JPH07103201B2 - 熱可塑性樹脂 - Google Patents

熱可塑性樹脂

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JPH07103201B2
JPH07103201B2 JP27713188A JP27713188A JPH07103201B2 JP H07103201 B2 JPH07103201 B2 JP H07103201B2 JP 27713188 A JP27713188 A JP 27713188A JP 27713188 A JP27713188 A JP 27713188A JP H07103201 B2 JPH07103201 B2 JP H07103201B2
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aromatic vinyl
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友二 中川
久男 永井
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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物から
成るブロック共重合体の水素添加物と特定のゴム状重合
体から成るゴム質重合体混合物の存在下に、芳香族ビニ
ル化合物およびこれと共重合可能な単量体化合物をグラ
フト共重合させて得られる、配向強度、伸び、ウェルド
部分の外観、熱安定性、着色性などが著しく改良された
耐候性、耐衝撃性、耐薬品性に優れた熱可塑性樹脂に関
する。
b.従来の技術 ジエン系ゴムにスチレン、アクリロニトリルなどをグラ
フト共重合させたABS樹脂、エチレン−プロピレン系ゴ
ムにスチレン、アクリロニトリルなどをグラフト共重合
させたAES樹脂、アクリル系ゴムにスチレン、アクリロ
ニトリルなどをグラフト共重合させたAAS樹脂などのゴ
ム強化スチレン系樹脂は、成形加工性、耐衝撃性および
耐薬品性に優れていることから広く成形材料として使用
されている。
しかし、ABS樹脂は耐候性と熱安定性が十分でなく、ま
たAES樹脂およびAAS樹脂は、耐候性に優れているが、配
向強度と伸びが不十分であり、さらにAES樹脂はウェル
ド部の外観、伸び、着色性および光沢性において十分で
ない。
一方、これらゴム強化スチレン系樹脂の各種用途への展
開にともない、配向強度、ウェルド部の外観、着色性、
伸び、熱安定性、耐候性、耐衝撃性、成形加工性の優れ
た高度の品質が要求されるようになり、従来のABS樹
脂、AES樹脂、AAS樹脂では、最近の品質要求に対応でき
なくなってきた。
c.発明が解決しようとする課題 こうした点に関し、鋭意検討した結果、芳香族ビニル化
合物と共役ジエン化合物から成るブロック共重合体の水
素添加物と、特定のゴム状重合体とからなるゴム質重合
体混合物の存在下、芳香族ビニル化合物およびこれと共
重合可能な単量体化合物をグラフト共重合させることに
より、配向強度、ウェルド部の外観、伸び、熱安定性、
耐候性、着色性、耐衝撃性および耐薬品性に著しく優れ
た樹脂を得ることに成功し、本発明に到ったものであ
る。
d.課題を解決するための手段 本発明は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物から
成るブロック共重合体の水素添加物99〜1重量%と、ア
クリル系ゴムおよび/またはエンレン−α−オレフィン
系ゴム1〜99重量%からなるゴム質重合体の存在下、芳
香族ビニル化合物(A)30〜98重量%およびこれと共重
合可能な単量体化合物(B)70〜2重量%をグラフト共
重合させてなり、メチルエチルケトン可溶分の固有粘度
〔η〕(30℃で測定)が0.2dl/g以上であるゴム変性熱
可塑性樹脂を提供するものであり、さらに本発明は、芳
香族ビニル化合物と共役ジエン化合物から成るブロック
共重合体の水素添加物99〜30重量%と、ジエン系ゴム1
〜70重量%からなるゴム質重合体の存在下、芳香族ビニ
ル化合物(A)30〜98重量%およびこれと共重合可能な
単量体化合物(B)70〜2重量%をグラフト共重合させ
てなり、メチルエチルケトン可溶分の固有粘度〔η〕
(30℃で測定)が0.2dl/g以上であるゴム変性熱可塑性
樹脂を提供するものである。
以下に、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に使用される芳香族ビニル化合物と共役ジエン化
合物から成るブロック共重合体の水素添加物としては、
たとえばスチレンとブタジエンのブロック共重合体に代
表されるブロック共重合体に水素添加し、共役ジエン化
合物に基づく脂肪族二重結合を飽和させ、オレフィン性
重合体に変換させたものがある。芳香族ビニル化合物と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ンなどがあり、中でもスチレンが好ましい。また共役ジ
エン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−
ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどが
あり、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組
合せが好ましい。
芳香族ビニルと共役ジエンの割合は、特に規定するもの
ではないが、樹脂とした場合の耐衝撃強度を維持するた
めには、芳香族ビニル/共役ジエンが5〜60/95〜40重
量%であることが好ましく、特に10〜50/90〜50重量%
であることが好ましい。
このブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、
放射状、あるいはこれらの組合せのいずれでもよく、さ
らにブロック構造としてはジブロック、トリブロックま
たはマルチブロックおよびこれらの組合せのいずれでも
良い。また、これらブロック共重合体のオレフィン型二
重結合の50%以上が水素添加されていることが必要であ
り、好ましくは65%以上、特に好ましくは80%以上であ
る。50%未満では、耐候性を実質的に維持することが困
難となる。
これら水素添加ブロック共重合体の製造方法としては、
一般的な方法を用いることができる。
代表的な方法としては、例えば特公昭42-8704号、同43-
6636号などの公報に記載された方法がある。
また、このような水素添加されたブロックポリマーとし
ては、市販のポリマーであるKRATON-G(シェルケミカル
社製商品名)などが使用できる。
本発明において上記水素添加物と併用する他のゴム状重
合体として、請求項(1)記載の発明では、アクリル系
ゴムおよび/またはエチレン−α−オレフィン系ゴムを
用いる。
アクリル系ゴムとしては、(メタ)アクリル酸アルキル
エステルを必須成分とするゴム状重合体であり、例えば
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどの単独
重合体または他の単量体との共重合体が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン系ゴムとしては、エチレン−
プロピレン、あるいはエチレン−プロピレン−非共役ジ
エンからなるゴム状重合体(EPDM)、あるいはエチレン
−ブテン、またはエチレン−ブテン−非共役ジエンから
なるゴム状重合体(EBM)があり、とくにその構造を規
定するものではないが、エチレン−α−オレフィンの重
合比は90/10〜20/80、好ましくは85/15〜40/60である。
EPDMまたはEBMの不飽和基量は、ヨウ素価に換算して4
〜40の範囲が好ましい。用いられる非共役ジエンの種類
は、アルケニルノルボルネン類、環状ジエン類、脂肪族
ジエン類であり、好ましくは5−エチリデン−α−ノル
ボルネンおよびジシクロペンタジエンである。
請求項(2)記載の発明では、他のゴム状重合体として
ジエン系ゴムを用いる。
ジエン系ゴムとしては、共役ジエンを必須成分とするゴ
ム状重合体であり、例えば、天然ゴム、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体ゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどが
挙げられる。
アクリル系ゴムおよび/またはエチレン−α−オレフィ
ン系ゴムを用いたゴム変性熱可塑性樹脂は、耐候性およ
び耐熱性が一段と優れ、その中でエチレン−α−オレフ
ィン系ゴムを用いたものは耐衝撃性に優れ、またアクリ
ル系ゴムを用いたものは耐薬品性に優れた特長を有する
ので好ましい。
ジエン系ゴムを用いたゴム変性熱可塑性樹脂は、低温特
性、着色性、配向強度およびウェルド部の外観において
一段と優れたものが得られるので好ましい。
前記水素添加ブロック共重合体と、アクリル系ゴムおよ
び/またはエチレン−α−オレフィン系ゴムからなるゴ
ム状重合体との使用割合は、99〜1/1〜99重量%、好ま
しくは95〜5/5〜95重量%、さらに好ましくは90〜10/10
〜90重量%である。水素添加ブロック共重合体が99重量
%を超えるとウェルドラインを境にして両側の色調に差
が生じ、成形品の商品価値が低下し、低温耐衝撃性も劣
る。一方、1重量%未満であると、伸びおよび配向強度
が低下し、成形品の強度低下の原因になる。さらに着色
性および光沢が劣り、またウェルドラインが目立ち、成
形品の商品価値が大幅に低下する。
前記水素添加ブロック共重合体とジエン系ゴムとの使用
割合は、99〜30/1〜70重量%、好ましくは95〜50/5〜50
重量%である。水素添加ブロック共重合体が99重量%を
超えると、上記と同様の理由で好ましくない。一方、30
重量%未満であると、ジエン系ゴムが70重量%を超える
ことになり、耐候性および熱安定性が劣るので好ましく
ない。
水素添加ブロック共重合体と、アクリル系ゴムおよび/
またはエチレン−α−オレフィン系ゴムとからなるゴム
質重合体混合物に、ジエン系ゴムを追加することができ
るが、ジエン系ゴムの使用量は、ジエン系ゴムを含めた
全ゴム質重合体混合物中のジエン系ゴムの含有率とし
て、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは40重量
%以下である。ジエン系ゴムの含有率が多くなると耐候
性および耐熱性が低下するので好ましくない。
本発明のゴム変形熱可塑性樹脂の製造方法としては、本
発明のゴム質重合体混合物の存在下にビニル単量体をラ
ジカル重合する各種の方法、例えば乳化重合法、塊状重
合法、懸濁重合法などを採用することができる。
本発明においては、単量体として芳香族ビニル化合物
(A)およびこれと共重合可能な単量体化合物(B)を
併用する。
芳香族ビニル化合物(A)としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、メチルスチレン、ビニルキシレン、モノ
クロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレ
ン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p−タ−シ
ャリ−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタ
レンなどがあり、これらは1種または2種以上で使用さ
れる。好ましい芳香族ビニル化合物は、スチレンまたは
芳香族ビニル化合物中にスチレンを50重量%以上含んだ
ものである。
共重合させる他の単量体化合物(B)としては、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル
化合物があり、これらは1種または2種以上で使用され
る。特にアクリロニトリルが好ましい。さらに、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、プロピレンアクリ
レート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘ
キシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなど
のアクリル酸アルキルエステル;メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピレンメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘ
キシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタ
クリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタク
リレートなどのメタクリル酸アルキルエステル;無水マ
レイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不
飽和酸無水物;アクリル酸、メタクリル酸など、また、
マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイ
ミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フ
ェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなど
のα・β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物などがあ
げられ、これらは、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂に支
障のない範囲で、1種または2種以上で使用される。
単量体化合物(B)としては、シアン化ビニルおよび/
または(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アクリル
酸アルキルエステルとメタアクリル酸アルキルエステル
の総称)が好ましく、本発明の目的とする効果の一段と
優れたものが得られる。シアン化ビニルを使用すると、
耐衝撃性、耐薬品性および塗装性がさらに優れたものが
得られ、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いる
と、耐候性がさらに優れたものが得られるので好まし
い。シアン化ビニルとしてはアクリロニトリル、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとしてはメチルメタク
リレートが好ましい。
芳香族ビニル化合物(A)と他の共重合可能な単量体化
合物(B)との使用比率は30〜98/70〜2重量%、好ま
しくは60〜95/40〜5重量%である。(A)が30重量%
未満であると成形加工性が劣り、一方98重量%を超える
と(B)の使用量が少なくなり、一般に(B)として
は、(A)では得られない性能を付与するために用いら
れるものであり、このことから(B)の効果が期待でき
なくなるので好ましくない。
単量体として、芳香族ビニル化合物(A)とシアン化ビ
ニル化合物を主成分とする単量体を用いた場合、得られ
るゴム変性熱可塑性樹脂は、シアン化ビニル化合物を用
いないで得られたものに比べ耐薬品性に優れ、また成形
品の塗装の際に、塗装ムラ、クラック、密着力などの不
良現象が生じにくく、優れた性質を有しており、本発明
の目的とする効果の一段と優れたものが得られる。
単量体成分として芳香族ビニル化合物(A)とシアン化
ビニル化合物を用いる場合、好ましい使用比率は芳香族
ビニル化合物(A)/シアン化ビニル化合物=30〜98/7
0〜2、さらに好ましくは60〜95/40〜5(重量%)であ
る。
(B)のシアン化ビニル化合物が70重量%を超えると成
形加工性、熱安定性および耐変色性に劣る。一方2重量
%未満であるとシアン化ビニル化合物の効果である耐薬
品性が劣るので好ましくない。
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂中のゴム質重合体混合物
成分の含有量は、目的に応じて任意に定めることができ
るが、該樹脂の耐衝撃性を損なわないためには5〜45重
量%、好ましくは10〜40重量%の範囲である。
本発明における、芳香族ビニル化合物(A)と単量体化
合物物(B)の好ましい組合せの具体例を、以下に例示
する。この中で好ましいのはである。
スチレン−アクリロニトリル スチレン−メチルメタクリレート スチレン−アクリロニトリル−メチルメタクリレート 上記のスチレンの一部または全部をα−メチルスチレン
に置換えることで、耐熱性を付与することができる。ま
たスチレンの一部または全部をハロゲン化スチレンで置
換えることで、難燃性を付与することができる。また、
上記の単量体の組合せにおいてメチルメタクリレートを
併用すると、ゴム変性熱可塑性樹脂の透明性が向上し、
一段と優れた着色性を有する。
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂は、メチルエチルケトン
可溶分の固有粘度〔η〕(30℃で測定)が0.2dl/g以
上、好ましくは0.25〜1.5、さらに好ましくは0.3〜1.2
のものである。固有粘度が0.2未満であると耐衝撃性、
耐薬品性が劣るので好ましくない。
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂は、目的に応じて下記の
他の重合体とブレンドすることが可能である。
例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポ
リカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリアミド、
ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、ハイインパクト
ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、
ABS樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレ
ン、本発明以外のAES樹脂、EPR、EPDM、1,2ポリブタジ
エンなどが挙げられる。これらは1種または2種以上で
使用することができる。
e.実施例 次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
実施例−1 リボン型攪拌翼を備えた内容積50lのステンレス製オー
トクレーブに、予め均一溶液にしたベースゴムとしての
水素添加ブロック共重合体KRATON G-1650(シェルケミ
カル社製SEBS)80重量%と、エチレンプロピレン系ゴム
EP-22(日本合成ゴム社製)20重量%からなるゴム成分3
0重量部、スチレン49重量部、トルエン120重量部、およ
びタ−シャリ−ドデシルメルカプタン0.1重量部の混合
溶液を仕込み、攪拌しながら昇温し、50℃にてアクリロ
ニトリル21重量部、ベンゾイルパーオキサイド0.5重量
部、ジクミルパーオキサイド0.1重量部を添加し、さら
に昇温し、80℃に達したのちは、この温度で一定に制御
しながら攪拌回転数100rpmにて重合反応を行なわせた。
反応開始後、6時間目から1時間かけて120℃まで昇温
し、さらに2時間反応させた。重合率は、97%であっ
た。
100℃まで冷却後、2,2′−メチレンビス(4−メチル−
6−t−ブチルフェノール)0.2重量部を添加したの
ち、反応混合物をオートクレーブから抜き出し、水蒸気
蒸留により未反応の単量体と溶媒を留去し、細かく粉砕
したのち、40mmφベント押出機(220℃、700mmHg真空)
にて実質的に揮発分を留去するとともに、重合体をペレ
ット化した。このペレットの評価結果を表−1に示す。
実施例−2 表−1に示したゴム成分と単量体成分を用いる他は実施
例−1と同様の方法で、ゴム変性熱可塑性樹脂を得た。
実施例−3 水素添加ブロック共重合体としてKRATON G-1701(シェ
ルケミカル社製SEP)を用い、表−1に示したゴム成分
と単量体を用いる他は実施例−1と同様の方法で得たグ
ラフト共重合体と、AS樹脂LITAC-A120pc(三井東圧社
製)とを表−1の配合比率で配合し、ゴム変性熱可塑性
樹脂を得た。
実施例−4 実施例−1のアクリロニトリルに代えてメチルメタクリ
レートを用いた例であり、表−1に示したゴム成分およ
び単量体を用いた他は実施例−1と同様の方法で、ゴム
変性熱可塑性樹脂を得た。
実施例−5,6 実施例−1のエチレン−プロピレン系ゴムに代えてアク
リル系ゴム(n−ブチルアクリレート重合体)を用いた
例であり、表−1に示したゴム成分および単量体を用い
た他は実施例−1と同様の方法で、ゴム変性熱可塑樹脂
を得た。
実施例−7,8 実施例−1のエチレン−プロピレン系ゴムに代えてポリ
ブタジエンゴムBRO2LL(日本合成ゴム社製)を用いた例
であり、他は実施例−1と同様の方法で、ゴム変性熱可
塑性樹脂を得た。
実施例−9 ゴム成分として、水素添加ブロック共重合体/エチレン
−プロピレン系ゴム/アクリル系ゴムからなる3成分を
用いた例であり、表−1に示したゴム成分および単量体
を用いた他は実施例−1と同様の方法で、ゴム変性熱可
塑性樹脂を得た。
比較例−1〜6 表−1に示したゴム成分および単量体を用いる他は実施
例−1の同様の方法で、ゴム変性熱可塑性樹脂を得た。
評価結果を表−1に示す。
なお、比較例−5はタ−シャリ−ドデシルメルカプタン
の使用量を多くすることで固有粘度0.15のゴム変性熱可
塑性樹脂を得た。
実施例および比較例のゴム変性熱可塑性樹脂の評価方法
は次のとおりである。
実施例、比較例のゴム変性熱可塑性樹脂ペレットを90TO
N射出成形機(220℃)にて成形し、得られた試験片の物
性を測定した。また、実施例、比較例のゴム変性熱可塑
性樹脂樹脂ペレットを下記配合にて、押出機を通して着
色し、得られた着色ペレットを成形することにより色調
評価プレートを得た。黒色配合着色性については、色差
計にて明度を測定し、マンセル色表値(値が大きい程着
色性は悪い)で表わした。他の着色配合については、彩
度を目視判定した。
黒色配合 樹脂 100 カーボンブラック 0.5 ステアリン酸Ca 0.3 赤色配合 樹脂 100 ベンガラ 1.0 ステアリン酸Ca 0.5 青色配合 樹脂 100 群青 1.0 ステアリン酸Ca 0.5 耐候性については、サンシャインウェザオメータで1000
時間照射後のアイゾット衝撃値を測定した。
結果を表−1に示す。
表−1において、各特性の測定は下記によって行なっ
た。
(1) Izop Imp:ASTM D-256 (断面1/4×1/2インチ、ノッチ付) (2) 耐候性 試験条件:サンシャインウェザオメーター(スガ試験機
(株)WEL-6×S-DC) ブラックパネル温度 63±3℃ 槽内湿度 60±5%RH 降雨サイクル 18/120分 カーボン交換サイクル60Hr 測定方法:ASTM D-256 (断面1/8×1/2インチ) (3) 耐灯油性:黒色ペレット(配合 樹脂100重量
部、カーボンブラック0.5重量部、ステアリン酸Ca0.3重
量部)による成形品をJIS6号灯油に浸漬し、50℃で1時
間放置後表面を拭き取り、乾燥後異常の有無を判断し
た。
判定◎……変色が全く認められない 判定○……変色が若干認められる 判定×……白化、光沢低下などの変化が認められる (4) 破断伸び ASTM D-638 (5) 配向強度 1oz射出成形機を用い、220℃一定で、肉厚2.4ミリの配
向板を形成し、樹脂の流動方向に対し垂直方向(⊥)お
よび水平方向(‖)の曲げ強度について測定。
曲げ強度測定条件 テストスピード 50m/min チャートスピード 100m 〃 フルスケール 40kg スパン 20mm (6) ウェルドの目立ちおよびウェルド部を境とした
色差の有無 ウェルドの目立ち:ウェルドラインの有無を目視で確認 ◎:ほとんど認められない ○:かすかに認められる ×:明らかに認められる ウェルド部を境とした色差の有無:目視で確認 ナシ:色差がほとんどない アリ:明らかに色差がある (7) 熱安定性 5oz射出成形機を用い、260℃一定で成形し連続成形品と
15分滞留後の成形品のIzod Impの保持率を測定 表−1に示す結果から明らかなように、実施例1〜9に
おいて得られたゴム変性熱可塑性樹脂は、いずれの評価
項目においても優れた物性を示す。
これに対して、比較例−1はゴム成分として水素添加ブ
ロク共重合体のみを用いた本発明の範囲外の例であり、
低温耐衝撃性、ウェルドライン両サイドの色調に大きな
差があり、好ましくない。
比較例−2,3は水素添加ブロック共重合体を使用しない
本発明の範囲外の例であり、伸び率、配向強度、ウェル
ドラインの外観が劣る。
比較例−4はゴム成分としてのジエン系ゴムが本発明の
範囲を超えている例であり、耐候性、熱安定性に劣る。
比較例−5は固有粘度が本発明の範囲未満であり、耐衝
撃性、耐油性、伸びおよび配向強度に劣る。
比較例−6は芳香族ビニル化合物の使用比率が本発明の
範囲未満の例であり、成形加工性、熱安定性および耐変
色性に劣る。
f.発明の効果 本発明のゴム変性熱可塑性樹脂は、配向強度、伸び、ウ
ェルド部の外観、着色性、熱安定性、耐衝撃性、耐候
性、耐薬品性など広範囲の物性に優れており、従来、ゴ
ム変性熱可塑性樹脂として広く使用されているABS樹
脂、AES樹脂、AAS樹脂ではこれらの広範囲な物性は得ら
れず、このような優れた物性を有することから新しい用
途への展開が可能となり、従って本発明のゴム変性熱可
塑性樹脂は極めて工業的価値が高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物か
    ら成るブロック共重合体の水素添加物99〜1重量%と、
    アクリル系ゴムおよび/またはエチレン−α−オレフィ
    ン系ゴム1〜99重量%からなるゴム質重合体の存在下、
    芳香族ビニル化合物(A)30〜98重量%およびこれと共
    重合可能な単量体化合物(B)70〜2重量%をグラフト
    共重合させてなり、メチルエチルケトン可溶分の固有粘
    度〔η〕(30℃で測定)が0.2dl/g以上であるゴム変性
    熱可塑性樹脂。
  2. 【請求項2】芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物か
    ら成るブロック共重合体の水素添加物99〜30重量%と、
    ジエン系ゴム1〜70重量%からなるゴム質重合体の存在
    下、芳香族ビニル化合物(A)30〜98重量%およびこれ
    と共重合可能な単量体化合物(B)70〜2重量%をグラ
    フト共重合させてなり、メチルエチルケトン可溶分の固
    有粘度〔η〕(30℃で測定)が0.2dl/g以上であるゴム
    変性熱可塑性樹脂。
  3. 【請求項3】単量体化合物(B)が、シアン化ビニル化
    合物、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸
    アルキルエステルから選ばれた少くとも一種である請求
    項(1)または(2)記載のゴム変性熱可塑性樹脂。
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