JP2904809B2 - 溶融亜鉛めっき熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき熱延鋼板の製造方法

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JP2904809B2 JP15833189A JP15833189A JP2904809B2 JP 2904809 B2 JP2904809 B2 JP 2904809B2 JP 15833189 A JP15833189 A JP 15833189A JP 15833189 A JP15833189 A JP 15833189A JP 2904809 B2 JP2904809 B2 JP 2904809B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は脱スケールした熱延鋼板の溶融亜鉛めっき鋼
板及びその低温加熱による製造方法に係り、特に高Si添
加鋼を代表とする難めっき鋼板をはじめ、成分系によっ
て必然的に表面清浄の異なる高張力熱延鋼板に対して、
溶融亜鉛めっき条件をいたずらに変更することなく普通
鋼と同様の亜鉛めっき外観の均一性、密着性ほか、溶融
亜鉛めっき鋼板として具備すべき性能を効率的に得られ
るようにしたものである。
(従来技術) 従来、建材等で構造用部材として多用される裸鋼材の
高寿命化或いは意匠性向上にあたっては、一定の成形加
工後に、めっきや塗装と言った何等かの後処理が需要家
でなされていたが、工程省力による使用鋼材の低コスト
化から、供給鋼材の表面処理化が強く要求される情勢に
ある。この中で、最近では特に板厚2〜6mmと言った厚
手高張力熱延鋼板の表面処理化要求が高まりつつある。
この高張力熱延鋼板の防錆性向上を主目的とした表面
処理方法としては、生産性の点から容易に厚めっき化が
可能なゼンジマー式溶融亜鉛めっき法がある。
(発明が解決しようとする課題) ところが、この場合、鋼板の材質強度の点から溶融亜
鉛めっき前の最高加熱板温としては、溶融亜鉛めっきの
浴温よりやや高目の予熱イメージの加熱が前提となるた
め、通常、ゼンジマー式ラインの特徴の一つである600
℃以上の高温での無酸化加熱による鋼表面の清浄化効果
(スポンジ効果)は余り期待できず、逆に、低温加熱還
元工程での還元不足を伴なって不めっきが生じ易い欠点
がある。
これを改善した従来技術としては冷間圧延による高張
力鋼板に対し、従来の加熱方式のもとで均一外観の溶融
亜鉛めっきに仕上げるにあたって、該基板の表面に予め
Feめっきを施すことを特徴とした特公昭60−56418号公
報や同様にZnのプレめっきを特徴とした特公昭62−5694
9号公報などが提案されている。
しかし、前者は、Feプレめっき技術そのものが電解酸
化によるFe3+の生成等から安定したFeめっきが難しく
又、後者にあっては、プレめっき後の加熱においてプレ
めっき層からのZnの選択気化があり、還元ガス及びその
炉内の雰囲気汚染がひどく、又、加工に脆いFe−Zn2元
合金層の成長などから、高生産性ライン下では操業上安
定性に欠ける難点があり、又工業的レベルでの溶融亜鉛
めっき外観或いは密着性等の確保にあたって、更に課題
を残している。
そこで、本発明は、高生産性のラインにあって、従来
のようなFeやZn等のプレめっきとは異なった表面研削お
よびプレめっき系の適用によって、鋼板強度を損なわな
い範囲での低温加熱下で、不めっき発生を伴うことな
く、安定した品位で均一外観の溶融亜鉛めっき鋼板を得
るためのものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の溶融亜鉛めっき熱延鋼板の製造方法は酸洗脱
スケールしたSi含有量0.5〜1.0wt%の熱延鋼板または高
張力熱延鋼板を0.3〜5μm研削し、該鋼板表面にNiめ
っき又はFe,Cr,Co,Mo,Ti,Zr,V,W,B,Pの少なくとも1種
以上を0.1〜20wt%を含有したNi基合金めっきを0.1〜10
g/m2形成した後、H2ガス濃度が15%以下、露点が−5℃
以下のN2ガス雰囲気中で最高到達板温が450〜600℃の範
囲で加熱し、溶融亜鉛めっきする。
また、本発明方法は酸洗脱スケールしたSi含有量0.5
〜1.0wt%の熱延鋼板または高張力熱延鋼板を0.3〜5μ
m研削し、該鋼板表面にNiめっき又はFe,Cr,Co,Mo,Ti,Z
r,V,W,B,Pの少なくとも1種以上を0.1〜20wt%を含有し
たNi基合金めっきを0.1〜10g/m2形成した後、H2ガス濃
度が15%以下、露点が−5℃以下のN2ガス雰囲気中で最
高到達板温が450〜600℃の範囲で加熱し、溶融亜鉛めっ
きを施し、その亜鉛めっき層が溶融状態にあるうちに大
気中で板温400〜600℃、保温時間10秒以下で加熱する。
(作用) 本発明の構成におけるその骨子は、高張力熱延鋼板の
表面に対して外観的に不めっき発生のない均一な溶融亜
鉛めっきを施すにあたり、特定する前処理として、脱ス
ケール酸洗後又はその後特定量の表面研削を行ない、そ
の後特定するプレめっきを施し、且つその後の低温加熱
条件を特定することを特徴として成り、その構成は以下
の通りである。
以上の本発明の構成にあって、構成因子の適性範囲と
作用効果について以下に述べる。
該プレめっき前の鋼板表面研削量について、本発明に
おける表面研削の技術的主旨は、該プレめっきの前処理
として行うものであり、鋼板の材質強度を強化するため
に、Siをはじめとする鋼中添加元素の表層濃化と脱スケ
ール酸洗時の残査(酸洗マッド)を同時に除去して、鋼
板表面の溶融亜鉛めっき浴に対する濡れ引張り張力を増
大させ、濡れ性を上げることによる溶融亜鉛めっき外観
の均一性及びめっき密着性の相方を向上させることを目
的としたものである。
又、この表面研削方法に関しては、元素、機械的又は
化学的手法のいづれであってもよいが、生産性からみ
て、吐粒入りブラシロール等の機械的方法の方が好まし
い。
尚、表面研削効果としては、研削量に比例するが、0.
3μm未満では、上述の研削効果は小さく、又、5μm
超では、その効果は飽和し、経済的でない。従って、好
ましくは0.5〜3μmがよい。
本発明に用いるプレめっき系について、プレめっき系
は特にSiやMnレベルを高めた高張力熱延鋼板の表面にお
いて加熱による鋼中元素の濃化偏析と加熱雰囲気中の微
量酸素によるその酸化物形成によって、該鋼板の表面張
力が増し溶融亜鉛に対する濡れ性の著しい低下を防ぎ、
不めっきの発生防止など溶融めっき外観の均一仕上り性
の向上を主な目的とし、加えて、加熱拡散による該溶融
めっき鋼板の耐食性或いは塗装性の向上など複合効果が
期待できる知見に基づくもので、その適用にあたって
は、次のような理由による。
Niめっき又はFe,Co,Cr,Ti,Zr,V,Mo,W,P,Bの合金元素
の少なくとも1種を含むNi基合金めっきを、該鋼板に施
すにあたりその含有率が0wt%すなわち、Niのみのプレ
めっきのみでは、Niめっきによる鋼板の溶融亜鉛めっき
浴との濡れ性は大巾に改善され、均一な溶融亜鉛めっき
外観を得ることは可能であるが、該溶融亜鉛めっき鋼板
としての耐食性の向上は困難なため、その向上にあたっ
ては、Niめっき層のNi基合金めっき化が好ましい。
Niめっき層の該合金元素の共析率は増すほどに高耐食
性化するが、その共析率が20wt%を超えては、Ni基合金
めっき層自体が硬質化したり、内部応力によるヘアーク
ラック等を生じるために、溶融亜鉛めっき層との界面に
該クラックを通して起こる鋼板素地からの鉄部分拡散に
よるFe−Zn2元合金層の不均一生成から、溶融亜鉛めっ
き外観光沢の不均一を招いたり或いはまた厳しいプレス
加工等において該プレめっき層の凝集破壊を招いたりす
るため余り好ましくない。以上のような理由から好まし
いNi基プレめっき層中の該合金元素の含有率は0.5〜10w
t%がよい。
又、以上のような合金比率であるNi基合金プレめっき
層の付着量が0.1g/m2未満では、該鋼板表面に対する皮
覆率が低下し、ピンホール部とプレめっき部とで加熱時
の酸化物生成量に差異が生じるためかその後の溶融亜鉛
めっき工程で、不めっきが生じたり、或いは、Fe−Zn2
元合金層の不均一生成等によって、めっき外観の均一性
に支障を招き本発明の主旨を外れるため余り好ましくな
い。
他方、該プレめっき層の付着量が10g/m2を超えては、
溶融めっき鋼板のめっき品質の向上度としては、飽和状
態にあること及び設備を含めたプレめっきコストの高騰
から余り経済的でない。以上より、該Ni基合金プレめっ
き層の付着量としては、好ましくは、0.5〜5g/m2がよ
い。
尚、本発明の該Ni基合金プレめっき層を得る方法とし
ては、電気めっき、化学めっき、蒸着めっき、気相めっ
き、溶融塩電解等公知の技術のいづれであってもよい
が、作業効率的には電気めっき或いは蒸着めっきなどが
好ましい。
本発明でいう溶融亜鉛めっき前の鋼板の加熱条件につ
いて鋼板の加熱とは、鋼板の材質強度が低下することな
く、且つ表面酸化を抑制し、溶融亜鉛めっき浴との界面
反応に支障のない程度の加熱条件を言う。
従って、本発明では、その板温と、加熱雰囲気の管理
が必要である。板温450℃未満では板温の低温化による
溶融亜鉛めっき浴温の維持管理コストの高騰や、ライン
加減速時の浴温制御が難しく、又、めっき付着量の制御
等主としてラインの操業安定性に欠け、現実性に乏し
い。一方、600℃超では、鋼板からのFe拡散が過剰に進
み、特に、プレめっき層のピンホール部とその周辺にお
いて加工に脆い過合金層の不均一生成があり溶融めっき
層の密着性不良を招いたり、又、鋼板の初期材質強度の
低下を招いたりするため、余り好ましくない。従って、
本発明における好ましい低温加熱板温としては450〜550
℃がよい。また、加熱雰囲気としては、N2ガス雰囲気に
おいてH2ガス濃度及び露点の管理が必要である。
本発明でいうH2ガスの役割りは、高生産性ライン下で
加熱炉内に必然的に鋼板から持ち込まれる吸着酸素をH2
によって燃焼除去し鋼板表面の過剰な酸化汚染を防ぐた
めのもので、従って露点の制御は必要なものの過剰のH2
ガス濃度を維持することは得策でない。
この意味で本発明の低温加熱雰囲気においてN2ガス中
のH2ガス濃度は15%以下で十分であり、これ以上は処理
コストの高騰を招き余り経済的でない。特に、該プレめ
っきを施すことにより、鋼板界面の限界活性度は低H2
ス濃度側に拡大し、露点次第ではH2ガス0%でも溶融亜
鉛めっきは十分である。
一方、上述のようにして、吸着した酸素はH2との燃焼
反応によって水分を発生し、炉内の露点上昇を招き、こ
れによるめっき品質或いは設備の保全低下を防ぐ必要が
あり、露点管理が必要となる。この意味で本発明におけ
る露点としては、−5℃以下好ましくは−10℃がよい。
本発明における溶融亜鉛めっき浴組成について溶融亜
鉛めっき浴とはZn系はZn−Al系合金めっきが適用でき、
溶融亜鉛めっき鋼板としての耐食性向上を主旨とする浴
成分の管理が必要となる。
Alは溶融亜鉛めっき層の界面に生じるFe−Al−Zn3元
合金層のバリアー形成によって加工に脆いFe−Zn2元合
金層の異常成長を抑制し、めっき層の密着性向上を図る
と同時に、Zn−Alとの共晶合金形成によって電気化学的
にZnの過剰アノード反応(溶出反応)を適度に抑制し、
これによって溶融亜鉛めっき鋼板としての高耐食性化を
図る目的で用いられる。
Alが0.2wt%未満ではFe−Al−Znの3元合金層の生成
が十分でないため、これによるFe−Zn2元合金層の異常
成長を招き、めっき密着性の低下を招く。一方、Al10wt
%未満では前述したプレめっき層のAlによる異常溶出が
あり、この溶出したプレめっき成分とAlが反応し、溶融
亜鉛めっき浴中にドロス(金属間化合物)として分散又
は浮上しこれが溶融めっき層中又はその表面に再付着
し、めっき外観の均一性、ロールによる押疵やスリ疵の
多発など溶融亜鉛めっき鋼板としての商品価値を大きく
損なうため好ましくない。好ましいAl濃度としては、0.
3〜7wt%がよい。
本発明に言う不可避的不純物とは、Pb,Cd,Snなどを指
し、溶融亜鉛めっき層にあって結晶粒界等に偏析しZnと
の局部腐食からめっき層の層状剥離を防止するために極
力めっき浴の系外に排除されなければならない。
このようなPbをはじめとする不可避的不純物の総量が
0.02wt%を超えては、上述のような粒間腐食を助長し、
商品価値を大きく損なうため、余り好ましくない。好ま
しい不可避的不純物としては、0.01wt%以下がよい。
本発明に適用する溶融亜鉛めっき浴において、添加さ
れる第3合金元素としてはMg,SiおよびSbのいづれか1
種以上が用いられる。この第3元素の適用目的は、溶融
亜鉛めっき鋼板としての高耐食性化と、めっき外観の均
一性向上にある。
上記第3元素の1種以上が0.05wt%未満では、高耐食
性化は望めない。一方、1.0wt%を超えては、溶融亜鉛
めっき浴に過剰分散したものは浴中Alと反応して、浴面
にドロスとなって浮上し、これが該めっき層に再付着し
て外観の均一性を損ない或いは脆性破壊し易い亜鉛めっ
き層と化すため、十分な加工性が得られにくい難点があ
り、いづれも商品価値を大きく損なうため好ましくな
い。従って、好ましい第3元素の添加量としては0.1〜
0.5wt%がよい。
本発明に適用する溶融亜鉛めっき後の鋼板の加熱条件
について後加熱処理は、加熱によって生じる鋼板素地よ
りのFeイオンの拡散により、該プレめっき層或いは、該
溶融亜鉛めっき層中の各合金成分と反応させ、溶融亜鉛
めっき層全体を鉄系の複合分散型めっき層に改質させる
ことにより、塗装下地処理性、或いは上塗塗料密着性及
び耐食性の向上を狙いとした点にある。加熱雰囲気は大
気中であって、その加熱条件として最高到達板温が450
℃未満では上述したような熱イオンの拡散による溶融亜
鉛めっき層の改質効果は余り期待できず、又、600℃を
超えては、鉄イオンの過剰拡散から上塗塗装性や、塗装
後耐食性の飛躍的な向上は難しい。
従って好ましい最高到達板温としては500℃〜550℃が
よい。また、最高到達板温での保定時間としては2秒未
満では鉄イオンの拡散不足から、該溶融めっき層全体に
わたって均一拡散層を形成できず上記の本発明の主旨か
ら外れる。一方、10秒を超えては、鉄イオンの過剰拡散
により、加工に脆い硬質の鉄系合金層の異常発達から、
めっき密着性が低下し易くなるため、余り好ましくな
い。以上より、好ましい保定時間としては3〜7秒がよ
い。
以上のようにしてなる本発明の効果については、以下
に述べる実施例をもとに更に詳しく述べることとする。
(実施例) 塩酸酸洗で脱スケールされた第2表の特定鋼成分でな
る高張力熱延鋼板はゼンジマー式連続溶融亜鉛めっきラ
インにおいてまず第1表に定める所定量のスコッチブラ
イトロールによる表面研削が施され、水洗後硫酸塩系浴
での電気めっき法(但し、Ti系は蒸着めっき法)によっ
て第1表に特定するプレめっきが施され水洗して一旦水
切り乾燥される。その後、直ちに第1表に定める加熱雰
囲気及びヒートサイクル下で加熱処理され、大気中に出
ることなく、そのまま、溶融亜鉛めっきされる。
次に第1表に特定する成分系のめっき浴で溶融めっき
された鋼板は、大気中においてガスワイピングされ、亜
鉛付着量として片面100〜120g/m2に制御される。このあ
とはめっき表面機能の要求度において製造工程は二系統
に別れ、通常の溶融亜鉛めっき鋼板の要求であれば、そ
のまま、水冷、乾燥して製品となる。又、塗装性や塗装
後の耐食性などを更に高めたものとしての要求の場合
は、上述の付着量制御された溶融めっき層が溶融又は半
溶融状態を狙って、再度、大気加熱炉中で、第1表の特
定加熱条件で加熱されたのち、水冷乾燥され製品とな
る。このようにしてなる本発明でなる実施例のめっき性
能について比較例をもとに第1表にまとめて示す。
[1]表面研削効果について 研削量を変えて一定量のNiプレめっきを施した際の溶
融亜鉛めっき性について本発明をNo.1〜No.7に示す。こ
れから明らかなように最も溶融めっきが難しいといわれ
る高Si添加鋼において該プレめっき前の表面研削効果は
研削量に応じて向上し、特に、溶融亜鉛めっきの外観向
上に効果的であり、その際の研削量は0.3μm以上で十
分であることが分る。
[2]Ni基合金めっきのプレめっき効果について表面研
削とプレめっきとの複合効果とNi基合金めっきの合金元
素系の効果については、本発明例No.6〜No.26に示す。
いづれも、本発明の示す適正範囲において、原板の鋼
種が異なったとしてもその効果程度差はなく有効に発揮
されていることが分る。
[3]前処理後の溶融めっき前低温加熱条件について 加熱雰囲気中の適正条件として、N2ガス雰囲気中の適
正水素ガス濃度に関し、本発明No2およびNo27〜29に、
又適正露点に関しては、No27およびNo30〜No32と比較例
No33〜No34に対比して示す。更に、加熱に際しての最高
到達板温の適正範囲について、本発明例をNo35〜No38に
比較例をNo39〜No40に示す。
これより明らかなように鋼板表面の活性状態を維持す
る加熱雰囲気としては、少なくとも非酸化〜還元性であ
って、酸化性雰囲気は好ましくないことが分る。又、こ
の雰囲気下であれば、材質強度を落さない範囲で溶融亜
鉛めっき性に支障のない低温加熱は可能である。
[4]溶融亜鉛めっきの浴組成について 上述した本発明の前処理を施した鋼板の表面に溶融亜
鉛めっきを施すが、この溶融亜鉛めっき鋼板としての高
耐食性変にあたり、合金元素の添加効果のうち、Alの効
果については本発明のNo41〜No46に、比較例No47〜No48
と共に示す。又、Si,MgおよびSbの添加効果については
本発明例をNo49〜No56およびNo59〜No62に比較例No57〜
No58と共に示す。
これより明らかなように、本発明にいう溶融亜鉛めっ
き浴中の合金元素により、該特定前処理した鋼板の溶融
亜鉛めっき鋼板としての高耐食性化は十分達成されてい
ることが分る。
[5]溶融亜鉛めっき浴中の不可避的不純物について 本発明における浴中不可避的不純物とは溶融亜鉛めっ
き層においてバルクのZnと局部電池を形成し、粒間腐食
や、耐食寿命を抑制する上で必須成分であり、Pbをはじ
めCd,Snなどがこれに該当する。この適正範囲について
本発明をNo.27、その比較例をNo.63〜No.64に示す。
これから明らかなように、本発明の範囲にあれば上述
の弊害は、解消できることが分る。
[6]溶融亜鉛めっき後の加熱条件について 本発明での後加熱は、鋼板界面からのFe拡散により、
該めっき層の改質を図り、溶融めっき鋼板としての特
に、リン酸塩処理性、塗装性等の向上を狙うためのもの
で、その結果については、加熱板温範囲に関して、本発
明例をNo64〜No68およびNo71〜No74に、又、比較例をNo
69〜No70に示す。又、その適正保持時間に関しては本発
明例をNo66およびNo75〜No78に示し、その比較例をNo79
に示す。これにより明らかなように、本発明のいう適正
範囲であれば、上述したすぐれた塗装下地機能が向上す
ることが分る。
なお、第1表に示す*1〜*9の注釈について以下に記
す。
*1 適用原板の鋼板成分系(第2表) *2 表面研削用ロール スコッチブライトロール(住友3M社製,ファインタイ
プ)使用 *3 プレめっき合金元素の共析率、及びめっき付着量
測定 王水にて溶解剥離したのち、剥離液中の合金元素をIC
P測定したものを分子にし、重量法で求めためっき付着
量を分母にして除したものを合金共析率とする。
*4 溶融亜鉛めっき外観の均一性(目視判定) ◎平滑で均一光沢に富む、○無光沢、△毛孔状不めっ
き発生、×部分的不めっき発生 *5 めっき密着性 180度密着折曲げ後セロテーピング剥離して評価 ◎全く剥離なし、○ごく僅か点状剥離、△点状剥離、
×層状剥離、 *6 リン酸塩処理性 PB37SS処理(日本パーカライジング製)、65℃×10se
cスプレー処理後のリン酸塩生成皮膜の析出状態から評
価 ◎均一微細結晶、○均一且つやや粗粒結晶混在、△細
粒、粗粒混在結晶が析出するがスケが部分的に発生、×
粗粒結晶で且つスケが目立つ。
*7 塗料密着性 PB37SS処理+Pn62処理(日本パーカライジング製)後
メラミンアルキッド系樹脂塗料(関西ペイント製)を、
20μm塗装し、125℃×20分焼付する。その後純水煮沸
水30分浸漬したのち、24時間後にゴバン目(1mm□×100
□)セロテープ剥離した2次密着で評価。評価はマス目
100□に対する残存塗膜のマス目の数の比で示す。
◎100/100,○90/100,△70/100,×50以下/100 *8 未塗装耐食性 Cr6+−Cr3+系塗布型クロメート処理(T,Cr,30mg/m2
したのち、屋外バクロ試験1年後の発錆面積比で評価 ◎白錆≦5%、○白錆≦10%、△白錆≧50%、一部赤錆
化、×赤錆≧5% *9 塗装後耐食性 *7での化成処理−塗装を同一条件で処理したのち、
塗装面にクロスカットを刻み塩水噴霧試験(JIS Z−237
1)7日後のクロスカットからの塗膜フクレ巾を評価 ◎全くフクレなし、○フクレ巾≦3mm、△フクレ巾≦5m
m、×フクレ巾≧10mm、 (発明の効果) 以上の実施例にも述べたように、本発明法によれば、
酸洗脱スケール処理後の熱延鋼板の前処理として、表面
研削および/又はNi基合金のプレめっきを施すことによ
り、従来、難めっきと称されていた。高Si添加鋼でさえ
も、その材質強度に影響することのない特定雰囲気下で
の低温加熱処理によって均一めっき外観とめっき密着性
とを同時に向上させることができ、従来技術では得られ
なかった低温加熱を前提とした高張力溶融亜鉛めっき鋼
板を工業的レベルで得ることができる画期的なものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−44168(JP,A) 特開 昭57−76176(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸洗脱スケールしたSi含有量0.5〜1.0wt%
    の熱延鋼板または高張力熱延鋼板を0.3〜5μm研削
    し、該鋼板表面にNiめっき又はFe,Cr,Co,Mo,Ti,Zr,V,W,
    B,Pの少なくとも1種以上を0.1〜20wt%を含有したNi基
    合金めっきを0.1〜10g/m2形成した後、H2ガス濃度が15
    %以下、露点が−5℃以下のN2ガス雰囲気中で最高到達
    板温が450〜600℃の範囲で加熱し、溶融亜鉛めっきする
    ことを特徴とする溶融亜鉛めっき熱延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】酸洗脱スケールしたSi含有量0.5〜1.0wt%
    の熱延鋼板または高張力熱延鋼板を0.3〜5μm研削
    し、該鋼板表面にNiめっき又はFe,Cr,Co,Mo,Ti,Zr,V,W,
    B,Pの少なくとも1種以上を0.1〜20wt%を含有したNi基
    合金めっきを0.1〜10g/m2形成した後、H2ガス濃度が15
    %以下、露点が−5℃以下のN2ガス雰囲気中で最高到達
    板温が450〜600℃の範囲で加熱し、溶融亜鉛めっきを施
    し、その亜鉛めっき層が溶融状態にあるうちに大気中で
    板温400〜600℃、保温時間10秒以下で加熱することを特
    徴とする溶融亜鉛めっき熱延鋼板の製造方法。
JP15833189A 1989-06-22 1989-06-22 溶融亜鉛めっき熱延鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JP2904809B2 (ja)

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