JP2897250B2 - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JP2897250B2
JP2897250B2 JP1110715A JP11071589A JP2897250B2 JP 2897250 B2 JP2897250 B2 JP 2897250B2 JP 1110715 A JP1110715 A JP 1110715A JP 11071589 A JP11071589 A JP 11071589A JP 2897250 B2 JP2897250 B2 JP 2897250B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はデファレンシャル装置に係り、特にデファ
レンシャルケーシング内に軸支されたデファレンシャル
ギヤ列の軸受部位を良好に潤滑し得るデファレンシャル
装置に関する。
〔従来の技術〕
自動車等の車両にあっては、旋回走行時における左右
車輪の差動を許容するためにデファレンシャル装置を設
けている。デファレンシャル装置は、デファレンシャル
キャリヤにデファレンシャルケーシングをテーパローラ
ベアリングにより軸支して設けるとともに前記デファレ
ンシャルケーシング内にデファレンシャルギヤ列を軸支
して設けている。
このようなデファレンシャル装置の前記テーパローラ
ベアリングに予圧を与える予圧機構の弛みを防止するも
のとしては、例えば実公昭53−20818号公報に開示のも
のがある。この公報に開示のものは、弛み止め用のロッ
クプレートの固定孔を長孔形状とし、ロックプレートの
取付け位置を調整可能としたものである。
また、デファレンシャル装置のデファレンシャルケー
シングを軸支するテーパローラベアリングやデファレン
シャルケーシング内に軸支されるデファレンシャルギヤ
列の軸受部位を潤滑するものとしては、特公昭63−5226
1号公報や実公昭63−23633号公報に開示のものがある。
特公昭63−52261号公報に開示のものは、デファレンシ
ャルケーシングを軸支するデファレンシャルキャリヤた
るハウジングと前記デファレンシャルケーシングとの間
に、デファレンシャルケーシング外周側から終減速大歯
車たるリングギヤ外周側への潤滑油の移動を規制する規
制部材を設けたことにより、回転遠心力により潤滑油の
移動を規制して油面の低下を抑え、テーパローラベアリ
ング等の潤滑不足を解消したものである。また、実公昭
63−23663号公報に開示のものは、デファレンシャルケ
ーシング側壁の補強リブに対向する案内板をデファレン
シャルキャリヤたるアクスルハウジングの内部に固定す
るとともに、デファレンシャルケーシングにこの内部に
連通する軸方向油孔を設けることにより、デファレンシ
ャルケーシングに付着した潤滑油を内部に流入させて潤
滑性能の向上を図ったものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、第5・6図に示す如く、従来のデファレン
シャル装置102は、デファレンシャルキャリヤたる例え
ばトランスミッションケーシング104にデファレンシャ
ルケーシング106をテーパローラベアリング108により回
転可能に軸支して設けるとともに、前記デファレンシャ
ルケーシング106内にデファレンシャルギヤ列110を軸支
して設けている。
このようなデファレンシャル装置102において、デフ
ァレンシャルケーシング106内に軸支して設けたデファ
レンシャルギヤ列110の軸受部位を潤滑するために、従
来は、デファレンシャルケーシング106の側面に開口部
(図示せず)を設け、デファレンシャルキャリヤたる例
えばトランスミッションケーシング104内の潤滑油をデ
ファレンシャルギヤ列110であるデファレンシャルピニ
オン112及びデファレンシャルサイドギヤ114の軸受部位
に導入していた。
例えば、デファレンシャルケーシング106内に軸支さ
れたデファレンシャルギヤ列110を構成する一のデファ
レンシャルサイドギヤ114は、デファレンシャルケーシ
ング106の内部に設けた一のサイドギヤスラスト軸受面1
16及びサイドギヤラジアル軸受面118により軸支されて
いる。この一のデファレンシャルサイドギヤ114を軸支
するサイドギヤスラスト軸受面116には、サイドギヤラ
ジアル軸受面118に達する複数の導入溝120を径方向に形
成している。この導入溝120によって、潤滑油をサイド
ギヤスラスト軸受面116及びサイドギヤラジアル軸受面1
18に導入し、潤滑を行っている。
ところが、サイドギヤスラスト軸受面116及びサイド
ギヤラジアル軸受面118を潤滑する潤滑油は、前記の如
く、デファレンシャルケーシング106の側面に設けた開
口部(図示せず)からデファレンシャルケーシング106
内に導入されるため、前記開口部と導入溝120との距離
が大であると、潤滑油を各軸受面116・118に導入し難い
問題を生じ、良好に潤滑し得ない不都合がある。
例えば、デファレンシャルケーシング106の中心から
回転軸心方向一側に偏倚させてデファレンシャルケーシ
ング106の外部に終減速歯車たるリングギヤ(図示せ
ず)を固定して設けると、デファレンシャルケーシング
106の内部に潤滑油を導入する開口部(図示せず)をデ
ファレンシャルケーシング106の中心から回転軸心方向
他側に偏倚させて設けざるを得ないことになる。このた
め、開口部と一のデファレンシャルサイドギヤ114を軸
支するサイドギヤスラスト軸受面116に設けた導入溝120
との距離が大となって、前記の如く潤滑油を各軸受面11
6・118に導入し難い問題を生じ、良好に潤滑し得ない不
都合がある。
この結果、潤滑不足により差動回転時の焼付きや異常
摩耗を招き、耐久性や安全性が損なわれる不都合があ
る。
〔発明の目的〕
そこでこの発明の目的は、デファレンシャルケーシン
グ内に積極的に潤滑油を導入し得て、デファレンシャル
ケーシング内に軸支して設けたデファレンシャルギヤ列
の軸受部位を良好に潤滑し得て、潤滑不足による焼付き
や異常摩耗を回避し得て、耐久性や安全性を向上し得る
デファレンシャル装置を実現することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
この目的を達成するために、この発明は、デファレン
シャルキャリヤにデファレンシャルケーシングの回転軸
心方向各側を第1・第2テーパローラベアリングにより
軸支して設けるとともに前記デファレンシャルケーシン
グ内にデファレンシャルギヤ列を軸支して設けたデファ
レンシャル装置において、前記デファレンシャルキャリ
ヤの回転軸心方向一側を軸支する前記第1テーパローラ
ベアリングは第1内輪を前記デファレンシャルケーシン
グの第1嵌合部に嵌合して設けるとともに第1外輪をデ
ファレンシャルキャリヤの第1支持部に支持して設け、
この第1支持部に固設されて前記第1外輪を内側端面に
より支持するリテーナを設け、このリテーナに一の駆動
車軸との間を封止する第1シールを装着して前記第1テ
ーパローラベアリングとの間に第1空間を形成して設
け、前記第1支持部及び内側端面にデファレンシャルキ
ャリヤ内の潤滑油を前記第1空間に案内する案内孔及び
案内溝を夫々設け、前記案内孔及び案内溝により第1空
間に流入して前記第1テーパローラベアリングを潤滑し
た後にこの第1テーパローラベアリングの回転エネルギ
により流動されて前記デファレンシャルキャリヤ内に流
出する潤滑油を前記デファレンシャルケーシング内に軸
支されるデファレンシャルギヤ列の軸受部位に導入する
潤滑油導入手段を設けたことを特徴とする。
〔作用〕
この発明の構成によれば、デファレンシャルキャリヤ
の第1支持部に固設されたリテーナ内の第1シールと第
1テーパローラベアリングとの間に第1空間を形成し、
デファレンシャルキャリヤ内の潤滑油を第1空間に案内
する案内孔及び案内溝を設けたことにより、デファレン
シャルキャリヤ内の潤滑油を第1空間に案内して第1テ
ーパローラベアリングに積極的に供給して潤滑すること
ができ、この第1テーパローラベアリングを潤滑した後
にこの第1テーパローラベアリングの回転エネルギによ
り流動されてデファレンシャルキャリヤ内に流出する潤
滑油をデファレンシャルケーシング内に軸支されるデフ
ァレンシャルギヤ列の軸受部位に導入する潤滑油導入手
段を設けたことにより、第1テーパローラベアリングの
回転エネルギにより流動される潤滑油をデファレンシャ
ルケーシング内に積極的に導入することができる。
〔実施例〕
次にこの発明の実施例を図に基づいて詳細に説明す
る。
第1〜4図は、この発明の実施例を示すものである。
第4図において、2はデファレンシャル装置である。
デファレンシャル装置2は、デファレンシャルキャリヤ
たる例えばトランスミッションケーシング4にデファレ
ンシャルケーシング6を第1・第2テーパローラベアリ
ング8−1・8−2により回転可能に軸支して設けると
ともに、前記デファレンシャルケーシング6内にデファ
レンシャルギヤ列10を軸支して設けている。
前記デファレンシャルケーシング6は、デファレンシ
ャルケーシング6の中心から回転軸心方向一側を第1テ
ーパローラベアリング8−1によりトランスミッション
ケーシング4に軸支して設けるとともに、デファレンシ
ャルケーシング6の中心から回転軸心方向他側を第2テ
ーパローラベアリング8−2によりトランスミッション
ケーシング4に軸支して設けている。
前記第1テーパローラベアリング8−1は、第1内輪
12−1及び第1外輪14−1とこれら第1内輪12−1及び
第1外輪14−1間に転動可能に保持される第1円錐ころ
16−1とから構成される。また、前記第2テーパローラ
ベアリング8−2は、第2内輪12−2及び第2外輪14−
2とこれら第2内輪12−2及び第2外輪14−2間に転動
可能に保持される第2円錐ころ16−2とから構成され
る。
前記デファレンシャルケーシング6の中心から回転軸
心方向一側を軸支する第1テーパローラベアリング8−
1は、第1内輪12−1をデファレンシャルケーシング6
の第1嵌合部18−1に嵌合して支持して設けるととも
に、第1外輪14−1をトランスミッションケーシング4
の第1支持部20−1に支持して設ける。また、前記デフ
ァレンシャルケーシング6の中心から回転軸心方向他側
を軸支する第2テーパローラベアリング8−2は、第2
内輪12−2をデファレンシャルケーシング6の第2嵌合
部18−2に嵌合して支持して設けるとともに、第2外輪
14−2をトランスミッションケーシング4の第2支持部
20−2に支持して設ける。
前記デファレンシャルケーシング6の中心から回転軸
心方向一側を軸支する第1テーパローラベアリング8−
1は、トランスミッションケーシング4の第1支持部20
−1に固設されるリテーナ22により第1外輪14−1を押
圧支持されている。このリテーナ22には、図示しない一
の駆動車軸との間を封止する第1シール24−1が装着さ
れている。また、前記デファレンシャルケーシング6の
中心から回転軸心方向他側を軸支する第2テーパローラ
ベアリング8−2は、第2外輪14−1を支持するトラン
スミッションケーシング4の第2支持部20−2の外方に
図示しない他の駆動車軸との間を封止する第2シール24
−2が装着されている。
前記第1テーパローラベアリング8−1の第1外輪14
−1を押圧支持するリテーナ22の固設されるトランスミ
ッションケーシング4部位には、潤滑油の案内孔26が形
成されている。また、リテーナ22の内側端面28には、前
記案内孔26に連通する案内溝30が形成されている。これ
により、トランスミッションケーシング4内の潤滑油
は、案内孔26から案内溝30に案内されてリテーナ22内の
第1テーパローラベアリング8−1と第1シール24−1
との間の第1空間32−1に流入し、図示しない一の駆動
車軸との間を封止する第1シール24−1及び第1テーパ
ローラベアリング8−1を潤滑した後に、第1テーパロ
ーラベアリング8−1の回転エネルギにより流動されて
デファレンシャルケーシング6側のトランスミッション
ケーシング4内に流出する。
また、前記第2テーパローラベアリング8−2の第2
外輪14−2を支持するトランスミッションケーシング4
の第2支持部20−2の一部には、潤滑油の案内窪所34が
形成されている。これにより、トランスミッションケー
シング4内の潤滑油は、案内窪所34に案内されて第2テ
ーパローラベアリング8−2と第2シール24−2との間
の第2空間32−2に流入し、図示しない他の駆動車軸と
の間を封止する第2シール24−2及び第2テーパローラ
ベアリング8−2を潤滑した後に、第2テーパローラベ
アリング8−2の回転エネルギにより流動されてデファ
レンシャルケーシング6側のトランスミッションケーシ
ング4内に流出する。
前記デファレンシャルケーシング6内に軸支されたデ
ファレンシャルギヤ列10は、第1・第2デファレンシャ
ルピニオン36−1・36−2及び第1・第2デファレンシ
ャルサイドギヤ38−1・38−2とから構成されている。
第1・第2デファレンシャルピニオン36−1・36−2
は、デファレンシャルケーシング6の内部に軸着された
ピニオン軸40の第1・第2ピニオンラジアル軸受面42−
1・42−2により夫々回転可能に軸支されている。
この第1・第2デファレンシャルピニオン36−1・36
−2に噛合する一のデファレンシャルサイドギヤたる第
1デファレンシャルサイドギヤ38−1は、デファレンシ
ャルケーシング6の中心から回転軸心方向一側の内部に
設けた第1サイドギヤスラスト軸受面44−1及び第1サ
イドギヤラジアル軸受面46−1により回転可能に軸支さ
れている。この第1デファレンシャルサイドギヤ38−1
には、図示しない一の駆動車軸の一端が連結されてい
る。
また、同様に、第1・第2デファレンシャルピニオン
36−1・36−2に噛合する他のデファレンシャルサイド
ギヤたる前記第2デファレンシャルサイドギヤ38−2
は、デファレンシャルケーシング6の中心から回転軸心
方向他側の内部に設けた夫々第2サイドギヤスラスト軸
受面44−2及び第2サイドギヤラジアル軸受面46−2に
より回転可能に軸支されている。この第2デファレンシ
ャルサイドギヤ38−2には、図示しない他の駆動車軸の
一端が連結されている。
前記デファレンシャルケーシング6の回転軸心方向一
側の内部に設けた第1デファレンシャルサイドギヤ38−
1を軸支する第1サイドギヤスラスト軸受面44−1に
は、第1サイドギヤラジアル軸受面46−1に達する複数
の導入溝48を径方向に形成している。この導入溝48によ
って、潤滑油を第1サイドギヤスラスト軸受面44−1及
び第1サイドギヤラジアル軸受面46−1に導入し、潤滑
を行っている。
なお、符号50は、デファレンシャルケーシング6の中
心から回転軸心方向一側の外部に設けた終減速大歯車た
るリングギヤであり、固定ボルト52により固定されてい
る。また、符号54は、デファレンシャルケーシング6の
中心から回転軸心方向他側の外部に設けた例えばスピー
ドメータ駆動用のドライブギヤである。
このようなデファレンシャル装置2において、前記第
1・第2テーパローラベアリング8−1・8−2によ9
り流動される潤滑油を前記デファレンシャルケーシング
6内に軸支されたデファレンシャルギヤ列10の各軸受部
位に導入する潤滑油導入手段56を設けている。
この実施例において、潤滑油導入手段56は、デファレ
ンシャルケーシング6の中心から回転軸心方向一側の第
1テーパローラベアリング8−1部位に設けられてい
る。即ち、第1〜3図に示す如く、第1テーパローラベ
アリング8−1の第1外輪14−1の外周面よりも中心側
に位置させて、デファレンシャルケーシング6の回転軸
心方向一側の外部に設けられた第1嵌合部18−1近傍の
円周上に一端側を開口して潤滑油の導入孔58を複数設け
る。この導入孔58は、デファレンシャルケーシング6の
回転軸心方向一側の内部に設けられた第1サイドギヤス
ラスト軸受面44−1の複数の導入溝48に夫々他端側を開
口して設けている。
この導入孔58によって、前記第1テーパローラベアリ
ング8−1の回転エネルギにより流動される潤滑油を第
1デファレンシャルサイドギヤ38−1を軸支する第1サ
イドギヤスラスト軸受面44−1及び第1サイドギヤラジ
アル軸受面46−1に導入する。
また、この実施例においては、前記第1嵌合部20−1
近傍の円周上に設けた導入孔58の一端側の開口を包囲し
て、第1テーパローラベアリング8−1の第1外輪14−
1の外周面よりも少許外周側に位置させて、デファレン
シャルケーシング6の回転軸心方向一側の外部に円環筒
状の導入壁60を設けている。この導入壁60によって、前
記第1テーパローラベアリング8−1の回転エネルギに
より流動される潤滑油を捕集して前記導入孔58から導入
する。
次に作用を説明する。
車両(図示せず)に搭載した図示しない内燃機関の駆
動力は、リングギヤ50を介してトランスミッションケー
シング4内のデファレンシャルケーシング6に伝達さ
れ、デファレンシャルギヤ列10を介して図示しない駆動
車軸に伝達され、車輪を駆動する。
前記トランスミッションケーシング4内の潤滑油は、
案内孔26から案内溝30に案内されてリテーナ22内の第1
テーパローラベアリング8−1と第1シール24−1との
間の第1空間32−1に流入し、図示しない一の駆動車軸
との間を封止する第1シール24−1及び第1テーパロー
ラベアリング8−1を潤滑した後に、第1テーパローラ
ベアリング8−1の回転エネルギにより流動されてデフ
ァレンシャルケーシング6側のトランスミッションケー
シング4内に流出する。また、トランスミッションケー
シング4内の潤滑油は、案内窪所34に案内されて第2テ
ーパローラベアリング8−2と図示しない他の駆動車軸
との間を封止する第2シール24−2との間の第2空間32
−2に流入し、図示しない他の駆動車軸との間を封止す
る第2シール24−2及び第2テーパローラベアリング8
−2を潤滑した後に、第2テーパローラベアリング8−
2の回転エネルギにより流動されてデファレンシャルケ
ーシング6側のトランスミッションケーシング4内に流
出する。
前記第1テーパローラベアリング8−1の回転エネル
ギにより流動されてデファレンシャルケーシング6側の
トランスミッションケーシング4内に流出する潤滑油
は、潤滑油導入手段56によって、デファレンシャルケー
シング6の中心から回転軸心方向一側に設けられている
第1テーパローラベアリング8−1の第1サイドギヤス
ラスト軸受面44−1及び第1サイドギヤラジアル軸受面
46−1に導入される。
即ち、第1テーパローラベアリング8−1により流動
される潤滑油は、第1テーパローラベアリング8−1の
第1外輪14−1の外周面よりも中心側に位置させて、第
1嵌合部18−1近傍の円周上に一端側を開口して設けた
潤滑油の導入孔58によって、デファレンシャルケーシン
グ6の回転軸心方向一側の内部に設けられた第1サイド
ギヤスラスト軸受面44−1の複数の導入溝48に導入され
る。
これにより、前記第1テーパローラベアリング8−1
の回転エネルギにより流動される潤滑油は、第1デファ
レンシャルサイドギヤ38−1を軸支する第1サイドギヤ
スラスト軸受面44−1及び第1サイドギヤラジアル軸受
面46−1に積極的に導入されることになる。
このため、デファレンシャルキャリヤたるトランスミ
ッションケーシング4の第1支持部20−1に固設された
リテーナ22内の第1シール24−1と第1テーパローラベ
アリング8−1との間の第1空間32−1に、トランスミ
ッションケーシング4内の潤滑油を案内孔26及び案内溝
30により案内して第1テーパローラベアリング8−1に
積極的に供給して潤滑することができ、また、潤滑油に
与えられる第1テーパローラベアリング8−1の回転エ
ネルギを利用して、第1テーパローラベアリングを潤滑
した後の潤滑油をデファレンシャルケーシング6内に積
極的に導入し得て、デファレンシャルケーシング6内に
軸支されたデファレンシャルギヤ列10の軸受部位である
第1デファレンシャルサイドギヤ38−1の第1サイドギ
ヤスラスト軸受面44−1及び第1サイドギヤラジアル軸
受面46−1を良好に潤滑することができる。もちろん、
デファレンシャルケーシング6内に導入された潤滑油
は、デファレンシャルギヤ列10の他の軸受部位である第
1・第2デファレンシャルピニオン36−1・36−2の第
1・第2ラジアル軸受面42−1・42−2や、第2デファ
レンシャルサイドギヤ38−2の第2サイドギヤスラスト
軸受面44−2及び第2サイドギヤラジアル軸受面46−2
をも良好に潤滑することができる。
この結果、デファレンシャル装置2の潤滑不足による
差動回転時の焼付きや異常摩耗を回避し得て、耐久性や
安全性を向上することができる。
また、この実施例においては、前記第1嵌合部18−1
近傍の円周上に設けた導入孔58の一端側の開口を包囲し
て、第1テーパローラベアリング8−1の第1外輪14−
1の外周面よりも少許外周側に位置させて、デファレン
シャルケーシング6の回転軸心方向一側の外部に円環筒
状の導入壁60を設けている。このため、この導入壁60に
よって、前記第1テーパローラベアリング8−1の回転
エネルギにより流動される潤滑油を効果的に捕集し得
て、第1デファレンシャルサイドギヤ38−1の第1サイ
ドギヤスラスト軸受面44−1及び第1サイドギヤラジア
ル軸受面46−1に潤滑油をより効果的に導入し得て、さ
らに良好な潤滑を果たすことができるものである。
なお、この実施例においては、潤滑油導入手段56をデ
ファレンシャルケーシング6の中心から回転軸心方向一
側の第1テーパローラベアリング8−1部位に設けた
が、もちろん、潤滑油導入手段56をデファレンシャルケ
ーシング6の中心から回転軸心方向他側の第2テーパロ
ーラベアリング8−2部位に設けることもできるもので
ある。
〔発明の効果〕
このように、この発明によれば、デファレンシャルキ
ャリヤの第1支持部に固設されたリテーナ内の第1シー
ルと第1テーパローラベアリングとの間に第1空間に形
成し、デファレンシャルキャリヤ内の潤滑油を第1空間
に案内する案内孔及び案内溝を設けたことにより、デフ
ァレンシャルキャリヤ内の潤滑油を第1空間に案内して
第1テーパローラベアリングに積極的に供給して潤滑す
ることができ、この第1テーパローラベアリングを潤滑
した後にこの第1テーパローラベアリングの回転エネル
ギにより流動されてデファレンシャルキャリヤ内に流出
する潤滑油をデファレンシャルケーシング内に軸支され
るデファレンシャルギヤ列の軸受部位に導入する潤滑油
導入手段を設けたことにより、第1テーパローラベアリ
ングの回転エネルギにより流動される潤滑油をデファレ
ンシャルケーシング内に積極的に導入することができ
る。
このため、デファレンシャルキャリヤの第1支持部に
固設されたリテーナ内の第1シールと第1テーパローラ
ベアリングとの間の第1空間に、デファレンシャルキャ
リヤ内の潤滑油を案内孔及び案内溝により案内して第1
テーパローラベアリングに積極的に供給して潤滑するこ
とができ、また、潤滑油に与えられる第1テーパローラ
ベアリングの回転エネルギを利用して、第1テーパロー
ラベアリングを潤滑した後の潤滑油をデファレンシャル
ケーシング内に積極的に導入し得て、デファレンシャル
ケーシング内に軸支されたデファレンシャルギヤ列の軸
受部位を良好に潤滑することができる。この結果、潤滑
不足による差動回転時の焼付きや異常摩耗を回避し得
て、耐久性や安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図はこの発明の実施例を示し、第1図はデファ
レンシャル装置の要部拡大断面図、第2図はデファレン
シャルケーシングの外部の要部拡大断斜視図、第3図は
デファレンシャルケーシングの内部の要部拡大断斜視
図、第4図はデファレンシャル装置の断面図である。 第5・6図は従来例を示し、第5図はデファレンシャル
装置の要部拡大断面図、第6図はデファレンシャルケー
シングの内部の要部拡大断斜視図である。 図において、2はデファレンシャル装置、4はトランス
ミッションケーシング、6はデファレンシャルケーシン
グ、8−1・8−2は夫々第1・第2テーパローラベア
リング、10はデファレンシャルギヤ列、22はリテーナ、
26は案内孔、30は案内溝、34は案内窪所、36−1・36−
2は夫々第1・第2デファレンシャルピニオン、38−1
・38−2は夫々第1・第2デファレンシャルサイドギ
ヤ、40はピニオン軸、42−1・42−2は夫々第1・第2
ピニオンラジアル軸受面、44−1・44−2は夫々第1・
第2サイドギヤスラスト軸受面、4−61、46−2は夫々
第1・第2サイドギヤラジアル軸受面、48は導入溝、56
は潤滑油誘導手段、58は導入孔、60は導入壁である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−89845(JP,A) 実開 昭61−162646(JP,U) 実開 昭57−157(JP,U) 実開 昭61−162647(JP,U) 実開 昭55−92955(JP,U) 実開 昭55−41987(JP,U) 特公 昭63−52261(JP,B2) 実公 昭63−23633(JP,Y2) 実公 昭53−20818(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 57/00 - 57/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】デファレンシャルキャリヤにデファレンシ
    ャルケーシングの回転軸心方向各側を第1・第2テーパ
    ローラベアリングにより軸支して設けるとともに前記デ
    ファレンシャルケーシング内にデファレンシャルギヤ列
    を軸支して設けたデファレンシャル装置において、前記
    デファレンシャルキャリヤの回転軸心方向一側を軸支す
    る前記第1テーパローラベアリングは第1内輪を前記デ
    ファレンシャルケーシングの第1嵌合部に嵌合して設け
    るとともに第1外輪をデファレンシャルキャリヤの第1
    支持部に支持して設け、この第1支持部に固設されて前
    記第1外輪を内側端面により支持するリテーナを設け、
    このリテーナに一の駆動車軸との間を封止する第1シー
    ルを装着して前記第1テーパローラベアリングとの間に
    第1空間を形成して設け、前記第1支持部及び内側端面
    にデファレンシャルキャリヤ内の潤滑油を前記第1空間
    に案内する案内孔及び案内溝を夫々設け、前記案内孔及
    び案内溝により第1空間に流入して前記第1テーパロー
    ラベアリングを潤滑した後にこの第1テーパローラベア
    リングの回転エネルギにより流動されて前記デファレン
    シャルキャリヤ内に流出する潤滑油を前記デファレンシ
    ャルケーシング内に軸支されるデファレンシャルギヤ列
    の軸受部位に導入する潤滑油導入手段を設けたことを特
    徴とするデファレンシャル装置。
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