JP2001115273A - 耐経時黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼板 - Google Patents
耐経時黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼板Info
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Abstract
き鋼板の提供。 【解決手段】 重量%で、Al:0.1〜70重量%を
含有し、残部Znおよび不可避不純物よりなるめっき層
を有する溶融Zn−Al系めっき鋼板であって、めっき
層の表面に、硼酸、硼酸塩化合物のうち1種または2種
以上含有する皮膜層を0.01〜5g/m2 有すること
を特徴とする耐経時黒変性に優れた溶融Zn−Al系め
っき鋼板。
Description
れた溶融Zn−Al合金めっき鋼板に関するものであ
る。
状態あるいは加工後に塗装を施した溶融Znめっき鋼板
が使用されるが、これらの鋼板の多くはクロメート処理
された状態でコイルあるいは切り板のままで梱包されて
一定期間、倉庫等に保管された後に各種部材に加工され
て使用される。これらの保管中、クロメート処理によっ
て白錆の発生は顕著に防止されるが、湿度の高い梅雨時
等には、クロメート処理材に経時黒変(黒錆)が生じる
ことがあり、商品価値を著しく低下させることから、耐
経時黒変性向上への要望が高かった。溶融Zn−Alめ
っき鋼板は、溶融Znめっき鋼板より耐食性の優れた鋼
板であるが、クロメート処理の有無に関わらず黒変に対
する耐性は通常の溶融Znめっき鋼板と大差なく、改善
が望まれていた。
えば、特公平3−49982号公報に開示されている亜
鉛系合金めっき鋼板をNiイオン、Coイオンあるいは
その両者の混合溶液で浸漬処理またはスプレー処理しN
iやCoを付着させる方法、特公平5−33311号公
報に開示されているCoの水酸化物、Feの水酸化物あ
るいは両者を含む水溶液を100℃以上のめっき面にス
プレーして酸化皮膜を形成させる方法などが公知であ
る。いずれの場合も、これらの溶液で処理した後、めっ
き面の経時黒変は少し抑制されるものの、必ずしもその
効果は十分ではなかった。
な従来技術の問題点を解決して、耐経時黒変性の優れた
溶融Zn−Al合金めっき鋼板を提供することを目的と
している。
に少量の黒変防止成分を均一に分布させることにより優
れた耐経時黒変性を発現するZn−Al合金めっき鋼板
を開発すべく、種々検討した。その結果、鋼板の後処理
工程でめっき表面に経時黒変性抑制成分として硼酸およ
び硼酸塩化合物む薄膜を形成させれば良好な耐経時黒変
性が得られることを見出し本発明を完成させたものであ
って、その要旨とするところは、 (1)重量%で、Al:0.1〜70重量%を含有し、
残部Znおよび不可避不純物よりなるめっき層を有する
溶融Zn−Al系めっき鋼板であって、めっき層の表面
に、硼酸、硼酸塩化合物のうち1種または2種以上含有
する皮膜層を0.01〜5g/m2 有することを特徴と
する耐経時黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼
板。
1〜30%、Si:0.1〜5%の1種または2種を、
さらに含有することを特徴とする前記(1)に記載の耐
経時黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼板。 (3)めっき層が、重量%で、Sn:0.5〜10%、
Sb:0.05〜1%、Pb:0.05〜1%の1種ま
たは2種以上を、さらに含有することを特徴とする前記
(1)または(2)に記載の耐経時黒変性に優れた溶融
Zn−Al系めっき鋼板。 (4)皮膜層が、Cr,Si,Ni,Co,Znのうち
1種または2種以上の元素を含む、無機化合物、有機樹
脂あるいは無機化合物と有機樹脂の両方より形成される
ことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載
の耐経時黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼板で
ある。
に説明する。本発明の要点は、溶融Zn−Al系めっき
面上に皮膜形成能を有する無機化合物や有機樹脂を用い
て硼酸および硼酸塩化合物を含有する皮膜を形成させる
ことで、めっき外観すなわち、湿潤雰囲気中でのめっき
表面の耐経時黒変性に優れた溶融Zn−Alめっき鋼板
を提供することにある。
0.1〜70重量%を含有し、残部Znおよび不可避不
純物からなるものとする。Alは、めっき層と素地鋼板
間のめっき密着性を改善し、耐食性を向上させる。Al
が0.1重量%以下ではめっき密着性が低下する。ま
た、溶融めっき浴中でのFe−Zn系金属間化合物を形
成し、めっき浴中ドロスが多量に発生し品質低下の原因
となる。70重量%を超える場合はめっき浴の融点が高
くなる為、めっき浴中機器の溶損、加熱コスト増大等の
問題が生じる。
ても良い。Mgは、0.1%以上の添加でめっき層の耐
食性を大幅に向上させる。しかし、30重量%を超えて
添加しても、その効果は飽和するばかりでなく、酸化物
となりめっき浴面に黒色ドロスが発生し品質低下の原因
となる。Siは、0.1%以上の添加で、めっき層の耐
食性を向上させると共にめっき層と素地鋼板の間でのF
e−Zn合金化反応およびFe−Al合金化反応を抑制
する効果がある。しかし、Siを5重量%を超えて添加
してもその効果が飽和するばかりでなく、ドロス発生量
が増大し品質低下の原因となる。
グル模様を生成させる必要がある場合に添加する。Sn
は、0.5重量%以上の添加でその効果が現れるが、1
0重量%を超える添加にてその効果は飽和する。Sb,
Pbは、それぞれ、0.05重量%以上の添加でその効
果が現れるが、1重量%を超えて添加してもその効果は
飽和する。さらに、Tiは、めっき層の耐食性向上とめ
っき組織を微細化させる効果を持つので、効果の現れる
0.01重量%以上を添加しても良い。しかし、5重量
%を超えて添加してもその効果は飽和するばかりでな
く、ドロス発生量が増大し品質低下の原因となる。
として入る場合があるが、それぞれ0.1重量%未満と
なるよう調整することが好ましい。溶融Zn−Al系め
っき鋼板の製造方法として、被めっき鋼板を無酸化炉−
還元炉方式もしくは全還元炉方式にて焼鈍加熱した後、
溶融めっき浴に浸漬引き上げ後ガスワイピング法にて所
定のめっき付着量に連続的に溶融めっきする方法、もし
くは被めっき鋼板の表面にNi下地めっきを施し通電加
熱した後、同様に溶融めっきする方法が適用できる。ま
た、更には溶融Zn−Al系めっき鋼板の表面外観品位
を向上の為、被めっき鋼板を加熱前にアルカリ脱脂、酸
洗、湯洗等々を行い表面の汚れを予め除去しても良い。
表面に、硼酸および硼酸塩化合物を1種または2種以上
含有する皮膜を0.01〜5g/m2 形成させる。硼酸
および硼酸塩化合物を含有させることでめっき表面の酸
化が抑制され結果として耐経時黒変性の改善効果が得ら
れる。ここで、硼酸塩化合物とは、例えば、硼酸亜鉛、
硼酸ナトリウム、硼酸リチウム、テトラフルオロ硼酸、
硼酸アンモニウム等が適用できる。皮膜量は0.01〜
5g/m2 形成させる。0.01g/m2 未満では十分
な耐経時黒変性改善効果が得られない。5g/m2 を超
える場合は効果が飽和するばかりでなく製造コスト高と
なるので好ましくない。なお、被膜量の測定方法は、硼
酸及び硼酸塩化合物を塗布・乾燥する前後の重量変化を
測定する方法、めっき層を酸溶解して、硼素の含有量を
原子吸光法、IPC法等で測定し、硼酸および硼酸塩化
合物の付着量を測定する方法などがある。
o,Znの1または2種以上の元素を含む無機化合物、
有機樹脂あるいは無機化合物と有機樹脂の両方により構
成されることが好ましい。Cr,Si,Ni,Co,Z
nの1または2種以上の元素を含む無機化合物とは、特
に規定するものではないが、これらの元素の酸化物、水
酸化物、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、
ニトロ化合物、シラン化合物等が挙げられる。例えば塗
布型クロメートに一般的に使用されている酸化クロム、
水酸化クロム、ケイ酸塩化合物(例えばコロイダルシリ
カ)等、従来の黒変防止剤として使用されている水酸化
コバルト、リン酸コバルト、酢酸コバルト、水酸化ニッ
ケル、リン酸ニッケル、酢酸ニッケル等が適用できる。
リウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系の各種溶剤
系および水溶系樹脂が挙げられる。水溶系樹脂は水に溶
解または分散できるように分子鎖に各種の親水性基を導
入したもの、あるいは乳化重合や重合後の界面活性剤処
理によりエマルジョンを形成させたもの等が挙げられ
る。本発明における皮膜は、その目的を損なわない範囲
で、各種の有機及び無機の化合物、樹脂などを含んでい
ても差し支えない。これらの例としては、腐食抑制剤、
界面活性剤、無機潤滑剤、樹脂ワックス、顔料、染料、
架橋剤等が挙げられる。なお、無機化合物と有機樹脂の
両方を用いる場合は、無機化合物および有機樹脂を単に
混合しても、反応により化合させてもよい。
めっき表面が100℃以上の温度にある内に、硼酸およ
び硼酸塩化合物の水溶液もしくは硼酸および硼酸塩化合
物含有する無機もしく有機皮膜形成塗液をスプレー塗布
して蒸発乾燥させ皮膜化する方法、溶融めっき後めっき
表面が100℃以下迄冷却した後、めっき表面にスプレ
ー塗布、浸漬塗布、ロール塗布等を行った後、熱風等に
より加熱乾燥させ皮膜を形成させる方法等が適用でき
る。また、めっき表面に硼酸および硼酸塩化合物含有無
機もしく有機皮膜を1段処理にて形成しても良いし、硼
酸および硼酸塩化合物を1種または2種以上含有する水
溶液を塗布乾燥させた後、その上層に無機および有機皮
膜を形成する2段処理により形成しても良い。
る。めっき付着量100〜130g/m2 、めっき層の
構成元素として、Zn、Al、Mg、Si、Sn、S
b、Pbを、表1に示す濃度にて含む、表1に示す溶融
Zn−Al系合金めっき鋼板を製造した。次いで、めっ
き表面に硼酸および硼酸塩化合物を含む無機化合物皮
膜、有機樹脂被膜もしくは無機化合物/有機樹脂複合被
膜を1段処理法もしくは2段処理法にて形成した。作成
したサンプルは飽和蒸気を噴霧した湿潤雰囲気中(温
度:98℃、RH:95%以上)に、5時間暴露し、皮
膜形成面の黒変状態を目視により判定した。判定基準は
しくは硼酸塩化合物皮膜を形成しない材料についても同
様に処理を行い黒変状態を判定した(比較例No.22
〜32)。結果をまとめて表1に示す。表1から明らか
なように、本発明の実施例No.1〜21で得ためっき
鋼板は、耐経時黒変性が優れている。これに対し、めっ
き表面上に硼酸及び硼酸塩化合物を含有する皮膜を形成
しなかった比較例No.22〜32は、耐経時黒変性が
劣る。
溶融Zn−Al系めっき鋼板を長期間使用した際の経時
黒変による外観低下問題が深刻であった。本発明の溶融
Zn−Al系めっき鋼板は優れた耐経時黒変性を有する
ことから、この問題を解決することができ産業上極めて
高い価値を有するといえる。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、Al:0.1〜70重量%を
含有し、残部Znおよび不可避不純物よりなるめっき層
を有する溶融Zn−Al系めっき鋼板であって、めっき
層の表面に、硼酸、硼酸塩化合物のうち1種または2種
以上含有する皮膜層を0.01〜5g/m2 有すること
を特徴とする耐経時黒変性に優れた溶融Zn−Al系め
っき鋼板。 - 【請求項2】 めっき層が、重量%で、 Mg:0.1〜30%、 Si:0.1〜5%の1種または2種を、さらに含有す
ることを特徴とする請求項1に記載の耐経時黒変性に優
れた溶融Zn−Al系めっき鋼板。 - 【請求項3】 めっき層が、重量%で、 Sn:0.5〜10%、 Sb:0.05〜1%、 Pb:0.05〜1%の1種または2種以上を、さらに
含有することを特徴とする請求項1または2に記載の耐
経時黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼板。 - 【請求項4】 皮膜層が、Cr,Si,Ni,Co,Z
nのうち1種または2種以上の元素を含む、無機化合
物、有機樹脂あるいは無機化合物と有機樹脂の両方によ
り形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
に記載の耐経時黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき
鋼板。
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JP29756399A JP2001115273A (ja) | 1999-10-20 | 1999-10-20 | 耐経時黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼板 |
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- 1999-10-20 JP JP29756399A patent/JP2001115273A/ja active Pending
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