JP2855969B2 - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents
内燃機関の失火検出装置Info
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Description
る装置に関し、特に機関の回転変動を利用して失火を検
出する際にその検出性能を高めることができる内燃機関
の失火検出装置に関するものである。
り種々の方式があるが、機関の回転変動を利用したもの
としては例えば特開昭58-19532号公報に記載のものがあ
る。この装置は、機関の膨張行程前期と後期とに対応し
た回転検出区間を有し、それぞれの回転速度差が設定値
を越えた時失火と判定するものである。また、点火周期
毎に回転周期の偏差をとり、これを所定の回転周期の平
均値で除した演算により回転変動率を求め、これから失
火判定を行うものも知られている。
は、機関の回転変動に着目し、機関失火時に失火気筒の
回転周期が長くなることを検出して失火を判定するもの
であるが、多気筒エンジンで特定の1気筒が連続して失
火する時と間欠的に失火する時では回転変動のパターン
が異なり、精度良い失火の検出(米国のOBD−II規制
を満たすには2%程度の失火率まで検出しなくてはなら
ない)ができないという問題点があった。
題点を解消するためになされたもので、その目的は、機
関の回転変動を利用して失火を検出する際に各気筒の連
続失火,間欠失火を精度良く弁別して、それぞれに最適
な検出性を有する失火検出装置を提供することにある。
また本発明の他の目的は、この検出性能の向上と併せて
回転検出手段の機械的な寸法誤差の影響が出にくい高精
度の失火検出装置を提供することにある。
め本発明に係る失火検出装置は、機関のクランク軸に配
設された回転検出用ロータとセンサからなり各気筒の点
火時期に対応した回転信号を検出する回転検出手段と、
この回転検出手段から得られる回転信号に基づいて各気
筒の連続失火と間欠失火をそれぞれ検出する連続失火検
出手段と間欠失火手段とを設け、連続失火検出手段によ
り、気筒の回転周期をTi、気筒数をcとした時、回転
変動率S R (i)を
Lと回転数Nの関数をf(L,N)とし、ΔS R (i)≧f
(L,N)の失火判定式を満たしたとき連続失火と判定
するようにしたものである。 また、間欠失火検出手段に
より、気筒の回転周期をTi、気筒数をcとした時、回
転変動率S k (i)を
をTh j (i−1)とした時、失火判定のしきい値Th
j (i)を Th j (i)=(1−k)・Th j (i−1)+k・S kj (i) 但し0<k<1 j:ある気筒Jのサフィックス の式により演算するとともに、機関の運転状態での負荷
Lと回転数Nとの関数をg(L,N)とし、 S k (i)≧Th j (i−1)+g(L,N) の失火判定式を満たしたとき間欠失火と判定するように
したものである。 また、連続失火検出手段および間欠失
火手段により、所定の点火回数または時間の検出区間内
での失火気筒が複数の場合、失火回数が最も多い気筒の
失火率が第1の所定値以上であり、他の気筒の失火回数
の総和が第2の所定値以下のとき該気筒を失火と判定す
るようにしたものである。
続失火,間欠失火各々の失火パターンに最適な検出方法
をとることにより検出性を高めるとともに、連続失火,
間欠失火のいずれも気筒毎に失火率を判定し、それによ
り最終的な失火判定を行うことにより、悪路走行時正常
燃焼にも拘らず失火と誤判定することを防止することが
できる。
する。図1は本発明の失火検出装置を機関の電子制御シ
ステムに適用したときの一実施例を示す概略構成図であ
る。同図において、1は4気筒ガソリンエンジンで、熱
式エアフローセンサ2が吸気通路に配設され、吸気量信
号2aが制御ユニット5に入力される。3は機関のクラ
ンク軸に取り付けられた回転検出センサであり、その回
転信号3aが制御ユニット5に入力されている。また、
4は機関のカム軸に取り付けられたディストリビュータ
であるが、気筒識別センサ41を内蔵している。このセ
ンサ41による気筒識別信号41aも制御ユニット5に
入力されている。
2a,回転信号3a,気筒識別信号41a及び図示しな
い各種信号(例えば水温信号,スロットル開度信号な
ど)を入力信号として、インジェクタ6,イグナイタ7
を駆動する燃料,点火制御機能を備えている他、同時に
失火を検出して、警報ランプ8を点灯する失火検出機能
を備えている。警報ランプ8は失火検出に専用しなくて
も良い。また制御ユニット5において、51はアナログ
インタフェース(AIF)、52はディジタルインタフ
ェース(DIF)であり、これらの出力はCPU53に
入力され、後述する所定のプログラムにより演算され、
インジェクタドライバ(IDR)54,点火ドライバ
(TDR)55,ランプドライバ(RDR)56を通じ
て燃料,点火制御及び失火検出,表示制御を行うように
なっている。
サ41から得られる回転信号,気筒識別信号などのタイ
ミングを説明する図であり、気筒識別信号41aは回転
信号3aの4サイクルに対し1サイクルの信号であり、
回転信号3aの立上りエッジ(機関の上死点TDCより
70°CA前)で“1”となる気筒が1気筒(#1)で
あり、“0”となる気筒は以下配電順に#3,#4,#
2となる。この時、後述のフローチャートでの気筒識別
の処理は上記の方法にて行う。図2(c) に示す回転周期
Tは各々のTDC間の周期であり、燃料,点火処理に用
いる回転周期もこの周期を用いる。また、参考のためコ
イル通電波形としてイグナイタ波形を図2(d)に記す。
出部を図3で説明する。図3はホール式回転検出センサ
部31と検出用ロータ32を示す。このロータ32は機
関のクランク軸33に取り付けられており、1回転(3
60°CA)に対して、2個のセグメントA,Bがホー
ル式回転検出センサ部31で検出される。すなわち、こ
の回転検出センサ3は、各気筒の点火時期に対応して、
TDCの位置を基準として各セグメントA,B当たり1
80°CAの周期で、例えば110°の“0”区間と7
0°の“1”区間に振り分けられた回転信号3aを発生
するものとなっている。
A,Bを対比した図であり、#1,#4気筒はセグメン
トAを、また#3,#2気筒はセグメントBを使用して
回転検出(周期T(i) を計測)を行う。従って、セグメ
ントA,Bの設定角度に対する機械寸法誤差は回転周期
に影響を与える。この影響度合は、ロータ径100φで
0.1°CAの誤差程度であり、機関回転数6000rpm、
負荷−400mmHg相当の失火時の回転変動に四敵し、決し
て無視できないレベルである。従って、失火検出ロジッ
クとしてはこの影響を受けにくいものが必要である。
の回転変動により失火検出する方法としては各気筒毎の
周期偏差をとる方法が知られている。また、無次元化す
るためこれを平均周期で除したものを用いると、気筒数
をcとした場合、次式(1.11)の演算式が考えられる。
すなわち、4気筒エンジンでは、次式(1.12)の演算式
が考えられる。
となり、この偏差が大きいこと即ちS(i) が大となる
ことで失火を検出すると共に、失火気筒が特定される。
しかし、前記の回転検出センサ3では、その構造から分
かるように配電順の隣り合う気筒での周期偏差{T(i)
−T(i-1)}をとると、前述のセグメント誤差を含むこ
とになり、特に高回転,軽負荷時の失火を検出すること
は困難となる。
ジンで3000rpm,−400 mmHgの動作点で、各々#1気筒
の間欠失火及び連続失火させた時の平均回転周期からの
偏差を示している。同図でわかるように、失火時の周期
変動パターン(Ti)は間欠失火時,連続失火時でかな
り様相が異なる。上記(1.12) 式の演算を適用する時、
各々の図のSk(i)で示す挙動となる。失火気筒を図中矢
印で示しているが、間欠失火では失火気筒の検出及び特
定は可能と思われる。逆に連続失火では失火気筒を誤っ
てしまう。
差の影響も踏まえて間欠失火,連続失火に適した本実施
例の失火検出方法について説明する。まず、間欠失火に
対してサフィックスkを用い、気筒の回転周期をTi、
気筒数をcとした時、その回転変動率S k (i)を次式
(1.21)により演算する。すなわち、4気筒のエンジン
では、次式(1.22)により演算する。
hj (i−1)とした時、失火判定のしきい値Thj(i)
を次式により
Lと回転数Nとの関数をg(L,N)とし、
定する。ここで、(1.22)式は上記(1.12)式と実質的に同
じである。次に(1.3) 式は失火判定のしきい値(スレッ
ショルド)を決めるパラメータであり、各気筒毎のS kj
(i)の一次フィルタである。つまり各気筒毎のS kj (i)
の平均値に相当する。(1.4)式は失火判定式であり、そ
の判定式が成立した時当該気筒(J)が失火していると
見なす。右辺の関数gは左辺S kj (i)の平均値Thj
(i)に対して設定が可能なように回転数Nと負荷Lと
をパラメータとする2次元マップで構成される。
式,(1.3)式及び (1.4)式により間欠失火を検出するこ
とにより、前述した回転検出センサ3のセグメント誤差
の影響が皆無になる。何故なら失火検出は同一気筒と比
較しているので、即ち同一セグメントでの比較をしてい
るからである。この時、回転検出センサ3のセグメント
の影響をとる意味で、(1.22)式の右辺分子をT(i)−T
(i-2) とすることも可能である。しかし、検出感度の点
で(1.22)式の方が勝る。この様子を図5(Sk(i) ・・
(1.22)式、SR(i)・・上記)に示す。
い、回転周期をTi、気筒数をcとした時、その回転変
動率S R (i)を次式(2.21)により演算する。すなわ
ち、4気筒エンジンでは、次式(2.22)により演算す
る。
1)により演算する。すなわち、4気筒エンジンでは、
次式(2.32)により演算する。
数Nとの関数をf(L,N)とし、
定する。すなわち、連続失火の場合、気筒数に対応した
周期的な回転変動を生ずる。従って、間欠失火時のよう
に同一気筒同志で比較しても検出はできない。そこで、
他の気筒との比較を行うわけだが、前述のセグメントの
誤差を考慮して、配電順序の近い同一セグメント同志で
比較することが望ましい。よって、4気筒エンジンの場
合、失火検出演算式(2.22) が得られる。
ので感度を上げるために、この周期の1/2のサイクル
毎に比較することが望ましい。そこで、4気筒エンジン
の場合、(2.32)式でΔSR(i) としてSR(i)−SR(i-2)
の演算を行う。次に、判定値はやはり運転状態により設
定できるように回転数Nと負荷Lとをパラメータとして
(2.4)式を用いる。図6は本実施例による連続失火時の
回転周期T(i)と回転変動率SR(i) を示したものであ
り、前記(2.32)式のΔSR(i) により更に検出感度が高
くなることが容易に分かる。
サのセグメントの影響を考慮して、かつ連続失火,間欠
失火をそれぞれ上記各演算式を用いて最適に検出するこ
とが可能となる。また、連続失火,間欠失火を独立して
検出するルーチンを持つことにより、それぞれに特異な
パターンを検出できるとともに、悪路走行等でランダム
に失火に類似の回転変動が生じた場合は、所定の検出区
間(例えば1000点火間隔)内で間欠失火,連続失火を各
々検出できる。
される場合は、失火とは考えず、悪路走行時等による誤
検出とみなして失火判定の検出信頼性を高めることがで
きる。本実施例では1気筒のみの失火を失火と判定して
いるが、2気筒までの失火を失火とみなして、それ以上
の複数気筒の回転変動は悪路走行時等の要因によるもの
とみなすこともできる。
ャートを参照して説明する。図7は本実施例の動作を説
明するフローチャートである。回転割込信号は図2の回
転信号3aの立上りエッジ(BTDC70°CA)と立
下りエッジ(TDC)と2種類あり、ステップ71では
どちらかの割込みかを識別する。立上りエッジ(BTD
C70°CA)の場合は、ステップ72で前述の気筒識
別(識別した気筒をJ気筒とする)を行い処理を終了す
る。次に立下りエッジ(TDC)の場合は、ステップ7
3へ進み前回の割り込みが入った時刻との差をとって回
転周期T(i)を得る。ステップ74ではこれを回転数N
eに変換する。
める。これは図示しない処理で周期T(i) 間を所定のサ
ンプリング周期で吸気量演算しておき、ステップ75で
これらを平均して求める。次にステップ76で負荷を求
める。負荷としては充填効率CEをパラメータとして選
ぶ。
う。これは前述の(1.22)式,(1.3)式,(1.4) 式によ
る。ここで、負荷はステップ76で求めたCEを、回転
数はステップ74で求めたNeを用いる。次にステップ
78で間欠失火と判定されたらステップ79で間欠失火
回数カウンタをインクリメントすると共に、失火気筒に
対する失火回数カウンタをインクリメントしておく。同
様にステップ80,ステップ81,ステップ82で連続
失火の処理を行う。連続失火検出演算式は前述した(2.2
2)式,(2.32)式,(2.4)式による。
は間欠失火,連続失火が1000点火の間に何回発生したか
をチェックして、特定の気筒が所定回数以上失火した場
合、当該気筒の失火と見なす処理ルーチンである。ステ
ップ83で1000点火経過したかどうかチェックして未経
過時はステップ84で今回の処理は終了する。ステップ
85〜ステップ89までが間欠失火の判定ルーチンであ
り、ステップ85で間欠失火回数Nk が例えば20回以
上かどうか判定する。20回未満の場合はステップ90
へ進む。20回は失火率を決める値で、この場合2%以
上の失火時失火と判定するものである。
回数Nkj(j=1,2,3,4)が最も多いものを選
び、その数をNkmaxとする。ステップ87でNkmax≧2
0、かつステップ88でN k −Nkmax<10のときステ
ップ89でその失火回数がN kmax の気筒の間欠失火と判
定する。ステップ88の意味は、1気筒の失火率が高く
て他気筒の失火率が低い時のみその気筒が失火している
と見なすことにより検出の信頼性を高めるものである。
同様にステップ90〜ステップ94は連続失火の場合の
判定ルーチンである。
プ95では間欠失火または連続失火と判定したかをみて
それぞれに対応して、ステップ96,ステップ97で警
報ランプの点灯,消灯処理を行う。ステップ98は次回
の失火判定処理のための各カウンタのリセット処理(N
k,Nkj,NR,NRj)である。
れば、機関の回転変動を検出して失火を検出する装置に
おいて、各気筒の連続失火,間欠失火を各々検出する手
段を設けることにより、失火検出性能を高めることがで
きる。また、前述の (1.21)式,(1.3)式及び(1.4)式を
用いて間欠失火を検出するか、あるいは (2.21)式,(2.
31)式及び(2.4)式を用いて連続失火を検出することによ
り、回転検出センサのセグメント寸法誤差の影響がなく
なり、検出精度をさらに高めることができる。
検出区間内で連続失火と間欠失火を各々独立に検出し、
連続失火と間欠失火のいずれも気筒毎に失火率を判定し
て、それにより最終的な失火判定を行うことにより、悪
路走行時正常燃焼にも拘らず失火と誤判定することを防
止することができる等の効果がある。
ステムに適用したときの一実施例を説明する概略図であ
る。
を説明する図である。
である。
ある。
ある。
ある。
る。
る。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 機関のクランク軸に配設された回転検出
用ロータとセンサからなり各気筒の点火周期に対応した
回転信号を検出する回転検出手段と、 この回転検出手段から得られる回転信号に基づき各気筒
の連続失火,間欠失火をそれぞれ検出する連続失火検出
手段と間欠失火手段とを備え、 前記連続失火検出手段は、気筒の回転周期をTi、気筒
数をcとした時、回転変動率S R (i)を 【数1】 の式により演算し、さらにその差分ΔS R (i)を ΔS R (i)=S R (i)−S R (i−c/2) の式により演算するとともに、機関の運転状態での負荷
Lと回転数Nの関数をf(L,N)とし、 ΔS R (i)≧f(L,N) の失火判定式を満たしたとき連続失火と判定する ことを
特徴とする内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項2】 機関のクランク軸に配設された回転検出
用ロータとセンサからなり各気筒の点火周期に対応した
回転信号を検出する回転検出手段と、 この回転検出手段から得られる回転信号に基づき気筒の
連続失火,間欠失火をそれぞれ検出する連続失火検出手
段と間欠失火手段とを備え、 前記間欠失火検出手段は、気筒の回転周期をTi、気筒
数をcとした時、回転変動率S k (i)を 【数2】 の式により演算し、さらに気筒Jの回転変動率の平均値
をTh j (i−1)とした時、失火判定のしきい値Th
j (i)を Th j (i)=(1−k)・Th j (i−1)+k・S kj (i) 但し0<k<1 j:ある気筒Jのサフィックス の式により演算するとともに、機関の運転状態での負荷
Lと回転数Nとの関数をg(L,N)とし、 S k (i)≧Th j (i−1)+g(L,N) の失火判定式を満たしたとき間欠失火と判定 することを
特徴とする内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項3】 機関のクランク軸に配設された回転検出
用ロータとセンサからなり各気筒の点火周期に対応した
回転信号を検出する回転検出手段と、 この回転検出手段から得られる回転信号に基づき各気筒
の連続失火,間欠失火をそれぞれ検出する連続失火検出
手段と間欠失火手段とを備え、 前記連続失火検出手段および間欠失火手段は、 所定の点火回数または時間の検出区間内での失火気筒が
複数の場合、失火回数が最も多い気筒の失火率が第1の
所定値以上であり、他の気筒の失火回数の総和が第2の
所定値以下のとき該気筒を 失火と判定することを特徴と
する内燃機関の失火検出装置。
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