JP2788956B2 - トンネルの合流方法 - Google Patents

トンネルの合流方法

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JP2788956B2
JP2788956B2 JP2281603A JP28160390A JP2788956B2 JP 2788956 B2 JP2788956 B2 JP 2788956B2 JP 2281603 A JP2281603 A JP 2281603A JP 28160390 A JP28160390 A JP 28160390A JP 2788956 B2 JP2788956 B2 JP 2788956B2
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、トンネルの合流方法に係わり、特に、道路
トンネルなどの大断面トンネルのランプ部分で、流入及
び流出を行う場合の構築に最適なものに関する。
【従来の技術】
現在、トンネル工法としては既に様々なものが提供さ
れている。これらトンネル工法のうち、特にシールド工
法は硬岩以外のあらゆる地山に適用でき、しかも地上施
設に影響を与えず、地下深部の施工が可能である等の利
点を有するため、近年特にその施工実績が増加してい
る。また近年では、地下の利用ニーズが高まり、それに
伴いトンネルもその大断面化が要求されてきている。そ
して、上記シールドトンネルにおいても、そのようなト
ンネルの大断面化の要求に応えるべく大口径のものが施
工されるようになってきており、最近では外径14m以上
となるシールド機も計画されている。 しかしながら、上記のようにシールドトンネルはほと
んどあらゆる地盤に対して使用することができ、かつ大
深度にも向くといった利点を有するものの、下記の如き
欠点がある。すなわち、シールド機はその掘削径が大径
となると、一般に、W=2.5D2〜3.5D2(D:シールド機外
径、W:シールド機重量)の関係で重量が増加すると言わ
れており、このように大形化されたシールド機は単に重
量が極めて重くなるばかりでなく、製作,仮組み,運
搬,現場組立,現場設備等のあるゆる面で人手およびコ
ストが急激に嵩むものとなる。また、特にこのような超
大形シールド機においては、工場設備等の関係で、試運
転の実施さえ極めて困難な状況にあるのが現状となって
いる。 また、特に、シールド工法によってトンネルの合流部
・分岐部の施工を行うことは不可能であった。 このため従来では、シールドトンネルにおいても、そ
のような合流・分岐部についてはNATM工法あるいは開削
工法により実施するか、あるいはこのように合流・分岐
が必要なトンネルについては当初よりNATM工法により計
画していた。NATM工法では、断面形状の変更、分岐部施
工が自由であるからである。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、周知の如くNATMトンネルは切羽や掘削
地山の崩壊防止を図りながら掘り進めていくものである
ため、大断面となるとそのための付帯工事が大掛かりと
なり多大な工数が掛かるものとなる。また、特に大深度
では地下水対策のために薬注等の補助工法が必須であ
り、しかも薬注作業は非常に高価であるばかりでなく、
これら薬注を実施しても完全な遮水は望むことができな
い、といった問題を含んでいる。 また、それら分岐部を開削工法で行う方法では、地表
に於いて広大な用地を必要とする上、特に大深度では山
留め支保工が大規模となると共に掘削土量も膨大なもの
となり、しかも、地中に地下鉄,下水等の構造物が存在
する場合には施工できないといった多々の問題が生ず
る。 ところで本出願人は、上記の如き弊害を生ずることな
くトンネルの大断面化が図れるトンネルとして、第28図
に示す如きトンネルを先に発明し、既に出願した(特願
平2−4074号明細書「大断面トンネルおよびその構築方
法」)。 このトンネルの概略を説明すると、該トンネル30は、
アーチ状または筒状に形成され地山の土圧に抗して内部
空間を形成するトンネル構造体2と、該トンネル構造体
2の内側に形成されるトンネル空間3とからなる大断面
トンネルにおいて、前記トンネル構造体2を、多数の小
径トンネル構造物4,4,…を連設することにより構築した
ものである。小径トンネル構造物4は、シールドトンネ
ル工法あるいは推進管トンネル工法等により構築され
る。そして、この大断面トンネル30は、それら多数の小
径トンネル構造物4により構成された前記トンネル構造
体2を地山G内に予め構築した後、該トンネル構造体2
により囲まれた部分を掘削してトンネル空間3を形成す
ることにより構築するものとしている。また、トンネル
構造体2を構成する前記各小径トンネル構造物4は、隣
合うものどうしでその覆工体8どうしが重合(オーバー
ラップ)することにより該覆工体8が一体に形成された
ものとなっている。 上記の大断面トンネル30によれば、例えば小径トンネ
ル構造物4をシールドトンネルにより構成した場合、小
径なるシールド機により低コストにて大断面トンネルを
構築することができる。しかも、前記覆工体8が一体化
されることにより強固なトンネル構造体2を実現でき、
さらには、シールド工法を適用できる全ての地山に適用
できる、等の優れた効果を奏するものとなる。 本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、本出願
人が先に発明し、優れた作用を有する上記トンネルの合
流・分岐を実現することにより、シールドトンネルおよ
びNATMトンネルがそれぞれ抱える上記弊害を一挙解消す
る、トンネルの合流方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
本発明の発明は、アーチ状または筒状に形成され地山
の土圧に抗して内部空間を形成するトンネル構造体と、
該トンネル構造体の内側に形成されるトンネル空間とか
ら成る複数のトンネルを合流させる方法であって、ま
ず、先行して多数の小径トンネル構造物をそれらの径方
向に重合連設させて先行トンネル構造体を構築し、次
に、この先行トンネル構造体の軸線に漸次接近するよう
に多数の小径トンネル構造物をそれらの径方向に重合連
設させて後行トンネル構造体を構築し、次に、この後行
トンネル構造体が先行トンネル構造体に接触した時点よ
り、後行トンネル構造体を先行トンネル構造体に重合さ
せて構築してゆくと共に、それら双方のトンネル構造体
による重合部分が一定の強度を保持した状態において、
後行トンネル構造体の小径トンネル構造物の掘進を停止
して先行トンネル構造体により中壁を構成し、最終的
に、後行トンネル構造体の小径トンネル構造物の掘進を
全て完了させて先行トンネル構造体に収束させることを
特徴とするものである。
【作用】
本発明に係るトンネルの合流方法は、トンネル構造体
が多数の小径トンネル構造物の連設体により構成された
トンネルどうしを合流するものである。まず、先行して
先行トンネル構造体を構築し、この先行トンネル構造体
に漸次接近するように後行トンネル構造体を構築してい
き、これらトンネル構造体どうしが接触するようになっ
たら、後行トンネル構造体を先行トンネル構造体に重合
させていく。これにより、合流の途中であっても、常に
一連・一体のトンネル構造体が構築され、強度及び止水
等が十分に確保されたものとなる。そして、それら双方
のトンネルによ重合部分が一定の強度を保持した状態に
おいて、後行トンネル構造体の小径トンネル構造物の掘
進を停止し、先行トンネル構造体により中壁を構成す
る。これにより、先行トンネル構造物が常に中壁を構成
しているので、トンネル空間内部を掘削する際の補助部
材となる。そして最終的に、後行トンネルの小径トンネ
ル構造物の掘進を全て完了させて先行トンネルの構造体
に収束させた構造になる。
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。 第1図ないし第5図は本発明のトンネルの合流方法の
一実施例を示すものである。また、第6図はトンネルの
合流部(分岐部)近傍をトンネル空間についてのみ図示
した平面断面図である。ここで、第1図は第6図のl−
l線、第2図は同じくm−m線、第3図はn−n線、第
4図はi−i、第5図はj−j線に沿った断面に対応し
たものとなっている。 第1図ないし第5図において、第1図は合流直前にあ
る2本のトンネル、すなわち先行のトンネルT1および後
行のトンネルT2を、第5図は合流が完全に完了された後
のトンネルT(先行のトンネルT1)を示している。ま
た、第2図ないし第4図はそれぞれ合流途中にあるトン
ネルを示したものとなっている。 第1図に示す2本のトンネルT1,T2において、先行の
トンネルT1は後行のトンネルT2よりも大径のものとなっ
ている。これらトンネルT1,T2は共に、先に第28図に示
したものと同構成のものである。 すなわち、先行のトンネルT1について説明すれば、該
先行のトンネルT1は、全体として筒状に形成され地山G
の土圧に抗して内部空間を形成する先行トンネル構造体
2Aと、該先行のトンネル構造体2Aの内部に形成される先
行トンネル空間3Aとから構成されている。 前記先行トンネル構造体2Aは、構築すべき先行のトン
ネルT1の長手方向に形成された多数の小径トンネル構造
物4,4,…がそれらの径方向に連設されることにより構成
されている。本実施例においては、これら小径トンネル
構造物4,4,…が径方向に環状に配設されることにより、
この先行トンネル構造体2Aは全体的に断面円形の筒状を
成している。また、これら小径トンネル構造物4,4,…の
一つひとつは、本実施例ではシールドトンネルにより構
成されたものとなっている。すなわち、第8図に示すよ
うに、これら小径トンネル構造物4は、多数のセグメン
ト5,5,…により組み立てられた筒状構造体6と、該筒状
構造体6の背面側に後打ちされたコンクリートあるいは
モルタル等の裏込め硬化充填材7とから成る覆工体8に
より覆工されたものとなっている。ただしここで、前記
筒状構造体6の、シールド機によって掘削された掘削穴
9の内径に対する径は、通常一般のシールドトンネルと
比べた場合に小径のものとなっている。また、前記各小
径トンネル構造物4は、隣り合う小径トンネル構造物4
との離間寸法が小径トンネル構造物4自身の外径より小
さく設定されており、これにより、互いに隣接する小径
トンネル構造物4の前記裏込め硬化充填材7どうしは互
いに重合したものとなっている。そして、これにより、
各小径トンネル構造物4,4,…は連続して一体化されたも
のとなっている。 後行のトンネルT2も上記先行のトンネルT1と同構造で
ある。なお、第1図に示す構成において、各小径トンネ
ル構造物4の外径は例えば4m、先行のトンネルT1の内径
(先行トンネル空間3Aの径)は例えば17m、後行のトン
ネルT2の内径(トンネル空間3Bの径)は例えば10mとし
ている。 前記先行のトンネルT1を構築するには、初めに、多数
の小径トンネル構造物4,4,…より成るトンネル構造体2A
を地山G内に先行構築する。このトンネル構造体2Aの構
築は下記の工程により行う。 すなわちまず、第1図に示した完成時において互いに
隣接する小径トンネル構造物4,4,…のうち、一つ置きに
配列されるもの(先行小径トンネル構造物4A)を先行構
築する(第9図参照)。 これら小径トンネル構造物4Aの構築は、各小径トンネ
ル構造物4をここではシールドトンネルより構成したも
のであるから、通常一般のシールド工法と同要領により
行うことができる。すなわち第13図に示すように、シー
ルド機10を、その前面に設けたカッタ11により地山Gを
掘削しながら推進させるとともに、シールド機10の後方
にて掘削穴9内に円弧状のセグメント5,5,…をリング状
に組み上げて行き筒状構造体6を形成していく。ただ
し、この場合、前記シールド機10としてテールボイドの
極めて大きいものを使用し、これにより筒状構造体6
は、掘削穴9内径に対して小径に形成されたものとなっ
ている。筒状構造体6が形成された部分については、そ
の背面側空隙すなわち筒状構造体6と掘削穴9との間に
前記裏込め硬化充填材7を打設する。これによって覆工
体8が完成される。なお、同第13図中矢印は、裏込め硬
化充填材7の打設状態を示すものである。 上記方法により、第10図に示すように小径トンネル構
造物4A,4A,…が地山G内に形成されたならば、次いでそ
れら各小径トンネル構造物4Aの間に小径トンネル構造物
4B,4B,…を形成する。 第11図に示すように、該小径トンネル構造物4Bの形成
工程も前記小径トンネル構造物4Aと同様である。ただ
し、小径トンネル構造物4A,4A,…の離間距離は上述した
如く小径トンネル構造物4自身の径寸法よりも小さく設
定されているので、2本の小径トンネル構造物4A,4A間
に小径トンネル構造物4Bを形成する際には、地山Gと共
に、両側の小径トンネル構造物4A,4Aを構成する前記裏
込め硬化充填材7の一部をも同時に掘削(切削)するも
のとする。その際、小径トンネル構造物4Aを構成する前
記筒状構造体6が小径に形成されているので、この筒状
構造体6と干渉することなく裏込め硬化充填材7のみを
切削するすることが可能である。 そして、上記の如くシールド機10にて2つの小径トン
ネル構造物4A,4A間を掘削するとともに、その掘削穴9
内に筒状構造体6を組み立ててゆき、その後その背面側
に裏込め硬化充填材7を打設すれば、第12図に示すよう
に、小径トンネル構造物4A,4A,…と連続した小径トンネ
ル構造物4B,4B,…が形成され、これによりトンネル構造
体2Aが構築される。 そして、上記の如くこれら小径トンネル構造物4,4,…
により先行トンネル構造体2Aが構築されたならば、地山
Gにおける該先行トンネル構造体2Aにより囲繞された部
分を掘削して前記先行トンネル空間3Aを形成すれば、先
行のトンネルT1が完成する。先行トンネル構造体2Aの内
部地山の掘削は、通常一般に使用される掘削機によれば
よい。この際、前記先行トンネル構造体2Aが既に地山G
内に構築され、これにより地山Gが支持されているの
で、支保工等、補強のための付帯工事を一切行うことな
く、あるいは極めて簡便な補強工事のみで安全に掘削す
ることができる。 また、後行のトンネルT2の構築も上記先行のトンネル
T1と同要領である。 さて、上記の如き構成とされた後行のトンネルT2を先
行トンネルT1に合流させるには、下記の如くすればよ
い。 まず、第6図に示す如く、先行のトンネルT1に合流さ
せるべき後行のトンネルT2の進路を、先行のトンネルT1
の軸線に漸次接近するように変更する。第1図はこの第
6図におけるl−l線に沿う断面を見たもので、上記の
進路変更により両トンネルT1,T2が近接している状態を
示しているものである。 そして、後行のトンネルT2を先行のトンネルT1のに接
近させるように構築していくと、やがて両トンネルT1,T
2のトンネル構造体2A,2Bが接触する。この状態となった
ならば、第2図示すように、後行トンネル構造体2Bを構
成する小径トンネル構造物4,4……を形成する際に、土
山Gと共に、先行トンネルT1の小径トンネル構造体4を
構成する裏込め硬化充填材7の一部をも同時に掘削(切
削)する。このとき、これら双方のトンネルT1,T2の小
径トンネル構造物4,4……が重なり合う部分は、これら
トンネルT1,T2の正面断面視において、それら小径トン
ネル構造物4,4,…が後行トンネルT2のトンネル構造体2B
側へ曲面状に突出して配設されるように構築される。す
なわち、先行トンネル空間3Aと後行トンネル空間3Bとを
仕切る部分(中壁)12が、先行のトンネルT1及び後行の
トンネルT2の小径トンネル構造物4,4……が重合して2
重に配設された構造となる。 そして、後行のトンネルT2の軸線をさらに先行のトン
ネルT1の軸線に接近させて構築していくと、第3図(第
6図におけるn−n線に沿う断面)及び第4図(第6図
におけるi−i線に沿う断面)に示すようになる。すな
わち、この状態では、後行のトンネルT2の後行トンネル
空間3Bが狭められ、それにより曲面状に連設されてなる
小径トンネル構造物4の数が減少した構造になり、この
構造においては中壁12への外圧がさほど大きく加わらな
いため、重合部分の後行トンネル構造物の掘進が停止さ
れ、それにより中壁12が先行トンネル構造体2Aを構築す
る小径トンネル構造物4,4……により形成される。 そしてさらに、後行のトンネルT2の軸線を先行のトン
ネルT1の軸線に接近させて構築していくことにより、や
がて、後行のトンネルT2の軸心が先行のトンネルT1の軸
線が完全に一致して収束された状態になる。そして、上
記の如く完全な筒状を形成した所定のトンネル構造体2
が構築されるようになったならば、以降は、該トンネル
構造体2をトンネル外殻とするトンネルTを長手方向に
構築してゆけばよい。 なお、先行のトンネルT1と後行のトンネルT2の軸線が
1本に収束される前に、双方のトンネルT1,T2のトンネ
ル空間3A,3Bを連通させる必要がある場合には、例えば
第7図に示すように、補強構造体13をトンネルT1,T2
長手方向に所定間隔で設けることにより、前記中壁12の
一部または全部撤去しても良い。 以上のように、上記トンネルの合流方法によれば、多
数の小径トンネル構造物4を連設することにより構築さ
れて、優れた利点を有する先行のトンネルT1と後行のト
ンネルT2を極めて合理的に合流させることができる。ま
た、トンネルT1,T2の合流に当たっては、上記のよう
に、後行のトンネルT2が先行のトンネルT1に接触した時
点において、先に構築された先行トンネル構造体2Aを構
成する小径トンネル構造物4,4……の一部を掘削して重
合させながら後行トンネル構造体2Bを構築してゆくの
で、常にトンネルT1、T2は一連・一体の構造体を成し、
トンネル構造体としての強度、止水性等を十分に確保す
ることができる。さらに、例えばトンネル構造体2A,2B
の中壁12の強度が十分に確保された時点においては、後
行トンネル構造体2Bの小径トンネル構造物4の掘削を停
止させて先行トンネル構造体2Aのみの中壁12が形成さ
れ、常に先行トンネル構造体2Aが中壁12を構成する構造
になっており、この中壁12の両側のトンネル空間3A,3B
内部を掘削する際には中壁12が補強部材として働くの
で、安全な施工が可能となり、かつ全体の強度が保たれ
るものとなる。また、中壁12が不要なときには、適宜な
補強を行うことによって該中壁12の一部または全部を撤
去することも可能である。 またさらに、実施例では、2本のトンネルT1,T2を合
流させる場合についてのみ説明したが、上記方法により
3本以上のトンネルT1,T2,T3,…を合流させることも可
能である。 次に、第14図ないし第21図のものは、合流前の第1お
よび第2のトンネルT1,T2を構成するトンネル構造体2A,
2Bのその他の構成例を示したものである。これらの図に
おいて上記実施例のものと同じ構成要素には同一符号を
付してその説明を省略するものとする。 上記図示されたものについて説明すると、第14図のも
のは、各小径トンネル構造物4を構成する覆工体8の内
部、つまりこの場合では筒状構造体6の内部空間内をコ
ンクリート等の硬化充填材15で充填したものである。 また、第15図のものは、各小径トンネル構造物4のう
ち、先行小径トンネル構造物4Aの覆工体8を、後行小径
トンネル構造物4Bとの重なり部において非重なり部より
も肉厚に形成したものである。 第16図のものは、小径トンネル構造物4の覆工体8の
内部に、小径トンネル構造物4の連設方向に延びた補強
部材16を設けたものである。また、本構成のものでは、
後行小径トンネル構造物4Bのテールボイドは先行小径ト
ンネル構造物4Aのテールボイドに対し小さいものとして
いる。 第17図のものは、上記第16図のものにおいて前記補強
部材16どうしを接続金具17およびつなぎ部材18を介して
接続することにより補強部材16を一体化させたものであ
る。 第18図のものは、上記第17図のものにおいて覆工体8
の内部にコンクリート等の硬化充填材15を充填したもの
である。 第19図のものは、各小径トンネル構造物4の覆工体8
を、セグメント覆工法に因らず場所打ちライニング工法
により形成したものである。なお図示のものは、覆工体
8を上記第15図のものと同様の形状としている。 さらに、第20図のものは、トンネル構造体2を構成す
る小径トンネル4,4,…のうち先行小径トンネル構造物4A
を第21図に示した構造としたものである。第21図に示す
先行小径トンネル構造物4Aは、覆工体8を全て特殊セグ
メント5′,5′,…により構成したものである。この特
殊セグメント5′は、前述のセグメント5と裏込め硬化
充填材7とにより構成される覆工体8におけるセグメン
ト5に相当する部分がRC造(鉄筋コンクリート造)また
は鋼製の高強度部5aとなっており、裏込め硬化充填材7
に相当する部分が無筋コンクリート部5bとなったもので
ある。すなわち、後行小径トンネル構造物4Bの構築の際
には該先行小径トンネル構造物4Aの前記無筋コンクリー
ト部5bの部分を切削するようにしたものである。ちなみ
にこの場合には、先行小径トンネル構造物4Aの構築の際
に、現場打ちコンクリートの打設が必要なくなると共
に、均一な品質のものが確実に得られるものとなる。 上記実施例に述べたトンネルの合流方法は、トンネル
T1,T2を構成するトンネル構造体2A,2Bがそれぞれ上記何
れの構造のものであっても同様に適用することができ
る。 さらに、上記実施例においては、トンネル構造体2A,2
Bが縦断面において筒状に閉環された構成のものについ
て説明したが、本発明に係るトンネルの合流方法は、第
22図に示すように例えばトンネル空間3A,3Bの一部(図
示例のものは上半部)のみが上記の如く小径トンネル構
造物4,4,…により構成されたものに対しても上記同様に
適用することが可能である。なお、この第22図に示すト
ンネルTでは、トンネル底部(インバート部)にコンク
リート19を打設したものとなっている。 また、第23図ないし第27図に示すものは、第1図ない
し第5図に示したトンネルの分流方法の第2の実施例を
示すものである。
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明のトンネルの合流方法に
よれば、多数の小径トンネル構造物を連設することによ
り形成され、優れた利点を有するトンネルを、極めて合
理的に合流させることができる。 また、トンネルの合流に当たっては、上記のように、
後行トンネル構造体が先行トンネル構造体に接触した時
点において、先に構築された先行トンネル構造体を構成
する小径トンネル構造物の一部を掘削して重合させなが
ら後行トンネル構造体を構築してゆくため、常に合流す
るトンネルは一連・一体の構造体を成し、トンネル構造
体としての強度、止水性等を十分に確保することができ
る。 さらに、それぞれのトンネル構造体が重なり合う中壁
の強度が十分に確保された時点においては、後行トンネ
ル構造体の小径トンネル構造物の掘削を停止して先行ト
ンネル構造体のみの中壁が形成され、常に先行トンネル
構造体が中壁を構成する構造になっており、この中壁の
両側のトンネル空間内部を掘削する際には中壁が補強部
材として働くので、安全な施工が可能となり、かつ全体
の強度が保たれるものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本発明に係るトンネルの合流方法
および分岐方法の一実施例を示すもので第1図は合流前
のトンネルを示す正面断面図、第2図ないし第4図は共
に合流途中にあるトンネルの正面断面図、第5図は合流
後のトンネルを示す正面断面図、第6図は分岐部におけ
るトンネル空間を示した平面図、第7図は当実施例によ
り合流途中(分岐途中)にあるトンネルの補強構造の一
例を示した正面断面図、第8図は本発明に係るトンネル
のトンネル構造体を示す部分正面断面図、第9図ないし
第13図は第8図に示したトンネル構造体の構築方法の一
例を示したもので第9図ないし第12図はそれぞれ小径ト
ンネル構造物を示す正面断面図、第13図は小径トンネル
構造物をシールド機と共に示す側断面図、第14図ないし
第20図は本発明が適用されるトンネルのトンネル構造体
の他の構成例を示したものでそれぞれトンネル構造体の
部分正面断面図、第21図は第20図に示したトンネル構造
体における小径トンネル構造物を示した正面図、第22図
は本発明が適用されるその他のトンネルを示した全体正
面断面図、第23図ないし第27図は本発明の第2の実施例
を示す正面断面図、第28図は本出願人が先に発明した大
断面トンネルを示す全体正面断面図である。 G……地山、T……トンネル、 T1……先行のトンネル、 T2……後行のトンネル、 2……トンネル構造体、 2A……先行トンネル構造体、 2B……後行トンネル構造体 3……トンネル空間、 3A……先行のトンネル空間、 3B……後行のトンネル空間、 4……小径トンネル構造物、 12……中壁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 13/02 E21D 9/04 E21D 13/00 E02D 29/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アーチ状または筒状に形成され地山の土圧
    に抗して内部空間を形成するトンネル構造体と、該トン
    ネル構造体の内側に形成されるトンネル空間とから成る
    複数のトンネルを合流させる方法であって、 まず、先行して多数の小径トンネル構造物をそれらの径
    方向に重合連設させて先行トンネル構造体を構築し、 次に、この先行トンネル構造体の軸線に漸次接近するよ
    うに多数の小径トンネル構造物をそれらの径方向に重合
    連設させて後行トンネル構造体を構築し、 次に、この後行トンネル構造体が前記先行トンネル構造
    体に接触した時点より、後行トンネル構造体を先行トン
    ネル構造体に重合させて構築してゆくと共に、それら双
    方のトンネル構造体による重合部分が一定の強度を保持
    した状態において、後行トンネル構造体の小径トンネル
    構造物の掘進を停止して先行トンネル構造体により中壁
    を構成し、 最終的に、後行トンネル構造体の小径トンネル構造物の
    掘進を全て完了させて先行トンネル構造体に収束させる
    ことを特徴とするトンネルの合流方法。
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