JP2850457B2 - 帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止性樹脂組成物

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JP2850457B2
JP2850457B2 JP6586690A JP6586690A JP2850457B2 JP 2850457 B2 JP2850457 B2 JP 2850457B2 JP 6586690 A JP6586690 A JP 6586690A JP 6586690 A JP6586690 A JP 6586690A JP 2850457 B2 JP2850457 B2 JP 2850457B2
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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、共役ジエン重合体または共役ジエンと芳香
族ビニル化合物からなるジエン共重合体の水素添加物の
存在下に、芳香族ビニル化合物および/または(メタ)
アクリル酸エステル化合物を主とした単量体をグラフト
共重合して得たゴム変性熱可塑性樹脂の帯電防止性樹脂
組成物に関する。
b.従来の技術 一般に合成樹脂製品は摩擦などにより静電気を蓄積し
やすく、帯電によるほこりの吸着、放電による人体への
ショック、火花の発生など各種の静電気障害が知られて
いる。
そこで帯電防止の一手段として帯電防止剤を成形品に
塗布したり、成型加工時に原料樹脂中へ機械的に練り込
むなどの方法があるが、表面へ塗布する方法は速効性は
あるものの摩擦、洗浄などにより帯電防止剤が脱落し、
長期間効力を持続することが困難であるため、長期間帯
電防止効果を持続させるには樹脂自体へ帯電防止剤を練
り込んで混合する方法が一般的である。
この場合、帯電防止剤が樹脂表面に移行(ブリードア
ウト)する速度が帯電防止効果に影響し、また合成樹脂
製品に透明性が要求される場合には帯電防止剤を練り込
むことによって透明性を害したり、樹脂表面が白色した
りしてはならないので、これらを配慮して帯電防止剤を
選定しなければならない。
ゴム変性熱可塑性樹脂は、優れた成形外観、耐候性、
耐衝撃性、鮮明色性および透明グレードについては先の
優れた特性かつ透明性を有している。その特徴を利用し
て自動車部品(内外装)、OA機器のプリンターカバー、
照明カバー、カーポート屋根、看板、道路標識などに使
用されている。このような用途では帯電防止が特に必要
である。水添ゴムクラフト共重合体よりなるゴム変性熱
可塑性樹脂に帯電防止能を付与する場合、これまで一般
に知られている帯電防止剤のうち、カチオン系および両
性イオン系は帯電防止効果は優れているが熱安定性が劣
り、成形品に混入した場合、着色して商品価値を著しく
損う欠点がある。アニオン系は樹脂との相溶性が劣り、
透明性あるいは着色品の鮮明性を要求される用途には不
適当である。非イオン系が比較的熱安定性に優れ、樹脂
との相溶性も良好である。
しかしながら、これまで知られている非イオン系のポ
リオキシアリキルアミンを例にとれば、帯電防止処理後
短期間はかなりの帯電防止効果を有するか、経時的に帯
電防止効果が徐々に低下し、また高温域での押出し成形
時、樹脂との相溶性が悪く、かつゴムのゲル化現象を起
こすなど、これまでの一般的な帯電防止剤では、鮮明色
性あるいは透明性を維持し、かつ熱安定性を保持しなが
ら長期間持続する良好な帯電防止能を付与することは困
難であった。そこで本発明は、優れた鮮鋭色性あるいは
透明性そして表面外観を損うことなく、優れた帯電防止
能を有するゴム変性熱可塑性樹脂を含む帯電防止樹脂組
成物を提供することを課題とする。
c.本発明が解決しようとする課題 本発明者らは、こうした点に関して鋭意検討した結
果、ゴム変性熱可塑性樹脂に対し、アルキルアミンエト
キシレート、グリセライドおよびモノまたはジグリセラ
イドのホウ酸エステルから選ばれた1種以上の化合物を
特定量配合することで、目的とする帯電防止性樹脂組成
物が得られることを見出し本発明に到達した。
d.課題を解決するための手段 本発明は、共役ジエン50〜100重量%と芳香族ビニル
化合物0〜50重量%からなる重合体を水素添加して、該
重合体のオレフィン性不飽和結合の少なくとも70重量%
を水素添加した水添ジエン系重合体(A)の存在下、芳
香族ビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルからなる単量体(B)30〜100重量%と
他の共重合可能な単量体(C)0〜70重量%をグラフト
共重合して得たゴム変性熱可塑性樹脂100重量部に対し
て、アルキルアミンエトキシレート、グリセライドおよ
び下記一般式(I)で表わされるモノまたはジグリセラ
イドのホウ酸エステルから選ばれた1種以上の化合物を
0.05〜10重量部配合することを特徴とする帯電防止性樹
脂組成物を提供するものである。
一般式(I) 〔(RCOO)−XOnBOH) (Rは炭素数8〜24のアルキル基、Xはグリセリン残
基、mは1〜2、nは1〜3、pは3−n) 本発明の請求項(1)、(2)で用いられる水添ジエ
ン重合体(A)について説明する。
共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレ
ン、ペンタジエン、2,3−ジメタルブラジエンなどが挙
げられる。また芳香族ビニル化合物としては、例えばス
チレン、パラメチルスチレン、α−メチルスチレンなど
が挙げられる。好ましくはブタジエン、スチレンであ
る。
水素添加前のジエン系重合体は、共役ジエンの単独重
合体、共役ジエンと芳香族ビニル化合物とのランダム共
重合体あるいはブロック共重合体あるいはそれらの組み
合わせ、あるいはそれらの混合物であってもよい。な
お、水添ジエン系重合体として種類の異なるジエン系重
合体の混合物である場合、水素添加前に混合し、その後
水素添加したものでもよく、また、水素添加後混合して
もよい。
ジエン系重合体中の芳香族ビニル化合物の含有量は0
〜50重量%であり、好ましくは5〜40重量%である。50
重量%を超えると本発明の水添ジエン系重合体が樹脂的
性質を帯び、耐衝撃性が低下するので好ましくない。
ジエン系重合体のミクロ構造は、1,2−、3,4−などの
ビニル結合含有量が好ましくは10%以上、さらに好まし
くは20〜80%、特に好ましくは30〜60重量%である。10
%未満であると本発明の水添ジエン系重合体が樹脂的性
質を帯び、耐衝撃性が低下するので好ましくない。
ジエン系重合体の数平均分子量は、好ましくは5,000
〜1,000,000、さらに好ましくは30,000〜300,000であ
る。5,000未満であると本発明の水添ジエン系重合体が
ゴム状とならず液状となり、一方、1,000,000を超える
と加工性が低下する傾向を示し好ましくない。
具体的に本発明のジエン系重合体を説明すると、少な
くとも1個のAブロックまたCブロックと少なくともB
ブロックまたA/Bブロックを含む共重合体、もしくはB
かA/Bで示されるジエン系重合体であり、例えば下記の
ものが挙げられる。
A :芳香族ビニル化合物重合体 B :共役ジエン重合体 A/B:芳香族ビニル化合物/共役ジエンのランダム共重合
体 C :共役ジエンと芳香族ビニルの化合物の共重合体であ
り、かつ芳香族ビニル化合物が漸増するテーパブロック (1) A−B (2) A−B−A (3) A−B−C (4) A−B1−B2 (B1のビニル結合は好ましくは20%以上、B2のビニル
結合は好ましくは20%未満) (5) B (6) A/B (7) A−A/B (8) A−A/B−C (9) A−A/B−A (10) B2−B1−B2 (B1のビニル結合は好ましくは20%以上、B2のビニル
結合は好ましくは20%未満) (11) C−B (12) C−B−C (13) C−A/B−C (14) C−A−B を骨格とするジエン系重合体であり、さらにこれらの基
本骨格を繰り返し有する共重合体、またはこれらをカッ
プリングして得られるジエン系重合体であってもよい。
上記(4)のA−B1−B2については特願昭63−285774
号、(5)のB、(6)A/Bについては特開昭63−12740
0号に示されている。
(7)のA−A/B、(8)のA−A/B−Cについては、
好ましくは芳香族ビニル化合物/共役ジエンの割合が5
〜40/60〜95重量%、AまたはAとCの芳香族ビニル化
合物の合計量が全共重合体の3〜25重量%、A/B中の共
役ジエン部分のビニル結合含有量が15%以上(特に好ま
しくは30〜80%)である。
本発明において、ジエン系重合体として、上記の
(4)、(5)、(6)、(7)、(8)のものを用い
ると一段と優れた本発明の目的とするものが得られるの
で好ましい。さらに、(6)、(7)、(8)のものを
用いると低温特性、疲労特性の一段と優れたものが得ら
れ好ましい。
本発明の水添ジエン系重合体は、上述のジエン系重合
体を水素添加することにより得られる。ジエン系重合体
のオレフィン性不飽和結合の水添率は70%以上、好まし
くは90%以上である。水添率が70%未満であると、耐候
性、耐熱性が低下するので好ましくない。
上述のジエン系重合体の重合方法およびジエン系重合
体の水素添加方法については、例えば特願昭63−104256
号に示されている。
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂が用いられる単量体に
ついて説明する。
芳香族ビニル化合物単量体としては、スチレン、α−
メチルスチレン、メチルスチレン、ビニルキシレン、モ
ノクロルスチレン、ジグロルスチレン、モノブロムスチ
レン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p−ター
シャリーブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフ
タレンなどがあり、これらは1種または2種以上で使用
される。好ましい芳香族ビニル化合物は、スチレンまた
は芳香族ビニル化合物中にスチレンを50重量%以上含ん
だものである。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例え
ばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピレ
ンアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレ
ート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリ
レート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート
などのアクリル酸アルキルエステル;メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート、プロピレンメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘ
キシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタ
クリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタク
リレートなどのメタクリル酸アルキルエステルが挙げら
れる。
共重合可能な単量体(C)としては、例えばアクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸な
どの不飽和酸無水物;アクリル酸、メタクリル酸などの
不飽和酸など、また、マレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−ブチルマレイミド、N−(P−メチルフェニ
ル)マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミドなどのα−またはβ−不飽和ジカル
ボン酸のイミド化合物などが挙げられる。
シアン化ビニル化合物を使用すると、耐衝撃性、耐薬
品性、塗装性がさらに優れたものが得られ、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルを用いると、耐候性がさらに
優れたものが得られるので好ましい。シアン化ビニル化
合物としてはアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルとしてはメチルメタクリレートが好まし
い。
芳香族ビニル化合物および/または(メタ)アクリル
酸エステルからなる単量体(B)と単量体化合物(C)
との使用比率は、(B)/(C)=30〜100/70〜0、好
ましくは35〜98/65〜2、さらに好ましくは40〜95/60〜
5(重量%)である。
成形加工性、耐衝撃性の優れたゴム変性熱可塑性樹脂
を得る好ましい単量体成分としては、芳香族ビニル化合
物単量体30〜100重量%と(メタ)アクリル酸エステル
および/またはシアン化ビニルからなる単量体0〜70重
量%、さらに好ましくは前者の単量体が35〜98重量%、
後者の単量体が2〜65重量である。
成形加工性、耐衝撃性、耐薬品性などの物性バランス
の優れたゴム変性熱可塑性樹脂を得る好ましい単量体成
分としては、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合
物であり、好ましい使用比率は芳香ビニル化合物/シア
ン化ビニル化合物=30〜98/70〜2、さらに好ましくは6
0〜95/40〜5(重量%)である。
請求項(2)のゴム変性熱可塑性樹脂で用いられる単
量体としては、(メタ)アクリル酸エステル(D)およ
びこれと共重合可能な他の単量体化合物(E)とからな
る。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とし
ては、それ単独で重合体にしたとき、その重合体のガラ
ス転移温度(示差走査熱量計(DSC)で測定)が50℃以
上であるので、アルキル基の炭素数が1〜10のものが好
ましく、さらに好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜
4のものである。メタクリル酸エステルとアクリル酸エ
ステルの中ではメタクリル酸エステルの方が好ましい。
これらの例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸
ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、
メタクリ酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ヘキシル、次式で示される(メタ)
アクリル酸エステル (nは0〜3、Rは水素またはアルキル基、mは3〜
4) などが挙げられ、これらの1種以上が使用できる。これ
らの中ではメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルが
好ましく、さらに好ましいのはメタクリル酸メチルであ
る。
前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(D)と共重
合可能な他のビニル単量体化合物(E)としては、例え
ばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど
の芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体;アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリ酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、アク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシルな
どの前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルで使用し
た以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量
体;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和酸無
水物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸:N−フ
ェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなど
のα−またはβ−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物な
どが挙げられる。
透明な樹脂を得るためには、(メタ)アクリル酸エス
テルと上記共重合可能な単量体とを併用するにあたって
は、水添ジエン系重合体(A)の屈折率と単量体混合物
(D)、(E)の屈折率との差が0.01以下、好ましくは
0.005以下となるように単量体混合物の組成を適宜選択
してグラフト重合を行なうのが好ましい。ここで両者の
屈折率の差が0.01を超える場合には、熱可塑性樹脂の透
明性が低下する。
(メタ)アクリル酸エステルとこれと共重合可能な単
量体(D)との使用割合は特に制限はなく、水添ジエン
系重合体(A)の屈折率に応じて適宜決めることができ
るが、好ましくは30〜98〜70〜2重量%であり、さらに
好ましくは50〜95/50〜5重量%であり、特に好ましく
は60〜90/40〜10重量%である。
また、請求項(1)、(2)で使用するゴム変性熱可
塑性樹脂の水添ジエン系重合体の含有量は、樹脂の耐衝
撃性、成形性や透明性を満足するために、その範囲は5
〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。
請求項(1)、(2)のゴム変性熱可塑性樹脂は水添
ジエン系重合体の存在下に、それぞれの請求項の単量体
をグラフト重合することにより得られる。
さらに、それらのグラフト重合で得られたグラフト共
重合体とそれぞれの単量体を別途重合した重合体または
共重合体を配合する方法によるものであってもよく、別
途重合する(共)重合体の成分は好ましくはグラフト重
合で用いられた単量体と同じ単量体を用いたものであ
る。
従って、本発明の請求項(1)、(2)のゴム変性熱
可塑性樹脂組成物は、上述のグラフト共重合体からなる
もの、またはグラフト共重合体と別途重合した(共)重
合体との混合物からなるものである。
なお、ここで別途重合した(共)重合体とは、前記単
量体(B)30〜100重量%と前記単量体(C)0〜70重
量%との重合体であり、上述のグラフト共重合体との混
合物を構成する各単量体の割合は、本発明におけるゴム
変性熱可塑性樹脂を構成する各単量体の割合を超えない
ものとする。
本発明の帯電防止性樹脂組成物は、前記請求項
(1)、(2)のゴム変性熱可塑性樹脂100重量部に対
し、アルキルアミノエトキシレート、グリセライドおよ
びモノまたはジグリセライドのホウ酸エステルから選ば
れた1種以上の化合物を0.05〜10重量部、好ましくは0.
2〜5重量部配合したものである。配合量が0.05重量部
未満であると帯電防止効果が得られず、一方、10重量部
を超えると成形品の物性を低下させる。
ここで、本発明に用いる帯電防止剤でアルキルアミン
エトキシレートとしては、例えばN,N−ビス(ヒドロキ
シエチル)アルキルアミンが好ましい。
N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミンのア
ルキル基としては、炭素数8〜18のアルキル基が好まし
く、この範囲であると一段と優れた効果が得られる。さ
らに好ましくは、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アル
キルアミンのアルキル基が炭素数8〜18のアルキル基で
あり、かつ炭素数12のアルキル基が全アルキル基中35重
量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。
N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミンは、
対応するアルキルアミン、例えばラウリルアミン、ヤシ
アルキルアミンに無触媒下酸化エチレンを付加させて得
られるが、その際、式 の副生物を生じ得る。この副生物は25%以下であること
が好ましい。
また、グリセライドとしては、ジグリセライド、トリ
グリセライドも使用できるが、中でもモノグリセライド
が好ましい。脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリ
ン酸、リシノレン酸、オレイン酸などの、炭素数16〜22
のものが好ましい。
グリセライドとしては、モノグリセライドの含有率が
90%以上、好ましくは93%以上のものがより優れた帯電
防止効果が得られる。
モノまたはジグリセライドのホウ酸エステルとは、モ
ノまたはジグリセライドとホウ酸もしくはホウ酸の低級
アルコールエステルとをエステル化またはエステル交換
反応させるか、あるいはグリセリンとホウ酸もしくはホ
ウ酸の低級アルコールエステルとをエステル化もしくは
エステル交換反応させ、その後、脂肪酸とエステル化反
応させることにより得られる。なお、脂肪酸としては、
カプリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘニン酸などを挙げることができる。
また、低級アルコールとしては、メタノール、エタノー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブタノールなどを挙げることができる。
上記、帯電防止性樹脂組成物の製造方法としては、例
えばゴム変性熱可塑性樹脂を製造した重合系のポリマー
溶液に、前記帯電防止剤を配合する方法、ゴム変性熱可
塑性樹脂の粉末もしくはペレットに帯電防止剤を配合
し、必要なら溶融混合する方法などが挙げられる。
本発明の帯電防止性樹脂組成物は、射出成形、押出し
成形、真空成形、異形成形、発泡成形などによって自動
車部品、電気用部品、家庭用品、各種工業用品などに成
形することができる。その際、通常の添加剤、例えば酸
化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、他の帯電防止
剤、発泡剤、ガラス繊維などを配合することができる。
e.実 施 例 次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する
が、これらはいずれも例示的なものであって、本発明の
範囲を限定するものではない。なお、以下の各例におい
て部および%は、それぞれ重量部および重量%を示す。
水添ジエン系重合体ベースグラフト共重合体(ゴム変性
熱可塑性樹脂)の製造方法 [G−1] リボン型撹拌翼を備えた内容積10のステンレス製の
オートクレーブに、予め均一溶液にしたベースゴムとし
ての水添ジエン系重合体KRATON G−1650(シエルケミカ
ル社製SEBS)30重量部、スチレン49重量部、トルエン12
0重量部、およびターシャリードデシルメルカプタン0.1
重量部の混合溶液を仕込み、撹拌しながら昇温し、50℃
にてアクリロニトリル21重量部、ベンゾイルパーオキサ
イド0.5重量部、ジグミルパーオキサイド0.1重量部を添
加し、さらに昇温し、80℃に達した後は、80℃一定に制
御しながら撹拌回転数100rpmにて重合反応を行なわせ
る。反後開始後、6時間目から1時間を要して120℃ま
で昇温、さらに2時間反応を行なって終了した。重合率
は97%であった。
100℃まで冷却後、2,2′−メチレンビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェノール)0.2重量部を添加した
後、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水蒸気
蒸溜により未反応物単量体と溶媒を留去し、細かく粉砕
した後、40mmφベント押出機(220℃、700mmHg真空)に
て実質的に揮発分を留去するとともに、重合体をペレッ
ト化し、表−1に示したグラフト共重合体G−1を得
た。
[G−2] 表−1のG−2に示した水添ジエン系重合体および単
量体を用いて、ほかはG−1と同様の方法でG−2を得
た。
[G−3] 表−1のG−3に示した水添ジエン系重合体および単
量体を用いほかは、G−1と同様の方法でG−3を得
た。
[G−4] パドル型撹拌装置を備えた内容積10のステンレス製
オートクレーブに、あらかじめ均一溶液にした水添ジエ
ン系重合体KRATON G−1650(シエルケミカル社製)10
部、スチレン10.8部、トルエン100部、t−ドエシルメ
ルカプタン0.1部を仕込み、撹拌しながら昇温し、50℃
にてメタクリル酸メチル79.2部、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート0.5部を添加した。系内を窒
素置換した後、さらに90℃まで昇温し、この温度で重合
転化率が74%になるまで撹拌回転数100rpmの撹拌下で重
合を継続した。重合転化率が74%に達した時点で重合を
停止し、以下G−1と同様の方法で透明なG−4を得
た。
[G−5] 表−1のG−5に示した水添ジエン系重合体および単
量体を用い(なおANはMMAに混合する)、ほかはG−4
と同様の方法で透明なG−5を得た。
[G−6] 表−1のG−6に示した水添ジエン系重合体および単
量体を用い(なおANはMMAに混合する)、ほかはG−4
と同様の方法で透明なG−5を得た。
表−2で用いる帯電防止剤 F−1:炭素数12の成分が全アルキル基中に占める割合が
40%のN,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミン F−2:炭素数12の成分が全アルキル基中に占める割合が
60%のN,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミン F−3:炭素数12の成分が全アルキル基中に占める割合が
90%のN,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミン F−4:モノエステル含有量93%のステアリン酸モノグリ
セライド F−5:ポリオキシエチレンアルキルアミン F−6:ペンタエリスリトールステアリン酸エステル F−7:ステアリン酸モノグリセライドのホウ酸エステル
(第一工業製薬(株)製、レジスタットPE139) 実施例1〜14、比較例1〜6 表−2に示した配合成分をヘンシエルミキサーでブレ
ンドし、次に230℃の押出機でペレット化し、得られた
ペレットを射出成形機で成形条件230℃で2.4mm厚の試験
片に成形した。試験条件は、帯電防止性能はホコリ付着
程度により、透明性は全光線透過率で評価した。
以下に試験方法を示す。評価結果は表−2に示す。
[1]ホコリ付着試験法 試験片を室内に放置し、プレート表面のホコリの付着
状況を目視判定した。評価の基準は下表のとおりであ
る。
なお、試験は試験片作成後、1日後、7日後の2回測
定した。
[2]透明性試験法 成形1日後と7日後の試験について、帯電防止剤未添
加のものを基準として全光線透過率の変化率で評価し
た。
ただしTt(0)…帯電防止剤未添加の試験片 Tt(1)…各種帯電防止剤添加の試験片 測定機は、スガ試験機(株)、多光源光測色計、形式
MSC−1・GUS・H2を使用した。
評価の基準は、変化率の大小で次表のとおりとした。
<実施例および比較例の解説> 実施例1〜6は請求項(1)の帯電防止樹脂組成物で
あり、本発明の目的とするものが得られている。また、
実施例7〜10は請求項(2)の帯電防止性樹脂組成物で
あり、透明性の低下もなく本発明の目的とするものが得
られている。
比較例1〜2は帯電防止剤を用いない本発明の範囲外
の例であり、7日後のホコリ付着が著しい。また、比較
例3〜6は本発明で得た以外の帯電防止剤添加(系)実
験であり、時間とともに帯電防止能および透明性も低下
し、本発明の目的とするものが得られていない。
f.発明の効果 本発明はゴム変性熱可塑性樹脂の優れた帯電防止樹脂
組成物であり、かつ成形品の外観が美麗であり、また、
透明性、鮮明性に優れた樹脂が得られる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 51/04 C08K 5/10 C08K 5/17 C08K 5/55

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共役ジエン50〜100重量%と芳香族ビニル
    化合物0〜50重量%からなる重合体を水素添加して、該
    重合体のオレフィン性不飽和結合の少なくとも70重量%
    を水素添加した水添ジエン系重合体(A)の存在下、芳
    香族ビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸ア
    ルキルエステルからなる単量体(B)30〜100重量%と
    他の共重合可能な単量体(C)0〜70重量%をグラフト
    共重合して得たゴム変性熱可塑性樹脂100重量部に対し
    て、アルキルアミンエトキシレート、グリセライドおよ
    び下記一般式(I)で表わされるモノまたはジグリセラ
    イドのホウ酸エステルから選ばれた1種以上の化合物を
    0.05〜10重量部配合することを特徴とする帯電防止性樹
    脂組成物。 一般式(I) 〔(RCOO)−XOnBOH) (Rは炭素数8〜24のアルキル基、Xはグリセリン残
    基、mは1〜2、nは1〜3、pは3−n)
  2. 【請求項2】上記ゴム変性熱可塑性樹脂が請求項第1項
    の水添ジエン系重合体(A)の存在下、単独重合体にし
    たときのガラス転位温度が50℃以上である(メタ)アク
    リル酸エステル単量体(D)と、これと共重合可能な他
    のビニル単量体化合物(E)とを、水添ジエン系重合体
    (A)の屈折率と単量体(D)と単量体化合物(E)と
    の共重合体の屈折率との差が、0.01以下となるように共
    重合して得たゴム変性熱可塑性樹脂である請求項(1)
    記載の帯電防止性樹脂組成物。
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