JP2788952B2 - 大断面トンネル - Google Patents

大断面トンネル

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は大断面トンネルに係わり、特に、大断面トン
ネルを構成するトンネル構造体を複数本のシールドトン
ネルにより先行構築するようにした大断面トンネルに関
する。
〔従来の技術〕
トンネルの構築方法としては既に様々なものが提供さ
れているが、特にシールド工法は硬岩以外のあらゆる地
山に適用でき、しかも地上施設に影響を与えず、地下深
部の施工が可能である等の利点を有するため、近年特に
その施工実績が増加している。
ところで、近年、地下の利用ニーズが高まり、それに
伴いトンネルもその大断面化が要求されてきている。
そして、上記シールドトンネルも、このようなトンネ
ルの大断面化の要求に応えるべく大口径のものが施工さ
れるようになってきており、最近では外径14m以上とな
るシールド機も計画されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記のようにシールドトンネルの大断面化
を図ろうとすると、当然のことながらそれに用いるシー
ルド機が大形化することとなる。
しかしながら、シールド機はその掘削径が大径となる
と、一般に、W=2.5D2〜3.5D2(ただし、D:シールド機
外径、W:シールド機重量)の関係で重量が増加すると言
われており、このように大形化されたシールド機は単に
重量が極めて重くなるばかりでなく、製作,仮組み,運
搬,現場組立,現場設備等のあらゆる面で人手およびコ
ストが急激に嵩むものとなる。また、特にこのような超
大形シールド機においては、工場設備等の関係で、試運
転の実施さえ極めて困難な状況にあるのが現状となって
いる。
そこで本出願人は、シールド工法の利点を有効に活用
することにより、高品質でかつ低コストにてトンネルの
大断面化を図ることのできる大断面トンネルを先に発明
し、既に出願した(特願平2−4074号明細書「大断面ト
ンネルおよびその構築方法」)。
本発明は上記の事情に鑑み、かつ先の発明に関連して
なされたもので、その目的とするところは、シールド工
法の利点を有効に活用することにより、高品質かつ低コ
ストにてトンネルの大断面化が実現でき、しかも、より
強固でかつ施工性に優れる大断面トンネルを提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の請求項1に記載の発明は、アーチ状または筒
状に形成された地山の土圧に抗して内部空間を形成する
トンネル構造体と、該トンネル構造体の内部に形成され
るトンネル空間とからなる大断面トンネルであって、前
記トンネル構造体は、構築すべきトンネルの長手方向に
沿いかつ径方向に所定間隔を置いて形成された先行シー
ルドトンネルと、これら先行シールドトンネルの間に形
成された後行シールドトンネルとから構成され、かつこ
れらシールドトンネルは、隣接形成されたシールドトン
ネルの覆工体の一部が互いに重合することにより一体化
されており、しかも、前記先行シールドトンネルの覆工
体は、前記後行シールドトンネルとの重なり部において
非重なり部よりも肉厚に形成されていることを特徴とす
るものである。
また、本発明の請求項2に記載の発明は、上記請求項
1記載の大断面トンネルにおいて、少なくとも前記先行
シールドトンネルの覆工体は、セグメントにより組み立
てられた筒状構造体と、該筒状構造体の背面側に後打ち
された裏込め硬化充填材とから構成され、しかも、前記
筒状構造体は、前記後行シールドトンネルとの重なり部
において、後行シールドトンネルとの干渉を回避する凹
面状に形成されていることを特徴とするものである。
〔作用〕
トンネル構造体をシールドトンネルにより構成するた
め、該トンネル構造体の先行構築が可能となる。
また、多数のシールドトンネルを構造的に一体化する
ことで、トンネル構造体の高剛性化、および高い遮水性
を期待できる。かつ、先行シールドトンネルの覆工体
を、後行シールドトンネルとの重なり部において肉厚に
形成することにより、先行シールドトンネルと後行シー
ルドトンネルとの重合部を大きくし得て、トンネル構造
体の剛性をより向上させることができる。
さらに、請求項2に係る大断面トンネルでは、先行シ
ールドトンネルの筒状構造体の凹面部が、後行シールド
トンネル掘削時のガイドして作用する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。
第1図は本発明の請求項2に係る大断面トンネルの第
一実施例を示すものである。
この大断面トンネル(以下、“トンネル”と略称す
る)1は、全体として筒状に形成され地山Gの土圧に抗
して内部空間を形成するトンネル構造体2と、該トンネ
ル構造体2の内部に形成されるトンネル空間3と、から
構成されている。
前記トンネル構造体2は、構築すべきトンネル1の長
手方向に形成され互いに隣接する多数のシールドトンネ
ル4,4,…により構成されている。また、それらのシール
ドトンネル4,4,…は、第2図に示すように所定間隔置き
に形成された先行シールドトンネル4A,4A,…と、それら
先行シールドトンネル4Aの間に形成された後行シールド
トンネル4Bとからなっている。本実施例においては、こ
れらシールドトンネル4,4,…(先行シールドトンネル4A
および後行シールドトンネル4B)が径方向に環状に配設
されることにより、前記トンネル構造体2は、全体的に
断面円形の筒状を成している。
また、本実施例において、前記トンネル構造体2を構
成する先行シールドトンネル4Aおよび後行シールドトン
ネル4Bは共に、多数のセグメント5,5,…により組み立て
られた筒状構造体6と、該筒状構造体6の背面側に後打
ちされたコンクリートあるいはモルタル等の硬化充填材
(裏込め硬化充填材)7とから成る覆工体20により覆工
されたものとなっている。ただしここで、前記筒状構造
体6の径は、全体としてシールド機によって掘削された
掘削穴8の内径に対して、通常一般のシールドトンネル
と比べた場合に小径のものとなっている。
また、前記各シールドトンネル4は、隣り合うシール
ドトンネル4どうしの離間距離(先行シールドトンネル
4Aと後行シールドトンネル4Bとの離間距離)がシールド
トンネル4自身の外径より小さく設定されており、これ
により、隣接するシールドトンネル4を構成する前記硬
化充填材7どうしは互いに重合したものとなっている。
そして、これにより、各シールドトンネル4,4,…の硬化
充填材7(覆工体20)は連続して一体化されたものとな
っている。
さらに、シールドトンネル4の覆工体20を構成する前
記筒状構造体6において、後行シールドトンネル4Bの筒
状構造体6は、セグメントにより組み立てられる通常一
般の筒状構造体と同様に断面円形なる円筒状に形成され
たものとなっているが、先行シールドトンネル4Aを構成
する筒状構造体6(6′)は、第2図に示した如く断面
においてその一部が筒体の内側に湾曲した凹面状に形成
されている。ここで、この筒体構造体6′の凹面部6a
は、該筒状構造体6′を円筒状に形成した時に後行シー
ルドトンネル4Bと干渉する部分に対して形成されてお
り、これによって、筒状構造体6′と後行シールドトン
ネル4Bとの干渉が回避された構造となっている。
なお、上記構成となるトンネル1の外径はここでは20
〜40m、また、各シールドトンネル4の外径はおよそ0.7
〜4mのものとしている。
上記構成となるトンネル1の構築は、下記の工程によ
る。
まず初めに、多数のシールドトンネル4,4,…より成る
トンネル構造体2を地山G内に先行構築する。トンネル
構造体2の構築は下記の工程により行う。
すなわちまず、第1図に示した完成時において互いに
隣接するシールドトンネル4,4,…のうち、先行シールド
トンネル4A,4A,…を一つ置きに構築する(第3図参
照)。
これら先行シールドトンネル4Aの構築は、通常一般の
シールド工法とほぼ同要領により行うことができる。す
なわち第7図に示すように、シールド機10をその前面に
設けたカッタ11により地山Gを掘削しながら推進させる
とともに、シールド機10の後方にて掘削穴8内に、円弧
状のセグメント5,5,…を組み上げることにより筒状構造
体6(6′)を形成していく。
ただし、この場合、前記シールド機10として、通常の
シールド機よりもテールボイドが極めて大きいものを使
用し、これにより筒状構造体6′は、掘削穴8内径に対
して小径に形成されたものとなっている。また、筒状構
造体6′の前記凹面部6aは、該凹面部6aを形成すべき部
分のセグメント5を、通常の組み方とは逆に、掘削穴8
の中心側に向けて凸となるよう(外面側が凹となるよ
う)に組み付けることにより形成する。また、前記筒状
構造体6′が形成された部分については、その背面側空
隙すなわち筒状構造体6′と掘削穴8との間に前記裏込
め硬化充填材7を打設する。これによって覆工体20が完
成される。なお、同第7図中矢印は、裏込め硬化充填材
7の打設状態を示すものである。上記の如く完成された
先行シールドトンネル4Aの覆工体20は、第4図に示すよ
うに、前記筒状構造体6′の凹面部6aに対応した部分が
他の部分よりも肉厚に形成されたものとなる。
上記の如く先行シールドトンネル4A,4A,…が地山G内
に形成されたならば、次いで、それら各先行シールドト
ンネル4Aの間に後行シールドトンネル4B,4B,…を形成す
る。
第5図に示すように、後行シールドトンネル4Bの形成
工程も前記先行シールドトンネル4Aとほぼ同様である。
ただし、先行シールドトンネル4A,4A,…の離間距離は上
述した如くシールドトンネル4自身の径寸法よりも小さ
く設定されているので、2本の先行シールドトンネル4
A,4A間に後行シールドトンネル4Bを形成する際には、先
行シールドトンネル4A間の地山Gと共に、両側の先行シ
ールドトンネル4A,4Aを構成する前記硬化充填材7の一
部をも同時に掘削(切削)する。
その際、先行シールドトンネル4Aの覆工体20を構成す
る前記筒状構造体6′は、該後行シールドトンネル4Bの
形成される部分が予め凹面部6aに形成されているので、
該後行シールドトンネル4Bを掘削するシールド機10がこ
の筒状構造体6′と干渉することなく、硬化充填材7の
みを切削するすることが可能である。また、そればかり
でなく、凹面部6aは、後行シールドトンネル4Bの掘削時
のシールド機10のガイドとして作用するものとなる。こ
れによりシールド機10は先行シールドトンネル4A間の所
定のラインに沿って掘進することができる。特に、本実
施例では、上述の如く、後行シールドトンネル4Bを掘削
する際、地山とともに先行シールドトンネル4Aの裏込め
硬化充填材7をも切削するため、シールド機10の掘進抵
抗の小さい地山側に逃げる(先行シールドトンネル4A間
から外れる)懸念が生ずるが、上記構成であればそのよ
うな事態を防止できる。しかも、凹面部6aに後行シール
ドトンネル4Bが食い込んで形成される分、両シールドト
ンネル4A,4B間の離間寸法を短縮でき、両シールドトン
ネル4A,4Bの一体化をより強固に図ることができる。
上記の如く、シールド機10にて2つの先行シールドト
ンネル4A,4A間を掘削するとともに、その掘削穴8′内
に筒状構造体6を組み立ててゆき、その後その背面側に
裏込め硬化充填材7を打設して覆工体20を形成すれば、
第6図に示すように、先行シールドトンネル4A,4A,…と
連続した後行シールドトンネル4B,4B,…が形成され、こ
れによりトンネル構造体2が構築される。
ところで、本工法では、このように先行シールドトン
ネル4Aの硬化充填材7の一部を、後行シールドトンネル
4Bを形成する際に地山と共にシールド機10にて切削する
ため、先行シールドトンネル4Aを構成する裏込め硬化充
填材7としては、初期強度が小さく、経時的にその強度
が大となるような性状のものを使用することがより望ま
しい。他の手段としては、例えば、先行シールドトンネ
ル4Aの裏込め硬化充填材7として凝結遅延コンクリート
を使用し、後行シールドトンネル4Bの施工後に、先行シ
ールドトンネル4A内に高温空気(例えば70℃以上)を送
り込み所要の強度を確保する、等の方法を採ることも可
能である。その際、高温空気の供給は、筒状構造体6′
の内部空間を利用することができる。なお、後行シール
ドトンネル4B用の裏込め硬化充填材7は高強度コンクリ
ートとすることが望ましい。
そして、上記の如く、シールドトンネル4,4,…により
トンネル構造体2が構築されたならば、地山Gにおける
該トンネル構造体2により囲繞された部分を掘削して前
記トンネル空間3を形成すれば、第1図の如き目的とす
るトンネル1が完成する。トンネル構造体2の内部地山
の掘削は、通常一般に使用される掘削機によって行う
が、前記トンネル構造体2が既に構築され、これにより
地山Gが支持されているので、支保工等は一切設ける必
要はない。
上記トンネル1によれば、トンネル構造体2を、小径
なる多数のシールドトンネル4,4,…により構成するた
め、大断面なるトンネル空間3を確実に形成することが
できる。さらに、トンネル構造体2を構成して連設され
た各シールドトンネル4は、それらシールドトンネル4
を構成する裏込め硬化充填材7(覆工体20)が互いにオ
ーバーラップすることにより一体化されているので、ト
ンネル構造体2を極めて高強度で、かつ遮水性に優れた
ものとすることができる。しかも、先行シールドトンネ
ル4Aと後行シールドトンネル4Bとの重合部において、後
行シールドトンネル4Bの筒状構造体6′に凹面部6aを形
成したので、両シールドトンネル4A,4Bの離間寸法を短
縮させてトンネル構造体2のより強固な一体化が図れ、
また、後行シールドトンネル4Bの掘削時にはこの凹面部
6aをシールド機のガイドとして利用することができる。
さらに、このように、トンネル構造体2がシールドトン
ネルにより構成されるものであるため、シールド工法を
適用できる全ての地山に適用することができる。しか
も、使用するシールド機10は極めて小形のもので済むた
め、シールド機に係るコストの大幅な低減化を図れる。
このため、複数台のシールド機10を用いて効率的な施工
を図ることもできる。
なお、上記トンネル1を構築するにあたり、前記先行
シールドトンネル4A,4A,…は、必ずしもそれらの全数を
形成した後に後行シールドトンネル4Bを形成しなければ
ならないものではなく、後行シールドトンネル4Bは、少
なくとも2本の並設される先行シールドトンネル4A,4A
が形成された時点でそれら先行シールドトンネル4A間に
順次形成していってもよい。
次に、第8図は本発明の請求項2に係る大断面トンネ
ルの第二実施例を示したもので、前実施例と同じ構成要
素には同符号を付してその説明を省略する。
本実施例に係るトンネル1′は、前記トンネル1にお
いて、トンネル構造体2を構成するシールドトンネル4
の筒状構造体6,6′の内部空間内に、コンクリートある
いはモルタル等の硬化充填材9を中実に充填したもので
ある。その他の構成は前記トンネル1と同じである。
このトンネル1′によれば、トンネル構造体2の剛性
を前実施例におけるトンネル1に比してさらに向上させ
ることができる。
前記トンネル1′を構築するには、前実施例における
トンネル1の構築工程において、上記の如く先行シール
ドトンネル4Aに続いて後行シールドトンネル4Bを形成し
た後、それら各シールドトンネル4,4,…の筒状構造体
(覆工体20)内に硬化充填材9を打設すればよい。ある
いはまた、先行シールドトンネル4Aについては、後行シ
ールドトンネル4Bの形成前において筒状構造体6(覆工
体20)内に硬化充填材9を充填してもよい。
次に、第9図は本発明の請求項1に係る大断面トンネ
ルの一実施例で、トンネル構造体2の一部を示したもの
である。本図において、上記実施例のものと同じ構成要
素には同符号を付してその説明を省略する。
上記実施例で示したシールドトンネル4,4,…の覆工体
20が、筒状構造体6(6′)および裏込め硬化充填材7
により成る、いわゆるセグメント覆工法によって構成さ
れたものであったのに対し、本実施例のものでは、各シ
ールドトンネル4,4,…の覆工体20が、場所打ちコンクリ
ート14により構成されたものとなっている。すなわち、
この場合、覆工体20は、セグメントを用いない場所打ち
ライニング工法により形成されたものとなっている。た
だし、先行シールドトンネル4Aの覆工体20における後行
シールドトンネル4Bとの重なり部が、非重なり部よりも
肉厚に形成されている点は上記実施例と同じである。す
なわち、本実施例に係るトンネル構造体2では、隣接す
るシールドトンネル4どうしにおいて、前記場所打ちコ
ンクリート14(覆工体20)が互いにオーバーラップした
ものとなっている。
その他の構成は上記実施例に示したものと同じであ
る。
また、本実施例における前記トンネル構造体2を形成
するには、上記のものと同様、先行シールドトンネル4
A,4A,…を先行構築した後、それら先行シールドトンネ
ル4Aの間に、該先行シールドトンネル4Aの前記場所打ち
コンクリート14(覆工体20)の一部を切削しながら後行
シールドトンネル4B,4B,…を構築してゆけばよい。
本実施例に係るトンネル構造体2では、上記実施例に
示したトンネル構造体2と異なり、シールドトンネル4
の覆工体20が筒状構造体6′を有さないため、後行シー
ルドトンネル4Bを掘削する際の筒状構造体6′によるシ
ールド機のガイド作用は期待できないが、本発明に係る
シールドトンネル4,4,…を、上記の如く場所打ちライニ
ング工法により形成しても構わない。勿論、その他の覆
工法により形成してもよい。また、例えば、シールドト
ンネル,4,…のうち、先行シールドトンネル4Aのみをセ
グメント覆工法により形成し、後行シールドトンネル4B
を場所打ちライニング工法によって形成してもよい。こ
のように、本発明に係るシールドトンネルは、その施工
法を限定されるものではなく、要は、それら隣接形成さ
れたシールドトンネル4,4,…のうち、先行シールドトン
ネル4Aの覆工体20を後行シールドトンネル4Bとの重合部
において肉厚として、その肉厚に形成した部分に後行シ
ールドトンネル4Bをオーバーラップさせて構築すること
により、強固なトンネル構造体を実現することができ
る。また、この第9図におけるトンネル構造体2におい
ても、各シールドトンネル4の覆工体20の内部に硬化充
填材を充填しても無論よい。
なお、上記各実施例においては、トンネル1,1′(ト
ンネル構造体2)を共に断面円形のものとして説明した
が、本発明に係る大断面トンネルは断面円形のものに限
定されるものではなく、馬蹄形、半円形、あるいはその
他の断面形状に形成することも無論可能である。その場
合には、連設する各シールドトンネル4,4,…の形成位置
(重なり位置)を、これらシールドトンネル4によって
形成されるトンネル構造体2が所定の断面形状となるよ
う決定すればよい。
また、上記各実施例においては、トンネル構造体2が
縦断面において筒状に閉環された構成のものを説明した
が、本発明に係る大断面トンネルは、例えば第10図に示
すようにトンネル空間3の一部(図示例のものは上半
部)のみを前記トンネル構造体2により構成するように
してもよい。その場合、トンネル底部(インバート部)
には、コンクリート12を打設するようにしてもよく、さ
らには、該コンクリート12を図示しないロックボルトで
補強するようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したとおり、本発明の請求項1に係る大断面
トンネルによれば、トンネル構造体を小径なる多数のシ
ールドトンネルにより構成したので、大断面のトンネル
空間を確実に形成することができる。しかも、トンネル
構造体を構成して連設される各シールドトンネルは、そ
れらシールドトンネルを構成する覆工体の一部が互いに
重合することにより一体化され、これによりトンネル構
造体を極めて高強度で、かつ遮水性に優れたものとする
ことができる。さらにその際、先行シールドトンネルの
覆工体を重合部において肉厚に形成したので、各シール
ドトンネル間の重合寸法を大きくとることができ、トン
ネル構造体の高剛性化が計れる。また、トンネル構造体
がシールドトンネルにより構成されるものであるため、
シールド工法を適用できる全ての地山に適用することが
でき、しかも、使用するシールド機は極めて小形のもの
で済むため、シールド機に係るコストの大幅な低減化が
図れる。このため、複数台のシールド機を用いて効率的
な施工を図ることも可能となる。
また、本発明の請求項2に係る大断面トンネルによれ
ば、先行シールドトンネルと後行シールドトンネルとの
重合部において、後行シールドトンネルの覆工体を構成
する筒状構造体に凹面部を形成したので、上記請求項1
に記載した効果に加え、後行シールドトンネルの掘削時
にこの凹面部をシールド機のガイドとして利用すること
ができ、これにより、シールド機が所定の掘削ラインか
ら外れるのを防止して、施工効率の向上とトンネルの品
質の確保を図れる、等の種々の優れた効果を奏すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の請求項2に記載した大断面トンネルの
第一実施例を示す正面断面図、第2図は当実施例による
トンネル構造体を示す部分正面断面図、第3図ないし第
6図は当実施例に係るトンネル構造体の施工方法を説明
するもので、それぞれトンネル構造体の部分正面大断
面、第7図はトンネル構造体を構成するシールドトンネ
ルの構築状態の一例を示す側断面図、第8図は本発明の
請求項2に記載した大断面トンネルの第二実施例を示す
正面大断面、第9図は本発明の請求項1に記載した大断
面トンネルの一実施例を示すものでトンネル構造体の部
分正面断面図、第10図は大断面トンネルの他の構成例を
示す正面断面図である。 G……地山、1,1′……大断面トンネル、 2……トンネル構造体、 3……トンネル空間、 4……シールドトンネル、 4A……先行シールドトンネル、 4B……後行シールドトンネル、 5……セグメント、 6,6′……筒状構造体、6a……凹面部、 7……裏込め硬化充填材、20……覆工体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 紀治 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 傳田 篤 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−293500(JP,A) 特開 昭59−18896(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 13/02 E21D 13/00 E21D 9/04 E02D 29/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アーチ状または筒状に形成され地山の土圧
    に抗して内部空間を形成するトンネル構造体と、該トン
    ネル構造体の内部に形成されるトンネル空間とからなる
    大断面トンネルであって、 前記トンネル構造体は、構築すべきトンネルの長手方向
    に沿いかつ径方向に所定間隔を置いて形成された先行シ
    ールドトンネルと、これら先行シールドトンネルの間に
    形成された後行シールドトンネルとから構成され、かつ
    これらシールドトンネルは、隣接形成されたシールドト
    ンネルの覆工体の一部が互いに重合することにより一体
    化されており、 しかも、前記先行シールドトンネルの覆工体は、前記後
    行シールドトンネルとの重なり部において非重なり部よ
    りも肉厚に形成されていることを特徴とする大断面トン
    ネル。
  2. 【請求項2】請求項1記載の大断面トンネルにおいて、
    少なくとも前記先行シールドトンネルの覆工体は、セグ
    メントにより組み立てられた筒状構造体と、該筒状構造
    体の背面側に後打ちされた裏込め硬化充填材とから構成
    され、しかも、前記筒状構造体は、前記後行シールドト
    ンネルとの重なり部において、後行シールドトンネルと
    の干渉を回避する凹面状に形成されていることを特徴と
    する大断面トンネル。
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