JP3269296B2 - 運転技量検出装置及び車両運動制御装置 - Google Patents

運転技量検出装置及び車両運動制御装置

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JP3269296B2
JP3269296B2 JP29513894A JP29513894A JP3269296B2 JP 3269296 B2 JP3269296 B2 JP 3269296B2 JP 29513894 A JP29513894 A JP 29513894A JP 29513894 A JP29513894 A JP 29513894A JP 3269296 B2 JP3269296 B2 JP 3269296B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各車輪の制動用シリン
ダの流体圧を最適状態に制御して車輪のロックを防止す
るアンチスキッド制御装置や,各車輪の制動用シリンダ
の制動力を増加制御する制動力増加制御装置や,ステア
リングホイールからの操舵力に応じたアシスト力を供給
して操舵感を制御するパワーステアリング制御装置や,
四輪の操舵量を制御する四輪操舵制御装置などのような
車両運動制御装置に関し、特にそれらの制御量を設定す
るのに有効となる,運転者の運転技量を検出する運転技
量検出装置と、その運転技量検出値に応じて各制御量を
設定する車両運動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような車両運動制御装置のうち、例
えば既存の前記アンチスキッド制御装置は,既知のよう
に,制御対象となる各車輪の車輪速を検出し、また,こ
れらの車輪速を用いるなどして疑似車速を推定し、この
疑似車速と車輪速との比から当該車輪のスリップ率を算
出し、凡そ,このスリップ率が予め設定された基準スリ
ップ率を上回ったときに当該車輪はロック傾向にあると
して、当該車輪の制動用流体圧を減圧調整制御して当該
車輪速を増速し、この減圧によって当該車輪のスリップ
率が前記基準スリップ率以下となると再び制動用シリン
ダへの制動用流体圧を増圧し、所謂運転者によるポンピ
ングブレーキ的な制動力制御を自動化することにより、
車輪のロックを抑制防止すると共に舵取り効果を確保す
るようにしている。なお、前記基準スリップ率は,舵取
り効果を確保できるように,一般に10〜20%程度の
比較的小さな値に設定されている。
【0003】また、既存の前記制動力増加制御装置は,
既知のブレーキ倍力装置のように、ブレーキペダルの踏
力に応じた制動用流体圧を,例えばマスタシリンダ圧に
付加することで、当該ブレーキペダルの踏力に応じた制
動アシスト力を,制御対象車輪の制動用シリンダの制動
力に付加して、制動力を増加制御すると共にブレーキペ
ダルの踏力を軽減するようにしたものである。なお、前
記ブレーキペダルの踏力に対する制動アシスト力は、線
形,非線形に関わらず一般に,予め設定された特性に従
って一意に設定されるようにしてあり、一般にブレーキ
ペダルの踏力の増加に伴って制動アシスト力が単純増加
するように設定されている。
【0004】また、既存の前記パワーステアリング制御
装置は,その制御量が流体圧によって発現するか電動モ
ータによって発現するかに関わらず既知のように、例え
ばトーションバー等を介して検出されるステアリングホ
イールの操舵トルクに応じた操舵アシスト力を,転舵ス
テアリング系に付加することにより、転舵出力を増加制
御すると共に制御入力である操舵トルクを軽減するよう
にしたものである。なお、前記操舵トルクに対する操舵
アシスト力は、非線形に関わらず一般に,予め設定され
た特性に従って一意に設定されるようにしてあり、一般
に操舵トルクの増加に伴って操舵アシスト力が単純増加
するように設定されている。
【0005】また、既存の前記四輪操舵制御装置は,例
えば操舵入力として操舵角とそれよりも位相の進んだ操
舵角速度とを検出し、操舵角そのものは公転半径に相当
するものであるとして,当該操舵角に応じた副転舵輪の
所謂同相方向への操舵制御量を設定し、一方,操舵角速
度は回頭性を要求するものであるとして,当該操舵角速
度に応じた副転舵輪の所謂逆相方向への操舵制御量を設
定し、両操舵制御量の和から副転舵輪操舵制御量とし、
この副転舵輪操舵制御量,即ち副転舵輪操舵角を発現す
ることで回頭性を含む操縦性と走行安定性との両立を可
能とするようにしたものである。なお、前記副転舵輪操
舵制御量の算出にあたり、一般に,操舵角に対する副転
舵輪の同相方向への操舵制御量も,操舵角速度に対する
副転舵輪の逆相方向への操舵制御量も、予め設定された
特性に従って一意に設定されるようにしてあり、一般に
両者は互いに単純増加特性に従って設定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば運転
に不慣れな運転者及びその運転技量を「初級」,ごく一
般的に市街地を運転できる程度の運転者及びその運転技
量を「中級」,運転操作に熟練していて如何様な車両に
あってもあらゆる状況で速やかな対応能力を有し且つ安
全で高速走行も可能な運転者及びその運転技量を「上
級」と定義したときに、前述のような各車両運動制御装
置による車両運動制御量と運転技量との関係について考
察してみる。
【0007】例えば前記アンチスキッド制御装置を有す
る車両にあって、氷雪路面や濡れたタイル路面などの滑
り易い路面,所謂低μ路面でも,前記ポンピングブレー
キ的操作によって制動距離を確保可能な上級運転技量を
有する上級運転者にとっては、当該低μ路面でのアンチ
スキッド制御装置による制動力制御は,余程の危険回避
を除いて,さほど有効なものとなり得ない可能性があ
る。また、これ程の上級運転技量を有する上級運転者に
よれば、乾燥したアスファルト路面やコンクリート路面
等の滑りにくい路面,所謂高μ路面では,十分なブレー
キペダルの踏込みによって車輪速,ひいては車体速を急
速に減速しても、当該車輪が簡単にロックする或いはロ
ック傾向となって車両運動が不安定になることはないと
判断できるから、例えば危険回避などの目的でブレーキ
ペダルを強く踏込み,車輪をロックさせるまで或いはそ
の直前の状態まで制動力を高め、当該高μ路面における
高いタイヤグリップ力によって制動距離を短くしようと
することが考えられる。一方で、前述のような初級運転
技量しか有さない初級運転者では、前記低μ路面で簡単
に車輪がロックする或いはロック傾向となり同時に舵取
り効果が低下してしまうと,その後のパニック状態等も
含めて安全性を確保できなくなる虞れがあるため、前記
アンチスキッド制御装置による制動用流体圧の減圧タイ
ミングに係る前記基準スリップ率を比較的小さな値に設
定せざるを得ない。従って、このような基準スリップ率
が比較的小さな値に設定され,結果的に減圧タイミング
が早いアンチスキッド制御装置を有する車両にあって、
前記上級運転技量を有する上級運転者が,前述のように
高μ路面で制動距離を短縮しようとしても、各車輪に作
用する制動力は比較的小さなものとなってしまうため
に,当該上級運転者は,所謂ブレーキの効きの悪さを感
じて車両評価が低下してしまう虞れがある。
【0008】また、前述のような上級運転技量を有する
上級運転者は、ブレーキペダルの踏込み量及び当該ブレ
ーキペダルを介した路面からのキックバックや反発力等
の感じから、路面μや車輪速の状態等を読取ることで
き、またそれが故に前述のようなポンピングブレーキ的
操作も可能となると言える。一方で、前記初級運転技量
しか有さない初級運転者は、一般に制動の開始時にブレ
ーキペダルの踏込み量が小さく,制動力の小さい状態か
ら、徐々にブレーキペダルを踏増ししていって制動力が
大きくなる傾向にあり、それが故に制動距離が長じた
り,車速が低下した制動後期の制動力過大によって車輪
がロックする或いはロック傾向となったりして、安全性
が確保できなくなることが多い。従って、この種の初級
運転者を想定すると、例えば前記制動力増加制御装置
で,ブレーキペダルの踏力に対する制動力の増加量の利
得(ゲイン)は比較的大きく設定しなければならないこ
とになるから、前記制動アシスト力も大きくなる。とこ
ろが、このように制動に係るアシスト力が大きくなる
と、前記ブレーキペダルから感じられる路面のキックバ
ックや反発力は相対的に小さくなることになり、それが
故に前記のような上級運転者であっても路面μや車輪速
の状態等を読取りにくくなり、その優れた上級運転技量
が発揮できずに車両評価が低下してしまう虞れがある。
【0009】また、前述のような上級運転技量を有する
上級運転者は、ステアリングホイールの操舵量及び当該
ステアリングホイールを介した路面からのキックバック
や反発力(これらが凡そ操舵トルクに相当する)等の感
じから、路面μや車輪の横滑り状態等を読取ることがで
き、またそれが故に高速旋回走行での微妙な操舵量調整
が可能となると言える。一方で、前記初級運転技量しか
有さない初級運転者は、一般に旋回走行の開始時にステ
アリングホイールの操舵量が小さく、徐々にステアリン
グホイールを切増しする傾向にあり、それが故に回頭性
がよくなかったり,旋回走行後期に操舵量過大となった
りして、安全性が確保できなくなることが多い。従っ
て、この種の初級運転者を想定すると、例えば前記パワ
ーステアリング制御装置で,操舵トルクに対するアシス
ト力の利得(ゲイン)を比較的大きく設定しなければな
らなくなり、結果的に小さな操舵トルクに対してもアシ
スト力は大きくなる。ところが、このように操舵に係る
アシスト力が大きくなると、前記ステアリングホイール
から感じられる路面のキックバックや反発力は相対的に
小さくなることになり、それが故に前記のような上級運
転者であっても路面μや車輪の横滑り状態等を読取りに
くくなり、その優れた上級運転技量が発揮できずに車両
評価が低下してしまう虞れがある。
【0010】また、前述のような上級運転技量を有する
上級運転者は、高μ路面での旋回走行時には,その旋回
走行初期にステアリングホイールを速やかに操舵して回
頭性を高め,その後の旋回走行中期以後はステアリング
ホイールの操舵角速度を低下させて高速旋回走行時の走
行安定性を高める。一方、この種の上級運転者は、低μ
路面での旋回走行時には,車速を十分に低下させてから
ゆっくりとステアリングホイールを操舵し、その結果,
車両に発生するヨーイング運動量や横加速度が,タイヤ
のグリップ力を越えてしまうことのないようにして、当
該低μ路面での走行安定性を確保する。ところが、前記
初級運転技量しか有さない初級運転者では、このような
路面μに対する車速と操舵角速度との調整ができかねる
場合が多く、従って特に低μ路面等で操舵角速度が大き
過ぎる,所謂急ハンドル操作を行って安全性が確保でき
なくなる虞れがある。従って、この種の初級運転者を想
定すると、例えば前記四輪操舵制御装置で,操舵角速度
に対する副転舵輪の逆相方向への操舵制御量の利得(ゲ
イン)を比較的小さく設定しなければならなくなり、従
って前記上級運転者が高μ路面で回頭性を得るためにス
テアリングホイールを速い速度で切増ししても,副転舵
輪の逆相方向への操舵制御量が小さくなり、結果的にヨ
ーモーメントの立ち上がりが遅くなって所望する回頭性
を得ることができず、車両評価が低下してしまう虞れが
ある。
【0011】これらの諸問題は、基本的に車両側で運転
者の運転技量を検出することができないという実状に基
づいたものであり、若し運転者の運転技量を検出するこ
とができれば,それに応じて各車両運動制御装置のゲイ
ンを変更設定し、所望する車両運動を達成することが可
能であるが、少なくとも現時点では,運転者の運転技量
を検出する装置や方法は開発されていない。
【0012】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、運転者の運転技量を検出することを可能
とし、その検出結果に基づいて運転技量に応じた所望す
る車両運動を達成することのできる運転技量検出装置及
び車両運動制御装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記諸問題を解決するた
め、本発明のうち請求項1に係る運転技量検出装置は、
図1の基本構成図に示すように、車両に発生する運動状
態量を検出する車両運動状態量検出手段と、ステアリン
グホイールの操舵状態量を検出する操舵状態量検出手段
と、前記車両運動状態量検出手段で検出された車両運動
状態量検出値及び前記操舵状態量検出手段で検出された
操舵状態量検出値の相関係数に基づいて運転者の運転技
量を検出する運転技量検出手段とを備えたことを特徴と
するものである。
【0014】また、本発明のうち請求項2に係る運転技
量検出装置は、図1の基本構成図に示すように、前記車
両運動状態量検出手段が、各車輪のスリップ量を検出す
るスリップ量検出手段を備え、前記操舵状態量検出手段
が、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検
出手段を備え、前記運転技量検出手段が、前記スリップ
量検出手段で検出されたスリップ量検出値及び前記操舵
角検出手段で検出された操舵角検出値の相関係数に基づ
いて車輪スリップ時の運転者の車両姿勢立直し技量を検
出する車両姿勢立直し技量検出手段を備えたことを特徴
とするものである。
【0015】また、本発明のうち請求項3に係る運転技
量検出装置は、図1の基本構成図に示すように、前記車
両運動状態量検出手段が、車両に発生するヨーイング運
動量を検出するヨーイング運動量検出手段を備え、前記
操舵状態量検出手段が、ステアリングホイールの操舵角
を検出する操舵角検出手段を備え、前記運転技量検出手
段が、前記ヨーイング運動量検出手段で検出されたヨー
イング運動量検出値及び前記操舵角検出手段で検出され
た操舵角検出値の相関係数に基づいて旋回走行時の運転
者の曲路走破技量を検出する曲路走破技量検出手段を備
えたことを特徴とするものである。
【0016】また、本発明のうち請求項4に係る運転技
量検出装置は、図1の基本構成図に示すように、前記車
両運動状態量検出手段が、車両の前後方向車速を検出す
る車速検出手段を備え、前記操舵状態量検出手段が、ス
テアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段
を備え、前記運転技量検出手段が、前記車速検出手段で
検出された車速検出値及び前記操舵角検出手段で検出さ
れた操舵角検出値の相関係数に基づいて高速走行時の運
転者の高速走行対応技量を検出する高速走行対応技量検
出手段を備えたことを特徴とするものである。
【0017】また、本発明のうち請求項5に係る車両運
動制御装置は、図1の基本構成図に示すように、前記各
運転技量検出手段と、前記運転技量検出手段で検出され
た運転技量検出値に基づいて,車両に設けられた車両運
動制御手段の制御量を設定する車両運動制御量設定手段
とを備えたことを特徴とするものである。また、本発明
のうち請求項6に係る車両運動制御装置は、図1の基本
構成図に示すように、前記車両運動制御手段が,アンチ
スキッド制御手段を備え、前記車両運動制御量設定手段
が、前記運転技量検出手段で検出された運転技量検出値
が高くなると共に制動に係る制動操作力を優先し,当該
運転技量検出値が低くなると共に制動距離を優先するよ
うに制御量である制動力を設定する制動力設定手段を備
えたことを特徴とするものである。
【0018】また、本発明のうち請求項7に係る車両運
動制御装置は、図1の基本構成図に示すように、前記車
両運動制御手段が,制動力を増加する制動力増加制御手
段を備え、前記車両運動制御量設定手段が、前記運転技
量検出手段で検出された運転技量検出値が高くなると共
に制動力の増加量を小さくし,当該運転技量検出値が低
くなると共に制動力の増加量を大きくするように制御量
である制動力の増加量を設定する制動力増加量設定手段
を備えたことを特徴とするものである。
【0019】また、本発明のうち請求項8に係る車両運
動制御装置は、図1の基本構成図に示すように、前記車
両運動制御手段が,パワーステアリング制御手段を備
え、前記車両運動制御量設定手段が、前記運転技量検出
手段で検出された運転技量検出値が高くなると共にステ
アリングホイールの操舵感が固く,当該運転技量検出値
が低くなると共にステアリングホイールの操舵感が柔ら
かくなるように制御量である操舵アシスト力を設定する
操舵アシスト力設定手段を備えたことを特徴とするもの
である。
【0020】また、本発明のうち請求項9に係る車両運
動制御装置は、図1の基本構成図に示すように、前記車
両運動制御手段が,四輪操舵制御手段を備え、前記車両
運動制御量設定手段が、前記運転技量検出手段で検出さ
れた運転技量検出値が高くなると共に車両の回頭性を優
先し,当該運転技量検出値が低くなると共に車両の安定
性を優先するように制御量である各車輪の操舵量を設定
する操舵量設定手段を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0021】
【作用】而して、本発明のうち請求項1に係る運転技量
検出装置では、図1の基本構成図に示すように、車両に
設けられた前記車両運動状態量検出手段が,例えば各車
輪間のスリップ量やヨーレート等のヨーイング運動量や
車速等の車両運動状態量を検出し、一方,前記操舵状態
量検出手段が,操舵角や操舵角速度等のステアリングホ
イールの操舵状態量を検出し、前記運転技量検出手段で
は,前記車両運動状態検出手段で検出された各車両運動
状態量検出値と操舵状態量検出手段で検出された操舵状
態量検出値との相関係数を,周知の統計解析学式等に基
づいて算出し、更にこの相関係数を,例えば前述のよう
に実験値等から予め設定した運転技量に係る相関係数閾
値と比較判定するなどにより,当該相関係数に相当する
運転技量を判別することで運転者の運転技量を検出する
ことができる。
【0022】また、本発明のうち請求項2に係る運転技
量検出装置では、図1の基本構成図に示すように、前記
車両運動状態量検出手段に備えられたスリップ量検出手
段が,例えば駆動輪と非駆動輪との間で発生するスリッ
プ量等のように各車輪のスリップ量を検出し、一方,前
記操舵状態量検出手段に備えられた操舵角検出手段が,
例えば後輪駆動車両におけるカウンタステア等の操舵量
をステアリングホイールの操舵角として検出し、従って
前記運転技量検出手段に備えられた車両姿勢立直し技量
検出手段では,前記スリップ量検出手段で検出されたス
リップ量検出値と前記操舵角検出手段で検出された操舵
角検出値との相関係数を,周知の統計解析学式等に基づ
いて算出し、更にこの相関係数を,例えば前述のように
実験値等から予め設定したスリップ時の車両姿勢立直し
技量に係る相関係数閾値と比較判定するなどにより,当
該相関係数に相当する車両姿勢立直し技量を判別するこ
とで運転者のスリップ時の車両姿勢立直し技量を検出す
ることができる。
【0023】また、本発明のうち請求項3に係る運転技
量検出装置では、図1の基本構成図に示すように、前記
車両運動状態量検出手段に備えられたヨーイング運動量
検出手段が,例えば旋回中に発生するヨーレート等のよ
うに車両に発生するヨーイング運動量を検出し、一方,
前記操舵状態量検出手段に備えられた操舵角検出手段
が,例えば一回の旋回走行における最大操舵量をステア
リングホイールの操舵角として検出し、従って前記運転
技量検出手段に備えられた曲路走破技量検出手段では,
前記ヨーイング運動量検出手段で検出されたヨーイング
運動量検出値と前記操舵角検出手段で検出された操舵角
検出値との相関係数を,周知の統計解析学式等に基づい
て算出し、更にこの相関係数を,例えば前述のように実
験値等から予め設定した旋回走行時の運転技量に係る相
関係数閾値と比較判定するなどにより,当該相関係数に
相当する曲路走破技量を判別することで運転者の曲路走
破技量を検出することができる。
【0024】また、本発明のうち請求項4に係る運転技
量検出装置では、図1の基本構成図に示すように、前記
車両運動状態量検出手段に備えられた車速検出手段が,
当該車両の前後方向車速を検出し、一方,前記操舵状態
量検出手段に備えられた操舵角検出手段が,例えば一回
の旋回走行における最大操舵量をステアリングホイール
の操舵角として検出し、従って前記運転技量検出手段に
備えられた高速走行対応技量検出手段では,前記車速検
出手段で検出された車速検出値と前記操舵角検出手段で
検出された操舵角検出値との相関係数を,周知の統計解
析学式等に基づいて算出し、更にこの相関係数を,例え
ば前述のように実験値等から予め設定した高速走行時の
運転技量に係る相関係数閾値と比較判定するなどによ
り,当該相関係数に相当する高速走行対応技量を判別す
ることで運転者の高速走行対応技量を検出することがで
きる。
【0025】また、本発明のうち請求項5に係る車両運
動制御装置では、図1の基本構成図に示すように、前記
各運転技量検出手段で検出された運転技量検出値に基づ
いて、車両運動制御量設定手段が,車両に設けられた車
両運動制御手段の制御量を設定するため、例えば前記運
転技量検出手段で検出された運転技量検出値が,運転に
熟達した前記上級運転者のそれのように高い場合には、
本来の車両特性が引き出せるように前記各車両運動制御
手段の制御量を設定することで,車両評価を向上するこ
とができるし、また前記運転技量検出手段で検出された
運転技量検出値が,運転に不慣れな前記初級運転者のそ
れのように低い場合には、車両の走行安全性が高まるよ
うに前記各車両運動制御手段の制御量を設定すること
で,車両評価が向上することができる。
【0026】また、本発明のうち請求項6に係る車両運
動制御装置では、図1の基本構成図に示すように、前記
車両運動制御量設定手段に備えられた制動力設定手段
が,前記前記車両運動制御手段に備えられたアンチスキ
ッド制御手段の制御量である制動力を,運転技量検出手
段で検出された運転技量検出値が高くなると共に制動に
係る制動操作力を優先し,当該運転技量検出値が低くな
ると共に制動距離を優先するように設定するため、例え
ば前記運転技量検出手段で検出された運転技量検出値
が,運転に熟達した前記上級運転者のそれのように高い
場合には、例えばアンチスキッド制御手段の制御量であ
る制動力が,ブレーキペダルの踏力に応じたものとなる
ように,減圧タイミングに係る前記基準スリップ率を大
きな値に変更設定することで、例えば高μ路面での制動
距離を短縮して車両評価を向上することができるし、ま
た前記運転技量検出手段で検出された運転技量検出値
が,運転に不慣れな前記初級運転者のそれのように低い
場合には、例えば減圧タイミングに係る基準スリップ率
を小さな値に変更設定して制御対象車輪が早期にロック
する或いはロック傾向となるのを回避することで、例え
ば低μ路面での制動距離を確保して車両評価を向上する
ことができる。
【0027】また、本発明のうち請求項7に係る車両運
動制御装置では、図1の基本構成図に示すように、前記
車両運動制御量設定手段に備えられた制動力増加量設定
手段が,前記車両運動制御手段に備えられた制動力増加
制御手段の制御量である制動力の増加量を,前記運転技
量検出手段で検出された運転技量検出値が高くなると共
に小さくし,当該運転技量検出値が低くなると共に大き
くするように設定するため、例えば前記運転技量検出手
段で検出された運転技量検出値が,運転に熟達した前記
上級運転者のそれのように高い場合には、例えば制動力
に増加される制動アシスト力が小さくなるから,ブレー
キペダルを介した路面からのキックバックや反発力を感
じ易くなって路面μや車輪のスリップ状態を読取り易く
なり、当該上級運転者による運転制御性が向上して車両
評価を向上することができるし、また前記運転技量検出
手段で検出された運転技量検出値が,運転に不慣れな前
記初級運転者のそれのように低い場合には、例えば制動
初期等に制動力に増加される制動アシスト力が大きくな
るから,制動距離を確保或いは短縮することが可能とな
り、当該初級運転者であっても運転安全性が向上して車
両評価を向上することができる。
【0028】また、本発明のうち請求項8に係る車両運
動制御装置では、図1の基本構成図に示すように、前記
車両運動制御量設定手段に備えられた操舵アシスト力設
定手段が,前記車両運動制御手段に備えられたパワース
テアリング制御手段の制御量である操舵アシスト力を,
前記運転技量検出手段で検出された運転技量検出値が高
くなると共にステアリングホイールの操舵感が固く,当
該運転技量検出値が低くなると共にステアリングホイー
ルの操舵感が柔らかくなるように設定するために、例え
ば前記運転技量検出手段で検出された運転技量検出値
が,運転に熟達した前記上級運転者のそれのように高い
場合には、例えばステアリングホイールの操舵感が固く
なる,即ち操舵力(操舵トルク)に増加される操舵アシ
スト力が小さくなって,ステアリングホイールを介した
路面からのキックバックや反発力を感じ易くなって路面
μや車輪の横滑り状態を読取り易くなり、当該上級運転
者による運転制御性が向上して車両評価を向上すること
ができるし、また前記運転技量検出手段で検出された運
転技量検出値が,運転に不慣れな前記初級運転者のそれ
のように低い場合には、例えばステアリングホイールの
操舵感が柔らかくなる,即ち旋回初期等に操舵力(操舵
トルク)に増加される操舵アシスト力が大きくなるか
ら,旋回走行を確保することが可能となり、当該初級運
転者であっても運転安全性が向上して車両評価を向上す
ることができる。
【0029】また、本発明のうち請求項9に係る車両運
動制御装置では、図1の基本構成図に示すように、前記
車両運動制御量設定手段に備えられた操舵量設定手段
が,車両運動制御手段に備えられた四輪操舵制御手段の
制御量である各車輪の操舵量を,前記運転技量検出手段
で検出された運転技量検出値が高くなると共に車両の回
頭性を優先し,当該運転技量検出値が低くなると共に車
両の安定性を優先するように設定するため、例えば前記
運転技量検出手段で検出された運転技量検出値が,運転
に熟達した前記上級運転者のそれのように高い場合に
は、例えば四輪操舵制御手段の制御量である副転舵輪の
逆相方向への操舵量が大きくなるように,例えば操舵角
速度に係るゲインを大きな値に変更設定することで、例
えば高μ路面でのきびきびとした旋回性能や操縦性を得
て車両評価を向上することができるし、また前記運転技
量検出手段で検出された運転技量検出値が,運転に不慣
れな前記初級運転者のそれのように低い場合には、例え
ば前記副転舵輪の逆相方向への操舵量が小さくなるよう
に,例えば操舵角速度に係るゲインを小さな値に変更設
定することで、例えば低μ路面での旋回走行安定性を得
て車両評価を向上することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の運転技量検出装置及び車両運
動制御装置の各実施例を添付図面に基づいて説明する。
図2は本発明の運転技量検出装置及び車両運動制御装置
を,既存のアンチスキッド制御装置に展開した第1実施
例である。このアンチスキッド制御装置の基本的な構成
は,従来既存のものと同様又はほぼ同様であるために、
その具体的な構成については簡潔に説明する。なお、こ
の車両は後輪駆動車両であるものとする。
【0031】即ち、前左右輪9L,9Rの前左右ブレー
キロータ24FL,24FRに対して前左右ホイールシ
リンダ25FL,25FRが配設され、後左右輪6L,
6Rの後左右ブレーキロータ24RL,24RRに対し
て後左右ホイールシリンダ25RL,25RRが配設さ
れているが、各ホイールシリンダ25FL〜25RRに
供給される流体圧,具体的にはブレーキ液圧がアクチュ
エータ23によって調整される。
【0032】このアクチュエータ23は図2に示すよう
に、前左右輪9L,9Rのホイールシリンダ25FL,
25FRへのブレーキ液圧(単にホイールシリンダ圧と
も記す)を、マスタシリンダ22からのマスタシリンダ
圧PM に加えて例えば前輪用ポンプ27Fから供給して
増圧したり,当該ホイールシリンダ25FL,25FR
から前輪用ポンプ27Fに戻して減圧したり,当該ホイ
ールシリンダ25FL,25FRへの流入出系を遮断し
て保持したりして、夫々個別に制御可能な二つの3ポー
ト3位置電磁方向切換弁(以下,単に前左右輪用電磁方
向切換弁とも記す)26FL,26FRと、後左右輪6
L,6Rのホイールシリンダ25RL,25RRのホイ
ールシリンダ圧を、マスタシリンダ22からのマスタシ
リンダ圧PM に加えて例えば後輪用ポンプ27Rから供
給して増圧したり,当該ホイールシリンダ25RL,2
5RRから後輪用ポンプ27Rに戻して減圧したり,当
該ホイールシリンダ25RL,25RRへの流入出系を
遮断して保持したりして、同時に制御可能な3ポート3
位置電磁方向切換弁(以下,単に後輪用電磁方向切換弁
とも記す)26Rとを備えている。なお、図中,38F
は前輪用アキュームレータ、39Fは前輪用リザーバタ
ンク、38Rは後輪用アキュームレータ、39Rは後輪
用リザーバタンクである。
【0033】そして、各電磁方向切換弁26FL〜26
Rの夫々は、ノーマルの第1の切換位置でマスターシリ
ンダ22及びポンプ27F,27Rの吐出側と各ホイー
ルシリンダ25FL〜25RRとを直接接続して増圧状
態とし、第2の切換位置でホイールシリンダ25FL〜
25RRとマスターシリンダ22及びポンプ27F,2
7Rとの間を遮断して保持状態とし、更に第3の切換位
置でホイールシリンダ25FL〜25RRとマスターシ
リンダ22との間をポンプ27F,27Rの吸入側に接
続して減圧状態とし、これらの切換位置が後述するコン
トロールユニット40から供給される3段階の電圧値を
有する駆動信号PFL,PFR,PR によって切換制御され
る。なお、この駆動信号PFL,PFR,PR の添字は,夫
々前記電磁方向切換弁26FL,26FR,26Rに合
致しており、コントロールユニット40内で設定される
各ブレーキ液圧モード(ホイールシリンダ圧モード)が
前記増圧状態,保持状態,減圧状態を意味するから、各
ホイールシリンダ圧モードが設定されて,それに応じた
駆動信号PFL,PFR,PR が各電磁方向切換弁26F
L,26FR,26Rに出力されると、当該ホイールシ
リンダ圧が増圧状態,保持状態,減圧状態の何れかに選
択設定される。また、実質的な各電磁方向切換弁26F
L〜26Rの制御は所謂PWM(Pulse Width Modulati
on)等によるチョッピング制御によって行われており、
従って後述するホイールシリンダ圧緩増圧モードは,前
記増圧状態と保持状態とを所定時間毎に繰り返して選択
設定することで達成され、これにより当該ホイールシリ
ンダ圧は見掛け上,比較的ゆっくりと増圧される。ま
た、前記各ポンプ27F,27Rはホイールシリンダ圧
減圧モード時にのみ回転駆動されればよく、従って後述
するコントロールユニット40内で減圧モードが設定さ
れると当該コントロールユニット40からポンプ駆動信
号DPF,DPRが出力され、この駆動信号DPF,DPRによ
って各ポンプ27F,27Rが回転駆動される。
【0034】一方、車両には、図示を省略したステアリ
ングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ41と、
車両の前後方向車速を検出する車速センサ42と、車両
に実際に発生しているヨーレートをヨーイング運動量と
して検出する実ヨーレートセンサ43と、各輪の車輪速
を検出する車輪速センサ46FL〜46Rと、これらの
センサからの検出信号に基づいて前記駆動信号PFL〜P
R を出力して前記各電磁方向切換弁26FL〜26Rの
切換位置を制御し並びに駆動信号DPF,DPRを出力して
前記各ポンプ27F,27Rを制御するコントロールユ
ニット40とを備えてなる。
【0035】前記操舵角センサ41は、ステアリングホ
イール10の操舵角に応じ且つ当該ステアリングホイー
ル10を右切りしたときに正値,左切りしたときに負値
となる電圧出力からなる操舵角検出値θをコントロール
ユニット40に出力する。また、前記車速センサ42
は、車両前方車速に応じて正方向に増加する電圧出力か
らなる車速検出値Vをコントロールユニット40に出力
する。また、ヨーレートセンサ43は、実際に車両に発
生している実ヨーレートに比例し且つ右旋回で正値,左
旋回で負値となる電圧出力からなる実ヨーレート検出値
ψ’をコントロールユニット40に出力する。また、前
記車輪速センサのうち,前左右輪速センサに相当する車
輪速センサ46FL,46FRは夫々前左右輪9L,9
Rのアクスルシャフトに取付けられ、これらの車輪回転
数に応じた周波数の正弦波電圧信号からなる前左右輪速
検出値VwFL,VwFRをコントロールユニット40に出
力し、前記後輪速センサに相当する車輪速センサはプロ
ペラシャフト3に取付けられ、後左右輪6RL,6RR
の平均回転数に応じた周波数の正弦波電圧信号からなる
後輪速検出値VwR をコントロールユニット40に出力
する。また、車両には図示されない車両前後方向加速度
を検出する前後加速度センサも取付けられており、後述
するコントロールユニット40に前後加速度検出値Xg
を出力するものとする。
【0036】前記コントロールユニット40は、図3に
明示するように、主としてアンチスキッド制御装置の車
輪速追従制御に必要な演算処理を実行するためのマイク
ロコンピュータ(以下,ABSマイクロコンピュータと
も記す)52を備え、更に前記ABSマイクロコンピュ
ータ52からの制御信号SFL〜SR に応じて前記駆動信
号PFL〜PR を供給して前記アクチュエータ23の電磁
方向切換弁26FL〜26Rのソレノイドを励磁する駆
動回路54a〜54c及び制御信号MF ,MRに応じて
前記駆動信号DMF,DMRを供給して前記ポンプ27F,
27Rを回転駆動する駆動回路54d,54eとを備え
ている。
【0037】そして、前記ABSマイクロコンピュータ
52は、前記各センサ41〜43,46FL〜46Rか
らの検出信号を各検出値として読込むための波形整形機
能やF/V変換機能やA/D変換機能等を有する入力イ
ンタフェース回路52aと、マイクロプロセサ等の演算
処理装置52bと、ROM,RAM等の記憶装置52c
と、前記演算処理装置52bで得られたホイールシリン
ダ圧モード制御信号S FL〜SR 及びポンプモータ制御信
号MF ,MR をアナログ信号として出力するためのD/
A変換機能を有する出力インタフェース回路52dとを
備えている。このABSマイクロコンピュータ52で
は、主として後段に詳述する図9の演算処理に従って,
前記各車輪速検出値(以下,単に車輪速とも記す)Vw
i (i=FL〜R)を用いて例えば後述する図8の演算
処理に従って疑似車速Vi を算出し、合わせて各車輪加
減速度V'wj を算出すると共に、前記疑似車速Vi を用
いて各輪のスリップ率Si を算出し、前記各車輪加減速
度V'wi が所定の負の車輪加減速度閾値α以下となると
高圧保持モードを選択し、更に前記スリップ率Si が基
準スリップ率Si0以上となると減圧モードを選択し、そ
の後,前記各車輪加減速度V'wi が所定の正の車輪加減
速度閾値β以上となると低圧保持モードを選択し、然る
後,前記スリップ率Si が基準スリップ率Si0より小さ
くなり且つ各車輪加減速度V'wi が所定の正の車輪加減
速度閾値βより小さくなると緩増圧モードを選択し、少
なくとも前記緩増圧モードが選択される条件下で前記ア
ンチスキッド制御フラグASをセットし、このアンチス
キッド制御フラグASがリセットされているか又はアン
チスキッド制御を行う必要のないときに急増圧モードを
選択して、ホイールシリンダ圧制御を行うが、この図9
の演算処理にマイナプログラムとして組込まれた図7の
演算処理に従って,前記各車輪速検出値(以下,単に車
輪速とも記す)Vwi (i=FL〜R),操舵角検出値
(以下,単に操舵角とも記す)θ,車速検出値(以下,
単に車速とも記す)V,実ヨーレート検出値(以下,単
に実ヨーレートとも記す)ψ' に基づいて運転者の運転
技量を検出して、その運転技量に見合う運転技量フラグ
TQを設定すると共に、前記図9の演算処理では,この
運転技量フラグFTQに応じて前記基準スリップ率Si0
変更設定する。そして、前記ホイールシリンダ圧モード
が選択されると夫々に応じたホイールシリンダ圧モード
制御信号SFL〜SR が,図示されない個別な演算処理に
よって形成出力され、また前記ホイールシリンダ圧の減
圧モードが選択されるとそれに応じたポンプモータ制御
信号MF ,MR が,図示されない個別な演算処理によっ
て形成出力される。
【0038】そして、前記ABSマイクロコンピュータ
52から出力されるホイールシリンダ圧モード制御信号
FL〜SR は、前記駆動回路54a〜54cにより,前
記各電磁方向切換弁26FL〜26Rへの駆動電圧パル
ス信号PFL〜PR に変換出力され、前記ABSマイクロ
コンピュータ52から出力されるポンプモータ制御信号
F ,MR は、前記駆動回路54d,54eにより,前
記各ポンプ27F,27Rのポンプモータへの回転駆動
信号DMF,DMRに変換出力される。
【0039】次に、運転技量を検出するために、例えば
実験車両として後輪駆動車両を用い、前記操舵状態量と
して,所謂カウンタステアに相当する逆操舵角θCTN
検出して、この逆操舵角θCTN と,車両運動状態量とし
て例えば駆動輪−非駆動輪間のスリップ量,即ち駆動輪
である後輪6L,6Rの平均後輪速VwR と非駆動輪で
ある前輪9L,9Rの平均前輪速(VwFL+VwFR)/
2との前後輪速差ΔVwR-F の相関について考えると、
前記初級運転技量しか有さない初級運転者では,両者の
相関が,所謂統計解析学に言う無相関状態であるのに対
して、前記中級運転技量を有する中級運転者から上級運
転技量を有する上級運転者になるにつれて,両者の相関
は,所謂正方向に強くなる。つまり、この場合は図4に
示すように,運転技量が高くなるにつれて両者の相関係
数ρ(Slip)は正方向に増加し(但し、−1≦ρ(Sli
p)≦1)、車両のステアリング特性に応じてスリップ
する車両姿勢を立直す技量が高くなっていることが分か
る。従って、例えば初級運転者の前後輪速差ΔVwR-F
−逆操舵角θCTN の相関係数ρ(Slip)の実験値の最大
値を車両姿勢立直し技量中級閾値ρ(Slip)MDL とし、
上級運転者の前後輪速差ΔVwR-F −逆操舵角θCTN
相関係数ρ(Slip)の実験値の最小値を車両姿勢立直し
技量上級閾値ρ(Slip)EXP とし、前述のようにして算
出した車両姿勢立直し相関係数ρ(Slip)が前記車両姿
勢立直し技量中級閾値ρ(Slip)MDL より大きければ,
当該運転者は,車両姿勢立直し技量に関して中級以上の
運転技量を有すると判別し、この車両姿勢立直し相関係
数ρ(Slip)が前記車両姿勢立直し技量上級閾値ρ(Sl
ip)EXP より大きければ,当該運転者は車両姿勢立直し
技量に関して上級の運転技量を有すると判別できる。
【0040】また、前記操舵状態量として,一回の旋回
走行における最大操舵角θMAX を検出して、この最大操
舵角θMAX と,車両運動状態量として例えばヨーイング
運動量であるヨーレートψ' との相関について考える
と、前記初級運転技量しか有さない初級運転者では,両
者の相関が無相関状態であるのに対して、前記中級運転
技量を有する中級運転者では,両者の相関が強い正の相
関を示したが、前記上級運転技量を有する上級運転者で
は,両者の正の相関がやや弱くなった。この中級運転者
と上級運転者とのヨーレートψ' −最大操舵角θMAX
相関の逆転は、上級運転者が,ヨーイング運動量をステ
アリングホイールの操舵量のみならず,ブレーキ操作や
アクセル操作等によって調整制御するためであると考え
られ、つまり、この場合は図5に示すように,初級運転
者の両者の相関係数ρ(ψ')よりも上級運転者のそれが
正方向に大きく、更に中級運転者のそれが正方向に大き
くなり(但し、−1≦ρ(ψ')≦1)、運転技量が高く
なるにつれて、旋回走行の技量,更に言うならば曲路を
走破する技量が高くなっていることが分かる。従って、
例えば初級運転者のヨーレートψ' −最大操舵角θMAX
の相関係数ρ(ψ')の実験値の最大値を曲路走破技量中
級閾値ρ(ψ')MDL とし、中級運転者のヨーレートψ'
−最大操舵角θMAX の相関係数ρ(ψ')の実験値の最小
値を曲路走破技量上級閾値ρ(ψ')EXP とし、前述のよ
うにして算出した曲路走破相関係数ρ(ψ')が前記曲路
走破技量中級閾値ρ(ψ')MDL より大きければ,当該運
転者は,曲路走破技量に関して中級以上の運転技量を有
すると判別し、この曲路走破相関係数ρ(ψ')が前記曲
路走破技量上級閾値ρ(ψ')EXP より小さければ,当該
運転者は曲路走破技量に関して上級の運転技量を有する
と判別できる。
【0041】また、前記操舵状態量として,一回の旋回
走行における最大操舵角θMAX を検出して、この最大操
舵角θMAX と,車両運動状態としての車速Vとの相関に
ついて考えると、前記初級運転技量しか有さない初級運
転者では,両者の相関が無相関状態であるのに対して、
前記中級運転技量を有する中級運転者では,両者の相関
が強い正の相関を示したが、前記上級運転技量を有する
上級運転者では,両者の正の相関がやや弱くなった。こ
の中級運転者と上級運転者との車速V−最大操舵角θ
MAX の相関の逆転は、上級運転者が,旋回走行のマキシ
マム近傍で所謂カウンタステア等の逆操舵を行うことが
あるためであると考えられ、つまり、この場合は図6に
示すように,初級運転者の両者の相関係数ρ(V)より
も上級運転者のそれが正方向に大きく、更に中級運転者
のそれが正方向に大きくなり(但し、−1≦ρ(V)≦
1)、運転技量が高くなるにつれて、高速走行での対応
技量が高くなっていることが分かる。従って、例えば初
級運転者の車速V−最大操舵角θMAX の相関係数ρ
(V)の実験値の最大値を高速走行対応技量中級閾値ρ
(V)MDL とし、中級運転者の車速V−最大操舵角θ
MAX の相関係数ρ(V)の実験値の最小値を高速走行対
応技量上級閾値ρ(V)EXP とし、前述のようにして算
出した高速走行対応相関係数ρ(V)が前記高速走行対
応技量中級閾値ρ(V)MDL より大きければ,当該運転
者は,高速走行対応技量に関して中級以上の運転技量を
有すると判別し、この高速走行対応相関係数ρ(V)が
前記高速走行対応技量上級閾値ρ(V)EXP より小さけ
れば,当該運転者は高速走行対応技量に関して上級の運
転技量を有すると判別できる。
【0042】従って、これらの各車両運動状態量と操舵
状態量との相関係数を算出すれば、当該相関係数に相応
する各運転技量を,予め設定した相関係数閾値との判別
により検出することができ、それらを総合して運転者の
総合運転技量を判別により検出することも可能となる。
これらをまとめてテーブル化したものが次の表1及び表
2になる。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】そこで、本実施例の運転技量検出装置で
は、所謂トラクションロスによって前記前後輪速差ΔV
R-F が正方向に発生したときから,車両が旋回走行に
移行したとして、所定のサンプリング時間ΔT毎に前後
輪速差ΔVwR-F ,実ヨーレートψ' ,操舵角θ及び旋
回方向と逆方向への逆操舵角θCTN を記憶し、その旋回
運動が収束したときまでの操舵角θの絶対値から最大操
舵角θMAX を選出してシフトレジスタに記憶し、この最
大操舵角θMAX が選出されたときの前後輪速差ΔVw
R-F ,実ヨーレートψ' 及び逆操舵角θCTN を選出して
夫々個別のシフトレジスタに記憶する。そして、これら
の各データが所定個数N0 個記憶されたとき,即ち旋回
走行がN0 回繰り返された後の各データの前記各相関係
数ρ(Slip),ρ(ψ'),ρ(V)を算出し、それら全
ての相関係数ρ(Slip),ρ(ψ'),ρ(V)が前記運
転技量中級閾値ρ(Slip)MDL ,ρ(ψ')MDL ,ρ
(V)MDL以上であるときに,当該運転者の運転技量は
前記中級運転技量以上であると見なして,運転技量フラ
グFTQを中級者値FTQMDL にセットする。更に、当該運
転技量フラグFTQが所定回数M0 回セットされ続け、即
ち(N0 ・M0 )回の旋回走行における各相関係数ρ
(Slip),ρ(ψ'),ρ(V)が,前記運転技量中級閾
値ρ(Slip)MDL ,ρ(ψ')MDL ,ρ(V)MDL 以上で
あり続け、更に前記車両姿勢立直し相関係数ρ(Slip)
が前記車両姿勢立直し技量上級閾値ρ(Slip)EX P 以上
で且つ前記曲路走破相関係数ρ(ψ')が前記曲路走破技
量上級閾値ρ(ψ')EXP 以下で且つ前記高速走行対応相
関閾値ρ(V)が前記高速走行対応技量上級閾値ρ
(V)EXP 以下であるときに、当該運転者の運転技量は
前記上級運転技量であると見なして,運転技量フラグF
TQを上級者値FTQEXP にセットする。なお、これら全て
の判別要件を満足しない場合には、当該運転者の運転技
量は,それよりも低い運転技量にランキングするとし
て,運転技量フラグFTQを該当する値にセットする。
【0046】次に、本実施例の前記ABSマイクロコン
ピュータ52による図9のアンチスキッド制御の演算処
理のステップS3で実行される,運転技量検出のための
マイナプログラムによる演算処理を図7のフローチャー
トに従って説明する。なお、この図7の演算処理は,前
記メインプログラムである図9の演算処理が所定サンプ
リング時間ΔT毎に実行されるために,必要なデータの
サンプリングや演算処理を当該所定サンプリング時間Δ
T毎に行うことになる。また、前記記憶装置52cのフ
ラッシュRAMやシフトレジスタに記憶されている前後
輪速差ΔVwR- F ,実ヨーレートψ' ,車速V,操舵角
θ,逆操舵角θCTN ,最大操舵角θMAXは、キースイッ
チのオンによる電源投入時に消去される。また、当該演
算処理でセットされた運転技量フラグFTQは、キースイ
ッチのオンによる電源投入時に,初期値としての初級者
値FTQBGN にセットされる。
【0047】この図7の演算処理では、まずステップS
31で前記各車輪速センサ46FL〜46Rで検出され
た各車輪速Vwi を読込む。次にステップS32に移行
して、下記1式に従って前後輪速差ΔVwR-F を算出設
定する。 ΔVwR-F =VwR −(VwFL+VwFR)/2 ……… (1) 次にステップS33に移行して、前記前後輪速差ΔVw
R-F が“0”より大きい,即ち正であるか否かを判定
し、当該前後輪速差ΔVwR-F が正である場合にはステ
ップS34に移行し、そうでない場合には前記図9のア
ンチスキッド制御のメインプログラムに復帰する。
【0048】前記ステップS34では、前記前後輪速差
ΔVwR-F を前記記憶装置52cのフラッシュRAM等
の所定記憶領域に追加記憶する。次にステップS35に
移行して、前記ヨーレートセンサ43で検出された実ヨ
ーレートψ' を読込み、これを前記記憶装置52cのフ
ラッシュRAM等の所定記憶領域に追加記憶する。
【0049】次にステップS36に移行して、前記車速
センサ42で検出された車速Vを読込み、これを前記記
憶装置52cのフラッシュRAM等の所定記憶領域に追
加記憶する。次にステップS37に移行して、前記操舵
角センサ41で検出された操舵角θを読込み、これを前
記記憶装置52cのフラッシュRAM等の所定記憶領域
に追加記憶する。
【0050】次にステップS38に移行して、前記実ヨ
ーレートψ' が“0”より大きい,即ち正値であって右
旋回に相当するか否かを判定し、当該実ヨーレートψ'
より車両が右旋回している場合にはステップS39に移
行し、車両が左旋回している場合にはステップS40に
移行する。前記ステップS39では、車両が右旋回して
いるから前記操舵角の負値(−θ)を逆操舵角θCTN
して,これを前記記憶装置52cのフラッシュRAM等
の所定記憶領域に追加記憶してからステップS41に移
行する。
【0051】一方、前記ステップS40では、車両が左
旋回しているから前記操舵角の正値θを逆操舵角θCTN
として,これを前記記憶装置52cのフラッシュRAM
等の所定記憶領域に追加記憶してから前記ステップS4
1に移行する。前記ステップS41では、下記2式に従
って操舵角速度θ' を算出する。なお、この微分演算
は,適切なカットオフ周波数が選定された周知のプログ
ラムによるディジタルハイパスフィルタ等で代用できる
ことは言うまでもない。
【0052】 θ' =d|θ|/dt ……… (2) 次にステップS42に移行して、前記操舵角速度θ' が
“0”より小さい,即ち負値となるステアリングホイー
ルの切戻し状態であるか否かを判定し、ステアリングホ
イールの切戻し状態である場合にはステップS43に移
行し、そうでない場合にはステップS44に移行する。
【0053】前記ステップS43では、前記操舵角の絶
対値|θ|が,予め設定された中庸所定値θ0 以下であ
って操舵が中庸収束しているか否かを判定し、操舵が中
庸収束している場合にはステップS45に移行し、そう
でない場合には前記ステップS44に移行する。前記ス
テップS45では、前記記憶装置52cのフラッシュR
AM等に記憶されている操舵角θから最大操舵角θMAX
を選出し、これを前記記憶装置52cに設けられた所定
記憶容量N0 個のシフトレジスタに順次更新記憶してか
らステップS46に移行する。
【0054】前記ステップS46では、前記最大操舵角
θMAX が選出されたときと同時に前記記憶装置52cの
フラッシュRAM等に記憶された前後輪速差ΔV
R-F ,実ヨーレートψ' ,車速V,逆操舵角θ
CTN を,前記記憶装置52cに設けられた所定記憶容量
0 個の個別のシフトレジスタに順次更新記憶してから
ステップS47に移行する。
【0055】前記ステップS47では、前記記憶装置5
2cのフラッシュRAM等に記憶されている前後輪速差
ΔVwR-F ,実ヨーレートψ' ,車速V,逆操舵角θ
CTN を消去してからステップS48に移行する。前記ス
テップS48では、旋回回数カウンタNをインクリメン
トしてから前記ステップS44に移行する。
【0056】前記ステップS44では、前記旋回回数カ
ウンタNが,予め設定された所定旋回回数カウント値N
0 以上であるか否かを判定し、当該旋回回数カウンタN
が所定旋回回数カウント値N0 以上である場合にはステ
ップS49に移行し、そうでない場合には前記図9のア
ンチスキッド制御のメインプログラムに復帰する。前記
ステップS49では、前記記憶装置52cのシフトレジ
スタに更新記憶されたN0 個の前後輪速差ΔVwR-F
逆操舵角θCTN とから,例えば周知の統計解析学式に従
って両者のスリップ相関係数(前記車両姿勢立直し相関
係数)ρ(Slip)を算出する。
【0057】次にステップS50に移行して、前記記憶
装置52cのシフトレジスタに更新記憶されたN0 個の
実ヨーレートψ' と最大操舵角θMAX とから,例えば周
知の統計解析学式に従って両者のヨーレート相関係数
(前記曲路走破相関係数)ρ(ψ')を算出する。次にス
テップS51に移行して、前記記憶装置52cのシフト
レジスタに更新記憶されたN0 個の車速Vと最大操舵角
θMAX とから,例えば周知の統計解析学式に従って両者
の車速相関係数(前記高速走行対応相関係数)ρ(V)
を算出する。
【0058】次にステップS52に移行して、前記旋回
回数カウンタNを“0”にクリアする。次にステップS
53に移行して、前記車両姿勢立直し相関係数ρ(Sli
p)が,予め実験値等から設定された車両姿勢立直し技
量中級閾値ρ(Slip)MDL 以上であるか否かを判定し、
当該車両姿勢立直し相関係数ρ(Slip)が車両姿勢立直
し技量中級閾値ρ(Slip)MDL 以上である場合にはステ
ップS54に移行し、そうでない場合にはステップS5
5に移行する。
【0059】前記ステップS54では、前記曲路走破相
関係数ρ(ψ')が,予め実験値等から設定された曲路走
破技量中級閾値ρ(ψ')MDL 以上であるか否かを判定
し、当該曲路走破相関係数ρ(ψ')が曲路走破技量中級
閾値ρ(ψ')MDL 以上である場合にはステップS56に
移行し、そうでない場合には前記ステップS55に移行
する。
【0060】前記ステップS56では、前記高速走行対
応相関係数ρ(V)が,予め実験値等から設定された高
速走行対応技量中級閾値ρ(V)MDL 以上であるか否か
を判定し、当該高速走行対応相関係数ρ(V)が高速走
行対応技量中級閾値ρ(V) MDL 以上である場合にはス
テップS57に移行し、そうでない場合には前記ステッ
プS55に移行する。
【0061】前記ステップS57では、中級合格回数カ
ウンタMをインクリメントしてからステップS58に移
行する。前記ステップS58では、運転技量フラグFTQ
を中級者値FTQMDL にセットしてからステップS59に
移行する。前記ステップS59では、中級合格回数カウ
ンタMが,予め設定された所定週休合格回数カウント値
0 以上であるか否かを判定し、当該中級合格回数カウ
ンタMが所定週休合格回数カウント値M0 以上である場
合にはステップS60に移行し、そうでない場合には前
記図9のアンチスキッド制御のメインプログラムに復帰
する。
【0062】一方、前記ステップS55では、前記中級
合格回数カウンタMをクリアしてからステップS61に
移行する。そして前記ステップ61では、運転技量フラ
グFTQを初級者値FTQBGN にセットしてから,前記図9
のアンチスキッド制御のメインプログラムに復帰する。
また、前記ステップS60では、前記車両姿勢立直し相
関係数ρ(Slip)が,予め実験値等から設定された車両
姿勢立直し技量上級閾値ρ(Slip)EXP 以上であるか否
かを判定し、当該車両姿勢立直し相関係数ρ(Slip)が
車両姿勢立直し技量上級閾値ρ(Slip)EXP 以上である
場合にはステップS62に移行し、そうでない場合には
ステップS63に移行する。
【0063】前記ステップS62では、前記曲路走破相
関係数ρ(ψ')が,予め実験値等から設定された曲路走
破技量上級閾値ρ(ψ')EXP 以下であるか否かを判定
し、当該曲路走破相関係数ρ(ψ')が曲路走破技量上級
閾値ρ(ψ')EXP 以下である場合にはステップS64に
移行し、そうでない場合には前記ステップS63に移行
する。
【0064】前記ステップS65では、運転技量フラグ
TQを上級者値FTQEXP にセットしてから,前記図9の
アンチスキッド制御のメインプログラムに復帰する。一
方、前記ステップS63では、前記中級合格回数カウン
タMをクリアしてからステップS66に移行する。そし
て前記ステップ66では、運転技量フラグFTQを中級者
値FTQMDL にセットしてから,前記図9のアンチスキッ
ド制御のメインプログラムに復帰する。
【0065】次いで、このように設定された運転技量フ
ラグFTQを用いたアンチスキッド制御の説明の前に、こ
うしたアンチスキッド制御に用いられる疑似車速の算出
原理並びにその演算処理と作用を簡潔に説明する。前述
のように、車輪のスリップ率を算出するためには車体速
を用いなければならないが、既知のようにインストゥル
メントパネル等に表示される車速は,例えばトランスミ
ッションの出力軸回転数(回転速度)を車輪速に変換し
たものであって、真の車体速に対しては正確性に劣る。
また、車両の制動に係る制御は,可及的に正確であるこ
とが望まれるから、各車輪速を単一に車体速に置換する
ことは誤差の面から避けたほうがよい。
【0066】そこで、本実施例では図8に示す演算処理
を行って車体速の推定を行い、この推定された車体速を
疑似車速Vi として用いる。この演算処理は、前記コン
トロールユニット40のABSマイクロコンピュータ5
2で実行される後述の図9の演算処理のステップS2で
実行されるマイナプログラムであって,具体的には本出
願人が先に提案した特開平4−27650号公報等にハ
ード構成されたものをソフト化したものであると考えれ
ばよい。なお、前記図11の演算処理は,当該ABSマ
イクロコンピュータ52で所定時間ΔT毎のタイマ割込
によって実行される。また、演算処理中,疑似車速ホー
ルドタイマカウンタCNTViのカウントアップ値である
所定カウント値CNTVi0 は,所定時間T3 が経過した
ことを意味する。
【0067】この演算処理ではまず、ステップS71で
疑似車速ホールドタイマカウンタCNTViが所定カウン
ト値CNTVi0 以上であるか否かを判定し、当該タイマ
カウンタCNTViが所定カウント値CNTVi0 以上であ
る場合にはステップS72に移行し、そうでない場合に
はステップS73に移行する。前記ステップS73で
は、前記タイマカウンタCNTViをインクリメントして
からメインプログラムに復帰する。
【0068】前記ステップS72では、前記各車輪速セ
ンサ46FL〜46Rで検出された車輪速Vwi (i=
FL〜R)のうちの最大車輪速をセレクトハイ車輪速V
Hとして選出してからステップS74に移行する。前
記ステップS74では、前記記憶装置52cに更新記憶
されている疑似車速Vi を用いて,前記セレクトハイ車
輪速VwH が,不感帯閾値として設定される当該疑似車
速Vi の上下1km/hの範囲内にあるか否かを判定し、当
該セレクトハイ車輪速VwH が疑似車速Vi の上下1km
/hの範囲内にある場合にはステップS75に移行し、そ
うでない場合にはステップS76に移行する。
【0069】前記ステップS75では、前記疑似車速ホ
ールドタイマカウンタCNTViをクリアしてからステッ
プS77に移行する。前記ステップS77では、疑似車
速補正加速度Xg0 を±0G(G:Gravity,重力加速
度)に設定してからステップS78に移行する。一方、
前記ステップS76では、前記セレクトハイ車輪速Vw
H が,前記不感帯閾値として設定される当該疑似車速V
i の上限値以上であるか否かを判定し、当該セレクトハ
イ車輪速VwH が疑似車速Vi の上限値以上である場合
にはステップS79に移行し、そうでない場合にはステ
ップS80に移行する。
【0070】前記ステップS79では、前記疑似車速補
正加速度Xg0 を+ 0.4Gに設定してから前記ステップ
S78に移行する。また、前記ステップS80では、前
記図9の演算処理の前回演算時に選択されたホイールシ
リンダ圧制御モードが減圧モードであるか否かを判定
し、当該減圧モードが選択されていた場合にはステップ
S81に移行し、そうでない場合にはステップS82に
移行する。
【0071】前記ステップS81では、前記疑似車速補
正加速度Xg0 を+10Gに設定してから前記ステップS
78に移行する。一方、前記ステップS82では、前記
図示されない前後加速度センサで検出された前後加速度
検出値(以下,単に前後加速度とも記す)Xgを用い
て,前記疑似車速補正加速度Xg0 を,(−Xg− 0.3
G)に設定してから前記ステップS208に移行する。
【0072】前記ステップS78では、下記3式に従っ
て疑似車速Vi を算出してからメインプログラムに復帰
する。なお、右辺の疑似車速Vi は前記記憶装置52c
に更新記憶されている最新の疑似車速Vi である。ま
た、右辺の積分値∫Xg0 は時間0〜ΔTまでの疑似車
速補正加速度Xg0 の時間積分値である。 Vi =Vi +∫Xg0 ……… (3) 従って、この演算処理による疑似車速Vi の設定の詳細
については,前記特開平4−27650号公報を参照さ
れるとしてその作用を簡潔に説明すると、通常の増速時
にあっては,セレクトハイ車輪速VwH を初期値として
所定時間T3 毎に疑似車速Vi をオフセット量である
0.4Gずつ増速し、この疑似車速Vi がほぼセレクトハ
イ車輪速VwH に一致したときから,再び疑似車速Vi
を当該セレクトハイ車輪速VwH に設定して所定時間T
3 維持する。一方、通常の減速時,即ち前記ホイールシ
リンダ圧増減圧制御によって当該ホイールシリンダ圧が
減圧されていないときには、セレクトハイ車輪速VwH
を初期値として所定時間T3毎に疑似車速Vi を,前後
加速度Xgにオフセット量である 0.3Gを加えた分だけ
減速し、この疑似車速Vi がほぼセレクトハイ車輪速V
H に一致したときから,再び疑似車速Vi を当該セレ
クトハイ車輪速VwH に設定して所定時間T3維持す
る。また、前記ホイールシリンダ圧増減圧制御によって
当該ホイールシリンダ圧が減圧されているときには、セ
レクトハイ車輪速VwH を初期値として所定時間T3
に疑似車速Vi をオフセット量である10Gずつ増速し、
この疑似車速Vi がほぼセレクトハイ車輪速VwH に一
致したときから,再び疑似車速Viを当該セレクトハイ
車輪速VwH に設定して所定時間T3 維持する。なお、
これらのオフセット量は,増減速される疑似車速Vi
セレクトハイ車輪速VwH に一致するために設定された
所定値である。
【0073】次に、前記コントロールユニット40のA
BSマイクロコンピュータ52で実行される制動圧制御
の演算処理を,図9のフローチャートに基づいて、また
一般的なアンチスキッド制御の作用を図10の制動圧制
御特性曲線に基づいて説明する。この制動圧制御処理
は、所定時間ΔT(例えば3.3msec.)毎のタイマ割
込処理として実行され、ASはアンチスキッド制御フラ
グ,Tは減圧タイマを示し、これらはキースイッチのオ
ンによる電源投入時及び前回のアンチスキッド制御の終
了時にステップS13からステップS18に移行して
“0”にリセットされる。
【0074】即ち、図9の処理が開始されると,まずス
テップS1で各車輪速センサ46i(i=FL,FR,
R)で検出された現在の車輪速Vwi を読込む。次にス
テップS2に移行して、前記図8の演算処理によって疑
似車速Vi を算出する。次にステップS3に移行して、
前記図7の演算処理によって運転技量フラグF TQを算出
設定する。
【0075】次にステップS4に移行して、前記運転技
量フラグFTQを判別し、当該運転技量フラグFTQが前記
初級者値FTQBGN である場合にはステップS5に移行
し、当該運転技量フラグFTQが前記中級者値FTQMDL
ある場合にはステップS6に移行し、当該運転技量フラ
グFTQが前記上級者値FTQEXP である場合にはステップ
S7に移行する。
【0076】前記ステップS5では、各基準スリップ率
i0を前記比較的小さい正値の基準値Si0に設定してか
ら,ステップS8に移行する。また、前記ステップS6
では、各基準スリップ率Si0を前記比較的大きい正値の
中級値Si1に設定してから,前記ステップS8に移行す
る。また、前記ステップS7では、各基準スリップ率S
i0を前記更に大きい正値の上級値Si2に設定してから,
前記ステップS8に移行する。
【0077】前記ステップS8では、前記ステップS1
で読込まれた各車輪速Vwi(n)を,前回の処理時に読込
んだ車輪速検出値Vwi(n-1)から減算し,更に前記所定
サンプリング時間ΔTで除して,単位時間当たりの車輪
速変化量,即ち車輪加減速度V'wj を算出し、これを記
憶装置52cの所定記憶領域に記憶する。なお、この微
分処理は,適切なカットオフ周波数に選定された既存の
ディジタルハイパスフィルタ等によって構築されるよう
にしてもよい。
【0078】次にステップS9に移行して、下記5式の
演算を行って各車輪のスリップ率S i を算出する。 Si =(Vi −Vwi )/Vi ・100 ……… (5) そして、以後,前記ステップS8で算出した車輪加速度
V'wi 及び前記ステップS9で算出したスリップ率Si
に基づいてアクチュエータ23を制御する制御信号を出
力する。
【0079】即ち、各車輪のスリップ率Si が前記ステ
ップS5〜ステップS7で設定された基準スリップ率S
i0(ここでは前記基準スリップ率基準値Si0は通常のタ
イヤの舵取り効果及び制動距離の確保可能な15%程度
であると考える)未満であり、且つ制御フラグAS及び
減圧タイマTが共に“0”であり、車輪加減速度V'w i
が予め設定された負の加減速度閾値α及び正の加減速度
閾値βの間,即ちα<V'wi <βである非制動時及び制
動初期時には、ステップS13,S18又はS17,S
19,S21,S23を経て,ステップS26でホイー
ルシリンダ圧をマスタシリンダ5の圧力に応じた圧力と
する急増圧モードに設定する。この急増圧モードでは、
前述のように前記アクチュエータ23内の各電磁方向切
換弁26FL〜26Rをノーマルの切換位置に保持する
制御信号SFL〜SR が出力され、この制御信号SFL〜S
R が各駆動回路54a〜54cで駆動信号PFL〜PR
変換出力され、これによって各電磁方向切換弁26FL
〜26Rはノーマルの切換位置に保持されるから、マス
ターシリンダ圧がそのまま各ホイールシリンダ25FL
〜25RRに供給される。なお、この急増圧モードで
は,各減圧ポンプ27F,27Rを回転駆動する必要は
ないからポンプモータ制御信号MF ,MR は出力され
ず、駆動回路54d,54eからも駆動信号DMF,DMR
が出力されないから各ポンプ27F,27Rは回転駆動
しない。
【0080】そして、制動状態となると車輪速Vwi
徐々に減少し、これに応じて車輪加減速度V'wi が図1
0の曲線に示すように小さくなり(負の方向に減少
し)、この車輪加減速度V'wi が負の加減速度閾値αを
越える(下回る)と,前記ステップS21からステップ
S24に移行し、ホイールシリンダ圧を一定値に保持す
る高圧側の保持モードとなる。この高圧側の保持モード
では、前記アクチュエータ23内の各電磁方向切換弁2
6FL〜26Rを第1の切換位置に切換保持する制御信
号SFL〜SR が出力され、この制御信号SFL〜SR が各
駆動回路54a〜54cで駆動信号PFL〜PR に変換出
力され、これによって各電磁方向切換弁26FL〜26
Rは第1の切換位置に切換保持されるから、ホイールシ
リンダ25FL〜25RRの内圧はマスターシリンダ圧
から遮断されて,その直前の状態に保持される。なお、
この高圧側の保持モードでは,各減圧ポンプ27F,2
7Rを回転駆動する必要はないからポンプモータ制御信
号MF ,MR は出力されず、駆動回路54d,54eか
らも駆動信号DMF,DMRが出力されないから各ポンプ2
7F,27Rは回転駆動しない。
【0081】しかしながら、この保持モードにおいて
も,車輪に対して制動力が作用しているので、図12の
曲線に示すように車輪加減速度V'wi が減少すると共
に、スリップ率Si が増加する。そして、各輪のスリッ
プ率Si が前記各輪の基準スリップ率Si0を越え,且つ
車輪加減速度V'wi が正の加減速度閾値β未満を維持し
ているときには、ステップS10からステップS12を
経てステップS15に移行して,減圧タイマTを予め設
定された所定値T0 にセットすると共に制御フラグAS
を“1”にセットし、これに応じて論理値“1”のポン
プモータ制御信号MF ,MR を出力してアクチュエータ
23の各ポンプ27F,27Rを作動状態とする。更
に、ステップS17からステップS20に移行してホイ
ールシリンダ圧を徐々に減圧する減圧モードとなる。こ
の減圧モードでは、前記アクチュエータ23内の各電磁
方向切換弁26FL〜26Rを第2の切換位置に切換保
持する制御信号SFL〜SR が出力され、この制御信号S
FL〜SR が各駆動回路54a〜54cで駆動信号PFL
R に変換出力され、これによって各電磁方向切換弁2
6FL〜26Rは第2の切換位置に切換保持され且つ各
ポンプ27F,27Rが作動しているから、ホイールシ
リンダ25FL〜25RRの内圧はマスターシリンダ2
2側に帰還されて徐々に減圧する。なお、この減圧モー
ド以後,前記ステップS14からステップS19に移行
してアンチスキッド制御フラグASが“0”にリセット
されるまで、後段に説明する緩増圧モードやこの減圧モ
ードの繰り返しによるホイールシリンダ圧制御の応答性
を確保するために、論理値“1”のポンプモータ制御信
号M F ,MR を出力し続けて,アクチュエータ23の各
ポンプ27F,27Rを作動状態に維持する。
【0082】この減圧モードになると、車輪に対する制
動力が緩和されるものの,車輪速Vwi は暫くは減少状
態を維持し、このため図10の曲線に示すように車輪加
減速度V'wi は更に負の方向に減少し且つスリップ率S
i は増加傾向を継続するが、その後,車輪速Vwi の減
少率が低下して加速状態に移行する。なお、この減圧モ
ードでは前記ポンプ27F,27Rによってホイールシ
リンダ圧を抜圧するから車輪加減速度V'wi の変化率は
比較的大きく、これを反映するために当該減圧モードで
の前記疑似車速Vi の算出に用いられるオフセット量を
+10gと比較的大きな値に設定している。
【0083】これに応じて車輪加減速度V'wi が正方向
に増加して正の加速度閾値β以上となると、前記ステッ
プS10からステップS12を経てステップS16に移
行する。このステップS16では、減圧タイマTを
“0”にリセットしてから前記ステップS13に移行す
る。そして、次のステップS17の判定でT=0である
のでステップS19に移行し、V'wi ≧βであるのでス
テップS22に移行し、制御フラグAS=0であるので
ステップS27に移行し、ホイールシリンダ圧を低圧側
で保持する低圧側の保持モードに移行する。この低圧側
の保持モードでは、前記アクチュエータ23内の各電磁
方向切換弁26FL〜26Rを第1の切換位置に切換保
持する制御信号SFL〜SR が出力され、この制御信号S
FL〜SR が各駆動回路54a〜54cで駆動信号PFL
R に変換出力され、これによって各電磁方向切換弁2
6FL〜26Rは第1の切換位置に切換保持されるか
ら、ホイールシリンダ25FL〜25RRの内圧はマス
ターシリンダ圧から遮断されて,その直前の状態に保持
される。なお、前述のようにアンチスキッド制御フラグ
ASの“1”のセット状態に合わせて各ポンプ27F,
27Rは回転駆動され続けている。
【0084】この低圧側の保持モードにおいても,車輪
に対しては制動力が作用しているので、車輪速検出値V
i の増加率は徐々に減少し、車輪加速度V'wj が正の
加減速度閾値β未満となると、ステップS19からステ
ップS21に移行し、V'wi>αであるのでステップS
23に移行し、制御フラグASが未だ“1”であるので
ステップS25に移行する。このステップS25では、
マスタシリンダ5からの圧力作動油を間欠的にホイール
シリンダ25FL〜25RRに供給し,当該ホイールシ
リンダ圧がステップ状に増圧されて緩増圧モードとな
る。この緩増圧モードでは、前記アクチュエータ23内
の各電磁方向切換弁26FL〜26Rを前記ノーマルの
切換位置と第1の切換位置とに所定時間毎に切換保持す
る制御信号SFL〜SR が出力され、この制御信号SFL
R が各駆動回路54a〜54cで駆動信号PFL〜PR
に変換出力され、これによって各電磁方向切換弁26F
L〜26Rは所定時間毎にノーマルの切換位置と第1の
切換位置とに切換保持されるから、ホイールシリンダ2
5FL〜25RRの内圧は徐々にステップ状に増圧す
る。
【0085】この緩増圧モードになると、ホイルシリン
ダ25FL〜25RRの圧力が緩やかに上昇するので、
各輪に対する制動力が徐々に増加し、減速状態となって
車輪速Vwi も減少する。その後、車輪加減速度V'wi
が負の加減速度閾値α未満となると,前記ステップS2
1からステップS24に移行して高圧側の保持モードと
なり、その後、各輪のスリップ率Si が基準スリップ率
i0以上となると,前記ステップS10からステップS
12を経てステップS15に移行し、次いでステップS
13,S17を経てステップS20に移行して減圧モー
ドとなり、然る後、低圧保持モード、緩増圧モード、高
圧保持モード、減圧モードが繰り返され、アンチスキッ
ド効果を発揮することができる。
【0086】以上の通常のアンチスキッド制御による制
動圧制御から,前記基準スリップ率Si0が各ホイールシ
リンダ圧の減圧タイミングに関与していることが分か
る。そこで、前記図9の演算処理のステップS6又はス
テップS7で,前記基準値Si0よりも大きな正値の中級
値Si1や上級値Si2が当該基準スリップ率Si0に設定さ
れると、その分だけ,図10に二点鎖線で示すように各
ホイールシリンダ圧の減圧タイミングが遅くなることに
なる。そして、このように基準スリップ率Si0が大きな
正値の中級値Si1や上級値Si2に設定されるのは、前記
ステップS3で実行される図7の演算処理により,運転
者の運転技量が中級運転技量であると判別されて運転技
量フラグFTQが中級者値FTQMDL にセットされた場合
や、運転者の運転技量が上級運転技量であると判別され
て運転技量フラグFTQが上級者値FTQ EXP にセットされ
た場合であるから、例えば高μ路面における限界制動力
値が高められてブレーキペダルの操作感が高まり、例え
ば前記上級運転技量を有する上級運転者が、高μ路面で
ブレーキペダルを十分に踏込んで車輪速,ひいては車体
速を急速に減速しても、当該車輪が簡単にロックする或
いはロック傾向となって車両運動が不安定になることは
ないと判断した結果、例えば危険回避などの目的でブレ
ーキペダルを強く踏込み,車輪をロックさせるまで或い
はその直前の状態まで制動力を高め、当該高μ路面にお
ける高いタイヤグリップ力によって制動距離を短くしよ
うとする意思が反映されて、所謂ブレーキの効きの良さ
から車両に対する評価が向上する。勿論、前記図7の演
算処理によって運転技量が上級であるとか中級であると
いった判別は十分に正確に行われるから、例えば前記上
級運転技量を有すると考えられる上級運転者は,低μ路
面でも,所謂ポンピングブレーキ的な操作によって確実
に制動距離や舵取り効果を確保することができる。ま
た、運転者の運転技量が初級運転技量であると判別され
て運転技量フラグFTQが初級者値FTQBGN にセットされ
た場合には、前記基準スリップ率Si0が,前記比較的小
さな正値の基準値Si0に設定されるために、ホイールシ
リンダ圧の減圧タイミングはその分だけ早くなり、当該
車輪が簡単に或いは早期にロックする或いはロック傾向
となることが回避され、結果的に当該初級運転技量しか
有さない運転者にとっては,前記低μ路面等での制動距
離を確保することができる。
【0087】なお、前記実施例においては後輪側の車輪
速を共通の車輪速センサで検出する3チャンネルアンチ
スキッド制御装置の場合についてのみ詳述したが、これ
に限らず後輪側の左右輪についても個別に車輪速センサ
を設け、これに応じて左右のホイルシリンダに対して個
別のアクチュエータを設ける,所謂4チャンネルのアン
チスキッド制御装置にも展開可能である。
【0088】また、前記実施例においては疑似車速算出
のための車輪速選択値としてセレクトハイ車輪速を選択
する場合について説明したが、アンチスキッド制御中は
セレクトハイ車輪速を選択し、非アンチスキッド制御中
は最も低いセレクトロー車輪速を選択するようにしても
よい。次に、本発明の運転技量検出装置及び車両運動制
御装置を,既存の制動力増加量制御装置に展開した第2
実施例について説明する。この制動力増加量制御装置の
基本的な構成は,本出願人が先に提案した特開昭62−
37264号公報に記載されるものと同様又はほぼ同様
であるために、その具体的な構成については当該公報を
参照されるものとして簡潔に説明する。なお、この車両
は,前記第1実施例と同様に後輪駆動車両であるものと
する。
【0089】本実施例の車両には、図11に示すように
前記第1実施例と同様,前左右輪9L,9Rの前左右ブ
レーキロータ24FL,24FRに対して前左右ホイー
ルシリンダ25FL,25FRが配設され、後左右輪6
L,6Rの後左右ブレーキロータ24RL,24RRに
対して後左右ホイールシリンダ25RL,25RRが配
設されているが、各ホイールシリンダ25FL〜25R
Rに供給されるホイールシリンダ圧,即ちマスタシリン
ダ圧がアクチュエータ111によって調整される。
【0090】このアクチュエータ111は、ブレーキペ
ダル101とマスタシリンダ100との間に介装されて
いる倍力機構102内を,パワーピストン104とダイ
ヤフラム107とで画設した後方制御圧室106に、ブ
レーキペダル101の踏力に応じた所定流体圧を供給し
て,倍力機構102の出力軸110がマスタシリンダ1
00内のピストン100aを押圧するための補助力を付
与し、もって各ホイールシリンダ25FL〜25RRに
よる制動力にアシスト力を付与するものである。従っ
て、この制動のアシスト力が、本実施例における制動力
の増加量として,前記アクチュエータ111の制御量に
なる。なお、図中,103はシェル、105は大気圧
室、106aは制御流体圧供給口、108は入力軸、1
09はリターンスプリングを示す。
【0091】そして、前記倍力機構102の後方制御圧
室106に供給される所定流体圧は,リレー弁112に
よって調整制御される。即ち、このリレー弁112のパ
イロット室114内に供給される流体圧,即ちパイロッ
ト室114の内圧が小さい場合には,図11の右半図に
示すように弁体125の第1着座部130とハウジング
121の第1弁座122とが当接しているために、流体
圧供給源113から供給通路137を介してハウジング
121の横方向通路135に供給される流体圧は、その
先の通路が閉塞されて,前記倍力機構102の後方制御
圧室106には供給されない。また、この状態では弁体
125の第2着座部131とプランジャ124の第2弁
座123とが離間して両者の間に隙間があるために、前
記倍力機構102の後方制御圧室106は,制御通路1
34から前記ハウジング121の横方向通路132,弁
体125の軸部の通路138を介してハウジング121
の縦方向通路39からなる排出通路40,即ち大気に連
通され、従って前記倍力機構102の後方制御圧室10
6内は大気圧状態となって制動のアシスト力は“0”と
なる。
【0092】一方、前記リレー弁112のパイロット室
114内に供給される流体圧が大きくなると、まず図1
1の左半図に示すように弁体125の第2着座部131
とプランジャ124の第2弁座123とが当接して,前
記倍力機構102の後方制御圧室106とハウジング1
21の縦方向通路39からなる排出通路40との排出経
路が遮断され、一方,プランジャ124や弁体125の
受圧面積差や当該パイロット室114の内圧と各バネ1
53,126のバネ力とのバランス等により、前記弁体
125の第1着座部130とハウジング121の第1弁
座122とが離間して、両者の間に,前記パイロット室
114の内圧に応じた大きさの隙間ができ、この隙間
が,前記倍力機構102の後方制御圧室106内の流体
圧をフィードバックした可変オリフィスとして作用する
ことにより、前記ハウジング121の横方向通路135
に供給された供給源113の流体圧は,同じくハウジン
グ121の横方向通路132から制御通路134を介し
て,前記パイロット室114内の流体圧に応じた分だ
け,当該倍力機構102の後方制御圧室106内に供給
され、結果的に前記パイロット室114の内圧に応じた
制動アシスト力がマスタシリンダ圧,即ちホイールシリ
ンダ圧から制動力に付加される。なお、図中,120は
貫通孔、141は段部、142はダイヤフラム状シール
部材、143はリング状シール部材、144は圧力室、
145は横方向通路、146は縦方向通路、150はピ
ストン、151は圧力室、152は通路、154は通
路、155は導管を示す。
【0093】そして、前記導管155からハウジング1
21の通路154を介して前記供給源113から前記パ
イロット室114に供給される流体圧を調整制御するた
めに、前記供給源113と導管155,即ちパイロット
室114との間の第1開閉手段115として二つの並列
な電磁開閉弁115a,115bを備え、また導管15
5,即ちパイロット室114と大気との間に第2開閉手
段116として二つの並列な電磁開閉弁116a,11
6bを備えている。これらの電磁開閉弁115a,11
5b,116a,116bは、基本的にノーマルの第1
切換位置で入出力ポートを遮断し且つ第2切換位置で入
出力ポートを連通する2ポートの電磁切換弁であるが、
最終的に前記倍力機構102の後方制御圧室106に供
給される流体圧に脈動が発生しないように、前記第1開
閉手段115の一方の電磁開閉弁115bと第2開閉手
段116の一方の電磁開閉弁116bとには,夫々固定
絞り115c,116cとが直列に設けられている。従
って、前記第1開閉手段115の他方の電磁開閉弁11
5aによって前記供給源113と前記パイロット室11
4とを連通すると,当該パイロット室114の内圧は速
やかに増圧するのに対して、当該第1開閉手段115の
一方の電磁開閉弁115bによって前記供給源113と
前記パイロット室114とを連通しても,当該パイロッ
ト室114の内圧は緩やかにしか増圧しない。また、前
記第2開閉手段116の他方の電磁開閉弁116aによ
って前記前記パイロット室114と大気とを連通する
と,当該パイロット室114の内圧は速やかに減圧する
のに対して、当該第2開閉手段116の一方の電磁開閉
弁116aによって前記パイロット室114と大気とを
連通しても,当該パイロット室114の内圧は緩やかに
しか減圧しない。従って、各電磁開閉弁115a,11
5b,116a,116bのソレノイドへの駆動信号P
SF,PSS,PDF,PDSを調整制御することで、前記リレ
ー弁112のパイロット圧,ひいては制動のアシスト力
を制御することができる。なお、本実施例での実質的な
各電磁開閉弁115a,115b,116a,116b
の制御は所謂PWM(Pulse Width Modulation)等によ
るチョッピング制御によって行われており、従って後述
するパイロット圧誤差に対する追従制御は,各電磁開閉
弁の開閉状態を,設定されたデューティ比で繰り返して
選択設定することで達成される。また、本実施例で流体
圧供給源113となるポンプモータは,駆動信号DP
よって回転駆動及び出力制御される。
【0094】これらの駆動信号PSF,PSS,PDF,PDS
を出力するために、車両には前記第1実施例と同様に,
図示されないステアリングホイールの操舵角を検出する
操舵角センサ41と、車両の前後方向車速を検出する車
速センサ42と、車両に実際に発生している実ヨーレー
トをヨーイング運動量として検出するヨーレートセンサ
43と、各輪の車輪速を検出する車輪速センサ46FL
〜46Rと、前記ブレーキペダル101の踏力を検出す
るブレーキペダル踏力センサ118と、前記リレー弁1
12のパイロット室114の内圧(以下,単にパイロッ
ト圧とも記す)を検出するパイロット圧センサ119
と、これらのセンサからの検出信号に基づいて前記駆動
信号PSF,PSS,PDF,PDSを前記各電磁開閉弁115
a,115b,116a,116bのソレノイドに出力
して各電磁開閉弁の切換位置を制御し並びに駆動信号D
P を出力して前記流体圧供給源113のポンプモータを
制御するコントロールユニット117とを備えてなる。
【0095】前記操舵角センサ41,車速センサ42,
ヨーレートセンサ43及び各車輪速センサ46FL〜4
6Rの具体的な構成と作用については、前記第1実施例
のそれらと同様又はほぼ同様であるためにその詳細な説
明を割愛する。前記ブレーキペダル踏力センサ118
は、運転者によるブレーキペダル101の踏力に応じた
大きさの例えば正の電圧値からなるブレーキペダル踏力
検出値F BRK.P を前記コントロールユニット117に向
けて出力する。
【0096】前記パイロット圧センサ119は、前記リ
レー弁112のパイロット室114の内圧を,分圧とし
て検出し、当該パイロット室114の内圧に応じた大き
さの例えば正の電圧値からなる実パイロット圧検出値P
PLT を前記コントロールユニット117に向けて出力す
る。前記コントロールユニット117は、図12に明示
するように、主として制動力増加量制御装置のブレーキ
ペダル踏力追従制御に必要な演算処理を実行するための
マイクロコンピュータ162を備え、更に当該マイクロ
コンピュータ162からの制御信号SSF,SSS,SDF
DSに応じて前記駆動信号PSF,PSS,PDF,PDSを供
給して前記アクチュエータ111の電磁開閉弁115
a,115b,116a,116bのソレノイドを励磁
する駆動回路163a〜163d及び制御信号MP に応
じて前記駆動信号DP を供給して前記流体圧供給源11
3のポンプモータを回転駆動する駆動回路164とを備
えている。
【0097】そして、前記マイクロコンピュータ162
は、前記各センサ41〜43,46FL〜46R,11
8,119からの検出信号を各検出値として読込むため
の波形整形機能やF/V変換機能やA/D変換機能等を
有する入力インタフェース回路162aと、マイクロプ
ロセサ等の演算処理装置162bと、ROM,RAM等
の記憶装置162cと、前記演算処理装置162bで得
られたソレノイドデューティ比制御信号Sj (j=S
F,SS,DF,DS)及びポンプモータ制御信号MP
をアナログ信号として出力するためのD/A変換機能を
有する出力インタフェース回路162dとを備えてい
る。このマイクロコンピュータ162では、主として後
段に詳述する図13の演算処理に従って、所望する制動
アシスト力を得るに足る倍力機構102への流体圧を,
前記リレー弁112から供給するために、前記ブレーキ
ペダル踏力検出値(以下,単にブレーキペダル踏力とも
記す)FBRK.P に所定の比例ゲインKP を乗じて,当該
リレー弁112の目標パイロット圧P* PLT を算出し、
この目標パイロット圧P* PLT と実パイロット圧検出値
(以下,単に実パイロット圧とも記す)PPLT とのパイ
ロット圧誤差ΔPを算出し、このパイロット圧誤差の絶
対値|ΔP|が予め設定された比較的大きな正値の第1
パイロット圧誤差閾値ΔP1 以上で且つ当該パイロット
圧誤差ΔPが正値の場合には,前記第1開閉手段115
の二つの電磁開閉弁115a,115bを同時に開状態
とするデューティ比SSF,SSSを算出設定し、パイロッ
ト圧誤差の絶対値|ΔP|が前記第1パイロット圧誤差
閾値ΔP1 以上で且つ当該パイロット圧誤差ΔPが負値
の場合には,前記第2開閉手段116の二つの電磁開閉
弁116a,116bを同時に開状態とするデューティ
比SDF,SDSを算出設定し、前記パイロット圧誤差の絶
対値|ΔP|が前記第1パイロット圧誤差閾値ΔP1
り小さく且つ予め設定された比較的小さな正値の第2パ
イロット圧誤差閾値ΔP2 以上で且つ当該パイロット圧
誤差ΔPが正値の場合には,前記第1開閉手段115の
他方の電磁開閉弁115aを開状態とするデューティ比
SFを算出設定し、パイロット圧誤差の絶対値|ΔP|
が前記第1パイロット圧誤差閾値ΔP1より小さく且つ
前記第2パイロット圧誤差閾値ΔP2 以上で且つ当該パ
イロット圧誤差ΔPが負値の場合には,前記第2開閉手
段116の他方の電磁開閉弁116aを開状態とするデ
ューティ比SDFを算出設定し、前記パイロット圧誤差の
絶対値|ΔP|が前記第2パイロット圧誤差閾値ΔP2
より小さく且つ当該パイロット圧誤差ΔPが正値の場合
には,前記第1開閉手段115の一方の電磁開閉弁11
5bを開状態とするデューティ比SSSを算出設定し、パ
イロット圧誤差の絶対値|ΔP|が前記第2パイロット
圧誤差閾値ΔP2 より小さく且つ当該パイロット圧誤差
ΔPが負値の場合には,前記第2開閉手段116の一方
の電磁開閉弁116bを開状態とするデューティ比SDS
を算出設定し、何れの場合もパイロット圧誤差ΔPが正
値の場合には,ポンプモータ作動指令MP を作動状態値
P1とし、パイロット圧誤差ΔPが負値の場合には,ポ
ンプモータ作動指令MP を休止状態値“0”とし、これ
らのデューティ比Sj 及びポンプモータ作動指令MP
夫々制御信号として出力するが、この図13の演算処理
にマイナプログラムとして組込まれた図7の演算処理に
従って,各車輪速検出値(以下,単に車輪速とも記す)
Vwi (i=FL〜R),前記操舵角検出値(以下,単
に操舵角とも記す)θ,車速検出値(以下,単に車速と
も記す)V,実ヨーレート検出値(以下,単に実ヨーレ
ートとも記す)ψ' に基づいて運転者の運転技量を検出
して、その運転技量に見合う運転技量フラグFTQを設定
すると共に、前記図13の演算処理では,この運転技量
フラグFTQに応じて前記比例ゲインKP を変更設定す
る。
【0098】そして、前記マイクロコンピュータ162
から出力されるソレノイドデューティ比制御信号S
j は、前記駆動回路163a〜163dにより,前記各
電磁開閉弁115a,115b,116a,116bへ
の駆動電圧パルス信号Pj に変換出力され、前記マイク
ロコンピュータ162から出力されるポンプモータ制御
信号MP は、前記駆動回路164により,前記供給源1
13のポンプモータへの回転駆動信号DP に変換出力さ
れる。
【0099】次に、本実施例の前記マイクロコンピュー
タ162による図13の制動力増加量制御の演算処理の
ステップS102で実行される,運転技量検出のための
マイナプログラムによる演算処理は、前記第1実施例の
図7のフローチャートと同様又はほぼ同様であるために
その詳細な説明を割愛する。なお、前記図7の演算処理
は,前記メインプログラムである図13の演算処理が所
定サンプリング時間ΔT毎に実行されるために,必要な
データのサンプリングや演算処理を当該所定サンプリン
グ時間ΔT毎に行うことになる。また、前記記憶装置1
62cのフラッシュRAMやシフトレジスタに記憶され
ている前後輪速差ΔVwR-F ,実ヨーレートψ' ,車速
V,操舵角θ,逆操舵角θCTN ,最大操舵角θMAX は、
キースイッチのオンによる電源投入時に消去される。ま
た、当該演算処理でセットされた運転技量フラグF
TQは、キースイッチのオンによる電源投入時に,初期値
としての初級者値FTQBGN にセットされる。勿論、前記
図7のマイナプログラムによる演算処理から復帰するメ
インプログラムは図13の演算処理のステップS103
であることは言うまでもない。
【0100】次に、前記コントロールユニット117の
マイクロコンピュータ162で実行される制動力増加量
制御の演算処理を,図13のフローチャートに基づいて
説明する。この制動力増加量制御処理は、所定時間ΔT
(例えば3.3msec.)毎のタイマ割込処理として実行
され、キースイッチのオンによる電源投入時に設定され
る比例ゲインKP の初期値は,前記基準値KP0である。
【0101】即ち、図13の演算処理が開始されると,
まずステップS101でブレーキペダル踏力センサ11
8で検出されたブレーキペダル踏力FBRK.P を読込む。
次にステップS102に移行して、前記図7の演算処理
によって運転技量フラグFTQを算出設定する。次にステ
ップS103に移行して、前記運転技量フラグFTQを判
別し、当該運転技量フラグFTQが前記初級者値FTQBGN
である場合にはステップS104に移行し、当該運転技
量フラグFTQが前記中級者値FTQMDL である場合にはス
テップS105に移行し、当該運転技量フラグFTQが前
記上級者値FTQEXP である場合にはステップS106に
移行する。
【0102】前記ステップS104では、前記比例ゲイ
ンKP を前記比較的大きい正値の基準値KP0に設定して
から,ステップS107に移行する。また、前記ステッ
プS105では、前記比例ゲインKP を前記比較的小さ
い正値の中級値KP1に設定してから,前記ステップS1
07に移行する。また、前記ステップS106では、前
記比例ゲインKP を前記更に小さい正値の上級値KP2
設定してから,前記ステップS107に移行する。
【0103】前記ステップS107では、前記ブレーキ
ペダル踏力FBRK.P に前記比例ゲインKP を乗じて目標
パイロット圧P* PLT を算出設定する。次にステップS
108に移行して、前記パイロット圧センサ119で検
出された実パイロット圧PPLT を読込む。次にステップ
S109に移行して、前記目標パイロット圧P* PLT
ら実パイロット圧PPLT を減じてパイロット圧誤差ΔP
を算出する。
【0104】次にステップS110に移行して、前記パ
イロット圧誤差の絶対値|ΔP|が,前記予め設定され
た比較的大きな正値の第1パイロット圧誤差閾値ΔP1
以上であるか否かを判定し、当該パイロット圧誤差の絶
対値|ΔP|が第1パイロット圧誤差閾値ΔP1 以上で
ある場合にはステップS111に移行し、そうでない場
合にはステップS112に移行する。
【0105】前記ステップS112では、前記パイロッ
ト圧誤差の絶対値|ΔP|が,前記予め設定された比較
的小さな正値の第2パイロット圧誤差閾値ΔP2 以上で
あるか否かを判定し、当該パイロット圧誤差の絶対値|
ΔP|が第2パイロット圧誤差閾値ΔP2 以上である場
合にはステップS113に移行し、そうでない場合には
ステップS114に移行する。
【0106】そして、前記ステップS111では、前記
パイロット圧誤差ΔPが“0”より大きい,即ち正値で
あるか否かを判定し、当該パイロット圧誤差ΔPが正値
である場合にはステップS115に移行し、そうでない
場合にはステップS116に移行する。また、前記ステ
ップS113では、前記パイロット圧誤差ΔPが“0”
より大きい,即ち正値であるか否かを判定し、当該パイ
ロット圧誤差ΔPが正値である場合にはステップS11
7に移行し、そうでない場合にはステップS118に移
行する。
【0107】また、前記ステップS114では、前記パ
イロット圧誤差ΔPが“0”より大きい,即ち正値であ
るか否かを判定し、当該パイロット圧誤差ΔPが正値で
ある場合にはステップS119に移行し、そうでない場
合にはステップS120に移行する。そして、前記ステ
ップS115では,前記第1開閉手段115の他方の電
磁開閉弁115aのソレノイドのデューティ比SSFを,
前記パイロット圧誤差ΔPに所定の比例係数aSFF を乗
じて算出設定し、前記第1開閉手段115の一方の電磁
開閉弁115bのソレノイドのデューティ比SSSを,前
記パイロット圧誤差ΔPに所定の比例係数aSSF を乗じ
て算出設定すると共に、第2開閉手段116の二つの電
磁開閉弁116a,116bの各ソレノイドのデューテ
ィ比SDF,SDSを共に“0”に設定し、供給源113の
ポンプモータ作動指令MP を作動状態値MP1に設定して
からステップS121に移行する。
【0108】一方、前記ステップS116では,前記第
2開閉手段116の他方の電磁開閉弁116aのソレノ
イドのデューティ比SDFを,前記パイロット圧誤差ΔP
に所定の比例係数aDFF を乗じて算出設定し、前記第2
開閉手段116の一方の電磁開閉弁116bのソレノイ
ドのデューティ比SDSを,前記パイロット圧誤差ΔPに
所定の比例係数aDSF を乗じて算出設定すると共に、第
1開閉手段115の二つの電磁開閉弁115a,115
bの各ソレノイドのデューティ比SSF,SSSを共に
“0”に設定し、供給源113のポンプモータ作動指令
P を休止状態値“0”に設定してから前記ステップS
121に移行する。
【0109】また、前記ステップS117では、前記第
1開閉手段115の他方の電磁開閉弁115aのソレノ
イドのデューティ比SSFを,前記パイロット圧誤差ΔP
に所定の比例係数aSFを乗じて算出設定すると共に、前
記第1開閉手段115の一方の電磁開閉弁115b及び
第2開閉手段116の二つの電磁開閉弁116a,11
6bの各ソレノイドのデューティ比SSS,SDF,SDS
共に“0”に設定し、供給源113のポンプモータ作動
指令MP を作動状態値MP1に設定してから前記ステップ
S121に移行する。
【0110】一方、前記ステップS118では、前記第
2開閉手段116の他方の電磁開閉弁116aのソレノ
イドのデューティ比SDFを,前記パイロット圧誤差ΔP
に所定の比例係数aDFを乗じて算出設定すると共に、前
記第1開閉手段115の二つの電磁開閉弁115a,1
15b及び第2開閉手段116の一方の電磁開閉弁11
6bの各ソレノイドのデューティ比SSF,SSS,SDS
共に“0”に設定し、供給源113のポンプモータ作動
指令MP を休止状態値“0”に設定してから前記ステッ
プS121に移行する。
【0111】また、前記ステップS119では、前記第
1開閉手段115の一方の電磁開閉弁115bのソレノ
イドのデューティ比SSSを,前記パイロット圧誤差ΔP
に所定の比例係数aSSを乗じて算出設定すると共に、前
記第1開閉手段115の他方の電磁開閉弁115a及び
第2開閉手段116の二つの電磁開閉弁116a,11
6bの各ソレノイドのデューティ比SSF,SDF,SDS
共に“0”に設定し、供給源113のポンプモータ作動
指令MP を作動状態値MP1に設定してから前記ステップ
S121に移行する。
【0112】一方、前記ステップS120では、前記第
2開閉手段116の一方の電磁開閉弁116bのソレノ
イドのデューティ比SDSを,前記パイロット圧誤差ΔP
に所定の比例係数aDSを乗じて算出設定すると共に、前
記第1開閉手段115の二つの電磁開閉弁115a,1
15b及び第2開閉手段116の他方の電磁開閉弁11
6aの各ソレノイドのデューティ比SSF,SSS,SDF
共に“0”に設定し、供給源113のポンプモータ作動
指令MP を休止状態値“0”に設定してから前記ステッ
プS121に移行する。
【0113】そして、前記ステップS121では、前記
ステップS115からステップS120の何れかで設定
された各電磁開閉弁115a,115b,116a,1
16bのデューティ比Sj 及びポンプモータ作動指令M
P を夫々制御信号として出力してからメインプログラム
に復帰する。次にこの演算処理による制動力増加量制御
の作用について説明する。
【0114】この図13の演算処理によれば,例えば前
記パイロット圧誤差の絶対値|ΔP|が前記比較的大き
い正値の第1パイロット圧誤差閾値ΔP1 以上であり且
つ当該パイロット圧誤差ΔPが正値である場合には、前
記第1開閉手段115の二つの電磁開閉弁115a,1
15bに対して,前記パイロット圧誤差ΔPに応じて当
該電磁開閉弁115a,115bを開状態とするソレノ
イドデューティ比制御信号SSF,SSSが出力され、前記
第2開閉手段116の二つの電磁開閉弁116a,11
6bに対しては,当該電磁開閉弁116a,116bを
閉状態とするソレノイドデューティ比制御信号SDF,S
DSが出力されて、前記倍力機構102の後方制御圧室1
06の流体圧も急速に増圧されてマスタシリンダ圧,即
ち各ホイールシリンダ圧が急速に増圧されることにな
り、各ホイールシリンダ25FL〜25RRによる制動
力に作用するアシスト力は,相応に大きく且つ急速に増
加する。
【0115】また、例えばこのパイロット圧誤差の絶対
値|ΔP|が前記比較的大きい正値の第1パイロット圧
誤差閾値ΔP1 以上であり且つ当該パイロット圧誤差Δ
Pが負値である場合には、前記第2開閉手段116の二
つの電磁開閉弁116a,116bに対して,前記パイ
ロット圧誤差ΔPに応じて当該電磁開閉弁116a,1
16bを開状態とするソレノイドデューティ比制御信号
DF,SDSが出力され、前記第1開閉手段115の二つ
の電磁開閉弁115a,115bに対しては,当該電磁
開閉弁115a,115bを閉状態とするソレノイドデ
ューティ比制御信号SSF,SSSが出力されて、前記倍力
機構102の後方制御圧室106の流体圧も急速に減圧
されてマスタシリンダ圧,即ち各ホイールシリンダ圧が
急速に減圧されることになり、各ホイールシリンダ25
FL〜25RRによる制動力に作用していたアシスト力
は,相応に大きく且つ急速に減少する。
【0116】また、例えばこのパイロット圧誤差の絶対
値|ΔP|が前記比較的大きい正値の第1パイロット圧
誤差閾値ΔP1 よりは小さいが,前記比較的小さい正値
の第2パイロット圧誤差閾値ΔP2 以上であり且つ当該
パイロット圧誤差ΔPが正値である場合には、前記第1
開閉手段115の他方の電磁開閉弁115aに対して,
前記パイロット圧誤差ΔPに応じて当該電磁開閉弁11
5aを開状態とするソレノイドデューティ比制御信号S
SFが出力され、前記第1開閉手段115の一方の電磁開
閉弁115b及び第2開閉手段116の二つの電磁開閉
弁116a,116bに対しては,当該電磁開閉弁11
5b,116a,116bを閉状態とするソレノイドデ
ューティ比制御信号SSS,SDF,SDSが出力されて、前
記倍力機構102の後方制御圧室106の流体圧も比較
的速やかに増圧されてマスタシリンダ圧,即ち各ホイー
ルシリンダ圧が比較的速やかに増圧されることになり、
各ホイールシリンダ25FL〜25RRによる制動力に
作用するアシスト力は,相応に大きく且つ比較的速やか
に増加する。
【0117】また、例えばこのパイロット圧誤差の絶対
値|ΔP|が前記比較的大きい正値の第1パイロット圧
誤差閾値ΔP1 よりは小さいが,前記比較的小さい正値
の第2パイロット圧誤差閾値ΔP2 以上であり且つ当該
パイロット圧誤差ΔPが負値である場合には、前記第2
開閉手段116の他方の電磁開閉弁116aに対して,
前記パイロット圧誤差ΔPに応じて当該電磁開閉弁11
6aを開状態とするソレノイドデューティ比制御信号S
DFが出力され、前記第1開閉手段115の二つの電磁開
閉弁115a,115b及び第2開閉手段116の一方
の電磁開閉弁116bに対しては,当該電磁開閉弁11
5a,115b,116bを閉状態とするソレノイドデ
ューティ比制御信号SSF,SSS,SDSが出力されて、前
記倍力機構102の後方制御圧室106の流体圧も比較
的速やかに減圧されてマスタシリンダ圧,即ち各ホイー
ルシリンダ圧が比較的速やかに減圧されることになり、
各ホイールシリンダ25FL〜25RRによる制動力に
作用していたアシスト力は,相応に大きく且つ比較的速
やかに減少する。
【0118】また、例えばこのパイロット圧誤差の絶対
値|ΔP|が前記比較的小さい正値の第2パイロット圧
誤差閾値ΔP2 より小さく且つ当該パイロット圧誤差Δ
Pが正値である場合には、前記第1開閉手段115の一
方の電磁開閉弁115bに対して,前記パイロット圧誤
差ΔPに応じて当該電磁開閉弁115bを開状態とする
ソレノイドデューティ比制御信号SSSが出力され、前記
第1開閉手段115の他方の電磁開閉弁115a及び第
2開閉手段116の二つの電磁開閉弁116a,116
bに対しては,当該電磁開閉弁115a,116a,1
16bを閉状態とするソレノイドデューティ比制御信号
SF,SDF,SDSが出力されて、前記倍力機構102の
後方制御圧室106の流体圧も比較的緩やかに増圧され
てマスタシリンダ圧,即ち各ホイールシリンダ圧が比較
的緩やかに増圧されることになり、各ホイールシリンダ
25FL〜25RRによる制動力に作用するアシスト力
は,少しだけゆっくりと増加する。
【0119】また、例えばこのパイロット圧誤差の絶対
値|ΔP|が前記比較的小さい正値の第2パイロット圧
誤差閾値ΔP2 より小さく且つ当該パイロット圧誤差Δ
Pが負値である場合には、前記第2開閉手段116の一
方の電磁開閉弁116bに対して,前記パイロット圧誤
差ΔPに応じて当該電磁開閉弁116bを開状態とする
ソレノイドデューティ比制御信号SDSが出力され、前記
第1開閉手段115の二つの電磁開閉弁115a,11
5b及び第2開閉手段116の他方の電磁開閉弁116
aに対しては,当該電磁開閉弁115a,115b,1
16aを閉状態とするソレノイドデューティ比制御信号
SF,SSS,SDFが出力されて、前記倍力機構102の
後方制御圧室106の流体圧も比較的緩やかに減圧され
てマスタシリンダ圧,即ち各ホイールシリンダ圧が比較
的緩やかに減圧されることになり、各ホイールシリンダ
25FL〜25RRによる制動力に作用していたアシス
ト力は,少しだけゆっくりと減少する。
【0120】勿論、このようなパイロット圧PPLT の増
減圧制御において、前記パイロット圧誤差ΔPが小さく
なると,それがパイロット圧PPLT を増圧する方向であ
っても減圧する方向であっても,流体圧の供給/排出流
量が小さくなるから、当該パイロット圧PPLT の増減圧
量が,流体圧の供給/排出流量と比例関係にあると考え
れば、前記目標パイロット圧P* PLT に対する実パイロ
ット圧PPLT の脈動は小さくなり、これは前記特開昭6
2−37264号公報に記載する目的と合致する。
【0121】ところで、前記図13の演算処理のステッ
プS105又はステップS106で,前記基準値KP0
りも小さな正値の中級値KP1や上級値KP2が比例ゲイン
Pに設定されると、その分だけ,ステップS107で
算出される目標パイロット圧P* PLT が小さくなり、こ
の目標パイロット圧P* PLT に対して実パイロット圧P
PLT が追従制御されているとすると,ステップS109
で算出されるパイロット圧誤差の絶対値|ΔP|も小さ
くなる。従って、このようになると、前記図13の演算
処理のステップS110からステップS121までの演
算処理によって達成される,前記リレー弁112のパイ
ロット室114内のパイロット圧PPLTの最大値が小さ
くなって制動アシスト力の最大値が小さくなると共に、
当該パイロット圧PPLT の増減圧方向への変化率も小さ
くなって制動アシスト力の変化量も小さくなる。そし
て、このように比例ゲインKP が小さな正値の中級値K
P1や上級値KP2に設定されるのは、前記ステップS10
2で実行される図7の演算処理により,運転者の運転技
量が中級運転技量であると判別されて運転技量フラグF
TQが中級者値FTQMDL にセットされた場合や、運転者の
運転技量が上級運転技量であると判別されて運転技量フ
ラグFTQが上級者値FTQEXP にセットされた場合である
から、例えば相対的にブレーキペダルからのキックバッ
クや反発力が大きくなって路面μや車輪のスリップ状態
等を検知し易くなり、高い運転技量が遺憾なく発揮され
て車両評価が向上する。また、運転者の運転技量が初級
運転技量であると判別されて運転技量フラグFTQが初級
者値FTQBGN にセットされた場合には、前記比例ゲイン
P が,前記比較的大きな正値の基準値KP0に設定され
るために、特に制動初期の制動アシスト力が大きくなる
と共にその変化量も大きくなって,例えば低μ路面での
制動距離を確保可能とする。
【0122】次に、本発明の運転技量検出装置及び車両
運動制御装置を,既存のパワーステアリング制御装置に
展開した第3実施例について説明する。このパワーステ
アリング制御装置の基本的な構成は,本出願人が先に提
案した特開平5−105098号公報に記載されるもの
と同様又はほぼ同様であるために、その具体的な構成に
ついては当該公報を参照されるものとして簡潔に説明す
る。なお、この車両は,前記第1実施例及び第2実施例
と同様に後輪駆動車両であるものとする。
【0123】本実施例のパワーステアリング制御装置
は、図示されないステアリングギヤ機構に対して操舵ア
シスト力を発生するパワーシリンダ213への作動流体
圧を制御するために、当該作動流体圧を発生するポンプ
211とリザーバタンク212との間に,図14に示す
コントロールバルブ214が介装されている。このコン
トロールバルブ214は,所謂ロータリバルブとして一
体に構成されていて、その詳細な構成については,前記
特開平5−105098号公報を参照されるものとし、
ここでは当該コントロールバルブ214の概略構成につ
いてのみ,簡潔に説明するものとすると、このコントロ
ールバルブ214は、四つの流体路L1〜L4を環状に
接続した作動流体圧ブリッジ回路の一方の対角線上の接
続点C1及び接続点C2が夫々ポンプ211及びリザー
バタンク212に接続され、他方の対角線上の接続点C
3及び接続点C4が夫々パワーシリンダ213の左右の
流体圧室13L,13Rに夫々接続されていて、ステア
リングホイール315を右操舵又は左操舵すると、ポン
プ311からの作動流体が,前記接続点C1〜接続点C
4間の流体路L1又は接続点C1〜接続点C3間の流体
路L2を介して前記パワーシリンダ313の左流体圧室
313L又は右流体圧室313Rに供給され、両流体圧
室313L,313R内の流体圧差でピストンが左右動
され、このピストンの動きが前記ステアリングギヤ機構
への操舵アシスト力として作用するように構成されてい
る。
【0124】前記各流体路L1,L2及び流体路L3,
L4には、夫々可変オリフィスで構成される第1主可変
絞り201R,201L及び第1主可変絞り202R,
202Lが夫々介装され、更にパワーシリンダ213の
下流側の流体路L3及び流体路L4に介装された第1主
可変絞り202R及び第1主可変絞り202Lの上流側
には,これと直列に第2主可変絞り203R及び第2主
可変絞り203Lが夫々介装されている。また、パワー
シリンダ213の下流側の流体路L3及び流体路L4を
連通するバイパス流体路L5には外部制御可変絞り20
4が介装されている。
【0125】このうち、前記第1及び第2主可変絞り
は、ステアリングホイール215の操舵,例えば左操舵
によって第1主可変絞り201L,202L及び第2主
可変絞り203Lの三つが、右操舵によって第1主可変
絞り201R,202R及び第2主可変絞り203Rの
三つが夫々連動して,後述するステアリングホイール3
15の操舵トルクに応じてその絞り面積が小さくなる変
化するように構成されている。具体的には既存のロータ
リバルブと同様に,図示されないトーションバーの捩じ
り弾性変形量として表れる操舵トルクTに応じて,各主
可変絞りの絞り面積が変化する。
【0126】そして、第1及び第2の各主可変絞りの操
舵トルク−絞り面積特性の詳細は,前記特開平5−10
5098号公報を参照されるものとし、ここではそれら
を図示するに止める。即ち、前記第1主可変絞り201
L,201Rの操舵トルク−絞り面積特性は、図16a
に示すように操舵トルクの増加に伴って,その絞り面積
が減少する。また、前記第1主可変絞り202L,20
2Rの操舵トルク−絞り面積特性は、図16bに示すよ
うに操舵トルクの増加に伴って,その絞り面積が減少す
る。また、前記第2主可変絞り203L,203Rの操
舵トルク−絞り面積特性は、図16cに示すように操舵
トルクの増加に伴って,その絞り面積が減少する。
【0127】一方、前記外部制御可変絞り204は、前
記第1及び第2主可変絞りとは関連せず,独立して絞り
面積が制御される常時閉の電磁可変絞りで構成されてい
る。この外部制御可変絞り204の絞り面積は、後述す
るコントロールユニット217からの駆動信号PPASS
より,主として図16dに示すように車速Vの増加に伴
ってS字状に増加するように制御され、これにより車速
Vが増加すると当該外部制御可変絞り204を介してバ
イパス流体路L5を流れる作動流体の流量が増加し、相
対的に前記パワーシリンダ213の左右流体圧室213
L,213Rに供給される作動流体の流量が減少するた
めに、車速Vが増加するにつれて操舵アシスト力が小さ
くなって,例えば高速走行時の操舵収斂性や走行安定性
を向上すると共に低速走行時の操舵力軽減性を確保可能
とする。なお、本実施例での実質的な外部制御可変絞り
204の絞り面積制御は,当該外部制御可変絞り204
を構成する電磁可変絞りのソレノイドへの所謂PWM
(Pulse Width Modulation)等によるチョッピング制御
によって行われており、従って後述する車速に対する目
標絞り面積追従制御は,電磁可変絞りの開閉状態を,開
方向に設定されたデューティ比で繰り返して選択設定す
ることで達成される。ここでは、目標とする外部制御可
変絞り204の絞り面積S204 は,前記デューティ比と
比例関係にあるものとする。
【0128】この駆動信号PPASSを出力するために、車
両には前記第1実施例及び第2実施例と同様に,図示さ
れないステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角
センサ41と、車両の前後方向車速を検出する車速セン
サ42と、車両に実際に発生している実ヨーレートをヨ
ーイング運動量として検出するヨーレートセンサ43
と、各輪の車輪速を検出する車輪速センサ46FL〜4
6Rと、これらのセンサからの検出信号に基づいて前記
駆動信号PPASSを前記外部制御可変絞り204のソレノ
イドに出力して前記電磁可変絞りの開閉状態を制御する
コントロールユニット217とを備えてなる。
【0129】前記操舵角センサ41,車速センサ42,
ヨーレートセンサ43及び各車輪速センサ46FL〜4
6Rの具体的な構成と作用については、前記第1実施例
及び第2実施例のそれらと同様又はほぼ同様であるため
にその詳細な説明を割愛する。前記コントロールユニッ
ト217は、図15に明示するように、主として車速に
対するパワーステアリング制御装置の外部制御可変絞り
面積追従制御に必要な演算処理を実行するためのマイク
ロコンピュータ262を備え、更に当該マイクロコンピ
ュータ262からの制御信号SPASSに応じて前記駆動信
号PPASSを供給して前記外部制御可変絞り204の電磁
可変絞りのソレノイドを励磁する駆動回路263を備え
ている。
【0130】そして、前記マイクロコンピュータ262
は、前記各センサ41〜43,46FL〜46Rからの
検出信号を各検出値として読込むための波形整形機能や
F/V変換機能やA/D変換機能等を有する入力インタ
フェース回路262aと、マイクロプロセサ等の演算処
理装置262bと、ROM,RAM等の記憶装置262
cと、前記演算処理装置262bで得られたソレノイド
デューティ比制御信号SPASSをアナログ信号として出力
するためのD/A変換機能を有する出力インタフェース
回路262dとを備えている。このマイクロコンピュー
タ162では、主として後段に詳述する図17の演算処
理に従って、車速に応じた所望する操舵アシスト力を得
るに足るパワーシリンダ213の左右流体圧室213
L,213Rへの流体圧を,前記外部制御可変絞り20
4の絞り面積を制御して前記バイパス流体路L5のバイ
パス流量を制御することによって,前記コントロールバ
ルブ214から供給するために、車速検出値Vに応じた
外部制御可変絞り204の基準絞り面積(開度)S204
を,例えば前記図16dのマップ検索等によって設定
し、この基準絞り面積S204 に所定の比例ゲインKP
乗じて,当該外部制御可変絞り204のソレノイドデュ
ーティ比SPASSを算出設定し、このデューティ比SPASS
を制御信号として出力するが、この図17の演算処理に
マイナプログラムとして組込まれた図7の演算処理に従
って,前記各車輪速検出値(以下,単に車輪速とも記
す)Vwi (i=FL〜R),操舵角検出値(以下,単
に操舵角とも記す)θ,車速検出値(以下,単に車速と
も記す)V,実ヨーレート検出値(以下,単に実ヨーレ
ートとも記す)ψ' に基づいて運転者の運転技量を検出
して、その運転技量に見合う運転技量フラグFTQを設定
すると共に、前記図17の演算処理では,この運転技量
フラグFTQに応じて前記比例ゲインKP を変更設定す
る。
【0131】そして、前記マイクロコンピュータ262
から出力されるソレノイドデューティ比制御信号SPASS
は、前記駆動回路263により,前記外部制御可変絞り
204への駆動電圧パルス信号PPASSに変換出力され
る。次に、本実施例の前記マイクロコンピュータ262
による図17の操舵アシスト力制御の演算処理のステッ
プS203で実行される,運転技量検出のためのマイナ
プログラムによる演算処理は、前記第1実施例及び第2
実施例の図7のフローチャートと同様又はほぼ同様であ
るためにその詳細な説明を割愛する。なお、前記図7の
演算処理は,前記メインプログラムである図17の演算
処理が所定サンプリング時間ΔT毎に実行されるため
に,必要なデータのサンプリングや演算処理を当該所定
サンプリング時間ΔT毎に行うことになる。また、前記
記憶装置262cのフラッシュRAMやシフトレジスタ
に記憶されている前後輪速差ΔVwR-F ,実ヨーレート
ψ' ,車速V,操舵角θ,逆操舵角θCTN ,最大操舵角
θ MAX は、キースイッチのオンによる電源投入時に消去
される。また、当該演算処理でセットされた運転技量フ
ラグFTQは、キースイッチのオンによる電源投入時に,
初期値としての初級者値FTQBGN にセットされる。勿
論、前記図7のマイナプログラムによる演算処理から復
帰するメインプログラムは図17の演算処理のステップ
S204であることは言うまでもない。
【0132】次に、前記コントロールユニット217の
マイクロコンピュータ262で実行される操舵アシスト
力制御の演算処理を,図17のフローチャートに基づい
て説明する。この制動力増加量制御処理は、所定時間Δ
T(例えば3.3msec.)毎のタイマ割込処理として実
行され、キースイッチのオンによる電源投入時に設定さ
れる比例ゲインKP の初期値は,前記基準値KP0であ
る。
【0133】即ち、図17の演算処理が開始されると,
まずステップS201で車速センサ42で検出された車
速Vを読込む。次にステップS202に移行して、例え
ば前記図16dのマップ検索等により、前記車速Vに応
じた外部制御可変絞り204の基準絞り面積(開度)S
204 を算出設定する。
【0134】次にステップS203に移行して、前記図
7の演算処理によって運転技量フラグFTQを算出設定す
る。次にステップS204に移行して、前記運転技量フ
ラグFTQを判別し、当該運転技量フラグFTQが前記初級
者値FTQBGN である場合にはステップS205に移行
し、当該運転技量フラグFTQが前記中級者値FTQMDL
ある場合にはステップS206に移行し、当該運転技量
フラグFTQが前記上級者値FTQEXP である場合にはステ
ップS207に移行する。
【0135】前記ステップS205では、前記比例ゲイ
ンKP を前記比較的小さい正値の基準値KP0に設定して
から,ステップS208に移行する。また、前記ステッ
プS206では、前記比例ゲインKP を前記比較的大き
い正値の中級値KP1に設定してから,前記ステップS2
08に移行する。また、前記ステップS207では、前
記比例ゲインKP を前記更に大きい正値の上級値KP2
設定してから,前記ステップS208に移行する。
【0136】前記ステップS208では、前記基準絞り
面積(開度)S204 に前記比例ゲインKP を乗じて,前
記外部制御可変絞り204のソレノイドデューティ比S
PASSを算出設定する。次にステップS209に移行し
て、前記ステップS208で設定された外部制御可変絞
り204のソレノイドデューティ比SPASSを制御信号と
して出力してからメインプログラムに復帰する。
【0137】次にこの演算処理による制動力増加量制御
の作用について説明する。この図17の演算処理によれ
ば,前記所定サンプリング時間ΔT毎に、ステップS2
02で車速Vに応じた基準絞り面積(開度)S204 が設
定され、この基準絞り面積(開度)S204 に応じた前記
外部制御可変絞りのソレノイドデューティ比SPASSが,
ステップS208で所定の比例ゲインKP を用いて算出
され、このソレノイドデューティ比SPASSが制御信号と
して出力され、駆動回路263で駆動パルス信号PPASS
に変換されて外部制御可変絞り204に出力されるが、
前記基準絞り面積(開度)S204 が,前記図16dの制
御マップのように,車速Vの増加に伴って大きくなるた
め、車速Vが増加するほど,比例ゲインKP 一定下で,
外部制御可変絞り204のソレノイドデューティ比S
PASSは大きくなることになる。従って、前記比例ゲイン
P が例えば前記基準値KP0一定であり且つ操舵トルク
Tが一定である,即ち前記第1及び第2の各主可変絞り
の絞り面積が一定である状態で、車速Vが大きくなるほ
ど,前記バイパス流体路L5への作動流体のバイパス流
量が増加することになって、相対的にパワーシリンダ2
13の左右各流体圧室213L,213Rへの作動流体
の供給流量が減少することになり、従って当該パワーシ
リンダ213に作用する供給流体圧,即ち操舵アシスト
力は、図18に実線で示すように,車速零付近での所謂
据切りで大きくなり、高速走行時には小さくなることに
なる。従って、低速走行時の操舵力軽減と高速走行時の
操舵収斂性及び走行安定性向上との両立を可能とする。
【0138】ところで、前記図17の演算処理のステッ
プS206又はステップS207で,前記基準値KP0
りも大きな正値の中級値KP1や上級値KP2が比例ゲイン
Pに設定されると、その分だけ,ステップS208で
算出される外部制御可変絞り204のソレノイドデュー
ティ比SPASSが大きくなり、このソレノイドデューティ
比SPASSが制御信号として出力されると,前記比例ゲイ
ンKP の増加量に相当する分だけ前記バイパス流体路L
5を流れる作動流体のバイパス流量が増加し、相対的に
パワーシリンダ213の左右各流体圧室213L,21
3Rへの作動流体の供給流量が減少して,当該パワーシ
リンダ213のピストンに作用する作動流体圧,即ち操
舵アシスト力は小さくなる。そして、このように比例ゲ
インKPが大きな正値の中級値KP1や上級値KP2に設定
されるのは、前記ステップS203で実行される図7の
演算処理により,運転者の運転技量が中級運転技量であ
ると判別されて運転技量フラグFTQが中級者値FTQMDL
にセットされた場合や、運転者の運転技量が上級運転技
量であると判別されて運転技量フラグFTQが上級者値F
TQEXP にセットされた場合であるから、例えば前記図1
8の操舵トルク−供給流体圧(アシスト力)特性に実線
で示す特性曲線が,夫々初級運転技量しか有さない初級
運転者ものであるとすると、例えば上級運転技量を有す
る上級運転者の特性曲線は,前記車速零付近の据切り
時,高速走行時共に、同図18に二点鎖線で示すような
操舵アシスト力の小さなものとなろう。従って、このよ
うに操舵アシスト力が小さくなると、例えば相対的にス
テアリングホイールからのキックバックや反発力が大き
くなって路面μや車輪の横滑り状態等を検知し易くな
り、高い運転技量が遺憾なく発揮されて車両評価が向上
する。また、運転者の運転技量が初級運転技量であると
判別されて運転技量フラグFTQが初級者値FTQBGN にセ
ットされた場合には、前記比例ゲインKP が,前記比較
的小さな正値の基準値KP0に設定されるために、特に制
動初期の操舵アシスト力が大きくなると共にその変化量
も大きくなって,例えば高μ路面での回頭性を向上した
り、ひいては低μ路面での走行安定性を向上したりする
ことができる。
【0139】なお、前記外部制御可変絞りの絞り面積
(開度)の制御入力は,前記車速のみならず、例えば車
両前後加減速度や車両横加速度やヨーイング運動量や路
面μ等を併用して或いは単独で用いてもよい。また、前
記実施例では,運転技量が高くなるほど,パワーシリン
ダへの作動流体路をバイパスする作動流体流量を増加す
ることで、当該パワーシリンダへの作動流体流量,即ち
作動流体圧であり操舵アシスト力を減少する場合につい
てのみ詳述したが、要は運転技量が高くなるほど操舵ア
シスト力を減少し,運転技量が低くなるほど操舵アシス
ト力を増加するように、操舵制御入出力系のゲインを設
定すればよいのであって、その具体的な手段は,前記に
限定されるものではない。
【0140】次に、本発明の運転技量検出装置及び車両
運動制御装置を,既存の四輪操舵制御装置に展開した第
4実施例について説明する。この四輪操舵制御装置の基
本的な構成は,従来既存のものと同様又はほぼ同様であ
るために、その具体的な構成については簡潔に説明す
る。なお、この車両は,前記第1実施例乃至第3実施例
と同様に後輪駆動車両であるものとする。
【0141】まず、図19に四輪操舵車両の全体的な構
成を簡潔に示す。同図において、各車輪310FL〜3
10RRは少なくとも車両に対して水平方向に揺動可能
に支持されたハブキャリアに回転自在に支持されてお
り、このうち前輪310FL,310FRに対しては両
ハブキャリア間を,夫々タイロッド313を介して既知
のラックアンドピニオン式ステアリングギヤ装置314
のラック軸に連結して、ステアリングシャフト316に
連結されたステアリングホイール315を回転させるこ
とにより両前輪310FL,310FRが同方向に機械
式に主操舵されるように構成されている。
【0142】また、同図の302は車両に搭載された後
輪操舵装置を示す。この後輪操舵装置302では、後輪
310RL,310RRに対して両ハブキャリア間を,
夫々タイロッド318を介して後輪操舵用の操舵軸32
0で連結している。そして、後輪操舵軸320は後輪操
舵用両ロッド形複動シリンダ322のピストンロッドと
して機能しており、当該後輪操舵用シリンダ322内は
操舵軸320と一体のピストン324によって左右のシ
リンダ室326L,326Rに分割され、これらシリン
ダ室326L,326Rへの作動流体の供給量に応じて
操舵軸320がストロークされる。なお、各シリンダ室
326L,326R内には同等の弾性係数並びに自由長
を有するスプリング328が内装されており、各シリン
ダ室326L,326Rへの供給流体圧が解除されると
ピストン324がシリンダ322の中央部に移動されて
センタリングされ、後輪310RL,310RRが中庸
位置に復帰される。なお、前記シリンダ322に内装さ
れたスプリング328は,通常旋回で車輪に生じるコー
ナリングフォースによって容易に変形しない弾性係数を
有するものである。
【0143】更に、前記後輪操舵用シリンダ322の各
シリンダ室326L,326Rには、リザーバ334か
ら吸引したポンプ330からの所定圧の作動流体が制御
弁332を介して供給される。具体的に,ポンプ330
は制御弁332のポンプポートPに接続され、当該制御
弁332のリターンポートRがリザーバ334に接続さ
れ、その二つの出力ポートA,Bが夫々,シリンダ32
2の一方のシリンダ室326L,326Rに接続されて
いる。なお、このうちポンプ332やリザーバ334は
前記ラックアンドピニオン式ステアリングギヤ装置に並
設された図示されないパワステアリング機構のものと兼
用してもよい。
【0144】前記制御弁332は、各二つずつの入出力
ポートを有する4ポート3位置スプリングセンタ形の電
磁方向切換弁で構成されており、図19の上方の電磁ソ
レノイド360aは後述するコントロールユニットから
の駆動信号PRRで励磁され,下方の電磁ソレノイド36
0bはコントロールユニットからの駆動信号PRLで励磁
される。ここで、当該制御弁332の両電磁ソレノイド
360a,360bが励磁されていない状態では,図1
9の両側のリターンスプリング361a,361bの弾
性力が均衡して制御弁332は中央切換え位置となり、
この状態で当該制御弁332のポンプポートPとリター
ンポートRとが連通状態となり、各出力ポートA,Bは
夫々遮断状態となる。従って、この状態ではポンプ33
2の吐出流体圧はそのままリザーバ334に帰還される
と共に,シリンダ322の左右のシリンダ室326L,
326Rは夫々内部の油圧が封じ込められて保持モード
となる。
【0145】この状態から、前記コントロールユニット
の駆動信号PRLにより図19の下方の電磁ソレノイド3
60aが励磁されると,図の下方のリターンスプリング
361aの弾性力に抗して制御弁332は同図の右切換
え位置となり、この状態で当該制御弁332のポンプポ
ートPと他方の出力ポートBとが連通状態となり、リタ
ーンポートRと一方の出力ポートAとが連通状態とな
る。従って、この状態でポンプ330からの吐出流体圧
が,作動流体をシリンダ322の右シリンダ室326R
に供給して操舵軸320のピストン324が図19の下
方に移動され、結果的に左シリンダ室326L内の作動
流体はリザーバ334に帰還されるから、後輪310R
L,310RRは右切りモードとなる。
【0146】一方、前記コントロールユニットの駆動信
号PRRにより図19の上方の電磁ソレノイド360bが
励磁されると,図の上方のリターンスプリング361b
の弾性力に抗して制御弁332は同図の左切換え位置と
なり、この状態で当該制御弁332のポンプポートPと
前記一方の出力ポートAとが連通状態となり、リターン
ポートRと他方の出力ポートBとが連通状態となる。従
って、この状態でポンプ330からの吐出流体圧が,作
動流体をシリンダ322の左シリンダ室326Lに供給
して操舵軸320のピストン324が図19の上方に移
動され、結果的に右シリンダ室326R内の作動流体は
リザーバ334に帰還されるから、後輪310RL,3
10RRは左切りモードとなる。
【0147】なお、本実施例での実質的な制御弁332
のポジション切換え制御は,各ソレノイド360a,3
60bへの所謂PWM(Pulse Width Modulation)等に
よるチョッピング制御によって行われており、従って後
述する目標後輪転舵角追従制御は,電磁方向切換弁の開
閉状態を,所望する転舵モードに設定されたデューティ
比で繰り返して選択設定することで達成される。ここで
は、目標とする後輪転舵角と実際の後輪転舵角との誤差
は,前記デューティ比と比例関係にあるものとする。そ
こで、この後輪転舵角誤差を右切増しで正値,左切増し
で負値となるΔδR とし、制御弁332の各ソレノイド
360a,360bへの駆動信号PRL,PRRのデューテ
ィ比をSRL,SRRとすると、前述のように後輪310
a,310bを左切増しするために必要とされる左ソレ
ノイド360aへのデューティ比S RLは,前記後輪転舵
角誤差ΔδR が負の領域で減少するに従って次第に正方
向に増加し、後輪310a,310bを右切増しするた
めに必要とされる右ソレノイド360bへのデューティ
比SRRは,前記後輪転舵角誤差ΔδR が正の領域で増加
するに従って次第に正方向に増加すればよい。但し、何
れもデューティ比SRL,SRRの最大値は当然100%で
ある。また、前記ポンプ330は,駆動信号D P によっ
て回転駆動及び出力制御される。
【0148】そして、これらの駆動信号PPASSを出力す
るために、車両には前記第1実施例乃至第3実施例と同
様に,図示されないステアリングホイールの操舵角を検
出する操舵角センサ41と、車両の前後方向車速を検出
する車速センサ42と、車両に実際に発生している実ヨ
ーレートをヨーイング運動量として検出するヨーレート
センサ43と、各輪の車輪速を検出する車輪速センサ4
6FL〜46Rと、実際の後輪の実転舵角を検出する後
輪転舵角センサ309と、これらのセンサからの検出信
号に基づいて前記駆動信号PRL,PRRを前記制御弁33
2の各ソレノイド360a,360bに出力して当該制
御弁332の切換位置を制御し並びに駆動信号DP を出
力して前記ポンプ320の回転作動を制御するコントロ
ールユニット303とを備えてなる。
【0149】前記操舵角センサ41,車速センサ42,
ヨーレートセンサ43及び各車輪速センサ46FL〜4
6Rの具体的な構成と作用については、前記第1実施例
乃至第3実施例のそれらと同様又はほぼ同様であるため
にその詳細な説明を割愛する。また、前記後輪転舵角セ
ンサ309は後左右輪310RL,310RRの中庸位
置からの実後輪転舵角の大きさに応じ且つ両後輪310
RL,310RRが右切りされているときに正,左切り
されているときに負となる電圧信号からなる実後輪転舵
角検出値(以下,単に実後輪転舵角とも記す)δR をコ
ントローラ303に向けて出力する。
【0150】前記コントロールユニット303は、図2
0に明示するように、主として四輪操舵制御装置の目標
後輪転舵角追従制御に必要な演算処理を実行するための
マイクロコンピュータ362を備え、更に当該マイクロ
コンピュータ362からの制御信号SRL,SRRに応じて
前記駆動信号PRL,PRRを供給して前記制御弁332の
ソレノイド360a,360bを励磁する駆動回路36
3a,363b及び制御信号MP に応じて前記駆動信号
P を供給して前記ポンプ330のモータを回転駆動す
る駆動回路364とを備えている。
【0151】そして、前記マイクロコンピュータ362
は、前記各センサ41〜43,46FL〜46R,30
9からの検出信号を各検出値として読込むための波形整
形機能やF/V変換機能やA/D変換機能等を有する入
力インタフェース回路362aと、マイクロプロセサ等
の演算処理装置362bと、ROM,RAM等の記憶装
置362cと、前記演算処理装置362bで得られたソ
レノイドデューティ比制御信号SRL,SRR及びポンプモ
ータ制御信号MP をアナログ信号として出力するための
D/A変換機能を有する出力インタフェース回路362
dとを備えている。このマイクロコンピュータ362で
は、主として後段に詳述する図22の演算処理に従っ
て、所望する後輪転舵角を得るに足るシリンダ322の
左右シリンダ室326L,326Rへの流体圧を,前記
制御弁332から供給するために、前記操舵角検出値
(以下,単に操舵角とも記す)θに所定の比例ゲインK
P を乗じた値(同相方向への後輪転舵角)と,操舵角θ
の微分値である操舵角速度θ'に所定の微分ゲインKD
を乗じた値(逆相方向への後輪転舵角)とを和して目標
後輪転舵角δ* R を算出設定し、この目標後輪転舵角δ
* R から前記実後輪転舵角δR を減じた後輪転舵角誤差
ΔδR を算出設定し、前記操舵角の絶対値|θ|が不感
帯閾値θ0 以上で前記後輪転舵角誤差|ΔδR |が正値
であるときに,主として右ソレノイド360bへのデュ
ーティ比SRRが増加し左ソレノイド360aへのデュー
ティ比SRLは“0”となるように、前記操舵角の絶対値
|θ|が不感帯閾値θ0 以上で前記後輪転舵角誤差|Δ
δR |が負値であるときに,主として左ソレノイド36
0aへのデューティ比SRLが増加し右ソレノイド360
bへのデューティ比SRRは“0”となるように各デュー
ティ比SRL,SRRを算出設定すると共に,何れの場合も
ポンプモータ作動指令MP を作動状態値MP1とし、また
前記操舵角の絶対値|θ|が不感帯閾値θ0 より小さい
ときには各ソレノイドデューティ比SRL,SRRを“0”
に設定すると共にポンプモータ作動指令MP を休止状態
値“0”とし、これらのソレノイドデューティ比SRL
RR及びポンプモータ作動指令MP を夫々制御信号とし
て出力するが、この図22の演算処理にマイナプログラ
ムとして組込まれた図7の演算処理に従って,各車輪速
検出値(以下,単に車輪速とも記す)Vwi (i=FL
〜R),前記操舵角θ,車速検出値(以下,単に車速と
も記す)V,実ヨーレート検出値(以下,単に実ヨーレ
ートとも記す)ψ' に基づいて運転者の運転技量を検出
して、その運転技量に見合う運転技量フラグFTQを設定
すると共に、前記図22の演算処理では,この運転技量
フラグFTQに応じて前記微分ゲインKD を変更設定す
る。
【0152】そして、前記マイクロコンピュータ362
から出力されるソレノイドデューティ比制御信号SRL
RRは、前記駆動回路363a,363bにより,前記
制御弁332の各ソレノイド360a,360bへの駆
動電圧パルス信号PRL,PRRに変換出力され、前記マイ
クロコンピュータ362から出力されるポンプモータ制
御信号MP は、前記駆動回路364により,前記ポンプ
330のポンプモータへの回転駆動信号DP に変換出力
される。
【0153】次に、本実施例の前記マイクロコンピュー
タ362による図22の後輪転舵角制御の演算処理のス
テップS302で実行される,運転技量検出のためのマ
イナプログラムによる演算処理は、前記第1実施例乃至
第3実施例の図7のフローチャートと同様又はほぼ同様
であるためにその詳細な説明を割愛する。なお、前記図
7の演算処理は,前記メインプログラムである図22の
演算処理が所定サンプリング時間ΔT毎に実行されるた
めに,必要なデータのサンプリングや演算処理を当該所
定サンプリング時間ΔT毎に行うことになる。また、前
記記憶装置362cのフラッシュRAMやシフトレジス
タに記憶されている前後輪速差ΔVwR- F ,実ヨーレー
トψ' ,車速V,操舵角θ,逆操舵角θCTN ,最大操舵
角θMAXは、キースイッチのオンによる電源投入時に消
去される。また、当該演算処理でセットされた運転技量
フラグFTQは、キースイッチのオンによる電源投入時
に,初期値としての初級者値FTQBGN にセットされる。
勿論、前記図7のマイナプログラムによる演算処理から
復帰するメインプログラムは図22の演算処理のステッ
プS303であることは言うまでもない。
【0154】次に、前記コントロールユニット303の
マイクロコンピュータ362で実行される後輪転舵角制
御の演算処理を,図22のフローチャートに基づいて説
明する。この後輪転舵角制御処理は、所定時間ΔT(例
えば3.3msec.)毎のタイマ割込処理として実行さ
れ、キースイッチのオンによる電源投入時に設定される
微分ゲインKD の初期値は,前記基準値KD0である。ま
た、前記操舵角センサ41から読込まれた操舵角の今回
値θ(n) は、図22の演算処理の図示されない最終ステ
ップで,操舵角の前回値θ(n-1) として前記記憶装置3
62cのRAM等に更新記憶される。また、この演算処
理では特に通信のためのステップを設けていないが、前
記記憶装置362cのROMに記憶されているプログラ
ムやマップ或いはRAMに記憶されている各種のデータ
等は常時演算処理装置362bのバッファ等に伝送さ
れ、また演算処理装置362bで算出された各算出結果
も随時記憶装置362cに記憶される。
【0155】即ち、図22の演算処理が開始されると,
まずステップS301で操舵角センサ41で検出された
操舵角の今回値θ(n) を読込む。次にステップS302
に移行して、前記図7の演算処理によって運転技量フラ
グFTQを算出設定する。次にステップS303に移行し
て、前記運転技量フラグFTQを判別し、当該運転技量フ
ラグFTQが前記初級者値FTQBGN である場合にはステッ
プS304に移行し、当該運転技量フラグFTQが前記中
級者値FTQMDL である場合にはステップS305に移行
し、当該運転技量フラグFTQが前記上級者値FTQEXP
ある場合にはステップS306に移行する。
【0156】前記ステップS304では、前記微分ゲイ
ンKD を前記比較的大きな負値の基準値KD0に設定して
から,ステップS307に移行する。また、前記ステッ
プS305では、前記微分ゲインKD を前記比較的小さ
い負値の中級値KD1に設定してから,前記ステップS3
07に移行する。また、前記ステップS306では、前
記微分ゲインKD を前記更に小さい負値の上級値KD2
設定してから,前記ステップS307に移行する。
【0157】前記ステップS307では、操舵角の今回
値θ(n) 及びその前回値θ(n-1) を用いて,下記6式に
従って操舵角速度θ' を算出設定する。 θ' =(θ(n) −θ(n-1) )/ΔT ……… (5) 次にステップS308に移行して、前記予め設定された
所定の比例ゲインKP及び前記ステップS304乃至ス
テップS306の何れかで設定された所定の微分ゲイン
D を用いて,下記6式に従って前記目標後輪転舵角δ
* R を算出設定する。
【0158】 δ* R =KP ・θ+KD ・θ' ……… (6) 次にステップS309に移行して、前記後輪転舵角セン
サ309で検出された実後輪転舵角δR を読込む。次に
ステップS310に移行して、前記目標後輪転舵角δ*
R 及び実後輪転舵角δR を用いて,下記7式に従って後
輪転舵角誤差ΔδR を算出設定する。
【0159】 ΔδR =δ* R −δR ……… (7) 次にステップS311に移行して、前記操舵角の絶対値
|θ|が予め設定された不感帯閾値θ0 より小さいか否
かを判定し、当該操舵角の絶対値|θ|が不感帯閾値θ
0 より小さい場合にはステップS312に移行し、そう
でない場合にはステップS313に移行する。
【0160】前記ステップS313では、前記後輪転舵
角誤差の絶対値|ΔδR |が予め設定された不感帯閾値
ΔδR0以上であるか否かを判定し、当該後輪転舵角誤差
の絶対値|ΔδR |が不感帯閾値ΔδR0以上である場合
にはステップS314に移行し、そうでない場合には前
記ステップS313に移行する。前記ステップS313
では、左右各ソレノイドデューティ比SRL,SRRを共に
“0”に設定すると共にモータ作動指令MP を休止状態
を示す“0”に設定してからステップS315に移行す
る。
【0161】一方、前記ステップS314では、左右各
ソレノイドデューティ比SRL,SRRを夫々前記図21の
マップ検索等によって設定すると共にモータ作動指令M
P を作動状態を示すMP1に設定してから前記ステップS
315に移行する。前記ステップS315では、前記左
右各ソレノイドデューティ比SRL,SRR及びモータ作動
指令MP を夫々制御信号として出力してからメインプロ
グラムに復帰する。
【0162】次にこの演算処理による後輪転舵角制御の
作用について図23を用いながら説明する。図23aで
は,時刻t00から時刻t10までにステアリングホイール
315を滑らかに右切りし、時刻t10以後,一定の操舵
角に収束保持した場合であるが、前記図22の演算処理
のステップS308で算出される比例項KP ・θは,図
23bに破線で示すように、前記操舵角θの増加と共に
同相方向に滑らかに増加する。一方、前記微分ゲインK
D が前記基準値KD0一定であるとして,前記図22の演
算処理のステップS307及びステップS308で算出
される微分項KD ・θ' は,前記操舵角速度θ' が操舵
角θよりも位相が進んでいるために、前記時刻t10より
も早い操舵角θの傾きが最大となる時刻t05までに逆相
方向に速やかに増加し、その後,時刻t10までに速やか
に減少する。従って、前記ステップS308で両者の和
から算出される目標後輪転舵角δ* R は,操舵の初期に
逆相方向となり,その後同相方向となることが想定され
る。ここで、前記図22の演算処理のステップS310
〜ステップS315で,実後輪転舵角δR が前記目標後
輪転舵角δ* R に対してリアルタイムに追従制御される
とすると、実後輪転舵角δ R は,図23bに実線で示す
ように変化し、結果的に旋回の初期には後輪310R
L,310RRが逆相方向に転舵されて回頭性が向上
し、その後,同相方向に転舵されて走行安定性が向上す
る。この逆相方向への後輪転舵成分は,危険回避やレー
ンチェンジ等のためにステアリングホイール315を速
く操作して,操舵角速度θ' が増加するほど大きくなる
ことになるから、その分だけ操舵初期の回頭性が向上し
て運転者の意思を車両運動に反映することができる。ス
テアリングホイール315を左切りした場合にも,操舵
角θの発生方向が逆方向となったり,後輪転舵の方向が
逆方向となるだけで、全く同様の効果が得られる。な
お、操舵角の絶対値|θ|が前記不感帯閾値θ0 より小
さい,即ち近似直進走行しているときや、後輪転舵角誤
差の絶対値|ΔδR |が不感帯閾値ΔδR0より小さい,
即ち定常旋回走行しているときに、シミー等の小さな揺
れがステアリングホイール315に発生しても、図22
の演算処理のステップS312では左右各ソレノイドデ
ューティ比SRL,SRRは共に“0”となり、結果的に後
輪310RL,310RRの転舵角δR は変化しないこ
とになるから、前記走行状態における走行安定性を確保
して車両運動が不安定になることはない。
【0163】ところで、前記図22の演算処理のステッ
プS305又はステップS306で,前記基準値KP0
りも小さな負値の中級値KP1や上級値KP2が微分ゲイン
Dに設定されると、その分だけ,図23bに示すよう
にステップS308で算出される逆相方向への後輪転舵
成分が大きくなることになり、結果的に達成される後輪
転舵角δR は図23bに一点鎖線で示すように,操舵初
期の逆相方向への後輪転舵量が大きくなる。そして、こ
のように微分ゲインKD が小さな負値の中級値KP1や上
級値KP2に設定されるのは、前記ステップS302で実
行される図7の演算処理により,運転者の運転技量が中
級運転技量であると判別されて運転技量フラグFTQが中
級者値FTQMDL にセットされた場合や、運転者の運転技
量が上級運転技量であると判別されて運転技量フラグF
TQが上級者値FTQEXP にセットされた場合であるから、
例えば前記図23bに実線で示す後輪転舵角特性曲線
が,初級運転技量しか有さない初級運転者ものであると
すると、図23bに一点鎖線で示す後輪転舵角特性曲線
が,上級運転技量を有する上級運転者のものとなろう。
従って、このように操舵初期の逆相方向への後輪転舵角
δR が大きくなると,その分だけ車両回頭性が向上し、
上級運転者にはきびきびとして軽快な旋回特性や操縦性
が与えられて車両評価が向上する。また、運転者の運転
技量が初級運転技量であると判別されて運転技量フラグ
TQが初級者値FTQBGN にセットされた場合には、前記
微分ゲインKD が,前記比較的大きな負値の基準値KP0
に設定されるために、特に低μ路面での走行安定性を確
保することができる。
【0164】なお、前記後輪転舵用シリンダへの制御入
力は,前記操舵角或いは操舵角速度のみならず、例えば
車両前後加減速度や車両横加速度やヨーイング運動量や
路面μ等を併用して或いは単独で用いてもよい。以上よ
り、前記各実施例の車輪速センサ46FL〜46R及び
図7の演算処理のステップS32,ステップS33,ス
テップS42,ステップS43,ステップS45,ステ
ップS46が本発明のうち請求項2に係る運転技量検出
装置のスリップ量検出手段に相当し、前記各実施例のヨ
ーレートセンサ43及び図7の演算処理のステップS3
5,ステップS42,ステップS43,ステップS4
5,ステップS46が本発明のうち請求項3に係る運転
技量検出装置のヨーイング運動量検出手段に相当し、前
記各実施例の車速センサ42及び図7の演算処理のステ
ップS36,ステップS42,ステップS43,ステッ
プS45,ステップS46が本発明のうち請求項4に係
る運転技量検出装置の車速検出手段に相当し、前記各実
施例の操舵角センサ41及び図7の演算処理のステップ
S37〜ステップS40,ステップS42,ステップS
43,ステップS45,ステップS46が請求項2乃至
請求項4に係る運転技量検出装置の操舵角検出手段に相
当し、前記各実施例の図7の演算処理のステップS4
9,ステップS53,ステップS58,ステップS6
1,ステップS60,ステップS65,ステップS66
が本発明のうち請求項2に係る運転技量検出装置の車両
姿勢立直し技量検出手段に相当し、前記各実施例の図7
の演算処理のステップS50,ステップS54,ステッ
プS58,ステップS61,ステップS62,ステップ
S65,ステップS66が本発明のうち請求項3に係る
運転技量検出装置の曲路走破技量検出手段に相当し、前
記各実施例の図7の演算処理のステップS51,ステッ
プS56,ステップS58,ステップS61,ステップ
S64〜ステップS66が本発明のうち請求項4に係る
運転技量検出装置の高速走行対応技量検出手段に相当
し、前記スリップ量検出手段及びヨーイング運動量検出
手段及び車速検出手段が本発明のうち請求項1乃至請求
項4に係る運転技量検出装置の車両運動状態量検出手段
に相当し、前記操舵角検出手段が本発明のうち請求項1
乃至請求項4に係る運転技量検出装置の操舵状態量検出
手段に相当し、前記車両姿勢立直し技量検出手段及び曲
路走破技量検出手段及び高速走行対応技量検出手段及び
前記各実施例の図7の演算処理全体が本発明のうち請求
項1乃至請求項4に係る運転技量検出手段に相当し、前
記第1実施例では図7の演算処理及び図8の演算処理を
含む図9の演算処理が本発明のうち請求項6に係る車両
運動制御装置の制動力設定手段及び請求項5に係る車両
運動制御量設定手段に相当し、図2の車両装備構成及び
図3のコントロールユニット40が本発明のうち請求項
6に係るアンチスキッド制御手段及び請求項5に係る車
両運動制御手段に相当し、前記第2実施例では図7の演
算処理及び図13の演算処理が本発明のうち請求項7に
係る車両運動制御装置の制動力増加量設定手段及び請求
項5に係る車両運動制御量設定手段に相当し、図11の
車両装備構成及び図12のコントロールユニット117
が本発明のうち請求項7に係る制動力増加量制御手段及
び請求項5に係る車両運動制御手段に相当し、前記第3
実施例では図7の演算処理及び図17の演算処理が本発
明のうち請求項8に係る車両運動制御装置の操舵アシス
ト力設定手段及び請求項5に係る車両運動制御量設定手
段に相当し、図14の車両装備構成及び図15のコント
ロールユニット217が本発明のうち請求項8に係るパ
ワーステアリング制御手段及び請求項5に係る車両運動
制御手段に相当し、前記第4実施例では図7の演算処理
及び図22の演算処理が本発明のうち請求項8に係る車
両運動制御装置の操舵量設定手段及び請求項5に係る車
両運動制御量設定手段に相当し、図19の車両装備構成
及び図20のコントロールユニット303が本発明のう
ち請求項9に係る四輪操舵制御手段及び請求項5に係る
車両運動制御手段に相当する。
【0165】なお、前記各実施例では車両が後輪駆動車
両であるために,その車両ステアリング特性が所謂オー
バステア傾向となり、その結果,車両のスリップ量検出
手段で検出された前後輪速差ΔVwR-F に対する車両姿
勢立直し技量を検出するために、操舵状態量検出手段の
操舵角検出手段で検出される操舵角を,所謂カウンタス
テアに相当する逆操舵角に設定したが、例えば当該車両
のステアリング特性がアンダステア傾向である場合に
は,順方向への切増し操舵角を用いて車両姿勢立直し技
量を検出すればよく、即ちこれらの操舵状態量と車両運
動状態量との相関は,当該車両特性に応じて適切に設定
すべきであると言える。
【0166】また、本発明の車両運動制御装置は,後輪
駆動車,前輪駆動車,四輪駆動車等のあらゆる車両に適
用可能である。また、前記各実施例では直接操舵角を検
出することで操舵状態を検出するものについてのみ詳述
したが、本発明では例えば実際に車両に発生しているヨ
ーレートや横加速度から操舵角を算出或いは推定するこ
とによって操舵状態を検出するようにしてもよい。
【0167】また、前記各実施例はコントロールユニッ
ト217としてマイクロコンピュータを適用した場合に
ついて説明したが、これに代えてカウンタ,比較器等の
電子回路を組み合わせて構成することもできる。
【0168】
【発明の効果】以上説明したように本発明の運転技量検
出装置によれば、各車輪間のスリップ量やヨーレート等
のヨーイング運動量や車速等の車両運動状態量検出値
と,操舵角や操舵角速度等のステアリングホイールの操
舵状態量検出値との相関係数を,予め設定した運転技量
に係る相関係数閾値と比較判定するなどにより,当該相
関係数に相当する運転技量を判別することで運転者の運
転技量を検出することができる。
【0169】また、駆動輪と非駆動輪との間で発生する
スリップ量等のような各車輪のスリップ量検出値と,後
輪駆動車両におけるカウンタステア等の操舵量からなる
ステアリングホイールの操舵角検出値との相関係数を,
予め設定したスリップ時の車両姿勢立直し技量に係る相
関係数閾値と比較判定するなどにより,当該相関係数に
相当する車両姿勢立直し技量を判別することで運転者の
スリップ時の車両姿勢立直し技量を検出することができ
る。
【0170】また、旋回中に発生するヨーレート等のよ
うな車両に発生するヨーイング運動量検出値と,一回の
旋回走行における最大操舵量等からなるステアリングホ
イールの操舵角検出値との相関係数を,予め設定した旋
回走行時の運転技量に係る相関係数閾値と比較判定する
などにより,当該相関係数に相当する曲路走破技量を判
別することで運転者の曲路走破技量を検出することがで
きる。
【0171】また、当該車両の前後方向車速検出値と,
一回の旋回走行における最大操舵量等からなるステアリ
ングホイールの操舵角検出値との相関係数を,予め設定
した高速走行時の運転技量に係る相関係数閾値と比較判
定するなどにより,当該相関係数に相当する高速走行対
応技量を判別することで運転者の高速走行対応技量を検
出することができる。
【0172】また、本発明の車両運動制御装置によれ
ば、前記各運転技量検出装置で検出された運転技量検出
値に基づいて,車両に設けられた車両運動制御手段の制
御量を設定するため、当該運転技量検出値が,運転に熟
達した前記上級運転者のそれのように高い場合には、本
来の車両特性が引き出せるように前記各車両運動制御手
段の制御量を設定することで,車両評価を向上すること
ができるし、また当該運転技量検出値が,運転に不慣れ
な前記初級運転者のそれのように低い場合には、車両の
走行安全性が高まるように前記各車両運動制御手段の制
御量を設定することで,車両評価が向上することができ
る。
【0173】また、前記運転技量検出値が高くなると共
に制動に係る制動操作力を優先し,当該運転技量検出値
が低くなると共に制動距離を優先するように、アンチス
キッド制御手段の制御量である制動力を設定すれば、前
記運転技量検出値が,運転に熟達した前記上級運転者の
それのように高い場合には、高μ路面での制動距離を短
縮して車両評価を向上することができるし、また前記運
転技量検出値が,運転に不慣れな前記初級運転者のそれ
のように低い場合には、低μ路面での制動距離を確保し
て車両評価を向上することができる。
【0174】また、制動力増加制御手段の制御量である
制動力の増加量を,前記運転技量検出手段で検出された
運転技量検出値が高くなると共に小さくし,当該運転技
量検出値が低くなると共に大きくするように設定すれ
ば、前記運転技量検出値が,運転に熟達した前記上級運
転者のそれのように高い場合には、ブレーキペダルを介
した路面からのキックバックや反発力を感じ易くなって
路面μや車輪のスリップ状態を読取り易くなり、当該上
級運転者による運転制御性が向上して車両評価を向上す
ることができるし、また前記運転技量検出値が,運転に
不慣れな前記初級運転者のそれのように低い場合には、
制動初期等に制動力に増加される制動アシスト力が大き
くなって制動距離を確保或いは短縮することが可能とな
り、運転安全性が向上して車両評価を向上することがで
きる。
【0175】また、前記運転技量検出値が高くなると共
にステアリングホイールの操舵感が固く,当該運転技量
検出値が低くなると共にステアリングホイールの操舵感
が柔らかくなるように、パワーステアリング制御手段の
制御量である操舵アシスト力を設定すれば、前記運転技
量検出値が,運転に熟達した前記上級運転者のそれのよ
うに高い場合には、ステアリングホイールを介した路面
からのキックバックや反発力を感じ易くなって路面μや
車輪の横滑り状態を読取り易くなり、当該上級運転者に
よる運転制御性が向上して車両評価を向上することがで
きるし、また前記運転技量検出値が,運転に不慣れな前
記初級運転者のそれのように低い場合には、旋回初期等
に操舵力に増加される操舵アシスト力が大きくなって旋
回走行を確保することが可能となり、運転安全性が向上
して車両評価を向上することができる。
【0176】また、前記運転技量検出手段で検出された
運転技量検出値が高くなると共に車両の回頭性を優先
し,当該運転技量検出値が低くなると共に車両の安定性
を優先するように、四輪操舵制御手段の制御量である各
車輪の操舵量を設定するため、前記運転技量検出値が,
運転に熟達した前記上級運転者のそれのように高い場合
には、四輪操舵制御手段の制御量である副転舵輪の逆相
方向への操舵量を大きくして,高μ路面でのきびきびと
した旋回性能や操縦性を得て車両評価を向上することが
できるし、また前記運転技量検出値が,運転に不慣れな
前記初級運転者のそれのように低い場合には、前記副転
舵輪の逆相方向への操舵量が小さくして,低μ路面での
旋回走行安定性を得て車両評価を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の運転技量検出装置及び車両運動制御装
置の基本構成図である。
【図2】本発明の運転技量検出装置及び車両運動制御装
置をアンチスキッド制御装置に展開した第1実施例を示
す概略構成図である。
【図3】図2のコントロールユニットの一例を示す概略
構成図である。
【図4】本発明の運転技量検出装置及び車両運動制御装
置で用いられる前後輪速差−操舵角相関係数と車両姿勢
立直し運転技量との相関を示す説明図である。
【図5】本発明の運転技量検出装置及び車両運動制御装
置で用いられるヨーイング運動量−操舵角相関係数と曲
路走破運転技量との相関を示す説明図である。
【図6】本発明の運転技量検出装置及び車両運動制御装
置で用いられる車速−操舵角相関係数と高速走行対応運
転技量との相関を示す説明図である。
【図7】本発明の運転技量検出装置及び車両運動制御装
置で行われる運転技量検出のための演算処理の一例を示
すフローチャートである。
【図8】図3のコントロールユニットで行われる疑似車
速算出のための演算処理の一例を示すフローチャートで
ある。
【図9】図3のコントロールユニットで行われる制動力
(制動圧)制御のための演算処理の一例を示すフローチ
ャートである。
【図10】図9の演算処理による制動圧特性の一例を示
す説明図である。
【図11】本発明の運転技量検出装置及び車両運動制御
装置を制動力増加量制御装置に展開した第2実施例を示
す概略構成図である。
【図12】図11のコントロールユニットの一例を示す
概略構成図である。
【図13】図11のコントロールユニットで行われる制
動力増加量制御のための演算処理の一例を示すフローチ
ャートである。
【図14】本発明の運転技量検出装置及び車両運動制御
装置をパワーステアリング制御装置に展開した第3実施
例を示す概略構成図である。
【図15】図14のコントロールユニットの一例を示す
概略構成図である。
【図16】図14のコントロールバルブに備えられた各
絞りの絞り面積特性を示す説明図である。
【図17】図15のコントロールユニットで行われる操
舵アシスト力制御のための演算処理の一例を示すフロー
チャートである。
【図18】図17の演算処理による操舵アシスト力特性
の説明図である。
【図19】本発明の運転技量検出装置及び車両運動制御
装置を四輪操舵制御装置に展開した第4実施例を示す概
略構成図である。
【図20】図19のコントロールユニットの一例を示す
概略構成図である。
【図21】図19のコントロールユニットで使用される
後輪転舵角誤差−ソレノイドデューティ比特性の説明図
である。
【図22】図20のコントロールユニットで行われる後
輪転舵角制御のための演算処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図23】図22の演算処理による後輪転舵角特性の説
明図である。
【符号の説明】
6L,6Rは後左右輪 9L,9Rは前左右輪 21はブレーキペダル 22はマスタシリンダ 23はアクチュエータ 25FL〜25RRはホイールシリンダ 26FL〜26Rは電磁方向切換弁 27F,27Rはポンプ 40はコントロールユニット 41は操舵角センサ 42は車速センサ 43はヨーレートセンサ 46FL〜46Rは車輪速センサ 52はマイクロコンピュータ 100はマスタシリンダ 101はブレーキペダル 102は倍力機構 111はアクチュエータ 112はリレー弁 113は供給源 114はパイロット室 115は第1開閉手段 116は第2開閉手段 117はコントロールユニット 118はブレーキペダル踏力センサ 119はパイロット圧センサ 162はマイクロコンピュータ 201L,201Rは第1主可変絞り 202L,202Rは第1主可変絞り 203L,203Rは第2主可変絞り 204は外部制御可変絞り 214はコントロールバルブ 215はステアリングホイール 217はコントロールユニット 262はマイクロコンピュータ 402は後輪操舵装置 303はコントローラ 305FL,305FRはフロントサスペンション 309は後輪操舵角センサ 310FL〜10RRは前左輪〜後右輪 315はステアリングホイール 320は後輪用操舵軸 322は後輪用シリンダ 324はピストン 326L,326Rはシリンダ室 330はポンプ 332は制御弁 362はマイクロコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 113:00 B62D 113:00 137:00 137:00 (56)参考文献 特開 平6−199157(JP,A) 特開 平4−303007(JP,A) 特開 平6−191315(JP,A) 特開 平3−217362(JP,A) 特開 平4−50077(JP,A) 特開 平7−47970(JP,A) 特開 平1−269749(JP,A) 特開 平2−144700(JP,A) 特開 平1−255746(JP,A) 特開 平5−126591(JP,A) 特開 平4−366742(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/58 B62D 6/00 B62D 7/14 B60K 41/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に発生する運動状態量を検出する車
    両運動状態量検出手段と、ステアリングホイールの操舵
    状態量を検出する操舵状態量検出手段と、前記車両運動
    状態量検出手段で検出された車両運動状態量検出値及び
    前記操舵状態量検出手段で検出された操舵状態量検出値
    の相関係数に基づいて運転者の運転技量を検出する運転
    技量検出手段とを備えたことを特徴とする運転技量検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記車両運動状態量検出手段は、各車輪
    のスリップ量を検出するスリップ量検出手段を備え、前
    記操舵状態量検出手段は、ステアリングホイールの操舵
    角を検出する操舵角検出手段を備え、前記運転技量検出
    手段は、前記スリップ量検出手段で検出されたスリップ
    量検出値及び前記操舵角検出手段で検出された操舵角検
    出値の相関係数に基づいて車輪スリップ時の運転者の車
    両姿勢立直し技量を検出する車両姿勢立直し技量検出手
    段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の運転技量
    検出装置。
  3. 【請求項3】 前記車両運動状態量検出手段は、車両に
    発生するヨーイング運動量を検出するヨーイング運動量
    検出手段を備え、前記操舵状態量検出手段は、ステアリ
    ングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段を備
    え、前記運転技量検出手段は、前記ヨーイング運動量検
    出手段で検出されたヨーイング運動量検出値及び前記操
    舵角検出手段で検出された操舵角検出値の相関係数に基
    づいて旋回走行時の運転者の曲路走破技量を検出する曲
    路走破技量検出手段を備えたことを特徴とする請求項1
    又は2に記載の運転技量検出装置。
  4. 【請求項4】 前記車両運動状態量検出手段は、車両の
    前後方向車速を検出する車速検出手段を備え、前記操舵
    状態量検出手段は、ステアリングホイールの操舵角を検
    出する操舵角検出手段を備え、前記運転技量検出手段
    は、前記車速検出手段で検出された車速検出値及び前記
    操舵角検出手段で検出された操舵角検出値の相関係数に
    基づいて高速走行時の運転者の高速走行対応技量を検出
    する高速走行対応技量検出手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1乃至3の何れかに記載の運転技量検出装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至4の何れかに記載され
    る運転技量検出手段と、前記運転技量検出手段で検出さ
    れた運転技量検出値に基づいて,車両に設けられた車両
    運動制御手段の制御量を設定する車両運動制御量設定手
    段とを備えたことを特徴とする車両運動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記車両運動制御手段は,アンチスキッ
    ド制御手段を備え、前記車両運動制御量設定手段は、前
    記運転技量検出手段で検出された運転技量検出値が高く
    なると共に制動に係る制動操作力を優先し,当該運転技
    量検出値が低くなると共に制動距離を優先するように制
    御量である制動力を設定する制動力設定手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項5に記載の車両運動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記車両運動制御手段は,制動力を増加
    する制動力増加制御手段を備え、前記車両運動制御量設
    定手段は、前記運転技量検出手段で検出された運転技量
    検出値が高くなると共に制動力の増加量を小さくし,当
    該運転技量検出値が低くなると共に制動力の増加量を大
    きくするように制御量である制動力の増加量を設定する
    制動力増加量設定手段を備えたことを特徴とする請求項
    5又は6に記載の車両運動制御装置。
  8. 【請求項8】 前記車両運動制御手段は,パワーステア
    リング制御手段を備え、前記車両運動制御量設定手段
    は、前記運転技量検出手段で検出された運転技量検出値
    が高くなると共にステアリングホイールの操舵感が固
    く,当該運転技量検出値が低くなると共にステアリング
    ホイールの操舵感が柔らかくなるように制御量である操
    舵アシスト力を設定する操舵アシスト力設定手段を備え
    たことを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の車
    両運動制御装置。
  9. 【請求項9】 前記車両運動制御手段は,四輪操舵制御
    手段を備え、前記車両運動制御量設定手段は、前記運転
    技量検出手段で検出された運転技量検出値が高くなると
    共に車両の回頭性を優先し,当該運転技量検出値が低く
    なると共に車両の安定性を優先するように制御量である
    各車輪の操舵量を設定する操舵量設定手段を備えたこと
    を特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の車両運動
    制御装置。
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