JP2899661B2 - 大断面トンネルおよびその構築方法 - Google Patents

大断面トンネルおよびその構築方法

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JP2899661B2 JP2171941A JP17194190A JP2899661B2 JP 2899661 B2 JP2899661 B2 JP 2899661B2 JP 2171941 A JP2171941 A JP 2171941A JP 17194190 A JP17194190 A JP 17194190A JP 2899661 B2 JP2899661 B2 JP 2899661B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は大断面トンネルおよびその構築方法に係わ
り、特に、大断面トンネルを構成するトンネル構造体
を、推進工法により形成した複数本の小径トンネルによ
り先行構築するようにした、大断面トンネルおよびその
構築方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、地下の利用ニーズが高まり、それに伴いトンネ
ルもその大断面化が要求されてきている。
ところで、トンネルの構築方法としては既に様々なも
のが提供されているが、何れの工法も、トンネル断面が
大きくなれば、それだけ、支保工等の設備の大形化ある
いは地盤補強領域の拡大等によりコストが膨大なものと
なる。また、支保工設備等を必要としないトンネル工法
としてシールド工法があるが、トンネル断面が大きくな
れば、当然のことながらそれに用いるシールド機が大形
化することとなる。シールド機はその掘削径が大径とな
ると、一般に、W=2.5D2〜3.5D2(D:シールド機外径、
W:シールド機重量)の関係で重量が増加すると言われて
おり、このように大形化されたシールド機は単に重量が
極めて重くなるばかりでなく、製作,仮組み,運搬,現
場組立,現場設備等のあらゆる面で人手およびコストが
莫大なものとなる。
そこで本出願人は、上記の如き弊害を生ずることなく
トンネルの大断面化が図れるトンネルとして、第10図に
示す如きトンネルを先に発明し、既に出願した(特願平
2−4074号明細書「大断面トンネルおよびその構築方
法」)。
この大断面トンネルの概略を説明すると、該大断面ト
ンネル20は、アーチ状または筒状に形成され地山の土圧
に抗して内部空間を形成するトンネル構造体2と、該ト
ンネル構造体2の内側に形成されるトンネル空間3とか
らなる大断面トンネルにおいて、前記トンネル構造体2
を、多数のシールドトンネル21,21,…を連設することに
より構築したものである。そして、この大断面トンネル
は、それらシールドトンネル21により構成された前記ト
ンネル構造体2を地山G内に予め構築した後、該トンネ
ル構造体2により囲まれた部分を掘削してトンネル空間
3を形成することにより構築するものとしている。ま
た、トンネル構造体2を構成する前記各シールドトンネ
ル21は、ゼグメント(図示略)を組み立てることにより
形成した筒状構造体22と、この筒状構造体22の背面側に
後打ちされた裏込め硬化充填材7とから成り、さらに、
隣合うシールドトンネル21を構成するそれら裏込め硬化
充填材7が重合(オーバーラップ)することにより該裏
込め硬化充填材7が一体に形成されたものとなってい
る。
上記の大断面トンネル20によれば、小径なるシールド
機により低コストにて大断面トンネルを構築することが
でき、しかも、前記裏込め硬化充填材7が一体化される
ことにより、強固なトンネル構造体2を実現でき、さら
には、シールド工法を適用できる全ての地山に適用する
ことができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、前記トンネル20によれば、上記の如き優れ
た効果を奏することができるが、トンネルの施工長が短
い場合などには、シールド機を使用する上記トンネル20
では、割高となるおそれがある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、上記大
断面シールドトンネルと同様の効果を奏することのでき
る大断面トンネルを、シールド機を用いず、さらに低コ
ストにて構築することのできる大断面トンネルおよびそ
の構築方法を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の請求項1に記載した発明は、アーチ状または
筒状に形成され地山の土圧に抗して内分空間を形成する
トンネル構造体と、該トンネル構造体の内側に形成され
るトンネル空間とからなる大断面トンネルであって、前
記トンネル構造体は、構築すべきトンネルの長手方向に
形成され互いに隣接する多数の小径トンネルより構成さ
れ、かつ該小径トンネルは、推進管により組み立てられ
た筒状構造体と、該筒状構造体の背面側に後打ちされた
裏込め硬化充填材が硬化してなる外部構造体とを有して
成る二重構造のものとされ、しかも、隣接形成された小
径トンネルの外部構造体どうしが互いに重合されること
により各小径トンネルどうしが一体化されていることを
特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載した発明は、上記請求
項1記載の大断面トンネルにおいて、前記筒状構造体の
内部に硬化充填材が充填されてなるものである。
本発明の請求項3に記載した発明は、地山内に多数本
の小径トンネルを径方向に連設することによりアーチ状
または筒状のトンネル構造体を先行構築した後、地山の
該トンネル構造体により囲まれた部分を掘削することに
より構築する大断面トンネルの構築方法であって、前記
小径トンネルは、推進用掘削機を、該推進用掘削機より
小径に形成されかつ該推進用掘削機の発進部において順
次継ぎ足される推進管を介して掘進させる第1工程と、
前記推進管がつながれて成る筒状構造体と前記推進用掘
削機により形成された掘削穴との間に裏込め硬化充填材
を打設して硬化せしめることにより外部構造体を形成す
る第2工程とにより構築し、かつ、前記トンネル構造体
は、前記小径トンネルを一つ置きに先行構築した後、そ
れら先行小径トンネルの間に後行小径トンネルを形成す
ることにより構築し、しかも、前記後行小径トンネルの
第1工程は、前記先行小径トンネルを構成している前記
外部構造体の一部を地山と共に切削しながら行うことを
特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に記載した発明は、上記請求
項3記載の大断面トンネルの構築方法において、前記小
径トンネルを、推進用掘削機を該推進用掘削機より小径
に形成されかつ該推進用掘削機の発進部において順次継
ぎ足される推進管を介して掘進させる第1工程と、前記
推進管がつながれて成る筒状構造体と前記推進用掘削機
により形成された掘削穴との間に裏込め硬化充填材を打
設して硬化せしめることにより外部構造体を形成する第
2工程と、前記筒状構造体の内部に硬化充填材を充填す
る第3工程と、により構築することを特徴とするもので
ある。
さらに、本発明の請求項5に記載した発明は、上記請
求項3または4記載の大断面トンネルの構築方法におい
て、前記第2工程を実施する際、前記筒状構造体と形成
するべき外部構造体との間に、それら双方間の付着を防
止するための硬化充填材付着防止手段を施すことを特徴
とするものである。
そして、本発明の請求項6に記載した発明は、上記請
求項5記載の大断面トンネルの構築方法において、前記
硬化充填材付着防止手段を、前記筒状構造体の内側空間
より該筒状構造体の外面側に供給する砂糖水としたこと
を特徴とする大断面トンネルの構築方法。
〔作用〕
請求項1に係る大断面トンネルによれば、トンネル構
造体を小径トンネルにより構成するため、該トンネル構
造の先行構築が可能となる。また、各小径トンネルの外
部構造体どうしを重合させてそれらを構造的に一体化せ
しめることにより、多数の小径トンネルにより構成され
るトンネル構造体の高剛性化、および高い遮水性を期待
できる。また、この大断面トンネルによれば、トンネル
構造体を構成する小径トンネルを、推進トンネル工法に
より形成することができるものとなる。
請求項2に係る大断面トンネルでは、トンネル構造体
のさらなる強度向上が図れる。
請求項3に係る大断面トンネルの構築方法によれば、
上記請求項1記載の大断面トンネルを確実かつ効率的に
実現できる。しかも、トンネル構造体をトンネル空間の
掘削に先行して完成させるため、トンネル空間の掘削時
に支保工等の付帯作業を実施する必要がない。
請求項4に係る大断面トンネルの構築方法は、上記請
求項2記載の大断面トンネルを実現する。
請求項5に係る大断面トンネルの構築方法によれば、
筒状構造体とこの筒状構造体の背面側に充填される硬化
充填材との付着が防止され、裏込め硬化充填材が硬化し
て外部構造体が形成された後においても、支障なく推進
管の押し出しが可能となり、請求項3に係る大断面トン
ネルの構築方法を効率的に実施できる。
請求項6に係る大断面トンネルの構築方法は、上記請
求項5記載の大断面トンネルの構築方法を低コストにて
実現できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。
第1図は本発明の請求項1に係る大断面トンネルの一
実施例を示すものである。
この大断面トンネル(以下、“トンネル”と略称す
る)1は、全体として筒状に形成され地山Gの土圧に抗
して内部空間を形成するトンネル構造体2と、該トンネ
ル構造体2の内部に形成されるトンネル空間3と、から
構成されている。
前記トンネル構造体2は、構築すべきトンネル1の長
手方向に形成され互いに隣接する多数の小径トンネル4,
4,…により構成されている。本実施例においては、これ
ら小径トンネル4,4,…が径方向に環状に配設されること
により、このトンネル構造体2は、全体的に断面円形の
筒状を成している。
前記トンネル構造体2を構成する各小径トンネル4
は、第2図あるいは第7図に示すように、複数の推進管
5,5,…により組み立てられた筒状構造体6と、該筒状構
造体6の背面側に後打ちされたコンクリートあるいはモ
ルタル等の裏込め硬化充填材7が硬化して形成された外
部構造体とにより構成された二重構造のものとされてい
る。ただしここで、前記筒状構造体6は、推進工法によ
って掘削された掘削穴8の内径に対し小径に設定され、
テールボイド(筒状構造体6と掘削壁面とのクリアラン
ス)の極めて大きいものとなっている。
また、前記各小径トンネル4は、隣り合う小径トンネ
ル4との離間寸法が小径トンネル4自身の外径より小さ
く設定されており、これにより、隣接する小径トンネル
4の各外部構造体どうし、すなわちそれら外部構造体を
構成している前記裏込め硬化充填材7どうしは互いに重
合したものとなっている。そして、これにより、各小径
トンネル4,4,…の裏込め硬化充填材7は連続して一体化
されたものとなっている。
なお、上記構成となるトンネル1の外径は例えば4m〜
40m、また、各シールドトンネル4の外径はおよそ0.7m
〜4mのものとしている。
次に、上記構成となる前記トンネル1の構築方法の一
例について、第3図ないし第7図を参照して説明する。
前記トンネル1を構築するには、初めに、多数の小径
トンネル4,4,…より成るトンネル構造体2を地山G内に
先行構築する。トンネル構造体2の構築は下記の工程に
より行う。
すなわち、まず、第1図に示した完成時において互い
に隣接する小径トンネル4,4,…のうち、一つ置きに配列
されるもの(先行小径トンネル4A)を先行構築する(第
3図参照)。第7図は、小径トンネル4の構築方法を示
したものである。この第7図中符号10は、小径トンネル
4の掘削を開始するための立坑である。小径トンネル4
は、推進管5,5,…により既に形成された筒状構造体6の
基端部を、立坑10内に設置したジャッキ11により押し出
すことより、切羽部の推進用掘削機12を前方に推し進め
るものである。推進用掘削機12は筒状構造体6(推進管
5)に対し大径とされており、したがって、該推進用掘
削機12によって形成された掘削穴8と筒状構造体6との
間隙(テールボイド)が極めて大きく設定されたものと
なっている。そして、前記ジャッキ11により、推進用掘
削機12が推進管5の1本分前進されたならば、最後方位
置にて推進管5を新たに継ぎ足していく。また、上記の
ように推進用掘削機12の前進により形成されるデールボ
イド部には、順次、前記裏込め硬化充填材7を充填して
いく。
ここで、本実施例では、上記の如くテールボイド部に
裏込め硬化充填材7を充填する際、充填部の筒状構造体
6の外壁面に砂糖水を注入する。砂糖水は、コンリート
の固化を防止する作用を有しており、したがって本実施
例では、該砂糖水が本発明に係る硬化充填材固化防止手
段を成すものとなっている。この砂糖水の注入は、図示
は省略するが、前記推進管5に該砂糖水を注入するため
の注入孔等を形成しておき、筒状構造体6の内部より該
注入孔を介して筒状構造体6の外面に注入する。
上記の如く、裏込め硬化充填材7と筒状構造体6との
接触部に砂糖水が注入することによりそれら双方の付着
が防止され、したがって裏込め硬化充填材7が硬化して
外部構造体が形成された後も支障なく、筒状構造体6
(推進管5)の押込みが可能となり、よって、裏込の硬
化充填材7を充填しながらの小径トンネル4の構築が可
能となる。
上記方法により、第4図に示すように先行小径トンネ
ル4A,4A,…が地山G内に形成されたならば、次いで、そ
れら各先行シールドトンネル4Aの間に後行小径トンネル
4B,4B,…を形成する。
第5図は、それら後行小径トンネル4Bの構築状況を示
すもので、後行小径トンネル4Bの形成工程も前記先行小
径トンネル4Aと同様である。ただし、先行小径トンネル
4A,4A,…の離間距離は上述した如く小径トンネル4自身
の径寸法よりも小さく設定されているので、2本の先行
小径トンネル4A,4A間に後行小径トンネル4Bを形成する
際には、地山Gと共に、両側の先行小径トンネル4A,4A
を構成している外部構造体すなわち前記裏込め硬化充填
材7の一部をも同時に掘削するものとする。その際、先
行小径トンネル4Aを構成する前記筒状構造体6が小径に
形成されているので、その先行小径トンネル4Aの筒状構
造体6を干渉することなく、裏込め硬化充填材7のみを
切削することが可能である。
そして、上記の如く先行小径トンネル4A,4A,…間に後
行小径トンネル4B,4B,…を形成すれば、第6図に示すよ
うに、トンネル構造体2が構築される。
ところで、本工法ではこのように、後行小径トンネル
4Bを形成する際に、先行小径トンネル4Aの裏込め硬化充
填材7の一部を、推進用掘削機12にて地山Gと共に切削
するため、先行シールドトンネル4Aを構成する裏込め硬
化充填材7としては、初期強度が小さく、経時的にその
強度が大となるような性状のものを使用することがより
望ましい。他の手段としては、例えば、先行小径トンネ
ル4Aの裏込め硬化充填材7として凝結遅延コンクリート
を使用し、後行小径トンネル4Bの施工後に、先行小径ト
ンネル4A内に高温空気(例えば70℃以上)を送り込み所
要の強度を確保する、等の方法を採ることも可能であ
る。その際、高温空気の供給は、筒状構造体6の内部空
間を利用することができる。なお、後行小径トンネル4B
用の裏込め硬化充填材7は高強度コンクリートとするこ
とが望ましい。
そして、上記の如く、小径トンネル4,4,…によりトン
ネル構造体2が構築されたならば、地山Gにおける該ト
ンネル構造体2により囲繞された部分を掘削して前記ト
ンネル空間3を形成すれば、第1図の如き目的とするト
ンネル1が完成する。トンネル構造体2の内部地山の掘
削は、通常一般に使用される掘削機によって行うが、前
記トンネル構造体2が既に構築され、これにより地山G
が支持されているので、支保工等は一切設ける必要はな
い。
上記トンネル1によれば、トンネル構造体2を、小径
なる多数の小径トンネル4,4,…により構成するため、大
断面なるトンネル空間3を確実に形成することができ
る。しかも、トンネル構造体2を構成して連設された各
小径トンネル4は、それら小径トンネル4を構成する裏
込め硬化充填材7が互いにオーバーラップすることによ
り一体化されているので、トンネル構造体2を極めて高
強度で、かつ遮水性に優れたものとすることができる。
また、各小径トンネル4は、シールドトンネルに比して
低コストにて施工できる推進トンネルにより構成したの
で、特に、トンネル長が短い大断面トンネルに適用して
効果的である。
また、上記構成となるトンネル1を上記構築方法によ
り構築すれば、トンネル1を確実かつ効率的に実現する
ことができる。特に、トンネル構造体2をトンネル空間
3に先行して構築するため、トンネル空間3の掘削時に
は既に地山Gの安定が完全に図られており、大断面を支
保工等を必要とすることなく、容易かつ能率的に掘削す
ることができる。
なお、上記トンネル1の構築方法において、前記先行
小径トンネル4A,4A,…は、必ずしもそれらの全数を形成
した後に後行小径トンネル4Bを形成しなければならない
ものではなく、後行小径トンネル4Bは、少なくとも2本
の並設される先行小径トンネル4A,4Aが形成された時点
でそれら先行小径トンネル4A間に順次形成していっても
よい。また、複合台の推進用掘削機12を使用して、小径
トンネル4の構築を数箇所にて同時施工することも勿論
可能である。
次に、第8図は本発明の請求項2に係るトンネルの一
実施例を示したものである。本図において、前記実施例
と同じ構成要素には同符号を付してその説明を省略す
る。
本実施例に係るトンネル1′は、上記トンネル1にお
いて、前記小径トンネル4を構成する前記筒状構造体6
の内部空間内に、コンクリートあるいはモルタル等の硬
化充填材9を中実に充填したものである。
このトンネル1′によれば、トンネル構造体2の剛性
をさらに向上させることができる。
前記トンネル1′を構築するには、前実施例における
トンネル1の構築工程において、上記の如く先行小径ト
ンネル4Aに続いて後行小径トンネル4Bを形成した後、そ
れら各小径トンネル4,4,…の筒状構造体6内に硬化充填
材9を打設すればよい。
なお、上記各実施例では、先行小径トンネル4Aと後行
小径トンネル4Bとの筒状構造体6を共に同径のものとし
て説明したが、これらを異径のものとしてもよい。例え
ば、先行小径トンネル4Aの筒状構造体6を後行小径トン
ネル4Bの筒状構造体6より小径に形成してもよく、その
ようにすれば、両小径トンネル4A,4Bのオーバーラップ
部をより大きくすることが可能となる。
また、上記各実施例においては、トンネル1,1′(ト
ンネル構造体2)を共に断面円形のものとして説明した
が、本発明に係る大断面トンネルは断面円形のものに限
定されるものではなく、馬蹄形、半円形、あるいはその
他の断面形状に形成することも無論可能である。その場
合には、連設する各小径トンネル4,4,…の形成位置(重
なり位置)を、これら小径トンネル4によって形成され
るトンネル構造体2が所定の断面形状となるよう決定す
ればよい。
さらに、上記各実施例においては、トンネル構造体2
が縦断面において筒状に閉環された構成のものを説明し
たが、本発明に係る大断面トンネルは、第9図に示すよ
うに例えばトンネル空間3の一部(図示例のものは上半
部)のみを前記トンネル構造体2により構成するように
してもよい。その場合、トンネル底部(インバート部)
には、コンクリート15を打設するようにしてもよく、さ
らには、該コンクリート15を図示しないロックボルトで
補強するようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したとおり、請求項1に係る大断面トンネル
によれば、トンネル構造体を小径なる多数の小径トンネ
ルにより構成するため、大断面なるトンネル空間を確実
に形成することができる。しかも、トンネル構造体を構
成して連設された各小径トンネルは、筒状構造体とその
周囲に形成された外部構造体からなる二重構造とされ、
それら外部構造体どうしが互いにオーバーラップするこ
とにより一体化されているので、トンネル構造体を極め
て高強度でかつ遮水性に優れたものとすることができ
る。また、各小径トンネルは、シールドトンネルに比し
て低コストにて施工できる推進トンネルにより成るの
で、特に、トンネル長が短い大断面トンネルに適用して
効果的である。
また、請求項2に係る大断面トンネルによれば、請求
項1に係る大断面トンネルにおけるトンネル構造体の剛
性をさらに向上させることができ、以てより強固な大断
面トンネルを実現することができる。
また、請求項3に係る大断面トンネルの構築方法によ
れば、請求項1に係るトンネルを確実かつ効率的に実現
することができ、特に、トンネル構造体をトンネル空間
に先行して構築するため、大断面を支保工等を必要とす
ることなく、容易かつ能率的に掘削することができる。
また、請求項4に係る大断面トンネルの構築方法は、
請求項2に係る大断面トンネルを実現することができ
る。
さらに、請求項5に係る大断面トンネルの構築方法に
よれば、請求項1、2に係る大断面トンネルを極めて容
易かつ効率的に実現することができる。
そして、請求項6に係る大断面トンネルの構築方法に
よれば、外部構造体を形成するための裏込め硬化充填材
としてコンクリートあるいはモルタル等のセメント系自
硬性硬化材を用いた場合において、請求項1、2記載の
大断面トンネルを効率的かつ低コストにて構築すること
ができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の請求項1に係る大断面トンネルの一実
施例を示す正面断面図、第2図は当実施例によるトンネ
ル構造体を示す部分正面断面図、第3図ないし第6図は
当実施例に係るトンネル構造体の構築方法を説明するも
ので、それぞれトンネル構造体の部分正面大断面、第7
図は小径トンネルの構築状態を示す側断面図、第8図は
本発明の請求項2に係る大断面トンネルの一実施例を示
す正面大断面、第9図はトンネル構造体の他の構成例を
示す部分正面大断面、第10図は本出願人が先に出願した
大断面トンネルの一例を示す部分正面断面図である。 G……地山、1,1′……大断面トンネル、2……トンネ
ル構造体、3……トンネル空間、4……小径トンネル、
4A……先行小径トンネル、4B……後行小径トンネル、5
……推進管、6……筒状構造体、7……裏込め硬化充填
材(外部構造体)、9……硬化充填材、12……推進用掘
削機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 紀治 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 傳田 篤 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−293500(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 13/00 E21D 9/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アーチ状または筒状に形成され地山の土圧
    に抗して内部空間を形成するトンネル構造体と、該トン
    ネル構造体の内側に形成されるトンネル空間とからなる
    大断面トンネルであって、前記トンネル構造体は、構築
    すべきトンネルの長手方向に形成され互いに隣接する多
    数の小径トンネルより構成され、かつ該小径トンネル
    は、推進管により組み立てられた筒状構造体と、該筒状
    構造体の背面側に後打ちされた裏込め硬化充填材が硬化
    してなる外部構造体とを有して成る二重構造のものとさ
    れ、しかも、隣接形成された小径トンネルの外部構造体
    どうしが互いに重合されることにより各小径トンネルど
    うしが一体化されていることを特徴とする大断面トンネ
    ル。
  2. 【請求項2】請求項1記載の大断面トンネルにおいて、
    前記筒状構造体の内部に硬化充填材が充填されてなるこ
    とを特徴とする大断面トンネル。
  3. 【請求項3】地山内に多数本の小径トンネルを径方向に
    連設することによりアーチ状または筒状のトンネル構造
    体を先行構築した後、地山の該トンネル構造体により囲
    まれた部分を掘削することにより構築する大断面トンネ
    ルの構築方法であって、前記小径トンネルは、推進用掘
    削機を、該推進用掘削機より小径に形成されかつ該推進
    用掘削機の発進部において順次継ぎ足される推進管を介
    して掘進させる第1工程と、前記推進管がつながれて成
    る筒状構造体と前記推進用掘削機により形成された掘削
    穴との間に裏込め硬化充填材を打設して硬化せしめるこ
    とにより外部構造体を形成する第2工程と、により構築
    し、かつ、前記トンネル構造体は、前記小径トンネルを
    一つ置きに先行構築した後、それら先行小径トンネルの
    間に後行小径トンネルを形成することにより構築し、し
    かも、前記後行小径トンネルの第1工程は、前記先行小
    径トンネルを構成している前記外部構造体の一部を地山
    と共に切削しながら行うことを特徴とする大断面トンネ
    ルの構築方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の大断面トンネルの構築方法
    において、前記小径トンネルを、推進用掘削機を、該推
    進用掘削機より小径に形成されかつ該推進用掘削機の発
    進部において順次継ぎ足される推進管を介して掘進させ
    る第1工程と、前記推進管がつながれて成る筒状構造体
    と前記推進用掘削機により形成された掘削穴との間に裏
    込め硬化充填材を打設して硬化せしめることにより外部
    構造体を形成する第2工程と、前記筒状構造体の内部に
    硬化充填材を充填する第3工程と、により構築すること
    を特徴とする大断面トンネルの構築方法。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載の大断面トンネルの
    構築方法において、前記第2工程を実施する際、前記筒
    状構造体と、形成するべき外部構造体との間に、それら
    双方間の付着を防止するための硬化充填材付着防止手段
    を施すことを特徴とする大断面トンネルの構築方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の大断面トンネルの構築方法
    において、前記硬化充填材付着防止手段は、前記筒状構
    造体の内側空間より該筒状構造体の外面側に供給される
    砂糖水であることを特徴とする大断面トンネルの構築方
    法。
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