JP2861651B2 - 車両の運動制御装置 - Google Patents

車両の運動制御装置

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JP2861651B2 JP18939692A JP18939692A JP2861651B2 JP 2861651 B2 JP2861651 B2 JP 2861651B2 JP 18939692 A JP18939692 A JP 18939692A JP 18939692 A JP18939692 A JP 18939692A JP 2861651 B2 JP2861651 B2 JP 2861651B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の運動制御装置、特
に補助操舵制御と制動力制御とにより車両挙動を制御す
る制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の運動の制御装置として、補助操舵
による操舵角制御(4WS)とブレーキ液圧制御(制動
力制御)との組合せによるものが特開平2−283555号公
報に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報によるもので
は、目標ヨーレイトと発生ヨーレイトの偏差に応じて操
舵角調整手段とブレーキ液圧調整手段を制御する操舵角
制御とブレーキ液圧制御を併用するものの、その内容に
ついては、制動中は両制御が行われ、非制動中は操舵角
制御のみ行われることとしたり、ヨーレイト偏差の小さ
い時は操舵角制御のみ行われ、偏差が大きい時は両制御
が行われることとするといった手法がとられており、次
のような点からみたときの両調整手段の制御の分担の最
適化という機能はその装置はもってはいない。
【0004】図7は後記でも参照するが、これは、車両
横加速度及び前後加速度の領域区分で考えた制動力の左
右配分による場合(イ)と前後配分による場合(ロ)と
4WSによる場合(ハ)との夫々のヨーレイト制御効果
を示したものであって(なお、図中の各破線は、前後配
分による場合の実太線を含む(ロ)と、4WSによる場
合の実細線を含む(ハ)の夫々のヨーレイト制御効果特
性面の途中の部分における特性を表す)、左右配分制御
は全領域で或る程度の効果をもち、前後配分は横加速
度、前後加速度の大きな領域で大きな効果があり、4W
Sは横加速度、前後加速度の増加に伴い効果が減少し、
夫々の制御の効果の特性には違いがある。従って、制動
力の左右配分による制御と操舵角制御を併用するにして
も、横加速度などの状態如何では、その得られる効果の
大きさに変化があり、これを考慮した制御を行わない
と、全体的に効率的で効果的な車両運動制御(車両挙動
制御)の実現は期待できない。前記公報によるもので
は、操舵角制御と制動力制御の両者が行われている時
は、制動距離の短縮を目的として操舵角制御がメインと
なっているが、しかし、制動中はタイヤ発生力は非線形
領域となり易いのであり、その傾向は横加速度や前後加
速度の大きな場合ほど著しく、かかる非線形領域では操
舵角制御の効果は減少することから、そのような場合で
もなお車両運動の制御として主に操舵角制御を用いるの
では、効率的ではないし、かつまた一定の限界にも達し
易くて制御不足を招き、充分な制御は望めない。この点
でも、いかに効率よく、最適に両者を組み合わせるかは
重要であるが、従来は、車両運動を補助操舵制御と制動
力制御を用いて行う場合にそれを全体として効果的、効
率的に行わせるにはどのようにするかといったことまで
は考慮されてはいない。
【0005】本発明は、補助操舵制御と制動力制御をい
かに組み合わせるのが最適かという立場から、両制御の
効果的な領域において夫々の制御を使い分け、総合的な
車両挙動の制御の効果を向上させ、全体として効率的か
つ適切に車両運動の制御を行うことのできる車両の運動
制御装置を提供しようというものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
車両の運動制御装置が提供される。前輪及び後輪の少な
くとも一方を補助操舵制御可能であると共に、各輪の制
動力を制御可能な車両において、補助操舵制御における
制御対象車輪の補助操舵角が目標値となるように制御す
る補助操舵制御手段と、制動力制御における制御対象車
輪の制動力が目標値となるように制御する制動力制御手
段と、車両の走行状態についてステアリングホイールの
操舵状態を含んで検出する走行状態検出手段と、車両に
発生する車両挙動を検出する車両挙動検出手段と、前記
走行状態検出手段の出力に基づき目標車両挙動を設定す
る目標車両挙動設定手段と、目標車両挙動と発生車両挙
動との偏差を演算する偏差演算手段と、車両に発生する
横加速度及び前後加速度の少なくとも一方を検出する加
速度検出手段と、該検出手段による検出横加速度及び前
後加速度の少なくとも一方に応じ、検出加速度が小さい
ときには前記補助操舵制御の制御分担を大きく設定し、
検出加速度が大きいときには前記制動力制御の制御分担
を大きく設定するように制御分担率を設定する制御分担
率設定手段と、前記車両挙動偏差と前記制御分担率設定
手段により設定される制御分担率とに基づき、前記補助
操舵制御における目標補助操舵角と、前記制動力制御の
左右配分及び前後配分制御の少なくとも一方における該
当制御対象車輪の目標制動力とを算出する演算手段とを
備えることを特徴とする車両の運動制御装置である。
【0007】
【作用】上記車両の運動制御装置では、その補助操舵制
御手段と制動力制御手段により車両運動が制御される。
走行状態検出手段、目標車両挙動設定手段、車両挙動検
出手段の系により目標車両挙動の設定、及びそれと発生
車両挙動との偏差の演算がなされ、車両挙動偏差は夫々
補助操舵制御における目標値、制動力制御における目標
値の算出に適用されるが、加速度検出手段の検出横加速
度及び前後加速度の少なくとも一方に応じて、制御分担
率設定手段が、検出加速度が小さいときには前記補助操
舵制御の制御分担を大きく設定し、検出加速度が大きい
ときには前記制動力制御の制御分担を大きく設定するよ
うに、制御分担率を設定し、上記車両挙動偏差とかく設
定される制御分担率に基づき、補助操舵制御における目
標補助操舵角と、制動力制御の左右配分及び前後配分制
御の少なくとも一方における該当制御対象車輪の目標制
動力とを算出手段が算出し、補助操舵手段が算出目標補
助操舵角となるよう制御を行い、制動力制御手段が算出
目標制動力となるよう制御を行う。よって、補助操舵制
御と制動力制御とをもって車両運動が制御されると共
に、その補助操舵制御と制動力制御の制御分担率を制御
時の車両の発生横加速度及び前後加速度の少なくとも一
方に応じ夫々の効果的な領域において効果を発揮できる
よう決定し得て、効率的な使い分けを可能にし、総合的
な車両挙動の制御の効果を向上させることを可能ならし
める。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図2は本発明制御装置の一実施例の構成を示
す。適用する車両は、制動力制御系(ブレーキ液圧制御
システム)については各輪の制動力を独立に制御可能な
ものであって、本実施例では、前後輪とも左右の制動力
(制動液圧)を制御できるものとする。また、操舵角制
御(4WS)系に関しては、前輪及び/又は後輪の舵角
を補助的に操舵可能なもので、ここでは後輪を操舵する
舵角制御システムに適用した場合を示す。図中1L,1
Rは左右前輪、2L,2Rは左右後輪を夫々示す。各車
輪は、夫々、ブレーキディスク3L,3R,4L,4R
と、液圧(油圧)の供給によりブレーキディスクを摩擦
挟持して各輪毎にブレーキ力(制動力)を与えるホイー
ルシリンダ5L,5R,6L,6Rとを備え、これらブ
レーキユニットの各ホイールシリンダに圧力サーボユニ
ット(圧力制御ユニット)7からの液圧を供給される
時、各車輪は個々に制動される。
【0009】圧力サーボユニット7は、これを含んで後
述のコントローラと共に制動力制御装置を構成するもの
で、入力制御信号により油圧発生源8からの油圧を調節
し、各輪のホイールシリンダ5L,5R,6L,6Rへ
供給する制動液圧(ブレーキ液圧)を制御する。圧力サ
ーボユニット7は、前後輪左右の各液圧供給系(各チャ
ンネル)個々にアクチュエータを含んで構成される。ア
クチュエータとしては、例えば、アンチスキッド制御
(ABS制御)の用にも供することのできる減圧、保
圧、増圧制御可能なものを使用することができる。上記
圧力サーボユニット7では、各供給系の液圧制御用のア
クチュエータをもって、入力液圧指令信号、詳しくは前
輪左液圧指令値 P1A(S) 、同右液圧指令値P2A (S) 、後
輪左液圧指令値 P3A(S) 、同右液圧指令値 P4A(S) の各
信号に応じ個々に制動液圧 P1 〜 P4 の調圧をなすもの
とする。また、後輪補助操舵系は、後輪操舵用のステア
リング装置31とこれを駆動する後輪転舵装置32とを備
え、これにより後輪2L,2Rを転舵可能とする。該補
助操舵系は、既知の油圧式4WSでの油圧シリンダ、圧
力サーボ弁等による構成のものであってよく、後輪転舵
装置32は後述のコントローラと共に操舵角制御手段を構
成し、供給される後輪舵角指令値の信号に応じて後輪舵
角δr をそれに一致させるようステアリング装置31を駆
動制御する。
【0010】圧力サーボユニット7への上記の各信号、
及び後輪転舵装置32への信号はこれらをコントローラ
(コントロールユニット)9から供給し、このコントロ
ーラ9には、ステアリングホイール(ハンドル)10の操
舵角δ(ハンドル角)を検出する操舵角センサ11からの
信号、ブレーキペダル12の踏込力 FP を検出する踏力セ
ンサ13からの信号、車両に作用する実ヨーレイト(d/dt)
φを検出するヨーレイト検出手段としてのヨーレイトセ
ンサ14からの信号、各車輪毎にその車輪速(回転速度)
Vw1, Vw2, Vw3, Vw4を検出する車輪速センサ15, 1
6, 17, 18からの信号、車両に作用する横加速度 Yg
検出する横加速度検出手段としての横加速度(横G)セ
ンサ19からの信号等を夫々入力する。操舵角センサから
の信号はそれ自体で車両走行状態を表すパラメータとし
て、またはその一部として用いられる。またヨーレイト
センサからの信号はヨーレイトフィードバック(F/
B)方式による液圧差制御、及び後輪舵角制御での制御
パラメータとして用いられる。更に、車輪速センサから
の信号は、車速を制御パラメータとして使用する場合の
車体速推定のための情報として用いることができると共
に、コントローラ9によりアンチスキッド制御が行われ
る場合には、車輪速 Vwj(j=1〜4)はその微係数
(d/dt) Vwjなどを求めて該アンチスキッド制御にも用
いられる。なお、本実施例では、車両の走行状態の検出
は、操舵角、及び車速に基づいて行われ、従って、走行
状態検出手段は、操舵角センサ11及びコントローラ9の
一部(後述の車速推定演算処理部分)が相当する。
【0011】制動力制御手段、及び補助操舵制御手段に
相当するコントローラ9はマイクロコンピュータ等を含
んで構成され、制動力制御と後輪舵角制御とによる車両
挙動制御を実行する。車両挙動を目標の特性になるよう
ヨーレイトF/B方式により車両運動を制御する場合に
は、基本的には、その演算処理回路において後述の制御
プログラムに従い、目標ヨーレイト、ヨーレイト差分値
などを演算し、それら各演算値を用い各輪毎の制動力
(ブレーキ力)制御値として目標のホイールシリンダ液
圧値(指令値)の演算、及び後輪操舵角制御値として目
標補助操舵量(指令値)の演算をして、それらに相当す
る信号を圧力サーボユニット7へ、また後輪転舵装置32
へ出力する。これにより、圧力サーボユニット7をし
て、各輪毎の実際のホイールシリンダ液圧が上記の目標
液圧に一致するように油圧発生源8からの油圧を調節せ
しめ、制動液圧として各ホイールシリンダ5L,5R,
5L,6Rに供給させ、また、後輪転舵装置32は、後輪
2L,2Rの舵角を上記目標値に一致させるように、ス
テアリング装置31を駆動する。なお、本実施例では、目
標ヨーレイト設定手段、及びヨーレイトの偏差を演算す
る偏差演算手段の夫々もコントローラ9の一部が相当す
る。
【0012】コントローラ9は、この場合において、上
記制動力制御は、本実施例では制動力の左右配分、即ち
左右輪に制動力差を生成させるヨーレイトF/B制動力
制御をもって行い、後輪舵角制御もヨーレイトF/B 制御
をもって行うが、両制御を併用し車両運動を制御する領
域では、車両の状態に応じて夫々の制御を適切な分担割
合の組合せで実行させるようにもする。両制御は、夫々
該当する領域では単独でも実行可能で、例えば、非制動
時は制動力制御は行われず、後輪舵角制御が行われる
が、旋回制動の如くに制動力制御と操舵角制御とを用い
て車両運動の制御のできる領域では、車両の状態に合わ
せた制御分担の変更制御をも行うものである。本実施例
では、横加速度に応じて、制動力制御と前記操舵角制御
の制御分担率を決定し、両制御をより効率的な領域で作
動させるため、両制御の効果的な領域において夫々の分
担率を増加させるようにすることにより、総合的な車両
挙動の制御の効果を向上させると共に、制動距離とのバ
ランスのとれた制御を達成させるようにする。このた
め、夫々の制御の使い分けを行うべく、演算処理回路で
は、制御分担率の演算もし、各制御の目標値の演算にあ
たっては、該制御分担率に合わせて制動力制御の目標左
右差圧と後輪操舵制御での目標補助操舵角を算出し、目
標値の設定をする。従って、本実施例では、かかる制御
分担率を設定する制御分担率設定手段、並びに目標補助
操舵角と目標制動力との算出手段の夫々も、コントロー
ラ9の一部が相当する。コントローラ9の記憶回路に
は、この場合、上記の制御分担のための横加速度をパラ
メータとする特性データが格納される。
【0013】図3はコントローラ9により実行される前
記横加速度に応じた制動力の左右配分、後輪舵制御の分
担率変更制御を含む車両挙動制御のための制御プログラ
ムの一例である。この処理は図示せざるオペレーティン
グシステムで一定時間毎の定時割り込みで遂行される。
図において、先ずステップS110 では、操舵角センサ、
踏力センサ、車輪速センサ、ヨーレイトセンサ、横加速
度センサの出力を基に、操舵角δ、各車輪1L,1R,
2L,2Rの車輪速 Vw1〜 Vw4、ブレーキ踏力 FP 、ヨ
ーレイト(d/dt) φ、横加速度 Yg を夫々読み込む。
続くステップS111 では、車輪速 Vwj(j=1〜4)に
基づいて車体の速度を推定する。本実施例では、非駆動
輪の2輪の車輪の車輪速(車輪回転数)を用い、例えば
FR車なら、前2輪の車輪速 Vw1, Vw2より、V=( Vw1
+ Vw2)/2より車体速度(車速)を演算で求め、これ
を車速値Vとする。
【0014】次のステップS112 では、ブレーキ踏力 F
P よりブレーキ圧の基準値P0を演算する。本実施例で
は、P0=k・ FP により該基準値P0を求める。ここに、
kは車両諸元により定まる比例定数である。また、上記
基準値P0は、ブレーキ踏力 FP に対して単に比例とする
のではなく、人間のフィーリングにマッチするよう、 F
P 値の或る関数としてもよい。即ち、P0=f(FP ) とし
て求めてもよい。なお、本実施例では、ブレーキは完全
なブレーキ・バイ・ワイヤとなっているが、勿論、フェ
ールセーフなどを考慮に入れ、フェール時には、ブレー
キペダル3とブレーキキャリパが直結されるようなハー
ド構成にしてもよい。
【0015】次に、ヨーレイトフィードバック式の制動
力制御及び後輪舵角制御のため、ここでは、ステップS
113 で上記車速Vと操舵角δより、目標ヨーレイト(d
/dt) φref を演算する。目標ヨーレイトの算出につい
ては、本実施例では、次式に従って求めることとする。
【数1】(d/dt)φref =δ×V(1+KV2) ---(1) ここに、Aは車両のホイールベースとステアリングギヤ
比によって決まる定数であり、又Kは車両のステア特性
を表す定数である。次のステップS114 では、上記ステ
ップS113 で求めた目標ヨーレイト(d/dt)φref と実際
のヨーレイト(d/dt)φ(実ヨーレイト)との差であるヨ
ーレイト差分値Δ(d/dt)φを次式、
【数2】Δ(d/dt)φ=(d/dt)φref −(d/dt)φ ---(2) により算出する。
【0016】次に、ステップS115 において、横加速度
Yg に応じて、制動力制御と操舵角制御(4WS)との
両制御の制御分担率αを設定する。ここに、値αは、本
例では、0≦α≦1の範囲内のものとして設定されるも
ので、後記式3(ステップS116 での目標左右差圧演算
式)等にみられる如く、本プログラム例では、具体的に
は、制動力制御への分配比率として機能し(よって、こ
の場合は、他方の操舵角制御への分配比率は、1−αと
なる)、本実施例では、両制御の制御効果を有効に活用
するように、例えば、かかる制御分担率α値を図4のよ
うな特性のものとする。
【0017】制御分担率αの横加速度 Yg による変化特
性の一例を示す同図において、制御分担率は、横加速度
Yg の小さな領域では、操舵角制御がメインとなるよう
に(従って、制動力制御の割合は少なくなるように)、
αが小さな値(従って、1−αが大きな値)をとり、横
加速度 Yg が大きくなるにつれ制動力制御を中心にする
よう(従って、操舵角制御側への分配が少なくなるよう
に)、αが大なる値(従って、1−αが小さな値)をと
るように、横加速度 Yg に応じて図示の如くの特性のも
のとして設定されている。
【0018】次いで、ステップS116 で、左右輪に発生
させる目標差圧を演算する。本実施例では、ステップS
114 で求めたヨーレイト差分値Δ(d/dt)φと、前記特性
に基づき当該時点での横加速度 Yg に応じて検索して得
た分担率α値より、制御対象車輪の左右のホイールシリ
ンダに発生させるべき目標左右差圧ΔPを次式に従って
演算する。
【数3】ΔP=H×Δ(d/dt)φ×α ---(3) ここに、Hは車両諸元により定まる定数(ヨーレイト制
御でのF/Bゲイン)である。なお、上記3式による場
合は、ヨーレイト差分値Δ(d/dt)φに対するフィードバ
ック制御方法としては、いわゆる比例制御方式を用いる
こととなるが、これに限らず、微分動作、積分動作のい
ずれか一方又は両方を加えた制御方法としてもよい。こ
のようにすると、制動力制御をメインとする領域におい
てそれを実行するとき、更に、目標ヨーレイトに対する
車両の実ヨーレイト応答性や安定性を向上できる。
【0019】しかして、本プログラム例では、上述の如
くに目標左右差圧ΔPの演算をしたなら、次にステップ
S117 において、各輪の目標ホイールシリンダ液圧Pj
(S)を演算する。該ホイールシリンダ液圧目標値Pj (S)
は、本実施例では、上記ΔP値、及び前記ステップS1
12 での算出基準圧P0値により、次式に従って算出す
る。
【数4】P1(S) =P0−(1/2) ・ΔP ---(4)
【数5】P2(S) =P0+(1/2) ・ΔP ---(5)
【数6】P3(S) =P0 ---(6)
【数7】P4(S) =P0 ---(7)
【0020】このようにして、ステップS117 では、制
動力制御に関し、各輪の目標ホイールシリンダ液圧Pj
(S) につき、左右制動力差配分によるものとなり、か
つ、制御量たる値ΔPは前記3式の如くにその時の横加
速度 Yg に応ずる制御分担率αで設定されるものである
結果、横加速度に応じた分担比率で該当する車輪のホイ
ールシリンダ液圧の目標値が設定されることになる。な
お、ここでは、簡単のため、前輪側だけで左右差を発生
させることとしたが(また、この場合においてその液圧
指令値は、4,5式の各右辺第2項に示されるように、
左右のうちの一方の減圧、他方の増圧で制動力差を発生
させることを意味する)、後輪だけでも、あるいは前後
輪ともに左右差を発生させるようにしてもよく、また、
その場合も含んで、左右配分制御は、片側減圧制御で行
うようにしてもよい。
【0021】上記ステップS117 で目標ホイールシリン
ダ液圧Pj (S) 値を求めた後、次に、ステップS118 ,
S119 で、値Pj (S) が負値となる場合も起こり得るの
で、その場合に目標ホイールシリンダ液圧Pj (S) を値
0とし、負値になるのを防ぐようにするための処理を実
行する。
【0022】次に、ステップS120 において、前記ヨー
レイト差分値Δ(d/dt)φと制御分担率αに基づき後輪2
L,2Rの目標補助操舵量δr(S)を演算する。本実施例
では、次式に従ってδr(S)値を演算する。
【数8】δr(S)=G×Δ(d/dt)φ× (1-α) ---(8) ここに、Gはヨーレイト制御F/Bゲインである。な
お、ここでも、前述の制動力制御の制御量ΔPを算出し
た場合と同様、微分動作や積分動作を加えた制御方法と
してもよいことはいうまでもない。このようにして、ス
テップS120 では、操舵角制御について、その制御量た
る後輪目標補助操舵量δr(S)が上記8式のようにその時
の横加速度 Yg に応ずる(1−α)の割合の制御分担率
で設定されることになる。
【0023】しかして、上述した如くに、各車輪の目標
ホイールシリンダ液圧、及び後輪目標補助操舵量を定め
た後、ステップS130 において、本ステップ実行毎、制
御力制御系では実際に各輪のホイールシリンダ液圧(ブ
レーキ液圧)を夫々目標液圧となるようにブレーキ液圧
制御を実行し、また、後輪舵角制御系ではその補助操舵
量を目標値として後輪舵角がこれに一致するよう舵角制
御を実行し、本プログラムを終了する。該処理内容は、
前者の系では、目標ホイールシリンダ液圧Pj (S) に相
当する制御信号(PjA(S))を個々に決定して圧力サーボ
ユニット7に出力する処理から成り、これら信号の該ユ
ニットへの供給により、各輪のホイールシリンダ液圧P
1 〜P4 を目標液圧Pj (S) に制御するよう実際のホイ
ールシリンダ液圧Pj (油圧)が調節されて各車輪毎の
ホイールシリンダ5L,6L,6Rに与えられることに
なり、具体的には左右の制動力に差をつけて車両挙動が
制御される。また、後者の系では、目標補助操舵量δr
(S)に相当する制御信号を決定して出力する処理から成
り、該信号は後輪転舵装置32に入力され、これによりス
テアリング装置31が駆動され上記δr(S)だけ後輪2L,
2Rが操舵されることになり、後輪操舵で車両挙動が制
御される。かつまた、0<α<1で両者が同時に作動さ
れる場合では、α値及び(1−α)値の制御の配分でと
もにヨーレイトF/B制御の制動力制御及び後輪舵角制
御の併用によるヨーレイト偏差に応じた車両挙動制御が
行われ、これで車両運動が制御される。
【0024】以上のような制御の実行により、本実施例
では、横加速度 Yg に応じた後輪舵角制御と左右制動差
制御との使い分けで効率的に車両運動の制御を行うこと
ができる。前記に示した3式、4〜7式、8式、及び図
4の特性にみるように、制御分担率αに応じ、該α値が
小さい場合の横加速度 Yg が小なる領域(従って、(1
−α)値が大で、後輪操舵によるヨーレイトF/B制御
寄与分が大のとき)では、車両の運動制御は舵角制御が
メインであり(α=0では4WS制御だけとなり)、横
加速度 Yg が大きい場合に(即ち、α値が大きく、従っ
て(1−α)値が値0に近づくほど)、左右差圧ΔPに
よる寄与分は高められ、車両運動の制御は左右制動力差
制御の方にメインを移すことができる(最終的には、即
ちα=1では制動力制御だけとなる)。
【0025】従って、低横G領域では、ヨーレイトF/
B式後輪舵角制御によって、ヨーレイトと目標ヨーレイ
トの偏差に応じて車両挙動を制御することができ、高横
G領域では、同様にヨーレイトF/B方式制動力制御で
車両挙動を制御し、ヨーレイト偏差に応じて左右輪に制
動力の差を発生させ、その制動力差を用いヨーイングモ
ーメントを制御して車両挙動の制御をすることができ、
しかも、このような車両のヨーイングをコントロールす
る2つ制御の制御分担率αを車両に発生する横加速度 Y
g に応じて適切に変更することができ、両制御を車両の
状態に対応させより効果的な領域で作動させることがで
きる。図2のような舵角制御システム(デバイス)及び
制動力制御システム(デバイス)搭載車両において、車
両運動をヨーレイトF/B制御するにあたり、夫々のシ
ステムをして最も効果的な領域で働かせることができ、
本制御に従えば、図5にその一例を示すように、4WS
(後輪操舵制御)と制動力左右配分(左右制動力差制
御)の夫々の効果的な領域で分担率を上げられ、横加速
度 Yg 領域でみて図示の一点鎖線で示す如きヨーレイト
制御効果を確保することができる。
【0026】図5に示すように、また図7に示されるよ
うに、横加速度に着目すると、制動力の左右配分による
ヨーレイト制御効果(図7のイ)は、横加速度の大小に
かかわらず、ほぼ一定の効果を発揮させることができる
一方、ヨーレイトF/B4WSは、横加速度の大小によ
って顕著な差があり、横加速度が小さければ効果は非常
に大きく、横加速度が大きくなると、大きくなるにつれ
その制御効果が減少す傾向にある(図7のハ)。4WS
は、本来、線形域(小舵角)のときに効果的なものであ
り、制動がかかったりすると効果は少なくなり、横加速
度の大きな領域ほど除々に効果は薄れていく。制動中
は、タイヤ発生力は非線形の領域となり易く、また、横
加速度が大きい場合(また、前後加速度が大きい場合
も)、その傾向は増々大きくなり、そのような非線形領
域においては4WS(操舵角制御)の効果は減少する。
これに対し、制御力左右配分制御は横加速度の各領域で
ほぼ同じ効果を得られ、横加速度の大きな非線形域にお
いてでも効果的である。よって、本実施例のように横加
速度 Yg の大小に応じて制御分担率αを変更するよう制
御することにより、後輪操舵制御はそれがより高い効果
を示す横加速度Yg の小さい非線形領域となりにくい領
域側の方で主として使用できるようにしてその効果を十
分に発揮し得るようにし、他方、非線形領域となるよう
な横加速度 Yg の大きい領域側では、当該領域の方でそ
の効果が後輪操舵制御によりも大きい制動力左右配分制
御の分担率αを上げてその効果を十分に利用し、発揮さ
せられるようにすることができ、こうした制御分担の変
更によって両制御を組み合わせた場合の効果的な使用が
行え、総合的な車両挙動の制御の効果の向上を図れるこ
とになる。
【0027】舵角制御と制動力制御との分担をいかに行
わせるのが最適かという立場から、上記の如くにその最
適化を図ることのできるようにした本制御は、それら両
制御の効果的な領域においてその分担を増加させて、夫
々の制御を適切に使い分けられる結果、制御効率の点で
もよく、かつヨーレイトF/B制御の場合にあってもそ
のヨーレイトの収束性の悪化など制御効果の悪化を避け
つつ総合的な車両運動制御の実効性を上げることができ
るものでもある。
【0028】ヨーレイト偏差の大小をみて、その偏差の
大きいときに制動力制御も加える(制動力制御の方も導
入していく)という方式と比較してみても、それは、結
局、舵角制御では効かなくなる領域(例えば、図7の場
合でいえば、横加速度が大きいような領域)においては
もはや当該制御が効かなくなるが故に、その結果として
偏差が大きくなるのであるから、そのときに制動力制御
が加わるということになるが、それでは単に偏差が大き
くなって舵角制御では不足するので制動力制御を追加す
るというものに過ぎず、効率は悪く、応答性も低い。本
実施例によれば、横加速度 Yg に応じて分担率αが決定
されるのであり、従って横加速度 Yg が大きな領域で
は、制動時の制御の当初から効果の大きい、制動力制御
が実効されていき(式3の如く、所定偏差Δ(d/dt)φに
対し、見かけ上のゲインとしてH×αが作用することに
なる)、制御性の低下を招くこともなく、効率もよい。
【0029】上記実施例では、後輪操舵系の制御はヨー
レイトフィードバック制御で説明したが、その制御だけ
でなく、通常はステアリング操舵角に応じて操舵され、
ヨーレイト偏差の生じた場合のみ、操舵されている状態
に加えて更に操舵されるものとしてもよい。また、舵角
制御は、上記の変形例の場合を含めて、後輪補助操舵だ
けに限られないことはいうまでもなく、前輪及び後輪の
少なくとも一方を補助操舵するものでも実施できる。
【0030】また、上記実施例では、横加速度センサで
検出した横加速度 Yg によって両制御の分担率を設定し
たが、これに限定されるものではない。例えば、制御分
担率αを設定するパラメータとして前後加速度を対象と
することができ、更に前後加速度 Xg も検出して、例え
ば図6のような特性に従って前後及び横加速度から分担
率αを設定するようにしてもよい。
【0031】同図の特性は、三次元のグラフによるα値
曲面のうちの3個所部分を断面的に表してあり、その3
箇所のα値曲線A〜Cの特性傾向にみられるように、α
値曲面は図の手前側ほど高目のものとなっている。具体
的には、同一 Yg 値でも前後加速度 Xg が大きい(大な
る Xg が生ずるほどにブレーキが踏まれている)ほど、
図中に代表的にα(大),(中),(小)と付記した如
く、値αは大なる値をとる(従って、逆に(1−α)値
は小なる値をとる)ように設定されている(なお、 Xg
=一定の状態でみた場合の特性A,B,Cの傾向は、こ
のα曲面特性でも、図4の傾向と同じである)。より詳
しくいえば、制御分担率α=1、あるいはα≒1であれ
ば、それは制動力制御のみか該制御中心であるところ、
特性Aの如く前後加速度 Xg が大きい領域においては、
横加速度 Yg も大きいときは(即ち、横Gも前後Gもと
もに大)、増々非線形領域に入っている状態であって、
かかる場合には、できるだけ舵角制御(4WS)の方は
これを行わずに制動力制御の方を重視するのがよい。よ
って、比較的横加速度が大きくはない領域からでもα値
は高めに設定する。
【0032】一方、横加速度 Yg が多少大きくなって
も、前後加速度 Xg が小さい場合(特性Bや、特性Cに
近いほど)、その状態ではブレーキは余り踏まれていな
いし、まだ非線形の程度も上記ケースに比べて少なくて
比線形域になりにくい。よって、そのような領域では、
舵角制御の効果も期待できるので、特性Bに示すよう
に、あるいは特性Cにみられるように、舵角制御の方の
効果も活かすべくα値特性曲面はなだらかに上げるよう
にし、(1−α)値分だけ舵角制御を車両運動制御に反
映させるのが効果的であるし効率もよいことから、図6
のような特性とすることとしたものである。非線形域に
なれば、舵角制御は効果は薄れる(横加速度が大きくな
るにつれても、前後加速度が大きくなるにつれても、そ
の場合のヨーレイト制御効果は落ちる)ものであるか
ら、この点からも横加速度だけでなく、前後加速度もパ
ラメータに加えてもよい。従って、図6の特性を適用す
るときは、横加速度 Yg 、前後加速度 Xg が小さく非線
形域になりにくい領域において、α値が小、従って値
(1−α)が大で当該領域で大きな効果がある舵角制御
の割合が高く、横加速度 Yg 大、前後加速度Xg 大の領
域になるほど、非線形域で効果の落ちる舵角制御の割合
が低められる一方、α値が大で車両挙動制御は制動力左
右配分制御へ比重が移行していく(分配度合が高められ
る)こととなり、よって、夫々の制御を Xg , Yg に合
わせて効果的に使うことができ、横加速度 Yg に加え前
後加速度 Xg をパラメータとして加味すれば、このよう
な態様でよりきめ細かな制御を実施できる。この場合も
同様に、各該当する制御の効果的な領域において夫々の
分担率を増大させ、総合的な車両挙動の制御の効果を向
上させることができ、制御の効率はよく、制御エネルギ
ーの面からみても適切にヨーレイトF/B制御で車両運
動制御を行わせることができる。なお、上記の態様で行
う場合は、パラメータを Yg , Xg とするマップ検索で
行うか、あるいは例えば基本α− Yg テーブルで検索し
たα値に対し、前後加速度 Xg に応じた修正係数をかけ
るなどしてもよい。
【0033】また、パラメータとしては、前後加速度 X
g 単独であってもよい。舵角制御は、制動時には効果が
落ちる(制動時には、制動力によりタイヤの横力が減少
し、その分、舵角制御(4WS)による効果は減少す
る)ので前後加速度をパラメータとして制動力制御の方
の分担を高めるのは有利である。かつ、前後加速度が大
きいことは、ブレーキがそれだけ踏まれていることなの
で、制動力制御における制御幅もその分大きくとり得る
ことともなり、故にこの点でも効果的であるといえる。
【0034】また、制動力制御側は上記では左右配分制
御(左右制動力差制御)としたが、これに限られず、横
加速度、前後加速度の大きな領域で大きな効果を示す制
動力前後配分制御を用いてもよい。制動力の前後配分に
よるヨーレイト制御は、ヨーレイトF/B制御の4WS
の場合の制御効果特性とは逆であって、横加速度、前後
加速度の小さな領域で効果は小さいものの、横加速度、
前後加速度の大きな非線形域で効果的なものである(図
7のロ)。従って、非線形域で制動力制御を主に使用す
る場合おいて、かかる特性の前後配分制御を用いれば制
御効率はよりよくなる。制動力制御は、左右配分、前後
配分、左右及び前後配分のいずれかの態様で実施でき、
更には左右及び前後の組合わせにおいては、それら自体
の制御分担も図7の特性に照らして効果的となるように
変更制御してもよい。なお、前後配分制御は、スプリッ
トポイント変更によるものであってもよい。
【0035】更に、設定された分担率αに応じて舵角制
御を中心に制御している場合に、後輪操舵角が最大に制
御されたときには、分担率αだけによらず制動力制御も
行うとする方式としてもよい。即ち、舵角制御がメイン
の領域は、例えば横加速度が小さい領域であるが、その
ような領域において後輪がフル転舵されるようなとき
は、舵角制御系ではそれ以上の効果は上げられない。従
って、その場合もなお設定分担率を維持して制御を実行
させることとすると、その限界に達した舵角制御をメイ
ンとして車両運動の制御がなされることになので、上記
の如く分担率にかかわらず、制動力制御を行わせるよう
にしてもよい。また、制動時に、或る分担率αで制動力
制御と後輪操舵制御をしているときに、運転者がブレー
キペダルを離した場合などには、分担率αを除々にα=
0(後輪操舵制御のみを行う状態)に変化させるなどし
て制御効果の確保を行うこととしてもよい。
【0036】更にまた、設定された分担率αに応じて、
例えば、左右配分による制動力制御を中心として制御し
ている場合に、充分に目標差圧が発生できない場合に
は、制御分担率αだけによらず、後輪舵角制御をもって
その不足分を追加できるような制御を行うとする方式と
してもよい。即ち、制動力制御をメインとする領域では
あるが、例えばその片側減圧において必要な目標左右差
圧が十分には発生できない程度に基準値P0が小さいよう
なとき(ブレーキが余り踏まれていないようなとき)に
は、左右配分制御ではそれが限界でそれ以上の効果はあ
げられないことから、そういった場合もなお、設定制御
分担率αで一律に制動力配分を維持すると、制御効果の
向上には限界が生ずる。そのような時には、その設定分
担率には関係なく、もう一方の組み合わせ制御である舵
角制御をもって、そのときの左右配分制御を補助(アシ
スト)するようにしてもよい。
【0037】更に、前記3,8式を適用する場合におい
て両制御のフィードバックゲインH,Gは定数としてい
るが、領域に応じて効果が変化することを考慮し、H,
Gも例えば横加速度の関数としてもよい。また、例えば
横加速度は他の情報からの推定値をもって検索パラメー
タに適用してもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、補助操舵制御と制動力
制御により車両運動を制御することができると共に、制
御時の車両に発生する横加速度及び前後加速度の少なく
とも一方に応じて該加速度が小さいときには補助操舵制
御の制御分担を大きく設定し、該加速度が大きいときに
は制動力制御の制御分担を大きく設定するように、制御
分担率を設定し、かく決定される制御分担率をもって夫
々の制御の効果的な領域に合わせて効率よく車両挙動を
制御することができ、総合的な車両運動の制御の実効性
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明車両の運動制御装置の概念図である。
【図2】本発明の一実施例を示すシステム図である。
【図3】同例におけるコントローラの制御プログラムの
一例を示すフローチャートである。
【図4】同プログラムで適用できる横加速度−制御分担
率の特性の一例を示す図である。
【図5】同特性によった場合の分担率変更に伴う総合的
な車両挙動制御の効果の一例を示す図である。
【図6】前後加速度も含めた場合の制御分担率特性の一
例を示す図である。
【図7】本分担制御の原理説明図で、ヨーレイト制御効
果の説明に供する図である。
【符号の説明】
1L,1R 左右前輪 2L,2R 左右後輪 3L,3R,4L,4R ブレーキディスク 5L,5R,6L,6R ホイールシリンダ 7 圧力サーボユニット 8 油圧発生源 9 コントローラ 10 ステアリングホイール 11 操舵角センサ 12 ブレーキペダル 13 踏力センサ 14 ヨーレイトセンサ 15〜18 車輪速センサ 19 横加速度センサ 31 ステアリング装置 32 後輪転舵装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 105:00 109:00 111:00 113:00 137:00 (72)発明者 丸古 直樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−239673(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 6/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪及び後の少なくとも一方を補助操
    舵制御可能であると共に、各輪の制動力を制御可能な車
    両において、 補助操舵制御における制御対象車輪の補助操舵角が目標
    値となるように制御する補助操舵制御手段と、 制動力制御における制御対象車輪の制動力が目標値とな
    るように制御する制動力制御手段と、 車両の走行状態についてステアリングホイールの操舵状
    態を含んで検出する走行状態検出手段と、 車両に発生する車両挙動を検出する車両挙動検出手段
    と、 前記走行状態検出手段の出力に基づき目標車両挙動を設
    定する目標車両挙動設定手段と、 目標車両挙動と発生車両挙動との偏差を演算する偏差演
    算手段と、 車両に発生する横加速度及び前後加速度の少なくとも一
    を検出する加速度検出手段と、 該検出手段による検出横加速度及び前後加速度の少なく
    とも一方に応じ、検出加速度が小さいときには前記補助
    操舵制御の制御分担を大きく設定し、検出加速度が大き
    いときには前記制動力制御の制御分担を大きく設定する
    ように制御分担率を設定する制御分担率設定手段と、 前記車両挙動偏差と前記制御分担率設定手段により設定
    される制御分担率とに基づき、前記補助操舵制御におけ
    る目標補助操舵角と、前記制動力制御の左右配分及び前
    後配分制御の少なくとも一方における該当制御対象車輪
    の目標制動力とを算出する演算手段とを備えることを特
    徴とする車両の運動制御装置。
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