー係数は1のままであった。
【0080】得られた溶液はスクリーン印刷に要するチ
クソトロピー性を示さないのでスクリーン印刷性評価の
試験は行わなかった。
【0081】
【発明の効果】本発明のポリイミド前駆体組成物は、実
施例に示すとおり、好適なスクリーン印刷性を示し、か
つ、焼成してポリイミド膜を形成した場合には優れた接
着性などの成膜性を有することから、耐熱性、低吸湿
性、低誘電率、機械的強度、化学的安定性などの要求さ
れるエレクトロニクス、電気、光学、精密工業などに使
用されるスクリーン印刷用ポリイミド組成物として有用
であり、しかも、実施例から明らかなように、本ポリイ
ミド前駆体組成物は極めて簡便な装置と操作により製造
できるという顕著な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 73/10 C08L 79/08 C09D 179/08 B41M 1/12 C09D 11/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フ
    ェニル)スルフォンを70モル%以上含む芳香族ジアミ
    ン成分と芳香族テトラカルボン酸成分をラクトン類を溶
    媒として混合し、芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカ
    ルボン酸成分を反応させて得られるポリアミド酸溶液を
    加熱処理して得られるチクソトロピー係数が1.5以上
    であるポリイミド前駆体組成物。
  2. 【請求項2】 ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フ
    ェニル)スルフォンを70モル%以上含む芳香族ジアミ
    ン成分と芳香族テトラカルボン酸成分と不飽和化合物を
    ラクトン類を溶媒として混合し、芳香族ジアミン成分と
    芳香族テトラカルボン酸成分と不飽和化合物を反応させ
    て得られるポリアミド酸溶液を加熱処理して得られるチ
    クソトロピー性を有する請求項1記載のポリイミド前駆
    体組成物。
  3. 【請求項3】 チクソトロピー係数が1.5〜250で
    あることを特徴とする請求項1乃至2の何れかに記載の
    ポリイミド前駆体組成物。
  4. 【請求項4】 芳香族テトラカルボン酸成分が、ベンゼ
    ンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボ
    ン酸二無水物、ターフェニルテトラカルボン酸二無水
    物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物またはこ
    れらの反応性誘導体の50モル%以上とその他のテトラ
    カルボン酸二無水物またはその反応性誘導体の50モル
    %未満からなることを特徴とする請求項1乃至3の何れ
    かに記載のポリイミド前駆体組成物。
  5. 【請求項5】 芳香族ジアミン成分が、ビス(4−(3
    −アミノフェノキシ)フェニル)スルフォンの70モル
    %以上とシロキシジアミン化合物の1〜10モル%とそ
    の他のジアミンからなることを特徴とする請求項1乃至
    4の何れかに記載のポリイミド前駆体組成物。
  6. 【請求項6】 溶媒が、沸点が180℃以上300℃以
    下であるラクトン類であり、ポリイミド前駆体組成物の
    80重量%未満であることを特徴とする請求項1乃至5
    の何れかに記載のポリイミド前駆体組成物。
  7. 【請求項7】 不飽和化合物が、マレイミド化合物、ア
    セチレン化合物、ビニル化合物、アリル化合物であっ
    て、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分
    の合計重量の5〜30重量%であることを特徴とする請
    求項2記載のポリイミド前駆体組成物。
  8. 【請求項8】 ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フ
    ェニル)スルフォンを70モル%以上含む芳香族ジアミ
    ン成分と芳香族テトラカルボン酸成分をラクトン類を溶
    媒として混合し、芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカ
    ルボン酸成分を反応させて得られるポリアミド酸溶液を
    加熱処理することよりなるチクソトロピー係数が1.5
    以上であるポリイミド前駆体組成物の製造法。
  9. 【請求項9】 加熱処理を60〜150℃で行なうこと
    を特徴とする請求項8記載のポリイミド前駆体組成物の
    製造法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至7の何れかに記載のポリ
    イミド前駆体組成物を基体に塗布し、焼成することによ
    り得られるポリイミド組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至7の何れかに記載のポリ
    イミド前駆体組成物からなるスクリーン印刷用インキ。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のスクリーン印刷用イ
    ンキを用いることを特徴とするスクリーン印刷方法。
JP26040994A 1994-10-25 1994-10-25 ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド組成物およびその製造法 Expired - Fee Related JP2915301B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26040994A JP2915301B2 (ja) 1994-10-25 1994-10-25 ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド組成物およびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26040994A JP2915301B2 (ja) 1994-10-25 1994-10-25 ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド組成物およびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08120076A JPH08120076A (ja) 1996-05-14
JP2915301B2 true JP2915301B2 (ja) 1999-07-05

Family

ID=17347530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26040994A Expired - Fee Related JP2915301B2 (ja) 1994-10-25 1994-10-25 ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド組成物およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2915301B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015110684A (ja) * 2012-03-22 2015-06-18 日産化学工業株式会社 ポリアミック酸およびポリイミド

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08120076A (ja) 1996-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3216849B2 (ja) ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド組成物およびその製造法
JP3534151B2 (ja) ポリイミド前駆体組成物及びポリイミド膜
EP1448669B1 (en) Adhesive composition comprising a polyimide copolymer and method for preparing the same
WO2010050491A1 (ja) ポリイミド前駆体溶液組成物
JP2013155329A (ja) 溶剤可溶性ポリイミド樹脂及びその製造方法、並びに前記ポリイミド樹脂を含有するポリイミド組成物、ポリイミドフィルム、及びコーティング物品
JP3608929B2 (ja) ポリイミド組成物
JP2915301B2 (ja) ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド組成物およびその製造法
JPWO2019131896A1 (ja) ポリイミド、ポリイミド溶液組成物、ポリイミドフィルム、及び基板
JPH04248871A (ja) ポリイミド系樹脂ペーストおよびこれを用いたic
US20030236359A1 (en) Polyimide substrates having an interpenetrating network morphology and methods relating thereto
JPS62135529A (ja) ポリイミド前駆体
JP2519228B2 (ja) 無色透明ポリイミド成形体およびその製法
JP2007099842A (ja) 新規なポリイミド樹脂
KR20220068601A (ko) 폴리아믹산 조성물 및 이를 포함하는 폴리이미드
JPH107985A (ja) ワニス
JPWO2020067558A1 (ja) ポリイミド前駆体及びそれから生じるポリイミド並びにフレキシブルデバイス
JPH0485379A (ja) 耐熱性樹脂ペーストおよびこれを用いたic
JP2004304024A (ja) 電子部品被覆用ポリイミドフィルム
KR102451827B1 (ko) 폴리아믹산 조성물 및 이를 포함하는 폴리이미드
JP2007099843A (ja) 新規なポリイミド樹脂
JPH09328549A (ja) ポリイミド組成物
JP2001164183A (ja) 絶縁塗料及びその製造方法並びにそれから得られる絶縁被膜
JPH08239575A (ja) ポリアミド酸組成物、ポリアミド酸組成物の製造方法ならびにカラーフィルタおよびその製造方法
JP3446561B2 (ja) ブロックポリイミド樹脂及び樹脂溶液並びにその製造方法
JP2023034352A (ja) ポリアミド酸組成物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees