JP2788957B2 - トンネルの合流方法 - Google Patents

トンネルの合流方法

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JP2788957B2
JP2788957B2 JP2281604A JP28160490A JP2788957B2 JP 2788957 B2 JP2788957 B2 JP 2788957B2 JP 2281604 A JP2281604 A JP 2281604A JP 28160490 A JP28160490 A JP 28160490A JP 2788957 B2 JP2788957 B2 JP 2788957B2
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  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、トンネルの合流方法に係わり、特に、道路
トンネルなどの大断面トンネルのランプ部分で、流入及
び流出を行う場合の構築に最適なものに関する。
【従来の技術】
現在、トンネル工法としては既に様々なものが提供さ
れている。これらトンネル工法のうち、特にシールド工
法は硬岩以外のあらゆる地山に適用でき、しかも地上施
設に影響を与えず、地下深部の施工が可能である等の利
点を有するため、近年特にその施工実績が増加してい
る。また近年では、地下の利用ニーズが高まり、それに
伴いトンネルもその大断面化が要求されてきている。そ
して、上記シールドトンネルにおいても、そのようなト
ンネルの大断面化の要求に応えるべく大口径のものが施
工されるようになってきており、最近では外径14m以上
となるシールド機も計画されている。 しかしながら、上記のようにシールドトンネルはほと
んどあらゆる地盤に対して使用することができ、かつ大
深度にも向くといった利点を有するものの、下記の如き
欠点がある。すなわち、シールド機はその掘削径が大径
となると、一般に、W=2.5D2〜3.5D2(D:シールド機外
径、W:シールド機重量)の関係で重量が増加すると言わ
れており、このように大形化されたシールド機は単に重
量が極めて重くなるばかりでなく、製作,仮組み,運
搬,現場組立,現場設備等のあるゆる面で人手およびコ
ストが急激に嵩むものとなる。また、特にこのような超
大形シールド機においては、工場設備等の関係で、試運
転の実施さえ極めて困難な状況にあるのが現状となって
いる。 また、特に、シールド工法によってトンネルの合流部
・分岐部の施工を行うことは不可能であった。 このため従来では、シールドトンネルにおいても、そ
のような合流・分岐部についてはNATM工法あるいは開削
工法により実施するか、あるいはこのように合流・分岐
が必要なトンネルについては当初よりNATM工法により計
画していた。NATM工法では、断面形状の変更、分岐部施
工が自由であるからである。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、周知の如くNATMトンネルは切羽や掘削
地山の崩壊防止を図りながら掘り進めていくものである
ため、大断面となるとそのための付帯工事が大掛かりと
なり多大な工数が掛かるものとなる。また、特に大深度
では地下水対策のために薬注等の補助工法が必須であ
り、しかも薬注作業は非常に高価であるばかりでなく、
これら薬注を実施しても完全な遮水は望むことができな
い、といった問題を含んでいる。 また、それら分岐部を開削工法で行う方法では、地表
に於いて広大な用地を必要とする上、特に大深度では山
留め支保工が大規模となると共に掘削土量も膨大なもの
となり、しかも、地中に地下鉄,下水等の構造物が存在
する場合には施工できないといった多々の問題が生ず
る。 ところで本出願人は、上記の如き弊害を生ずることな
くトンネルの大断面化が図れるトンネルとして、第23図
に示す如きトンネルを先に発明し、既に出願した(特願
平2−4074号明細書「大断面トンネルおよびその構築方
法」)。 このトンネルの概略を説明すると、該トンネル30は、
アーチ状または筒状に形成され地山の土圧に抗して内部
空間を形成するトンネル構造体2と、該トンネル構造体
2の内側に形成されるトンネル空間3とからなる大断面
トンネルにおいて、前記トンネル構造体2を、多数の小
径トンネル構造物4,4,…を連設することにより構築した
ものである。小径トンネル構造物4は、シールドトンネ
ル工法あるいは推進管トンネル工法等により構築され
る。そして、この大断面トンネル30は、それら多数の小
径トンネル構造物4により構成された前記トンネル構造
体2を地山G内に予め構築した後、該トンネル構造体2
により囲まれた部分を掘削してトンネル空間3を形成す
ることにより構築するものとしている。また、トンネル
構造体2を構成する前記各小径トンネル構造物4は、隣
合うものどうしでその覆工体8どうしが重合(オーバー
ラップ)することにより該覆工体8が一体に形成された
ものとなっている。 上記の大断面トンネル30によれば、例えば小径トンネ
ル構造物4をシールドトンネルにより構成した場合、小
径なるシールド機により低コストにて大断面トンネルを
構築することができる。しかも、前記覆工体8が一体化
されることにより強固なトンネル構造体2を実現でき、
さらには、シールド工法を適用できる全ての地山に適用
できる、等の優れた効果を奏するものとなる。 本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、本出願
人が先に発明し、優れた作用を有する上記トンネルの合
流・分岐を実現することにより、シールドトンネルおよ
びNATMトンネルがそれぞれ抱える上記弊害を一挙解消す
る、トンネルの合流方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
本発明の発明は、アーチ状または筒状に形成され地山
の土圧に抗して内部空間を形成するトンネル構造体と、
該トンネル構造体の内側に形成されるトンネル空間とか
ら成る複数のトンネルを合流させる方法であって、ま
ず、先行して複数の円弧版状のセグメントにより構成さ
れ、かつ合流部のセグメントの外周部が無筋構造とされ
た先行トンネル構造体を構築し、次に、この先行トンネ
ル構造体の軸線に漸次接近するように多数の小径トンネ
ル構造物をそれらの径方向に重合連設させて後行トンネ
ル構造体を構築し、次に、この後行トンネル構造体が前
記先行トンネル構造体に接触した時点より、後行トンネ
ル構造体を先行トンネル構造体の無筋構造のセグメント
の外周部において重合させながら構築してゆくと共に、
それら双方のトンネル構造体による重合部分が一定の強
度を保持した状態において、後行トンネル構造体の小径
トンネル構造物の掘進を停止してセグメントからなる先
行トンネル構造体により中壁を構成し、最終的に、後行
トンネル構造体の小径トンネル構造物の掘進を全て完了
させて先行トンネル構造体に収束させることを特徴とす
るものである。
【作用】
本発明に係るトンネルの合流方法は、複数のセグメン
トからなる先行トンネル構造体と、多数の小径トンネル
構造物とからなる後行トンネル構造体とによるトンネル
どうしを合流するものである。まず、先行して複数のセ
グメントからなる先行トンネル構造体を構築し、この先
行トンネル構造体に漸次接近するように小径トンネル構
造物からなる後行トンネル構造体を構築していき、これ
らトンネル構造体どうしが接触するようになったら、後
行トンネル構造体を先行トンネル構造体の外周が無筋構
造のセグメントの一部に重合させていく。これにより、
合流の途中であっても、常に一連・一体のトンネル構造
体が構築され、強度及び止水等が十分に確保されたもの
となる。そして、それら双方のトンネルによ重合部分が
一定の強度を保持した状態において、後行トンネル構造
体の小径トンネル構造物の掘進を停止し、セグメントか
らなる先行トンネル構造体により中壁を構成する。これ
により、先行トンネル構造物が常に中壁を構成している
ので、トンネル空間内部を掘削する際の補助部材とな
る。そして最終的に、後行トンネルの小径トンネル構造
物の掘進を全て完了させて先行トンネルの構造体に収束
させた構造になる。
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。 第1図ないし第5図は本発明のトンネルの合流方法の
一実施例を示すものである。また、第6図はトンネルの
合流部(分岐部)近傍をトンネル空間についてのみ図示
した平面断面図である。ここで、第1図は第6図のl−
l線、第2図は同じくm−m線、第3図はn−n線、第
4図はi−i、第5図はj−j線に沿った断面に対応し
たものとなっている。 第1図ないし第5図において、第1図は合流直前にあ
る2本のトンネル、すなわち先行のトンネルT1および後
行のトンネルT2を、第5図は合流が完全に完了された後
のトンネルT(先行のトンネルT1)を示している。ま
た、第2図ないし第4図はそれぞれ合流途中にあるトン
ネルを示したものとなっている。 第1図に示す2本のトンネルT1,T2において、先行の
トンネルT1は後行のトンネルT2よりも大径のものとなっ
ている。 先ず、先行のトンネルT1について説明すると、該先行
のトンネルT1は、全体として筒状に形成された地山Gの
土圧に抗して内部空間を形成する先行トンネル構造体2A
と、該先行のトンネル構造体2Aの内部に形成される先行
トンネル空間3Aとから構成されている。 そして、前記先行トンネル構造体2Aは、構築すべき先
行のトンネルT1の長手方向に形成された複数のセグメン
ト20,20……により構成されている。これらセグメント2
0,20……のうち、後述する後行トンネル構造体と重なり
合わない部分に設けられているセグメント20A,20A……
は、鉄筋コンクリート製若しくはスチール製等からなる
円弧版状に形成されたものである。それらセグメント20
A,20A……は、図示しない継手金具等により連設されて
いる。 また、後行トンネル構造体2Bと重なり合う予定の重合
部セグメント20Bは、その外周部21が無筋のコンクリー
トにより成形され、またその内周部22は外周部21の無筋
構造を補強するために鉄筋が配設された鉄筋コンクリー
トセグメントか、鋼材量を増強させたスチールセグメン
トで、セグメント本体の強度が高められた構造になって
いる。 次に、後行のトンネルT2について説明すると、この後
行のトンネルT2は、先に第23図に示したものと同構成の
ものであり、後行トンネル構造体2Bと、この後行のトン
ネル構造体2Bの内部に形成される後行トンネル空間3Bと
から構成されている。 前記後行トンネル構造体2Bは、構築すべき後行のトン
ネルT2の長手方向に形成された多数の小径トンネル構造
物4,4,…がそれらの径方向に連設されることにより構成
されている。本実施例においては、これら小径トンネル
構造物4,4,…が径方向に環状に配設されることにより、
この後行トンネル構造体2Bは全体的に断面円形の筒状を
成している。また、これら小径トンネル構造物4,4,…の
一つひとつは、本実施例ではシールドトンネルにより構
成されたものとなっている。すなわち、第8図に示すよ
うに、これら小径トンネル構造物4は、多数のセグメン
ト5,5,…により組み立てられた筒状構造体6と、該筒状
構造体6の背面側に後打ちされたコンクリートあるいは
モルタル等の裏込め硬化充填材7とから成る覆工体8に
より覆工されたものとなっている。ただしここで、前記
筒状構造体6の、シールド機によって掘削された掘削穴
9の内径に対する径は、通常一般のシールドトンネルと
比べた場合に小径のものとなっている。また、前記各小
径トンネル構造物4は、隣り合う小径トンネル構造物4
との離間寸法が小径トンネル構造物4自身の外径より小
さく設定されており、これにより、互いに隣接する小径
トンネル構造物4の前記裏込め硬化充填材7どうしは互
いに重合したものとなっている。そして、これにより、
各小径トンネル構造物4,4,…は連続して一体化されたも
のとなっている。 なお、第1図に示す構成において、先行のトンネルT1
の内径(先行トンネル空間3Aの径)は例えば17m、後行
のトンネルT2の内径(トンネル空間3Bの径)は例えば10
mとしている。 前記先行のトンネルT1を構築するには、先ず、シール
ド掘削機を掘進させて先行掘削穴を掘削していき、この
先行掘削穴の内面に順次複数のセグメントを連結させて
先行トンネル構造体2Aを構築していく。この際には、重
合部セグメント20Bは使用されない。 次に、後行のトンネルT2を構築するには、初めに、多
数の小径トンネル構造物4,4,…より成るトンネル構造体
2Bを地山G内に先行構築する。このトンネル構造体2Bの
構築は下記の工程により行う。 すなわちまず、第1図に示した完成時において互いに
隣接する小径トンネル構造物4,4,…のうち、一つ置きに
配列されるもの(先行小径トンネル構造物4A)を先行構
築する(第9図参照)。 これら小径トンネル構造物4Aの構築は、各小径トンネ
ル構造物4をここではシールドトンネルより構成したも
のであるから、通常一般のシールド工法と同要領により
行うことができる。すなわち第13図に示すように、シー
ルド機10を、その前面に設けたカッタ11により地山Gを
掘削しながら推進させるとともに、シールド機10の後方
にて掘削穴9内に円弧状のセグメント5,5,…をリング状
に組み上げて行き筒状構造体6を形成していく。ただ
し、この場合、前記シールド機10としてテールボイドの
極めて大きいものを使用し、これにより筒状構造体6
は、掘削穴9内径に対して小径に形成されたものとなっ
ている。筒状構造体6が形成された部分については、そ
の背面側空隙すなわち筒状構造体6と掘削穴9との間に
前記裏込め硬化充填材7を打設する。これによって覆工
体8が完成される。なお、同第13図中矢印は、裏込め硬
化充填材7の打設状態を示すものである。 上記方法により、第10図に示すように小径トンネル構
造物4A,4A,…が地山G内に形成されたならば、次いでそ
れら各小径トンネル構造物4Aの間に小径トンネル構造物
4B,4B,…を形成する。 第11図に示すように、該小径トンネル構造物4Bの形成
工程も前記小径トンネル構造物4Aと同様である。ただ
し、小径トンネル構造物4A,4A,…の離間距離は上述した
如く小径トンネル構造物4自身の径寸法よりも小さく設
定されているので、2本の小径トンネル構造物4A,4A間
に小径トンネル構造物4Bを形成する際には、地山Gと共
に、両側の小径トンネル構造物4A,4Aを構成する前記裏
込め硬化充填材7の一部をも同時に掘削(切削)するも
のとする。その際、小径トンネル構造物4Aを構成する前
記筒状構造体6が小径に形成されているので、この筒状
構造体6と干渉することなく裏込め硬化充填材7のみを
切削するすることが可能である。 そして、上記の如くシールド機10にて裏込め硬化充填
材7を打設すれば、第12図に示すように、小径トンネル
構造物4A,4A,…と連続した小径トンネル構造物4B,4B,…
が形成され、これによりトンネル構造体2Bが構築され
る。 そして、上記の如くこれら小径トンネル構造物4,4,…
により後行トンネル構造体2Bが構築されたならば、地山
Gにおける該先行トンネル構造体2Bにより囲繞された部
分を掘削して前記先行トンネル空間3Bを形成すれば、先
行のトンネルT2が完成する。先行トンネル構造体2Bの内
部地山の掘削は、通常一般に使用される掘削機によれば
よい。 さて、上記の如き構成とされた後行のトンネルT2を先
行トンネルT1に合流させるには、下記の如くすればよ
い。 まず、第6図に示す如く、先行のトンネルT1に合流さ
せるべき後行のトンネルT2の進路を、先行のトンネルT1
の軸線に漸次接近するように変更する。第1図はこの第
6図におけるl−l線に沿う断面を見たもので、上記の
進路変更により両トンネルT1,T2が近接している状態を
示しているものである。 そして、後行のトンネルT2を先行のトンネルT1に接近
させるように構築していくと、やがて両トンネルT1、T2
のトンネル構造体2A,2Bが接触する。この状態となった
ならば、第2図に示すように、後行トンネル構造体2Bを
構成する小径トンネル構造物4,4……を形成する際に、
土山Gと共に、先行トンネルT1の重合部セグメント20B
の外周の一部を掘削(切削)していく。それによりトン
ネル構造体2A,2Bのトンネル空間部3A,3Bを仕切る部分
(中壁)12が重合部セグメント20Bと複数の小径トンネ
ル構造物4,4……とにより2重に配設された構造にな
る。 そして、後行のトンネルT2の軸線をさらに先行のトン
ネルT1の軸線に接近させて構築していくと、第3図(第
6図におけるn−n線に沿う断面)に示すように、後行
トンネル空間3Bが狭められ、それにより曲面状に連設さ
れてなる小径トンネル構造物4の数が減少した構造にな
る。 さらに、第4図(第6図におけるi−i線に沿う断
面)に示すように、後行のトンネルT2の軸線を先行のト
ンネルT1の軸線に接近させると、中壁12へに加わる外圧
がさほど大きくないため、後行トンネル構造体の掘進が
停止され、それにより先行トンネル構造体2Aの重合部セ
グメント20Bにより中壁が形成される。 やがて、後行のトンネルT2の軸心が先行のトンネルT1
の軸線と完全に一致して収束された状態になる。そし
て、上記の如く完全な筒状を形成したセグメントからな
るトンネル構造体2が構築されるようになったならば、
以降は、該トンネル構造体2をトンネル外殻とするトン
ネルTを長手方向に構築してゆけばよい。 なお、先行のトンネルT1と後行のトンネルT2の軸線が
1本に収束される前に、双方のトンネルT1,T2のトンネ
ル空間3A,3Bを連通させる必要がある場合には、例えば
第7図に示すように、補強構造体13をトンネルT1,T2
長手方向に所定間隔で設けることにより、前記中壁12の
一部または全部撤去すれば良い。 以上のように、上記トンネルの合流方法によれば、複
数のセグメント20A,20Bからなる先行トンネル構造体2A
と、多数の小径トンネル構造物4からなる後行トンネル
構造体2Bとを連設することにより構築されて、優れた利
点を有する先行のトンネルT1と後行のトンネルT2を極め
て合理的に合流させることができる。また、トンネル
T1,T2の合流に当たっては、上記のように、後行のトン
ネルT2が先行のトンネルT1に接触した時点において、先
に構築された先行トンネル構造体2Aを構成する無筋構造
のセグメント(重合部セグメント)20Bの外周部の一部
を掘削して重合させながら後行トンネル構造体2Aを構築
してゆくので、常にトンネルT1、T2は一連・一体の構造
体を成し、トンネル構造体としての強度、止水性等を十
分に確保することができる。さらに、例えばトンネル構
造体2A,2Bの中壁12の強度が十分に確保された時点にお
いては、後行トンネル構造体2Aの小径トンネル構造物4
の掘削を停止させて重合部セグメント20Bからなる先行
トンネル構造体2Aのみの中壁12が形成され、常に先行ト
ンネル構造体2Aが中壁12を構成する構造になっており、
この中壁12の両側のトンネル空間3A,3B内部を掘削する
際には中壁12が補強部材として働くので、安全な施工が
可能となり、かつ全体の強度が保たれるものとなる。ま
た、中壁12が不要なときには、適宜な補強を行うことに
よって該中壁12の一部または全部を撤去することも可能
である。またさらに、実施例では、2本のトンネルT1,T
2を合流させる場合についてのみ説明したが、上記方法
により3本以上のトンネルT1,T2,T3,…を合流させるこ
とも可能である。 次に、第14図ないし第21図のものは、合流前の後行の
トンネルT2を構成する後行トンネル構造体2Bのその他の
構成例を示したものである。これらの図において上記実
施例のものと同じ構成要素には同一符号を付してその説
明を省略するものとする。 上記図示されたものについて説明すると、第14図のも
のは、各小径トンネル構造物4を構成する覆工体8の内
部、つまりこの場合では筒状構造体6の内部空間内をコ
ンクリート等の硬化充填材15で充填したものである。 また、第15図のものは、各小径トンネル構造物4のう
ち、小径トンネル構造物4Aの覆工体8を、後行小径トン
ネル構造物4Bとの重なり部において非重なり部よりも肉
厚に形成したものである。 第16図のものは、小径トンネル構造物4の覆工体8の
内部に、小径トンネル構造物4の連設方向に延びた補強
部材16を設けたものである。また、本構成のものでは、
後行小径トンネル構造物4Bのテールボイドは先行小径ト
ンネル構造物4Aのテールボイドに対し小さいものとして
いる。 第17図のものは、上記第16図のものにおいて前記補強
部材16どうしを接続金具17およびつなぎ部材18を介して
接続することにより補強部材16を一体化させたものであ
る。 第18図のものは、上記第17図のものにおいて覆工体8
の内部にコンクリート等の硬化充填材15を充填したもの
である。 第19図のものは、各小径トンネル構造物4の覆工体8
を、セグメント覆工法に因らず場所打ちライニング工法
により形成したものである。なお図示のものは、覆工体
8を上記第15図のものと同様の形状としている。 さらに、第20図のものは、トンネル構造体2を構成す
る小径トンネル4,4,…のうち先行小径トンネル構造物4A
を第21図に示した構造としたものである。第21図に示す
先行小径トンネル構造物4Aは、覆工体8を全て特殊セグ
メント5′,5′,…により構成したものである。この特
殊セグメント5′は、前述のセグメント5と裏込め硬化
充填材7とにより構成される覆工体8におけるセグメン
ト5に相当する部分がRC造(鉄筋コンクリート造)また
は鋼製の高強度部5aとなっており、裏込め硬化充填材7
に相当する部分が無筋コンクリート部5bとなったもので
ある。すなわち、小径トンネル構造物4Bの構築の際には
該小径トンネル構造物4Aの前記無筋コンクリート部5bの
部分を切削するようにしたものである。ちなみにこの場
合には、小径トンネル構造物4Aの構築の際に、現場打ち
コンクリートの打設が必要なくなると共に、均一な品質
のものが確実に得られるものとなる。 さらに、上記実施例においては、後行トンネル構造体
2Bが縦断面において筒状に閉環された構成のものについ
て説明したが、本発明に係るトンネルの合流方法は、第
22図に示すように例えばトンネル空間3Bの一部(図示例
のものは上半部)のみが上記の如く小径トンネル構造物
4,4,…により構成されたものに対しても上記同様に適用
することが可能である。なお、この第22図に示すトンネ
ルTでは、トンネル底部(インバート部)にコンクリー
ト19を打設したものとなっている。
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明のトンネルの合流方法に
よれば、複数のセグメントからなる先行トンネル構造体
と、多数の小径トンネル構造物からなる後行トンネル構
造体とを連設することにより形成され、優れた利点を有
するトンネルを、極めて合理的に合流させることができ
る。 また、トンネルの合流に当たっては、後行のトンネル
が先行のトンネルに接触した時点において、先に構築さ
れた先行トンネルの先行トンネル構造体を構成する外周
部が無筋構造のセグメントの一部を掘削して重合させな
がら後行トンネル構造体を構築してゆくため、常に合流
するトンネルは一連・一体の構造体を成し、トンネル構
造体としての強度、止水性等を十分に確保することがで
きる。 さらに、それぞれのトンネル構造体が重なり合う中壁
の強度が十分に確保された時点においては、後行トンネ
ルのトンネル構造体の小径トンネル構造物の掘削を停止
してセグメントからなるトンネル構造体のみの中壁が形
成され、常に先行トンネルのトンネル構造体が中壁を構
成する構造になっており、この中壁の両側のトンネル空
間内部を掘削する際には中壁が補強部材として働き、安
全な施工が可能となり、かつ全体の強度が保たれるもの
となる。 さらにまた、先行のトンネルは大断面のシールドトン
ネルであり、合流部分に関係なく先行のトンネルの構築
が可能であり、合流部分だけをNATM等に工法変更を行う
必要がない。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本発明に係るトンネルの合流方法
および分岐方法の一実施例を示すもので第1図は合流前
(または分岐後)のトンネルを示す正面断面図、第2図
ないし第4図は共に合流途中にあるトンネルの正面断面
図、第5図は合流後のトンネルを示す正面断面図、第6
図は分岐部におけるトンネル空間を示した平面図、第7
図は当実施例により合流途中にあるトンネルの補強構造
の一例を示した正面断面図、第8図は本発明に係るトン
ネルのトンネル構造体を示す部分正面断面図、第9図な
いし第13図は第8図に示したトンネル構造体の構築方法
の一例を示したもので第9図ないし第12図はそれぞれ小
径トンネル構造物を示す正面断面図、第13図は小径トン
ネル構造物をシールド機と共に示す側断面図、第14図な
いし第20図は本発明が適用されるトンネルのトンネル構
造体の他の構成例を示したものでそれぞれトンネル構造
体の部分正面断面図、第21図は第20図に示したトンネル
構造体における小径トンネル構造物を示した正面図、第
22図は本発明が適用されるその他のトンネルを示した全
体正面断面図、第23図は本出願人が先に発明した大断面
トンネルを示す全体正面断面図である。 G……地山、T……トンネル、 T1……先行のトンネル、 T2……後行のトンネル、 2A……先行トンネル構造体、 2B……後行トンネル構造体、 3……トンネル空間、 3A……先行トンネル空間、 3B……先行トンネル空間、 4……小径トンネル構造物、 12……中壁。 20……セグメント、 20A……鉄筋コンクリート製等のセグメント、 20B……外周部が無筋コンクリート構造のセグメント。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 13/02 E21D 9/04 E21D 13/00 E02D 29/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アーチ状または筒状に形成され地山の土圧
    に抗して内部空間を形成するトンネル構造体と、該トン
    ネル構造体の内側に形成されるトンネル空間とから成る
    複数のトンネルを合流させる方法であって、 まず、先行して複数の円弧版状のセグメントにより構成
    され、かつ合流部のセグメントの外周部が無筋構造とさ
    れた先行トンネル構造体を構築し、 次に、この先行トンネル構造体の軸線に漸次接近するよ
    うに多数の小径トンネル構造物をそれらの径方向に重合
    連設させて後行トンネル構造体を構築し、 次に、この後行トンネル構造体が前記先行トンネル構造
    体に接触した時点より、後行トンネル構造体を先行トン
    ネル構造体の無筋構造のセグメントの外周部において重
    合させながら構築してゆくと共に、それら双方のトンネ
    ル構造体による重合部分が一定の強度を保持した状態に
    おいて、後行トンネル構造体の小径トンネル構造物の掘
    進を停止してセグメントからなる先行トンネル構造体に
    より中壁を構成し、 最終的に、後行トンネル構造体の小径トンネル構造物の
    掘進を全て完了させて先行トンネル構造体に収束させる
    ことを特徴とするトンネルの合流方法。
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